JP2001052530A - 透明導電性基板 - Google Patents

透明導電性基板

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JP2001052530A
JP2001052530A JP11226237A JP22623799A JP2001052530A JP 2001052530 A JP2001052530 A JP 2001052530A JP 11226237 A JP11226237 A JP 11226237A JP 22623799 A JP22623799 A JP 22623799A JP 2001052530 A JP2001052530 A JP 2001052530A
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JP
Japan
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transparent conductive
conductive substrate
substrate
transparent
group
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JP11226237A
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English (en)
Inventor
Toru Hanada
亨 花田
Isao Shiraishi
功 白石
Toshiaki Yatabe
俊明 谷田部
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Priority to DE69941114T priority patent/DE69941114D1/de
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温高湿環境下に長時間放置しても表示品位
の劣化が生じにくいフラットパネルディスプレイを与え
得る透明導電性基板を提供する。 【解決手段】 透明高分子基板(S)の少なくとも片面
の最表面に透明導電層(E)を積層した透明導電性基板
であって、該透明高分子基板(S)側の透明導電層
(E)と接している表面の、50℃30%RH環境下に
おける表面抵抗値をR 30とし、50℃95%RH環境下
における表面抵抗値をR95としたとき、表面抵抗値R30
が1.0×1013Ω/□以上であり、かつ表面抵抗値R
95が1.0×1012Ω/□以上であることを特徴とする
透明導電性基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明導電性基板に
関し、さらに詳しくは液晶表示素子、光導電性感光体、
面発光体、EL素子用などの透明電極基板として利用し
た際に高温高湿下に長時間放置しても信頼性に優れたフ
ラットパネルディスプレイを与える透明導電性基板に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示素子等のフラットパネル
ディスプレイ分野において、耐破損性の向上、軽量化、
薄型化の要望から、透明高分子からなるフィルム上に酸
化インジウム、酸化錫、或いは錫−インジウム合金の酸
化物等の半導体膜や、金、銀、パラジウム合金の酸化膜
等の金属膜、あるいは半導体膜と金属膜を組み合わせて
形成された透明導電層を設けてなる透明導電性基板を液
晶表示素子の基板として用いる検討が続けられている。
かかる基板には月刊LCD Intelligence
1997.4 pp81−85にも記載されているよ
うに、パネルの気泡発生に対する信頼性を向上させるた
めにガスバリヤー性が要求されている。また、パネルの
組立て工程において、電極のパターニングや配向膜の積
層、また各種洗浄工程において各種有機溶媒ならびに
酸、アルカリに対する耐薬品性が要求されている。ガス
バリヤー性の要求に対しては、従来、透明高分子基板に
ビニルアルコール系ポリマーや塩化ビニリデン系ポリマ
ーなどの有機系ガスバリヤー層や、酸化珪素や酸化アル
ミニウムなどの無機系ガスバリヤー層を積層する技術が
公知である。しかし、これら有機系ガスバリヤー層なら
びに無機系ガスバリヤー層の単一ならびに複合の積層で
は、従来用いられているガラス基板と同等のガスバリヤ
ー性を達成することは困難であり、特に、ガラス基板と
同等の水蒸気バリア性を達成することは極めて困難であ
る。そのため、このような基板を使用したパネルを高温
高湿環境下に長時間放置すると、液晶セル内部に水蒸気
が入り込み、画像にじみやクロストークといったパネル
の表示欠陥が発生しやすくなるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解決しようとするものであり、耐久性、耐薬品
性、ガスバリヤー性に優れ、しかも上記のような高温高
湿環境下に長時間放置しても表示品位の劣化が生じにく
いフラットパネルディスプレイを与え得る透明導電性基
板を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決すべく鋭意検討した結果、かかる問題点は透明
導電層の下地層の表面絶縁抵抗の湿度依存性と透明導電
性基板のガスバリヤー性を制御することにより解決で
き、高温高湿環境下に長時間放置しても表示品位の劣化
が生じにくいフラットパネルディスプレイとして有用な
透明導電性基板を与えることを見出し本発明を完成する
に至った。すなわち本発明は、透明高分子基板(S)の
少なくとも片面の最表面に透明導電層(E)を積層した
透明導電性基板であって、透明導電層(E)と接してい
る透明高分子基板(S)側の下層表面において、50℃
30%RH環境下における表面抵抗値をR30とし、50
℃95%RH環境下における表面抵抗値をR95としたと
き、表面抵抗値R30が1.0×1013Ω/□以上であ
り、かつ表面抵抗値R 95が1.0×1012Ω/□以上で
あることを特徴とする透明導電性基板である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の透明導電性基板は、透明高分子基板(S)と透
明導電層(E)とを含有する。
【0006】本発明における透明高分子基板(S)を構
成する材料としては、透明性、耐熱性が良い透明高分子
であれば特に限定しない。本発明の透明導電性基板を液
晶表示パネル用の透明電極基板として用いる場合には、
透明高分子基板(S)は、公知の測定装置を用いて測定
した波長590nmにおける複屈折の屈折率の差△nと
膜厚dとの積△n・dで表されるリターデーション値が
30nm以下、かつ、遅相軸のバラツキが±30度以内
の光学等方性を有するフィルムまたはシート、さらに好
ましくはリターデーション値が20nm以下、かつ、遅
相軸のバラツキが±15度以内の高度の光学等方性を有
するフィルムまたはシートがよい。このような透明高分
子としては、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスルホン、ポリエー
テルスルホン、ポリアリルスルホン等のポリスルホン系
樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルローストリアセテー
ト等のアセテート系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、各
種熱硬化樹脂等が好ましい。なかでも、上記透明性、耐
熱性、及び光学異方性が比較的少ないという観点から、
ポリカーボネート系樹脂を主成分とするフィルムまたは
シートがより好ましい。そして、ポリカーボネート系樹
脂は、流延法によって得られるものが表面の平坦性に優
れ、光学的等方性に優れることから特に好適である。
【0007】ポリカーボネート系樹脂の例としては、ビ
スフェノール成分がビスフェノールAであるポリカーボ
ネート樹脂、ならびに、ビスフェノール成分がビスフェ
ノールAと下記式[I]からなるポリカーボネート樹脂
が挙げられる。
【0008】
【化1】 ここで、R1、R2、R3およびR4は同一または異な
り水素原子あるいはメチル基であり、Xは炭素数5〜1
0のシクロアルキレン基、炭素数7〜15のアラアルキ
レン基、炭素数1〜5のハロアルキレン基である。
【0009】Xの具体例は、シクロアルキレン基として
1,1−シクロペンチレン、1,1−シクロヘキシレ
ン、1,1−(3,3,5−トリメチル)シクロヘキシ
レン、ノルボルナン−2,2−ジイル、トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン−8、8’−ジイル、特
に原料の入手のし易さから1,1−シクロヘキシレン、
1,1−(3,3,5−トリメチル)シクロヘキシレン
が好適に用いられる。また、アラアルキレン基として
は、フェニルメチレン、ジフェニルメチレン、1,1−
(1−フェニル)エチレン、9,9−フルオレニレンが
挙げられる。またハロアルキレン基としては、2,2−
ヘキサフルオロプロピレン、2,2−(1,1,3,3
−テトラフルオロ−1,3−ジシクロ)プロピレン等が
好適に用いられる。これらは一種でもよいし二種以上で
もよい。
【0010】該透明高分子基板(S)の厚さは0.01
〜1.0mmの範囲が好ましい。厚さが0.01mmよ
りも小さいと充分な剛性がなくパネル加工時に変形しや
すく取り扱いが難しい。また、1.0mmよりも大きい
と変形は生じにくくなるが、ロール・ツー・ロール方式
による透明導電層の形成が困難になり生産性が低下す
る。
【0011】該透明高分子基板(S)の少なくとも片面
に接するようにして透明導電層(E)を積層する場合
は、50℃95%RH環境下で1×1012Ω/□以上の
表面抵抗を有する透明高分子基板を用いる必要がある。
50℃95%RH環境下における表面抵抗が1×1012
Ω/□未満の透明導電性基板を用いて液晶パネルを作製
した場合、パネルの高温高湿耐久試験にて表示にじみや
クロストークといったパネルの表示欠陥が発生しやすく
なる。こうした問題は、本発明の透明導電性基板の透明
導電層を除去した基板の水蒸気透過度が大きい基板ほ
ど、高温高湿下で表面抵抗がより高い透明高分子基板を
用いる必要がある。
【0012】本発明における透明導電層(E)として
は、公知の金属膜、金属酸化物膜等が適用できるが、中
でも、透明性、導電性、機械的特性の点から、金属酸化
物膜が好ましい。例えば、不純物としてスズ、テルル、
カドミウム、モリブテン、タングステン、フッ素、亜
鉛、ゲルマニウム等を添加した酸化インジウム、酸化カ
ドミウム及び酸化スズ、不純物としてアルミニウムを添
加した酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物膜が挙げら
れる。中でも酸化スズを2〜15重量%含有した酸化イ
ンジウム(ITO)の薄膜が、透明性、導電性が優れて
おり、好ましく用いられる。上記透明導電層(E)の膜
厚は目的の表面抵抗に応じて設定されるが、1nm〜1
0μmが好ましい。
【0013】本発明の透明導電性基板を液晶表示素子用
の電極基板として用いる場合は、上記透明高分子基板の
少なくとも一方の面に少なくとも一層の有機系または無
機系のガスバリヤー層(B)を積層することが好まし
い。有機系のガスバリヤー層(B)の具体的な例として
は、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール−エチレ
ン共重合体等のビニルアルコール系高分子、ポリアクリ
ロニトリル、アクリロニトリル−アクリル酸メチル共重
合体やアクリルニトリル−スチレン共重合体などのアク
リロニトリル系高分子、あるいはポリ塩化ビニリデンな
どのポリマーが挙げられる。これらのガスバリヤー層は
通常、これらポリマーを溶剤に溶かしたコーティング組
成物を、透明高分子基板(S)上のに湿式塗工すること
により形成される。塗工方法としては、例えばリバース
ロールコート法、マイクログラビアコート法、ダイレク
トグラビアコート法、キスコート法、ダイコート法等の
公知の方法が用いられる。また、適当な有機溶媒で樹脂
組成物の希釈を行うことにより、塗液粘度の調製や層の
膜厚調製が可能である。
【0014】また、無機系のガスバリヤー層としては、
珪素、アルミニウム、マグネシウムおよび亜鉛からなる
群から選ばれる1種または2種以上の金属を主成分とす
る金属酸化物または金属窒化物を挙げることができる。
これらは、ガスバリヤー性に優れている材料として知ら
れているものである。これら酸化物の層は例えばスパッ
タ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマ
CVD法等の気相中より材料を堆積させて膜形成する気
相堆積法により作製することができる。
【0015】この中でも、ガスバリヤー性、透明性、表
面平滑性、屈曲性、膜応力、コスト等の点から珪素原子
数に対する酸素原子数の割合が1.5〜2.0の珪素酸
化物を主成分とする金属酸化物が良好である。
【0016】珪素酸化物の珪素原子数に対する酸素原子
数の割合は、X線光電子分光法、X線マイクロ分光法、
オージェ電子分光法、ラザホード後方散乱法などにより
分析、決定される。この割合が1.5よりも小さくなる
と、透明性が低下することから、1.5〜2.0が好ま
しい。更により高い透明性の要求に対してはフッ化マグ
ネシウムを全体の重量に対して5〜30重量%含有して
なる、上記の珪素酸化物が好ましい。
【0017】有機系のガスバリアー層ならびに無機系の
ガスバリアー層の膜厚は、本発明の透明導電性基板から
透明導電層を除去した後の基板の40℃90%RH環境
下における酸素透過度を1cc/m2/day/atm
以下かつ水蒸気透過度を1g/m2/day以下になる
ように、使用する材料に応じて膜厚を調整することがよ
り好ましいが、通常1nm〜50μmの範囲である。
【0018】かかるガスバリアー層は、(S)と(E)
との間にあってもよく、(E)と反対側にあってもよ
い。また(S)や(E)と接していてもいなくてもよ
い。
【0019】本発明の透明導電性基板は、耐薬品層
(A)を有することができる。かかる耐薬品層(A)と
しては、耐薬品性、透明性、良好な層間密着性を有する
必要があり、例えば、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹
脂、紫外線硬化性アクリル系樹脂等の放射線硬化性樹
脂、ビニルアルコール系ポリマーとエポキシ基含有珪素
化合物ならびにアミノ基含有珪素化合物等の珪素含有化
合物とを混合して加熱し架橋反応させて得られる熱硬化
性珪素含有ビニルアルコール系樹脂、シロキサン系樹
脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド樹脂等
を挙げることができる。
【0020】エポキシ系樹脂は耐溶剤性の観点からノボ
ラック型のエポキシ樹脂が好ましい。かかるエポキシ系
樹脂を硬化させる硬化剤としては、公知の物が適用でき
る。例えば、アミン系、ポリアミノアミド系、酸及び酸
無水物、イミダゾール、メルカプタン、フェノール樹脂
等の硬化剤が用いられる。
【0021】なかでも、耐溶剤性、光学特性、熱特性等
より、酸無水物及び酸無水物構造を含むポリマーまたは
脂肪族アミン類が好ましく用いられ、更に好ましくは酸
無水物及び酸無水物構造を含むポリマーである。
【0022】さらに、反応速度を上げるために公知の第
三アミン類やイミダゾール類等の硬化触媒を適量加える
ことが好ましい。
【0023】放射線硬化性樹脂は、紫外線や電子線等の
放射線を照射することにより硬化が進行する樹脂を指
し、具体的には分子あるいは単体構造内にアクリロイル
基、メタクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を
含む樹脂のことである。これらの中でも特に反応性の面
から、アクリロイル基を含むアクリル系樹脂が好まし
い。該放射線硬化性樹脂は一種類の樹脂を用いても、数
種の樹脂を混合して用いてもかまわないが、耐溶剤性の
観点から分子あるいは単位構造内に2個以上のアクリロ
イル基を有する多官能アクリレート成分を有するアクリ
ル系樹脂を用いることが好ましい。こうした多官能アク
リレート樹脂としては、例えばジペンタエリスリトール
ペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート等の各種アクリレート
モノマーや、ポリエステル変性もしくはウレタン変性の
多官能アクリレートオリゴマー等が挙げられるが、これ
らに限定されるのではない。
【0024】この様な放射線硬化性樹脂として、特にア
クリル系樹脂を用いた場合、更なる密着性、耐溶剤性を
付与する目的で下記式(1)および/または(2)で表
されるアルコキシシランの加水分解物を固形分の重量比
率で75重量%以下となる範囲内になるように混合し
た、紫外線硬化性珪素含有アクリル系樹脂が好適であ
る。
【0025】
【数1】R5−Si(OR63 (1) Si(OR64 (2) 上記式において、R5はメチル基、エチル基もしくはビ
ニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アミノ
基、エポキシ基を含む有機基、R6はメチル基、エチル
基、プロピル基を示す。該アルコキシシランの混合比率
が75重量%を超えると逆に耐溶剤性、硬化性が低下す
る傾向がみられ好ましくない。
【0026】紫外線硬化法を用いる場合には、前述の放
射線硬化性樹脂に公知の光反応開始剤を適量添加する。
例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−
(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプ
ロパン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、
ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベ
ンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸のベンゾフェノン系
化合物、チオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサン
ソン等のチオキサン系化合物が挙げられる。また、より
硬化性を向上するためには、トリエタノールアミン、メ
チルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸
エチル等の公知の反応開始助剤を適量添加することも効
果的である。
【0027】熱硬化性珪素含有ビニルアルコール系樹脂
は、ポリビニルアルコール系ポリマーと、珪素含有化合
物とを含む硬化性樹脂を好ましく用いることができる。
特に、珪素含有化合物としてエポキシ基含有珪素化合物
および/またはアミノ基含有珪素化合物を用いると、密
着性、耐薬品性が非常に優れるのでより好適である。こ
こでポリビニルアルコール系ポリマーは、公知の市販の
ものが適用でき、例えばビニルアルコール成分およびビ
ニルアルコール共重合体成分よりなる群から選ばれた少
なくとも1種を50モル%以上含有する高分子が適用さ
れる。なお、このビニルアルコール共重合体としては、
例えばビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ビニル
アルコールビニルブチラール共重合体、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体、あるいは分子内にシリル基を有
するポリビニルアルコール系高分子等が挙げられる。
【0028】エポキシ基含有珪素化合物はエポキシ基及
びアルコキシシリル基を有する珪素化合物、その(部
分)加水分解物、その(部分)縮合物、及びこれらの混
合物からなる群から選ばれ、例えば下記式(3)で表さ
れる。
【0029】
【数2】 X−R7−Si(R8n(OR93-n (3) ここで、R7は炭素数1〜4のアルキレン基、R8及びR
9は炭素数1〜4のアルキル基、Xはグリシドキシ基ま
たはエポキシシクロヘキシル基であり、nは0または1
である。
【0030】特に好ましいエポキシ基含有珪素化合物と
しては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシランである。これらの化合物は単独で用い
ても、2種以上を併用してもよい。
【0031】アミノ基含有珪素化合物はアミノ基及びア
ルコキシシリル基を有する珪素化合物、その(部分)加
水分解物、その(部分)縮合物、及びこれらの混合物か
らなる群から選ばれ、例えば下記式(4)で表される。
【0032】
【数3】 Y−HN−R10−Si(R11m(OR123-m (4) ここで、R10は炭素数1〜4のアルキレン基、R11及び
12は炭素数1〜4のアルキル基、Yは水素原子または
アミノアルキル基であり、mは0または1である。
【0033】この中で特に好ましいアミノ基含有珪素化
合物は3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、N−メチル−3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピル
メチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−ア
ミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシ
ランである。これらの化合物は単独で用いても、2種以
上を併用してもよい。
【0034】なお、本発明におけるエポキシ基含有珪素
化合物ならびにアミノ基含有珪素化合物の(部分)加水
分解物及びその(部分)縮合物は、上述のエポキシ基含
有珪素化合物ならびにアミノ基含有珪素化合物の一部ま
たは全部が加水分解したもの、該加水分解物の一部又は
全部が縮合反応した縮合物、及び該縮合物と加水分解し
ていない原料のエポキシ基含有珪素化合物ならびにアミ
ノ基含有珪素化合物とが縮合したものであり、これらは
いわゆるゾルゲル反応させることにより得られるもので
ある。
【0035】エポキシ基含有珪素化合物とアミノ基含有
珪素化合物の混合比率は、エポキシ基モル当量換算量
A、アミノ基モル当量換算量Bの比率で1/6<A/B
<6/1の範囲内が好ましい。混合比がこの範囲から外
れる場合、密着性、耐熱性、耐溶剤性、耐水性、耐久性
が低下する。この様なエポキシ基含有珪素化合物とアミ
ノ基含有珪素化合物の混合物をポリビニルアルコール系
ポリマーに混合するに際し、硬化後の固形分の重量比率
で20重量%以上となるように混合する。20重量部よ
りも少ない場合は、耐水性、耐薬品性に劣る。なお、該
熱硬化性珪素含有ビニルアルコール系樹脂は、前述の無
機系のガスバリヤー層に接して積層すると、ガスバリア
性がいっそう向上するので好ましい。
【0036】シロキサン系樹脂としては、下記式(5)
で表される有機ケイ素化合物ないしはその加水分解物を
いわゆるゾルゲル反応させることにより得られるものが
好ましい。
【0037】
【数4】R13 a14 bSiX4-a-b (5) ここで、R13は炭素数1〜10の有機基であり、 R14
は炭素数1〜6の炭化水素基またはハロゲン化炭化水素
基であり、Xは加水分解性基であり、aおよびbは0ま
たは1である。上記式(5)で示される有機ケイ素化合
物の例としては、例えばテトラメトキシシラン、テトラ
エトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリエトキシシラン、アミノメチルトリエトキシシラ
ン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N−アミノメチル−3
−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミ
ノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシ
シラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン等が挙げられる。これらの化合物は単
独で又は2種以上を併せて用いることができる。中で
も、前記式(3)のエポキシ基含有珪素化合物と前記式
(4)のアミノ基含有珪素化合物との混合物が好適であ
る。ここで、エポキシ基含有珪素化合物とアミノ基含有
珪素化合物の混合比率は、エポキシ基モル当量換算量
A、アミノ基モル当量換算量Bの比率で55/45<A
/B<95/5の範囲内で用いることが、耐薬品性、層
間密着性、高温高湿下での表面絶縁抵抗の点で好まし
い。
【0038】上記の耐薬品層(A)は、透明高分子基板
の少なくとも一方の面に設けられるが、透明導電層
(E)の下層(透明高分子基板側に接する層)として該
耐薬品層(A)がある場合は、50℃30%RH環境下
で1.0×1013Ω/□かつ50℃95%RH環境下で
1.0×1012Ω/□以上の表面抵抗を有する必要があ
る。透明導電層の下地の層の50℃95%RHにおける
表面抵抗が1×1012Ω/□未満以下の透明導電性基板
を用いて液晶パネルを作製した場合、パネルの高温高湿
耐久試験にて表示にじみやクロストークといったパネル
の表示欠陥が発生しやすくなる。こうした問題は、本発
明の透明導電性基板の透明導電層を除去した基板の水蒸
気透過度が大きい基板ほど、高温高湿環境下での表面抵
抗がより高い耐薬品層を用いる必要がある。さらには、
TNやSTN等の液晶パネルを作製する際には、高温高
湿下における該耐薬品層の表面抵抗は、液晶パネルに使
用する配向膜の高温高湿下における表面抵抗よりも高く
することがより好ましい。
【0039】該耐薬品層(A)は、耐薬品層の有する極
性基、吸水性、イオン性不純物をできるだけ低減させる
ことが好ましい。水酸基、アミノ基、アミド基、カルボ
ニル基等の極性基が多く、吸水性が高く、イオン性不純
物の汚染が多くなるほど、表面抵抗の低下が著しくな
る。ただし、ある程度の極性基が存在しないと、透明導
電性基板の層間密着性が確保できなくなる。吸水性につ
いては、耐薬品層の構造や製膜条件により変化し、高密
度に架橋しているものがより好ましい。熱硬化性樹脂を
用いる場合は、生産性の観点から短時間の熱処理で十分
な特性が得られる耐薬品層がより好ましい。また、イオ
ン性不純物等の汚染については、耐薬品層の原料の精製
は勿論のこと透明導電性基板の製造工程での汚染をでき
るだけ低減させる必要がある。また、特に高周波駆動に
より表示を行う液晶パネルに対しては耐薬品層の誘電率
をできるだけ低くすることがより好ましい。
【0040】透明導電層の下地となる下層の表面抵抗の
測定方法としては、例えば、透明導電層をパターニング
加工して櫛歯状の電極を形成し、微少電流測定装置等に
より測定することができる。上記の櫛歯電極法の測定値
の精度は、ASTM D 257に記載されている方法
に準拠した測定装置、例えばKEITHLEY製の80
09 RESISTIVITY TEST FIXTU
REとKEITHLEY社の絶縁抵抗計/エレクトロメ
ータ 6517A型で測定した値と比較して判定でき
る。ただし、櫛歯電極を形成する際のエッチング処理条
件の違いなどによっては、櫛歯電極法で測定した表面抵
抗とASTM D 257に準拠した方法では、測定値
に差が生じ易くなるため、測定の際にはエッチング条件
をそろえるなどの注意が必要である。また、櫛歯電極法
により表面抵抗を測定する際の注意事項として、透明導
電層の抵抗が極端に高い場合は、透明導電層の抵抗成分
が測定値に影響を及ぼすため、200Ω/□以下のシー
ト抵抗を持つ透明導電層を使用することがより好まし
い。さらに、透明導電層の抵抗成分による影響を少なく
するために、櫛歯電極の長さを極端に長く、かつまた
は、櫛形電極の電極幅を極端に狭くすることは好ましく
ない。櫛歯電極として好ましい形状としては、例えば図
1に示すものである。
【0041】また、本発明の透明電極基板は、該透明導
電層(E)が接する下地の面の50℃30%RH環境下
における表面抵抗値をR30とし、50℃95%RH環境
下における表面抵抗値をR95とし、この表面抵抗値の5
0℃95%RH環境下における表面抵抗値の経時安定性
を次のようにして測定した。測定に用いた治具を図2に
示す。図1に示したパターン加工した透明導電層の面
(内面という)を、体積が3.5×10-53程度のカ
ップ本体fの内側にセットする。こうしてかかるカップ
本体fでその内面を密閉し、透明電極基板の内面と反対
側の面(外面)のみを、50℃95%RH環境下に1時
間以上放置する。
【0042】本発明の透明電極基板は、透明導電層の下
地の面の表面抵抗値をRとしたとき、下記式
【0043】
【数5】R>(R30+R95)/10 であることが好ましい。このような透明導電性基板を液
晶表示パネルの電極基板として利用した場合に、高温高
湿下に長時間放置しても信頼性に優れたパネルが得られ
る。1時間放置したとき、10時間放置したとき、10
0時間放置したとき、1000時間放置したときのRを
それぞれRa、Rb、Rc、Rdとすると、下記式
【0044】
【数6】Ra>(R30+R95)/10 であることがより好ましく、下記式
【0045】
【数7】Rb>(R30+R95)/10 であることがさらにより好ましく、下記式
【0046】
【数8】Rc>( R30+R95)/10 であることがいっそう好ましく、下記式
【0047】
【数9】Rd>( R30+R95)/10 であることが特に好ましい。
【0048】かかる本発明の透明導電性基板は、前記の
透明高分子基板(S)、透明導電層(E)、ガスバリア
ヤー層(B)、耐薬品層(A)を用いて、例えば(E)
/(A)/(S)/(B)/(A)、(E)/(A)/
(S)/(A)/(B)/(A)、(E)/(A)/
(B)/(S)/(B)/(A)、(E)/(A)/
(B)/(A)/(S)/(B)/(A)、(E)/
(A)/(B)/(A)/(S)/(A)/(B)/
(A)の層構成で積層されるのが好ましい。
【0049】なお、本発明の効果を低下させない範囲内
で、各層間の密着性を強化するための各種アンダーコー
ト層の積層等の化学処理、あるいはコロナ処理、プラズ
マ処理、UV照射等の物理的処理法をおこなってもよ
い。また、本発明の透明導電性基板をフィルムロール状
で取り扱う場合は、透明導電層が積層された面と反対の
面にフィルムに滑り性を付与する層を設けたりあるい
は、ナーリング処理も有効である。
【0050】
【発明の効果】本発明の透明導電性基板は、透明性、光
学等方性、耐薬品性、ガスバリアー性に優れ、しかも高
温高湿環境下に長時間放置しても表示品位の劣化が生じ
にくい液晶パネルを与え得る透明導電性基板として極め
て有用である。
【0051】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、かかる実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例中、部および%は、特に断ら
ない限り重量基準である。また、実施例中における各種
の測定は、下記のとおり行った。
【0052】透明性:通常の分光光度計を用い波長55
0nmの平行光線の光線透過率を測定した。また、日本
電色製COH−300Aを用いてヘイズ値(△H%)を
測定した。
【0053】光学等方性:日本分光製の多波長複屈折率
測定装置M−150を用い、波長590nmの光に対す
るリタデーション値を測定した。
【0054】耐アルカリ性:25℃の3.0%NaOH
水溶液に10分間浸漬し、流水にて十分洗浄を行った
後、乾燥させ、外観を目視して観察した。
【0055】耐NMP性:25℃のNMPに5分間浸清
後、水洗し外観変化をみた。
【0056】酸素バリア性: 酸素透過度を、MOCO
N社製オキシトラン2/20MLを用いて、30℃90
%RHの環境下で測定した。なお、本試験は、透明導電
層を積層する前の中間積層体で行った。
【0057】水蒸気バリア性:MOCON社製、パーマ
トランW1Aを用いて、40℃、90℃%RH雰囲気下
における水蒸気透過度を測定した。
【0058】表面抵抗:透明導電性基板における透明
導電層の下地の表面抵抗を測定するため、透明導電性基
板の透明導電層をエッチングにより完全に除去したサン
プルの50℃30%RHの表面抵抗R30ならびに50℃
95%RHにおける表面抵抗R95を、KEITHLEY
製の8009 RESISTIVITY TESTFI
XTUREとKEITHLEY製の6517A型とを用
いて測定した。
【0059】表面抵抗:透明導電性基板の透明導電層
の下地の表面抵抗を測定するため、透明導電層をフォト
リソグラフィー法によりパターニング加工し図1に示し
たパターンを作成した。パターニング加工は、フォトレ
ジストにクラリアントジャパン(株)製のフォトレジス
ト、AZ TPM−606(18CP)をスピンコート
法によって塗布した後、ホットプレート上で100℃で
90秒間乾燥させた。次に櫛歯電極形成用のフォトマス
クを用い280mJの紫外線を照射した。さらに0.7
5wt%の水酸化ナトリウム水溶液に60秒間つけ現像
し、水で洗浄した。さらに現像後の透明導電性基板を
3.5%の塩酸、第二塩化鉄水溶液に浸漬させてエッチ
ングし、イオン交換水で十分に洗浄した。最後にパター
ニングの終了した基板を120℃で1hr乾燥した。こ
のように櫛歯電極を加工した透明導電性基板を用いて、
透明導電層の下地の50℃30%RHにおける表面抵抗
30ならびに50℃95%RHにおける表面抵抗R
95を、北斗電工社(株)製の電気化学測定装置、HZ−
3000・HAG−1512μを用いてサイクリックボ
ルタンメトリーモードにより測定した。測定条件は、走
引電圧−5Vから5Vの三角波、走引速度0.5V/秒
で2サイクル繰り返した。測定は2サイクル目の電流−
電圧プロットから最小二乗法によって得られる直線の傾
きの逆数を抵抗(R’)とし、表面抵抗(R)は下記式
(6)から算出した。
【0060】
【数10】 R=R’×電極間隔数×電極長さ/電極間距離 (6) 表面抵抗:表面抵抗で記載した櫛歯電極加工を施し
た透明導電性基板を用い、すでに述べたように、図2に
示したような容積が3.5×10-53の治具を用いて
行った。透明導電層が積層されている面を外気から遮断
して、つまりパターン加工した透明導電層面を外気に直
接触れないように容器の内側にして、50℃95%RH
環境下で1時間〜100時間放置したときの透明導電層
の下地の面の表面抵抗Ra〜Rbを測定した。
【0061】液晶パネル信頼性:本発明の透明導電性基
板の透明導電層にフォトリソグラフィー法により160
×100ドット用の表示電極を形成し、さらに電極面に
1000Åの配向膜を形成し、ツイスト各が220°と
なるようにラビング処理を施した。次いで6.5μmの
プラスチックビーズをギャップ剤として電極面のうち面
に分散密度150個/mm2となるように分散し、エポ
キシ接着剤により電極面を内側にして2枚の基板を貼り
合せてセルを作製した。次いで、このセルにカイラルネ
マチック液晶を含有するネマチック液晶を注入した後、
加圧法によりセルギャップを均一化し、注入口を封入し
た。次にセルの両側に偏光板を貼り液晶パネルを得た。
こうして得られた液晶パネルを60℃90%RH環境下
に250hr放置し、気泡発生の有無ならびに消費電力
低下の有無を調べた。
【0062】[実施例1]ビスフェノール成分がビスフ
ェノールAのみからなる平均分子量37,000のポリ
カーボネート樹脂を、メチレンクロライドに20重量%
溶解した。そしてこの溶液をダイコーティング法により
厚さ175μmのポリエステルフィルム上に流延した。
次いで、乾燥炉で残留溶媒濃度を13重量%とし、ポリ
エステルフィルムから剥離した。そして、このポリカー
ボネートフィルムを温度120℃の乾燥炉中で、縦横の
張力をバランスさせながら、残留溶媒濃度が0.08重
量%になるまで乾燥した。
【0063】こうして得られたポリカーボネートフィル
ム(S1)は、厚みが102μmで、DSCにより測定
したTgが150℃であった。
【0064】ついで、このポリカーボネートフィルムの
一方の面上に、10重量%のフッ化マグネシウムを添加
した珪素酸化物を蒸着源とし、真空度67mPa下で真
空蒸着する事によって、厚さ100nmのフッ化マグネ
シウム含有酸化珪素層(B1)を積層した。この珪素酸
化物はSiOxの平均組成でxはおよそ1.7であっ
た。
【0065】引き続いてこのフッ化マグネシウム含有酸
化珪素層(B1)の表面に、以下のように耐薬品層(A
1)を積層した。
【0066】エチレンビニルアルコール共重合体として
クラレ(株)製EVAL−F(エチレン共重合比32モ
ル%)100重量部を、水720重量部、2−プロパノ
ール1080重量部の混合溶媒に加熱溶解させ、均一溶
液を得た。この溶液にレベリング剤として東レダウコー
ニング社製SH30PAを0.1重量部、酢酸62.4
重量部を加えた後、2−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリメトキシシラン85.8重量部と3−
アミノプロピルトリメトキシシラン62.4重量部を順
次加えて3時間攪拌し、塗液(イ)を得た。
【0067】この塗液(イ)をマイクログラビアロール
コーティング法を用いてコーティングし、130℃3分
熱処理を行い、厚さ2μmの耐薬品層(A1)を形成し
た。
【0068】さらに、水720重量部、2−プロパノー
ル1080重量部の混合溶媒に、酢酸46重量部を加え
た後、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン720重量部と3−アミノプロピル
トリメトキシシラン93重量部を順次加えて3時間攪拌
し、塗液(ロ)を得た。
【0069】この塗液(ロ)をポリカーボネートフィル
ムのフッ化マグネシウム含有酸化珪素層、ならびに耐薬
品層(A1)を設けた面と反対の面上にマイクログラビ
アロールコーティング法を用いてコーティングし、13
0℃3分熱処理を行い、厚さ2μmの耐薬品層(A2)
を形成した。
【0070】最後に、耐薬品性層(A2)上にマグネト
ロンスパッタ法により厚さ120nmのITO膜からな
る透明導電層(E1)を設けることにより透明導電性基
板を得た。
【0071】この透明導電性基板の各種評価を行った結
果は後掲の表1に示したように良好であった。
【0072】[実施例2]実施例1に記載の(S1)の
両面に耐薬品層(A2)を積層し、次いで一方の(A
2)上に、DCマグネトロンスパッタリング法により厚
さ30nmのSiO2膜(B2)を積層し、さらにこの
上に耐薬品層(A1)を積層した以外は、実施例1と同
様にして透明導電性基板を得た。
【0073】この透明導電性基板の各種評価を行った結
果は表1に示したように良好であった。
【0074】[比較例1]実施例1のガスバリヤー層
(B1)を積層しない以外は、実施例1と同様にして透
明導電性基板を得た。この透明導電性基板の各種評価を
行ったところ、液晶パネル信頼性試験においても気泡の
発生が認められた。
【0075】[比較例2]比較例1の耐薬品層(A1)
に変えて、JSR製のUV硬化性樹脂デソライトZ75
01を用い4μmの耐薬品層(A3)を積層した以外
は、比較例1と同様にして透明導電性基板を得た。な
お、Z7501は、高圧水銀灯により窒素雰囲気下で
0.32J/cm2の照射強度にて硬化を行った。この
透明導電性基板の各種評価を行ったところ、液晶パネル
の60℃90%RH信頼性試験において、消費電流の上
昇が認められた。
【0076】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の表面抵抗および表面抵抗におい
て、抵抗を測定するための櫛形電極のパターン図。
【図2】実施例の表面抵抗において、抵抗を測定する
ための治具。(展開図)
【符号の説明】
a 透明導電性基板固定治具用ネジ b 透明導電性基板固定治具 c 透明導電性基板 d 櫛形加工ITO電極 e Oリング f 片面透湿カップ本体 g BNCコネクター 1a ITO電極長さ(36mm) 1b ITO電極線幅(300μm) 1c 電極間距離(40μm)
フロントページの続き (72)発明者 谷田部 俊明 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社東京研究センター内 Fターム(参考) 2H090 HA04 HB02X HB14X HB18X HD02 JB03 JC07 LA01 4F100 AA05C AA17C AA17E AA20C AH06D AK01A AK01D AK21D AK45A AR00B AR00C AR00D AR00E BA02 BA03 BA04 BA07 BA10A BA10C BA10D BA10E EH66C EH66E GB41 JB01D JB13D JD02C JD03 JD04 JG01B JG01E JG04A JN01A JN01B JN01E YY00 YY00A 5C094 AA33 AA38 EB02 FB01 GB10 5G307 FA02 FB01 FB02 FC02 FC04 FC10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明高分子基板(S)の少なくとも片面
    の最表面に透明導電層(E)を積層した透明導電性基板
    であって、該透明高分子基板(S)側の透明導電層
    (E)と接している表面の、50℃30%RH環境下に
    おける表面抵抗値をR30とし、50℃95%RH環境下
    における表面抵抗値をR95としたとき、表面抵抗値R30
    が1.0×1013Ω/□以上であり、かつ表面抵抗値R
    95が1.0×1012Ω/□以上であることを特徴とする
    透明導電性基板。
  2. 【請求項2】 透明高分子基板(S)の少なくとも一方
    の片面側に、少なくとも一層のガスバリヤー層(B)が
    積層されていることを特徴とする請求項1記載の透明導
    電性基板。
  3. 【請求項3】 ガスバリヤー層(B)が金属酸化物から
    なることを特徴とする請求項2記載の透明導電性基板。
  4. 【請求項4】 透明高分子基板(S)の少なくとも一方
    の方面側に少なくとも一層の耐薬品層(A)が積層され
    ていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の透明導電性基板。
  5. 【請求項5】 耐薬品層(A)が少なくとも一種類の珪
    素化合物を含む熱硬化性樹脂からなり、該耐薬品層
    (A)上に接して透明導電層(E)が積層されているこ
    とを特徴とする請求項4に記載の透明導電性基板。
  6. 【請求項6】 40℃90%RH下における酸素透過度
    が1cc/m2/day/atm以下であり、かつ40
    ℃90%RH下での水蒸気透過度が1g/m 2/day
    以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載の透明導電性基板。
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