JPH1086269A - 透明導電性積層体 - Google Patents
透明導電性積層体Info
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- JPH1086269A JPH1086269A JP8247768A JP24776896A JPH1086269A JP H1086269 A JPH1086269 A JP H1086269A JP 8247768 A JP8247768 A JP 8247768A JP 24776896 A JP24776896 A JP 24776896A JP H1086269 A JPH1086269 A JP H1086269A
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Abstract
記のような透明性、光学等方性、平面性に優れ、層間の
密着性が良好な透明導電性積層体。 【解決手段】 透明樹脂基板上に少なくともガスバリア
性の金属酸化物層、透明導電層が設けられた透明導電性
積層体において、前記透明樹脂基板の少なくとも片面上
に特定のアルコキシシランの(部分)加水分解物、その
(部分)縮合物またはこれらの混合物の硬化層、又は該
特定のアルコキシシランの(部分)加水分解物、その
(部分)縮合物またはこれらの混合物とポリビニルアル
コール系高分子との混合硬化層からなるケイ素含有層を
介して金属酸化物層を設け、透明導電層は最外層に位置
し、透明樹脂基板との間に少なくとも一層の耐溶剤性の
保護層が介在するように設けられていることを特徴とす
る透明導電性積層体。
Description
いた耐久性、耐溶剤性、ガスバリアー性に優れた透明導
電性積層体に関し、更に詳しくは、液晶ディスプレイ
(LCD)、タッチパネル、光導電性感光体、面発光
体、有機エレクトロルミネッセンス等の透明電極基板に
好適な透明導電性積層体に関するものである。
携帯情報端末等の携帯して移動できる情報機器が普及し
始め、ビジネス或いはライフスタイルの変革期を迎えよ
うとしている。
め、より一層の薄型化・軽量化、耐破損性等の取扱性の
向上が求められている。従来、LCD、タッチパネル等
の透明電極基板の透明基板としては、要求諸特性が厳し
いために、重く、厚く、割れやすいという取扱性の良く
ないガラス基板が用いられて来たが、取扱性に対する要
望が強く、これに代わる材料として、透明樹脂基板が提
案されている。
される耐久性、耐溶剤性、ガスバリアー性等の基本特性
がガラス基板より劣っている。例えば、透明樹脂基板
を、LCD用の透明電極基板として利用しようとした場
合、金属酸化物層を設けることにより、ガスバリアー性
は付与される。しかし、透明電極パターニング後のレジ
スト剥離工程でのアルカリ水溶液にさらされることによ
る金属酸化物層の溶解の問題や、液晶配向膜形成過程で
の液晶配向膜の前駆材料をN−メチルピロリドン等の溶
剤に溶解した塗工液をコーティングする際における上記
溶剤による透明樹脂基板の白化、膨潤等の損傷の問題が
あった。
で、耐溶剤性、ガスバリアー性を持つ材からなる層を透
明樹脂基板上に積層した積層体の提案がなされている。
例えば、特公平5−52002号公報や特公平5−52
003号公報には、透明樹脂基板の高分子フィルム上に
アンダーコート層のウレタン系樹脂層を介してポリビニ
ルアルコール系樹脂層を設けてその接着性を改善し、さ
らにその上に金属酸化物層を設けてガスバリアー性を改
善した透明積層フィルムに透明導電層を積層した透明積
層導電フィルムが開示されている。しかし、これらは、
耐アルカリ性、耐酸性が不十分である。
開平5−309794号公報等には、透明樹脂基板の高
分子フィルムにアンカーコート層、そしてガスバリア層
としてエチレン−ビニルアルコール共重合体層、更に耐
溶剤層として硬化性樹脂層を順次両面に積層した透明積
層基板が記載されている。しかし、これらは、耐溶剤性
は満足するものの、ガスバリアー材の特性から高湿度で
のガスバリアー性の低下の問題がある。更に、6層もの
コーティングはコストが割高となる。
いては、上記耐溶剤性、ガスバリアー性に対する要求の
ほか、光学特性等に関し、下記のような要求または問題
がある。基板の透明性が低い場合や複屈折がある場合、
表示の着色・コントラストの低下等の問題が生じる。ま
た、平面性が低い場合、液晶層のギャップが均一でなく
なる上、液晶配向にもムラが生じたり、基板自体も光学
的なムラが発生するために、表示色にムラが生じる。
れた時に、容易にこれらの平面性、透明性、ガスバリア
ー性が悪化してしまうのでは、ペイジャー、携帯電話、
電子手帳、ペン入力機器などの外的影響が大きく作用す
る用途への適応は困難となってしまい、軽薄、形状の自
由、曲面表示という透明樹脂基板の特長を生かした用途
での実用性が低下する。特に機械的影響に対して、この
様な特性を維持するためには、特性発現のために積層さ
れた各層間の良好な密着性が要求される。
を解決しようとするものであり、耐溶剤性、ガスバリア
ー性に優れ、しかも上記のような透明性、光学等方性、
平面性に優れ、層間の密着性が良好な透明導電性積層体
を提供することを目的とし、さらに、積層数を少なく
し、製造コストを抑えることを目的とする。
発明によって達成される。すなわち、本発明は、透明樹
脂基板上に少なくともガスバリア性の金属酸化物層、透
明導電層が設けられた透明導電性積層体において、前記
透明樹脂基板の少なくとも片面上に下記一般式(1)で
示されるアルコキシシランの(部分)加水分解物、その
(部分)縮合物またはこれらの混合物の硬化層、又は下
記一般式(1)で示されるアルコキシシランの(部分)
加水分解物、その(部分)縮合物またはこれらの混合物
とポリビニルアルコール系高分子との混合硬化層からな
るケイ素含有層を介して金属酸化物層を設け、透明導電
層は最外層に位置し、透明樹脂基板との間に少なくとも
一層の耐溶剤性の保護層が介在するように設けられてい
ることを特徴とする透明導電性積層体である。
又はメタクリロキシ基、アミノ基、イミノ基、エポキシ
基およびメルカプト基からなる群から選ばれる1以上の
基を有する有機基であり、R2は炭素数1〜4のアルキ
ル基であり、nは0〜2の整数である。
たものである。すなわち、前記のケイ素含有層特にその
アルコキシシランにエポキシ基を有するアルコキシシラ
ンとアミノ基又は/及びイミノ基を有するアルコキシシ
ランを併用したものでは、耐溶剤性が十分でこの上に金
属酸化物層を積層した場合ガスバリア性が格段に改善さ
れ且つその層間の接着性も十分で、さらに透明樹脂基板
との接着性も十分であることを見出し、なされたもので
ある。本発明のケイ素含有層は耐溶剤性を有すると共に
金属酸化物層と積層することにより優れたガスバリア性
を示すので、少ない層数で目的の透明積層体を得ること
ができ、実用面から重要な生産性面、コスト面等でも大
きな効果が得られる。
本発明の透明樹脂基板を構成する材料としては、透明
性、耐熱性が良い透明樹脂であれば特に限定しない。本
発明の透明導電性積層体をLCDの透明電極基板として
用いる場合やLCDの透明電極基板と偏光板との間に設
置されたタッチパネルの透明電極基板として用いる場合
には、透明樹脂基板は、波長590nmにおける複屈折
の屈折率の差△nと膜厚dとの積△n・dで表されるリ
ターデーション値が30nm以下、かつ、遅相軸のバラ
ツキが±30度以内の光学等方性を有するもの、さらに
好ましくはリターデーションが20nm以下、かつ、遅
相軸のバラツキが±15度以内の高度の光学等方性を有
するものがよい。
ステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレー
ト系樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ
アリルスルホン等のポリスルホン系樹脂、ポリオレフィ
ン系樹脂、セルローストリアセテート等のアセテート系
樹脂、各種熱硬化樹脂等のフィルム又はシートが好まし
い。なかでも、上記透明性、及び光学異方性が少ないと
いう光学特性の観点から、ポリカーボネート樹脂を主成
分とする透明樹脂基板がより好ましい。
記一般式(1)で示されるアルコキシシランの(部分)
加水分解物、その(部分)縮合物またはこれらの混合物
の硬化層、又は下記一般式(1)で示されるアルコキシ
シランの(部分)加水分解物、その(部分)縮合物また
はこれらの混合物とポリビニルアルコール系高分子との
混合硬化層である。
又はメタクリロキシ基、アミノ基、イミノ基、エポキシ
基およびメルカプト基からなる群から選ばれる1以上の
基を有する有機基であり、R2は炭素数1〜4のアルキ
ル基であり、nは0〜2の整数である。
ランの(部分)加水分解物、その部分縮合物またはこれ
らの混合物を溶剤に溶解しているコーティング用組成
物、又は前記のアルコキシシランの(部分)加水分解
物、その部分縮合物またはこれらの混合物とポリビニル
アルコール系高分子とをポリビニルアルコール系高分子
可溶性溶剤を含有する溶剤に溶解しているコーティング
用組成物を透明樹脂基板上に定法により塗工して得られ
る。
前述の通り、下記の一般式で示されるアルコキシシラン
が適用される。
基、又はメタクリロキシ基、メルカプト基、エポキシ
基、アミノ基、イミノ基の群から選ばれる1以上の基を
有する有機基であり、R2は炭素数1〜4のアルキル基
であり、nは0〜2の整数である。なお、この有機基
は、環式構造を含むことができる炭素数1〜10の脂肪
族炭化水素基であり、該脂肪族炭化水素基はその炭素原
子の一部が酸素原子又は窒素原子等のヘテロ原子に置換
されていても良い。
ラ、トリ又はジアルコキシシランが好ましい。かかるア
ルコキシシランとして、以下のものが例示できる。例え
ば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トライソプロピロキシシラン、テトラブトキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ビニ
ルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルトリメ
トキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラ
ン、グリシドキシメチルトリプロポキシシラン、グリシ
ドキシメチルトリブトキシシラン、2−グリシドキシエ
チルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリ
エトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリプロポキ
シシラン、2−グリシドキシエチルトリブトキシシラ
ン、N−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、N−
グリシドキシエチルトリエトキシシラン、N−グリシド
キシエチルトリプロポキシシラン、N−グリシドキシエ
チルトリブトキシシラン、3−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエト
キシシラン、3−グリシドキシプロピルトリプロポキシ
シラン、3−グリシドキシプロピルトリブトキシシラ
ン、2−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−グリ
シドキシプロピルトリプロポキシシラン、2−グリシド
キシプロピルトリブトキシシラン、N−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、N−グリシドキシプロピル
トリエトキシシラン、N−グリシドキシプロピルトリプ
ロポキシシラン、N−グリシドキシプロピルトリブトキ
シシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル
トリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)メチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)メチルトリプロポキシシラン、(3,4
−エポキシシクロヘキシル)メチルトリブトキシシラ
ン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリプロポキシシラン、(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメト
キシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロ
ピルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)プロピルトリプロポキシシラン、(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)プロピルトリブトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキ
シシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチル
トリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)ブチルトリプロポキシシラン、(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)ブチルトリブトキシシラン、アミノメ
チルトリエトキシシラン、2−アミノエチルトリメトキ
シシラン、2−アミノエチルトリエトキシシラン、2−
アミノエチルトリプロポキシシラン、2−アミノエチル
トリブトキシシラン、N−アミノエチルトリメトキシシ
ラン、N−アミノエチルトリエトキシシラン、3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、3−アミノプロピルトリプロポキシ
シラン、3−アミノプロピルトリブトキシシラン、2−
アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリプロポ
キシシラン、2−アミノプロピルトリブトキシシラン、
N−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N−アミノプロピルトリプ
ロポキシシラン、N−アミノプロピルトリブトキシシラ
ン、N−アミノメチルアミノエチルトリメトキシシラ
ン、N−アミノメチルアミノメチルトリプロポキシシラ
ン、N−アミノメチル−2−アミノエチルトリメトキシ
シラン、N−アミノメチル−2−アミノエチルトリエト
キシシラン、N−アミノメチル−2−アミノエチルトリ
プロポキシシラン、N−アミノメチル−3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−アミノメチル−3−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N−アミノメチル−3
−アミノプロピルトリプロポキシシラン、N−アミノメ
チル−2−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ア
ミノメチル−2−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−アミノメチル−2−アミノプロピルトリプロポキシ
シラン、N−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノ
エチル)−2−アミノエチルトリメトキシシラン、N−
(2−アミノエチル)−2−アミノエチルトリエトキシ
シラン、N−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル
トリプロポキシシラン、N−(2−アミノエチル)−N
−アミノエチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノ
エチル)−N−アミノエチルトリエトキシシラン、N−
(2−アミノエチル)−N−アミノエチルトリプロポキ
シシラン、N−(2−アミノエチル)−2−アミノエチ
ルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−2
−アミノエチルトリエトキシシラン、N−(2−アミノ
エチル)−2−アミノエチルトリプロポキシシラン、N
−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメト
キシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)
−3−アミノプロピルルトリプロポキシシラン、N−
(3−アミノエチル)−2−アミノエチルトリメトキシ
シラン、N−(3−アミノエチル)−2−アミノエチル
トリエトキシシラン、N−(3−アミノエチル)−2−
アミノエチルトリプロポキシシラン、N−メチルアミノ
プロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチ
ルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ジエチレ
ントリアミンプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ
る。これらの化合物は、単独で又は2種以上を併せて用
いることができる。
溶剤性の点でテトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン等のテトラアルコキシシランが好ましい。
基板との密着性がさらに改善されるという点で、アルコ
キシシランとしてエポキシ基を有するアルコキシシラン
とアミノ基及び/またはイミノ基を有するアルコキシシ
ランとを併用することがより好ましい。ここで、特に好
ましいエポキシ基を有するアルコキシシランは、3−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が
挙げられる。また、特に好ましいアミノ基及び/または
イミノ基を有するアルコキシシランは3−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラ
ン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
これらの化合物は単独で又は2種以上を併せて用いるこ
とができる。
分)加水分解物及びその(部分)縮合物は、上述のアル
コキシシランの一部または全部が加水分解したもの、該
加水分解物の一部又は全部が縮合反応した縮合物、及び
該縮合物と加水分解していない原料のアルコキシシラン
とが縮合したものであり、これらはいわゆるゾルゲル反
応させることにより得られるものである。
ままコーティング液の成分として添加することもできる
し、あらかじめ加水分解を行ってアルコキシシランの
(部分)加水分解物及びその(部分)縮合物としてこれ
らを添加して使用することも可能である。
えば塩酸等の無機酸、酢酸等の有機酸またはカセイソー
ダのようなアルカリによって、更には水のみを用いて加
水分解する等各種の方法を利用することができる。ま
た、加水分解を均一に行う目的でアルコキシシランと該
アルコキシシラン可溶性溶剤を混合した後、加水分解を
行うことも可能である。目的に応じて、加水分解に際し
ては冷却または加熱することも可能である。また、加水
分解後、反応で生成したアルコール等を加熱及び/また
は減圧下に適当量除去して使用することも可能である
し、その後に適当な溶媒を添加することも可能である。
とも可能である。硬化触媒としては例えば、アルミニウ
ムアセチルアセトナート、アルミニウムエチルアセトア
セテートビスアセチルアセトナート、アルミニウムビス
アセトアセテートアセチルアセトナート、アルミニウム
ジ−n−ブトキシドモノエチルアセトアセテート、アル
ミニウムジ−i−プロポキシドモノメチルアセトアセテ
ート等のアルミニウムキレート化合物、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウム、ギ酸カリウム等のカルボン酸のアル
カリ金属塩、ジメチルアミンアセテート、エタノールア
セトエート、ジメチルアニリンホルメート等のアミンカ
ルボキシレート、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウ
ム、酢酸テトラメチルアンモニウム、酢酸ベンジルトリ
メチルアンモニウムのような第四級アンモニウム塩、オ
クタン酸スズのような金属カルボン酸塩、及びトリエチ
ルアミン、トリエタノールアミン、ピリジンのようなア
ミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウ
ンデセンが挙げられる。これらの化合物は単独で又は2
種以上を併せて用いることができる。
ビニルアルコール系高分子には、公知の市販のものが適
用でき、具体的にはビニルアルコール成分、ビニルアル
コール共重合体成分よりなる群から選ばれた少なくとも
1種を50モル%以上含有する高分子樹脂が適用され
る。なお、このビニルアルコール共重合体としては、ビ
ニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ビニルアルコー
ルービニルブチラール共重合体、エチレン−ビニルアル
コール共重合体、あるいは分子内にシリル基を有するポ
リビニルアルコール等が挙げられる。
ルアルコール系高分子の重合度、ケン化度に特に制限は
ないが、重合度が低すぎると、コーティング膜がもろく
なり、逆に高すぎると粘度が高くなり過ぎて、塗工性が
悪化する傾向があり、通常は平均重合度100〜500
0のものが用いられる。一方、ケン化度は、低すぎると
十分なガスバリアー性が得られない点から、本発明の主
用途である高度のガスバリア性が要求される液晶等の用
途ではケン化度70%以上の高ケン化度のものが好まし
い。
にシリル基を有するポリビニルアルコール系高分子が好
ましく、更に好ましくはエチレン−ビニルアルコール共
重合体である。
ニルアルコール系高分子とは、下式(2)で表される反
応性のシリル基を有するものである。
基、アシル基、またはアルカリ金属、アルカリ土類金属
を表し、R12は炭素数1〜10のアルキル基を表し、r
は1〜3の整数を表す。
下、より好ましくは1モル%以下が好ましい。シリル基
の含量が多くなると、コーティング用組成物が増粘、ゲ
ル化しやすい傾向があり、この点から上記含量が好まし
い。
含有するポリビニルアルコール系高分子に関し、分子内
とは重合体の末端をも含むものであり、シリル基が加水
分解性でない結合によってポリビニルアルコール系高分
子と結合していれば、その位置、分布状態等に特に制限
はない。
ルコール共重合体は、そのエチレン共重合比が50モル
%以下であるものが特に好適である。エチレンの共重合
比が50モル%を越えると硬化させたときに、ガスバリ
アー性が低下し、前述の液晶用途のような高度のガスバ
リア性が必要な場合には十分な性能が得られない。
述のアルコキシシランの(部分)加水分解物、(部分)
縮合物叉はこれらの混合物を溶媒に溶かしたコーティン
グ用組成物、あるいは上述のアルコキシシランの(部
分)加水分解物、(部分)縮合物叉はこれらの混合物と
上述のポリビニルアルコール系高分子とを溶剤に溶かし
たコーティング用組成物の塗布により形成される。
ィング用組成物の溶剤としては、アルコキシシランの
(部分)加水分解物、(部分)縮合物叉はこれらの混合
物を溶解するものであればよく、以下のものが例示でき
る。アルコール類、エーテル類、芳香族炭化水素,エス
テル類,ケトン類化合物等が挙げられる。具体的には、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタ
ノール、2−ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセ
ロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エ
チレングリコール、酢酸メチル、酢酸エチル、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、キシレン、
N,N−ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、
ジクロロエタン、トルエンなどが挙げられる。これらは
1種のみならず2種以上混合して用いることも可能であ
る。
混合層のコーティング用組成物は、ポリビニルアルコー
ル系高分子{以下、成分(a)という}、アルコキシシ
ランの(部分)加水分解物、(部分)縮合物叉はこれら
の混合物{以下、成分(b)という}及びこれらの溶剤
{以下、成分(c)という)の3成分からなる。
コール系高分子可溶性溶剤を含有する溶剤である。ここ
で、ポリビニルアルコール系高分子可溶性溶剤として
は、水、ジメチルイミダゾリン等が挙げられる。また、
ポリビニルアルコール系高分子としてエチレン−ビニル
アルコール共重合体を用いる場合は、この可溶性溶剤と
しては、水/プロパノールの混合溶媒が挙げられる。水
とプロパノールの混合比率は重量比で水/プロパノール
=3/7〜7/3が好ましい。なお、これらと併用可能
な溶媒として、これらのポリビニルアルコール系高分子
可溶性溶剤と均一に混合し、さらに成分(a)及び成分
(b)が均一に溶解可能であれば使用でき、アルコール
系、セロソルブ系、ケトン系、アミド系等が挙げられ
る。これらの併用可能な溶媒の中で、特にブタノール等
のアルコール系、1−メトキシ−2−プロパノール等の
セロソルブ系、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒は、
バリア層の平滑性を良好にするために好適に用いられ
る。これら併用可能な溶媒は、1種のみならず、2種以
上混合して用いることも可能である。
は各々次のような割合で用いるのが好ましい。即ち成分
(a)と成分(b)の重量比(a)/(b)が9/1〜
1/9の範囲で用いる。ここで成分(b)はR1n−Si
O(4−n)/2による重量基準である。(a)/
(b)が9/1以上では耐水性、耐薬品性に劣る傾向と
なり、逆に1/9未満ではコーティング用組成物の保存
安定性が悪化する傾向となる。(a)/(b)の、より
好ましい範囲は4/1〜1/4である。
エポキシ基を有するアルコキシシランとアミノ基及び/
又はイミノ基を有するアルコキシシランとを併用した場
合すなわち成分(b)としてエポキシ基を有するアルコ
キシシランとアミノ基及び/又はイミノ基を有するアル
コキシシランとの混合物の(部分)加水分解物、その部
分縮合物またはこれらの混合物を用いる場合は、前述の
通り、耐溶剤性及び透明樹脂基板との接着性に優れてお
り、金属酸化物層と組み合わせることにより、ガスバリ
ア性も得られ、アルコシランの単独層で使用できる。し
かし、これに、成分(a)としてシリル基含有ポリビニ
ルアルコール系高分子あるいはエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体を加えることにより、さらにその性能特に
低湿度でのガスバリア性を向上させることができる。な
お、成分(a)としてシリル基含有ポリビニルアルコー
ル系高分子を用いる場合、その重量比(a)/(b)
は、2/1以下の範囲で用いることが好ましい。また、
成分(a)としてエチレン−ビニルアルコール共重合体
を用いる場合、その重量比(a)/(b)は、9/1以
下の範囲が好ましい。
ランとアミノ基及び/又はイミノ基を有するアルコキシ
シランとの混合物の(エポキシ基)/(アミノ基とイミ
ノ基の総和)の配合比率は、得られる塗膜の性能に影響
し、得られる膜の密着性、耐熱性、耐薬品性、耐水性、
耐久性等の面から、モル当量換算で6/1〜1/6の範
囲が好ましい。(エポキシ基)と(アミノ基とイミノ
基)のどちらかの成分が他方に対して過剰になり、上記
範囲から外れるに伴い得られる膜の性能が低下する。
シ基を有するアルコキシシランの加水分解物の縮合触媒
であり、同時にエポキシ基と反応するため、エポキシ基
を有するアルコキシシランの加水分解物にアミノ基及び
/またはイミノ基を有するアルコキシシランを加えると
反応が急速におこり、コーティング用組成物がゲル化し
やすくなる。そのためアミノ基及び/又はイミノ基を有
するアルコキシシランを使用する場合は、カルボン酸を
用いて弱酸性の有機酸塩としポットライフを調整するこ
とが好ましい。ここでカルボン酸としては、例として蟻
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等が挙げられるが、その
酸性度、揮発性からみて酢酸が最も好ましい。
組成物のアミノ基およびイミノ基の総和1モルあたり
0.01〜10モル量の範囲が好ましく、更に好ましく
は0.1〜5.0モルの範囲であり、この量が少ない
と、これから調整されるコーティング用組成物のポット
ライフが短くなりゲル化しやすくなり、一方多いとコー
ティング用組成物の硬化が不十分となり、前記範囲が好
ましい。
(b)の固形分の合計量100重量部に対し、200重
量部以上、99900重量部以下の範囲が好ましく用い
られる。200重量部未満では組成物の保存安定性が悪
化し、一方99900重量部を越えると組成物自体の保
存安定性は良好となるが、組成物中の固形分が少なくな
り、コーティングして得られる塗工膜の膜厚が制限され
る。
としては、表面平滑性を改良する目的で各種界面活性剤
が使用可能であり、例としてはシリコーン系化合物、フ
ッ素系界面活性剤、有機界面活性剤などが使用できる。
さらに改質剤として、前記コーティング用組成物と相溶
性のある各種エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アミド樹
脂、コロイダルシリカ等を添加してもよい。このような
成分(a)、(b)および(c)以外の添加成分は本発
明の硬化樹脂層の特性、例えば、耐熱性、耐候性、耐水
性、耐久性、密着性、あるいは耐薬品性など、本発明の
積層フィルムが適用される用途に応じて種々の実用特性
を改良しうるものである。
コーティング用組成物をディップコート、スプレーコー
ト、フローコート、ロールコート、バーコート、スピン
コート等通常使われている塗布方法により積層すること
により形成される。層の膜厚としては0.01から10
0μmが好ましい。100μmを超えると膜の硬化に時
間がかかり経済的に好ましくない。
基板の高分子フィルムの熱変形温度以下の温度下で溶媒
を蒸発除去する。次いで50から150℃の温度で1分
間以上加熱することにより、硬化層とされる。
される基材の表面を、コロナ処理、アンカーコート処理
等の表面処理で表面改質を行い、ケイ素含有層の密着性
をさらに向上させることが可能である。
化物層としては、ケイ素、アルミニウム、マグネシウ
ム、亜鉛等の透明な絶縁金属酸化物層が挙げられ、これ
ら透明な金属酸化物層は、公知のスパッタリング法、真
空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法
等により作製される。なかでも、水蒸気バリア性、透明
性、表面平坦性、屈曲性、膜応力、コスト等の点から特
にケイ素酸化物が好ましい。
法、X線マイクロ分光法、オージェ電子分光法、ラザホ
ード後方散乱法などにより分析、決定されるが、可視光
線領域での透過率、屈曲性などの面からSiOxで表し
た平均組成において、xは1.5≦x≦2の範囲が好ま
しい。x値が1.5よりも小さければ屈曲性、透明性が
悪くなる。
法が用いられるが、その中でも金属酸化物の酸化度を自
由に変えることのできるといった膜組成制御の容易性、
長時間製膜時におけて膜組成が変化することのないとい
った安定生産性、大面積基板への膜成長における膜厚均
一性、膜表面平坦性、そして特にケイ素含有層との組み
合わせで効果的なガスバリアー性に非常に関係する膜稠
密性の点でスパッタ法が特に好ましい。
れている点でマグネトロンスパッタリング法が好ましく
用いられる。その中でも直流(DC)マグネトロンスパ
ッタリング法は、高周波(RF)マグネトロンスパッタ
リング法に比べて電源装置が小型であること、メタルタ
ーゲットを用いた反応性スパッタにより製膜速度の大幅
向上が図れることといった生産面での優位性の点から、
特に好ましく用いられる。
00nmの範囲が好ましい。金属酸化物層の厚みが2n
m未満では均一に膜を形成することは困難であり、膜が
形成されない部分が発生し、この部分からガスが浸透
し、ガスバリアー性が悪くなる。一方、200nmより
も厚くなると透明性を欠くだけでなく、屈曲性が悪く、
クラックが発生してガスバリアー性を損なう。該金属酸
化物層を前記ケイ素含有層上に接して積層することによ
り、優れたガスバリアー性と耐溶剤性が達成される。
膜、金属酸化物膜等が適用できるが、中でも、透明性、
導電性、機械的特性の点から、金属酸化物膜が好まし
い。例えば、不純物としてスズ、テルル、カドミウム、
モリブテン、タングステン、フッ素等を添加した酸化イ
ンジウム、酸化カドミウム及び酸化スズ、不純物として
アルミニウムを添加した酸化亜鉛、酸化チタン等の金属
酸化物膜が挙げられる。中でも酸化スズを2〜15重量
%含有した酸化インジウム(ITO)の薄膜が、透明
性、導電性が優れており、好ましく用いられる。透明導
電層の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング
法、イオンビームスパッタリング法、イオンプレーティ
ング法等の方法が挙げられる。
好ましい。15nm未満では、不連続な膜となり導電性
が不十分となる。一方,180nmを超えると透明性が
低下したり、耐屈曲性が悪くなる。
層されることが好ましいが、耐溶剤性を有する保護層上
に積層されていてもよい。
層と基板との接着性を十分考慮して選択する必要があ
る。この保護層としては、前記のケイ素含有層の他、以
下の放射線硬化型樹脂や熱硬化型樹脂が適用できる。
等の放射線を照射することにより硬化する樹脂であり、
例えば、分子あるいは単位構造内にアクリロイル基、メ
タクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を含む樹
脂を挙げることができる。中でも反応性の点から、アク
リロイル基を含む樹脂が好ましい。
も、数種の混合組成でも構わないが、耐溶剤性の点から
分子或いは単位構造内に2個以上のアクリロイル基を有
する多官能アクリレート成分が樹脂成分中に含まれるこ
とが好ましい。かかる多官能アクリレート成分として
は、例えばジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト、ジペンタエリスルトールヘキサアクリレート、ペン
タエリスリトールテトラアクリレート、ペタエリスリト
ールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリア
クリレート等のアクリレートモノマーやポリエステル変
成もしくはウレタン変成の多官能アクリレートオリゴマ
ーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下のように形成される。即ち、前記の放射線硬化型樹
脂の組成物に必要に応じて光開始剤、および重合禁止
剤、レベリング剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤、熱可
塑性樹脂、可塑剤等の改質剤を添加して塗工液とする。
塗工液の濃度、粘度調整のため必要に応じて適当な有機
溶剤で希釈する。該塗工液を公知の塗工法、例えば、デ
ィップコート、スプレーコート、フローコート、ロール
コート、バーコート、スピンコート等で、基板上に塗工
し、必要に応じて予備乾燥を行った後、放射線照射によ
り硬化させて硬化層とすることにより、形成される。
必須成分である。かかる開始剤としては、例えば、ジエ
トキシアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチ
ルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1,
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−
1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンジル
ジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;チオキサン
ソン、2,4−ジクロロチオキサンソン等のチオキサン
系化合物等が挙げられる。
リエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−
ジメチルアミン安息香酸エチル等の公知の光開始助剤を
適量添加することも効果的である。
は、2〜8μmが好ましく、特に2〜6μmが好まし
い。2μm未満では耐溶剤性が不十分であり、又8μm
を超えると硬化収縮に伴うカールが発生するため、共に
好ましくない。
ソシアネート架橋ウレタン樹脂等が代表的であり、なか
でも、フェノキシ樹脂、フェノキシエーテル樹脂、フェ
ノキシエステル樹脂を多官能イソシアネート化合物で硬
化させたフェノキシ樹脂硬化物、フェノキシエーテル樹
脂硬化物、フェノキシエステル樹脂硬化物が好ましい。
に限定するものではないが、3μmよりも薄い場合には
耐溶剤性が不十分である。また、膜厚の上限は製膜性と
経済性、耐溶剤性のバランスで決定される。好ましくは
20μm以下、より好ましくは10μm以下である。
のように形成される。即ち、以上の熱硬化型樹脂の組成
物に必要に応じて反応性希釈剤、微粒子、レベリング剤
等の各種添加剤、熱可塑性樹脂、可塑剤等の改質剤を添
加して塗工液とする。塗工液の濃度、粘度調整のため必
要に応じて適当な有機溶剤で希釈する。該塗工液を公知
の塗工法、例えば、ディップコート、スプレーコート、
フローコート、ロールコート、バーコート、スピンコー
ト等で、基板上に塗工し、120℃以上の温度で3分以
上、より好ましくは130℃以上の温度で5分以上の熱
処理により硬化させて硬化層とすることにより、形成さ
れる。
は、透明樹脂基板の両面に、ケイ素含有層、金属酸化
物層、透明導電層がこの順で積層された構成、透明樹
脂基板の両面に、ケイ素含有層、金属酸化物層がこの順
で積層され、該ケイ素含有層の何れか一方の面に透明導
電層が積層された構成、透明樹脂基板の一方の面に、
ケイ素含有層、金属酸化物層、透明導電層がこの順で積
層され、他方の面にケイ素含有層、透明導電層がこの順
で積層された構成、透明樹脂基板の一方の面に、ケイ
素含有層、金属酸化物層、透明導電性層がこの順で積層
され、他方の面にケイ素含有層または保護層が積層され
た構成、透明樹脂基板の一方の面に、ケイ素含有層、
金属酸化物層、がこの順で積層され、他方の面にケイ素
含有層、透明導電層がこの順で積層された構成、透明
樹脂基板の一方の面に、ケイ素含有層、金属酸化物層、
透明導電層がこの順で積層された構成、透明樹脂基板
の一方の面に、ケイ素含有層、金属酸化物層がこの順で
積層され、他方の面に保護層、透明導電層がこの順で積
層された構成等が挙げられる。中では、性能面及び積層
数面の両面から及びの積層構成が好ましい。
ーとなる接着層やコロナ処理を用いて、各層間ならびに
基板と各層の接着信頼性を向上させることも可能であ
る。
に説明するが、本発明は、かかる実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例中、部および%は、特に断ら
ない限り重量基準である。また、実施例中における各種
の測定は、下記の通り、行った。
0nmの平行光線の光線透過率を測定した。また、日本
電色製COH−300Aを用いてヘイズ値(△H%)を
を測定した。
測定装置M−150を用い、波長590nmの光に対す
るリタデーション値を測定した。
溶液に10分間浸漬し、流水にて十分洗浄を行った後、
乾燥させ、外観を目視して観察した。
液に10分間浸漬し、流水にて十分洗浄を行った後、乾
燥させ、外観を目視して観察した。なお、本試験は、透
明導電層を積層する前の中間積層体で行った。
導電層の上に数滴滴下し5分間放置して、流水にて十分
洗浄を行った後、外観を目視にて観察した。
電層を設けない状態で、評価した。酸素透過度は、モダ
ンコントロールズ(MOCON)社製オキシトラン2/
20MLを用いて、40℃、90%RHの高湿度環境下
で測定した。又、水蒸気透過度は、MOCON社製パー
マトランW1Aを用いて、40℃、90%RH雰囲気下
における水蒸気透過性を測定した。
碁盤目テープ法に準拠して塗膜の密着性を評価した。
に、直径20mmのガラス管の周囲に沿わせて変形させ
1分間保持した後元に戻し、透明導電層のクラックを観
察する。長さ5mm以上のクラックがある場合を不良と
する。
るコーティング用組成物Aを下記のように調製し、厚さ
100μmのポリカーボネートフィルムの両方の面上に
このコーティング用組成物Aをマイクログラビア方式に
より塗工し、130℃で2分間加熱乾燥し、厚さ2μm
のケイ素含有層を形成し、両面にケイ素含有層を積層し
た積層基板を得た。
レン−ビニルアルコール共重合体(クラレ(株)製エバ
ール−F(エチレン共重合比32%))100部を、水
720部、n−プロパノール1080部、n−ブタノー
ル100部の混合溶液に加熱溶解して均一溶液にし、こ
れを室温まで放冷した後、これにレベリング剤として東
レダウコーニング社製SH30PAを0.1部、酢酸を
62.4部加え、その後、2−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシランを85.8部加
えて10分間撹拌し、更にこの溶液に3−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン62.4部を加えて3時間撹拌す
ることにより、調整した。
にセットした後、1.3mPaの圧力まで排気した。引
き続いてAr/O2混合ガス(O2濃度12.0Vol
%)を100sccmで導入し、圧力が0.27Paに
なるように調整した。多結晶Siメタルターゲットを用
い、投入電力密度1W/cm2の条件でDCマグネトロ
ンスパッタリングを行い、上記積層基板の片方のケイ素
含有層の直上に、厚さ7nmのSiO2膜を形成し、中
間積層体を得た。
ッタリング装置にセットした後1.3mPaの圧力まで
排気した。引き続いてAr/O2 混合ガス(O2 濃度
1.4vol%)を100sccmで導入し、圧力が
0.27Paになるように調整した。ITOターゲット
(SnO2 濃度5wt%)を用い、投入電力密度1W/
cm2 の条件でDCマグネトロンスパッタリングを行
い、中間積層体のSiO2層の直上に、厚さ130nm
のITO膜からなる透明導電層を設けることにより透明
導電性積層体を得た。得られた透明導電性積層体の評価
結果を表1に示す。
有層のコーティング用組成物Aに代えて下記のコーティ
ング用組成物Bを用いる以外は実施例1と同様にして透
明導電性積層体を得た。得られた結果を表1に示す。
300部、n−プロパノール650部の混合溶液に、レ
ベリング剤として東レダウコーニング社製SH30PA
を0.2部、酢酸を230部加え、その後、3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン233部を加えて3時間撹
拌し、更にこの溶液に2−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン640部を加えて2
4時間撹拌することにより、調整した。
有層のコーティング用組成物Aに変えて下記のコーティ
ング用組成物Cを用い、その加熱乾燥条件を130℃で
3分とした以外は、実施例1と同様にして透明導電性積
層体を得た。得られた結果を表1に示す。
ル基含有ポリビニルアルコール系高分子(クラレ製R1
130(シリル基含有率1%未満))100部を、水1
300部とn−プロパノール600部の混合溶液に加熱
溶解させて均一溶液にし、これを室温まで放冷した後、
これにレベリング剤として東レダウコーニング社製SH
30PAを0.1部、酢酸を124.8部加え、その
後、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン171.6部を加えて10分間撹拌
し、更にこの溶液に3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン124.8部を加えて3時間撹拌することにより、
調整した。
るコーティング用組成物Dを下記のように調製し、厚さ
100μmのポリカーボネートフィルムの片面上にこの
コーティング用組成物Dをマイクログラビア方式により
塗工し、130℃で3分間加熱乾燥し、厚さ2μmのケ
イ素含有層を形成し、片面にケイ素含有層を積層した片
面積層基板を得た。
レン−ビニルアルコール共重合体(クラレ(株)製エバ
ール−F(エチレン共重合比32%))100部を、水
720部、n−プロパノール1080部、n−ブタノー
ル100部の混合溶液に加熱溶解して均一溶液にし、こ
れを室温まで放冷した後、これにレベリング剤として東
レダウコーニング社製SH30PAを0.1部、酢酸を
31.2部加え、その後、2−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン42.6部を加
えて10分間撹拌し、更にこの溶液に3−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン31.2部を加えて3時間撹拌す
ることにより、調整した。
えるコーティング用組成物Eを下記のように調整し、該
片面積層基板のケイ素含有層が形成されていない面上
に、このコーティング用組成物Eをマイクログラビア方
式により塗工し、50℃で1分間予備乾燥し、次いで1
60W/cmの高圧水銀ランプを用いて、積算光量80
0mJ/cm2の条件で紫外線を照射して塗工膜を硬化
させることにより、厚さ4μmの保護層を形成し、両面
積層基板を得た。
メチロールプロパントリアクリレート(東亜合成化学
(株)製、アロニックスM−309)100部、光開始
剤1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ
ガイギー社製、イルガキュア−184)7部及びレベリ
ング剤としてシリコンオイル(東レ・ダウコーニング社
製、SH28PA)0.02部を混合した後、1−メト
キシ−2−プロパノール及びメタノールで固形分35w
t%とすることにより、調整した。
に実施例1と同様にして実施例1と同様のSiO2膜を
積層し、中間積層体を得た。
保護層上に、実勢例1と同様にして実施例1と同様のI
TO膜からなる透明導電層を設け、透明導電性積層体を
得た。得られた透明導電積層体の評価結果を表1に示
す。 [実施例5]実施例1において、透明導電層をSiO2
層上に代えてその反対側のSiO2層が積層されていな
い側のケイ素含有層の面上に積層する以外は、実施例1
と同様にして透明導電性積層体を得た。得られた透明導
電性積層体の評価結果を表1に示す。
有層を積層しない以外は、実施例1と同様にして透明導
電性積層体を得た。得られた結果を表1に示す。
物層のSiO2層を積層しない以外は、実施例1と同様
にして透明導電性積層体を得た。得られた結果を表1に
示す。
上にガスバリア性の金属酸化物層を直接積層した積層構
成の相乗作用による優れた耐溶剤性、ガスバリア性、お
よび層間密着性を利用した透明導電性積層体であり、少
ない層数で液晶表示装置等の透明電極に要求される高度
な耐溶剤性、ガスバリア性、層間密着性を同時に満足す
るという実用上大きな効果を奏するものである。すなわ
ち、本発明は、液晶表示装置の透明電極に適用できる透
明導電性積層体を簡単な構成で安価に実現するものであ
り、産業上大きな寄与をなすものである。
Claims (13)
- 【請求項1】 透明樹脂基板上に少なくともガスバリア
性の金属酸化物層、透明導電層が設けられた透明導電性
積層体において、前記透明樹脂基板の少なくとも片面上
に下記一般式(1)で示されるアルコキシシランの(部
分)加水分解物、その(部分)縮合物またはこれらの混
合物の硬化層、又は下記一般式(1)で示されるアルコ
キシシランの(部分)加水分解物、その(部分)縮合物
またはこれらの混合物とポリビニルアルコール系高分子
との混合硬化層からなるケイ素含有層を介して金属酸化
物層が設けられ、透明導電層は最外層に位置し、透明樹
脂基板との間に少なくとも一層の耐溶剤性の保護層が介
在するように設けられていることを特徴とする透明導電
性積層体。 【化1】 R1 n−Si(OR2)4-n ・・・・(1) [ここで、R1は炭素数1〜4のアルキル基、ビニル
基、又はメタクリロキシ基、アミノ基、イミノ基、エポ
キシ基およびメルカプト基からなる群から選ばれる1以
上の基を有する有機基であり、R2は炭素数1〜4のア
ルキル基であり、nは0〜2の整数である。] - 【請求項2】 前記透明導電層が前記金属酸化物層上に
積層されており、前記ケイ素含有層が前記保護層を兼ね
ている請求項1記載の透明導電性積層体。 - 【請求項3】 前記透明樹脂基板の片面に前記ケイ素含
有層、金属酸化物層が積層され、その他方の面に耐溶剤
性の保護層、透明導電層が積層されている請求項1記載
の透明導電性積層体。 - 【請求項4】 前記保護層が前記ケイ素含有層からなる
請求項3記載の透明導電性積層体。 - 【請求項5】 前記アルコキシシランが、エポキシ基を
有するアルコキシシランとアミノ基及び/又はイミノ基
を有するアルコキシシランとの混合物である請求項1〜
4に記載のいずれかの透明導電性積層体。 - 【請求項6】 前記混合物の(エポキシ基)/(アミノ
基とイミノ基の総和)の配合比率が、モル当量換算で6
/1〜1/6である請求項5記載の透明導電性積層体。 - 【請求項7】 前記ポリビニルアルコール系高分子が、
ケン化度70%以上のポリビニルアルコールである請求
項1〜6に記載のいずれかの透明導電性積層体。 - 【請求項8】 前記ポリビニルアルコール系高分子がシ
リル基を有するポリビニルアルコール、又はエチレン−
ビニルアルコール共重合体である請求項7記載の透明導
電性積層体。 - 【請求項9】 前記ケイ素含有層が、前記アルコキシシ
ランがエポキシ基を有するアルコキシシランとアミノ基
及び/又はイミノ基を有するアルコキシシランとの混合
物で、前記ポリビニルアルコール系高分子がシリル基を
有するポリビニルアルコールであり、ポリビニルアルコ
ール系高分子(a)とアルコキシシラン(b)との組成
比a/bが重量比で2/1以下の硬化層である請求項8
記載の透明導電性積層体。 - 【請求項10】 前記ケイ素含有層が、前記アルコキシ
シランがエポキシ基を有するアルコキシシランとアミノ
基及び/又はイミノ基を有するアルコキシシランとの混
合物で、前記ポリビニルアルコール系高分子がエチレン
−ビニルアルコール共重合体であり、ポリビニルアルコ
ール系高分子(a)とアルコキシシラン(b)との組成
比a/bが重量比で9/1以下の硬化層である請求項8
記載の透明導電性積層体。 - 【請求項11】 前記金属酸化物層が厚さ2nm〜20
0nmで,平均組成をSiOxで表した時のxが1.5
≦x≦2のケイ素酸化物からなる請求項1〜10に記載
のいずれかの透明導電性積層体。 - 【請求項12】 前記ケイ素酸化物がスパッタ法により
作製されたケイ素酸化物である請求項11記載の透明導
電性積層体。 - 【請求項13】 透明樹脂基板が、ポリカーボネート樹
脂を主成分とする請求項1〜12に記載のいずれかの透
明導電性積層体。
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---|---|---|---|
JP24776896A JP3660760B2 (ja) | 1996-09-19 | 1996-09-19 | 透明導電性積層体 |
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JP24776896A JP3660760B2 (ja) | 1996-09-19 | 1996-09-19 | 透明導電性積層体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1086269A true JPH1086269A (ja) | 1998-04-07 |
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ID=17168372
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JP (1) | JP3660760B2 (ja) |
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1996
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