JP2003082900A - 車両用ワイヤレス制御装置 - Google Patents

車両用ワイヤレス制御装置

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JP2003082900A
JP2003082900A JP2001276705A JP2001276705A JP2003082900A JP 2003082900 A JP2003082900 A JP 2003082900A JP 2001276705 A JP2001276705 A JP 2001276705A JP 2001276705 A JP2001276705 A JP 2001276705A JP 2003082900 A JP2003082900 A JP 2003082900A
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vehicle
transmitter
control
door
wireless
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JP2001276705A
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Koji Kanda
康志 神田
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Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワイヤレス操作にて各種車載機器を制御する
システムにおいて、ワイヤレス操作時の送信機位置に応
じた適切な制御を行うことで、システム全体のコストア
ップを抑制しつつ、ユーザの利便性・使い勝手を向上す
る。 【解決手段】 ワイヤレスによるドアロック操作がなさ
れたとき(S290:YES)、その操作が車室内から行われた
のか否かを判断し(S300)、車室外からの操作であれば
全ドアをロックするが(S220)、車室内からの操作であ
ればドアロックを行わずに車庫のシャッタを閉じる指令
を出力する(S350)。同様に、ワイヤレスによるドアア
ンロック操作が車室内からなされた場合はシャッタを開
く指令を出力する(S360)。更に、ドアアンロック操作
時、通常は1回目の操作では運転席ドアしかアンロック
されないが、その操作が助手席側から行われたものであ
る場合(S330:YES)、1回目の操作であっても全ドア
をアンロックする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種車載機器の動
作をワイヤレス操作により行う車両用ワイヤレス制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば車両のドアロック機構
やトランクロック機構を構成する各アクチュエータをワ
イヤレス・リモコン作動させることで、車両から離れた
場所にてドアのロック/アンロック或いはトランクのオ
ープンを行うことのできる、いわゆるキーレスエントリ
システムが知られている。
【0003】また近年、ユーザがキー(無線装置内蔵)
を携帯して車両に接近した状態でドアアウトサイドハン
ドルに触れたりトランクオープンスイッチを押すだけ
で、ドアのアンロックやトランクのオープンが行われ
る、いわゆるスマートエントリシステムも知られてお
り、既に市販車両等で実用化されている。
【0004】このスマートエントリシステムは、具体的
には、例えば車両の全ドアが閉じた状態のとき、車両各
部に備えられた複数の発信機が各々、キーサーチ用の電
波(送信要求信号)を間欠的に発信し、キーを携帯した
ユーザが車両に接近することによってこの電波をキー内
蔵の無線装置が受信すると、この無線装置から所定のコ
ードを持つ返送信号が送信される。そして、車両側に備
えられた受信機がこの返送信号を受信すると共に、返送
信号に含まれるコードと予め車両側のメモリ等に格納さ
れたコードとを比較(照合)する。そして、両者が一致
していると判断された場合に、ドアのアンロックがスタ
ンバイ状態(つまり、ドアアウトサイドハンドルに触れ
ればアンロックされる状態)となる。尚、各発信機から
の電波が届く範囲(キー内蔵の無線装置にて受信可能な
範囲、延いては上記照合を行うことのできる範囲:以下
「照合可能範囲」と称す)は、例えば1m弱の狭い範囲
内であるのが一般的である。
【0005】このように、車両から離れたところからワ
イヤレス操作により各種車載機器を作動させることがで
きるようにしたり、或いは、キーと車両側との間の双方
向通信によって、キーによる直接操作無しにドアのロッ
ク等を行えるようにするなどして、利便性の向上が図ら
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、キーレスエ
ントリシステムでは、一般に、ワイヤレス操作用の送信
機(キー一体型が多い)に設けられた複数の操作スイッ
チ毎に機能が特定されており、例えば、ドアアンロック
スイッチを押した場合の車両側の動作として、1回目は
まず運転席側のドアのみアンロックされ、続いてもう1
回押すと全ドアがアンロックされる、といった仕様(以
下「2回操作アンロック仕様」と称す)のものがある。
このようにするのは、ユーザが運転席に乗り込もうとし
てワイヤレス操作によりアンロックした際、全てのドア
がアンロックされてしまうと不審者が助手席側から乗り
込んでくるおそれがあるなど、防犯上問題が生じるおそ
れがあるからである。
【0007】しかしながら、このような仕様の場合、仮
にユーザが助手席側のドアを開けたい場合に、車両外部
の助手席側からワイヤレス操作によるアンロック操作を
しても、やはり1回スイッチを押しただけでは運転席側
ドアしかアンロックされず、連続して2回押さないと助
手席側ドアをアンロックすることはできない。そのた
め、ワイヤレス操作にて助手席側ドアを開けようとする
度に送信機のドアアンロックスイッチを2回押す必要が
あり、ユーザにとって使い勝手が悪い。
【0008】また近年、給油をユーザ自らが行ういわゆ
るセルフ給油サービスを実施している給油所が増加しつ
つある。このような給油所で給油を行う際、ユーザは、
車から降りるときに給油口オープンレバー(運転席の前
方下部近辺に備えられている場合が多い)を操作して給
油口を開け、自ら給油を行うことになる。しかし、ユー
ザが、給油口オープンレバー(以下単に「給油レバー」
と略す)の操作を忘れたまま車両の給油口付近まで行っ
てしまうと、それに気付いたユーザは再び運転席まで戻
って給油レバーを操作する必要があり、非常に面倒であ
る。
【0009】そこで、これを解決する方法の一つとし
て、例えば、ワイヤレス操作用の送信機に、給油口を開
けるためのスイッチを別途設けることが考えられる。こ
のようにすれば、運転者が給油口付近まで行って実際に
給油を行おうとするときに、ワイヤレス操作によって給
油口を開けることができ、スムーズな給油作業が可能と
なる。つまり、ユーザ側のニーズに応じて送信機の操作
スイッチを増やせば、その分、ユーザにとっては使い勝
手のいいものとなるのである。
【0010】しかしながら、上記のように送信機に新た
な操作スイッチを設けると、当然ながら送信機の構成が
複雑化し、キーレスエントリシステム全体のコストアッ
プを招いてしまう。また、操作スイッチが多すぎると、
多数の操作スイッチの中から所望のスイッチを探しにく
くなったり、操作スイッチの配置状況によっては誤操作
してしまうおそれが生じるなど、ユーザ側の操作性が悪
化してしまうおそれもある。
【0011】また、ワイヤレス操作によるドアのロック
/アンロックは、一般に、操作スイッチを1回押すごと
にその操作スイッチに対応した動作(ロック又はアンロ
ック)が行われるが、ドアのロック/アンロックに加
え、操作スイッチを所定時間押し続けることで、更に、
パワーウィンドウの開閉動作も行うように構成されたも
のも多い。例えば、送信機のドアアンロックスイッチを
押すと、まずアンロックが行われるが、そのままアンロ
ックスイッチを押し続ける(例えば3秒間)と、パワー
ウィンドウが開動作して窓が開くのである。これは、車
両から離れた場所からのロック/アンロックに加えて窓
の開閉までできるようにしたもので、非常に便利な機能
である。
【0012】しかしながら、便利である反面、以下のよ
うな問題もある。即ち、例えば駐車場でユーザが車から
降りてドアをロックし、キー(送信機)をポケット等に
入れて自宅へ向かっている途中、何らかの原因で送信機
のドアアンロックスイッチが押されてしまい、ユーザが
気付かないままパワーウィンドウまで開動作してしま
う、といった事態が起こる可能性がある。
【0013】この場合、通常のキーレスエントリシステ
ムでは、ワイヤレスによるアンロック操作の後、所定時
間(例えば30秒間)ドア開操作などのドアに対する操
作が何らなされなかった場合は再び自動的にロックされ
るようになっている場合がほとんどであるため、その点
ではセキュリティ上特に問題はない。しかし、パワーウ
ィンドウについては、ワイヤレス操作によって開いた後
は自動的には閉じない場合がほとんどであり、セキュリ
ティ上大きな問題となる。
【0014】これを解決するための方法として、例え
ば、送信機にパワーウィンドウを開閉するための操作ス
イッチを別途設けると共に、その操作スイッチだけでな
く他の何らかの操作スイッチも同時に一定時間押し続け
ることでパワーウィンドウを開閉できるようにすること
が考えられる。しかし、このようにすると、ユーザが気
付かないままパワーウィンドウが開いてしまうおそれは
低減するものの、パワーウィンドウを開閉するために複
雑なスイッチ操作を要するため、ユーザの使い勝手が悪
くなってしまう。
【0015】上記のように、ドア等の車載機器をワイヤ
レス操作によって動作可能とすることにより、ユーザに
とっての利便性は向上するものの、各操作スイッチ毎に
車載機器及びその動作内容が特定されているが故に、状
況によっては使い勝手が悪くなったり(上記の2回操作
アンロック仕様の例)、ワイヤレス操作可能な機能を増
やすために機能毎に送信機の操作スイッチの種類を増や
そうとすると送信機構成の複雑化やシステム全体のコス
トアップを招いてしまったり、また、セキュリティ性向
上などのために、ある特定の動作をさせる際には複雑な
スイッチ操作を必要とするようにすると逆に使い勝手は
悪くなるなど、種々の問題がある。
【0016】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、送信機からのワイヤレス操作により各種車載機器を
制御するシステムにおいて、ワイヤレス操作時の送信機
の位置(延いてはユーザの位置)に応じた適切な制御を
行うことで、システム全体のコストアップを抑制しつ
つ、ユーザの利便性・使い勝手を向上することを目的と
する。
【0017】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記課題
を解決するためになされた請求項1記載の車両用ワイヤ
レス制御装置は、送信機から電磁波にて送信された制御
コードを第1受信手段が受信すると、制御手段が、その
制御コードに基づいて各種車載機器を制御するよう構成
されたものである。制御コードは、送信機が備える操作
スイッチが操作された旨を表すものである。
【0018】そして、本発明(請求項1)の車両用ワイ
ヤレス制御装置では、送信機の位置を検出する位置検出
手段が車両側に備えられ、送信機から送信された電磁波
を第1受信手段が受信したとき、制御手段は、位置検出
手段にて検出された送信機の位置に応じて、制御対象と
なる車載機器及びその制御内容の少なくとも一方を切り
替える。
【0019】つまり、送信機からの制御コードに基づい
て制御手段が実行する各種車載機器の制御を、制御コー
ド毎に固定するのではなく、送信機の位置に応じて切り
替えるようにしたのである。これにより、送信機からの
制御コードが同じであっても、その制御コードを受信し
たときの送信機の位置によって、制御対象となる車載機
器を変えたり、或いは、制御対象は変わらないもののそ
の制御内容を変化させることが可能となる。
【0020】従って、請求項1記載の車両用ワイヤレス
制御装置によれば、送信機の位置(延いては送信機の操
作スイッチを操作するユーザの位置)に応じた適切な制
御を行うことにより、従来技術の項で例示したように制
御対象となる車載機器又はその制御内容毎に操作スイッ
チを複数設けたり操作方法を複雑化したりする必要がな
いため、装置全体のコストアップを抑制しつつ、ユーザ
の利便性・使い勝手を向上することが可能となる。
【0021】尚、操作スイッチが送信機に複数備えられ
ている場合、制御手段による上記切り替えは、例えば、
全ての操作スイッチの操作に対して夫々行うようにして
もいいし、ある特定の操作スイッチを操作したときのみ
切り替えを行うようにしてもいいなど、切り替え対象と
なる操作スイッチは特に限定されず、操作スイッチの種
類及び車両の仕様等に応じて適宜決めればよい。
【0022】また、電磁波の具体的例としては、例えば
マイクロ波等の高周波電波を使用したり、或いは赤外線
等を使用してもよく、送信機からの機能指示内容(制御
コード)を第1受信手段を介して制御手段が取得できる
限り、特に限定されない。位置検出手段による送信機位
置の検出は、具体的には、例えば請求項2に記載のよう
に、送信機が当該車両を含む所定エリア内にあるか否か
を判定することにより行うとよい。このようにすれば、
例えば、上記エリアを車両中心部から所定距離内の範囲
に設定することにより、送信機が車両遠方(つまり上記
エリア外)に位置しているか或いは車両近傍(つまり上
記エリア内)に位置しているのかを判断することができ
る。そのため、送信機からの送信が上記エリア内から行
われたかそれとも上記エリア外から行われたかによって
制御対象或いは制御内容を切り替えたい場合に有効であ
る。
【0023】そしてこの場合、制御手段による切り替え
は、例えば請求項3に記載したように、位置検出手段に
て送信機が上記エリア内にあると判定されたときは、制
御対象に対して制御コードに対応した通常の制御を行
い、位置検出手段にて送信機が上記エリア内にないと判
定されたときは、制御コードに対応した通常の制御を禁
止又はその制御内容を制限するものであるとよい。
【0024】このようにすれば、例えば、送信機からの
制御コード送信が車両近傍から行われたときはその制御
コードに基づく通常の制御(例えばドアのアンロック及
びパワーウィンドウのオープン)を行い、車両遠方から
行われた時は通常の制御を全て禁止又は制限(例えばド
アのアンロックは許可するがパワーウィンドウのオープ
ンは禁止)するようにできるなど、送信機からの送信が
上記エリア外から行われたときに通常の制御内容を制限
又は制御禁止したい場合に有効である。
【0025】また、請求項2又は3記載の発明における
位置検出手段の具体的構成としては、例えば、従来技術
の項で説明したスマートエントリシステムにおけるキー
位置検出機能と同様のシステムとして構成することがで
きる。即ち、スマートエントリシステムでは、既述の通
り、キー内蔵の無線装置が各発信機の照合可能範囲内に
入っているときのみ、無線装置から返送信号が送信され
る。そして、車両側では、この返送信号に基づいてキー
がどの位置にあるか(どの発信機の照合可能範囲内にあ
るか)を検出することができる。そのため、例えば車両
側に、車両を含む所定エリアが照合可能範囲となるよう
な発信機を一つ設ければ、送信機がそのエリア内にある
か否かを判定することができるのである。
【0026】しかし、このようにすると、送信機側に別
途、車両側発信機からの電磁波を受信するための無線装
置を備える必要があるなど、位置検出手段の構成が複雑
なものとなる。そこで、例えば請求項4に記載したよう
に、位置検出手段を、送信機からの電磁波の受信強度を
受信強度検出手段が検出し、その検出結果(受信強度)
に基づいて、エリア内判定手段が、送信機が上記エリア
内にあるか否かを判定するように構成するとよい。この
ようにすれば、単に送信機からの電磁波の強弱のみに基
づいて位置の検出を行うため、位置検出手段をより簡易
的に構成することができる。
【0027】一方、本発明(請求項1)の車両用ワイヤ
レス制御装置において、位置検出手段による送信機位置
の検出は、例えば請求項5に記載したように行ってもよ
い。即ち、請求項5記載の車両用ワイヤレス制御装置に
おける位置検出手段は、送信機が、車室内を含む当該車
両周囲の複数の小エリアのうち、どの小エリア内にある
かを判定するものである。
【0028】このようにすれば、制御手段は、送信機が
存在する小エリアに応じて、制御対象となる車載機器及
びその制御内容の少なくとも一方を切り替えることがで
き、複数の小エリアを適宜設定することによって、送信
機の位置に応じたきめ細かな制御(切り替え)が可能と
なる。
【0029】そしてこの場合、制御手段による切り替え
は、例えば請求項6に記載したように、少なくとも、位
置検出手段の検出結果(即ち、送信機がどの小エリア内
にあるか)に基づいて、送信機が当該車両内部にあるか
否かを判断し、その判断結果に従って、制御対象となる
車載機器及びその制御内容の少なくとも一方を切り替え
るようにすることができる。つまり、車両内部を一つの
小エリアと設定すれば、その小エリアに送信機があるか
否かを判定することによって、送信機が車両内部にある
か否かがわかるのである。
【0030】このようにすれば、例えば送信機からドア
のロックを指示する操作スイッチが操作された旨の制御
コードが送信されたとき、その送信が車両外部から行わ
れたものであるときはその制御コードに基づく通常の制
御(ドアのロック)を行い、車両内部で行われたもので
あるときはドアロックしないようにできるなど、送信機
からの送信が車両内部から行われたか否かによって制御
対象或いは制御内容を変更したい場合等に有効である。
【0031】また、請求項5又は6記載の車両用ワイヤ
レス制御装置において、制御手段による切り替えは、例
えば請求項7に記載したように、少なくとも、位置検出
手段の検出結果に基づいて、送信機が当該車両周囲にお
ける複数の小エリアのうち、どの小エリア内にあるかを
判断し、その判断結果に従って、制御対象となる車載機
器及びその制御内容の少なくとも一方を切り替えるよう
にしてもいい。
【0032】このようにすれば、例えば送信機からドア
のアンロックを指示する操作スイッチが操作された旨の
制御コードが送信されたとき、その送信が車両周囲の運
転席近傍から行われたものであるときは運転席側のドア
をアンロックするようにし、その送信が車両周囲の助手
席近傍から行われたものであるときは助手席側のドアを
アンロックするようにできるなど、送信機からの送信が
車両周囲におけるどの位置から行われたかによって制御
対象或いは制御内容を変更したい場合等に有効である。
【0033】そして、請求項5〜7いずれかに記載の発
明における位置検出手段は、具体的には、例えば請求項
8に記載のように構成するとよい。即ち、送信要求信号
を電磁波にて送信する送信手段が複数の小エリアに対応
して各々設けられ、その送信手段からの電磁波(送信要
求信号)を送信機が受信すると、送信機が備える返送信
号送出手段がその送信手段に対応した返送信号を電磁波
にて送出する。各送信手段からの送信要求信号を送信機
が受信できるエリアは、各送信手段に対応した小エリア
である。そして、返送信号を第2受信手段が受信するこ
とにより、その返送信号に基いて、送信機がいずれの小
エリア内にあるかを判断できる。
【0034】つまり、従来技術の項で説明したスマート
エントリシステムにおけるキー位置検出機能と同様のシ
ステムとして構成したものである。このようにすると、
請求項4に記載したような受信強度に基づく方法に比
べ、位置検出手段の構成が複雑になるものの、各送信手
段と発信機との双方向通信を行うことによって位置を検
出するものであるため、送信機の位置をより細かい範囲
で検出したいといったニーズに対して適切かつ確実に対
応できる。
【0035】ところで、例えば車庫のシャッタの開閉
を、ユーザが車室内から専用の送信機にて電波(シャッ
タ開閉指令)を送出することにより行えるようにしたシ
ステムなど、車室内からワイヤレス操作にて車外機器を
作動できるようにしたものが知られている。一方、例え
ばキーレスエントリシステムの送信機が備える操作スイ
ッチとしてドアをロックする旨の操作スイッチが備えら
れていても、ユーザが車室内にいるときは、その操作ス
イッチを利用してドアをロックすることはほとんどな
く、そのニーズもほとんどない。つまり、ユーザがいる
場所によっては、送信機に備えられた操作スイッチが不
用のものとなる場合があるのである。
【0036】そこで、本発明者は、送信機が備える操作
スイッチが、ユーザのいる場所によって、ユーザにより
操作がなされることが考えられない(そのニーズもな
い)場合には、そのときだけ、その操作スイッチを全く
別の制御(例えば車外機器を動作させるための制御)を
行うために利用することができるとの考えに至った。
【0037】即ち、請求項9記載の車両用ワイヤレス制
御装置では、車両外部に備えられた車外機器を動作させ
るための外部指令を電磁波にて送信する外部指令送信手
段が備えられ、制御手段は、送信機から送信された電磁
波を第1受信手段が受信したとき、位置検出手段にて検
出された位置に応じて、外部指令を外部指令送信手段か
ら送信させる。
【0038】このようにすれば、例えばドアをアンロッ
クするための操作スイッチが送信機に備えられている場
合において、ユーザがその操作スイッチを車外から操作
した場合は通常の制御(ドアのアンロック)を行うが車
室内から操作した場合は車外機器を動作(例えば車庫の
シャッタをオープン)させるようにできるなど、既存の
操作スイッチを有効利用して車外機器を制御することが
可能となり、車外機器操作用に別途送信機を用意する必
要もなくなる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態
を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態の車両
用ワイヤレス制御装置の概略構成を示すブロック図であ
る。本実施形態の車両用ワイヤレス制御装置は、従来技
術の項で説明したキーレスエントリシステムとしての機
能及びスマートエントリシステムとしての機能を共に備
えたものであり、図1に示す如く、運転者等のユーザが
携帯するワイヤレス送信機8と、車両に搭載され、ワイ
ヤレス送信機8からの電波を受信する車室内チューナ3
及びトランク内チューナ4と、不審者の不正侵入を検知
する侵入センサ9と、不審者の車室内侵入など車両に対
する不正行為が検知されたときにそのことを周囲のユー
ザ等に報知する盗難警報部10と、ワイヤレス送信機8
に対して照合リクエスト信号を発信する発信部50と、
ワイヤレス送信機8からの電波に基づいてキーレスエン
トリシステム及びスマートエントリシステムとしての各
種制御を実行すると共に、侵入センサ9からの検知信号
等に基づいて盗難等の不正操作を周囲へ報知するいわゆ
る盗難防止制御をも実行するセキュリティECU1と、
車内通信ラインLを介してセキュリティECU1と相互
に接続され、ドア等の各種車載機器を駆動制御するボデ
ーECU2と、車庫のシャッタ7を開閉するための指令
をシャッタ7へ送信するシャッタ用発信機6と、から構
成されている。
【0040】まず、ワイヤレス送信機8について説明す
る。ワイヤレス送信機8は、本実施形態ではユーザが車
両のエンジン始動やドア開閉などに用いるいわゆるマス
ターキーに内蔵されたものであり、その詳細を図2に示
す。図2に示す如く、ワイヤレス送信機8は、操作スイ
ッチ81、制御コード発生部82、変調・増幅部83、
送信アンテナ84、受信アンテナ85及び復調部86を
備えている。
【0041】操作スイッチ81は、本実施形態では車両
の各ドア31〜34(図4参照)をロックする際に操作
するドアロックスイッチ81a、各ドア31〜34をア
ンロックする際に操作するドアアンロックスイッチ81
b及びトランク35(図4参照)を開ける際に操作する
トランクオープンスイッチ81cの、3つのスイッチを
備えている。そして、制御コード発生部82は、各スイ
ッチ81a〜81cのいずれかが操作された(押され
た)とき、押されたスイッチに対応する機能コードにワ
イヤレス送信機8固有のIDコードを加えた制御コード
を、変調・増幅部83に出力する。
【0042】尚、IDコードを加えず機能コードのみを
制御コードとして出力するようにしてもいいが、そうす
ると他人のワイヤレス送信機によってもドアのアンロッ
ク等が可能となってしまうため、本実施形態では、セキ
ュリティ上、IDコードを付加して、車載機器の動作時
にはIDコードの照合を行った上で所定の動作を行うよ
うにしている。
【0043】変調・増幅部83は、この制御コードに基
づいて、図示しない局部発振器からの搬送波(高周波信
号)を変調(例えばFM変調)し、変調後の信号を適宜
増幅する。そして、変調・増幅後の信号(制御コード)
は、送信アンテナ84から電波にて送信される。
【0044】尚、機能コードは、車載機器に対する各種
機能を指示するためのものであり、例えばドアロックス
イッチ81aが押された場合は、各ドア31〜34を全
てロックする旨を表す機能コードを含む制御コードが、
制御コード発生部82から出力されることになる。ま
た、送信アンテナ84からの電波としては、本実施形態
では314MHzの周波数帯の電波を用いている。
【0045】また、本実施形態では、後述するように、
セキュリティECU1からの制御指令に従って、発信部
50を構成する各発信機50−1〜50−8(いずれも
本発明の送信手段に相当)から照合リクエスト信号が送
信され、ワイヤレス送信機8がこの照合リクエスト信号
を受信できる範囲(照合可能範囲)に入ると、ワイヤレ
ス送信機8が備える受信アンテナ85にてその照合リク
エスト信号が受信される。照合リクエスト信号(本発明
の送信要求信号に相当)は、ワイヤレス送信機8に対し
てIDコードを送信するよう要求するための信号であ
る。
【0046】受信アンテナ85にて照合リクエスト信号
が受信されると、復調部86にてデータ復調され、復調
後のデータが制御コード発生部82に入力される。制御
コード発生部82では、この復調データの入力がある
と、照合リクエスト信号を受信したことを示すデータに
IDコードを加えた返送信号を生成し、変調・増幅部8
3及び送信アンテナ84を介して電波にて送信する。
尚、制御コード発生部82と変調・増幅部83と送信ア
ンテナ84とで本発明の返送信号送出手段が構成され
る。また、各発信機50−1〜50−8からの照合リク
エスト信号の具体的発信方法については後述する。
【0047】次に、車両室内に設けられた車室内チュー
ナ3について説明する。本発明の第1受信手段及び第2
受信手段としての車室内チューナ3は、ワイヤレス送信
機8からの送信電波を受信するためのものであり、その
詳細を図3に示す。車室内チューナ3は、セキュリティ
ECU1からの電源供給を受けて動作するものであり、
受信アンテナ41にて受信した受信信号(ワイヤレス送
信機8からの送信電波)は、バンドパスフィルタ42に
て所定周波数帯域(例えば314MHzを中心とする狭
帯域)以外の周波数帯がカットされ、アンプ43にて適
宜増幅された後、ミキサ44へ入力される。
【0048】ミキサ44では、アンプ43からの受信信
号と局部発振器45からの局部発振信号とが混合される
ことにより受信信号が周波数変換される。周波数変換後
の受信信号はアンプ46にて増幅されたあと周波数検波
部47にて周波数検波される。そして、検波後の受信信
号はローパスフィルタ48にて不要高調波成分がカット
されてコンパレータ49へ入力され、基準レベルと比較
されて2値データ化される。これにより、ワイヤレス送
信機8からの制御コード(機能コードやIDコード)又
は返送信号が得られ、セキュリティECU1へ出力され
る。
【0049】また、アンプ46からの信号はRSSI回
路60にも入力される。RSSI回路60は、アンプ4
6からの信号に基づき、受信アンテナ41にて受信した
ワイヤレス送信機8からの電波の受信強度を検出する周
知の回路であり、受信強度検出結果としてのいわゆるR
SSI(Receive Signal Strength Indicator )信号
も、制御コードと共にセキュリティECU1へ出力され
る。尚、RSSI回路60は本発明の受信強度検出手段
に相当するものである。
【0050】次に、発信部50について図4も参照しな
がら説明する。発信部50は、運転席(D席)ドア31
(図4参照)の図示しないドアアウトサイドハンドル付
近に設けられたD席側車室外発信機50−1と、助手席
(P席)ドア32の図示しないドアアウトサイドハンド
ル付近に設けられたP席側車室外発信機50−2と、D
席後部座席(RR席)ドア33の図示しないドアアウト
サイドハンドル付近に設けられたRR席側車室外発信機
50−3と、P席後部座席(RL席)ドア34の図示し
ないドアアウトサイドハンドル付近に設けられたRL席
側車室外発信機50−4と、トランク35後端に設けら
れたトランク外発信機50−5と、車室内前方中央付近
に設けられた前部車室内発信機50−6と、車室内後方
中央付近に設けられた後部車室内発信機50−7と、ト
ランク35内に設けられたトランク内発信機50−8と
で構成される。
【0051】尚、図1又は図4中、各発信機の符号に付
加した添字(ハイフン以後の数字)は、当該車両用ワイ
ヤレス制御装置において予め設定された、CPU11a
が各種処理を実行する際に必要に応じて使用される各発
信機固有の発信機番号(発信機No. )であり、後述する
図5の照合リクエスト制御処理では、この発信機No.に
基づいて、照合リクエスト信号を出力すべき発信機を特
定する。
【0052】各発信機50−1〜50−8から発信され
る照合リクエスト信号(例えば134kHzの電波にて
発信)をワイヤレス送信機8にて受信可能な範囲(照合
可能範囲)は、各発信機毎にそれぞれ非常に狭い範囲に
なるように設定されており、本実施形態では、図4に破
線で示すように、例えばD席側車室外発信機50−1の
照合可能範囲51aは、車両外部であって且つD席側車
室外発信機50−1を中心とする半径約0.7m以内の
範囲内である。同様に、P席側車室外発信機50−2の
照合可能範囲52a、RR席側車室外発信機50−3の
照合可能範囲53a、RL席側車室外発信機50−4の
照合可能範囲54a、トランク外発信機50−5の照合
可能範囲55aがそれぞれ設定されている。
【0053】車両内部の各発信機50−6〜50−8に
ついても、前部車室内発信機50−6の照合可能範囲5
6aは、車室内前方における前部車室内発信機50−6
を中心とする半径約0.7m以内の範囲内に設定され、
同様に後部車室内発信機50−7の照合可能範囲57a
も設定され、さらに、トランク内発信機50−8の照合
可能範囲58aも、トランク35の内部のほぼ全領域に
設定されている。尚、各発信機50−1〜50−8の各
々に対応する各照合可能範囲51a〜58aはいずれ
も、本発明の小エリアに相当するものである。
【0054】また、図3で詳細説明した車室内チューナ
3は、図4に示す如く、車室内前方の図示しないルーム
ミラー付近に取り付けられており、ワイヤレス送信機8
からの電波を受信する。尚、本実施形態では、トランク
35内にもトランク内チューナ4が設置されている。こ
れは、後述するスマートエントリシステムとしての制御
においてワイヤレス送信機8がトランク35内部にある
ときにそのワイヤレス送信機8からの電波を受信するた
めのものであり、その構成は、RSSI回路60がない
こと以外は図3の車室内チューナとほぼ同様である。
【0055】侵入センサ9は、例えば車室内のルームミ
ラーに取り付けられ、超音波等を利用して何者かが車室
内に不正侵入したことを検知するものであり、セキュリ
ティECU1からの電源供給を受けて動作する。この侵
入センサ9によって不審者の侵入が検知されると、その
旨を表す検知信号がセキュリティECU1内に入力され
る。そして、この検知信号を受けたセキュリティECU
1は、不正行為(侵入)があったことを周囲に報知する
ためにブザー26を鳴らしたり、セキュリティホーン2
7の吹鳴を行ったりする。尚、侵入センサ9による検知
時のみに限らず、例えば不審者がドアのロック機構を破
壊してドアを開けたりするなど正規の方法以外の方法で
ドアを開けた場合にも、セキュリティECU1は、図示
しないドアカーテシスイッチの信号等からそのことを検
知して、ブザー26やセキュリティホーン27を動作さ
せる。
【0056】シャッタ用発信機6は、ユーザ宅の車庫に
設けられた車外機器としてのシャッタ7を開閉するため
の指令(外部指令)をシャッタ7へ電波にて送信するも
のであり、本実施形態では、所定の条件の下にワイヤレ
ス送信機8が備えるドアロックスイッチ81a及びドア
アンロックスイッチ81bを操作することによって動作
(送信)するが、その詳細については後述する。尚、シ
ャッタ用発信機6は本発明の外部指令送信手段に相当す
るものである。また、本実施形態のシャッタ7は、ワイ
ヤレス操作により電動モータ(図示略)によって開閉す
る構成となっており、このようにワイヤレス操作可能な
シャッタは既に周知であるため、ここではその詳細説明
を省略する。
【0057】ボデーECU2は、例えば車両の各ドア3
1〜34に設置されたドアロックモータ(図示略)に対
してロック或いはアンロックの駆動信号を出力したり、
トランク35に設置されたトランクオープンモータ(図
示略)やRL席ドア34後方に設けられた給油口36
(図4参照)に設置された給油口オープンモータに対し
て夫々オープン駆動信号を出力するなど、各種車載機器
を駆動制御する。このボデーECU2は、セキュリティ
ECU1と車内通信ラインLを介して相互に接続されて
いる。
【0058】そのため、ワイヤレス送信機8の操作スイ
ッチ81を操作してその送信電波が車室内チューナ3に
て受信されると、操作されたいずれかのスイッチ81a
〜81cに応じた信号がセキュリティECU1から車内
通信ラインLを介してボデーECU2へ伝送され、この
信号を受けたボデーECU2が、信号に応じた(延いて
は操作スイッチ81の操作に応じた)駆動信号を出力す
る。尚、車内通信ラインLには、セキュリティECU1
やボデーECU2以外にも各種ECUが接続されてお
り、必要に応じて相互にデータ送受信が行われる。
【0059】セキュリティECU1は、既述の通り、キ
ーレスエントリシステム及びスマートエントリシステム
としての各種制御の実行、更に、侵入センサ9からの検
知信号等に基づいてブザー26及びセキュリティホーン
27を動作させる盗難防止制御を実行するものであり、
マイクロコンピュータ(以下「マイコン」と略す)1
1、EEPROM12、ドライバ13、各インタフェー
ス(以下「I/F」と略す)14〜16、各出力回路1
7〜20及び電源回路21を備えている。
【0060】マイコン11は、電源回路21からの電源
供給を受けて動作するものであり、CPU11a、RA
M11b、ROM11c、I/O11d等を備えた周知
の1チップマイコンとして構成されている。CPU11
aは、ROM11cに格納されたプログラムに従い、後
述する各種制御処理を実行する。EEPROM12は、
電気的に書き換え可能な周知の不揮発性メモリであり、
CPU11aが各種制御処理を実行する際に必要となる
制御パラメータや車両固有のIDコードなどの各種情報
が記憶されている。そしてCPU11aは、各種制御処
理を実行する際に、EEPROM12から必要な情報を
読み出す(実際には、読み出した情報をRAM11bに
一旦記憶させてそこから読み出す)ようにしている。
【0061】電源回路21は、バッテリから供給される
電源(電圧VB)を、マイコン11をはじめセキュリテ
ィECU1内の各部を動作させるのに必要な電圧に変換
して出力する。また、ドライバ13は、車内通信ライン
L上を伝送される信号をマイコン11内で処理可能な信
号に変換(その逆も含む)するインタフェースとして機
能するものである。
【0062】以上説明した本実施形態の車両用ワイヤレ
ス制御装置において実現される各種機能のうち、まず、
スマートエントリシステムとしての機能について説明す
る。本実施形態では、既述の通り、発信部50を構成す
る各発信機50−1〜50−8から所定周期で照合リク
エスト信号が発信される。具体的には、この発信は、C
PU11aが実行する照合リクエスト制御処理に従い、
各発信機50−1〜50−8が順次行う。図5は、本実
施形態の照合リクエスト制御処理を示すフローチャート
である。CPU11aは、ROM11cに格納されたプ
ログラムに従い、所定周期(例えば5msec.周期)でこ
の照合リクエスト制御処理を実行する。
【0063】この照合リクエスト制御処理が開始される
と、まずステップ(以下「S」と略す)110にて、カ
ウンタCが1にセットされる。このカウンタCは、S1
20以降の処理において発信機番号(発信機No. )を特
定するために使用されるものであり、S120では、発
信機No. C(つまり発信機No. 1であるD席側車室外発
信機50−1)から照合リクエスト信号を発信する。よ
り詳しくは、マイコン11から出力回路20を介してD
席側車室外発信機50−1へ、照合リクエスト信号を発
信すべき旨の制御指令を与え、この制御指令に基づい
て、D席側車室外発信機50−1は照合リクエスト信号
を発信する。
【0064】続くS130では、S120においてD席
側車室外発信機50−1から発信された照合リクエスト
信号に対し、ワイヤレス送信機8からの応答があったか
否か、即ち、照合リクエスト信号をワイヤレス送信機8
が受信することによってそのワイヤレス送信機8から返
送信号が送信され、その返送信号が車室内チューナ3で
受信されて、I/F14を介してマイコン11内に入力
されたか否かを判断する。応答がなければそのままS1
40に進むが、応答があった場合はS160に移行す
る。
【0065】S160では、入力された返送信号に含ま
れるIDコードが、予めEEPROM12内に記憶され
ているIDコードと一致しているか否かの判定(ID照
合)が行われ、一致しない場合はそのままS140へ移
行するが、一致している(つまりID照合OK)と判定
された場合は、ワイヤレス送信機8がこのD席側車室外
発信機50−1の照合可能範囲51a内に位置している
ものと判断(S170)して、S140に移行する。S
140では、カウンタCを1だけインクリメントしてS
150に進み、カウンタCの値が8を超えているか否か
を判断する。ここではまだカウンタCの値は2であるた
め、否定判定されて再びS120に戻り、発信機No. 2
であるP席側車室外発信機50−2について上記同様の
処理が実行されることになる。
【0066】以後、カウンタCがインクリメントされる
毎に、カウンタCの値に対応した番号の発信機による照
合リクエスト信号の送信が上記同様に行われる。そし
て、発信機No. 8であるトランク内発信機50−8から
の照合リクエスト信号送信が行われた後にS140を実
行すると、カウンタCは9となるため、続くS150で
は肯定判定されて一旦この処理が終了される。
【0067】つまり、この照合リクエスト制御処理を実
行することにより、各発信機50−1〜50−2に対応
した各照合可能範囲51a〜58aのうち、ワイヤレス
送信機8がどの照合可能範囲内に位置しているか否かを
検出することができるのである。そして、本実施形態を
含む一般的なスマートエントリシステムでは、ワイヤレ
ス送信機8が上記いずれかの照合可能範囲内にあると判
断されたとき、その照合可能範囲に応じて各ドア31〜
34をアンロックスタンバイ状態にしたり、トランク3
5をオープンスタンバイ状態にしたりする。
【0068】具体的には、例えばワイヤレス送信機8が
D席ドア31の照合可能範囲51a内にあるとき、アン
ロックスタンバイ状態になり、ユーザがD席ドア31の
ドアアウトサイドハンドルに触れると全ドア31〜34
がアンロックされる。また、例えばワイヤレス送信機8
がトランク外発信機50−5の照合可能範囲55a内に
あるとき、トランクオープンスタンバイ状態になり、ユ
ーザがトランク35に備えられた図示しないトランクオ
ープンスイッチを押すと、トランク35がオープンす
る。更に、例えばトランク35内にワイヤレス送信機8
を入れたままトランク35をクローズしてしまった場合
に、ワイヤレス送信機8がトランク内発信機50−8か
らの照合リクエスト信号を受けて返送信号を送信し、そ
の返送信号がトランク内チューナ4にて受信されると、
ブザー26を鳴らして、トランク35内にワイヤレス送
信機8を置き忘れていることをユーザに報知する。
【0069】ワイヤレス送信機8の位置によっては、例
えば2つの照合可能範囲51a及び53aの重複範囲内
に位置する場合が生じ、その場合は、当然ながら各照合
可能範囲51a及び53aに対応した各発信機51−1
及び50−3からの照合リクエスト信号に対して、ワイ
ヤレス送信機8から返送信号が送信されることになる。
そして、図5の照合リクエスト制御処理によって検出さ
れるワイヤレス送信機8の位置は、後述するキーレスエ
ントリシステムにおける各種制御(図6〜8)において
利用される。
【0070】次に、本実施形態の車両用ワイヤレス制御
装置において実現される各種機能のうち、キーレスエン
トリシステムとしての機能について説明する。既述の通
り本実施形態では、ワイヤレス送信機8が備える各スイ
ッチ81a〜81cの操作により、車両を離れた場所か
らのドアロック/アンロック及びトランクオープンを行
うことができる。
【0071】具体的には、ドアロックスイッチ81aを
押すと、その旨の制御コード(機能コード及びIDコー
ド)がワイヤレス送信機8から送信される。そして、マ
イコン11では、IDコードの照合が行われ、ワイヤレ
ス送信機8からのIDコードと予めEEPROM12に
記憶されているIDコードとが一致しているか否かが判
断される。そして、両者が一致していれば(つまりID
照合がOKとなれば)、機能コードに対応した車載機器
制御(全ドアロック)が行われる。
【0072】同様に、ドアアンロックスイッチ81bを
押せば、まずD席ドア31のみアンロックされ、続いて
もう一度押すと全ドア31〜34がアンロックされる
(つまり2回操作アンロック仕様)。また、トランクオ
ープンスイッチ81cを押せばトランク35がオープン
される。更に、ドアロックスイッチ81aを所定時間押
し続けると各ドア31〜34の図示しないパワーウィン
ドウもクローズし、ドアアンロックスイッチを所定時間
押し続けるとD席ドア31のパワーウィンドウもオープ
ンする。このような、各スイッチ81a〜81cの操作
にそのまま対応した制御(換言すれば、各スイッチ81
a〜81cの名称に対応した制御)及び各スイッチ81
a、81bの操作に付随した制御(ここではパワーウィ
ンドウの開閉)は、従来のキーレスエントリシステムで
も一般的に行われており、本発明の通常の制御に相当す
るものである。
【0073】ところで、このように、各スイッチ81a
〜81cを押したときの車両側の制御対象及びその制御
内容が、各スイッチ81a〜81c毎に固定されている
と、従来技術の項で説明したような種々の問題(例えば
2回操作アンロック仕様の場合に生じる使い勝手の悪さ
等)が生じる。
【0074】そこで、本実施形態では更に、同じ操作ス
イッチ81を押した場合であっても、ワイヤレス送信機
8の位置(つまりワイヤレス送信機8を操作するユーザ
の位置)に応じて、制御対象となる車載機器又はその制
御内容の少なくとも一方を切り替えるようにしている。
つまり、各操作スイッチ81a〜81cを操作したとき
の制御を、通常の制御のみに固定するのではなく、ワイ
ヤレス送信機8の位置に応じて切り替えるのである。
【0075】本実施形態では、ワイヤレス送信機8の位
置に応じた上記切り替えの具体的内容として、車室内か
らドアロックスイッチ81a又はドアアンロックスイッ
チ81bが操作されたときは各ドア31〜34のロック
/アンロックではなくシャッタ7の開閉を行うようにす
ること(以下「シャッタ制御」ともいう)、助手席側か
らドアアンロックスイッチ81bが操作されたときは1
回目の操作でP席ドア32をアンロックすること(以下
「1回操作P席アンロック制御」ともいう)、給油口3
6付近でトランクオープンスイッチ81cが操作された
ときはトランク35をオープンせずに給油口36をオー
プンすること(以下「給油口制御」ともいう)及び、車
両から所定距離以上離れた場所からパワーウィンドウの
開閉操作が行われたときはその操作を無視すること(以
下「P/W開閉制限制御」ともいう)を実現している。
以下、上記各制御について説明する。 (1)シャッタ制御及び1回操作P席アンロック制御に
ついて 図6は、CPU11aがROM11cに格納されたプロ
グラムに基づいて実行する、ドアロック/アンロック制
御処理を表すフローチャートである。この処理も、図5
の照合リクエスト制御処理と同様、所定周期(例えば5
msec.周期)で繰り返し実行されるものである。
【0076】この処理が開始されるとまずS210に
て、D席ドア31がマスターキーによってロックされた
か否かが判断され、マスターキーによるロック操作が行
われた場合は全ドア31〜34をロックするが(S22
0)、マスターキーによるロック操作がなされていない
場合はS230に進む。S230では、P席ドア32が
マスターキーによってロックされたか否かが判断され、
マスターキーによりロック操作された場合は全ドア31
〜34をロックするが(S220)、マスターキーによ
るロック操作がなされていない場合はS240に進む。
【0077】S240では、D席ドア31がマスターキ
ーによってアンロックされたか否かが判断され、マスタ
ーキーによるアンロック操作が行われた場合はS250
に移行して、前回操作(前回のS240の操作)からの
経過時間が3秒以内であるか否かが判断される。このと
き、前回操作から既に3秒以上経過している場合はD席
ドア31のみアンロックされるが(S260)、前回操
作から3秒以内のとき、つまり3秒以内に2回操作され
たときは、全ドア31〜34がアンロックされる(S2
80)。言い換えれば、マスターキーにより全ドアをア
ンロックするためには、3秒以内にアンロック操作を2
回行う必要がある。
【0078】D席ドア31がマスターキーによってアン
ロックされていない場合(S240:NO)、S270
に移行して、P席ドア32がマスターキーによってアン
ロックされたか否かが判断される。そして、マスターキ
ーによるアンロック操作が行われた場合は全ドア31〜
34がアンロックされるが(S280)、アンロック操
作が行われない場合(S270:NO)、S290に移
行する。尚、マスターキーの直接操作によるロックをキ
ー連動ロックともいい、同じくマスターキーの直接操作
によるアンロックをキー連動アンロックともいう(図6
参照)。
【0079】ここまでの処理がマスターキー操作に対す
るものであったのに対し、続くS290では、ワイヤレ
ス送信機8によるドアロック操作があったか否か、即
ち、ワイヤレス送信機8のドアロックスイッチ81aを
操作することにより送信される制御コードが車室内チュ
ーナ3にて受信され、I/F14を介してマイコン11
に入力されたか否かが判断される。このとき、ドアロッ
クスイッチ81aの操作により制御コードが入力されて
いる場合は、続くS300に進んで、その操作(ドアロ
ックスイッチ81aの操作)が車室内で行われたか否か
が判断される。
【0080】このS300の判断は、上記のスマートエ
ントリシステムとしての機能におけるワイヤレス送信機
8の位置検出結果(具体的には、図5の照合リクエスト
制御処理の結果)に基づいて実現されるものであり、ワ
イヤレス送信機8が車室内の2つの発信機50−6,5
0−7の照合可能範囲56a,57aに位置していない
場合(つまり車外に位置している場合)は、否定判定さ
れてS220に進み、全ドア31〜34がロックされ
る。つまり、車外からワイヤレス送信機8によるドアロ
ック操作を行った場合は、通常の制御としての全ドアロ
ックをおこなうのである。
【0081】一方、ワイヤレス送信機8が車室内の2つ
の照合可能範囲56a,57aのいずれかに位置してい
る場合に、ワイヤレス送信機8のドアロックスイッチ8
1aが操作されると、S350に進み、出力回路19を
介してシャッタ用発信機6へシャッタ閉指令を出力す
る。これにより、シャッタ用発信機6からはシャッタ閉
指令が電波にて送出され、この電波がシャッタ7にて受
信されれば、シャッタ7がクローズすることになる。つ
まり、ドアロックスイッチ81aの操作に対して通常の
制御であるドアロックのみを行うのではなく、その操作
が車室内からのものである場合には、ドアロックの代わ
りにシャッタ7をクローズさせる制御を行うのである。
【0082】S290で否定判定された場合は、S31
0にて、ワイヤレス送信機8によるドアアンロック操作
があったか否か、即ち、ワイヤレス送信機8のドアアン
ロックスイッチ81bを操作することにより送信される
制御コードが車室内チューナ3及びI/F14を介して
マイコン11に入力されたか否かが判断される。このと
き、ドアアンロックスイッチ81bの操作による制御コ
ードが入力されている場合は、続くS320に進んで、
その操作(ワイヤレス送信機8からの制御コード送信)
が車室内で行われたか否かが判断される。
【0083】この判断も、S300と全く同様、図5の
照合リクエスト制御処理の結果に基づいて実現されるも
のであり、車室内にないと判断された場合はS330に
移行するが、車室内にあると判断された場合は、S36
0に進み、出力回路19を介してシャッタ用発信機6へ
シャッタ開指令を出力する。これにより、シャッタ用発
信機6からはシャッタ開指令が電波にて送出され、この
電波がシャッタ7にて受信されれば、シャッタ7がオー
プンすることになる。つまり、ドアアンロックスイッチ
81bの操作に対して通常の制御であるドアアンロック
のみを行うのではなく、その操作が車室内からのもので
ある場合には、ドアアンロックの代わりにシャッタ7を
オープンさせる制御を行うのである。
【0084】一方、ワイヤレス送信機8によるアンロッ
ク操作が車室内からのものでないと判断されてS330
に進んだ場合、今度は、P席ドア32近傍から行われた
ものであるか否かが判断される。この判断も、図5の照
合リクエスト制御処理の結果に基づいて実現されるもの
であり、具体的には、本実施形態では、P席側車室外発
信機50−2の照合可能範囲52a又はRL席側車室外
発信機50−4の照合可能範囲54aのいずれかの範囲
内にある場合に、P席ドア32の近傍からワイヤレス送
信機8の操作がなされたものとしている。
【0085】そして、P席ドア32の近傍からの操作で
はない場合はS340に移行し、S250と同様、前回
操作(前回のS310の操作)からの経過時間が3秒以
内であるか否かが判断される。このとき、前回操作から
既に3秒以上経過している場合はD席ドア31のみアン
ロックされるが(S260)、前回操作から3秒以内の
とき、つまり3秒以内にアンロック操作が2回されたと
きは、全ドア31〜34がアンロックされる(S28
0)。
【0086】一方、S330にて、P席ドア32の近傍
からの操作であるものと判断された場合は、S280に
移行して、全ドア31〜34のアンロックを行う。つま
り、従来はワイヤレス送信機8の位置に関係なく1回目
のドアアンロックスイッチ81bの操作でまずD席ドア
31しかアンロックされず、P席ドア32をアンロック
するためにはドアアンロックスイッチ81bを3秒以内
にもう1回押す必要があったが、本実施形態では、P席
ドア32の近傍からのアンロック操作が行われた場合に
は、1回の操作で全ドア31〜34がアンロックされる
ようにしている。 (2)給油口制御について 図7は、ワイヤレス送信機8からのトランクオープン操
作及び給油口36のオープン操作を行うために、CPU
11aがROM11cに格納されたプログラムに基づい
て実行する、トランク/給油口オープン制御処理を表す
フローチャートである。この処理も、図5の照合リクエ
スト制御処理と同様、所定周期(例えば5msec.周期)
で繰り返し実行されるものである。
【0087】この処理が開始されるとまずS410に
て、ワイヤレス送信機8のトランクオープンスイッチ8
1cが押されたか否か、即ち、トランクオープンスイッ
チ81cを押すことにより送信される制御コードが車室
内チューナ3及びI/F14を介してマイコン11内に
入力されたか否かが判断される。ここで、トランクオー
プンスイッチ81cが押されていない場合はそのままS
440に移行するが、押されている場合は、S420に
移行して、その操作が給油口36付近で行われたもので
あるか否かを判断する。
【0088】この判断も、図5の照合リクエスト制御処
理の結果に基づいて実現されるものであり、具体的に
は、本実施形態では、RL席側車室外発信機50−4の
照合可能範囲54aの範囲内にある場合に、給油口36
付近でワイヤレス送信機8のトランクオープンスイッチ
81cの操作がなされたものとしている。そして、S4
20にて給油口36付近での操作でないと判断されたと
きは、トランク35のオープンを実行する(S43
0)。
【0089】一方、S420にて給油口36付近での操
作であると判断された場合は、S450に移行して給油
口36をオープンする。尚、S410で否定判定されて
S440に移行したときは、給油口36の開操作があっ
たか否かが判断される。この判断は、給油口36をオー
プンさせるために運転席下部に備えられている周知の給
油レバー(図示略)がユーザ等により操作されたか否か
を判断することにより行われ、ユーザ等による給油レバ
ー操作がなされない場合はそのままこの処理を終了する
が、給油レバー操作がなされた場合は、S450に移行
して給油口36をオープンさせる。
【0090】つまり、本実施形態では、ワイヤレス送信
機8からのトランクオープン操作がなされたときに、無
条件にトランク35のオープンを実行するのではなく、
その操作が給油口36付近で行われた場合には、ユーザ
が給油口36のオープンを望んでいるものとして、給油
口36をオープンするようにしている。
【0091】尚、S420の判断処理を、上記のように
RL席側車室外発信機50−4の照合可能範囲54aの
範囲内にあるか否かのみに基づいて行うのではなく、更
に後部車室内発信機50−7の照合可能範囲57a内に
あるか否かをも判断して、照合可能範囲54aの範囲内
にあって且つ照合可能範囲57aの範囲内にないときに
給油口付近からの操作であるものと判断するようにして
もいい。 (3)P/W開閉制限制御について 図8は、ワイヤレス送信機8からのパワーウィンドウ開
閉操作に対してパワーウィンドウを開閉させるために、
CPU11aがROM11cに格納されたプログラムに
基づいて実行する、パワーウィンドウ開閉制御処理を表
すフローチャートである。この処理も、図5の照合リク
エスト制御処理と同様、所定周期(例えば5msec.周
期)で繰り返し実行されるものである。尚、ワイヤレス
送信機8からパワーウィンドウを開閉操作する場合は、
既述の通り、ドアロックスイッチ81aを所定時間(例
えば3秒)以上押し続けた時にパワーウィンドウがクロ
ーズされ、ドアアンロックスイッチ81bを所定時間
(例えば3秒)以上押し続けた時にはパワーウィンドウ
がオープンされる。
【0092】この処理が開始されるとまずS510に
て、ワイヤレス送信機8からパワーウィンドウをクロー
ズする操作がなされたか否かが判断され、クローズ操作
がなされている場合(つまりドアロックスイッチ81a
が3秒以上継続して押された場合)はS520に移行
し、クローズ操作がなされていない場合はS540に移
行する。
【0093】S520では、パワーウィンドウのクロー
ズ操作が車両遠方からなされたか否かについて判断され
るが、この判断は、車室内チューナ3からのRSSI信
号に基づいて行われる。つまり、ワイヤレス送信機8か
らの送信電波を車室内チューナ3で受信したときのその
受信強度に基づいて、車両から(詳細には車室内チュー
ナ3から)どの程度離れた位置から送信されてきたのか
を判断しているのである。そして、本実施形態では、車
両を含む、車室内チューナ3から所定距離のエリア内を
「車両付近」、上記エリア外を「車両遠方」として設定
することにより、ワイヤレス送信機8からの電波送信が
車両付近からなされたものなのかそれとも車両遠方から
なされたものなのかを判断している。
【0094】より具体的には、本実施形態では、図4に
示すようにまず車両付近(上記エリア内)と車両遠方
(上記エリア外)との境界をRSSI判定境界ラインL
bとして設定すると共に、そのRSSI判定境界ライン
Lb上からワイヤレス送信機8による電波送信を行った
ときに車室内チューナ3にて検出されるRSSI信号
(判定基準RSSI信号)を予め測定し、EEPROM
12に記憶しておく。そして、実際にユーザ操作により
ワイヤレス送信機8から送信された電波を車室内チュー
ナ3で受信したとき、I/F14を介してマイコン11
に入力されるRSSI信号と、EEPROM12内の判
定基準RSSI信号とを相互比較することにより、車両
付近からの送信であるかそれとも車両遠方からの送信で
あるかを検出する。
【0095】S510で肯定判定されてS520に進ん
だとき、RSSI信号に基づいて上記のようにワイヤレ
ス送信機8の位置を判断し、車両付近からの操作である
と判断された場合は、S530に移行してパワーウィン
ドウをクローズさせる。一方、S520にて車両遠方か
らの操作であると判断された場合は、パワーウィンドウ
をクローズさせずにそのままこの処理を終了する。
【0096】S510で否定判定された場合は、S54
0に移行して、ワイヤレス送信機8からパワーウィンド
ウをオープンする操作がなされたか否かが判断され、オ
ープン操作がなされている場合(つまりドアアンロック
スイッチ81bが3秒以上継続して押された場合)はS
550に移行し、クローズ操作がなされていない場合は
そのままこの処理を終了する。
【0097】S550では、S520と全く同様、RS
SI信号に基づいてワイヤレス送信機8からのパワーウ
ィンドウ開操作がどの位置から行われたのかを判断し、
車両付近からの操作であると判断された場合はS560
に移行してパワーウィンドウをオープンさせるが、車両
遠方からの操作であると判断された場合は、パワーウィ
ンドウをオープンさせずにそのままこの処理を終了す
る。
【0098】つまり、ワイヤレス送信機8からパワーウ
ィンドウ開閉操作がなされた場合に、常にその操作内容
に応じてオープン又はクローズするのではなく、車両遠
方からの操作である場合には、その操作を無視してパワ
ーウィンドウの開閉を一切行わないようにしているので
ある。尚、RSSI判定境界ラインLbは、ワイヤレス
送信機8からの送信電波が車室内チューナ3にて受信さ
れ得る範囲内において、車両の仕様等に応じて適宜設定
すればいい。
【0099】以上詳述したように、本実施形態の車両用
ワイヤレス制御装置では、ワイヤレス送信機8の各スイ
ッチ81a〜81cを操作したときに行われる制御を、
各スイッチ81a〜81c毎にそれぞれ固定するのでは
なく、同じスイッチの操作であっても、操作が行われた
際のワイヤレス送信機8の位置に応じて、制御対象を切
り替えたり、制御対象に対する制御内容を禁止したりし
ている。
【0100】従って、本実施形態の車両用ワイヤレス制
御装置によれば、ワイヤレス送信機8の位置に応じたよ
り適切な制御を行うことにより、制御対象となる車載機
器又は制御内容毎に操作スイッチ81を複数設ける必要
がないため、装置全体のコストアップを抑制しつつ、ユ
ーザの利便性・使い勝手を向上することが可能となる。
【0101】また、ワイヤレス送信機8の位置を検出す
るために、ワイヤレス送信機8から送信される電波の受
信強度(RSSI信号)に基づいて車両遠方からの送信
かそれとも車両付近からの送信かを検出すると共に、ス
マートエントリシステムとしての機能を利用したより狭
範囲内におけるワイヤレス送信機8の有無検出をも行っ
ている。そのため、ワイヤレス送信機8の位置が車室内
か車外(車両付近)か或いは車外(車両遠方)かを判断
できると共に車両周辺をさらに複数の小エリア(照合可
能範囲51a〜55a)に区分でき、ワイヤレス送信機
8の位置に応じたきめ細かな制御(切り替え)が可能と
なる。
【0102】更に、操作スイッチ81が備える各スイッ
チ81a〜81cのうち、ユーザの位置や使用状況によ
っては操作することがほとんど考えられない場合(上記
実施形態では車室内からのドアロックスイッチ81a及
びドアアンロックスイッチ81bの操作)、その操作ス
イッチをシャッタ7を開閉するために使用しているた
め、操作スイッチ81を有効に利用することができ、シ
ャッタ7開閉用に別途専用の送信機を用意する必要もな
くなる。
【0103】尚、本実施形態において、CPU11aは
本発明の制御手段及びエリア内判定手段に相当する。ま
た、図5の照合リクエスト制御処理は本発明の位置検出
手段が実行する処理に相当し、図6のドアロック/アン
ロック制御処理におけるS300、S320、S33
0、S350及びS360の処理、及び図7のトランク
/給油口オープン制御処理におけるS420の処理は、
いずれも本発明の制御手段が位置検出手段の検出結果に
基づいて実行する処理に相当し、図8のパワーウィンド
ウ開閉制御処理におけるS520及びS550の処理は
いずれも本発明の制御手段がエリア内判定手段の判定結
果に基づいて実行する処理に相当する。
【0104】尚、本発明の実施の形態は、上記実施形態
に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に
属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもな
い。例えば、図6のドアロック/アンロック制御処理で
は、ワイヤレス送信機8からのドアロック又はドアアン
ロックが車室内から行われた場合には、シャッタ7の開
閉を行う(S350,S360)ようにしたが、シャッ
タ7の開閉動作等をせずに一切の制御を行わないように
してもいい。つまり、車室内からワイヤレス送信機8に
よるドアロック又はドアアンロックが行われた場合はそ
れを無視して、ドアロック/アンロック動作を禁止する
のである。このようにすれば、例えば車両の運転中に、
ユーザのポケット等の中に入れてあるワイヤレス送信機
8の操作スイッチ81が、シートとの接触等により誤っ
て操作されて、ユーザの意図しないドアロック/アンロ
ックが行われてしまうのを防ぐことができる。
【0105】また、上記実施形態では、P席ドア32付
近からドアアンロックスイッチ81bが操作されたとき
は1回目で全てのドア31〜34がアンロックされるよ
うにしているが、この場合、P席ドア32のみがアンロ
ックされるようにしてもいい。また、図8のパワーウィ
ンドウ開閉制御処理では、ワイヤレス送信機8によるパ
ワーウィンドウの開閉操作が車両遠方から行われたとき
はパワーウィンドウの開閉を一切行わない(禁止する)
ようにしたが、このように全く禁止するのではなく、例
えば数cmだけ開閉動作を行うようにするなど、その動
作を一定の範囲内に制限するようにしてもいい。
【0106】更に、ドアロックスイッチ81aの操作及
びドアアンロックスイッチ81bの操作が車両のドア付
近から行われた場合に、ドアのロック/アンロックを行
うのに加え、例えば電動モータ駆動によってドアをクロ
ーズ/オープンするようにしてもいい。即ち、例えば全
ドア31〜34が閉じてロックされているときに、照合
可能範囲51a内でドアアンロックスイッチ81bを操
作した場合は、D席ドア31をアンロックするだけでな
くドア自体もオープンするのである。このようにすれ
ば、より利便性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の車両用ワイヤレス制御装置の概
略構成を示すブロック図である。
【図2】 本実施形態のワイヤレス送信機の概略構成を
示すブロック図である。
【図3】 本実施形態の車室内チューナの概略構成を示
すブロック図である。
【図4】 車両周囲に形成された複数の照合可能範囲、
及び、車両付近と車両遠方の各領域を表す説明図であ
る。
【図5】 本実施形態の照合リクエスト制御処理を示す
フローチャートである。
【図6】 本実施形態のドアロック/アンロック制御処
理を表すフローチャートである。
【図7】 本実施形態のトランク/給油口オープン制御
処理を表すフローチャートである。
【図8】 本実施形態のパワーウィンドウ開閉制御処理
を表すフローチャートである。
【符号の説明】
1…セキュリティECU、2…ボデーECU、3…車室
内チューナ、4…トランク内チューナ、6…シャッタ用
発信機、7…シャッタ、8…ワイヤレス送信機、9…侵
入センサ、10…盗難警報部、11…マイコン、11a
…CPU、11b…RAM、11c…ROM、11d…
I/O、12…EEPROM、13…ドライバ、14〜
16…I/F、17〜20…出力回路、21…電源回
路、26…ブザー、27…セキュリティホーン、31…
運転席(D席)ドア、32…助手席(P席)ドア、33
…D席後部座席(RR席)ドア、34…P席後部座席
(RL席)ドア、35…トランク、36…給油口、41
…受信アンテナ、42…バンドパスフィルタ、43,4
6…アンプ、44…ミキサ、45…局部発振器、47…
周波数検波部、48…ローパスフィルタ、49…コンパ
レータ、50…発信部、50−1…D席側車室外発信
機、50−2…P席側車室外発信機、50−3…RR席
側車室外発信機、50−4…RL席側車室外発信機、5
0−5…トランク外発信機、50−6…前部車室内発信
機、50−7…後部車室内発信機、50−8…トランク
内発信機、51a〜58a…照合可能範囲、60…RS
SI回路、81…操作スイッチ、81a…ドアロックス
イッチ、81b…ドアアンロックスイッチ、81c…ト
ランクオープンスイッチ、82…制御コード発生部、8
3…変調・増幅部、84…送信アンテナ、85…受信ア
ンテナ、86…復調部、C…カウンタ、L…車内通信ラ
イン、Lb…RSSI判定境界ライン

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機能を指示するための操作スイッチを備
    え、該操作スイッチが操作されると、その旨を表す制御
    コードを電磁波にて送信する送信機と、 車両に搭載され、前記送信機からの電磁波を受信する第
    1受信手段と、 車両に搭載され、前記第1受信手段にて受信した電磁波
    に含まれる前記制御コードに基づいて各種車載機器を制
    御する制御手段とを備えた車両用ワイヤレス制御装置で
    あって、 前記送信機の位置を検出する位置検出手段を車両側に備
    え、 前記制御手段は、前記送信機から送信された電磁波を前
    記第1受信手段が受信したとき、前記位置検出手段にて
    検出された位置に応じて、制御対象となる車載機器及び
    その制御内容の少なくとも一方を切り替えることを特徴
    とする車両用ワイヤレス制御装置。
  2. 【請求項2】 前記位置検出手段は、前記送信機が、当
    該車両を含む所定エリア内にあるか否かを判定すること
    を特徴とする請求項1記載の車両用ワイヤレス制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記位置検出手段にて
    前記送信機が前記エリア内にあると判定されたときは、
    制御対象に対し、前記制御コードに対応した通常の制御
    を行い、前記位置検出手段にて前記送信機が前記エリア
    内にないと判定されたときは、制御対象に対する前記通
    常の制御を禁止又はその制御内容を制限することを特徴
    とする請求項2記載の車両用ワイヤレス制御装置。
  4. 【請求項4】 前記位置検出手段は、 前記送信機からの電磁波を受信してその受信強度を検出
    する受信強度検出手段と、 該受信強度検出手段にて検出された受信強度に基づい
    て、前記送信機が前記エリア内にあるか否かを判定する
    エリア内判定手段と、 を備えたことを特徴とする請求項2又は3記載の車両用
    ワイヤレス制御装置。
  5. 【請求項5】 前記位置検出手段は、前記送信機が、車
    室内を含む当該車両周囲の複数の小エリアのうち、どの
    小エリア内にあるかを判定することを特徴とする請求項
    1記載の車両用ワイヤレス制御装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、少なくとも、前記位置
    検出手段の検出結果に基づいて、前記送信機が当該車両
    内部にあるか否かを判断し、その判断結果に従って、制
    御対象となる車載機器及びその制御内容の少なくとも一
    方を切り替えることを特徴とする請求項5記載の車両用
    ワイヤレス制御装置。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、少なくとも、前記位置
    検出手段の検出結果に基づいて、前記送信機が当該車両
    周囲における前記複数の小エリアのうち、どの小エリア
    内にあるかを判断し、その判断結果に従って、制御対象
    となる車載機器及びその制御内容の少なくとも一方を切
    り替えることを特徴とする請求項5又は6記載の車両用
    ワイヤレス制御装置。
  8. 【請求項8】 前記位置検出手段は、 前記複数の小エリアに対応して各々設けられ、送信要求
    信号を電磁波にて送信する複数の送信手段と、 該送信手段からの電磁波を前記送信機が受信したときに
    該送信機から送信される返送信号を受信する第2受信手
    段と、 を備えると共に、前記各送信手段からの送信要求信号を
    前記送信機が受信できるエリアは該各送信手段に対応し
    た前記小エリアであって、前記第2受信手段にて受信し
    た前記返送信号に基づき、前記送信機が前記いずれの小
    エリア内にあるかを判断できるよう構成され、 前記送信機は、前記送信手段からの送信要求信号を受信
    したとき、該送信手段に対応した前記返送信号を電磁波
    にて送出する返送信号送出手段を備えていることを特徴
    とする請求項5〜7いずれかに記載の車両用ワイヤレス
    制御装置。
  9. 【請求項9】 車両外部に備えられた車外機器を動作さ
    せるための外部指令を電磁波にて送信する外部指令送信
    手段を備え、 前記制御手段は、前記送信機から送信された電磁波を前
    記第1受信手段が受信したとき、前記位置検出手段にて
    検出された位置に応じて、前記外部指令を前記外部指令
    送信手段から送信させることを特徴とする請求項1〜8
    いずれかに記載の車両用ワイヤレス制御装置。
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