JP2002194022A - (メタ)アクリル酸エステルの精製方法、(メタ)アクリル酸エステルおよび(メタ)アクリル樹脂 - Google Patents
(メタ)アクリル酸エステルの精製方法、(メタ)アクリル酸エステルおよび(メタ)アクリル樹脂Info
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Abstract
を除去できる(メタ)アクリル酸エステルの精製方法、
着色原因物質が少なく、透明性に優れた(メタ)アクリ
ル酸エステルおよび(メタ)アクリル樹脂を提供する。 【解決手段】 本発明の(メタ)アクリル酸エステルの
精製方法は、(メタ)アクリル酸エステルを第1級およ
び/または第2級アミノ基含有化合物によって処理する
工程と、(メタ)アクリル酸エステルを強酸性イオン交
換樹脂によって処理する工程とを有するものである。
Description
酸エステルの精製方法、(メタ)アクリル酸エステルお
よび(メタ)アクリル樹脂に関する。
としては、硫安の副生を伴うACH法、硫安副生のない
改良ACH法、C4酸化法、C4酸化で得られるメタク
ロレインとメタノールから直接エステル体を得る方法お
よびメチルアセチレンのカルボニル化法等が知られてい
る。また、これらの方法により得られたメタクリル酸と
アルコールとでエステル化反応を行ない、または、メタ
クリル酸メチルとアルコールとでエステル交換反応を行
ない、このメタクリル酸エステルを含む反応液を抽出や
蒸留等により精製することによって種々のメタクリル酸
エステルが製造される。
からの気相酸化法、あるいはニッケル触媒の存在下アセ
チレンと一酸化炭素とメタノールとから合成される(レ
ッペ法)。また、エチレンシアノヒドリンの硫酸とメタ
ノールによる分解によっても合成できる。その他のアク
リル酸エステルは、低級エステルの場合はアクリル酸メ
チルの合成方法と同様で、メタノールの代わりにそのア
ルコールを用いて合成され、高級アルキルエステルの場
合はアクリル酸メチルとのエステル交換反応によって合
成される。
クリル酸エステルは、その製造過程において強い酸化剤
や高温に曝されることにより、無視することのできない
量の着色原因物質を含有している。メタクリル酸エステ
ルに関しては、着色原因物質の含有量はその商品価値を
大きく左右するものである。一般に、(メタ)アクリル
酸エステルを主成分とした(メタ)アクリル系樹脂は、
耐候性、透明性、表面光沢、機械的強度、成型性等に優
れた特性を有し、光学材料、看板、照明カバー、機械装
置の窓、水族館水槽、あるいは各種表示装置用部材など
多くの用途に使用されているが、着色原因物質を多く含
有すると切断面等の着色が外観上問題になることがあ
る。特に光ファイバーなどに用いる場合には、着色原因
物質の存在が特定波長の光の透過率を損なうという重要
な問題を生ずることがある。
因物質の除去方法としては、高い段数の塔により高還流
比で蒸留分離する方法、活性炭により吸着処理を行う方
法、特公昭60−18964号公報で提案されているア
ルミナ等の固体吸着剤上を通過させる方法、EP20
6,230号明細書に記載されている芳香族ジアミン等
で処理する方法などが知られている。また、特開平7−
238055号公報にはヒドロキシルアミンの鉱酸塩に
よりオキシム化処理する方法が、特開平7−25816
0号公報には金属水素錯化合物の水溶液で還元処理する
方法が、特開平7−258161号公報にはアルカリ金
属および/またはアルカリ土類金属化合物の水溶液で洗
浄処理する方法が提案されている。さらには、特開昭6
3−2952号公報には、ごく微量の有機酸を含むメタ
クリル酸メチルを弱塩基性アニオン交換樹脂で処理する
方法が提案されている。
は、ジアセチルのように比揮発度が小さい着色原因物質
を完全に除去するには膨大なエネルギーを必要とすると
いう問題がある。また、活性炭、アルミナ等の固体吸着
剤を用いる方法においても、固体吸着剤が処理される着
色原因物質に対して多量に要するという欠点がある。さ
らに、ヒドロキシルアミンの鉱酸塩によるオキシム化処
理、金属水素錯化合物水溶液による還元処理、アルカリ
金属および/またはアルカリ土類金属化合物の水溶液に
よる洗浄処理等の方法は、工程が煩雑になるだけではな
く、着色原因物質の除去が十分でないという問題もあ
る。(メタ)アクリル酸エステルに含まれる着色原因物
質を実用的、かつ、簡便に除去できる方法が見出されて
いないのが現状である。
かつ、簡便な方法で着色原因物質を除去できる(メタ)
アクリル酸エステルの精製方法、着色原因物質が少な
く、透明性に優れた(メタ)アクリル酸エステルおよび
(メタ)アクリル樹脂を提供することを目的とする。
明により解決できる。 (1)(メタ)アクリル酸エステルを精製する方法であ
って、(メタ)アクリル酸エステルを第1級および/ま
たは第2級アミノ基含有化合物によって処理する工程
と、(メタ)アクリル酸エステルを強酸性イオン交換樹
脂によって処理する工程とを有する(メタ)アクリル酸
エステルの精製方法。 (2)(メタ)アクリル酸エステルを精製する方法であ
って、第一の蒸留塔(A)により水および(メタ)アク
リル酸エステルを塔頂から留出させ、その凝縮液を第一
のデカンタで二層分離し、主に(メタ)アクリル酸エス
テルからなる上層の一部は第一の蒸留塔(A)の塔頂部
へ還流し、残りの上層は第二の蒸留塔(B)へ導き、第
二の蒸留塔(B)により(メタ)アクリル酸エステルを
含む水を塔頂から留出させ、その凝縮液に第1級および
/または第2級アミノ基含有化合物を添加して処理し、
この溶液を第二のデカンタで二層分離し、主に(メタ)
アクリル酸エステルからなる上層の一部は第二の蒸留塔
(B)の塔頂部へ還流し、残りの上層は強酸性イオン交
換樹脂によって処理した後、第一の蒸留塔(A)へ還流
させ、第二の蒸留塔(B)の塔底部より(メタ)アクリ
ル酸エステルを得る(メタ)アクリル酸エステルの精製
方法。 (3)前記(1)または(2)の(メタ)アクリル酸エ
ステルの精製方法により精製した(メタ)アクリル酸エ
ステル。 (4)前記(3)の(メタ)アクリル酸エステルを重合
した(メタ)アクリル樹脂。
製方法は、メタクリル酸エステル、特にメタクリル酸メ
チルの精製において好ましく適用される。
テルの精製方法によれば、効率よく、かつ、簡便な方法
で着色原因物質を除去できる。そして、この精製方法に
より精製した(メタ)アクリル酸エステルは着色原因物
質が少なく、重合して樹脂としたとき透明性に優れたも
のが得られる。
酸エステルとしては、特に限定されず、例えば、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エ
チルヘキシル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル
酸アリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等
に代表される(メタ)アクリル酸とアルコールとのエス
テルが挙げられる。ここで、(メタ)アクリル酸エステ
ルとはアクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステ
ルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいは
メタクリレートを意味する。本発明は、メタクリル酸エ
ステル、特にメタクリル酸メチルに適用した場合、その
効果が顕著である。
アクリル酸エステルは、どのような方法によって製造さ
れたものでもよく、特に限定されない。メタクリル酸エ
ステルの工業的な製造方法としては、アセトンシアンヒ
ドリンを原料とし硫安の副生を伴うACH法、同じアセ
トンシアンヒドリンを原料とし硫安副生のない改良AC
H法、炭素数4の化合物(イソブタン、イソブチレン
等)の気相接触酸化反応で得られるメタクロレインをさ
らに気相接触酸化し、得られたメタクリル酸とアルコー
ルとのエステル化反応を行うC4酸化法、炭素数4の化
合物の気相接触酸化反応で得られるメタクロレインをア
ルコールとパラジウム含有化合物とを用いて直接エステ
ル体を得る方法、一酸化炭素およびアルコールを用いた
メチルアセチレンのカルボニル化による方法等が知られ
ている。アクリル酸エステルの工業的な製造方法として
は、プロピレンをの気相接触酸化反応で得られるアクロ
レンをさらに気相接触酸化し、得られたアクリル酸とア
ルコールとのエステル化反応を行う方法等が知られてい
る。
リル酸エステルは、通常、着色原因物質として、例え
ば、2,5−ジメチルフラン、ジアセチル、メタクロレ
イン、クロトンアルデヒド、およびピルビン酸メチル等
を含有する。その含有量は、製造方法、製造条件等によ
って変化するが、通常、5〜100質量ppm程度であ
る。
物質を1〜200質量ppm、特に10質量ppm以上または
100質量ppm以下含む(メタ)アクリル酸エステルに
好ましく適用される。着色原因物質が2,5−ジメチル
フランの場合、通常、30質量ppm以下、好ましくは1
0質量ppm以下、また、ジアセチルの場合は、1質量p
pm以下であれば、(メタ)アクリル酸エステルを重合
したときに十分な透光性が得られるが、本発明の精製方
法によれば、効率よく、かつ、簡便にこの範囲にまで着
色原因物質の含有量を減らすことができる。
エステルの精製方法について説明する。
ルの精製方法は、(メタ)アクリル酸エステルを第1級
および/または第2級アミノ基含有化合物によって処理
する工程と、(メタ)アクリル酸エステルを強酸性イオ
ン交換樹脂によって処理する工程とを有するものであ
る。(メタ)アクリル酸エステルを第1級および/また
は第2級アミノ基含有化合物によって処理することによ
り主にアセチル基を有する着色原因物質がアミノ基含有
化合物と反応し、その反応物が蒸留により、または、水
を加えて二層分離することにより除去される。(メタ)
アクリル酸エステルを強酸性イオン交換樹脂によって処
理することにより着色原因物質が強酸性イオン交換樹脂
を触媒に反応し、その反応物が蒸留により除去される。
級アミノ基含有化合物としては、特に限定されず、脂肪
族アミン、芳香族アミンのいずれでもよく、1分子中に
複数個のアミノ基を有するアミン類、アンモニア、ヒド
ラジンおよびその誘導体、さらにはヒドロキシルアミン
およびその無機酸塩等の化合物が含まれる。第1級およ
び/または第2級アミノ基含有化合物としては、例え
ば、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、
ヘキシルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルア
ミン、ジイソプロピルアミン、メチルエチルアミン、エ
チレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレ
ンジアミン、ペンタメチレンジアミン、N,N’−ジフ
ェニルエチレンジアミン、エタノールアミン、ヘキサメ
チレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレ
ンペンタミン、アニリン、トルイジン、N−エチルアニ
リン、N−プロピルアミン、ジフェニルアミン、フェニ
レンジアミン、N−メチルフェニレンジアミン、ベンジ
ルアミン、フェネチルアミン、アニシジン等が挙げられ
る。特にカルボニル系不純物は第1級アミンとの反応性
が高いのでエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、
テトラメチレンジアミンを用いることが好ましい。
化合物の添加量は、着色原因物質を十分に除去できるの
で(メタ)アクリル酸エステル100質量部に対して
0.0001質量部以上、特に0.001質量部以上が
好ましく、(メタ)アクリル酸エステル100質量部に
対して1質量部以下、特に0.8質量部以下が好まし
い。
有化合物による処理工程の方法としては、たとえば(メ
タ)アクリル酸エステルにアミノ基含有化合物を添加し
て所定の温度に加熱した後、好ましくはこの混合物を撹
拌しながら一定時間保持する方法が用いられる。処理温
度は20℃以上、特に30℃以上が好ましく、100℃
以下、特に80℃以下が好ましい。処理時間は5分以
上、特に15分以上が好ましく、5時間以下、特に3時
間以下が好ましい。
添加量は(メタ)アクリル酸エステル100質量部に対
して200質量部以下が好ましい。
類としては特に限定されず、交換容量、架橋度なども特
に規定されない。強酸性イオン交換樹脂としては、アン
バーリスト15E(ロームアンドハース社製)、アンバ
ーリストXH−2071(ロームアンドハース社製)等
が好ましく挙げられる。
法としては、回分式、連続式いずれの方法で行ってもよ
いが、中でも、固定床にて流通反応を行わせる方法が操
作の簡便さ等の点から好ましい。
量は、フラン系の着色原因物質を十分に除去できるので
(メタ)アクリル酸エステル100質量部に対して0.
1質量部以上、特に1質量部以上が好ましく、(メタ)
アクリル酸エステル100質量部に対して50質量部以
下、特に30質量部以下が好ましい。連続式では、(メ
タ)アクリル酸エステルの流通量は、着色原因物質を十
分に除去できるので強酸性イオン交換樹脂に対して空間
速度で0.01hr-1以上、特に0.05hr -1以上が
好ましく、10hr-1以下、特に5hr-1以下が好まし
い。
ける反応処理温度は、回分式、連続式いずれの方法で
も、20℃以上、特に30℃以上が好ましく、100℃
以下、特に80℃以下が好ましい。処理時間は、回分
式、連続式いずれの方法でも、5分以上、特に15分以
上が好ましく、5時間以下、特に3時間以下が好まし
い。
製方法は、第1級および/または第2級アミノ基含有化
合物による処理工程と強酸性イオン交換樹脂による処理
工程とをどのような順序で行ってもよい。
有化合物による処理工程を行った後の反応液はそのまま
で次の処理工程に通してもよいが、強酸性イオン交換樹
脂の寿命が伸びるので、反応液と水とを混合してアミノ
基含有化合物や着色原因物質とアミノ基含有化合物との
反応物を水層へ除去した後に次の処理工程を行うことが
好ましい。添加する水の量は、アミノ基含有化合物や着
色原因物質とアミノ基含有化合物との反応物が十分除去
されるので(メタ)アクリル酸エステル100質量部に
対して5質量部以上、特に20質量部以上が好ましく、
(メタ)アクリル酸エステル100質量部に対して20
0質量部以下、特に120質量部以下が好ましい。
程後の反応液はそのままで次の処理工程に通してもよ
く、あるいは、蒸留して着色原因物質を除去した後に次
の処理工程を行ってもよい。回分式の場合は、デカンテ
ーション等によりイオン交換樹脂を除去した後に反応液
を次の処理工程に通す。
て未反応の処理剤や、処理剤と着色原因物質との反応物
を分離し、(メタ)アクリル酸エステルが得られるが、
このとき(メタ)アクリル酸エステルが重合するのを防
止するためにフェノチアジン、ベンゾフェノチアジン等
の重合禁止剤を添加しておくことが好ましい。
ステルの回収率は、通常、90〜98%程度である。こ
こで、回収率は 回収率(%)=B/A×100 A:仕込みの(メタ)アクリル酸エステルの質量 B:処理後の精製(メタ)アクリル酸エステルの質量 により定義される。
エステルの精製方法について説明する。
ルの精製方法は、(メタ)アクリル酸エステルを精製す
る方法であって、第一の蒸留塔(A)により水および
(メタ)アクリル酸エステルを塔頂から留出させ、その
凝縮液を第一のデカンタで二層分離し、主に(メタ)ア
クリル酸エステルからなる上層の一部は第一の蒸留塔
(A)の塔頂部へ還流し、残りの上層は第二の蒸留塔
(B)へ導き、第二の蒸留塔(B)により(メタ)アク
リル酸エステルを含む水を塔頂から留出させ、その凝縮
液に第1級および/または第2級アミノ基含有化合物を
添加して処理し、この溶液を第二のデカンタで二層分離
し、主に(メタ)アクリル酸エステルからなる上層の一
部は第二の蒸留塔(B)の塔頂部へ還流し、残りの上層
を強酸性イオン交換樹脂によって処理した後、第一の蒸
留塔(A)へ還流させ、第二の蒸留塔(B)の塔底部よ
り(メタ)アクリル酸エステルを得るものである。第二
のデカンタの下層(水層)には、第1級および/または
第2級アミノ基含有化合物、第1級および/または第2
級アミノ基含有化合物と不純物の水溶性反応物が含まれ
ており、下層は適宜系外に取り出し処理される。そし
て、第二の蒸留塔(B)の塔底部より得られる(メタ)
アクリル酸エステルから第三の蒸留塔(C)により高沸
物を除去し、塔頂部から(メタ)アクリル酸エステルを
得ることが好ましい。
強酸性イオン交換樹脂で処理することも可能である。
酸をエステル化して得られる反応液(以下、エステル化
反応液という。)をそのまま用いて精製する。具体的に
いうと、例えば、イソブタン、イソブチレン、第3級ブ
チルアルコール、メタクロレイン等を気相接触酸化反応
して得られるメタクリル酸を抽出や蒸留等の手段により
精製し、該メタクリル酸をメタノールとエステル化反応
させ、得られたメタクリル酸メチルから未反応のメタノ
ールを抽出除去した粗製メタクリル酸メチル等が用いら
れる。
(エステル化反応液)は、通常、水を含有し、本発明が
そのまま適用できるが、必要に応じて水を添加してもよ
い。(メタ)アクリル酸エステルに対する水の量は特に
限定されないが、気相酸化法で得られたメタクリル酸メ
チルの場合、通常、3〜30質量%程度、好ましくは5
質量%以上または10質量%以下である。また、気相酸
化法で得られたアクリル酸メチルの場合、通常、3〜3
0質量%程度、好ましくは5質量%以上または10質量
%以下である。
第2級のアミノ基含有化合物としては、第一の方法と同
様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。その
添加量の好ましい範囲も第一の方法と同様である。
有化合物による処理工程の方法としては、回分式、連続
式いずれの方法で行ってもよいが、連続式が操作の簡便
さ等の点から好ましい。また、特に混合槽等を設ける必
要はなく、混合溶液が所定時間、所定温度になるように
ラインを加熱すればよい。
い。水の添加量は特に限定されないが、(メタ)アクリ
ル酸エステル100質量部に対して5質量部以上、特に
20質量部以上が好ましく、(メタ)アクリル酸エステ
ル100質量部に対して200質量部以下、特に100
質量部以下が好ましい。
てもよいし、直接添加してもよい。
有化合物による処理工程における処理温度は20℃以
上、特に30℃以上が好ましく、100℃以下、特に8
0℃以下が好ましい。処理時間は1分以上、特に5分以
上が好ましく、5時間以下、特に3時間以下が好まし
い。
類としては、第一の方法と同様のものが挙げられ、好ま
しいものも同様である。その使用量、または、(メタ)
アクリル酸エステルの流通量の好ましい範囲も第一の方
法と同様である。
法としては、回分式、連続式いずれの方法で行ってもよ
いが、中でも、固定床にて流通反応を行わせる方法が操
作の簡便さ等の点から好ましい。
ける反応処理温度は20℃以上、特に30℃以上が好ま
しく、100℃以下、特に80℃以下が好ましい。処理
時間は5分以上、特に15分以上が好ましく、5時間以
下、特に3時間以下が好ましい。
型式としては、一般的に使用される蒸留塔であれば特に
限定はなく、例えばトレイ式や充填式等の蒸留塔などが
挙げられる。その運転条件は特に限定されず、適宜決め
ればよい。
アクリル酸エステルの精製装置の一例を図1に示し、図
を用いて本発明の説明を行う。
(エステル化反応液)はライン(1)から第一の蒸留塔
(A)へ供給され、高沸除去される。その操作条件は高
沸不純物の量や種類によって適宜決めればよい。缶残液
は、主に(メタ)アクリル酸であり、一部はリボイラー
(L)を通して第一の蒸留塔(A)へ還流され、残りは
系外へ除去される。蒸留塔(A)塔頂部から得られる蒸
気(一部水を含む(メタ)アクリル酸エステル)は、第
一の凝縮器(D)で凝縮される。該凝縮液は第一のデカ
ンタ(G)に導かれ、主に水からなるデカンタ(G)下
層はライン(2)から系外へ除去される。
らなるデカンタ(G)の上層の一部は第一の蒸留塔
(A)塔頂部へ還流され、残りはライン(3)から第二
の蒸留塔(B)へ供給され、低沸不純物が除去される。
その操作条件は低沸不純物の量や種類によって適宜決め
ればよい。蒸留塔(B)塔頂部から得られる蒸気(一部
(メタ)アクリル酸エステルを含む水)は、第二の凝縮
器(E)で凝縮される。
ン(4)から供給される第1級および/または第2級の
アミノ基含有化合物とライン(5)から供給される後述
のデカンタ(H)下層とによって接触処理され、第二の
デカンタ(H)に導かれる。そして、主に水からなるデ
カンタ(H)下層の一部は第二の蒸留塔(B)塔頂部か
ら得られる蒸気の凝縮液と再び混合され、残りの下層は
ライン(6)から系外へ除去される。ここで、未反応の
アミノ基含有化合物や、主にカルボニル基を有する着色
原因物質とアミノ基含有化合物とが反応して生成したア
ミン化合物は、ほとんど全てデカンタ(H)下層の水層
へ溶解しており、系外へ除去される。
有化合物は蒸留塔(B)の凝縮器(E)上部からデカン
タ(H)の間で添加すればよい。また、未反応の第1級
および/または第2級のアミノ基含有化合物を有効に利
用するために、下層の一部を第二の蒸留塔(B)塔頂部
からの留出物と再び混合することが好ましいが、すべて
系外へ除去してもよい。また、留出物と第1級および/
または第2級のアミノ基含有化合物とを効率的に接触さ
せるために攪拌装置、充填物層等を設けてもよい。
らなるデカンタ(H)の上層の一部は第二の蒸留塔
(B)塔頂部へ還流され、残りは強酸性イオン交換樹脂
層(K)へ通液して処理する。強酸性イオン交換樹脂層
(K)による処理は回分式で行なってもよい。着色原因
物質は強酸性イオン交換樹脂を触媒に反応し、蒸留によ
り除去しやすい化合物となる。そして、強酸性イオン交
換樹脂層(K)を通液したデカンタ(H)の上層は、再
び第一の蒸留塔(A)へ供給される。
(8)から第三の蒸留塔(精製塔)(C)へ供給され、
高沸除去される。その操作条件は適宜決めればよい。蒸
留塔(C)は必ずしも必要ではないが、蒸留塔(C)を
用いて、さらに高沸不純物を除去することで、より高純
度に精製された(メタ)アクリル酸エステルが得られ
る。
ステルの回収率は、通常、90〜98%程度である。
によって得られる(メタ)アクリル酸エステルは、着色
原因物質の含有量が十分小さく、ポリマーとしたときに
十分な透光性が得られる。本発明の(メタ)アクリル酸
エステルの着色原因物質の含有量は、2,5−ジメチル
フランは30質量ppm以下、特に10質量ppm以下、ジア
セチルは1質量ppm以下であることが好ましい。
単独で、または、他のモノマーとともに重合して(メ
タ)アクリル樹脂となる。メタクリル樹脂は、光学材
料、看板、照明カバー、機械装置の窓、水族館水槽、各
種表示装置用部材、光ファイバー等の様々な用途に使用
される。(メタ)アクリル樹脂は、繊維、塗料等の様々
な用途に使用される。
クリル酸エステル、好ましくはメタクリル酸メチルは十
分な透明性が得られるので50質量%以上、特に80質
量%以上であることが好ましい。また、切断面の黄色着
色防止の観点からは特に(メタ)アクリル酸エステル単
独、さらにはメタクリル酸メチル単独の場合が好まし
い。
しては公知のものが使用でき、例えばアゾ化合物あるい
は有機過酸化物等が挙げられる。ラジカル重合開始剤と
して用いられるアゾ化合物としては、2,2’−アゾビ
ス(イソブチロニトリル)、2,2’アゾビス(2,4
−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)等
が、また有機過酸化物としては、ターシャリブチルパー
オキシアセテート、ターシャリブチルパーオキシピバレ
ート、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキ
サイド等が挙げられる。重合開始剤は1種を用いても2
種以上を用いてもよい。
合性不飽和単量体混合物100質量部に対して0.00
01〜0.5質量部程度、好ましくは0.0002質量
部以上または0.05質量部以下である。
る際の温度は、使用するラジカル重合開始剤の種類によ
り異なるが、通常、40〜90℃程度である。また、重
合に要する時間を短縮することを目的に単量体溶液中の
空間雰囲気の酸素量をできるだけ少なくすることが好ま
しく、酸素濃度を10ppm以下に制御することが好ま
しい。重合時間は、通常、0.5〜10時間である。
はメタクリル樹脂、さらに好ましくはメタクリル酸メチ
ル樹脂である。
は、例えば、圧縮成形法、射出成形法、押出成形法、注
型法、金型を用いたトランスファーなどがある。
応じて、他の樹脂成分、ゴム成分、耐熱安定剤、耐候安
定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、スリップ剤、
アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、核剤、染料、顔
料、天然油、合成油、ワックスなどを配合してもよい。
その配合割合は特に限定されず、適宜決めればよい。
本発明はこの実施例に限定されるものではない。
の代表としてメタクリル酸メチルを用い、(メタ)アク
リル酸エステルの着色原因物質の代表として2,5−ジ
メチルフランおよびジアセチルの濃度を測定した。2,
5−ジメチルフランおよびジアセチルの濃度は、ガスク
ロマトグラフィー(GC;SHIMADZU社製GC−
17A)を使用し、絶対検量線法で測定した。実施例に
おいて%およびppmは特に記載がない場合を除き、そ
れぞれ質量%および質量ppmを表す。 <実施例1>イソブチレンの気相接触酸化反応で得られ
たメタクロレインをさらに気相接触酸化反応してメタク
リル酸を得た後、メタクリル酸とメタノールのエステル
化反応によりメタクリル酸メチルを得た。得られたメタ
クリル酸メチルのGC分析を行ったところ、このメタク
リル酸メチル中に含まれる2,5−ジメチルフランの濃
度は38.6ppm、ジアセチルの濃度は2.3ppm
であった。
止剤としてフェノチアジン0.05gを添加し、それに
エチレンジアミン0.01gを添加して攪拌しながら4
0℃で2時間処理した。次いで100gの水を添加し、
攪拌、静置後、メタクリル酸メチル層と水層とを分離し
た。そして、分離したメタクリル酸メチルに強酸性イオ
ン交換樹脂アンバーリスト15E(ロームアンドハース
社製)2.5gを添加して攪拌しながら60℃で1時間
処理した。処理液からデカンテーションによってイオン
交換樹脂を取り除いた後、1.3kPa減圧下で単蒸留を
行い、精製メタクリル酸メチルを94%の回収率で回収
した。この精製メタクリル酸メチル中に含まれる2,5
−ジメチルフランの濃度は3.2ppm、ジアセチルの
濃度は定量限界(0.5ppm)以下であった。
質量部に対してラジカル重合開始剤として2,2’−ア
ゾビス(イソブチロニトリル)0.001質量部を添加
し、混合溶解した。そして、この混合溶液を600×6
00×5mmの2枚のガラスの間にポリ塩化ビニル製ガ
スケットをセットした間隙が5mmのガラスセルに注入
し、50℃のウォーターバスで5時間重合した後、12
0℃のエアーオーブンで2時間熱処理してメタクリル酸
メチル樹脂キャスト板を得た。このキャスト板を5
(幅)×5(厚さ)×550(長さ)mmに切断した
後、各面を研磨し、メタクリル酸メチル樹脂キャスト板
の各波長における長辺方向の光透過量を測定した。結果
を表1に示す。 <実施例2>実施例1において、用いる強酸性イオン交
換樹脂をアンバーリストXH−2071(ロームアンド
ハース社製)とした以外は実施例1と同様に処理した。
その結果、処理後の精製メタクリル酸メチル(回収率9
3%)中に含まれる2,5−ジメチルフランの濃度は
2.8ppm、ジアセチルの濃度は定量限界(0.5p
pm)以下であった。
施例1と同様にキャスト重合し、切断および研磨を行な
ってメタクリル酸メチル樹脂キャスト板を得、その各波
長における長辺方向の光透過量を測定した。結果を表1
に示す。 <実施例3>イソブチレンの気相接触酸化反応で得られ
るメタクロレインとメタノールとをパラジウム含有化合
物を用いて反応させて得られたメタクリル酸メチルを精
製対象として実施例1と同様に処理した。その結果、処
理前のメタクリル酸メチル中に含まれる2,5−ジメチ
ルフランの濃度は41.4ppm、ジアセチルの濃度は
7.8ppmであり、処理後の精製メタクリル酸メチル
(回収率92%)中に含まれる2,5−ジメチルフラン
の濃度は4.2ppm、ジアセチルの濃度は定量限界
(0.5ppm)以下であった。
施例1と同様にキャスト重合し、切断および研磨を行な
ってメタクリル酸メチル樹脂キャスト板を得、その各波
長における長辺方向の光透過量を測定した。結果を表1
に示す。 <実施例4>アセトンと青酸を用いるアセトンシアンヒ
ドリン法により得られたメタクリル酸メチルを精製対象
として実施例1と同様に処理した。その結果、処理前の
メタクリル酸メチル中に含まれる2,5−ジメチルフラ
ンの濃度は28.4ppm、ジアセチルの濃度は2.8
ppmであり、処理後の精製メタクリル酸メチル(回収
率93%)中に含まれる2,5−ジメチルフランの濃度
は3.2ppm、ジアセチルの濃度は定量限界(0.5
ppm)以下であった。
施例1と同様にキャスト重合し、切断および研磨を行な
ってメタクリル酸メチル樹脂キャスト板を得、その各波
長における長辺方向の光透過量を測定した。結果を表1
に示す。 <比較例1>実施例1において、強酸性イオン交換樹脂
による処理を行わなかった以外は実施例1と同様に処理
した。その結果、精製メタクリル酸メチル(回収率93
%)中に含まれるジアセチルの濃度は定量限界(0.5
ppm)以下であったが、2,5−ジメチルフランの濃
度は35.3ppmであり、着色原因物質の除去が不十
分であった。
施例1と同様にキャスト重合し、切断および研磨を行な
ってメタクリル酸メチル樹脂キャスト板を得、その各波
長における長辺方向の光透過量を測定した。結果を表1
に示す。 <比較例2>実施例1において、アミノ基含有化合物に
よる処理を行わなかった以外は実施例1と同様に処理し
た。その結果、精製メタクリル酸メチル(回収率92
%)中に含まれる2,5−ジメチルフランの濃度は5.
3ppmであったが、ジアセチルの濃度は2.3ppm
であり、着色原因物質の除去が不十分であった。
施例1と同様にキャスト重合し、切断および研磨を行な
ってメタクリル酸メチル樹脂キャスト板を得、その各波
長における長辺方向の光透過量を測定した。結果を表1
に示す。
処理だけ、または、強酸性イオン交換樹脂による処理だ
けでは光透過量があまり増加しておらず、透明性の向上
効果が劣ることがわかる。 <実施例5>イソブチレンを出発原料として気相接触酸
化によって得られたメタクリル酸を抽出および蒸留によ
り精製し、得られたメタクリル酸とメタノールとのエス
テル化反応を行ない、メタクリル酸メチルを得た。得ら
れたメタクリル酸メチルは、水5.2%、2,5−ジメ
チルフラン39.6ppm、ジアセチル19.1pp
m、その他の化合物22.3%を含んでいた。また、こ
のメタクリル酸メチルの色数はAPHA5であった。
hと、強酸性イオン交換樹脂による処理を行なって還流
されてきたメタクリル酸メチル280g/hとを混合
し、この混合液を塔頂部に凝縮器およびデカンタを備え
た30段のオールダーショウ型蒸留塔(第一の蒸留塔、
以下高沸除去塔という)へ1280g/hで供給した。
高沸除去塔は、塔頂温度44℃、操作圧力18.7kP
a、缶出速度234g/h、留出速度1046g/hで
運転した。
へ導き二層分離を行い、得られた主に水からなるデカン
タ下層を系外へ抜き出した。主にメタクリル酸メチルか
らなる上層の一部は400g/hで蒸留塔へ還流し、残
りの上層は塔頂部に凝縮器、混合槽およびデカンタを備
えた30段のオールダーショウ型蒸留塔(第二の蒸留
塔、以下低沸除去塔という)へ1002g/hで供給し
た。低沸除去塔は、塔頂温度59℃、操作圧力46.7
kPa、缶出速度715g/hで運転した。
部に0.02%エチレンジアミン水溶液を300g/h
で供給して凝縮液630g/hと混合した。そして、5
0℃で1時間攪拌しながら処理した。その後、この処理
液をデカンタへ導き二層分離を行い、得られた主に水か
らなるデカンタ下層を系外へ抜き出した。主にメタクリ
ル酸メチルからなるデカンタ上層のうち350g/hを
低沸除去塔塔頂部へ還流し、残りの上層は強酸性イオン
交換樹脂アンバーリスト15E(ロームアンドハース社
製)を充填した固定床に連続的に流通接触させた。メタ
クリル酸メチル(上層)の流通量は強酸性イオン交換樹
脂に対して空間速度で3hr-1とし、40℃で行なっ
た。その後、この処理液は、新たに供給されるメタクリ
ル酸メチルと混合して再び高沸除去塔へ供給した。
を715g/hで10段のオールダーショウ型蒸留塔
(第三の蒸留塔、以下精製塔という)で供給した。精製
塔は、塔頂温度54℃、操作圧力20.0kPa、缶出
速度17g/h、留出速度698g/hで運転した。そ
して、塔頂から698g/hの精製メタクリル酸メチル
を得た。
5−ジメチルフランの濃度は3.4ppm、ジアセチル
の濃度は定量限界(0.5ppm)以下であった。精製
メタクリル酸メチルの色数はAPHA0であった。
せ、製板した結果、黄色着色は認められなかった。 <実施例6>実施例5において、用いる強酸性イオン交
換樹脂をアンバーリストXH−2071(ロームアンド
ハース社製)とした以外は実施例5と同様の操作を行っ
た。その結果、精製されたメタクリル酸メチルが702
g/hで得られ、その中に含まれる2,5−ジメチルフ
ランの濃度は2.9ppm、ジアセチルの濃度は定量限
界(0.5ppm)以下であった。精製メタクリル酸メ
チルの色数はAPHA0であった。
せ、製板した結果、黄色着色は認められなかった。 <比較例3>実施例5において、強酸性イオン交換樹脂
処理を行わなかった以外は実施例5と同様の操作を行っ
た。その結果、精製されたメタクリル酸メチルは694
g/hで得られ、その中に含まれるジアセチルの濃度は
定量限界(0.5ppm)以下であったが、2,5−ジ
メチルフランの濃度は36.2ppmと着色原因物質の
除去が不充分であった。精製メタクリル酸メチルの色数
はAPHA0であった。
せ、製板した結果、明らかに黄色に着色していた。 <比較例4>実施例5において、アミノ基含有化合物に
よる処理を行わなかった以外は実施例5と同様の操作を
行った。その結果、精製されたメタクリル酸メチルは6
99g/hで得られ、その中に含まれる2,5−ジメチ
ルフランの濃度は5.3ppmであったが、ジアセチル
の濃度は8ppmと着色原因物質の除去が不充分であっ
た。精製メタクリル酸メチルの色数はAPHA2であっ
た。
せ、製板した結果、明らかに黄色に着色していた。
方法で(メタ)アクリル酸エステル中に含まれる着色原
因物質を除去でき、透明性に優れた(メタ)アクリル酸
エステルおよび(メタ)アクリル樹脂を得ることができ
る。
精製装置の一例である。
Claims (10)
- 【請求項1】 (メタ)アクリル酸エステルを精製する
方法であって、(メタ)アクリル酸エステルを第1級お
よび/または第2級アミノ基含有化合物によって処理す
る工程と、(メタ)アクリル酸エステルを強酸性イオン
交換樹脂によって処理する工程とを有することを特徴と
する(メタ)アクリル酸エステルの精製方法。 - 【請求項2】 前記(メタ)アクリル酸エステルを第1
級および/または第2級アミノ基含有化合物によって処
理する工程が、第1級および/または第2級アミノ基含
有化合物を(メタ)アクリル酸エステル100質量部に
対して0.0001〜1質量部添加し、20〜100℃
で5分〜5時間保持するものである請求項1に記載の
(メタ)アクリル酸エステルの精製方法。 - 【請求項3】 前記(メタ)アクリル酸エステルを強酸
性イオン交換樹脂によって処理する工程が回分式であ
り、強酸性イオン交換樹脂を(メタ)アクリル酸エステ
ル100質量部に対して0.1〜50質量部使用し、2
0〜100℃で5分〜5時間処理するものである請求項
1に記載の(メタ)アクリル酸エステルの精製方法。 - 【請求項4】 前記(メタ)アクリル酸エステルを強酸
性イオン交換樹脂によって処理する工程が連続式であ
り、(メタ)アクリル酸エステルの流通量が強酸性イオ
ン交換樹脂に対して空間速度で0.01〜10hr-1、
20〜100℃で5分〜5時間処理するものである請求
項1に記載の(メタ)アクリル酸エステルの精製方法。 - 【請求項5】 (メタ)アクリル酸エステルを精製する
方法であって、第一の蒸留塔(A)により水および(メ
タ)アクリル酸エステルを塔頂から留出させ、その凝縮
液を第一のデカンタで二層分離し、主に(メタ)アクリ
ル酸エステルからなる上層の一部は第一の蒸留塔(A)
の塔頂部へ還流し、残りの上層は第二の蒸留塔(B)へ
導き、第二の蒸留塔(B)により(メタ)アクリル酸エ
ステルを含む水を塔頂から留出させ、その凝縮液に第1
級および/または第2級アミノ基含有化合物を添加して
処理し、この溶液を第二のデカンタで二層分離し、主に
(メタ)アクリル酸エステルからなる上層の一部は第二
の蒸留塔(B)の塔頂部へ還流し、残りの上層は強酸性
イオン交換樹脂によって処理した後、第一の蒸留塔
(A)へ還流させ、第二の蒸留塔(B)の塔底部より
(メタ)アクリル酸エステルを得る(メタ)アクリル酸
エステルの精製方法。 - 【請求項6】 第二の蒸留塔(B)の塔底部より得られ
る(メタ)アクリル酸エステルから第三の蒸留塔(C)
により高沸物を除去し、塔頂部から(メタ)アクリル酸
エステルを得る請求項5に記載の(メタ)アクリル酸エ
ステルの精製方法。 - 【請求項7】 精製前の(メタ)アクリル酸エステルが
着色原因物質として2,5−ジメチルフラン、ジアセチ
ル、メタクロレイン、クロトンアルデヒドおよびピルビ
ン酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一種の化
合物を含有するものである請求項1〜6のいずれかに記
載の(メタ)アクリル酸エステルの精製方法。 - 【請求項8】 前記(メタ)アクリル酸エステルがメタ
クリル酸メチルである請求項1〜6のいずれかに記載の
(メタ)アクリル酸エステルの精製方法。 - 【請求項9】 請求項1〜8の(メタ)アクリル酸エス
テルの精製方法により精製した(メタ)アクリル酸エス
テル。 - 【請求項10】 請求項9に記載の(メタ)アクリル酸
エステルを重合した(メタ)アクリル樹脂。
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