JPH10180928A - 透明導電性積層体 - Google Patents

透明導電性積層体

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JPH10180928A
JPH10180928A JP8345372A JP34537296A JPH10180928A JP H10180928 A JPH10180928 A JP H10180928A JP 8345372 A JP8345372 A JP 8345372A JP 34537296 A JP34537296 A JP 34537296A JP H10180928 A JPH10180928 A JP H10180928A
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JP
Japan
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transparent conductive
group
conductive laminate
alkoxysilane
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Application number
JP8345372A
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English (en)
Inventor
Toru Hanada
亨 花田
Kazuo Hachiman
一雄 八幡
Tatsuya Ekinaka
達也 浴中
Seiji Tsuboi
誠治 坪井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性、耐薬品性、ガスバリアー性に優れ、
透明性、光学等方性、層間の密着性が良好な透明導電性
フィルムを提供することを目的とする。 【解決手段】 透明樹脂基板の少なくとも片面にアンカ
ー層、金属酸化物層、耐溶剤保護層が順に積層され、透
明導電層を最外層に配した導電性積層体であって、アン
カー層及び/又は保護層がエポキシ基を有するアルコキ
シシランの(部分)加水分解物等からなるケイ素含有層
である透明導電性積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明導電性積層体
に関し、さらに詳しくは、透明性、光学等方性、耐久
性、耐溶剤性、ガスバリアー性、可撓性、層間の密着性
が良好であることに加え、表裏間の滑り性がよく後加工
適性にも優れた透明導電性積層体に関するものであり、
液晶表示装置、光導電性感光体、面発光体、有機エレク
トロルミネッセンス用などの透明基板として利用できる
ものである。
【0002】
【従来技術】近年、ペイジャー、携帯電話、電子手帳、
携帯情報端末等の携帯して移動できる情報機器が普及し
始め、ビジネス或いはライフスタイルの変革期を迎えよ
うとしている。
【0003】これらの情報機器の携帯性を向上するた
め、より一層の薄型化・軽量化、耐破損性が求められて
いる。従来、LCD、タッチパネルの透明導電基板とし
て、重く、厚く、割れやすいガラス基板が用いられて来
たが、これに代わる材料として、透明導電性樹脂基板が
提案されている。しかし、これらの透明樹脂基板は、耐
久性、耐溶剤性、ガスバリアー性等の基本特性がガラス
基板に比較して劣っているのが現状である。
【0004】例えば、透明樹脂基板をLCD用電極基板
として利用しようとした場合、金属酸化物層を設けるこ
とにより、ガスバリアー性は付与される。しかし、透明
電極パターニング後のレジスト剥離工程でアルカリ水溶
液にさらされるため金属酸化物層が溶解するという問題
や、液晶配向膜形成過程で液晶配向膜の前駆材料をN−
メチルピロリドン等の溶剤に溶解した塗工液をコーティ
ングする際に、上記溶剤に透明樹脂基板が白化、膨潤等
の損傷を受けるという問題があった。
【0005】そこで、上記欠点を改善する目的で、耐薬
品性、ガスバリアー性を持つ剤を透明樹脂基板上に積層
するいくつかの提案がなされている。
【0006】特公平5−52002号公報や特公平5−
52003号公報には、高分子フィルムとポリビニルア
ルコールからなる酸素ガスバリアー層との接着性を改善
し、さらには、水蒸気ガスバリアー性を有した透明基板
が記載されている。しかし、これらは、ポリビニルアル
コール系高分子が最外層に積層されているため、耐薬品
性が不十分であり、液晶セル製作工程で不都合が生じて
しまう。耐薬品性を持たせるために、上記透明基板にお
いては、耐薬品性を有する層をさらに設ける必要があり
コストが割高になる。
【0007】また、特開平2−137922号公報や特
開平5−309794号公報等には、透明高分子フィル
ムにアンカーコート層、そしてガスバリアー層としてエ
チレン−ビニルアルコール共重合体層、更に耐溶剤層と
して硬化性樹脂層を順次両面に積層した透明基板が記載
されている。しかし、これらは、耐薬品性は満足するも
のの、ガスバリアー剤の特性から高湿度でのガスバリア
ー性の低下の問題があり、6層ものコーティングはコス
トが割高となる。
【0008】さらに液晶表示素子の透明基板において
は、上記耐薬品性、ガスバリアー性に対する要求のほ
か、その特性に関し、下記のような要求または問題があ
る。
【0009】まず、基板の透明性が低い場合や複屈折が
ある場合、表示の着色・コントラストの低下等の問題が
生じる。
【0010】また、平面性が低い場合、液晶層のギャッ
プが均一でなくなる上、液晶配向にもムラが生じたり、
基板自体も光学的なムラが発生するために、表示色にム
ラが生じる。
【0011】さらには、機械的、熱的影響や溶剤に曝さ
れた時に、容易にこれらの平面性、透明性、ガスバリア
ー性が悪化してしまうのでは、軽薄、形状の自由、曲面
表示という特徴を生かした実用性が低下し、ペイジャ
ー、携帯電話、電子手帳、ペン入力機器などの外的影響
が大きく作用する用途への適応は困難となってしまう。
特に機械的影響に対して、この様な特性を維持するため
には、特性発現のために積層された各層間の良好な密着
性も要求される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解決しようとするものであり、耐久性、耐薬品
性、ガスバリアー性に優れ、しかも上記のような透明
性、光学等方性、層間の密着性が良好な透明導電性積層
体を提供することを目的とし、さらに、表裏間の滑り性
がよく、フィルム基板を巻き取る際に凹凸状変形などを
生じず、後加工適正にも優れた透明導電性フィルムを提
供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】かかる課題に対して鋭意
検討した結果、透明樹脂基板(A)の少なくとも片面に
アンカー層(B)、金属酸化物層(C)、耐溶剤性を有
する保護層(D)が(A)、(B)、(C)、(D)の
順で積層され、透明導電層が最外層に位置し、該透明樹
脂基板と該透明導電層との間に少なくとも一層の該保護
層が介在するように設けられている透明導電性積層体に
おいて、該アンカー層、該保護層の少なくとも一層が下
記一般式(1)で示されるエポキシ基を有するアルコキ
シシランの(部分)加水分解物、その(部分)縮合物ま
たはこれらの混合物、及び下記一般式(2)で示される
アミノ基及び/またはイミノ基を有するアルコキシシラ
ンの(部分)加水分解物、その(部分)縮合物またはこ
れらの混合物の硬化層、又は下記一般式(1)で示され
るエポキシ基を有するアルコキシシランの(部分)加水
分解物、その(部分)縮合物またはこれらの混合物、及
び下記一般式(2)で示されるアミノ基及び/またはイ
ミノ基を有するアルコキシシランの(部分)加水分解
物、その(部分)縮合物またはこれらの混合物とポリビ
ニルアルコール系高分子との混合硬化層からなるケイ素
含有層であることを特徴とする透明導電性積層体が、か
かる課題を解消することを見出したものであり、さらに
は必要に応じて透明導電層と反対の面の再外層に無機質
及び/又は有機質の微粒子を含有する微粒子含有層が設
けられていることを特徴とする透明導電性積層体が、か
かる課題を解消し、後加工特性においても優れた透明導
電性積層体であるこを見出したものである。
【0014】
【化3】 (ここで、R1 は炭素数1〜4のアルキレン基、R2
よびR3 は炭素数1〜4のアルキル基、Xはグリシドキ
シ基またはエポキシシクロヘキシル基であり、nは1ま
たは0である。)
【0015】
【化4】 (ここで、R4 は炭素数1〜4のアルキレン基、R5
よびR6 は炭素数1〜4のアルキル基、Yは水素原子ま
たはアミノアルキル基であり、mは1または0であ
る。)
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、透明樹脂基板(A)の少なくとも片面にアン
カー層(B)、金属酸化物層(C)、耐溶剤性を有する
保護層(D)が(A)、(B)、(C)、(D)の順で
積層され、透明導電層が最外層に位置し、該透明樹脂基
板と該透明導電層との間に少なくとも一層の該保護層が
介在するように設けられている透明導電性積層体におい
て、該アンカー層、該保護層の少なくとも一層が上記ケ
イ素含有層であることを特徴とする透明導電性積層体で
ある。より好ましくは該アンカー層、該保護層の両層が
該ケイ素含有層であるものが、ガスバリアー性、耐薬品
性に優れた積層体を得ることができる。
【0017】従って、該ケイ素含有層の少なくとも1層
は該金属酸化物層に接するようにして積層される。金属
酸化物層とケイ素含有層が接して積層されることによ
り、優れたガスバリアー性と耐溶剤性が達成される。
【0018】本発明の金属酸化物層としては、珪素、ア
ルミニウム、マグネシウム、亜鉛等を主成分とする透明
な絶縁金属酸化物層が挙げられ、該金属酸化物中には、
鉄、ニッケル、クロム、チタン、インジウム、錫、アン
チモン、タングステン、モリブテン、銅等が含まれてい
てもよい。また、膜の可撓性や透明性を改善する目的
で、炭素やフッ素を適宜含有させてもよい。
【0019】これら透明な金属酸化物層は、公知のスパ
ッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズ
マCVD法等により作成される。なかでも、ガスバリア
ー性が良好な金属酸化物としては、透明高分子基板との
接着性、更には透明性、表面平坦性、コスト等の点から
特に珪素酸化物を主成分とする金属酸化物層が好まし
い。
【0020】本発明のケイ素含有層を与える前記のアル
コキシシランの(部分)加水分解物、その(部分)縮合
物若しくはそれらの混合物を溶剤に溶解しているコーテ
ィング用組成物、又は前記のアルコキシシランの(部
分)加水分解物、その部分縮合物またはこれらの混合物
とポリビニルアルコール系高分子とをポリビニルアルコ
ール系高分子可溶性溶剤を含有する溶剤に溶解している
コーティング用組成物を基材となるフィルム上に定法に
より塗工して得られる。
【0021】この本発明のアルコキシシランとしては、
前述の通り、上記一般式(1)で示されるエポキシ基を
有するアルコキシシラン、及び上記一般式(2)で示さ
れるアミノ基及び/またはイミノ基を有するアルコキシ
シランが適用される。
【0022】かかるエポキシ基を有するアルコキシシラ
ンとしては、例えばグリシドキシメチルトリメトキシシ
ラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、グリシ
ドキシメチルトリプロポキシシラン、グリシドキシメチ
ルトリブトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリメ
トキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシ
ラン、2−グリシドキシエチルトリプロポキシシラン、
2−グリシドキシエチルトリブトキシシラン、1−グリ
シドキシエチルトリメトキシシラン、1−グリシドキシ
エチルトリエトキシシラン、1−グリシドキシエチルト
リプロポキシシラン、1−グリシドキシエチルトリブト
キシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、3−
グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、2−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、2−グリシドキシ
プロピルトリエトキシシラン、2−グリシドキシプロピ
ルトリプロポキシシラン、2−グリシドキシプロピルト
リブトキシシラン、1−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、1−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、1−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラ
ン、1−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキ
シシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル
トリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)メチルトリプロポキシシラン、(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)メチルトリブトキシシラン、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、2−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラ
ン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル
トリメトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)プロピルトリエトキシシラン、3−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)プロピルトリプロポキシシラ
ン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル
トリブトキシシラン、4−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)ブチルトリメトキシシラン、4−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、4
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリプロ
ポキシシラン、4−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)ブチルトリブトキシシラン、ジエトキシ−3−グリ
シドキシプロピルメチルシラン等が挙げられる。
【0023】特に好ましいエポキシ基を有するアルコキ
シシランは、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリ
メトキシシランである。これらの化合物は単独で又は2
種以上を併せて用いることができる。
【0024】また、かかるアミノ基及び/またはイミノ
基を有するアルコキシシランとしては、例えばアミノメ
チルトリエトキシシラン、2−アミノエチルトリメトキ
シシラン、2−アミノエチルトリエトキシシラン、2−
アミノエチルトリプロポキシシラン、2−アミノエチル
トリブトキシシラン、1−アミノエチルトリメトキシシ
ラン、1−アミノエチルトリエトキシシラン、3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、3−アミノプロピルトリプロポキシ
シラン、3−アミノプロピルトリブトキシシラン、2−
アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリプロポ
キシシラン、2−アミノプロピルトリブトキシシラン、
1−アミノプロピルトリメトキシシラン、1−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、1−アミノプロピルトリプ
ロポキシシラン、1−アミノプロピルトリブトキシシラ
ン、N−アミノメチルアミノメチルトリメトキシシラ
ン、N−アミノメチルアミノメチルトリプロポキシシラ
ン、N−アミノメチル−2−アミノエチルトリメトキシ
シラン、N−アミノメチル−2−アミノエチルトリエト
キシシラン、N−アミノメチル−2−アミノエチルトリ
プロポキシシラン、N−アミノメチル−3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−アミノメチル−3−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N−アミノメチル−3
−アミノプロピルトリプロポキシシラン、N−アミノメ
チル−2−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ア
ミノメチル−2−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−アミノメチル−2−アミノプロピルトリプロポキシ
シラン、N−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノ
エチル)−2−アミノエチルトリメトキシシラン、N−
(2−アミノエチル)−2−アミノエチルトリエトキシ
シラン、N−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル
トリプロポキシシラン、N−(2−アミノエチル)−1
−アミノエチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノ
エチル)−1−アミノエチルトリエトキシシラン、N−
(2−アミノエチル)−1−アミノエチルトリプロポキ
シシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−
3−アミノプロピルトリプロポキシシラン、 N−(3
−アミノプロピル)−2−アミノエチルトリメトキシシ
ラン、N−(3−アミノプロピル)−2−アミノエチル
トリエトキシシラン、N−(3−アミノプロピル)−2
−アミノエチルトリプロポキシシラン、N−メチル−3
−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチ
ルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ジエチレ
ントリアミンプロピルトリエトキシシラン、3−[2−
(2−アミノエチルアミノエチルアミノ)プロピル]ト
リメトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルジエチ
レントリアミン等が挙げられる。
【0025】特に好ましいアミノ基及び/またはイミノ
基を有するアルコキシシランは3−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−
(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシランである。これらの化合物は
単独で又は2種以上を併せて用いることができる。な
お、本発明のアルコキシシランの(部分)加水分解物及
びその(部分)縮合物は、上述のアルコキシシランの一
部または全部が加水分解したもの、該加水分解物の一部
又は全部が縮合反応した縮合物、及び該縮合物と加水分
解していない原料のアルコキシシランとが縮合したもの
であり、これらはいわゆるゾルゲル反応させることによ
り得られるものである。
【0026】アルコキシシランの使用に際しては、その
まま成分として添加することもできるし、あらかじめ加
水分解を行ってアルコキシシランの(部分)加水分解物
及びその(部分)縮合物を添加して使用することも可能
である。
【0027】この加水分解に際しては、通常の方法、例
えば塩酸等の無機酸、酢酸等の有機酸またはカセイソー
ダのようなアルカリによって、更には水のみを用いて加
水分解する等各種の方法を利用することができる。ま
た、加水分解を均一に行う目的でアルコキシシランと該
アルコキシシラン可溶性溶剤を混合した後、加水分解を
行うことも可能である。目的に応じて、加水分解に際し
ては冷却または加熱することも可能である。また、加水
分解後、反応で生成したアルコール等を加熱及び/また
は減圧下に適当量除去して使用することも可能である
し、その後に適当な溶媒を添加することも可能である。
【0028】また、必要に応じて硬化触媒、例えば、ア
ルミニウムアセチルアセトナート、アルミニウムエチル
アセトアセテートビスアセチルアセトナート、アルミニ
ウムビスアセトアセテートアセチルアセトナート、アル
ミニウムジ−n−ブトキシドモノエチルアセトアセテー
ト、アルミニウムジ−i−プロポキシドモノメチルアセ
トアセテート等のアルミニウムキレート化合物、酢酸ナ
トリウム、酢酸カリウム、ギ酸カリウム等のカルボン酸
のアルカリ金属塩、ジメチルアミンアセテート、エタノ
ールアセトエート、ジメチルアニリンホルメート等のア
ミンカルボキシレート、水酸化ベンジルトリメチルアン
モニウム、酢酸テトラメチルアンモニウム、酢酸ベンジ
ルトリメチルアンモニウムのような第四級アンモニウム
塩、オクタン酸スズのような金属カルボン酸塩、及びト
リエチルアミン、トリエタノールアミン、ピリジンのよ
うなアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−
7−ウンデセンを添加することが可能である。これらの
化合物は単独で又は2種以上を併せて用いることができ
る。
【0029】本発明の積層体は、上記一般式(1)で示
されるエポキシ基を有するアルコキシシランの(部分)
加水分解物等、および一般式(2)で示されるアミノ基
及び/またはイミノ基を有するアルコキシシランの(部
分)加水分解物等を併用して架橋させた硬化被膜である
ため、高分子フィルム、特にポリカーボネートフィルム
との接着性が極めて良好で、耐アルカリ性や耐NMP性
などの耐薬品性に極めて優れたものである。
【0030】一方、本発明のケイ素含有層に用いるポリ
ビニルアルコール系高分子には、公知の市販のものが適
用でき、具体的にはビニルアルコール成分、ビニルアル
コール共重合体成分よりなる群から選ばれた少なくとも
1種を50モル%以上含有する高分子樹脂が適用され
る。なお、このビニルアルコール共重合体としては、ビ
ニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ビニルアルコー
ルビニルブチラール共重合体、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体、あるいは分子内にシリル基を有するポリ
ビニルアルコール系高分子等が挙げられる。
【0031】本発明において用いられる上記のポリビニ
ルアルコール系高分子の重合度、ケン化度に特に制限は
ないが、重合度が低すぎると、コーティング膜がもろく
なり、逆に高すぎると粘度が高くなり過ぎて、塗工性が
悪化する傾向があり、特に平均重合度100〜5000
のものが好適である。一方、ケン化度が低すぎると十分
なガスバリアー性が得られない点から、本発明の主用途
である高度のガスバリア性が要求される液晶等の用途で
はケン化度70%以上の高ケン化度のものが好ましい。
【0032】また、耐薬品性、密着性の点から、分子内
にシリル基を有するポリビニルアルコール系高分子が好
ましく、更に好ましくはエチレン−ビニルアルコール共
重合体である。ここで、分子内にシリル基を有するポリ
ビニルアルコール系高分子とは、下式(3)で表される
反応性のシリル基を有するものである。
【0033】
【化5】 ここにR11は水素または炭素数1〜10のアルキル基、
アシル基、またはアルカリ金属、アルカリ土類金属を表
し、R12は炭素数1〜10のアルキル基を表し、rは1
〜3の整数を表す。シリル基の含量は好ましくは5モル
%以下、より好ましくは1モル%以下が好ましい。シリ
ル基の含量が多くなると、コーティング用組成物が増
粘、ゲル化しやすい傾向があり、この点から上記含量が
好ましい。
【0034】なお、本発明における分子内にシリル基を
含有するポリビニルアルコール系高分子に関し、分子内
とは重合体の末端をも含むものであり、シリル基が加水
分解性でない結合によってポリビニルアルコール系高分
子と結合していれば、その位置、分布状態等に特に制限
はない。
【0035】また、本発明に用いるエチレン−ビニルア
ルコール共重合体は、そのエチレン共重合比が50モル
%以下であるものが特に好適である。エチレンの共重合
比が50モル%を越えると硬化させたときに、ガスバリ
アー性が低下し、前述の液晶用途のような高度のガスバ
リア性が必要な場合には十分な性能が得られない。
【0036】本発明のケイ素含有層は、前述の通り、上
述のアルコキシシランの(部分)加水分解物、(部分)
縮合物又はこれらの混合物を溶媒に溶かしたコーティン
グ用組成物、あるいは上述のアルコキシシランの(部
分)加水分解物、(部分)縮合物又はこれらの混合物と
上述のポリビニルアルコール系高分子とを溶剤に溶かし
たコーティング用組成物の塗布により形成される。
【0037】前者のアルコキシシランの単独層のコーテ
ィング用組成物の溶剤としては、アルコキシシランの
(部分)加水分解物、(部分)縮合物又はこれらの混合
物を溶解するものであればよく、以下のものが例示でき
る。アルコール類、エーテル類、芳香族炭化水素、エス
テル類、ケトン類化合物等が挙げられる。具体的には、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタ
ノール、2−ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセ
ロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エ
チレングリコール、酢酸メチル、酢酸エチル、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、キシレン、
N,N−ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、
ジクロロエタン、トルエンなどが挙げられる。これらは
1種のみならず2種以上混合して用いることも可能であ
る。
【0038】後者のポリビニルアルコール系高分子との
混合層のコーティング用組成物は、ポリビニルアルコー
ル系高分子{以下、成分(a)という}、アルコキシシ
ランの(部分)加水分解物、(部分)縮合物又はこれら
の混合物{以下、成分(b)という}及びこれらの溶剤
{以下、成分(c)という}の3成分からなる。
【0039】上記成分(c)の溶剤は、ポリビニルアル
コール系高分子可溶性溶剤を含有する溶剤である。ここ
で、ポリビニルアルコール系高分子可溶性溶剤として
は、水、ジメチルイミダゾリン等が挙げられる。また、
ポリビニルアルコール系高分子としてエチレン−ビニル
アルコール共重合体を用いる場合は、この可溶性溶剤と
しては、水/プロパノールの混合溶媒が挙げられる。水
とプロパノールの混合比率は重量比で水/プロパノール
=3/7〜7/3が好ましい。なお、これらと併用可能
な溶媒の中で、特にブタノール等のアルコール系、1−
メトキシ−2−プロパノール等のセロソルブ系、シクロ
ヘキサノン等のケトン系溶媒は、ケイ素含有層の平滑性
を良好にするために好適に用いられる。これら併用可能
な溶媒は、1種のみならず、2種以上混合して用いるこ
とも可能である。
【0040】ところで、成分(b)のアルコキシシラン
にエポキシ基を有するアルコキシシランとアミノ基及び
/又はイミノ基を有するアルコキシシランを併用するこ
とで、前述の通り、耐溶剤性及び透明高分子フィルムと
の接着性に優れており、金属酸化物層と組み合わせるこ
とにより、ガスバリア性も得られ、アルコキシシランの
単独層で使用できる。しかし、これに、成分(a)とし
てポリビニルアルコール系高分子を加えることにより、
さらにその性能特に低湿度でのガスバリア性を向上させ
ることができる。この場合、その重量比(a)/(b)
は、2/1以下の範囲で用いることが好ましい。また、
成分(a)としてエチレン−ビニルアルコール共重合体
を用いる場合、その重量比(a)/(b)は、9/1以
下の範囲が好ましい。
【0041】ここで、エポキシ基を有するアルコキシシ
ランとアミノ基及び/又はイミノ基を有するアルコキシ
シランとの混合物の(エポキシ基)/(アミノ基とイミ
ノ基の総和)の配合比率は、得られる塗膜の性能に影響
し、得られる膜の密着性、耐熱性、耐溶剤性、耐水性、
耐久性等の面から、モル当量換算で6/1〜1/6の範
囲が好ましい。(エポキシ基)と(アミノ基とイミノ
基)のどちらかの成分が他方に対して過剰になり、上記
範囲から外れるに伴い得られる膜の性能が低下する。
【0042】アミノ基及び/又はイミノ基は、エポキシ
基を有するアルコキシシランの加水分解物の縮合触媒で
あり、同時にエポキシ基と反応するため、エポキシ基を
有するアルコキシシランの加水分解物にアミノ基及び/
又はイミノ基を有するアルコキシシランを加えると反応
が急速におこり、コーティング用組成物がゲル化しやす
くなる。そのためアミノ基及び/又はイミノ基を有する
アルコキシシランを使用する場合は、カルボン酸を用い
て弱酸性の有機酸塩としポットライフを調整することが
好ましい。ここでカルボン酸の例としては、蟻酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸等が挙げられるが、その酸性
度、揮発性からみて酢酸が最も好ましい。
【0043】このカルボン酸の添加量は、コーティング
用組成物のアミノ基およびイミノ基の総和1モルあたり
0.01〜10モル量の範囲が好ましく、更に好ましく
は0.1〜5.0モルの範囲であり、この量が少ない
と、これから調整されるコーティング用組成物のポット
ライフが短くなりゲル化しやすくなる。一方多いとコー
ティング用組成物の硬化が不十分となり、前記範囲が好
ましい。
【0044】さらに成分(c)は、成分(a)と成分
(b)の固形分の合計量100重量部に対し、200重
量部以上、99900重量部以下の範囲が好ましく用い
られる。200重量部未満では組成物の保存安定性が悪
化し、一方99900重量部を越えると組成物自体の保
存安定性は良好となるが、組成物中の固形分が少なくな
り、コーティングして得られる塗工膜の膜厚が制限され
る。
【0045】また、以上のコーティング用組成物の添加
剤としては、表面平滑性を改良する目的で各種界面活性
剤が使用可能であり、例としてはシリコーン系化合物、
フッ素系界面活性剤、有機界面活性剤などが使用でき
る。さらに改質剤として、前記コーティング用組成物と
相溶性のある各種エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アミド
樹脂などを添加してもよい。このような成分(a)、
(b)および(c)以外の添加成分は本発明の硬化樹脂
層の特性、例えば耐熱性、耐候性、耐水性、耐久性、密
着性、あるいは耐溶剤性など、本発明の積層フィルムが
適用される用途に応じて種々の実用特性を改良しうるも
のである。本発明において、ケイ素含有層は、上記のコ
ーティング用組成物は、ディップコート、スプレーコー
ト、フローコート、ロールコート、バーコート、スピン
コート等通常使われている塗布方法により積層される。
ケイ素含有層の膜厚としては0.01から100μmが
好ましい。100μmを超えると膜の硬化に時間がかか
り経済的に好ましくない。
【0046】塗布されたケイ素含有層は、通常常温から
使用する透明樹脂基板の熱変形温度以下の温度下で溶媒
を蒸発除去する。次いで50から150℃の温度で1分
間以上加熱することにより、硬化層とされる。
【0047】なお、必要に応じて、ケイ素含有層が積層
される基材の表面を、コロナ処理、接着層となるプライ
マーコート処理等の表面処理で表面改質を行い、ケイ素
含有層の密着性をさらに向上させることが可能である。
【0048】本発明におけるアンカー層としては、前記
ケイ素含有層がガスバリアー性の点で最も好ましいが、
該保護層に前記ケイ素含有層を用いた場合には、以下の
各種シランカップリング剤の塗工層、放射線硬化型樹脂
や熱硬化樹脂が適用できる。
【0049】シランカップリング剤とは、下記一般式
(4)で表される有機ケイ素化合物である。
【0050】
【化6】R13 n−Si−R14 4-n ・・・・(4)
【0051】ここで、 R13はビニル基、又はメタクリ
ロキシ基、エポキシ基、アミノ基、イミノ基およびメル
カプト基からなる群から選ばれる1以上の基を有する有
機基であり、R14はアルコキシ基、ハロゲンなどの加水
分解性の置換基、nは1〜2の整数である。かかるシラ
ンカップリング剤としては、例えばビニルトリエトキシ
シラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(2−
メトキシ−エトキシ)シラン、2−(3,4エポキシシ
クロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、3−グリ
シドキシプロピル−トリメトキシシラン、3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)
−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス
(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピル−トリ
エトキシシラン、3−メルカプトプロピル−トリメトキ
シシラン、(ジメトキシメチルシリルプロピル)−エチ
レンジアミンが挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0052】放射線硬化型樹脂とは、紫外線又は電子線
等の放射線を照射することにより硬化する樹脂であり、
例えば、分子あるいは単位構造内にアクリロイル基、メ
タクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を含む樹
脂を挙げることができる。中でも反応性の点から、アク
リロイル基を含む樹脂が好ましい。
【0053】これらの放射線硬化型樹脂は、単一組成で
も、数種の混合組成でも構わないが、耐溶剤性の点から
分子或いは単位構造内に2個以上のアクリロイル基を有
する多官能アクリレート成分が樹脂成分中に含まれるこ
とが好ましい。かかる多官能アクリレート成分として
は、例えばジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト、ジペンタエリスルトールヘキサアクリレート、ペン
タエリスリトールテトラアクリレート、ペタエリスリト
ールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリア
クリレート等のアクリレートモノマーやポリエステル変
成もしくはウレタン変成の多官能アクリレートオリゴマ
ーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0054】この放射線硬化型樹脂は、以下のように形
成される。即ち、前記の放射線硬化型樹脂の組成物に必
要に応じて光開始剤、および重合禁止剤、レベリング
剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤、熱可塑性樹脂、可塑
剤等の改質剤を添加して塗工液とする。塗工液の濃度、
粘度調整のため必要に応じて適当な有機溶剤で希釈す
る。該塗工液を公知の塗工法、例えば、ディップコー
ト、スプレーコート、フローコート、ロールコート、バ
ーコート、スピンコート等で、基板上に塗工し、必要に
応じて予備乾燥を行った後、放射線照射により硬化させ
て硬化層とすることにより、形成される。
【0055】紫外線照射で硬化させる場合、光開始剤は
必須成分である。かかる開始剤としては、例えば、ジエ
トキシアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチ
ルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1,
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−
1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンジル
ジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;チオキサン
ソン、2,4−ジクロロチオキサンソン等のチオキサン
系化合物等が挙げられる。
【0056】又、より硬化性を向上させるためには、ト
リエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−
ジメチルアミン安息香酸エチル等の公知の光開始助剤を
適量添加することも効果的である。
【0057】該放射線硬化型樹脂の膜厚は、2〜8μm
が好ましく、特に2〜6μmが好ましい。2μm未満で
は、耐溶剤性が不十分であり、又8μmを超えると、硬
化収縮に伴うカールが発生するため共に好ましくない。
【0058】熱硬化型樹脂としては、エポキシ樹脂やイ
ソシアネート架橋ウレタン樹脂等が代表的であり、なか
でも、フェノキシ樹脂、フェノキシエーテル樹脂、フェ
ノキシエステル樹脂を多官能イソシアネート化合物で硬
化させたフェノキシ樹脂硬化物、フェノキシエーテル樹
脂硬化物、フェノキシエステル樹脂硬化物が好ましい。
【0059】該熱硬化型樹脂の膜厚は特に限定するもの
ではないが、3μmよりも低い場合には耐溶剤性が不十
分である。また、膜厚の上限は製膜性と経済性、耐溶剤
性のバランスで決定される。好ましくは20μm以下、
より好ましくは10μm以下が良い。
【0060】この熱硬化型樹脂は、以下のように形成さ
れる。即ち、以上の熱硬化型樹脂の組成物に必要に応じ
て反応性希釈剤、微粒子、レベリング剤等の各種添加
剤、熱可塑性樹脂、可塑剤等の改質剤を添加して塗工液
とする。塗工液の濃度、粘度調整のため必要に応じて適
当な有機溶剤で希釈する。該塗工液を公知の塗工法、例
えば、ディップコート、スプレーコート、フローコー
ト、ロールコート、バーコート、スピンコート等で、基
板上に塗工し、120℃以上の温度で3分以上、より好
ましくは130℃以上の温度で5分以上の熱処理により
硬化させて硬化層とすることにより、形成される。
【0061】本発明の透明樹脂基板を構成する材料とし
ては、透明性、耐熱性が良い高分子であれば特に限定し
ない。本発明の透明導電性積層体をLCDの電極基板と
して用いる場合やLCD電極基板と偏光板との間に設置
されたタッチパネルの電極基板として用いる場合には、
透明樹脂基板は、公知の測定装置を用いて測定した波長
590nmにおける複屈折の屈折率の差△nと膜厚dと
の積△n・dで表されるリターデーション値が30nm
以下、かつ、遅相軸のバラツキが±30度以内の光学等
方性を有するもの、さらに好ましくはリターデーション
が20nm以下、かつ、遅相軸のバラツキが±15度以
内の高度の光学等方性を有するものがよい。このような
透明樹脂基板としては、ポリエステル系、ポリカーボネ
ート系、ポリアリレート系、ポリスルホン、ポリエーテ
ルスルホン、ポリアリルスルホン等のポリスルホン系樹
脂、ポリオレフィン系樹脂、セルローストリアセテート
等のアセテート系樹脂、各種熱硬化樹脂等のフィルム又
はシートであることが好ましい。なかでも、上記透明
性、及び光学異方性が少ないという光学特性の観点か
ら、ポリカーボネート樹脂を主成分とする基板がよりふ
さわしい。
【0062】本発明の透明導電層としては、公知の金属
膜、金属酸化物膜等が適用できるが、中でも、透明性、
導電性、機械的特性の点から、金属酸化物膜が好まし
い。例えば、不純物としてスズ、テルル、カドミウム、
モリブテン、タングステン、フッ素等を添加した酸化イ
ンジウム、酸化カドミウム及び酸化スズ、不純物として
アルミニウムを添加した酸化亜鉛、酸化チタン等の金属
酸化物膜が挙げられる。中でも酸化スズを2〜15重量
%含有した酸化インジウム(ITO)の薄膜が、透明
性、導電性が優れており、好ましく用いられる。透明導
電層の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング
法、イオンビームスパッタリング法、イオンプレーティ
ング法等の方法が挙げられる。
【0063】透明導電層の膜厚は、15〜180nmが
好ましい。15nm未満では、不連続な膜となり導電性
が不十分となる。一方、180nmを超えると透明性が
低下したり、耐屈曲性が悪くなる。
【0064】該透明導電層は、耐薬品性を有する保護層
上に接して積層される。この耐溶剤性を有する保護層
は、透明導電層と基板との接着性を十分考慮して選択す
る必要がある。この保護層としては、前記のケイ素含有
層、放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂が適用できる。本
発明の微粒子含有層は、前記保護層を与える塗工液に無
機質及び/又は有機質の微粒子を添加した組成物を基板
状に塗工し、前述の方法で硬化させて形成される層であ
る。ここで、無機質及び/又は有機質の微粒子とは、微
粒子含有層の形成に際して被膜表面に出現し、巻き取り
時などにフィルム間の接触面積を低減させて滑り性を付
与するためのもである。好ましい無機質の微粒子として
は、比較的透明性を損なうことも少ないという点でシリ
カ、アルミナなどが挙げられる。これら無機質微粒子の
平均粒子径は、微粒子含有層を硬化させたときに0.5
〜5μmになるようなものが好ましい。また、有機質の
微粒子としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ウレタ
ン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂などの粒
子を使用することができる。これらの有機質微粒子の平
均粒子径は0.5〜5μmの範囲が好ましい。平均粒子
径が0.5μm未満では滑り性が不足し、5μmよりも
大きと滑り性は良好であるが、光学特性が悪化する。
【0065】さらに、無機質及び/又は有機質の微粒子
は、保護層を与える組成物のを硬化させて得られる膜を
100重量部としたときに、該膜中における無機質及び
/又は有機質の微粒子の含有量が0.01重量部以上、
5重量部以下の範囲になるように添加されるのが好まし
い。0.01未満では滑り性が不十分となり、一方5重
量部を越えるとヘイズ値等の光学特性が悪化する。 ま
た、該微粒子含有層の膜厚は、0.5μm〜30μmの
範囲が好ましい。薄いと塗膜に粒状の欠点を生じ安くな
り、厚いと良好な滑り性が得られなくなる。
【0066】該微粒子含有層は、本発明の透明導電性積
層体の少なくとも片面に設けられることが好ましい。こ
のような構成を採ることにより、光学特性を大きく悪化
させることなく、巻き取り時の凹凸状変形も生じず、後
加工が容易な透明導電性フィルムが得られる。
【0067】本発明の透明導電性積層フィルムの好まし
い層構成としては、1)透明高分子フィルムの片面にアン
カー層、金属酸化物層、保護層、透明導電層がこの順で
積層され、他方の面に保護層が積層された構成、2)透明
高分子フィルムの片面にアンカー層、金属酸化物層、保
護層、透明導電層がこの順で積層され、他方の面に微粒
子含有層が積層さらた構成、3)透明高分子フィルムの一
方の面に、アンカー層、金属酸化物層、保護層がこの順
で積層され、他方の面に保護層、透明導電層がこの順で
積層された構成、4)透明高分子フィルムの一方の面に、
アンカー層、金属酸化物層、微粒子含有層がこの順で積
層され、他方の面に保護層、透明導電層がこの順で積層
された構成、5)透明高分子フィルムの一方の面に、アン
カー層、金属酸化物層、保護層、透明導電層がこの順で
積層され、他方の面にアンカー層、金属酸化物層、保護
層がこの順で積層された構成、6)透明高分子フィルムの
両方の面に、アンカー層、金属酸化物層、保護層、透明
導電層がこの順で積層された構成等が挙げられるが、こ
れらの構成に限定されるものではない。
【0068】なお、積層に際し、必要な場合はプライマ
ーとなる接着層やコロナ処理を用いて、各層間ならびに
基板と各層の接着信頼性を向上させることも可能であ
る。
【0069】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、かかる実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例中、部および%は、特に断ら
ない限り重量基準である。また、実施例中における各種
の測定は、下記のとおり行った。
【0070】透明性:通常の分光光度計を用い波長55
0nmの平行光線の光線透過率を測定した。また、日本
電色製COH−300Aを用いてヘイズ値(△H%)を
測定した。 光学等方性:日本分光製の多波長複屈折率測定装置M−
150を用い、波長590nmの光に対するリタデーシ
ョン値を測定した。 耐薬品性:25℃の3.0%NaOH水溶液に10分
間浸漬し、流水にて十分洗浄を行った後、乾燥させ、外
観を目視して観察した。 耐薬品性:25℃の5.0%HCl水溶液に10分間
浸漬し、流水にて十分洗浄を行った後、乾燥させ、外観
を目視して観察した。なお、本試験は、透明導電層を積
層する前の中間積層体で行った。 耐薬品性:N−メチルピロリドンに透明導電性積層体
を5分間浸漬した後、流水にて十分洗浄を行った後、外
観を目視にて観察した。 ガスバリアー性: 酸素透過度を、MOCON社製オキ
シトラン2/20MLを用いて、30℃、50%RHの
環境下で測定した。なお、本試験は、透明導電層を積層
する前の中間積層体で行った。 密着性:JIS K5400 8.5.2碁盤目テープ
法に準拠して塗膜の密着性を評価した。 滑り性:幅50cm、長さ50mのフィルムを巻き取
り、凹凸状変形発生の有無をみた。
【0071】[実施例1]本発明のアンカー層ならびに
保護層を与えるコーティング用組成物Aを調製し、厚さ
100μmのポリカーボネートフィルムの両方の面上に
コーティング用組成物Aをマイクログラビア方式により
塗工し、130℃2分間加熱乾燥し、厚さ2μmのケイ
素含有層を形成した。ここで、コーティング用組成物A
の調製にあたっては、エチレン−ビニルアルコール共重
合体(クラレ(株)製エバール−F(エチレン共重合比
32%))100部を、水720部、n−プロパノール
1080部、n−ブタノール100部の混合溶液に加熱
溶解させ均一溶液にしこれを室温まで放冷した後、これ
にレベリング剤として東レダウコーニング社製SH30
PAを0.1部、酢酸62.4部を加え、その後、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン85.8部を加え10分間攪拌し、次いで、こ
の溶液に3−アミノプロピルトリメトキシシラン62.
4部を加えて3時間攪拌した。
【0072】次に、このフィルムを真空蒸着装置の所定
の位置にセットした後1.3mPaの圧力まで排気し
た。SiとSiO2 の混合物よりなる蒸着材料を電子ビ
ーム加熱により蒸発させ、ケイ素含有層の積層されたポ
リカーボネートフィルムの片面に、厚さ20nmのSi
Ox(xの値は約1.7)からなる金属酸化物層を形成
した。
【0073】さらに、前記コーティング用組成物AをS
iOxからなる金属酸化物層上にマイクログラビア方式
により塗工し、130℃2分間加熱乾燥し、厚さ2μm
のケイ素含有層を形成した。
【0074】次に、この様にして得られたポリカーボネ
ートフィルムを基板とする積層体のロールを、スパッタ
リング装置にセットした後1.3mPaの圧力まで排気
した。引き続いてAr・O2 混合ガス(O2 濃度1.4
vol%)を100sccmで導入し、圧力が0.27
Paになるように調整した。ITOターゲット(SnO2
濃度5wt%)を用い、投入電力密度1W/cm2 の条
件でDCスパッタリングを行い、ケイ素含有層、SiO
xからなる金属酸化物層、ケイ素含有層がこの順で形成
された面上に、厚さ130nmのITO膜からなる透明
導電層を設けることにより透明導電性積層体を得た。得
られた透明導電性積層体の評価結果を表1に示す。
【0075】[実施例2]金属酸化物層の下地であるア
ンカー層に、コーティング組成物Aに変えて日本ユニカ
製のシランカップリング剤AP133を用い厚さ50n
mのアンカー層を形成し、金属酸化物層の形成におい
て、SiとSiO2 とMgF2 の混合物よりなる蒸着材
料を用いて、厚さ100nmのSiOxを主成分とする
金属酸化物層とした以外は実施例1と同様に透明導電性
積層体を得た。得られた透明導電性積層体の評価結果を
表1に示す。
【0076】[実施例3]ポリカーボネートフィルムの
両面に、コーティング用組成物Aに換えて、コーティン
グ用組成物Bを用い、50℃で1分間予備乾燥し、次に
160W/cmの高圧水銀ランプを用いて、積算光量8
00mJ/cm2 の条件で紫外線を照射して塗工膜を硬
化させることにより、厚さ4μmの保護層並びにアンカ
ー層を形成した以外は、実施例1と同様にして透明導電
性積層体を得た。得られた透明導電性積層体の評価結果
を表1に示す。ここで、コーティング用組成物Bの調製
にあたっては、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト(東亜合成化学(株)製、アロニックスM−309)
100部、光開始剤1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン(チバガイギー社製、イルガキュア−18
4)7部及びレベリング剤としてシリコンオイル(東レ
・ダウコーニング社製、SH28PA)0.02部を混
合した後、1−メトキシ−2−プロパノール及びメタノ
ールで固形分35wt%にした。
【0077】[実施例4]透明導電層の下地の保護層と
して、コーティング用組成物Aから得られるケイ素含有
層に換えてコーティング用組成物Bから得られる保護層
を形成した以外は実施例1と同様にして透明導電性積層
体を得た。得られた透明導電性積層体の評価結果を表1
に示す。
【0078】[実施例5]金属酸化物層の上の保護層と
して、コーティング用組成物Cをマイクログラビア方式
により塗工し、130℃2分間加熱乾燥し、厚さ2μm
のケイ素含有層を形成し、透明導電性層を、金属酸化物
層を形成した面と反対の面に形成する以外は実施例3と
同様にして透明導電性積層体を得た。得られた透明導電
性積層体の評価結果を表1に示す。ここで、コーティン
グ用組成物Cの調製にあたっては、水1300部、n−
プロパノール650部の混合溶液に、レベリング剤とし
て東レダウコーニング社製SH30PAを0.2部、酢
酸230部を加え、その後、3−アミノプロピルトリメ
トキシシラン233部を加え3時間攪拌し、更にこの溶
液に2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン640部を加えて24時間攪拌した。
【0079】[実施例6]SiOxからなる金属酸化物
層の下地であるアンカー層として、コーティング組成物
Aから得られるケイ素含有層に変えてコーティング用組
成物Dから得られる硬化層を形成する以外は実施例1と
同様に透明導電性積層体を得た。得られた透明導電性積
層体の評価結果を表1に示す。ここで、コーティング用
組成物Dの調整にあたっては、フェノキシエステル樹脂
としてユニオンカーバイドコーポレーション製のPKH
M−30を20部とメチルエチルケトン40部と2−エ
トキシエチルアセテート20部を混合した物に、更に多
官能イソシアネートとして日本ポリウレタン(株)製の
コロネートLを20部混合した。なお、硬化層の形成は
該コーティング用組成物Dをマイクログラビア方式によ
り塗工し、80℃5分及び130℃5分熱処理して5μ
mとした。
【0080】[実施例7]コーティング用組成物Eをマ
イクログラビア方式により、透明導電層が形成された面
と反対のポリカーボネートフィルム上に塗工し、130
℃2分間加熱処理をし厚さ2μmの微粒子含有層を形成
する以外は実施例1と同様にして透明導電性積層体を得
た。得られた結果を表1に示す。ここで、コーティング
用組成物Eの調整は、前記コーティング用組成物Aに、
平均粒子径2μmのシリカ粉体を0.4部添加し充分に
攪袢した。
【0081】[実施例8]コーティング用組成物Eに換
えて、コーティング用組成物Fを用い、50℃で1分間
予備乾燥し、次に160W/cmの高圧水銀ランプを用
いて、積算光量800mJ/cm2 の条件で紫外線を照
射して塗工膜を硬化させることにより、厚さ4μmの微
粒子含有層を形成した以外は、実施例7と同様にして透
明導電性積層体を得た。得られた透明導電性積層体の評
価結果を表1に示す。ここで、コーティング用組成物E
の調製にあたっては、前記コーティング用組成物Bに、
微粒子として5μmのアクリル粉体を0.2部添加し
た。
【0082】
【表1】
【0083】[比較例1]透明導電層と金属酸化物層の
間の層として、コーティング用組成物Gをマイクログラ
ビア方式により塗工し130℃2分間加熱処理をして得
られる厚さ2μmの層を形成した以外は実施例2と同様
にして透明導電性積層体を得た。評価結果を表2に示
す。ここで、コーティング用組成物Gの調製にあたって
は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(クラレ
(株)製エバール−F(エチレン共重合比32%))1
00部を、水720部、n−プロパノール1080部、
n−ブタノール100部の混合溶液に加熱溶解させ均一
溶液にしこれを室温まで放冷した後、これにレベリング
剤として東レダウコーニング社製SH30PAを0.1
部加えた。
【0084】[比較例2]金属酸化物層の上に積層する
層として、ポリビニルアルコール系高分子(日本合成化
学(株)製、ゴーセノールNM−11Q)を2μmを積
層した以外は実施例5と同様にして透明導電性積層体を
得た。評価結果を表2に示す。
【0085】[比較例3]微粒子含有層を形成するのに
用いるコーティング用組成物の調製において、平均粒子
径2μmのシリカ粉体を15部添加する以外は、実施例
7と同様にして透明導電性積層体を得た。評価結果を表
2に示す。 [比較例4]ポリカーボネートフィルムに透明導電層の
みを積層したときの評価結果を表2に示す。
【0086】
【表2】
【0087】
【発明の効果】このように、本発明によれば、透明性、
光学等方性、耐薬品性、ガスバリアー性、可とう性、層
間密着性に優れるという特徴に加え、表裏間の滑り性が
よく、フィルム基板を巻き取る際に凹凸状変形などを生
じず、後加工適正にも優れた透明導電性フィルムを提供
することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坪井 誠治 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社東京研究センター内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明樹脂基板(A)の少なくとも片面に
    アンカー層(B)、金属酸化物層(C)、耐溶剤性を有
    する保護層(D)が(A)、(B)、(C)、(D)の
    順で積層され、透明導電層が最外層に位置し、該透明樹
    脂基板と該透明導電層との間に少なくとも一層の該保護
    層が介在するように設けられている透明導電性積層体に
    おいて、該アンカー層、該保護層の少なくとも一層が下
    記一般式(1)で示されるエポキシ基を有するアルコキ
    シシランの(部分)加水分解物、その(部分)縮合物ま
    たはこれらの混合物、及び下記一般式(2)で示される
    アミノ基及び/またはイミノ基を有するアルコキシシラ
    ンの(部分)加水分解物、その(部分)縮合物またはこ
    れらの混合物の硬化層、又は下記一般式(1)で示され
    るエポキシ基を有するアルコキシシランの(部分)加水
    分解物、その(部分)縮合物またはこれらの混合物、及
    び下記一般式(2)で示されるアミノ基及び/またはイ
    ミノ基を有するアルコキシシランの(部分)加水分解
    物、その(部分)縮合物またはこれらの混合物とポリビ
    ニルアルコール系高分子との混合硬化層からなるケイ素
    含有層であることを特徴とする透明導電性積層体。 【化1】 (ここで、R1 は炭素数1〜4のアルキレン基、R2
    よびR3 は炭素数1〜4のアルキル基、Xはグリシドキ
    シ基またはエポキシシクロヘキシル基であり、nは1ま
    たは0である。) 【化2】 (ここで、R4 は炭素数1〜4のアルキレン基、R5
    よびR6 は炭素数1〜4のアルキル基、Yは水素原子ま
    たはアミノアルキル基であり、mは1または0であ
    る。)
  2. 【請求項2】 該透明樹脂基板の少なくとも片面に無機
    質及び/又は有機質の微粒子を含有する微粒子含有層が
    設けられていることを特徴とする請求項1に記載の透明
    導電性積層体。
  3. 【請求項3】 該微粒子の平均粒子径が0.5〜5μm
    であり、該微粒子含有層100重量部中に0.01〜5
    重量部の割合で含有する請求項2に記載の透明導電性積
    層体。
  4. 【請求項4】 該エポキシ基を有するアルコキシシラン
    が3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及び
    /又は2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
    トリメトキシシランである請求項1〜3のいずれかに記
    載の透明導電性積層体。
  5. 【請求項5】 該アミノ基及び/またはイミノ基を有す
    るアルコキシシランが3−アミノプロピルトリメトキシ
    シラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−
    アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−ア
    ミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラ
    ン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメ
    チルジメトキシシランからなる群から選ばれる少なくと
    も1種の化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の
    透明導電性積層体。
  6. 【請求項6】 該ポリビニルアルコール系高分子がエチ
    レン−ビニルアルコール共重合体である請求項1〜5の
    いずれかに記載の透明導電性積層体。
  7. 【請求項7】 該透明樹脂基板がポリカーボネート系樹
    脂からなる請求項1〜6のいずれかに記載の透明導電性
    積層体。
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