JP2002188505A - 車両用エンジン制御装置 - Google Patents

車両用エンジン制御装置

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JP2002188505A JP2000387269A JP2000387269A JP2002188505A JP 2002188505 A JP2002188505 A JP 2002188505A JP 2000387269 A JP2000387269 A JP 2000387269A JP 2000387269 A JP2000387269 A JP 2000387269A JP 2002188505 A JP2002188505 A JP 2002188505A
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修 稲垣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本来遠隔操作を不要とする状態であるにもかか
わらず、遠隔操作によってエンジンが制御されてしまう
のを防止することができる車両用エンジン制御装置を提
供する。 【解決手段】マイコン35は、遠隔操作機11からのス
タータ信号を第1受信回路32によって受信すると、送
信回路34からリクエスト信号を出力する。そして、イ
グニッションキー21からのIDコード信号を受信し
て、イグニッションキー21のIDコードと自身のID
コードとを比較する。ここで各IDコード同士が一致し
た場合、マイコン35はエンジン始動装置43に対する
制御信号の出力を禁止する。つまり、イグニッションキ
ー21が車両2内に存在する場合には、マイコン35
は、スタータ信号を受信したにもかかわらず、エンジン
を自動的に始動または停止させないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用エンジンを
遠隔操作によって始動する車両用エンジン制御装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の操作性向上を目的として、
エンジンを遠隔操作によって始動する車両用エンジン制
御装置が提案されている。
【0003】この種の車両用エンジン制御装置は、運転
者によって所持される遠隔操作機と、車両に搭載された
通信制御装置とによって構成されている。そして、運転
者が遠隔操作機を操作すると、遠隔操作機からは所定の
IDコードを含む無線信号が出力される。通信制御装置
は、その無線信号を、車両から所定距離離間した位置ま
で受信可能に構成されており、この無線信号を受信する
と、同無線信号のIDコードと、自身に予め設定された
IDコードとを比較する。その結果、それらIDコード
同士が一致したときに、通信制御装置はエンジンを自動
的に始動させるようになっている。このため、例えば冬
場に暖機運転を行うときなどには、単にエンジンを始動
させるために車両に出向く必要がなくなる。よって、車
両の操作性が向上する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の車両
用エンジン始動装置では、運転者が遠隔操作機を所持せ
ずに車両内に乗り込んだ状態で、車外にいる第三者が遠
隔操作機を操作したとしても、エンジンの始動が可能で
ある。このため、運転者の意志とは無関係にエンジンが
始動されてしまうことがあった。
【0005】本発明はこうした実情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、本来遠隔操作を不要とする状態
であるにもかかわらず、遠隔操作によってエンジンが制
御されてしまうのを防止することができる車両用エンジ
ン制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明では、所定のIDコードを
含む無線信号を外部に送信する遠隔操作機と、車両内に
搭載され、前記無線信号を受信した場合において前記I
Dコードが予め設定されたIDコードと一致したときに
エンジンを自動的に始動または停止させる通信制御装置
とを備える車両用エンジン制御装置において、イグニッ
ションキーに、前記通信制御装置から出力されるリクエ
スト信号を受信する受信手段と、該リクエスト信号の受
信時に所定の送信信号を外部に送信する送信手段とを設
け、前記通信制御装置は、前記遠隔操作機から出力され
た無線信号を受信する第1受信手段と、少なくとも車両
室内における所定領域に前記リクエスト信号を送信する
リクエスト信号出力手段と、前記イグニッションキーか
ら送信された送信信号を受信する第2受信手段と、少な
くとも前記イグニッションキーからの送信信号を受信し
たときに前記遠隔操作機によるエンジンの遠隔制御を禁
止する制御手段とを備えることを要旨とする。
【0007】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の車両用エンジン制御装置において、前記通信制御装
置は、前記遠隔操作機からの無線信号の受信時に同無線
信号をトリガとして前記リクエスト信号を出力させ、前
記無線信号を受信しないときには前記リクエスト信号を
出力しないことを要旨とする。
【0008】請求項3に記載の発明では、請求項1に記
載の車両用エンジン制御装置において、前記通信制御装
置は、前記リクエスト信号を所定時間毎に出力させ、そ
のリクエスト信号に応答した前記イグニッションキーか
らの送信信号を受信したときにエンジンを始動可能状態
にし、そのエンジン始動可能状態で前記遠隔操作機から
の無線信号を受信した際にはエンジンの遠隔制御を禁止
することを要旨とする。
【0009】以下、本発明の「作用」について説明す
る。請求項1に記載の発明によると、イグニッションキ
ーは通信制御装置と双方向通信できるようになってい
る。そして、通信制御装置は、少なくともイグニッショ
ンキーからの送信信号を受信したときには、遠隔操作機
によるエンジンの遠隔制御(遠隔始動または遠隔停止)
を禁止するようになっている。イグニッションキーと通
信制御装置とは車両室内で通信可能となっているため、
イグニッションキーの所持者が車両内に存在するときに
は、エンジンの遠隔制御が禁止される。すなわち、イグ
ニッションキーの所持者が車両内に存在するにもかかわ
らず遠隔操作機によってエンジンが遠隔制御されてしま
うことがない。
【0010】請求項2に記載の発明によると、リクエス
ト信号は、遠隔操作機からの無線信号が受信されたとき
にのみ出力される。このため、リクエスト信号の無駄な
出力が防止され、車両バッテリの電力消耗を抑制するこ
とができる。
【0011】請求項3に記載の発明によると、請求項1
の作用に加え、通信制御装置の制御手段は、車両内にイ
グニッションキーが存在するときにエンジンを始動可能
状態にする。このため、遠隔操作機以外の操作によって
エンジンを始動させる際には、イグニッションキーが必
須となる。よって、不正なエンジン始動が禁止され、車
両の防犯性が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
具体化した第1実施形態を図1〜図3に基づき詳細に説
明する。
【0013】図1に示すように、車両用エンジン制御装
置1は、車両2の所有者(運転者)に所持される遠隔操
作機11及びイグニッションキー21と、車両2に搭載
される通信制御装置31とを備えている。
【0014】遠隔操作機11は、操作部12、マイクロ
コンピュータ(マイコン)13及び送信回路14を備え
ている。操作部12は、押しボタンスイッチ等からな
り、運転者によって手動操作できるようになっている。
なお、本実施形態においてこの操作部12は、エンジン
始動スイッチとエンジン停止スイッチとからなる2つの
押しボタンスイッチによって構成されている。そして、
この操作部12が操作されると、マイコン13から操作
コード(エンジン始動コードまたはエンジン停止コー
ド)と所定のIDコードとを含むスタータ信号が出力さ
れる。このスタータ信号は、送信回路14によって所定
周波数の無線信号に変調され、無線信号としてアンテナ
15から外部へ出力される。
【0015】イグニッションキー21は、受信手段とし
ての受信回路22、マイクロコンピュータ(マイコン)
23、及び送信手段としての送信回路24を備えてい
る。受信回路22は、通信制御装置31からのリクエス
ト信号を受信して、その信号をマイコン23に入力す
る。マイコン23は、受信回路22からのリクエスト信
号が入力されたときに、予め設定された所定のIDコー
ドを含む送信信号(IDコード信号)を出力する。送信
回路24は、そのIDコード信号を所定周波数(本実施
形態では300MHz)の電波に変調して外部に送信す
る。なお、受信回路22及び送信回路24にはアンテナ
25,26がそれぞれ接続されている。また、本実施形
態において受信回路22及びアンテナ25は134kH
zの電波を受信可能に形成され、送信回路24及びアン
テナ26は300MHzの電波を送信可能に形成されて
いる。
【0016】一方、通信制御装置31は、第1受信手段
としての第1受信回路32、第2受信手段としての第2
受信回路33、送信手段としての送信回路34及び制御
手段としてのマイクロコンピュータ(マイコン)35を
備えている。マイコン35には、シフトポジションセン
サ41、カーテシスイッチ42及びエンジン始動装置4
3が接続されている。シフトポジションセンサ41は、
シフト位置がどの位置にあるかを検出し、その検出結果
をマイコン35に対して出力する。カーテシスイッチ4
2は、各ドア及びトランク扉にそれぞれ設けられたスイ
ッチであり、各ドアやトランクの開閉状態を検出し、そ
の検出結果をマイコン35に対して出力する。エンジン
始動装置43は、エンジンを自動的に始動・停止させる
ための装置であり、エンジンの駆動状態をマイコン35
に対して出力する。
【0017】各受信回路32,33及び送信回路34に
は、それぞれアンテナ36〜38が接続されている。こ
れらアンテナ36〜38は、車両室内の所定箇所に配設
されている。
【0018】第1受信回路32は、前記遠隔操作機11
から出力されたスタータ信号をアンテナ36を介して受
信して、そのスタータ信号をパルス信号に復調して受信
信号を生成するとともに、その受信信号をマイコン35
へ出力する。
【0019】一方、送信回路34は、マイコン35から
出力されるリクエスト信号を電波や磁気信号(本実施形
態では134kHzの電波)に変換して、アンテナ38
を介して車両2の室内の所定領域に出力する。また、第
2受信回路33は、イグニッションキー21から出力さ
れたIDコード信号をアンテナ27を介して受信して、
そのIDコード信号をパルス信号に復調して受信信号を
生成するとともに、その受信信号をマイコン35へ出力
する。したがって、これらリクエスト信号の出力領域内
においてイグニッションキー21と通信制御装置31と
の相互通信が可能となっている。
【0020】マイコン35は、具体的には図示しないC
PU、ROM、RAMからなるCPUユニットである。
このマイコン35には、予め設定された第1のIDコー
ド及び第2のIDコードが記録されている。第1のID
コードは前記遠隔操作機11に設定されたIDコードと
対応して設定されており、第2のIDコードは前記イグ
ニッションキー21に設定されたIDコードと対応して
設定されている。
【0021】次に、こうしたマイコン35によって行わ
れる処理を、図2に示すフローチャートに従って説明す
る。なお、この処理はマイコン35を構成するROM内
に格納されたプログラムに基づいて所定時間毎に繰り返
し実行される。また、前記プログラムは、ROM以外の
コンピュータ読み出し可能な記録媒体に記録されていて
もよい。
【0022】まず、ステップS1においてマイコン35
は、遠隔操作機11からのスタータ信号を受信したか否
かを判断する。そして、マイコン35は、スタータ信号
を受信したときにステップS2の処理へ移行し、スター
タ信号を受信しないときにはここでの処理を一旦終了す
る。すなわち、マイコン35は、遠隔操作機11からの
スタータ信号受信を待機する状態となっている。より詳
しくは、ステップS1においてマイコン35は、スター
タ信号を受信したときにスタータ信号に含まれるIDコ
ードと前記第1のIDコードとを比較し、それらが一致
したときにステップS2の処理へ移行する。また、マイ
コン35は、スタータ信号を受信しないとき、及び、各
IDコード同士が一致しないときにはここでの処理を一
旦終了する。
【0023】ステップS2においてマイコン35は、シ
フトポジションセンサ41からの出力信号をモニタし、
シフトポジションが「P」レンジまたは「N」レンジに
位置しているか否かを判断する。そして、マイコン35
は、シフトポジションが「P」レンジまたは「N」レン
ジに位置しているときにはステップS3の処理へ移行
し、そうでないときにはここでの処理を一旦終了する。
【0024】ステップS3においてマイコン35は、カ
ーテシスイッチ42からの出力信号をモニタし、各ドア
及びトランクが閉状態であるか否かを判断する。そし
て、マイコン35は、各ドア及びトランクが閉状態であ
るときにステップS4の処理へ移行し、各ドア及びトラ
ンクのうち少なくとも1つが開状態であるときにはここ
での処理を一旦終了する。
【0025】ステップS4においてマイコン35は、送
信回路34に対してリクエスト信号を出力する。続くス
テップS5においてマイコン35は、イグニッションキ
ー21からのIDコード信号に含まれるIDコードと前
記第2のIDコードとを比較し、それらが一致したとき
にはここでの処理を一旦終了する。また、マイコン35
は、それらIDコード同士が一致しないときにはステッ
プS6の処理へ移行する。すなわち、マイコン35は、
イグニッションキー21からのIDコード信号を受信で
きないときにもステップS6の処理へ移行する。
【0026】そして、ステップS6において、マイコン
35は、エンジン始動装置43に対して所定の制御信号
を出力する。詳しくは、マイコン35は、スタータ信号
に含まれる操作コードがエンジン始動コードであれば、
エンジン始動装置43に対してエンジンを始動させるた
めの制御信号を出力する。また、マイコン35は、スタ
ータ信号に含まれる操作コードがエンジン停止コードで
あれば、エンジン始動装置43に対してエンジンを停止
させるための制御信号を出力する。
【0027】次に、こうした処理に基づくマイコン35
の動作態様を図3に従って説明する。なお、この動作態
様は、シフトポジションが「P」レンジまたは「N」レ
ンジに位置するとともに、ドア及びトランクが閉状態と
なっていることを前提とする。
【0028】まず、マイコン35は、同図にポイントP
1で示すように遠隔操作機11からのスタータ信号を受
信すると、ポイントP2で示すようにリクエスト信号を
出力する。そして、ポイントP3〜P4の間でイグニッ
ションキー21からのIDコード信号を受信できない場
合または各IDコード同士が一致しない場合、マイコン
35はポイントP4で示すように制御信号を出力する。
すなわち、マイコン35は、スタータ信号の受信時にイ
グニッションキー21が車両2内に存在しない場合に、
エンジン始動装置43に対して制御信号を出力する。こ
のため、スタータ信号に基づいてエンジンが自動的に始
動または停止される。なお、マイコン35は、スタータ
信号を受信したときにのみリクエスト信号を出力する。
すなわち、リクエスト信号は、スタータ信号の受信をト
リガとして出力される。
【0029】また、マイコン35は、同図にポイントP
5で示すようにスタータ信号を受信すると、ポイントP
6でリクエスト信号を出力する。そして、ポイントP7
で示すようにIDコード信号を受信して各IDコード同
士が一致した場合、マイコン35はポイントP8で示す
ように制御信号の出力を禁止する。つまり、イグニッシ
ョンキー21が車両2内に存在する場合には、マイコン
35は、スタータ信号を受信したにもかかわらず、エン
ジンを自動的に始動または停止させないようにする。
【0030】したがって、本実施形態によれば以下のよ
うな効果を得ることができる。 (1)イグニッションキー21は通信制御装置31と双
方向通信できるようになっている。そして、通信制御装
置31は、遠隔操作機11からのスタータ信号を受信し
た際にイグニッションキー21からのIDコード信号を
受信したときには、遠隔操作機11によるエンジンの遠
隔制御(遠隔始動または遠隔停止)を禁止するようにな
っている。イグニッションキー21と通信制御装置31
とは車両2の室内で通信可能となっているため、イグニ
ッションキー21の所持者が車両2内に存在するときに
は、エンジンの遠隔制御が禁止される。すなわち、イグ
ニッションキー21の所持者が車両2内に存在するにも
かかわらず遠隔操作機11によってエンジンが遠隔制御
されてしまうのを防止することができる。このため、車
外にいる第三者によって遠隔操作機11が操作されてし
まったときなど、本来遠隔操作を不要とする状態である
にもかかわらず遠隔操作によってエンジンが制御されて
しまうのを防止することができる。
【0031】(2)リクエスト信号は、遠隔操作機11
からのスタータ信号が受信されたときにのみ出力される
ようになっている。このため、リクエスト信号の無駄な
出力が防止され、車両バッテリの電力消耗を抑制するこ
とができる。 (第2実施形態)次に、本発明を具体化した第2実施形
態を図4及び図5に基づいて説明する。ここでは第1実
施形態と相違する点を主に述べ、共通する点については
同一部材番号を付すのみとしてその説明を省略する。
【0032】本実施形態においては、車両2の室内に、
図示しないエンジン始動スイッチが設けられている。そ
して、エンジン始動スイッチが所定の条件下で操作され
たときにエンジンが始動・停止するようになっている。
また、図5に示すように、マイコン35がリクエスト信
号を所定時間T毎に間欠的に出力するようになってい
る。
【0033】こうした車両用エンジン制御装置1におい
て前記第1実施形態と異なる主な点は、マイコン35の
処理内容についてである。そこで、本実施形態のマイコ
ン35によって行われる処理を、図4に示すフローチャ
ートに従って説明する。
【0034】まず、ステップS11においてマイコン3
5は、送信回路34に対してリクエスト信号を所定時間
T毎に間欠的に出力する。続くステップS12において
マイコン35は、イグニッションキー21からのIDコ
ード信号に含まれるIDコードと前記第2のIDコード
とを比較し、それらが一致したときにはステップS13
の処理へ移行する。
【0035】そして、ステップS13においてマイコン
35は、エンジン始動装置43に対してエンジンの始動
を許可するためのエンジン始動許可信号を出力し、ここ
での処理を一旦終了する。よって、このエンジン始動許
可信号が出力されている間にのみイグニッションキー2
1によるエンジン始動が可能となる。つまり、エンジン
始動許可信号が出力されている間に前記エンジン始動ス
イッチが操作されたときにエンジンが始動する。
【0036】また、マイコン35は、ステップS12に
おいて各IDコード同士が一致しないときにはステップ
S14の処理へ移行する。すなわち、マイコン35は、
イグニッションキー21からのIDコード信号をできな
いときにもステップS14の処理へ移行する。
【0037】そして、ステップS14においてマイコン
35は、遠隔操作機11からのスタータ信号を受信した
か否かを判断する。ここで、マイコン35は、スタータ
信号を受信したときにステップS15の処理へ移行し、
スタータ信号を受信しないときにはここでの処理を一旦
終了する。より詳しくは、ステップS1においてマイコ
ン35は、スタータ信号を受信したときにスタータ信号
に含まれるIDコードと前記第1のIDコードとを比較
し、それらが一致したときにステップS15の処理へ移
行する。すなわち、マイコン35は、イグニッションキ
ー21が車両2の室内に存在しないときに、遠隔操作機
11からのスタータ信号受信を待機する状態となる。ま
た、マイコン35は、各IDコード同士が一致しないと
き、及び、スタータ信号を受信しないときにはここでの
処理を一旦終了する。
【0038】ステップS15においてマイコン35は、
シフトポジションセンサ41からの出力信号をモニタ
し、シフトポジションが「P」レンジまたは「N」レン
ジに位置しているか否かを判断する。そして、マイコン
35は、シフトポジションが「P」レンジまたは「N」
レンジに位置しているときにはステップS16の処理へ
移行し、そうでないときにはここでの処理を一旦終了す
る。
【0039】ステップS16においてマイコン35は、
カーテシスイッチ42からの出力信号をモニタし、各ド
ア及びトランクが閉状態であるか否かを判断する。そし
て、マイコン35は、各ドア及びトランクが閉状態であ
るときにステップS17の処理へ移行し、各ドア及びト
ランクのうち少なくとも1つが開状態であるときにはこ
こでの処理を一旦終了する。
【0040】そして、ステップS17において、マイコ
ン35は、エンジン始動装置43に対して所定の制御信
号を出力する。詳しくは、マイコン35は、スタータ信
号に含まれる操作コードがエンジン始動コードであれ
ば、エンジン始動装置43に対してエンジンを始動させ
るための制御信号を出力する。また、マイコン35は、
スタータ信号に含まれる操作コードがエンジン停止コー
ドであれば、エンジン始動装置43に対してエンジンを
停止させるための制御信号を出力する。
【0041】次に、こうした処理に基づくマイコン35
の動作態様を図5に従って説明する。なお、この動作態
様は、シフトポジションが「P」レンジまたは「N」レ
ンジに位置するとともに、ドア及びトランクが閉状態と
なっていることを前提とする。
【0042】まず、マイコン35は、同図にポイントP
1で示すようにリクエスト信号を出力する。そして、ポ
イントP2で示すように、イグニッションキー21から
のIDコード信号を受信して各IDコード同士が一致し
た場合、マイコン35は同ポイントP2で示すようにエ
ンジン始動装置43に対してエンジン始動許可信号を出
力する。このエンジン始動許可信号はIDコード信号を
受信している間出力される。すなわち、同図に示すよう
に、IDコード信号をポイントP2からP5までの間受
信している場合にはポイントP2〜P5の間エンジン始
動許可信号が出力される。そして、マイコン35は、ポ
イントP3で示すように、ポイントP2〜P5の間で遠
隔操作機11からのスタータ信号を受信すると、ポイン
トP4で示すように制御信号の出力を禁止する。つま
り、マイコン35は、イグニッションキー21が車両2
内に存在する場合には、イグニッションキー21(本実
施形態においてはエンジン始動スイッチ)によってのみ
エンジンの始動できるように制御する。しかも、エンジ
ンは、イグニッションキー21のIDコードと通信制御
装置31の第2のIDコードとが一致したときにのみ始
動可能であるため、車両用エンジン制御装置1は、スマ
ートイグニッション装置として機能する。
【0043】また、マイコン35は、ポイントP6で示
すようにエンジン始動許可信号を出力していないときに
スタータ信号を受信すると、ポイントP7で示すように
エンジン始動装置43に対して制御信号を出力する。す
なわち、マイコン35は、スタータ信号の受信時にイグ
ニッションキー21が車両2内に存在しない場合に、制
御信号を出力する。このため、スタータ信号に基づいて
エンジンが自動的に始動または停止される。
【0044】したがって、本実施形態によれば、前記第
1実施形態における上記(1)に記載の効果に加えて、
以下のような効果を得ることができる。 (3)マイコン35は、車両2の室内にイグニッション
キー21が存在するときにエンジンを始動可能状態にす
る。このため、遠隔操作機11以外の操作によってエン
ジンを始動させる際には、イグニッションキー21が必
須となる。よって、偽造キーなどによる不正なエンジン
始動を禁止することができ、車両の防犯性を向上させる
ことができる。
【0045】(4)エンジンの始動可能状態では、エン
ジン始動スイッチが操作されたときにエンジンが始動す
るようになっている。すなわち、車両用エンジン制御装
置は、スマートイグニッション装置として機能する。こ
のため、エンジンを始動させる際にイグニッションキー
21をキースイッチに挿入する必要がなくなり、車両2
の操作性を向上させることができる。
【0046】しかも、こうしたスマートイグニッション
装置として機能させるために、車両用エンジン制御装置
1のハードウェア的な構成の変更・追加をする必要がな
く、コストの高騰を防止することもできる。
【0047】なお、本発明の実施形態は以下のように変
更してもよい。 ・ 前記各実施形態においてマイコン35には、シフト
ポジションセンサ41、カーテシスイッチ42及びエン
ジン始動装置43が接続されている。そして、マイコン
35は、遠隔操作機11からのスタータ信号の受信時
に、シフトポジションが「P」,「N」レンジにあり、
かつドア及びトランクが閉状態であるときにエンジンを
始動させるようになっている。しかし、図1に2点鎖線
で示すように、マイコン35にパーキングブレーキセン
サ44及びキースイッチ45をさらに接続する。そし
て、前記条件に加えて、パーキングブレーキセンサ44
がON状態のとき及びキースイッチ45がOFF状態の
ときにのみエンジンを始動させるようにしてもよい。な
お、パーキングブレーキセンサ44はパーキングブレー
キが作動しているときにON状態となり、キースイッチ
45はキーシリンダにイグニッションキー21が挿入さ
れているときにON状態となるものとする。このように
すれば、より安全な状態でのみ遠隔操作機11によるエ
ンジン始動を可能とすることができる。
【0048】・ 前記各実施形態において、図1に2点
鎖線で示すように、マイコン35にドアロック駆動装置
46を接続する。また、通信制御装置31の送信回路3
4から、車両室内と車両外部とを選択的にリクエスト信
号を出力できるようにする。そして、車両外部へのリク
エスト信号の出力時にマイコン35がIDコード信号を
受信した際に、ドアロック駆動装置46を駆動してドア
錠を自動的に解錠させるようにする。また、車両外部へ
のリクエスト信号の出力時にマイコン35がIDコード
信号を受信できないときにはドア錠を自動的に施錠させ
るようにする。このようにすれば、車両用エンジン制御
装置1をスマートエントリ装置として機能させることが
でき、車両2の操作性をより向上させることができる。
【0049】・ 前記第2実施形態では、車両2の室内
にエンジン始動スイッチを設け、イグニッションキー2
1からのIDコード信号をマイコン35が受信している
間はエンジン始動スイッチの操作によってエンジンを始
動できるようになっている。つまり、車両用エンジン制
御装置1をスマートイグニッション装置として機能させ
るようになっている。しかし、エンジン始動スイッチは
必ずしも必要ではない。つまり、イグニッションキー2
1をキーシリンダに挿入し、同キー21を回転させるこ
とによってエンジンを始動させるといった従来の構造で
あってもよい。このようにすれば、車両用エンジン制御
装置1にイモビライザ機能を持たせることができ、車両
2の防犯性を高めることができる。
【0050】次に、特許請求の範囲に記載された技術的
思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技
術的思想を以下に列挙する。 (1) 遠隔操作機と、その遠隔操作機からの無線信号
を受信したときにエンジンを自動的に始動する通信制御
装置とを備えた車両用エンジン制御装置において、イグ
ニッションキーに前記通信制御装置と相互通信可能な通
信手段を設け、前記通信制御装置は、車両室内の所定領
域にリクエスト信号を出力し、前記リクエスト信号に応
答した前記イグニッションキーからの送信信号を受信し
たときには、前記遠隔操作機によるエンジンの遠隔制御
を禁止すること。
【0051】(2) 遠隔操作機と、その遠隔操作機か
らの無線信号を受信したときにエンジンを自動的に始動
する通信制御装置とを備えた車両用エンジン制御装置に
おけるエンジン始動制御方法において、前記通信制御装
置によって車両室内にイグニッションキーが存在するか
否かを検出し、車両室内にイグニッションキーが存在す
るときには、前記遠隔操作機によるエンジンの遠隔制御
を禁止すること。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜3に記
載の発明によれば、本来遠隔操作を不要とする状態であ
るにもかかわらず、遠隔操作によってエンジンが制御さ
れてしまうのを防止することができる。
【0053】請求項2に記載の発明によれば、車両バッ
テリの電力消耗を抑制することができる。請求項3に記
載の発明によれば、車両の防犯性を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の車両用エンジン制御装
置の概略構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態の制御手段によって実行される処理
を示すフローチャート。
【図3】同実施形態の制御手段によって実行される制御
態様の一例を示すタイムチャート。
【図4】第2実施形態の制御手段によって実行される処
理を示すフローチャート。
【図5】第2実施形態の制御手段によって実行される制
御態様の一例を示すタイムチャート。
【符号の説明】
1…車両用エンジン制御装置、2…車両、11…遠隔操
作機、21…イグニッションキー、22…受信手段とし
ての受信回路、23…マイクロコンピュータ(マイコ
ン)、24…送信手段としての送信回路、31…通信制
御装置、32…第1受信手段としての第1受信回路、3
3…第2受信手段としての第2受信回路、34…リクエ
スト信号出力手段としての送信回路、35…制御手段と
してのマイクロコンピュータ(マイコン)、43…エン
ジン始動装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02N 11/08 F02N 11/08 U 15/00 15/00 F (72)発明者 稲垣 修 愛知県丹羽郡大口町豊田三丁目260番地 株式会社東海理化電機製作所内 Fターム(参考) 3G084 BA28 CA01 DA29 EA04 EA11 EB02 EB22 EC01 FA00 FA06 FA36

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のIDコードを含む無線信号を外部
    に送信する遠隔操作機と、車両内に搭載され、前記無線
    信号を受信した場合において前記IDコードが予め設定
    されたIDコードと一致したときにエンジンを自動的に
    始動または停止させる通信制御装置とを備える車両用エ
    ンジン制御装置において、 イグニッションキーに、前記通信制御装置から出力され
    るリクエスト信号を受信する受信手段と、該リクエスト
    信号の受信時に所定の送信信号を外部に送信する送信手
    段とを設け、 前記通信制御装置は、前記遠隔操作機から出力された無
    線信号を受信する第1受信手段と、少なくとも車両室内
    における所定領域に前記リクエスト信号を送信するリク
    エスト信号出力手段と、前記イグニッションキーから送
    信された送信信号を受信する第2受信手段と、少なくと
    も前記イグニッションキーからの送信信号を受信したと
    きに前記遠隔操作機によるエンジンの遠隔制御を禁止す
    る制御手段とを備えることを特徴とする車両用エンジン
    制御装置。
  2. 【請求項2】 前記通信制御装置は、前記遠隔操作機か
    らの無線信号の受信時に同無線信号をトリガとして前記
    リクエスト信号を出力させ、前記無線信号を受信しない
    ときには前記リクエスト信号を出力しないことを特徴と
    する請求項1に記載の車両用エンジン制御装置。
  3. 【請求項3】 前記通信制御装置は、前記リクエスト信
    号を所定時間毎に出力させ、そのリクエスト信号に応答
    した前記イグニッションキーからの送信信号を受信した
    ときにエンジンを始動可能状態にし、そのエンジン始動
    可能状態で前記遠隔操作機からの無線信号を受信した際
    にはエンジンの遠隔制御を禁止することを特徴とする請
    求項1に記載の車両用エンジン制御装置。
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