JP2002193236A - 電子レンジ対応紙カップ - Google Patents
電子レンジ対応紙カップInfo
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Abstract
などの内容物を入れ、電子レンジで加熱調理した時に、
糸じり部に焦げを発生させることがなく、加熱後に内容
物を冷ますことがない底面部に断熱性を有する電子レン
ジ対応紙カップを提供する。 【解決手段】本発明は、筒状の胴部と、該胴部の上端部
を折り曲げたトップカール部と該胴部の下端部を内側に
折り返した折り返し部とを有する胴部材と、底面部と該
底面部の外周縁部を折り曲げた屈曲部とを有する底部材
とを備えて、胴部と折り返し部との間に屈曲部が挟み込
まれて互いに接合された紙カップの底面部が下方に凹状
に形成され、かつ、底面部の外面に断熱部材が貼着して
形成されていることを特徴とする電子レンジ対応紙カッ
プである。また、断熱部材が、段ボール、またはエンボ
ス加工紙からなることを特徴とする。
Description
する紙カップに関するものである。詳しくは、底面部に
断熱性を有する電子レンジ対応紙カップに関するもので
ある。
用、即席食品用などに紙カップが広く使用されている。
また、一般的ではないものの、飲料や惣菜などの入った
紙カップを直接電子レンジを利用し、加熱調理すること
も行なわれている。一般的な紙カップPは、図7に示す
ように、胴部材1と底部材2とからなり、胴部材1は主
に胴部11を形成し、上端部を外側にカールしてトップ
カール部12とし、下端部を内側に折り返して折り返し
部13としている。一方、底部材2は主に底面部21を
形成し、外周縁部を下方へ略直角に屈曲して屈曲部22
としている。胴部材1と底部材2の接合は、底部材2の
屈曲部22を、胴部材1の折り返し部13と、胴部11
の下端部とで挟んで加熱圧着している。この底部材2の
屈曲部22を挟み込んで接合した部分を糸じり部Zと称
し、底面部21を上げ底にしている。
状の紙カップPに内容物を入れて電子レンジで加熱調理
した場合、紙カップの底の糸じり部Zに焦げを生じる場
合があるという問題がある。その原因は、つぎのように
考えられる。紙の材料のパルプのセルロースは基本的に
は電子レンジのマイクロ波を吸収する。従って、紙の重
なる糸じり部Zでは、紙厚が増し発熱量が増す。一方、
表面積は変わらないため熱の放出量が同じで、発生した
熱を蓄積することになり、温度が上昇し、焦げを発生さ
せる原因となっている。ただし、内容物がある場合に
は、焦げが発生しにくくなる。それは、紙に発生し蓄積
された熱が内容物に奪われるためと考えられる。つま
り、通常の紙カップPでは、図7に示すように、胴部材
1と底部材2の接合部位として糸じり部Zを持つ構造で
あるため、この糸じり部Zは、表側と裏側の両面からマ
イクロ波の照射を受けること、内容物に触れることなな
く、畜熱されやすく、そのために焦げが生じやすい。
品などの内容物を入れ、電子レンジで加熱調理した時
に、糸じり部に焦げを発生させることがなく、加熱後に
内容物を冷ますことがない底面部に断熱性を有する電子
レンジ対応紙カップを提供することを目的とするもので
ある。
すべく検討した結果、本発明は、筒状の胴部と、該胴部
の上端部を折り曲げたトップカール部と該胴部の下端部
を内側に折り返した折り返し部とを有する胴部材と、底
面部と該底面部の外周縁部を折り曲げた屈曲部とを有す
る底部材とを備えて、前記胴部と前記折り返し部との間
に前記屈曲部が挟み込まれて互いに接合された紙カップ
の前記底面部が下方に凹状に形成され、かつ、前記底面
部の外面に断熱部材が貼着して形成されていることを特
徴とする電子レンジ対応紙カップである。また、前記断
熱部材が、段ボール、またはエンボス加工紙からなるこ
とを特徴とする。
を下方に凹状にし、底面部の外面に断熱部材を貼着する
ことによって、紙カップの中に、飲料や即席食品などの
内容物を入れ、電子レンジで加熱調理した時に、糸じり
部に焦げを発生させることがなく、加熱後に下面に置い
た時に内容物が冷めにくい底面部に断熱性を有する電子
レンジ対応紙カップを得ることができる。
発明について、さらに詳しく説明する。図1は、本発明
による電子レンジ対応紙カップの一実施例の一部切り欠
け断面図である。電子レンジ対応紙カップAは、図1−
aに示すように、胴部材1と底部材2と断熱部材3とか
ら構成されている。胴部材1は、胴部11と、上端部を
外側にカールしてトップカール部12と、下端部を内側
に折り返して折り返し部13とからなっている。底部材
2は、内面から見て下方に凹状に変形した底面部21U
と、外周縁部を下方へ略直角に屈曲して屈曲部22とか
らなっている。胴部材1と底部材2の接合は、底部材2
の屈曲部22を、胴部材1の折り返し部13と、胴部1
1の下端部とで挟んで加熱圧着している。そして、底部
材2の底面部21Uの外面に、断熱性を有する材料から
なる断熱部材3を貼着している。
内面から見て下方に凹状に変形されたU字形状をしてい
る。好ましくは、図1−cに示すように、下面部21U
aと壁面部21Ubとからなるトレー形状であり、下面
部21Uaは平面状とし、壁面部21Ubは胴部材1の
折り返し部13に近ずけることが好ましい。下面部Ua
を平面状にすることによって、断熱部材3を貼着しやす
くなる。また、底面部21Uの最大深さdは、胴部材1
の折り返し部13の上端から折り返し部13の幅の70
%以上が望ましい。70%以上にすることによって、電
子レンジ内で糸じり部Zの裏側からのマイクロ波の照射
を遮ることができ、糸じり部Zの焦げの発生を防ぐこと
ができる。70%未満の場合には、糸じり部Zが焦げる
危険がある。
により形成される下端面Xとの距離xは、上方に8mm
未満、下方に2mm未満の範囲が好ましい。距離xが、
図2−aに示すように、上方に8mm以上の場合には、
糸じり部Zの裏側からのマイクロ波を遮蔽する効果がな
くなる。また、距離xが、図2−bに示すように、下方
に2mm以上の場合には、電子レンジ対応紙カップA
は、安定性を失う危険がある。
下面部21Uaの外面に貼着するが、必ずしも下面部2
1Uaの全面に貼着する必要はなく、部分的に貼着して
もよい。また、断熱部材3の形状は、円形、多角形、星
形などでよく、特に限定されることはない。この断熱部
材3を下面部21Uaに貼着することによって、電子レ
ンジ対応紙カップA内に熱い内容物を入れて下面に置い
た時に、断熱部材3が下面に接触した場合でも熱の伝導
が少ないため、内容物が冷めにくくなる。また、内容物
の熱さを感じることなく、手で断熱部材3に触れて電子
レンジ対応紙カップAを持つことができる。
材1および底部材2に使用する材料は、紙を主強度材と
し、最内層に熱可塑性樹脂を設けることを基本としてい
る。
適性の良いカップ原紙を使用することが好ましい。坪量
は、とくに限定されないが、紙カップ成形適性上、15
0〜300g/m2の範囲がより好ましい。
の保護、特に液状の物質を入れても洩れない機能、ま
た、熱シールにより胴部の貼り合わせ、そして胴部材1
と底部材2の接着を可能にする機能を持っている必要が
ある。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リエステル、ナイロン、エチレンビニルアルコール、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。厚さと
しては、15〜60μmの範囲が好ましい。これらの熱
可塑性樹脂は、押し出し加工あるいはラミネート加工に
よって、最内層に形成される。
面側から紙層/ポリエチレン樹脂層、ポリエチレン樹脂
層/紙層/ポリエチレン樹脂層、発泡ポリエチレン樹脂
層/紙層/ポリエチレン樹脂層、紙層/ポリプロピレン
樹脂層、ポリプロピレン樹脂層/紙層/ポリプロピレン
樹脂層、紙層/ポリエステル樹脂層、ポリエステル樹脂
層/紙層/ポリエステル樹脂層、紙層/ナイロン樹脂
層、ナイロン樹脂層/紙層/ナイロン層などが挙げられ
る。
る時、変形しやすく、変形時に、ひび割れやピンホール
が生じない構成を選定する必要があり、ポリエステル樹
脂層、ナイロン樹脂層を有する構成が好ましい。
は、断熱性を有するシート状の材料であればよく、例え
ば、段ボール、発泡シート、発泡加工紙、エアーキャッ
プシート、エンボス加工紙などがあげられる。中でも断
熱効果、加工性、環境対応などの点から、段ボール、エ
ンボス加工紙が好ましい。
などの種類があるが、特に限定されるものではない。電
子レンジ対応紙カップAの大きさに適合する種類の段ボ
ールを使用することができる。また、片面のライナーが
ない、いわゆる片面段ボールでもよく、段加工した中芯
を外面に出して使用してもよい。さらに、波型に段加工
をした段ボールも使用することができる。
は異なり、中芯紙に点状模様、格子模様などの1〜2m
mの深さのエンボス加工を行い、ライナー紙と貼り合わ
せたものである。ライナー紙は片面あるいは両面に貼り
合わせる。断熱効果があり、断熱部材3として使用する
ことができる。また、中芯紙は100〜180g/m 2
の範囲で、ライナー紙は200〜270g/m2の範囲
で使用することができる。
Aを製造する方法について説明する。
ンジ対応紙カップaが、図3に示すような胴部材ブラン
ク10と底部材ブランク20とから製造されるが、その
製造方法は、大きく二つの方法に分けることができる。
般的な紙カップと同様な形状の紙カップを作製する。こ
の底部材2の変形前の紙カップの製造は、紙カップ成型
機で一般的な紙カップと同様に成型することができる。
一般的に、胴部材ブランク10は、あらかじめ前工程で
打ち抜かれたものを使用し、底部材ブランク20は、紙
カップ成型機上で打ち抜かれる。この底面部21が底上
げとなっている紙カップをつぎの工程で底面部21を下
方に凹状に変形してU字形状の底面部21Uとする方法
である。
め、胴部材1と底部材2とを別の工程で加工しておく。
そして、つぎの工程で、筒状に成形した胴部材1aとU
字形状の底面部21Uを有する底部材2aとを、底部材
1の屈曲部22を胴部材1の折り返し部13と胴部11
の下端部とで挟んで接合する方法である。
部材3とをそれぞれ別々に作成し、図6に示すように、
電子レンジ対応紙カップaの底面部21Uの外面に断熱
部材3を接着剤を用いて貼り合わせる。
ポリ酢酸ビニル系、ポリアクリル系、ポリオレフィン
系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、
エポキシ系、アミノ樹脂系、ゴム系、ジエン系、その他
をビヒクルの主成分とする溶剤型、エマルジョン型、ホ
ットメルト型、その他等の接着剤を使用することができ
る。特に接着剤は、限定されるものではないが、熱湯な
どの熱い内容物を入れても、熱により剥がれてしまうこ
とのない、耐熱性のあるタイプの接着剤を使用すること
が好ましい。
は、インスタントラーメン、惣菜類などを温める即席食
品用の容器、あるいはコーヒー、紅茶、スープなどを温
める飲料用の容器として有効である。
に具体的に説明する。
らカップ原紙280g/m2/低密度ポリエチレン樹脂
μmの構成の材料を使用し、底部材2の材料として、表
面からカップ原紙255g/m2/低密度ポリエチレン
樹脂25μmの構成の材料を使用した。まず、胴部材1
の材料を図3のような胴部材ブランク10に打ち抜き、
この胴部材ブランク10をマンドレルに巻き付け、筒状
の胴部材1aに形成した。つぎに、一般的な紙カップの
成形機で、胴部材1の下方から底部材ブランク20を嵌
め込み、接着部分を熱風で加熱し、胴部材1の下端を内
側に折り返して折り返し部13とした。つづいて、胴部
材1の上端部を外側にカールしトップカール部12を形
成した。作製した紙カップの底面部21をつぎの工程で
下方に凹状に変形してU字形状の底面部21Uとして電
子レンジ対応紙カップaを作成した。つぎに、材料とし
て、E段ボールを使用して、電子レンジ対応紙カップa
の下端の円周よりやや小さい面積の円形の断熱部材3を
打ち抜き加工で打ち抜いて作製した。この断熱部材3を
電子レンジ対応紙カップaのaの底面部21Uの下面部
21Uaの外面にポリアクリル系樹脂のエマルジョン型
の接着剤を用いて接着して本発明の電子レンジ対応紙カ
ップAを作製した。
紙カップの胴部材1の胴部11の外径、高さなど胴部材
1の形状を実施例と同一にし、底部材2の底面部21は
平面状である従来の形状で作成した。
例、そして実施例と同じ外寸法の比較例の紙カップに水
200mlを入れ、電子レンジ(NEC社製、電子レン
ジMC−E2家庭用高周波出力:500W)にて加熱調
理を行なった。その結果、実施例においては、電子レン
ジ対応紙カップのどの部分にも焦げの発生は見られなか
った。一方、比較例においては、加熱調理2分後に糸じ
り部がやや茶色に変色し、5分後には糸じり部に焦げが
発生した。また、熱い内容物が入った状態で下面上に置
いた時に、断熱部材の表面が下面に接触したが、内容物
は急激に冷めることなく、かつ、熱さを感じることなく
断熱部材の面を手で押さえて本発明の電子レンジ対応紙
カップを持つことができた。
状が下方に凹状に変形したU字形状にし、底面部の外面
に断熱部材を貼着することによって、紙カップの中に、
飲料や即席食品などの内容物を入れ、電子レンジで加熱
調理した時に、糸じり部に焦げを発生させることがな
く、加熱後に内容物を下面に置いた時に、内容物を冷ま
しにくい底面部に断熱性を有する電子レンジ対応紙カッ
プを得ることができる。
例を示す一部切り欠け断面図である。
の形状を示す断面図である。
ブランクおよび底部材ブランクを示す展開図である。
プを製造する方法を説明する図である。
プを製造するもう一つの方法を説明する図である。
法を説明する図である。
状態) P 紙カップ(従来) Z 糸じり部 1 胴部材 1a 胴部材(接合前) 10 胴部材ブランク 11 胴部 12 トップカール部 13 折り返し部 2 底部材 2a 底部材(接合前) 20 底部材ブランク 21 底面部 21U 底面部(変形後) 21Ua 下面部(変形後) 21Ub 側壁部(変形後) 22 屈曲部(底部材) 3 断熱部材
Claims (3)
- 【請求項1】 筒状の胴部と、該胴部の上端部を折り曲
げたトップカール部と該胴部の下端部を内側に折り返し
た折り返し部とを有する胴部材と、底面部と該底面部の
外周縁部を折り曲げた屈曲部とを有する底部材とを備え
て、前記胴部と前記折り返し部との間に前記屈曲部が挟
み込まれて互いに接合された紙カップの前記底面部が下
方に凹状に形成され、かつ、前記底面部の外面に断熱部
材が貼着して形成されていることを特徴とする電子レン
ジ対応紙カップ。 - 【請求項2】 前記断熱部材が、段ボールからなること
を特徴とする請求項1に記載の電子レンジ対応紙カッ
プ。 - 【請求項3】 前記断熱部材が、エンボス加工紙からな
ることを特徴とする請求項1に記載の電子レンジ対応紙
カップ。
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- 2000-12-28 JP JP2000400074A patent/JP4770022B2/ja not_active Expired - Fee Related
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