JP2002188038A - ガスバリア性コーティング組成物及びガスバリア性フィルム - Google Patents
ガスバリア性コーティング組成物及びガスバリア性フィルムInfo
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Abstract
スバリア性を維持し、しかも基材がポリプロピレン等の
ポリオレフィンである場合でも、アンカー層を必要とせ
ずに密着性がよい高いガスバリア性を有する塗膜を形成
できるようにする。 【解決手段】 下記A,B,C,D成分からなり、A成
分、B成分とC成分の重量比(A/(B+C))が10
0/1〜100/10であるガスバリア性コーティング
組成物。 A:ポリビニルアルコール。 B:下記一般式(1)で示されるアミノ基及び/又はイ
ミノ基を有するアルコキシシラン。 【化1】 C:下記一般式(2)で示されるエポキシ基を有するア
ルコキシシラン。 【化2】
Description
れた塗膜を形成するガスバリア性コーティング樹脂組成
物及びそれを用いてガスバリア層を形成したガスバリア
性フィルムに関する。
としては、下記a〜d成分からなり、重量比でa/(b
+c)=9/1〜1/99としたもの(特開平9−25
5910号公報)、 a:ポリビニルアルコール。 b:エポキシ基を有するアルコキシシランの(部分)加
水分解物、その(部分)縮合物、これらの混合物。 c:アミノ基及び/又はイミノ基を有するアルコキシシ
ランの(部分)加水分解物、(部分)縮合物、これらの
混合物。 d:溶剤としての水。
(b+c)=99/1〜1/99としたもの(特開平9
−291251号公報)が知られている。 a:エチレン−ビニルアルコール共重合体。 b:エポキシ基を有するアルコキシシランの(部分)加
水分解物、その(部分)縮合物、これらの混合物。 c:アミノ基及び/又はイミノ基を有するアルコキシシ
ランの(部分)加水分解物、(部分)縮合物、これらの
混合物。 d:溶剤としての水。
ルを使用する前者の組成物の場合には、a成分に対し、
b成分とc成分の合計を10重量%以上と比較的多量に
使用するため、ガスバリア性が不十分であるという問題
があった。また、a成分としてエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体を使用する後者の組成物の場合には、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体自身のガスバリア性が
充分でないめ、該組成物により得られる塗膜は、やはり
ガスバリア性が不十分であるという問題があった。
ルムへの使用を主目的とするため、基材として使用され
るのは、包装材料として一般的ではないポリカーボネー
トであり、包装材料として一般的に用いられるPET等
のポリエステル、PP等のポリオレフィンを基材とした
場合の基材との密着性については明らかにされていな
い。
は、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、易接着
層とポリビニルアルコール樹脂層が順次積層されてなる
ガスバリアフィルムが開示されており、該ポリビニルア
ルコール樹脂層にアミノ基含有シランカップリング剤を
含ませることが記載されている。
ビニルアルコール樹脂層の間に易接着層(アンカー層)
を設ける必要があるため、工程が繁雑となり、コスト的
に問題があるばかりか、アンカー層を設けない場合に
は、基材とポリビニルアルコール樹脂層との密着性が十
分ではないという問題もあった。
問題点に鑑みてなされたもので、ポリビニルアルコール
本来の透明性と高いガスバリア性を維持し、しかも基材
がポリプロピレン等のポリオレフィンである場合でも、
アンカー層を必要とせずに密着性がよい高いガスバリア
性を有する塗膜を形成できるようにすることを目的とす
る。
記A,B,C,D成分からなり、A成分、B成分とC成
分の重量比(A/(B+C))が100/1〜100/
10であることを特徴とするガスバリア性コーティング
組成物を提供するものである。
ミノ基を有するアルコキシシラン。
R3は炭素数1〜4のアルキル基、Xは水素原子または
アミノアルキル基であり、nは1または0である。) C:下記一般式(2)で示されるエポキシ基を有するア
ルコキシシラン。
R6は炭素数1〜4のアルキル基、Yはグリシドキシ基
またはエポキシシクロヘキシシル基であり、mは1また
は0である。) D:水、又は低級アルコールを添加した水。
アルコールを含むことと、変性ポリビニルアルコールが
分子にシリル基を有するポリビニルアルコールであるこ
と、このシリル基の含有量が0.01〜5モル%である
こと、また、変性ポリビニルアルコールがカルボキシル
基変性ポリビニルアルコールであることをその好ましい
態様として含むものである。また、上記本発明における
B成分が、アミノ基及び/又はイミノ基を有するアルコ
キシシランと、その(部分)加水分解物及び/又は(部
分)縮合物との混合物であってもよい。更に、C成分
が、エポキシ基を有するアルコキシシランと、その(部
分)加水分解物及び/又は(部分)縮合物との混合物で
あってもよい。
性コーティング組成物の塗膜を有することを特徴とする
ガスバリア性フィルムを提供するもので、ガスバリア性
コーティング組成物の塗膜がポリオレフィンの基材上に
設けられていることをその好ましい態様として含むもの
である。
グ組成物は、基本的には下記A,B,C,D成分からな
る。
ミノ基を有するアルコキシシラン。
R3は炭素数1〜4のアルキル基、Xは水素原子または
アミノアルキル基であり、nは1または0である。) C:下記一般式(2)で示されるエポキシ基を有するア
ルコキシシラン。
R6は炭素数1〜4のアルキル基、Yはグリシドキシ基
またはエポキシシクロヘキシシル基であり、mは1また
は0である。) D:水、又は低級アルコールを添加した水。
ビニルアルコールを用いることができる。A成分として
用いるポリビニルアルコールは、従来のガスバリア性コ
ーティング組成物で用いられるポリビニルアルコールと
同様に、重合度が100〜5000、ケン化度70%以
上のものが好ましい。重合度が低過ぎると基材に対する
密着性が低下しやすく、重合度が高過ぎると粘度が高く
なり過ぎて塗工性が悪くなりやすい。また、ケン化度が
低過ぎるとガスバリア性が不十分となりやすい。
使用してもよく、変性ポリビニルアルコールとしては、
例えば、カルボキシル基、シリル基、スルホン酸基、ア
ミノ基、リン酸基、イソシアネート基、オキサゾリン
基、メチロール基、ニトリル基、アセトアセチル基、カ
チオン基等による変性ポリビニルアルコール、例えば、
アクリル、ウレタン、ポリエステル、エポキシ、ポリエ
チレン、ポリプロピレンなどで変性したブロック共重合
体やグラフト共重合体等が挙げられ、これらの変性ポリ
ビニルアルコール、未変性ポリビニルアルコールを1種
または2種以上混合して使用することができる。また、
変性ポリビニルアルコールと未変性ポリビニルアルコー
ルを混合して用いるときは、A成分の総量のうち、変性
ポリビニルアルコールを10重量%以上混合することが
好ましく、20重量%以上がより好ましい。但し、エチ
レン含有量が比較的高い(25〜40mol%程度)、
エチレン−ビニルアルコール共重合体は、ガスバリア性
が低下するため混合しない方が好ましい。
ルコールとしては、基材上に乾燥硬化した塗膜を形成す
る際の乾燥条件を緩やかにした場合にも、高湿度下での
保存による基材との密着性の低下を生じにくいことか
ら、分子にシリル基を有するポリビニルアルコール、カ
ルボキシル基変性ポリビニルアルコール、疎水性ポリビ
ニルアルコールが好ましい。
リビニルアルコールの分子鎖の中間部又は末端にシリル
基を有することをいい、シリル基が加水分解性でない結
合によってポリビニルアルコールと結合していれば、そ
の位置及び分布状態に特に制限はない。また、このシリ
ル基とは、下記(3)式で表される反応性のシリル基を
いう。但し、下記(3)式におけるR7は水素、炭素数
1〜10のアルキル基、アルカリ金属又はアルカリ土類
金属、R8は炭素数1〜10のアルキル基、lは1〜3
の整数である。
ルコールにおけるシリル基の含有量は、0.01〜5モ
ル%であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜
1.0モル%で、最適には0.1〜0.6モル%であ
る。シリル基の含有量が5モル%を超えると、得られる
ガスバリア性コーティング組成物の粘度が高くなり、ゲ
ル化しやすくなり、逆にシリル基の含有量が0.01モ
ル%未満では、基材上へ乾燥硬化した塗膜を形成する際
の乾燥条件を緩和した場合に、高湿度下で保存すると基
材との密着性の低下を生じやすくなる。
コールとは、分子内にカルボキシル基を有するものをい
い、例えば、酢酸ビニル、蟻酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、バーサチック酸ビニル、ピパリン酸ビニルなどの
ビニルエステル系単量体を、例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、
(無水)イタコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸
と共重合した後、けん化したランダム共重合体を好適に
用いることができる。
ル%であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜1
0モル%、最適には0.5〜5モル%である。
末端疎水性ポリビニルアルコールまたは疎水基変性ポリ
ビニルアルコールといわれているものであり、前者とし
てはクラレ(株)製「MP103」を好適に使用でき、
後者のものとしては電気化学工業(株)製「EP−13
0」を好適に使用できる。
般式(1)で示されるアミノ基及び/又はイミノ基を有
するアルコキシシランとしては、例えばアミノメチルト
リエトキシシラン、2−アミノエチルトリメトキシシラ
ン、2−アミノエチルトリエトキシシラン、2−アミノ
エチルトリプロポキシシラン、2−アミノエチルトリブ
トキシシラン、1−アミノエチルトリメトキシシラン、
1−アミノエチルトリエトキシシラン、3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエト
キシシラン、3−アミノプロピルトリプロポキシシラ
ン、3−アミノプロピルトリブトキシシラン、2−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルト
リエトキシシラン、2−アミノプロピルトリプロポキシ
シラン、2−アミノプロピルトリブトキシシラン、1−
アミノプロピルトリメトキシシラン、1−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、1−アミノプロピルトリプロポ
キシシラン、1−アミノプロピルトリブトキシシラン、
N−アミノメチルアミノメチルトリメトキシシラン、N
−アミノメチルアミノメチルトリプロポキシシラン、N
−アミノメチル−2−アミノエチルトリメトキシシラ
ン、N−アミノメチル−2−アミノエチルトリエトキシ
シラン、N−アミノメチル−2−アミノエチルトリプロ
ポキシシラン、N−アミノメチル−3−アミノプロピル
トリメトキシシラン、N−アミノメチル−3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N−アミノメチル−3−ア
ミノプロピルトリプロポキシシラン、N−アミノメチル
−2−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミノ
メチル−2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
アミノメチル−2−アミノプロピルトリプロポキシシラ
ン、N−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチ
ル)−2−アミノエチルトリメトキシシラン、N−(2
−アミノエチル)−2−アミノエチルトリエトキシシラ
ン、N−(2−アミノエチル)−2−アミノエチルトリ
プロポキシシラン、N−(2−アミノエチル)−1−ア
ミノエチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチ
ル)−1−アミノエチルトリエトキシシラン、N−(2
−アミノエチル)−1−アミノエチルトリプロポキシシ
ラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル
トリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−
アミノプロピルトリプロポキシシラン、N−(3−アミ
ノプロピル)−2−アミノエチルトリメトキシシラン、
N−(3−アミノプロピル)−2−アミノエチルトリエ
トキシシラン、N−(3−アミノプロピル)−2−アミ
ノエチルトリプロポキシシラン、N−メチル−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメ
チルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエ
トキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、3−ジエチレントリ
アミンプロピルトリエトキシシラン、3−〔2−(2−
アミノエチルアミノエチルアミノ)プロピル〕トリメト
キシシラン、トリメトキシシリルプロピルジエチレント
リアミンなどを挙げることができる。
び/又はイミノ基を有するアルコキシシランの1種又は
2種以上を用いることができる。B成分として特に好ま
しいのはγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ランである。
般式(2)で示されるエポキシ基を有するアルコキシシ
ランとしては、例えばグリシドキシメチルトリメトキシ
シラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、グリ
シドキシメチルトリプロポキシシラン、グリシドキシメ
チルトリブトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリ
メトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシ
シラン、2−グリシドキシエチルトリプロポキシシラ
ン、2−グリシドキシエチルトリブトキシシラン、1−
グリシドキシエチルトリメトキシシラン、1−グリシド
キシエチルトリエトキシシラン、1−グリシドキシエチ
ルトリプロポキシシラン、1−グリシドキシエチルトリ
ブトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、
3−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、2−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−グリシド
キシプロピルトリエトキシシラン、2−グリシドキシプ
ロピルトリプロポキシシラン、2−グリシドキシプロピ
ルトリブトキシシラン、1−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、1−グリシドキシプロピルトリエトキ
シシラン、1−グリシドキシプロピルトリプロポキシシ
ラン、1−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキ
シシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル
トリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)メチルトリプロポキシシラン、(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)メチルトリブトキシシラン、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、2−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラ
ン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル
トリメトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)プロピルトリエトキシシラン、3−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)プロピルトリプロポキシシラ
ン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル
トリブトキシシラン、4−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)ブチルトリメトキシシラン、4−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、4
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリプロ
ポキシシラン、4−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)ブチルトリブトキシシラン、ジエトキシ−3−グリ
シドキシプロピルメチルシラン等が挙げられる。
を有するアルコキシシランの1種又は2種以上を用いる
ことができる。C成分として特に好ましいのは、3−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
である。
にこれに低級アルコールを添加して用いることができ、
これにより、塗膜乾燥時のピンホールの発生を防止しや
すくなる。水に添加する低級アルコールとしては、例え
ばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピル
アルコールなどを挙げることができる。低級アルコール
と水を混合する場合の配合比率は、重量比(低級アルコ
ール/水)で10/90〜30/70であることが好ま
しい。低級アルコールの添加量が少な過ぎると塗膜の乾
燥時にピンホールが発生しやすくなり、逆に低級アルコ
ールの添加量が多過ぎると塗工性が悪くなりやすくな
る。
について説明する。
となる成分で、B成分とC成分は得られる塗膜と基材と
の密着性を向上させる成分である。このA成分、B成分
とC成分の配合比率は、重量比(A/(B+C))で1
00/1〜100/10であり、好ましくは100/5
〜100/9である。A成分の配合量が多くなり過ぎる
と(B成分、C成分の配合量が少なくなり過ぎると)、
特に基材がポリオレフィンである場合、塗膜と基材との
密着性が低下する。逆にA成分の配合量が少なくなり過
ぎると(B成分、C成分の配合量が多くなり過ぎる
と)、得られる塗膜のガスバリア性が不十分となる。
ないが、(アミノ基とイミノ基の総和)/(エポキシ
基)がモル当量換算で1/2から4/1のときに密着
性、耐水性等の性能に優れる塗膜が得られ、好ましい。
B成分またはC成分のどちらかの成分が他方に対して過
剰になり、上記範囲からはずれるに伴い塗膜の性能が低
下する傾向にある。
適宜選択すれば足るが、得られるガスバリア性コーティ
ング組成物の固形分が1〜20重量%となるようにする
のが好ましく、この範囲で塗工方法等に合わせて適宜選
択することができる。D成分の配合量が多過ぎると必要
な厚みの塗膜が得にくくなり、逆にD成分の配合量が少
な過ぎると塗工性が悪くなりやすい。
水を用いていることから、前記B成分であるアミノ基及
び/又はイミノ基を有するアルコキシシランの一部がゆ
っくりと加水分解してその(部分)加水分解物へと変化
する場合があり、この加水分解物が更に(部分)縮合物
へと変化する場合もある。また、前記C成分である、エ
ポキシ基を有するアルコキシシランも、同様に一部が
(部分)加水分解物へと変化する場合があり、この加水
分解物が更に(部分)縮合物へと変化する場合がある。
このような変化を生じた場合においても本発明の効果は
同様に得ることができる。
基及び/又はイミノ基を有するアルコキシシランと、そ
の(部分)加水分解物及び/又は(部分)縮合物との混
合物であってもよい。また、本発明におけるC成分も、
B成分が上記(部分)加水分解物及び/又は(部分)縮
合物を含んでいるか否かに拘わらず、エポキシ基を有す
るアルコキシシランと、その(部分)加水分解物及び/
又は(部分)縮合物との混合物であってもよい。
成物は、基本的には上述のA〜D成分からなるものであ
るが、A〜D成分の合計量100重量部に対して10重
量部以下の範囲で、本発明の効果を損わない範囲で塗布
性を向上させるために、増粘剤、消泡剤、硬化触媒、濡
れ性改良剤、可塑剤等を添加して用いることができる。
コールである場合には、基材への濡れ性を向上させるた
めに、カルボン酸等の酸触媒を添加し、組成物を弱酸性
とすることが好ましい。カルボン酸としては、例えば蟻
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等が挙げられるが、その
酸性度、揮発性からみて酢酸が好ましい。酸触媒の添加
量はA成分100重量部に対して0.1〜10重量部が
好ましく、より好ましくは1〜5重量部である。
成物は、基材に塗布され、ガスバリア性の塗膜を形成す
るものである。
スプレーコート、フローコート、ロールコート、バーコ
ート、スピンコート、グラビアコートなど、従来行われ
ている手法で行うことができる。塗膜の厚みは、塗工作
業を繁雑にすることなく、また基材との密着強度を実用
レベルに保ちながら良好なガスバリア性が得られるよう
にする上で、0.2〜7μm、望ましくは0.3〜1.
5μmであることが好ましい。
ビニルアルコールをA成分として用いた本発明のガスバ
リア性コーティング組成物においては、雰囲気温度が6
0℃を超える加熱雰囲気下で行うことが好ましい。この
乾燥硬化時の雰囲気温度が低すぎると、得られるガスバ
リア性フィルムを特に高湿度下で保存した場合に、基材
と塗膜の密着力が低下しやすくなる。上記乾燥硬化時の
雰囲気温度の上限は、基材の耐熱性にもよるが、一般的
には120℃程度である。
子にシリル基を有するポリビニルアルコール、カルボキ
シル基変性ポリビニルアルコール、疎水性ポリビニルア
ルコールをA成分として用いた本発明のガスバリア性コ
ーティング組成物においては、50℃以上の加熱雰囲気
下で乾燥硬化させれば、上記高湿度下での保存による基
材と塗膜の密着力の低下を生じにくい。従って、変性ポ
リビニルアルコール、特に分子にシリル基を有するポリ
ビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアル
コール、疎水性ポリビニルアルコールをA成分として用
いた本発明のガスバリア性コーティング組成物では、塗
布後の塗膜の乾燥硬化を、50℃以上の加熱雰囲気下で
行えば足り、加熱乾燥条件を緩やかにできる利点があ
る。この時の雰囲気温度の上限は上記と同様に120℃
程度である。
ポリオレフィン、ポリエステルなどの合成樹脂が好まし
く、基材上に本発明のガスバリア性コーティング組成物
による塗膜を形成したフィルム又はシートや、この塗膜
付フィルムやシートにヒートシール層やその他の層を更
に積層したフィルム又はシートは、ガスバリア性の包装
用に好適に用いることができる。特に本発明に係るガス
バリア性コーティング組成物は、包装用途に多用されて
いるポリオレフィン、特にポリプロピレンの基材上に密
着性よく塗膜を形成することができ、ガスバリア性包装
用途に適したフィルム又はシートが得やすい利点があ
る。
する。
「ポバール105」)と、S−PVA(A2成分:分子
にシリル基を有するポリビニルアルコール:クラレ社製
「R−2105」)と、C−PVA(A3成分:カルボ
キシル基変性PVA:クラレ社製「KM−118」)
と、疎水性PVA(A4成分:クラレ社製「MP10
3」)と、APTMS(B成分:γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン)と、EPTMS(C成分:グリシド
キシメチルトリメトキシシラン)と、IPAとH2O
(D成分:イソプロピルアルコールと水)を用い、表1
〜表2に示される配合比率でガスバリア性コーティング
樹脂組成物の調製を行った。
又は疎水性PVAをIPA/H2O=20/80(重量
比)の溶媒に溶解して5重量%溶液とし、このPVA溶
液100gに、酢酸を表1〜表2の配合割合で添加し、
APTMSを表1〜表2の配合割合で混合して撹拌し
た。更にこの混合物にEPTMSを表1〜表2に示され
る割合で加え、更に1時間撹拌してガスバリア性コーテ
ィング組成物を調製した。
を厚み20μmのOPP(延伸ポリプロピレン)フィル
ムの基材上に約1μmの厚みでバーコートし、80℃の
雰囲気下で15秒間保持して塗膜を乾燥硬化させた。得
られた塗膜付基材を用いて以下の評価を行った。
た。ハジキが発生していない場合を○、ハジキが発生し
た場合を×とした。
評価した。両者の透明度にほとんど差が認められなかっ
た場合を○、塗膜付基材の方がやや透明性が劣っている
場合を△とした。
定装置(MOCON社製「OX−TRANTWIN」)
を用いて測定した。
間隔で切れ目を入れ、100個の碁盤目を形成し、その
上にセロファンテープ(ニチバン(株)製商品名セロテ
ープ)を貼り付けた後、表面から90度の方向に一気に
引っ張り剥離し、塗膜の接着性を評価した。塗膜が剥離
しなかったものを○とし、塗膜が剥離したものを×とし
た。
を用いたドライラミネートにより厚み25μmのCPP
(未延伸ポリプロピレン)フィルムを貼り合わせ、40
℃で48時間エージングした後、15mm幅に切断し、
CPPフィルムと塗膜付基材のT形剥離により剥離強度
を求めた。剥離強度が490mN/15mm以下のもの
を×とし、基材が破断してしまったもの及び剥離強度が
1960mN/15mm以上となったものを○とした。
ートフィルムを温度20℃、湿度90%RHの雰囲気下
に2週間放置した後、15mm幅に切断し、CPPフィ
ルムと塗膜付基材のT形剥離により剥離強度を求めた。
剥離強度が490mN/15mm以下のものを×とし、
基材が破断してしまったもの及び剥離強度が1960m
N/15mm以上となったものを○とした。
あり、次の効果を奏するものである。
の基材に対しても、アンカー層なしで密着性よくガスバ
リア性塗膜を形成することができる。ポリプロピレンは
包装材料に多用されていることから、ガスバリア性に富
む包装材料が得やすい。
コール、特に分子にシリル基を有するポリビニルアルコ
ール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、疎水
性ポリビニルアルコールを用いた本発明のガスバリア性
コーティング組成物は、基材上に乾燥硬化した塗膜を形
成する際の乾燥条件を緩やかにした場合にも、高湿度下
での保存による基材との密着性の低下を生じにくいこと
から、耐熱性に劣る基材へのガスバリア層の形成が容易
となり、また乾燥硬化時の温度設定が容易となる。
Claims (9)
- 【請求項1】 下記A,B,C,D成分からなり、A成
分、B成分とC成分の重量比(A/(B+C))が10
0/1〜100/10であることを特徴とするガスバリ
ア性コーティング組成物。 A:ポリビニルアルコール。 B:下記一般式(1)で示されるアミノ基及び/又はイ
ミノ基を有するアルコキシシラン。 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜4のアルキレン基、R2および
R3は炭素数1〜4のアルキル基、Xは水素原子または
アミノアルキル基であり、nは1または0である。) C:下記一般式(2)で示されるエポキシ基を有するア
ルコキシシラン。 【化2】 (式中、R4は炭素数1〜4のアルキレン基、R5および
R6は炭素数1〜4のアルキル基、Yはグリシドキシ基
またはエポキシシクロヘキシシル基であり、mは1また
は0である。) D:水、又は低級アルコールを添加した水。 - 【請求項2】 A成分が、変性ポリビニルアルコールを
含むことを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性コ
ーティング組成物。 - 【請求項3】 変性ポリビニルアルコールが、分子にシ
リル基を有するポリビニルアルコールであることを特徴
とする請求項2に記載のガスバリア性コーティング組成
物。 - 【請求項4】 シリル基の含有量が0.01〜5モル%
であることを特徴とする請求項3に記載のガスバリア性
コーティング組成物。 - 【請求項5】 変性ポリビニルアルコールが、カルボキ
シル基変性ポリビニルアルコールであることを特徴とす
る請求項2に記載のガスバリア性コーティング組成物。 - 【請求項6】 B成分が、アミノ基及び/又はイミノ基
を有するアルコキシシランと、その(部分)加水分解物
及び/又は(部分)縮合物との混合物であることを特徴
とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア性コ
ーティング組成物。 - 【請求項7】 C成分が、エポキシ基を有するアルコキ
シシランと、その(部分)加水分解物及び/又は(部
分)縮合物との混合物であることを特徴とする請求項1
〜6のいずれかに記載のガスバリア性コーティング組成
物。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のガスバ
リア性コーティング組成物の塗膜を有することを特徴と
するガスバリア性フィルム。 - 【請求項9】 ガスバリア性コーティング組成物の塗膜
がポリオレフィンの基材上に設けられていることを特徴
とする請求項8に記載のガスバリア性フィルム。
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