JP2002174290A - 配管の振動低減構造 - Google Patents

配管の振動低減構造

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JP2002174290A
JP2002174290A JP2000369556A JP2000369556A JP2002174290A JP 2002174290 A JP2002174290 A JP 2002174290A JP 2000369556 A JP2000369556 A JP 2000369556A JP 2000369556 A JP2000369556 A JP 2000369556A JP 2002174290 A JP2002174290 A JP 2002174290A
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Mitsuo Sugiyama
光雄 杉山
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1の主たる目的は、錘の軽量化を図ること
ができ、かつ、複数の共振周波数を有する振動に対して
も制振効果がある配管の振動低減構造を提供すること。
また、第2の目的としては、構造が簡単で取り付けスペ
ースが小さく、かつ、外部からの水や塵芥の侵入に耐え
られる安価な配管の振動低減構造を提供することを目的
とする。 【解決手段】 配管1の外表面に対し隙間を有して環状
の錘3を取り付け、かつ、前記配管1に前記錘3を覆う
カバー5を設けたことを特徴とする配管の振動低減構造
を解決手段とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両などにおける
エンジンへの燃料供給配管や油圧ブレーキへの油供給配
管等で発生する振動を低減するための制振装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車などの車両においては、エンジン
の駆動や走行などによって振動が発生する。この振動が
激しいと、振動がドライバに伝わったり、こもり音が発
生したりしてドライバに不快感を与えるなどの弊害が生
じる。そこで、車両などには、配管の振動を低減するた
めの制振装置として、従来、マスダンパやダイナミック
ダンパ、あるいは制振材などが用いられている。
【0003】これら従来の配管の制振装置のうち、マス
ダンパとしては、例えば特開平10−082482号公
報に開示されており、これを図4(a)に示す。このマス
ダンパ100は、半円筒形状とした内側板102a,1
02bに接合用突出片103を設けて、前記接合用突出
片103同士をボルト104で締めつけることにより、
内側板102a,102bを振動伝達部材である配管1
01にクランプ止めできるようになっている。さらに前
記内側板102a,102bの外側に外側板105a,
105bを配置して固定し、内側板102a,102b
と外側板105a,105bとの端部間を図示しない閉
塞板で塞いで部屋106を形成している。そして、この
部屋106の中に流動物107を内蔵させて質量を増加
させ、配管系の質量を変えて配管の固有振動数を変化さ
せて制振するものである。しかし、このマスダンパ10
0は、充分な振動低減効果を得るためには錘となる流動
物107の質量を増す必要があり、配管101へ取り付
ける場合の取り付けスペースや取り付け場所が制限され
るという問題や車体重量が増加してしまうという問題が
あった。
【0004】また、ダイナミックダンパとしては、例え
ば特開平9−196096号公報に開示されており、こ
れを図4(b)に示す。このダイナミックダンパ200
は、半割れ状に作られていて、制振対象配管201の外
周部で一体化され、中心部に形成された円孔によって同
配管を保持する固定治具202、半割れ状に作られて前
記固定治具202の外周部において一体化されて円環状
をなす錘203、及び上記固定治具202と錘203と
の間に介装されたゴム製ブロック204から主要部が構
成されている。しかし、このダイナミックダンパ200
は、ゴムのばね定数と錘203の質量とにより制振する
ものであるが、制振できる振動周波数が特定されるた
め、複数の共振周波数を有する振動を低減するのには有
効でないという問題があった。また、錘を重くする必要
があるという問題もあった。
【0005】さらに、制振材としては、例えば特開平8
−291889号公報に開示されており、これを図4
(c)に示す。この制振材300は、振動伝達部材であ
る配管301に単層または複数層に振動を吸収する吸振
シート材料302(比較的比重の高い材料)を貼着したも
のであるが、ある程度広い面積に貼着しないと制振効果
がない上、振動低減作用が温度に依存するので、重量が
嵩むことや温度によって制振効果が低下するという問題
があった。
【0006】また、車両用の制振装置として、例えば先
の国際出願(PCT/JP98/05530)では、図
5に示すような制振装置が開示されている。この制振装
置400は、図5(a)乃至(c)に示すような内部空
間を有する樹脂製のハウジング401と、ハウジング4
01の内部空間に非接着で隙間sを有する状態に収納さ
れた充填材402とから主要部が構成され、振動を低減
する必要のある振動伝達部材405に取り付けられる。
前記ハウジング401は、略一定の径の円筒状に形成さ
れた本体部401aと、前記本体部401aの外周面よ
り脚状に延出する一対の取り付け座部403b,403
bと、前記本体部401の両端に夫々振動溶着により接
合されて開口を封止する栓部材404,404とから形
成されている。また、前記充填材402は、前記振動伝
達部材405に固定されるハウジング401の内部空間
に隙間sを有して非接着状態で挿入され、少なくとも一
部弾性体からなるように構成されている。ここで、ハウ
ジング401と充填材402の間の隙間sは極めて狭い
ものである。しかしながら、このように構成される制振
装置400は、 (1)それ自体配管の制振装置として適用できるもので
はなく、又、配管に取り付けるとなるとハウジング40
1と充填材402の数が増えてしまい制振装置がコスト
高になるという問題があった。 (2)また、ハウジング401内に一度水や塵芥が侵入
してしまうと、滑り摩擦や衝突による振動エネルギーの
損失効果が低減してしまうことや寒冷時に水が凍結して
ハウジング401そのものを破壊するという問題があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記課題を
解決するためになされたものであって、第1の主たる目
的は、錘の軽量化を図ることができ、かつ、複数の共振
周波数を有する振動に対しても制振効果がある配管の振
動低減構造を提供することを目的にする。また、第2の
目的としては、構造が簡単で取り付けスペースが小さ
く、かつ、外部からの水や塵芥の侵入に耐えられる安価
な配管の振動低減構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の請求項1に係る配管の振動低減構造の発明は、配管の
外表面に対し隙間を有して環状の錘を取り付けたことを
特徴とするものである。
【0009】請求項1の発明によると、従来のダイナミ
ックダンパは、ゴムのばね定数と錘の質量とにより制振
するためどうしても大きさが大きくなってしまうので、
振動低減が必要な部所へ制振装置を取り付けるのが困難
であったが、本発明の配管の振動低減構造は、配管の外
表面に対し隙間を有して環状の錘を取り付けたことによ
り、 (1)錘を配管の外表面と衝突させて振動エネルギーを
滑り摩擦や衝突に伴うエネルギーとして損失させるの
で、従来のダイナミックダンパよりも制振装置の大きさ
を小さくすることができる。従って、取り付けスペース
の制限を特に受けることなく制振装置の取り付けを簡単
に行うことができる。 (2)また、振動エネルギーを滑り摩擦や衝突に伴うエ
ネルギーとして損失させて制振するので、制振効果に対
する温度の影響を少なくすることができる。 (3)さらに、市販の環状の錘を使用することができる
ので省コスト化が図れる。 (4)また、配管の外表面に密接するように錘を設けた
場合よりも隙間を設けるようにした方が衝突によって失
う振動エネルギーを大きくすることができるので、制振
装置を配管に取り付けるときの取り付けスペースを従来
のダイナミックダンパよりも小さくすることができる。
【0010】請求項2に係る配管の振動低減の構造の発
明は、前記配管が、前記錘を覆うカバーが取り付けられ
た請求項1に記載の配管の振動低減構造である。
【0011】請求項2の発明によると、配管に錘を覆う
カバーを設けたことにより、外部から水や塵芥が前記錘
と前記配管の間に侵入するのを防止することができる。
従って、車両の床下等水や塵芥が多い場所の配管におい
ても制振機能を維持することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係る配管の振動低減構造
を車両の燃料供給系又は油圧供給系に使用する場合の実
施形態について図1を参照して説明する。図1(a)
は、本発明に係る配管の振動低減構造の第1実施形態を
示す正断面図、図1(b)は、図1(a)のA−A断面
図である。尚、第1実施形態の配管の振動低減構造は、
車両の車室外にある配管の振動を低減する場合に使用さ
れる。
【0013】本発明に係る第1実施形態の配管の振動低
減構造は、図1(a)及び図1(b)に示すように、内部
に流体が流れる配管1と、前記配管1を径方向に膨らま
せて設けた係止部2,2と、前記係止部2,2の間の配
管の外表面に対し隙間を有して取り付けられる環状の錘
3と、前記錘3の外側を囲繞し、前記配管1の外表面に
Oリング4を介して装着されるカバー5と、から主要部
が構成される。
【0014】配管1は、気体、液体、固体、プラズマ等
の流体が流れる管であり、形状は一般には円形が好まし
いが、管であれば多角形等他の形状であってもよい。
【0015】係止部2,2は、配管1の外周面に形成さ
れる2つの突起部2a,2aとその間に設けられる1つ
の凹部2bとから形成される。係止部2,2を設けるこ
とにより、錘3が軸方向へ外れるのを阻止することがで
きる。尚、係止部2,2は、図1では、2つしか示して
いないが、必要に応じて配管1の外表面に複数個所設け
てもよい。また、係止部2,2は、配管1とは別の部品
を配管1に固定して形成するようにしても良い。又、他
の係止部2,2としては、配管1の近くに配設された車
体の突起物により、配管1の外周面と隙間を有して設け
られた環状の錘3を、軸方向の両側から隙間を有して挟
みこむようにして形成してもよい。
【0016】錘3は、形状が環状をなしており、通常、
金属(例えば鉄)から構成される。金属としては、鉄よ
りも比重の大きい鉛等を使用すれば取り付けスペースの
省スペース化を図ることができる。錘3は、配管1の外
周面と隙間sp1を有して取り付けられる。軸方向の両
端は、配管1の突起部2a,2aに係止される。また、
配管1を伝わってくる振動エネルギーが錘3に伝達し
て、錘3が静止している状態から振動している状態とな
り、配管1の外表面と錘3とが径方向に衝突したときに
騒音や異音の発生が強い場合は、必要に応じて錘3の表
面に緩衝部材(例えばゴム)等の表面処理を行うこともで
きる。錘3を配管1に取り付ける場合は、図2(b)に
示すように、径方向に2つ割れとした環状の錘3の両端
部を螺子で螺着して配管1に固設する。錘3は、図1で
は1つしか示していないが、必要に応じて複数個設けて
も良い。
【0017】Oリング4は、カバー5を配管1に装着す
るときに、カバー5内に外部から水や塵芥が侵入しない
ように、Oリング用の溝5aに嵌装してシールするため
のものである。Oリング4の材質は、主として耐油性が
要求される場所に対してはニトリルゴムが使用される。
また、主として耐熱性及び耐寒性が要求される場所に対
してはシリコンゴムが使用される。さらに耐油性、耐熱
性のほかに耐薬品性が強く要求される場所に対してはフ
ッ素ゴムが使用される。
【0018】カバー5は、錘3全体を外部から覆ってそ
の内部に収納するためのものであり、錘3に外部から落
下物等の物があたるのを保護するために設けられる。カ
バー5は、全体が配管1の軸の径方向に2つ割れした円
筒の形状をしている。尚、カバー5の両端部には、Oリ
ング4を嵌装するOリング用の溝5aと、配管1とカバ
ー5とを確実に螺子6で固定するためのフランジ部7と
が設けられている。カバー5の材質としては、耐衝撃性
の大きいポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂等のプラスチック材料を使用するのが車
両の軽量化のためと確実に制振装置を配管1に取り付け
る上で好ましい。
【0019】このように構成される第1実施形態の配管
の振動低減構造の作用について図1を参照して説明す
る。 (1)最初、配管1に振動が伝達されてくる。振動エネ
ルギーが小さい場合は、環状の錘3が重いので、マスダ
ンパと同様な作用により配管1の共振周波数を変更させ
て制振することができる。このとき錘3は、見かけ上静
止している。 (2)次に、振動エネルギーが大きくなると錘3が配管
の外周部で静止状態から運動状態へと変化し、激しく振
動しながら配管1の外表面と衝突を開始する。 (3)このとき、錘3が配管1の外表面と衝突を繰り返
すので、配管1を伝わってくる振動エネルギーを滑り摩
擦や衝突に伴うエネルギーとして損失させることができ
振動を低減させることができる。従って、従来のダイナ
ミックダンパのようにゴムのばね定数と錘の質量とによ
って制振する制振装置に較べて、本発明による制振装置
は大きさを小さくすることができる。 その結果、振動を低減することが必要な配管部所におけ
る制振装置の取り付け作業が、取り付けスペースの制限
を特に受けることなく簡単に行うことができる。
【0020】次に、本発明に係る配管の振動低減構造の
第2実施形態について図2を参照して説明する。図2
(a)は、本発明に係る配管の振動低減構造の第2実施
形態を示す正断面図、図2(b)は、図2(a)のB−
B断面図である。尚、第2実施形態の配管の振動低減構
造は、車両の車室内にある配管の振動を低減する場合に
使用される。また、第2実施形態の配管の振動低減構造
は、第1実施形態の配管の振動低減構造のカバーを取り
外しただけの構造をしている。従って、図2では第1実
施形態の配管の振動低減構造と同一の部材については同
一の符号を付して示してある。
【0021】本発明に係る第2実施形態の配管の振動低
減構造は、図2(a)及び図2(b)に示すように、内部
に流体が流れる配管1と、前記配管1を径方向に膨らま
せて設けた係止部2,2と、前記係止部2,2の間の配
管の外表面に対し隙間を有して取り付けられる環状の錘
3と、から主要部が構成される。尚、第2実施形態の配
管の振動低減構造の構成は、第1実施形態の配管の振動
低減構造とはカバーを取り外した点以外は同じ構成なの
で、各構成要素の詳細な説明は省略する。
【0022】このように構成される第2実施形態の配管
の振動低減構造の作用について図2を参照して説明す
る。 (1)最初、配管1に振動が伝達されてくる。振動エネ
ルギーが小さい場合は、環状の錘3が重いので、マスダ
ンパと同様な作用により配管1の共振周波数を変更させ
て制振することができる。このとき錘3は、見かけ上静
止している。 (2)次に、振動エネルギーが大きくなると錘3が配管
の外周部で静止状態から運動状態へと変化し、激しく振
動しながら管1の外表面と衝突を開始する。 (3)このとき、錘3が配管1の外表面と繰り返し衝突
するので、配管1を伝わってくる振動エネルギーを滑り
摩擦や衝突に伴うエネルギーとして損失させることがで
きる。従って、従来のダイナミックダンパのようにゴム
のばね定数と錘の質量とによって制振する制振装置に較
べて、本発明の制振装置は大きさを小さくすることがで
きる。 その結果、振動を低減することが必要な配管部所におけ
る制振装置の取り付け作業をみると、従来の制振装置
は、大型であったので取り付けスペースの制限を受ける
ことが多かったが、本発明による制振装置は、小型にな
ったので取り付けスペースの制限を特に受けることもな
く、しかも取り付け作業を簡単に行うことができる。ま
た、前記した構造とすることにより、第1実施形態の配
管の振動低減構造よりも部品点数が少なくなるので、省
コスト化・省スペース化が図れる。
【0023】次に、本発明に係る配管の振動低減構造の
第3実施形態について図3を参照して説明する。図3
(a)は、本発明に係る配管の振動低減構造の第3実施
形態を示す正断面図、図3(b)は、図3(a)のC−
C断面図である。尚、第3実施形態の配管の振動低減構
造は、車両の車室内にある配管の振動を低減する場合に
使用される。
【0024】第3実施形態の配管の振動低減構造は、図
3(a)及び図3(b)に示すように、内部に流体が流
れる配管10と、前記配管10の外周面に沿って設けら
れる円盤状の鍔部11a,11aと、前記鍔部11a,
11aの間に、錘12,12を軸の長手方向に挟むよう
にして前記配管10の外周面に沿って立設され、その軸
方向の端部で錘12,12を係止する環状の係止部材1
1b,11b,…とから形成される係止部11,11
と、前記配管10の外周面との間に隙間を有して設けら
れる環状の錘12,12と、から主要部が構成される。
【0025】配管10は、気体、液体、固体、プラズマ
等の流体が流れる管であり、形状は円形が好ましいが、
管であれば多角形等他の形状であってもよい。
【0026】係止部11,11は、鍔部11a,11a
とその間の配管10の外周面に沿って立設される係止部
材11b,11b,…とから主要部が構成される。鍔部
11a,11aは、第1実施形態及び第2実施形態の突
起部よりも更に錘12が配管10の軸方向に外れるのを
確実に防止するために設けた円盤状の突起部である。係
止部材11b,11b,…は、緩衝部材(例えばゴム)
から形成され、断面形状が蝋燭の炎のように、元が細く
幅が一度最大幅になった後、先細りとなる形状をしてい
る。配管の長手方向から見た平面の形状は、中心部に配
管10が貫通する貫通孔を有する円形をしている。係止
部材11b,11b,…は、図3では同一径の錘12,
12を2個係止しているが、配管10の振動周波数等の
特性に応じて係止部材11b,11b,…の取り付け個
数、径の大きさ、材質等を適宜変更することもできる。
【0027】錘12,12は、形状が環状であり、通
常、金属(例えば鉄)から構成される。金属としては、
鉄よりも比重の大きい鉛等を使用すれば取り付けスペー
スの省スペース化を図ることができる。錘12,12
は、配管10の外周面と隙間sp2を有して取り付けら
れる。錘12,12の軸方向の両端部は、夫々が係止部
材11b,11b,…に挟まれて係止される。また、配
管10を伝わってくる振動エネルギーが錘12,12に
伝達され、錘12,12が静止している状態から運動し
ている状態と変化し、錘12,12が配管10の外表面
と径方向で衝突を開始する。このときに騒音や異音の発
生が強い場合は、必要に応じて錘12,12の表面に緩
衝部材(例えばゴム)等の表面処理を行うこともできる。
錘12,12を配管10に取り付ける場合は、図3
(b)に示すように、径方向に2つ割れとした環状の錘
12の両端部を螺子13で螺着し、配管10の外表面と
隙間sp2を有して固定する。錘12,12は、図3で
は2個しか示していないが、必要に応じて1個又は2個
以上設けても良い。
【0028】このように構成される第3実施形態の配管
の振動低減構造の作用について図3を参照して説明す
る。 (1)最初に配管10に振動が伝達されてくる。振動エ
ネルギーが小さい場合は、錘12,12が重いので、マ
スダンパと同様な錘12,12の作用により配管10の
共振周波数を変更させて振動を低減させることができ
る。 (2)次に、振動エネルギーが大きくなると錘12,1
2が配管の外周部で静止した状態から運動した状態へと
変化して振動を開始し、配管10の外表面で衝突を繰り
返す。 (3)このとき、環状の錘12,12は、配管10の軸
方向に外れようとするが接触している係止部材11b,
11b,…に挟まれて係止される。従って、錘12,1
2の軸の長手方向の遊びを少なくすることができる。そ
の結果、配管10に伝達される振動エネルギーを主とし
て径方向の衝突に伴うエネルギーとして損失させて振動
を低減させることができる。尚、錘12,12は、第3
実施形態では同一形状、同一材質のものを使用している
が、夫々の径の大きさ、材質、隙間sp2の間隔等を異
なるものに変えて組み合わせることにより複雑な振動を
低減することも可能となる。このように錘12,12を
それぞれ配管10の外表面と衝突させることにより、振
動エネルギーを主として衝突に伴うエネルギーとして損
失させるので、従来のダイナミックダンパのようにゴム
のばね定数と錘の質量とにより制振する場合と比較し
て、本発明による制振装置は大きさを小さくすることが
できる。従って、振動を低減することが必要な配管部所
において、取り付けスペースの制限を特に受けることな
く制振装置を簡単に取り付けることができる。
【0029】尚、本発明は、以上説明した発明の実施の
形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲を
逸脱しない範囲で適宜変更して実施することが可能であ
る。例えば第1実施形態の配管の振動低減構造は、車両
の車室外だけでなく、工場内の機械の配管などにも適用
できる。また、第2実施形態及び第3実施形態の配管の
振動低減構造は、車両の車室内だけでなく、水や塵芥の
汚染が少ないクリーンルーム内の配管などにも適用でき
る。
【0030】
【発明の効果】以上の構成と作用からなる本発明によれ
ば、以下の効果を奏する。 (1)請求項1の発明によれば、従来のダイナミックダ
ンパは、ゴムのばね定数と錘の質量とにより制振するた
めどうしても大きさが大きくなってしまうので、振動低
減が必要な部所へ制振装置を取り付けるのが困難であっ
たが、本発明の配管の振動低減構造は、配管の外表面に
対し隙間を有して環状の錘を取り付けたことにより、 (A)錘を配管の外表面と衝突させて振動エネルギーを
滑り摩擦や衝突に伴うエネルギーとして損失させるの
で、従来のダイナミックダンパよりも制振装置の大きさ
を小さくすることができる。従って、取り付けスペース
の制限を特に受けることなく制振装置の取り付けを簡単
に行うことができる。 (B)また、振動エネルギーを滑り摩擦や衝突に伴うエ
ネルギーとして損失させて制振するので、制振効果に対
する温度の影響を少なくすることができる。 (C)さらに、市販の環状の錘を使用することができる
ので省コスト化が図れる。 (D)また、配管の外表面に密接するように錘を設けた
場合よりも隙間を設けるようにした方が衝突によって失
う振動エネルギーを大きくすることができるので、制振
装置を配管に取り付けるときの取り付けスペースを従来
のダイナミックダンパよりも小さくすることができる。 (2)請求項2の発明によれば、配管に錘を覆うカバー
を設けたことにより、外部から水や塵芥が前記錘と前記
配管の間に侵入するのを防止することができる。従っ
て、車両の床下等水や塵芥が多い場所の配管においても
制振機能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明に係る配管の振動低減構造の第1
実施形態を示す正断面図である。 (b)図1(a)のA−A断面図である。
【図2】(a)本発明に係る配管の振動低減構造の第2
実施形態を示す縦断面図である。 (b)図2(a)のB−B断面図である。
【図3】(a)本発明に係る配管の振動低減構造の第3
実施形態を示す縦断面図である。 (b)図3(a)のC−C断面図である。
【図4】(a)従来のマスダンパの配管の振動低減構造
を示す側断面図である。 (b)従来のダイナミックダンパの配管の振動低減構造
を示す側断面図である。 (c)従来の制振材の配管の振動低減構造を示す側断面
図である。
【図5】(a)従来の車両の制振装置を平面から見たと
きの部分断面図である。 (b)図5(a)のF−F断面図である。 (c)図5(a)のD−D断面図である。
【符号の説明】
1 配管 2 係止部 2a 突起部 2b 凹部 3 錘 4 Oリング 5 カバー 5a Oリング用の溝 sp1 隙間

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配管の外表面に対し隙間を有して環状の
    錘を取り付けたことを特徴とする配管の振動低減構造。
  2. 【請求項2】 前記配管が、前記錘を覆うカバーが取り
    付けられた請求項1に記載の配管の振動低減構造。
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