JP2002193233A - 酸素吸収性を有する多層容器及びその製法 - Google Patents

酸素吸収性を有する多層容器及びその製法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素吸収性中間層を備えた酸素吸収性多層容
器において、口部の切断端縁における酸素吸収性中間層
が、口部の密封信頼性を損なうことなしに、樹脂で確実
且つ有効に隠蔽され且つ保護されている酸素吸収性多層
容器及びその製法を提供するにある。 【解決手段】 酸素吸収性中間層を備えた多層パリソン
のブロー成形で形成された酸素吸収性を有する多層容器
において、容器口部における内層或いは外層が前記中間
層の端縁よりも外方に延長していると共に、この延長部
が中間層を含めてそれ以外の切断端縁を覆うように折り
曲げられ且つ溶着されていることを特徴とする酸素吸収
性を有する多層容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素吸収性を有す
る多層容器及びその製法に関するもので、より詳細に
は、酸素吸収性中間層を備えた多層パリソンのブロー成
形で形成された酸素吸収性を有する多層容器において、
口部端縁における酸素吸収性中間層が内層又は外層によ
って確実に隠蔽され且つ被覆された容器及びその製法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来包装容器としては、金属缶、ガラス
ビン、各種プラスチック容器等が使用されているが、軽
量性や耐衝撃性、更にはコストの点からプラスチック容
器が各種の用途に使用されている。
【0003】しかしながら、金属缶やガラスビンでは容
器壁を通しての酸素透過がゼロであるのに対して、プラ
スチック容器の場合には器壁を通しての酸素透過が無視
し得ないオーダーで生じ、内容品の保存性の点で問題と
なっている。
【0004】これを防止するために、プラスチック容器
では容器壁を多層構造とし、その内の少なくとも一層と
して、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の耐酸素
透過性を有する樹脂を用いることが行われている。
【0005】容器内の酸素を除去するために、酸素吸収
剤の使用も古くから行われており、これを容器壁に適用
した例としては、特公昭62−1824号公報の発明が
あり、これによると、酸素透過性を有する樹脂に還元性
物質を主剤とする酸素吸収剤を配合して成る層と、酸素
ガス遮断性を有する層とを積層して、包装用多層構造物
とする。
【0006】酸素吸収剤として、鉄系のものは酸素の吸
収速度も吸収容量も大きく、コストの点でも優れたもの
ではあるが、鉄やその化合物が内容物中に溶出すると、
その量が微量でも内容物の香味保持性を損なうという問
題がある。
【0007】鉄系等の酸素吸収剤の内容物中への溶出を
防止するために、鉄系酸素吸収剤を配合した樹脂層の内
外面に酸素吸収剤未配合の樹脂層をサンドイッチし、鉄
系酸素吸収剤の露出を防止するようにする手段も採用さ
れている(例えば特開平10−114371号公報参
照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酸素吸
収性中間層を備えた多層パリソンのブロー成形で形成さ
れた容器では、口部の切断端縁に酸素吸収性中間層が露
出し、これに内容物が触れて内容物の香味保持性を損
い、また衛生的でないという問題や、口部の切断端縁か
ら中間層の酸素吸収が生じるため、中間層が器壁を透過
する酸素の吸収に有効に利用されないという問題を生じ
る。また、酸素吸収性中間層として鉄系の酸素吸収剤配
合物を用いた容器では、この中間層が固有の色相に着色
しているため、外観が悪く、また一般消費者に異物が付
着しているという不安をも与えかねないという問題もあ
る。
【0009】この中間層の端縁を隠蔽し且つ被覆するた
めに、樹脂フィルム等によるコーティングを行うことが
考えられるが、容器の口部は径も小さく、また厚みも小
さいため、その位置決めすら容易でなく、また口部頂面
に一様に密着させるのは必ずしも容易ではない。更に、
容器口部の頂面は蓋との密封を行う上で極めて重要な部
分であり、密封信頼性の点でその形状及び寸法には高い
精度が要求される。このような要求に応える被覆技術
は、本発明者らの知る限り未だ知られていない。
【0010】したがって、本発明の目的は、酸素吸収性
中間層を備えた酸素吸収性多層容器において、口部の切
断端縁における酸素吸収性中間層が、口部の密封信頼性
を損なうことなしに、樹脂で確実且つ有効に隠蔽され且
つ保護されている酸素吸収性多層容器及びその製法を提
供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、酸素吸
収性中間層を備えた多層パリソンのブロー成形で形成さ
れた酸素吸収性を有する多層容器において、容器口部に
おける内層或いは外層が前記中間層を含む切断端縁より
も外方に延長していると共に、この延長部が中間層を含
めてそれ以外の切断端縁を覆うように折り曲げられ且つ
溶着されていることを特徴とする酸素吸収性を有する多
層容器が提供される。本発明によればまた、酸素吸収性
中間層を備えた多層パリソンを割型内でブロー成形する
工程と、形成されるブロー成形体を切断して予備的口部
を形成する工程と、この予備的口部を切削して、中間層
を含む切断端縁とこの切断端縁よりも外方に延長した内
層或いは外層の延長部を形成させる工程と、この延長部
を中間層を含む切断端縁を覆うように折り曲げる工程
と、折り曲げられた延長部を重ね合わされた部分に融着
させる工程とから成ることを特徴とする酸素吸収性を有
する多層容器の製法が提供される。本発明の容器及びそ
の製法においては、 1.前記延長部が内層側に形成され、中間層及び外層を
含めて延長部以外の切断端縁を覆うように径外方向に折
り曲げられ、更に外層の外表面に重なるように折り曲げ
られ、この状態で延長部が外層に融着されていること、 2.前記延長部が0.05乃至1.0mmの厚みを有す
ること、 3.前記酸素吸収性中間層が鉄系酸素吸収剤を含有する
オレフィン系樹脂組成物からなること、 4.内層及び/又は外層が白色顔料を配合したオレフィ
ン系樹脂からなること、が好ましい。 また、本発明の製法では、延長部を延長部の樹脂の軟化
温度に維持されたカーリングブロックと当接させること
により延長部の折り曲げを行い且つ折り曲げられた延長
部を延長部の樹脂の溶融温度に維持されたシールブロッ
クと当接させることにより融着を行うことが好ましい。
【0012】
【発明の実施形態】[作用]本発明の酸素吸収性多層容
器は、酸素吸収性中間層を備えた多層パリソンのブロー
成形で形成されるが、容器口部における内層或いは外層
が前記中間層の端縁よりも外方に延長していると共に、
この延長部が中間層を含めてそれ以外の切断端縁を覆う
ように折り曲げられ且つ溶着されていることが顕著な特
徴である。
【0013】本発明の容器口部の被覆構造では、前記中
間層を含む切断端縁に対して径方向に隣接してしかも容
器口部と一体に延長部が形成されているので、被覆用樹
脂の位置決め等の面倒な操作が一切不要であり、精度が
高くしかも確実な被覆加工が可能となる。
【0014】また、この延長部は付け根の部分から折り
曲げ容易であり、中間層を含めてそれ以外の切断端縁を
連続被膜の形で覆うように当接可能であり、この状態で
溶着を行うことにより、ピンホールや隙間或いはしわ等
の被覆欠陥がなく、しかも切断端縁と強固に融着した被
覆を形成することができると共に、精度の高い寸法及び
形状の被覆口部とすることができ、密封信頼性を損なう
ことがない。
【0015】本発明においては、前記延長部が内層側に
形成され、中間層及び外層を含めて延長部以外の切断端
縁を覆うように径外方向に折り曲げられ、更に外層の外
表面に重なるように折り曲げられ、この状態で延長部が
外層に融着されていることが、衛生的特性や内容物の香
味保持性の点で特に好ましい。即ち、内層に延長部を形
成させ、これを径外方に折り曲げることにより、容器口
部の内面側から容器口部の全面にわたって樹脂の完全連
続被膜を形成することができる。このため、口部に液滴
等が付着しても酸素吸収性中間層に滲み込むことがな
く、衛生的特性に優れている。
【0016】本発明の容器においては、前記延長部は
0.05乃至1.0mm、特に0.2乃至0.5mmの
厚みを有することが好ましい。延長部の厚みが上記範囲
を下回ると酸素吸収性中間層の保護が不十分となる傾向
があり、一方この厚みがが上記範囲を上回ると折り曲げ
等の加工の作業性が低下する傾向がある。
【0017】本発明の容器における酸素吸収性中間層
は、それ自体公知の酸素吸収剤を含有する樹脂組成物で
あっても、また遷移金属触媒と酸化性有機成分とを含有
する樹脂組成物であってよい。しかしながら、酸素吸収
容量及び酸素吸収速度の大きい点で、この中間層は鉄系
酸素吸収剤を含有するオレフィン系樹脂組成物からなる
ことが好ましい。
【0018】本発明の容器における内層及び外層は、耐
湿性があり且つ衛生的特性にも優れたオレフィン系樹脂
からなっていることが好ましい。中間層に鉄系酸素吸収
剤を用いた容器では、これを隠蔽する目的で白色顔料を
配合したオレフィン系樹脂を少なくとも外層、好ましく
は内外層として用いるのが好ましい。
【0019】本発明の容器は、酸素吸収性中間層を備え
た多層パリソンを割型内でブロー成形する工程と、ブロ
ー成形された一次成形体を切断して予備的口部を形成す
る工程と、この予備的口部の一部を切削して、内層又は
外層からなる延長部と延長部より短く切削された切断端
縁とを形成させる工程と、この延長部を中間層の切断端
縁を覆うように折り曲げる工程と、折り曲げられた延長
部を重ね合わされた部分に融着させる工程とにより製造
される。
【0020】本発明の製造工程を図1に基づいて説明す
る。先ず、工程Aにおいて、それ自体公知の方法でブロ
ー成形された一次成形体1を切断して予備的口部2を形
成する。この一次成形体1は、内層11、酸素吸収性中
間層12及び外層13を備えている。次いで、工程Bに
おいて、この予備的口部2を切削して、中間層12及び
外層13の切断端縁3とこの切断端縁3よりも外方に延
長した内層11の延長部4を形成させる。更に、工程C
において、この延長部4を中間層12及び外層13の切
断端縁3を覆うように折り曲げる。この工程Cは、口部
2の内側に挿入されるプラグ5aと、プラグ5aの周囲
に形成され、延長部4を切断端縁3に沿うように折り曲
げるための凹部5bとを備えたカーリングブロック5を
用いて行うことができる。このカーリングブロック5
は、延長部4の折り曲げを容易にするために、延長部4
の樹脂の軟化温度「(例えばポリプロピレン樹脂の場合
130℃の温度)」に維持される。かくして、このカー
リングブロック5を延長部4が形成された口部2に押し
込むことにより、延長部4の折り曲げ、即ちカーリング
が円滑に進行する。最後に、D工程において、折り返さ
れた延長部4を重ね合わされた部分(切断端縁3ないし
反対側の表面層)に融着させる。この工程Dは、口部2
の内側に挿入されるプラグ6aと、プラグ6aの周囲に
これと同軸に且つ摺動可能に形成されたシールブロック
本体6bとからなるシールブロック6を用いて行うこと
ができる。このシールブロック本体6bは、折り曲げら
れた延長部4を切断端縁3ないし反対側の表面層に融着
させ、かつその外面を所定の口部頂面に形成するための
成形用凹部6cを備えている。シールブロック6bは、
延長部4の融着と口部頂面への成形を容易にするため
に、延長部4の樹脂の融点より高い温度(例えばポリプ
ロピレン樹脂の場合180℃の温度)に維持されてい
る。また、成形用凹部6cの表面には樹脂の融着を防止
するため、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登
録商標))のような耐熱性不活性樹脂による被覆が行わ
れている。かくして、このシールブロック6のプラグ6
aを延長部4の切断端縁3ないし反対側の表面層への融
着と口部頂面への成形とを行うことができる。
【0021】[層構成]本発明の酸素吸収性容器は、内
層、外層及び酸素吸収性中間層を有する限り任意の層構
成を有することができる。例えば、この容器は上記以外
の樹脂層、例えばガスバリアー性樹脂中間層、接着剤層
などを有していることができる。これらの他の層は1層
であってもよく、また2層以上の層からなっていてもよ
い。
【0022】本発明の多層容器の層構成の一例を示す図
1Aにおいて、この多層容器は、容器の内側から外側に
向かって、オレフィン系樹脂内層11、オレフィン系樹
脂と鉄系酸素吸収剤との組成物から成る酸素吸収性中間
層12、オレフィン系樹脂内層13からなっている。本
発明の多層容器の層構成の他の例を示す図2において、
この多層容器は、容器の内側から外側向かって、オレフ
ィン系樹脂内層11、オレフィン系樹脂と鉄系酸素吸収
剤との組成物から成る酸素吸収性中間層12、接着剤層
14a、ガスバリアー性樹脂層15、接着剤層14b、
オレフィン系樹脂外層13からなっている。
【0023】[鉄系酸素吸収剤]本発明に用いる酸素吸
収剤としては、従来この種の用途に使用されている鉄系
酸素吸収剤は全て使用できるが、例えば還元性鉄、鉄低
位酸化物、例えば酸化第一鉄、四三酸化鉄、更に還元性
鉄化合物、例えば炭化鉄、ケイ素鉄、鉄カルボニル、水
酸化鉄などの一種又は組合せたものを主成分としたもの
が挙げられ、これらは必要に応じてアルカリ金属、アル
カリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸
塩、第三リン酸塩、第二リン酸塩、有機酸塩、ハロゲン
化物等の酸化促進剤乃至触媒と組合せて使用することが
できる。
【0024】本発明に用いる鉄系酸素吸収剤粒子は、還
元性鉄粉と上記酸化促進剤乃至触媒がブレンドされたも
のでもよいが、還元性鉄粉のコア粒子と、これにコーテ
ィングされた酸化促進剤乃至触媒の層とからなるのがよ
り好ましい。また、酸化促進剤乃至触媒が還元性鉄粉当
たり0.1乃至5.0重量%の量で存在するのがよい。
【0025】還元性鉄粉は、一般に、鉄鉱石や鉄鋼の製
造工程で得られる酸化鉄(例えばミルスケール)をコー
クスで還元し、できた海綿鉄を粉砕後、水素ガスや分解
アンモニアガス中で仕上げ還元を行ったり、酸洗工程で
得られる塩化鉄水溶液から鉄を電解析出させ、粉砕後、
仕上げ還元をすることによって得られる。即ち、鉄鋼の
製造工程で製品の表面に生成する鉄銹等の鉄酸化物は比
較的純粋なものであり、これを酸洗して得られる塩化鉄
もまた純粋なものである。酸化鉄の還元焼成は、一般に
600乃至1200℃程度の温度で行う。
【0026】還元性鉄の製造は、上記酸洗鉄からの還元
焼成に限定されず、用いる原料の鉄が純粋であれば、溶
融鉄の非酸化雰囲気中への噴霧や、純粋な金属鉄の粉
砕、或いはカルボニル鉄の水蒸気熱分解によっても製造
することができる。
【0027】還元性鉄粉は、樹脂の劣化を防止し、フレ
ーバー保持性を向上させるという見地からは、鉄に対す
る銅の含有量が150ppm 以下及び硫黄の含有量が50
0ppm 以下であることが好ましい。
【0028】還元性鉄粉と共存させる酸化促進剤乃至触
媒としては、水溶性乃至潮解性無機電解質を挙げること
ができる。その具体例として、塩化ナトリウム、塩化カ
ルシウム、塩化亜鉛、塩化アンモニウム、ヨウ化ナトリ
ウム、ヨウ化カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリ
ウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、二
リン酸ナトリウム、炭酸カリウム、硝酸ナトリウム等の
無機塩類等が挙げられる。
【0029】これらの内でも、特にアルカリ金属、アル
カリ土類金属の塩化物、ヨウ化物、特に塩化ナトリウ
ム、塩化カルシウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウ
ムが好適である。これらに加えて、塩化マンガン(MnCl
2)等のマンガン塩を組合せて使用することも、酸化促進
による酸素吸収に有効である。
【0030】酸化促進剤としては、水溶性の有機化合物
も有効であり、この例として、グルコース、果糖、ショ
トウ、ゼラチン、変性カゼイン、変性デンプン、トラガ
ントゴム、ポリビニールアルコール、CMC,ポリアク
リル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム等の有機化合
物等が挙げられる。これらの有機系の酸化促進剤乃至触
媒は、酸素吸収剤粒子の形で熱可塑性樹脂に配合して
も、或いは酸素吸収剤粒子とは別に樹脂に配合してもよ
い。勿論、複数の酸化促進剤乃至触媒を組み合わせで使
用できることはいうまでもない。
【0031】還元性鉄粉と酸化促進剤乃至触媒とは、既
に詳述した量比で組み合わせる。還元性鉄粉の表面への
酸化促進剤乃至触媒をコーティングする場合には、還元
性鉄粉と酸化促進剤乃至触媒の粉末とを固相乾式でミリ
ングすることにより行われる。この乾式ミリングの終点
は、酸化促進剤乃至触媒の遊離の固体粒子が、電子顕微
鏡的に確認できなくなることにより知ることができる。
乾式ミリングには、振動ミル、ボールミル、チューブミ
ル、スーパーミキサー等を用いることができる。乾式ミ
リング後得られる酸素吸収剤粒子は、一般に必要でない
が、篩い分け、風力分級等の操作で、遊離の酸化促進剤
乃至触媒の微粉末を分離除去するようにしてもよい。
【0032】鉄系酸素吸収剤は、レーザー散乱法で測定
して10乃至50ミクロンのメヂアン粒子径を有し、そ
のアスペクト比(短径/長径)は0.75以下のものが
50%以上を占めるような紡錘乃至偏平状粒子であるの
がよい。また、BET比表面積が0.5m/g以上、
見掛け密度が2.2g/cc以下であるものが好まし
い。
【0033】[酸素吸収剤層]本発明に用いる酸素吸収
剤層は、上記鉄系酸素吸収剤をポリオレフィンに分散さ
せたものからなる。ポリオレフィン100重量部当たり
鉄系酸素吸収剤を2乃至60重量部分散させるのがよ
く、鉄系酸素吸収剤の量が上記範囲を下回ると酸素吸収
能力が不十分となり、一方、鉄系酸素吸収剤の量が上記
範囲を上回ると配合組成物の成形性が低下したり、或い
は酸素吸収後の体積膨張に伴う前述したトラブルが発生
しやすくなる。
【0034】ポリオレフィンとしては、例えば低−、中
−或いは高−密度のポリエチレン、線状低密度ポリエチ
レン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタ
クティックポリプロピレン、線状超低密度ポリエチレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、
ポリ4−メチル−1−ペンテン、エチレン−ブテン−1
共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン
−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオ
ノマー)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が
挙げられる。これらは単独でも、或いは2種以上のブレ
ンド物の形でも使用することができる。
【0035】レトルト殺菌に対する耐熱性の点からは、
結晶性のプロピレン系重合体が適当であり、ホモポリプ
ロピレンや、結晶性であるという条件下に、プロピレン
を主体とするランダム共重合体やブロック共重合体が使
用される。用いるプロピレン系重合体は、0.8乃至1
2g/10minのメルトフローレート(JIS K6
758)を有していることが好ましい。
【0036】本発明の好適な態様では、プロピレン系重
合体とエチレン系重合体とを、重量比で、100:1乃
至1:1、特に50:1乃至3:2の範囲で混合して用
いる。
【0037】酸素吸収剤含有樹脂層の厚みは、10乃至
500μm、特に15乃至200μmの範囲にあるのが
よい。この厚みが上記範囲を下回ると酸素吸収能力が不
足する傾向があり、一方厚みが上記範囲を上回ると成形
性が悪くなると共に、包装材としての可撓性、柔軟性が
低下する傾向がある。
【0038】[内層及び外層]内層及び外層としては、
衛生的特性や耐湿性の点でオレフィン系樹脂が好適に使
用される。オレフィン系樹脂としては、酸素吸収剤層に
関して述べたポリオレフィンが使用される。内面材と酸
素吸収剤層との層間接着性の点では、内面材のポリオレ
フィンと酸素吸収剤層のポリオレフィンとは同種のもの
であることが望ましい。ポリオレフィンには、酸素吸収
剤による着色を隠蔽する目的で、白色顔料、特に二酸化
チタンを配合することが望ましい。二酸化チタンの配合
量は特に制限されないが、ポリオレフィン100重量部
当たり5乃至25重量部の範囲が適当である。
【0039】ポリオレフィン内層の厚みは、50乃至1
000μm、特に200乃至500μmの範囲にあるの
がよい。この厚みが上記範囲を下回ると酸化で生成する
鉄酸化物粒子が突き出してフレーバーが低下する傾向が
あり、一方厚みが上記範囲を上回ると酸素吸収性が低下
する傾向がある。また、ポリオレフィン外層の厚みは、
50乃至1000μm、特に200乃至500μmの範
囲にあるのがよい。この厚みが上記範囲を下回ると酸化
で生成する鉄酸化物粒子が突き出してフレーバーが低下
する傾向や容器の形態保持性が損なわれる傾向があり、
一方厚みが上記範囲を上回ると樹脂の目付量が増大し
て、経済的でない。
【0040】[他の樹脂層]容器中に含まれる他の樹脂
層としては、ガスバリアー性樹脂層や接着剤層が挙げら
れる。 (1)ガスバリアー性樹脂層:バリヤー性樹脂として
は、各種気体に対して低い透過係数を有し且つ熱成形可
能な熱可塑性樹脂が使用される。これらのバリアー樹脂
は、容器の用途に応じ、適当なものを選択し或いは組み
合わせて使用される。
【0041】酸素や香気成分に対するバリヤー性樹脂と
しては、エチレン−ビニルアルコール共重合体を挙げる
ことができ、例えば、エチレン含有量が20乃至60モ
ル%、特に25乃至50モル%であるエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、特に99
モル%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケ
ン化物が使用される。このエチレン−ビニルアルコール
共重合体ケン化物は、フイルムを形成し得るに足る分子
量を有するべきであり、一般に、フェノール:水の重量
比で85:15の混合溶媒中30℃で測定して 0.01dL/
g 以上、特に0.05 dL/g 以上の粘度を有することが望ま
しい。
【0042】また、前記特性を有するバリヤー性樹脂の
他の例としては、炭素数100個当りのアミド基の数が
5乃至50個、特に6乃至20個の範囲にあるポリアミ
ド類;例えばナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6
/6,6共重合体、メタキシリレンアジパミド、ナイロ
ン6,10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン1
3、ヘキサメチレンテレフタラミド/イソフタラミド共
重合体、或いはこれらのブレンド物等が使用される。こ
れらのポリアミドもフイルムを形成するに足る分子量を
有するべきであり、濃硫酸中1.0g/dl の濃度で且つ30
℃の温度で測定した相対粘度(ηrel)が1.1 以上、 特
に1.5 以上であることが望ましい。
【0043】水蒸気に対するバリアー性が大きい樹脂と
しては、環状オレフィン系共重合体、オレフィンと環状
オレフィンとの非晶質乃至低結晶性共重合体(COC)
が使用される。
【0044】共重合体を構成するオレフィンとしては、
エチレンが好適であるが、他にプロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1ーヘキセン、1−オクテン、3ー
メチル1−ペンテン、1−デセン等の炭素数3乃至20
のα−オレフィンが、単独或いはエチレンとの組み合わ
せで使用される。環状オレフィンとしては、基本的に
は、エチレン系不飽和結合とビシクロ環とを有する脂環
族炭化水素化合物、特にビシクロ[2、2、1]ヘプト
−2−エン骨格を有する炭化水素化合物、例えばノルボ
ルネン、テトラシクロでデセン等が挙げられる。
【0045】この共重合体(COC)は、50乃至22
モル%、特に40乃至22モル%の環状オレフィン、特
に好適にはノルボルネン、テトラシクロドデセンと残余
のエチレンとから誘導され且つ200℃以下、特に15
0乃至60℃のガラス転移点(Tg)を有するのがよ
い。
【0046】この共重合体の分子量は、特に制限はない
が、デカリン中135℃で測定して、0.1乃至20d
l/gの極限粘度[η]を有するのがよく、また、その
結晶化度は、X線回折法で測定して、一般に10%以
下、特に5%以下である。
【0047】上記共重合体(COC)は、オレフィンと
環状オレフィンとを、それ自体公知のバナジウム系触媒
或いはメタロセン系触媒の存在下にランダム重合させる
ことにより得られる。好適な共重合体(COC)は、三
井石油化学株式会社から、APELの商品名で入手しう
る。
【0048】(2)接着剤層 前述したバリアー樹脂は、オレフィン系樹脂に対する接
着性が一般になく、従って、バリアー樹脂とオレフィン
系樹脂との間には、酸変性オレフィン系樹脂を接着剤と
して介在させるのが望ましい。。
【0049】酸変性樹脂のベースとなるオレフィン系樹
脂としては、前に例示したものが全て使用できる。グラ
フトする不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、例
えば、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル
酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロ
トン酸、ナジック酸、アクリル酸、メタクリル酸等の不
飽和カルボン酸、または、その誘導体、例えば上記不飽
和カルボン酸の酸無水物、イミド、アミド、エステル等
を挙げることが出来る。該誘導体として、具体的には、
マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレ
イン酸モノメチル、グリシジルマレート等を例示でき
る。これらの中では、不飽和カルボン酸またはその酸無
水物が好適であり、特に、マレイン酸、ナジック酸、そ
れらの酸無水物がとりわけ好適である。
【0050】この様な不飽和カルボン酸またはその誘導
体から選ばれるグラフトモノマーを前記オレフィン系樹
脂にグラフト共重合して変性物を製造するには、従来公
知の方法を用いることが出来、オレフィン系樹脂を溶融
させグラフトモノマーを添加してグラフト共重合させる
溶融変性法、あるいは溶媒に溶解させグラフトモノマー
を添加してグラフト共重合させる溶液変性法等を用いる
ことが出来る。
【0051】オレフィン系樹脂に前記変性用モノマーを
効率よくグラフトさせて酸変性物を得るには、ラジカル
開始剤の存在下に反応を行うことが好ましく、この場合
グラフト化反応は通常60乃至350℃の温度で行われ
る。ラジカル開始剤の使用割合は、エチレン・α−オレ
フィン共重合体100重量部に対して通常0.001乃
至2重量部の範囲である。本発明で用いられる酸変性オ
レフィン系樹脂は、その変性量が、グラフトモノマー重
量(ベースポリマー当たり)として0.01乃至10重
量%、特に、1乃至5重量%の範囲で変性されることが
好ましく、グラフト変性量が前記範囲にある場合は、オ
レフィン系樹脂以外の樹脂層に対してもすれて接着性が
得られる。
【0052】この容器において、バリアー樹脂中間層の
厚みは、一般に5乃至300μm、特に10乃至100
μmの厚みにあるのが好ましく、酸変性オレフィン系樹
脂層の厚みは一般に2乃至40μm、特に3乃至30μ
mの範囲にあるのが好ましい。
【0053】[容器及びその製造]本発明において、容
器へのブロー成形はそれ自体公知の任意の方法で行うこ
とができる。即ち、容器を構成する樹脂の種類に対応す
る数の押出機を用い、各押出機で溶融混練された樹脂流
を、必要あれば分岐チャンネルを経由して、多層多重ダ
イ中で合流させ、パリソンの形で共押出する。共押出さ
れた多層パリソンを割型内でブロー成形する。ダイスの
押出温度は、用いる樹脂の融点の内高い方の融点以上で
分解温度以下の温度であるが、一般に190乃至230
℃の温度が適当である。
【0054】ブロー成形は、一般にパーティング面を備
えた一対の割型を使用し、パリソンを割型でピンチオフ
し、この閉じ込められたパリソン内に加圧流体を注入す
ることにより行われる。
【0055】ブロー成形に用いる加圧流体としては、一
般に加圧空気が使用されるが、所望によっては窒素等の
不活性気体や水蒸気、その他の流体も使用でき、その圧
力は4乃至8kg/cm(ゲージ)にあるのがよい。
また、ブロー型は、冷却水等により強制冷却しておくこ
とができる。
【0056】ブロー成形は、特に制限されないがロータ
リ成形機を用いて行うことが能率の点で望ましい。この
ロータリ成形機では周囲に多数の割型が配置して設けら
れており、一定方向に回転可能に且つ割型が開閉可能に
設けられている。ダイヘッドから、熱可塑性樹脂パリソ
ンが割金型中心の軌跡と接線方向に押し出され、この接
線位置において、割金型は開いており、供給されるパリ
ソンを割金型で挟んでブロー成形が行われる。ブロー成
形後、割金型が開いて成形物が放出される。
【0057】容器胴部の厚さは、容器の容量によっても
相違するが、一般に200乃至1500μm、特に50
0乃至1000μmの範囲にあるのが好ましい。一方、
加工を行う容器口部の厚みは、密封性や続いて行う口部
加工性の点で好ましい範囲があり、一般に0.5乃至
3.0mm、特に1.0乃至2.0mmの範囲にあるの
がよい。
【0058】容器口部の加工は、図1で説明した方法で
行われる。予備的口部の形成は、ブロー成形で口部の先
に形成される不要部分であるフラッシュを切り落とすこ
とにより行われる。予備的口部の切削による延長部と切
断端面の形成は、それ自体公知の切削工具、例えばリー
マを用いて行うことができる。図1においては、切断端
面はフラットなものとして示されているが、キャップ等
の蓋との密封に都合のよい任意の断面形状にできること
は当然である。例えば、径方向の断面形状を逆U字型、
逆V字型、半円型等の任意の形状とすることができる。
延長部の厚みは前述した範囲にあることが望ましいが、
その高さ(容器軸方向寸法)は切断端面を完全に覆いう
るものであり、図1Dに示すとおり、口部の外周面にも
重なるに十分な寸法を有していることが特に好ましい。
一般的にいって、0.5乃至3.0mm程度の寸法であ
ることが好ましい。
【0059】延長部の折り曲げは、延長部の樹脂の軟化
温度で行うことが好ましい。一般に延長部の樹脂の融点
(Tm)を基準として、Tm−50℃乃至Tm−10℃
の温度で折り曲げ加工を行うことが望ましい。一方融着
加工は、延長部の樹脂の融点(Tm)以上の温度、特に
Tm+10℃乃至Tm+40℃の温度で行うことが望ま
しい。
【0060】
【実施例】本発明を次の例で更に説明する。 実施例1 融点が165℃のポリプロピレン樹脂(PP)を内外層
用の主押出機に供給し、前記ポリプロピレン樹脂に還元
鉄10重量%配合した酸素吸収性樹脂組成物(OG)を
中間層用の副押出機Aに供給し、融点が182℃のエチ
レン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)を中間層
用の副押出機Bに供給し、マレイン酸変性したエチレン
−αオレフィン共重合体(AD)を接着層用の副押出機
Cに供給して、温度220℃の多層ダイから溶融状態の
多層パリソンを押し出し、この多層パリソンを直ちに金
型内で溶融ブロー成形して、その一部をカッターにて切
断して予備的口部を有する一次成形体を製造した。この
一次成形体の予備的口部の切断端縁を内層の一部を残し
てリーマーにて切削して厚さ0.5mmの延長部を形成
し、この延長部をカーリングブロック及びシーリングブ
ロックを用いて折り曲げて切断端縁ないし外層表面に融
着させて口部の切断端縁が被覆された、高さ100m
m、口部の径50mm及び厚さ4mm、内容積120m
lの容器を得た。この容器の胴部における層構成は、容
器の内側から外側に向かって、厚さ0.35mmのPP
層/厚さ0.2mmのOG層/厚さ0.03mmのAD
層/厚さ0.05mmのEVOH層/厚さ0.03mm
のAD層/厚さ0.35mmのPP層であった。
【0061】比較例1 実施例1と同様にして予備的口部を有する一次成形体を
製造した。この一次成形体の予備的口部の切断端縁をリ
ーマーにて所定寸法に仕上げて、口部の切断端縁が露出
している点を除いて、実施例1と同じ容器を得た。実施
例1及び比較例1で得た容器にシチューを120g充填
して120℃、30分間のレトルト殺菌を行い、30
℃、80%RHの恒温槽内に30日間保存した後、容器
内への酸素透過量及び口部の切断端縁の状態をチェック
した結果を表1に示す。
【0062】
【表1】 酸素透過量 切断端縁の状態 (cc/容器) 実施例1 0.001 良 好 比較例1 0.022 褐 変
【0063】
【発明の効果】本発明の酸素吸収性を有する多層容器
は、酸素吸収性中間層を備えた多層パリソンのブロー成
形で形成されるが、容器口部における内層或いは外層が
前記残りの層の切断端縁よりも外方に延長していると共
に、この延長部が中間層を含む残りの層の切断端縁を覆
うように折り曲げられ且つ溶着されていることが顕著な
特徴である。本発明の容器口部の被覆構造では、前記中
間層を含む切断端縁に対して径方向に隣接してしかも容
器口部と一体に延長部が形成されているので、被覆用樹
脂の位置決め等の面倒な操作が一切不要であり、精度が
高くしかも確実な被覆加工が可能となる。また、この延
長部は付け根の部分から折り曲げ容易であり、中間層を
含めてそれ以外の切断端縁を連続被膜の形で覆うように
当接可能であり、この状態で溶着を行うことにより、ピ
ンホールや隙間或いはしわ等の被覆欠陥がなく、しかも
切断端縁と強固に融着した被覆を形成することができる
と共に、精度の高い寸法及び形状の被覆口部とすること
ができ、密封信頼性を損なうことがない。本発明におい
ては、前記延長部が内層側に形成され、中間層及び外層
を含めて延長部以外の切断端縁を覆うように径外方向に
折り曲げられ、更に外層の外表面に重なるように折り曲
げられ、この状態で延長部が外層に融着されていること
が、衛生的特性や内容物の香味保持性の点で特に好まし
い。即ち、内層に延長部を形成させ、これを径外方に折
り曲げることにより、容器口部の内面側から容器口部の
全面にわたって樹脂の完全連続被膜を形成することがで
きる。このため、口部に液滴等が付着しても酸素吸収性
中間層に滲み込むことがなく、衛生的特性に優れてい
る。更に、本発明の容器は遮光性にも優れているので、
光による内容物の変質をも有効に防止することができ
る。本発明の容器は、香味保持及び色相保持が重要とな
る食品類の密封保存に有用であり、例えばトマトをベー
スとした食品類、スープ、シチュー、カレー等の加工食
品類、コーヒー等の嗜好飲料、フルーツ、ジュース等の
果物或いは果汁製品の保存に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造工程を示す説明図であって、図1
Aは一次成形体を切断して予備的口部を形成した容器の
断面図、図1Bは予備的口部の一部を切削して延長部を
形成した容器の部分拡大図、図1Cはカーリング工程を
示す部分拡大図、図Dはシール工程を示す部分拡大図で
ある。
【図2】本発明の容器の断面構造の他の例を示す断面図
である。
【手続補正書】
【提出日】平成12年12月22日(2000.12.
22)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】酸素吸収性を有する多層容器及びその製
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B01J 20/02 B29K 23:00 B29K 23:00 B29L 9:00 B29L 9:00 22:00 22:00 B65D 1/00 B Fターム(参考) 3E033 AA03 BA14 BA15 BA16 BA17 BB08 CA16 DB01 DD02 FA03 GA02 3E067 AB01 AB26 BA03A BB15A BB16A BB22A BB25A CA05 CA12 EE25 EE32 GB13 GD02 4F208 AA03 AB12 AG03 AG07 AG23 AH55 LB22 LG06 LG26 LW02 LW23 LW50 4G066 AA02B BA01 BA05 BA11 BA36 CA37 DA03 EA07 FA20 FA27

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素吸収性中間層を備えた多層パリソン
    のブロー成形で形成された酸素吸収性を有する多層容器
    において、容器口部における内層或いは外層が前記中間
    層の端縁よりも外方に延長していると共に、この延長部
    が中間層を含めてそれ以外の切断端縁を覆うように折り
    曲げられ且つ溶着されていることを特徴とする酸素吸収
    性を有する多層容器。
  2. 【請求項2】 前記延長部が内層側に形成され、中間層
    及び外層を含めて延長部以外の切断端縁を覆うように径
    外方向に折り曲げられ、更に外層の外表面に重なるよう
    に折り曲げられ、この状態で延長部が外層に融着されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の容器。
  3. 【請求項3】 前記延長部が0.05乃至1.0mmの
    厚みを有することを特徴とする請求項1または2に記載
    の容器。
  4. 【請求項4】 前記酸素吸収性中間層が鉄系酸素吸収剤
    を含有するオレフィン系樹脂組成物からなることを特徴
    とする請求項1乃至3の何れかに記載の容器。
  5. 【請求項5】 内層及び/又は外層が白色顔料を配合し
    たオレフィン系樹脂からなることを特徴とする請求項1
    乃至4の何れかに記載の容器。
  6. 【請求項6】 酸素吸収性中間層を備えた多層パリソン
    を割型内でブロー成形する工程と、ブロー成形された一
    次成形体を切断して予備的口部を形成する工程と、この
    予備的口部の一部を切削して、内層又は外層からなる延
    長部より短く切削された切断端縁とを形成させる工程
    と、この延長部を中間層を含む切断端縁を覆うように折
    り曲げる工程と、折り曲げられた延長部を重ね合わされ
    た部分に融着させる工程とから成ることを特徴とする酸
    素吸収性を有する多層容器の製法。
  7. 【請求項7】 延長部を延長部の樹脂の軟化温度に維持
    されたカーリングブロックと当接させることにより延長
    部の折り曲げを行い且つ折り曲げられた延長部を延長部
    の樹脂の溶融温度に維持されたシールブロックと当接さ
    せることにより融着を行うことを特徴とする請求項6に
    記載の容器の製法。
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