JP2002168669A - 熱式流量計 - Google Patents

熱式流量計

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JP2002168669A
JP2002168669A JP2000368801A JP2000368801A JP2002168669A JP 2002168669 A JP2002168669 A JP 2002168669A JP 2000368801 A JP2000368801 A JP 2000368801A JP 2000368801 A JP2000368801 A JP 2000368801A JP 2002168669 A JP2002168669 A JP 2002168669A
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sensor
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measurement
chip
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Akihiro Ito
彰浩 伊藤
Yoshihiko Kawai
良彦 河合
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CKD Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱線が設けられた測定チップをセンサー部と
するものであって、測定チップの熱線と電気回路との接
続に関し、ワイヤーボンディングの使用を回避した熱式
流量計を提供すること。 【解決手段】 測定チップ11が実装された基板21A
をボディ41Aに密着させることにより、ボディ41A
の内部において、主流路Mとセンサー流路S1とを形成
すると同時に、測定チップ11に設けられた温度センサ
ー用熱線と流速センサー用熱線を、センサー流路S1に
橋設された状態にして、基板21Aの裏面の電気回路を
介し、ボディ41Aの内部を流れる計測対象気体の流量
を測定する。また、測定チップ11に設けられた温度セ
ンサー用熱線と流速センサー用熱線は、測定チップ11
の熱線用電極と基板21Aの電気回路用電極とが接着さ
れることによって、基板21Aの裏面の電気回路に接続
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱線を用いて流量
を計測する熱式流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱線を用いて流量を計測する熱式
流量計には、例えば、図18に示すように、半導体マイ
クロマシニングの加工技術で製造された測定チップをセ
ンサー部として使用するものがある。そして、図18の
熱式流量計101においては、入口ポート102に流入
させた計測対象気体を、整流機構103で整流させた後
に、計測流路104を介して、出口ポート105から流
出させており、計測対象気体の流量を計測するために、
電気回路106に接続された測定チップ111を計測流
路104に露出させている。
【0003】この点、測定チップ111は、図19に示
すように、シリコンチップ116において、上流温度セ
ンサー112、ヒータ113、下流温度センサー11
4、周囲温度センサー115(上述したセンサー112
〜115は、「熱線」に相当する)などを、半導体マイ
クロマシニングの加工技術を設けたものである。
【0004】従って、図18の熱式流量計101におい
ては、計測対象気体が計測流路104に流れていないと
きは、図19の測定チップ111の温度分布がヒータ1
13を中心に対称となる一方、計測対象気体が計測流路
104に流れているときは、上流温度センサー112の
温度が低下し、下流温度センサー114の温度が上昇す
るので、図19の測定チップ111の温度分布の対称性
は、計測対象気体の流量に応じて崩壊することになる。
このとき、この崩壊の程度は、上流温度センサー112
と下流温度センサー114の抵抗値の差になって現れる
ので、電気回路106を介して、計測対象気体の流量を
計測することが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図18
の熱式流量計101では、図19の測定チップ111に
おいて、6個の電極D1、D2、D3、D4、D5、D
6をシリコンチップ116に設けており、上流温度セン
サー112、ヒータ113、下流温度センサー114、
周囲温度センサー115のそれぞれと電気回路106と
を接続することを、6個の電極D1〜D6を使用したワ
イヤーボンディングにより行っていた。
【0006】従って、図18の熱式流量計101では、
測定チップ111が計測配管104の中で露出し、ボン
ディングワイヤーWが計測配管104に介在するので、
大流量の計測対象気体が計測配管104に流れると、そ
の風圧などを受けてボンディングワイヤーWが切れる恐
れがあり、それを防ぐためには、カバー機構を設けるな
ど(例えば、特開平10−2773号の「支持体13
a」)の対策を行う必要があった。
【0007】そこで、本発明は、上述した問題点を解決
するためになされたものであり、熱線が設けられた測定
チップをセンサー部とするものであって、測定チップの
熱線と電気回路との接続に関し、ワイヤーボンディング
の使用を回避した熱式流量計を提供することを課題とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に成された請求項1に係る発明は、熱線と前記熱線に接
続する熱線用電極とが設けられた測定チップと、前記熱
線を用いた計測原理を行うための電気回路に接続する電
気回路用電極が表面に設けられた基板と、前記基板が密
着することにより主流路が形成されるボディとを備え、
前記測定チップ又は前記基板に溝が設けられており、前
記熱線用電極と前記電気回路用電極とを接着して前記測
定チップを前記基板に実装することによって、前記主流
路に対するセンサー流路を前記測定チップと前記基板と
の間に前記溝で形成するとともに、前記センサー流路に
前記熱線を橋設させたこと、を特徴としている。
【0009】このような特徴を有する本発明の熱式流量
計において、測定チップに設けられた熱線は、測定チッ
プを基板に実装した際に、測定チップに設けられた熱線
用電極と基板の表面に設けられた電気回路用電極とが接
着されることによって、熱線を用いた計測原理を行うた
めの電気回路に接続されている。一方、基板がボディに
対して密着されると、ボディの内部において、主流路が
形成される。このとき、基板又は基板に実装された測定
チップに溝が設けられているので、ボディの内部におい
て、主流路に対するセンサー流路も形成される。従っ
て、ボディの内部を流れる計測対象気体は、主流路とセ
ンサー流路の断面積比に応じて、主流路とセンサー流路
とに分流されることになる。この点、測定チップに設け
られた熱線は、センサー流路に橋設された状態にあるの
で、熱線を用いた計測原理を行うための電気回路によ
り、センサー流路を流れる計測対象気体の流量、ひいて
は、ボディの内部を流れる計測対象気体の流量を測定す
ることができる。
【0010】すなわち、本発明の熱式流量計は、測定チ
ップが実装された基板をボディに密着させることによ
り、ボディの内部において、主流路とセンサー流路とを
形成すると同時に、測定チップに設けられた熱線を、セ
ンサー流路に橋設された状態にして、電気回路を介し、
センサー流路を流れる計測対象気体の流量、ひいては、
ボディの内部を流れる計測対象気体の流量を測定するも
のであるから、熱線が設けられた測定チップをセンサー
部とするものであって、測定チップに設けられた熱線
は、測定チップを基板に実装した際に、測定チップの熱
線用電極と基板の電気回路用電極とが接着されることに
よって、電気回路に接続されているので、測定チップの
熱線と電気回路との接続に関し、ワイヤーボンディング
の使用を回避したものと言うことができる。
【0011】また、本発明の熱式流量計において、測定
チップに設けられた熱線は、センサー流路に橋設された
状態にあるので、壊れやすい部分であるが、センサー流
路は、基板又は基板に実装された測定チップに設けられ
た溝であって、測定チップと基板との間に形成されるも
のであり、測定チップが基板に実装されると、測定チッ
プに設けられた熱線は、測定チップと基板との間に挟ま
れて、外部から接触することが難しくなるので、組立・
検査工程などにおける取り扱いが容易となる。
【0012】また、本発明の熱式流量計においては、測
定チップに設けられた熱線などが壊れたりしても、測定
チップが実装された基板ごとの交換で対応できるので、
修理が容易となる。
【0013】また、本発明の熱式流量計は、測定チップ
に設けられた熱線を、センサー流路に橋設された状態に
して、電気回路を介し、センサー流路を流れる計測対象
気体の流量、ひいては、ボディの内部を流れる計測対象
気体の流量を測定するものであるが、センサー流路は、
基板又は基板に実装された測定チップに設けられた溝で
形成されるものであって、溝の細長い形状により、計測
対象気体の流れが整えられていくので、測定結果の乱流
ノイズが小さい。
【0014】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
記載する熱式流量計であって、前記測定チップのみに前
記溝を設けたこと、を特徴としている。
【0015】また、本発明の熱式流量計において、測定
チップのみに溝を設けても、ボディの内部にセンサー流
路を形成することは可能であるので、この場合は、基板
に溝を設けることを省略でき、この点は、特に、基板が
セラミック又は金属などの溝加工しにくい材料でできて
いるときに有効である。
【0016】また、請求項3に係る発明は、請求項1に
記載する熱式流量計であって、前記基板のみに前記溝を
設けたこと、を特徴としている。
【0017】また、本発明の熱式流量計において、基板
のみに溝を設けても、ボディの内部にセンサー流路を形
成することは可能であるので、この場合は、測定チップ
に溝を設けることを省略できるとともに、さらに、溝加
工による測定チップの強度低下を防止することができ
る。
【0018】また、請求項4に係る発明は、熱線と前記
熱線に接続する熱線用電極とが設けられた測定チップ
と、前記熱線を用いた計測原理を行うための電気回路に
接続する電気回路用電極ピンと、前記電気回路用電極ピ
ンが挿設された基板と、前記電気回路用電極ピンと前記
基板との間を密封する弾性体と、前記基板が密着するこ
とにより主流路が形成されるボディとを備え、前記熱線
用電極と前記電気回路用電極ピンの平頭部とを接着して
前記測定チップを前記基板の表面側で実装することによ
って、前記主流路に対するセンサー流路を前記測定チッ
プと前記基板との間に前記弾性体の厚みで細長く形成す
るとともに、前記センサー流路に前記熱線を橋設させた
こと、を特徴としている。
【0019】このような特徴を有する本発明の熱式流量
計において、測定チップに設けられた熱線は、測定チッ
プを基板の表面側で実装した際に、測定チップに設けら
れた熱線用電極と、基板に挿設された電気回路用電極ピ
ンの平頭部とが接着されることによって、熱線を用いた
計測原理を行うための電気回路に接続されている。一
方、基板がボディに対して密着されると、ボディの内部
において、主流路が形成される。このとき、電気回路用
電極ピンと基板との間を密封する弾性体が、基板と基板
に実装された測定チップとの間に存在するので、ボディ
の内部において、主流路に対するセンサー流路も形成さ
れる。従って、ボディの内部を流れる計測対象気体は、
主流路とセンサー流路の断面積比に応じて、主流路とセ
ンサー流路とに分流されることになる。この点、測定チ
ップに設けられた熱線は、センサー流路に橋設された状
態にあるので、熱線を用いた計測原理を行うための電気
回路により、センサー流路を流れる計測対象気体の流
量、ひいては、ボディの内部を流れる計測対象気体の流
量を測定することができる。
【0020】すなわち、本発明の熱式流量計は、測定チ
ップが実装された基板をボディに密着させることによ
り、ボディの内部において、主流路とセンサー流路とを
形成すると同時に、測定チップに設けられた熱線を、セ
ンサー流路に橋設された状態にして、電気回路を介し、
センサー流路を流れる計測対象気体の流量、ひいては、
ボディの内部を流れる計測対象気体の流量を測定するも
のであるから、熱線が設けられた測定チップをセンサー
部とするものであって、測定チップに設けられた熱線
は、測定チップを基板に実装した際に、測定チップの熱
線用電極と、基板に挿設された電気回路用電極ピンの平
頭部とが接着されることによって、電気回路に接続され
ているので、測定チップの熱線と電気回路との接続に関
し、ワイヤーボンディングの使用を回避したものと言う
ことができる。
【0021】また、本発明の熱式流量計において、測定
チップに設けられた熱線は、センサー流路に橋設された
状態にあるので、壊れやすい部分であるが、センサー流
路は、基板と基板に実装された測定チップとの間に存在
する弾性体の厚みで形成されるものであり、測定チップ
が基板に実装されると、測定チップに設けられた熱線
は、測定チップと基板との間に挟まれて、外部から接触
することが難しくなるので、組立・検査工程などにおけ
る取り扱いが容易となる。
【0022】また、本発明の熱式流量計においては、測
定チップに設けられた熱線などが壊れたりしても、測定
チップが実装された基板ごとの交換で対応できるので、
修理が容易となる。
【0023】また、本発明の熱式流量計は、測定チップ
に設けられた熱線を、センサー流路に橋設された状態に
して、電気回路を介し、センサー流路を流れる計測対象
気体の流量、ひいては、ボディの内部を流れる計測対象
気体の流量を測定するものであるが、センサー流路は、
基板と基板に実装された測定チップとの間に存在する弾
性体の厚みで細長く形成されるものであり、その細長い
形状により、計測対象気体の流れが整えられていくの
で、測定結果の乱流ノイズが小さい。
【0024】また、本発明の熱式流量計においては、セ
ンサー流路が、基板と基板に実装された測定チップとの
間に存在する弾性体の厚みで形成されるものであるの
で、基板に溝を設けることを省略でき、この点は、特
に、基板がセラミック又は金属などの溝加工しにくい材
料でできているときに有効であり、同時に、測定チップ
に溝を設けることを省略できるので、溝加工による測定
チップの強度低下を防止することもできる。
【0025】また、本発明の熱式流量計においては、基
板と基板に実装された測定チップとの間に弾性体が存在
しており、基板が多少反ったとしても、弾性体が緩衝材
として働くので、基板に実装された測定チップが破壊さ
れることはない。
【0026】また、請求項5に係る発明は、請求項4に
記載する熱式流量計であって、前記測定チップに溝を設
けたことにより、前記センサー流路の一部にしたこと、
を特徴としている。また、請求項6に係る発明は、請求
項4又は請求項5に記載する熱式流量計であって、前記
基板に溝を設けたことにより、前記センサー流路の一部
にしたこと、を特徴としている。
【0027】尚、本発明の熱式流量計においては、セン
サー流路が、基板と基板に実装された測定チップとの間
に存在する弾性体の厚みで形成されるものであるけれど
も、測定チップ又は基板に溝を設けたことにより、セン
サー流路の一部にしても、上述したように、熱線が設け
られた測定チップをセンサー部とするものであって、測
定チップの熱線と電気回路との接続に関し、ワイヤーボ
ンディングの使用を回避したものと言うことができる
し、組立・検査工程などにおける取り扱いが容易となる
し、修理が容易となるし、測定結果の乱流ノイズが小さ
い。
【0028】また、請求項7に係る発明は、請求項1乃
至請求項6のいずれか一つに記載する熱式流量計であっ
て、前記電気回路を前記基板の裏面に設けたこと、を特
徴としている。
【0029】また、本発明の熱式流量計において、熱線
を用いた計測原理を行うための電気回路を基板の裏面に
設ければ、熱線が設けられた測定チップは基板の表面又
は表面側で基板に実装されていることから、熱線が設け
られた測定チップと、熱線が設けられた測定チップと熱
線を用いた計測原理を行うための電気回路とを、一つの
基板に集約することができるので、省スペースやコスト
ダウンに貢献することができる。
【0030】また、請求項8に係る発明は、請求項1乃
至請求項7のいずれか一つに記載する熱式流量計であっ
て、前記センサー流路の下流側に前記熱線を設けたこ
と、を特徴としている。
【0031】また、本発明の熱式流量計において、セン
サー流路の下流側に熱線を設ければ、センサー流路の下
流側は、センサー流路の細長い形状により、計測対象気
体の流れが整えられていく作用がより大きく発揮される
ので、測定結果の乱流ノイズがより小さくなる。
【0032】また、請求項9に係る発明は、請求項1乃
至請求項8のいずれか一つに記載する熱式流量計であっ
て、前記ボディに内設された底板を備え、前記底板で前
記主流路の断面積を変更させたこと、を特徴としてい
る。
【0033】また、本発明の熱式流量計において、ボデ
ィに内設された底板を備え、底板で主流路の断面積を変
更させれば、ボディの内部を流れる計測対象気体は、主
流路とセンサー流路の断面積比に応じて、主流路とセン
サー流路とに分流されることから、センサー流路に橋設
された熱線からの出力特性を異なるものとすることがで
きるので、かかる出力特性に応じて、センサー流路を流
れる計測対象気体の流量、ひいては、ボディの内部を流
れる計測対象気体の流量の測定範囲(流量レンジ)を調
整することができる。
【0034】尚、電気回路で行われる熱線を用いた計測
原理には、一つの熱線を用いたもの、二つの熱線を用い
たもの、三つの熱線を用いたものなどがあり、多数の熱
線を用いたものであってもよい。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照にして説明する。図1に示すように、本実施の形
態の熱式流量計1Aにおいては、Oリング48を介し
て、基板21Aがボディ41Aにねじ固定で密着されて
いる。また、ボディ41Aには、入口ポート42、入口
流路43、計測流路44、出口流路45、出口ポート4
6が形成されており、計測流路44には、底板47がね
じ固定で設けられている。
【0036】一方、基板21Aには、プリント基板22
A(図4参照)の裏面において、電気素子31、32、
33、34などで構成される電気回路が設けられてい
る。また、図4に示すように、プリント基板22Aの表
面において、溝23が加工されるとともに、電気回路用
電極24、25、26、27が溝23の両側に設けられ
ている。また、これらの電気回路用電極24〜27は、
プリント基板22Aの中で、電気素子31〜34(図1
参照)などで構成される電気回路と接続されている。さ
らに、プリント基板22Aの表面においては、後述する
ようにして、測定チップ11が実装されている。
【0037】ここで、測定チップ11について説明する
と、図2の正面図や図3の側面図で示すように、測定チ
ップ11は、シリコンチップ12に対して、半導体マイ
クロマシニングの加工技術を実施したものであり、この
とき、溝13が加工されるとともに、熱線用電極14、
15、16、17が溝13の両側に設けられる。さら
に、このとき、温度センサー用熱線18が、熱線用電極
14、15から延設されるとともに溝13の上に架設さ
れ、また、流速センサー用熱線19が、熱線用電極1
6、17から延設されるとともに溝13の上に架設され
る。
【0038】そして、測定チップ11の熱線用電極1
4、15、16、17を、基板21Aの電気回路用電極
24、25、26、27(図4参照)のそれぞれと、半
田リフロー又は導電性接着剤などで接合することによっ
て、測定チップ11を基板21Aに実装している。従っ
て、測定チップ11が基板21Aに実装されると、測定
チップ11に設けられた温度センサー用熱線18と流速
センサー用熱線19は、測定チップ11の熱線用電極1
4〜17と、基板21Aの電気回路用電極24〜27
(図4参照)とを介して、基板21Aの裏面に設けられ
た電気回路に接続される。
【0039】また、測定チップ11が基板21Aに実装
されると、図5に示すように、測定チップ11の溝13
は、基板21Aの溝23と重なり合う。よって、図1や
図5に示すように、測定チップ11が実装された基板2
1Aをボディ41Aに密着すると、ボディ41Aの計測
流路44において、測定チップ11と底板47との間
に、主流路Mが形成される一方、基板21Aと測定チッ
プ11との間に、測定チップ11の溝13や基板21A
の溝23などからなるセンサー流路S1が形成される。
そのため、センサー流路S1には、温度センサー用熱線
18と流速センサー用熱線19とが橋を渡すように設け
られる。
【0040】従って、本実施の形態の熱式流量計1Aに
おいては、図1に示すように、ボディ41Aの入口ポー
ト42から計測対象気体が流れ込むと(図1のF)、計
測対象気体は、ボディ41Aの計測流路44において、
主流路Mへ流れ込むもの(図1のF1)と、センサー流
路S1へ流れ込むもの(図1のF2)とに分流した後、
再び合流して、ボディ41Aの出口ポート46から流れ
出すことになる(図1のF)。
【0041】この点、センサー流路S1へ流れ込む計測
対象気体(図1のF2)は、センサー流路S1に橋設さ
れた温度センサー用熱線18と流速センサー用熱線19
とから熱を奪うので、基板21Aの裏面に設けられた電
気回路が、温度センサー用熱線18と流速センサー用熱
線19などの出力を検知しながら、温度センサー用熱線
18と流速センサー用熱線19とが一定の温度差になる
ように制御している。
【0042】このときの出力の一例を図6に示す。図6
のグラフは、本実施の形態の熱式流量計1Aにおいて、
ボディ41Aの入口ポート42へ流れ込む計測対象気体
(図1のF)の流量が、2(l/min)、4(l/m
in)、6(l/min)、8(l/min)、10
(l/min)、12(l/min)、16(l/mi
n)、20(l/min)のときの出力を、上から順に
示したものである。また、図7のグラフは、従来技術の
一例の熱式流量計において、計測対象気体の流量が、2
(l/min)、4(l/min)、6(l/mi
n)、8(l/min)、10(l/min)、12
(l/min)、16(l/min)、20(l/mi
n)のときの出力を、上から順に示したものである。
【0043】図6と図7と比較すると、本実施の形態の
熱式流量計1Aは、従来技術の一例の熱式流量計と比
べ、出力の振動幅が小さいことがわかる。また、この振
動幅の出力値に対する比率をノイズとして示したものが
図9である。図9においても、本実施の形態の熱式流量
計1Aは、従来技術の一例の熱式流量計に対し、ノイズ
が小さいことがわかる。
【0044】尚、図9において、「発明方式」とは、本
実施の形態の熱式流量計1Aを意味し、「従来方式」と
は、従来技術の一例の熱式流量計を意味する。この点
は、後述する図8でも同じである。
【0045】また、図8は、図6の出力を平均化したも
のを「発明方式」として示したものである。すなわち、
本実施の形態の熱式流量計1Aは、ボディ41Aの入口
ポート42へ流れ込む計測対象気体(図1のF)の流量
に応じて出力の平均値が変化し、その再現性も温度補償
回路(基板21Aの電気回路の一部)で保障されるの
で、ボディ41Aの入口ポート42へ流れ込む計測対象
気体(図1のF)の流量を計測することができる。
【0046】また、図10は、本実施の形態の熱式流量
計1Aにおいて、底板47(図1、図5参照)の高さを
変更したときの出力特性を示したものである。図10に
示すように、底板47(図1、図5参照)の高さを、2
mm、3mm、3.5mm、4.5mmと変更していく
と、出力特性も変更される。これは、図11に示すよう
に、底板47(図1、図5参照)の高さを、2mm、3
mm、3.5mm、4.5mmと変更していくと、セン
サー流路S1(図1、図5参照)の断面積は一定である
ものの、主流路M(図1、図5参照)の断面積が変更さ
れ、これに伴い、主流路Mへ流れ込む計測対象気体(図
1のF1)の流量と、センサー流路S1へ流れ込む計測
対象気体(図1のF2)の流量とが変化することが考え
られる。
【0047】もっとも、出力特性の直線性を示す範囲が
計測に適した範囲であることを考慮すれば、図10によ
り、例えば、底板47(図1、図5参照)の高さを3m
mにすれば、計測対象気体の流量が0〜20(l/mi
n)の範囲で計測が可能となり、底板47(図1、図5
参照)の高さを4.5mmにすれば、計測対象気体の流
量が0〜4(l/min)の範囲で計測が可能となる。
従って、ボディ41Aにねじ固定で設けられた底板47
を交換するだけで、計測対象気体の流量の測定範囲(流
量レンジ)に適したボディ41Aにすることができる。
【0048】以上詳細に説明したように、本実施の形態
の熱式流量計1Aにおいては、図1〜図5に示すよう
に、測定チップ11に設けられた温度センサー用熱線1
8と流速センサー用熱線19は、測定チップ11を基板
21Aに実装した際に、測定チップ11に設けられた熱
線用電極14〜17と基板21Aの表面に設けられた電
気回路用電極24〜27とが接着されることによって、
温度センサー用熱線18と流速センサー用熱線19を用
いた計測原理を行うための電気回路(基板21Aの裏面
に電気部品31〜34などで構成されたもの)に接続さ
れている。
【0049】一方、基板21Aがボディ41Aに対して
ねじ固定で密着されると、ボディ41Aの計測流路44
において、主流路Mが形成される。このとき、基板21
Aに溝23が設けられるとともに、基板21Aに実装さ
れた測定チップ11に溝13が設けられているので、ボ
ディの計測流路44において、主流路Mに対するセンサ
ー流路S1も形成される。
【0050】従って、ボディ41Aの計測流路44を流
れる計測対象気体は、主流路Mとセンサー流路S1の断
面積比に応じて、主流路Mとセンサー流路S1とに分流
されることになる。この点、測定チップ11に設けられ
た温度センサー用熱線18と流速センサー用熱線19
は、センサー流路S1に橋設された状態にあるので、温
度センサー用熱線18と流速センサー用熱線19を用い
た計測原理を行うための電気回路(基板21Aの裏面に
電気部品31〜34などで構成されたもの)により、
(センサー流路S1を流れる計測対象気体の流量、ひい
ては、)ボディ41Aの内部を流れる計測対象気体の流
量を測定することができる(図6、図8、図10、図1
1参照)。
【0051】すなわち、本実施の形態の熱式流量計1A
は、図1〜図5に示すように、測定チップ11が実装さ
れた基板21Aをボディ41Aにねじ固定で密着させる
ことにより、ボディ41Aの計測流路44において、主
流路Mとセンサー流路S1とを形成すると同時に、測定
チップ11に設けられた温度センサー用熱線18と流速
センサー用熱線19を、センサー流路S1に橋設された
状態にして、電気回路(基板21Aの裏面に電気部品3
1〜34などで構成されたもの)を介し、(センサー流
路S1を流れる計測対象気体の流量、ひいては、)ボデ
ィ41Aの内部を流れる計測対象気体の流量を測定する
ものであるから(図6、図8、図10、図11参照)、
温度センサー用熱線18と流速センサー用熱線19が設
けられた測定チップ11をセンサー部とするものであっ
て、測定チップ11に設けられた温度センサー用熱線1
8と流速センサー用熱線19は、測定チップ11を基板
21Aに実装した際に、測定チップ11の熱線用電極1
4〜17と基板21Aの電気回路用電極24〜27とが
半田リフローなどで接着されることによって、電気回路
(基板21Aの裏面に電気部品31〜34などで構成さ
れたもの)に接続されているので、測定チップ11の温
度センサー用熱線18及び流速センサー用熱線19と電
気回路(基板21Aの裏面に電気部品31〜34などで
構成されたもの)との接続に関し、ワイヤーボンディン
グの使用を回避したものと言うことができる。
【0052】また、本実施の形態の熱式流量計1Aにお
いて、図1〜図5に示すように、測定チップ11に設け
られた温度センサー用熱線18と流速センサー用熱線1
9は、センサー流路S1に橋設された状態にあるので、
壊れやすい部分であるが、センサー流路S1は、基板2
1Aに設けられた溝23及び基板21Aに実装された測
定チップ11に設けられた溝13であって、測定チップ
11と基板21Aとの間に形成されるものであり、測定
チップ11が基板21Aに実装されると、測定チップ1
1に設けられた温度センサー用熱線18と流速センサー
用熱線19は、測定チップ11と基板21Aとの間に挟
まれて、外部から接触することが難しくなるので、組立
・検査工程などにおける取り扱いが容易となる。
【0053】また、本実施の形態の熱式流量計1Aにお
いては、測定チップ11に設けられた温度センサー用熱
線18と流速センサー用熱線19などが壊れたりして
も、測定チップ11が実装された基板21Aごとの交換
(ここでは、ねじ固定による交換)で対応できるので、
修理が容易となる。
【0054】また、本実施の形態の熱式流量計1Aは、
測定チップ11に設けられた温度センサー用熱線18と
流速センサー用熱線19を、センサー流路S1に橋設さ
れた状態にして、電気回路(基板21Aの裏面に電気部
品31〜34などで構成されたもの)を介し、(センサ
ー流路S1を流れる計測対象気体の流量、ひいては、)
ボディ41Aの内部を流れる計測対象気体の流量を測定
するものである。この点、センサー流路S1は、基板2
1Aに設けられた溝23及び基板21Aに実装された測
定チップ11に設けられた溝13で形成されるものであ
って、溝13、23の細長い形状により、計測対象気体
の流れが整えられていくので、測定結果の乱流ノイズを
小さくすることができる(図6〜図8参照)。
【0055】また、本実施の形態の熱式流量計1Aにお
いては、温度センサー用熱線18と流速センサー用熱線
19を用いた計測原理を行うための電気回路を、基板2
1Aの裏面に設けており、さらに、温度センサー用熱線
18と流速センサー用熱線19が設けられた測定チップ
11は、基板21Aの表面に実装されている。従って、
温度センサー用熱線18と流速センサー用熱線19が設
けられた測定チップ11と、温度センサー用熱線18と
流速センサー用熱線19を用いた計測原理を行うための
電気回路とを、一つの基板21Aに集約しているので、
省スペースやコストダウンに貢献している。
【0056】また、本実施の形態の熱式流量計1Aにお
いては、図2に示すように、センサー流路S1の下流側
に流速センサー用熱線19を設けて、センサー流路S1
を流れる計測対象気体F2の助走区間Lを長く設けてい
る。この点、センサー流路S1の下流側は、センサー流
路S1の細長い形状により、センサー流路S1を流れる
計測対象気体F2の流れが整えられていく作用がより大
きく発揮されるので、測定結果の乱流ノイズをより小さ
くすることができる(図9参照)。
【0057】また、本実施の形態の熱式流量計1Aにお
いては、図1、図5に示すように、ボディ41Aにねじ
固定で内設された底板47を備えており、高さの異なる
底板47で主流路Mの断面積を変更させれば(図11参
照)、ボディ41の計測流路44を流れる計測対象気体
は、主流路Mとセンサー流路S1の断面積比に応じて、
主流路M(図1のF1)とセンサー流路S1(図1のF
2)とに分流されることから、図10に示すように、セ
ンサー流路S1に橋設された流速センサー用熱線19な
どからの出力特性を異なるものとすることができるの
で、図10の出力特性に応じて、(センサー流路S1を
流れる計測対象気体の流量、ひいては、)ボディ41の
内部を流れる計測対象気体の流量の測定範囲(流量レン
ジ)を調整することができる。
【0058】尚、本発明は上記実施の形態に限定される
ものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が
可能である。例えば、本実施の形態の熱式流量計1Aに
おいては、図1、図5に示すように、基板21Aに溝2
3が設けられるとともに、測定チップ11にも溝13が
設けられているが、基板21Aには溝23を設けず、測
定チップ11のみに溝13を設けてもよい。なぜなら、
測定チップ11のみに溝13を設けても、ボディ41の
計測流路44にセンサー流路S1を形成することは可能
だからであり、この場合は、基板21Aに溝23を設け
ることを省略でき、この点は、特に、基板21Aが、例
えば、セラミック又は金属などの溝加工しにくい材料で
できているときに有効である。
【0059】また、測定チップ11には溝13を設け
ず、基板21Aのみに溝23を設けてもよい。なぜな
ら、基板21Aのみに溝23を設けても、ボディ41A
の計測流路44にセンサー流路S1を形成することは可
能だからであり、この場合は、測定チップ11に溝13
を設けることを省略できるとともに、さらに、溝加工に
よる測定チップ11(シリコンチップ)の強度低下を防
止することができる。
【0060】また、本実施の形態の熱式流量計1Aにお
いては、図1〜図5に示すように、測定チップ11の熱
線用電極14、15、16、17を、基板21Aの電気
回路用電極24、25、26、27のそれぞれと、半田
リフロー又は導電性接着剤などで接合することによっ
て、測定チップ11を基板21Aに実装している。しか
しながら、図12や図13の断面図で示すようにして、
測定チップ11を基板21Bに実装してもよい。
【0061】すなわち、図12や図13で示す基板21
Bでは、プリント基板22Bに対し、弾性体であるゴム
29を介して、4本の電気回路用電極ピン29を挿入
し、これらの電気回路用電極ピン29の平頭部を、上述
した基板21Aの電気回路用電極24〜27に代えてい
る。このとき、図1のボディ41の計測流路44には、
上述したたセンサー流路S1に代えて、ゴム29の厚み
と測定チップ11の溝13からなるセンサー流路S2が
形成される。
【0062】そして、測定チップ11が実装された基板
21B(図12や図13に示すもの)をボディ41Aに
ねじ固定で密着させた熱式流量計においては、図12や
図13に示すように、センサー流路S2が、基板21B
と基板21Bに実装された測定チップ11との間に存在
するゴム29の厚みと、測定チップ11の溝13とで形
成されるものであるので、基板21Bに溝を設けること
を省略でき、この点は、特に、基板21Bがセラミック
又は金属などの溝加工しにくい材料でできているときに
有効である。
【0063】また、測定チップ11が実装された基板2
1B(図12や図13に示すもの)をボディ41Aにね
じ固定で密着させた熱式流量計においては、図12や図
13に示すように、基板21Bと基板21Bに実装され
た測定チップ11との間にゴム29が存在しており、基
板21Bが多少反ったとしても、ゴム29が緩衝材とし
て働くので、基板21Bに実装された測定チップ11
(シリコンチップ)が破壊されることはない。
【0064】尚、図12や図13においては、センサー
流路S2が、基板21Bと基板21Bに実装された測定
チップ11との間に存在するゴム29の厚みと、測定チ
ップ11の溝13とで形成されるものであったが、ゴム
29の厚みのみで形成してもよい。また、基板21Bに
新たに溝を設けてセンサー流路S2の一部にしてもよ
く、この場合は、測定チップ11に溝13を設けること
を省略できるので、溝加工による測定チップ11(シリ
コンチップ)の強度低下を防止することができる。
【0065】また、図14に示す熱式流量計1Bのよう
に、上述した熱式流量計1Aに対し、ボディ41Aの入
口流路43において、図16の整流板(金網)53を挿
入したり、ボディ41Aの計測流路44の主流路Mにお
いて、図15のステンレスパイプ52からなる整流機構
51を設ければ、図6の出力の振動幅や、図9のノイズ
値が、より一層小さくなる。
【0066】また、図17に示す熱式流量計1Cのよう
に、上述した熱式流量計1Aに対し、ボディ41Bの入
口流路43において、フィルター55を挿入したり、遮
蔽部54を突設させれば、ボディ41Bの入口ポート4
2から流れ込む計測対象流体の流入角度が大きくなって
も、ボディ41Bの計測流路44に流れ込む計測対象流
体の流入角度を所定範囲におさめることができるので、
図6、図8、図10などに示す出力特性への影響を防止
できる。
【0067】尚、本実施の形態の熱式流量計1A、1
B、1Cにおいて、電気回路(基板21Aの裏面に電気
部品31〜34などで構成されたもの)で行われる計測
原理は、温度センサー用熱線18と流速センサー用熱線
19を用いたものであったが、その他には、一つの熱線
を用いたもの、三つの熱線を用いたものなどがあり、多
数の熱線を用いたものであってもよい。また、二つの熱
線を用いたものには、上述したように、温度センサー用
熱線18と流速センサー用熱線19などの出力を検知し
ながら、温度センサー用熱線18と流速センサー用熱線
19とが一定の温度差になるように制御する方式のほか
に、従来技術の欄で説明したように、2つの熱線によ
り、温度分布の対象性の崩壊度を検出する方式などがあ
る。これらの点については、測定チップ11が実装され
た基板21B(図12や図13に示すもの)をボディ4
1Aにねじ固定で密着させた熱式流量計においても、同
様である。
【0068】
【発明の効果】請求項1に係る発明の熱式流量計は、測
定チップが実装された基板をボディに密着させることに
より、ボディの内部において、主流路とセンサー流路と
を形成すると同時に、測定チップに設けられた熱線を、
センサー流路に橋設された状態にして、電気回路を介
し、センサー流路を流れる計測対象気体の流量、ひいて
は、ボディの内部を流れる計測対象気体の流量を測定す
るものであるから、熱線が設けられた測定チップをセン
サー部とするものであって、測定チップに設けられた熱
線は、測定チップを基板に実装した際に、測定チップの
熱線用電極と基板の電気回路用電極とが接着されること
によって、電気回路に接続されているので、測定チップ
の熱線と電気回路との接続に関し、ワイヤーボンディン
グの使用を回避したものと言うことができる。
【0069】また、請求項1に係る発明の熱式流量計に
おいて、測定チップに設けられた熱線は、センサー流路
に橋設された状態にあるので、壊れやすい部分である
が、センサー流路は、基板又は基板に実装された測定チ
ップに設けられた溝であって、測定チップと基板との間
に形成されるものであり、測定チップが基板に実装され
ると、測定チップに設けられた熱線は、測定チップと基
板との間に挟まれて、外部から接触することが難しくな
るので、組立・検査工程などにおける取り扱いが容易と
なる。
【0070】また、請求項1に係る発明の熱式流量計に
おいては、測定チップに設けられた熱線などが壊れたり
しても、測定チップが実装された基板ごとの交換で対応
できるので、修理が容易となる。
【0071】また、請求項1に係る発明の熱式流量計
は、測定チップに設けられた熱線を、センサー流路に橋
設された状態にして、電気回路を介し、センサー流路を
流れる計測対象気体の流量、ひいては、ボディの内部を
流れる計測対象気体の流量を測定するものであるが、セ
ンサー流路は、基板又は基板に実装された測定チップに
設けられた溝で形成されるものであって、溝の細長い形
状により、計測対象気体の流れが整えられていくので、
測定結果の乱流ノイズが小さい。
【0072】また、請求項2に係る発明の熱式流量計の
ように、測定チップのみに溝を設けても、ボディの内部
にセンサー流路を形成することは可能であるので、この
場合は、基板に溝を設けることを省略でき、この点は、
特に、基板がセラミック又は金属などの溝加工しにくい
材料でできているときに有効である。
【0073】また、請求項3に係る発明の熱式流量計の
ように、基板のみに溝を設けても、ボディの内部にセン
サー流路を形成することは可能であるので、この場合
は、測定チップに溝を設けることを省略できるととも
に、さらに、溝加工による測定チップの強度低下を防止
することができる。
【0074】また、請求項4に係る発明の熱式流量計
は、測定チップが実装された基板をボディに密着させる
ことにより、ボディの内部において、主流路とセンサー
流路とを形成すると同時に、測定チップに設けられた熱
線を、センサー流路に橋設された状態にして、電気回路
を介し、センサー流路を流れる計測対象気体の流量、ひ
いては、ボディの内部を流れる計測対象気体の流量を測
定するものであるから、熱線が設けられた測定チップを
センサー部とするものであって、測定チップに設けられ
た熱線は、測定チップを基板に実装した際に、測定チッ
プの熱線用電極と、基板に挿設された電気回路用電極ピ
ンの平頭部とが接着されることによって、電気回路に接
続されているので、測定チップの熱線と電気回路との接
続に関し、ワイヤーボンディングの使用を回避したもの
と言うことができる。
【0075】また、請求項4に係る発明の熱式流量計に
おいて、測定チップに設けられた熱線は、センサー流路
に橋設された状態にあるので、壊れやすい部分である
が、センサー流路は、基板と基板に実装された測定チッ
プとの間に存在する弾性体の厚みで形成されるものであ
り、測定チップが基板に実装されると、測定チップに設
けられた熱線は、測定チップと基板との間に挟まれて、
外部から接触することが難しくなるので、組立・検査工
程などにおける取り扱いが容易となる。
【0076】また、請求項4に係る発明の熱式流量計に
おいては、測定チップに設けられた熱線などが壊れたり
しても、測定チップが実装された基板ごとの交換で対応
できるので、修理が容易となる。
【0077】また、請求項4に係る発明の熱式流量計
は、測定チップに設けられた熱線を、センサー流路に橋
設された状態にして、電気回路を介し、センサー流路を
流れる計測対象気体の流量、ひいては、ボディの内部を
流れる計測対象気体の流量を測定するものであるが、セ
ンサー流路は、基板と基板に実装された測定チップとの
間に存在する弾性体の厚みで細長く形成されるものであ
り、その細長い形状により、計測対象気体の流れが整え
られていくので、測定結果の乱流ノイズが小さい。
【0078】また、請求項4に係る発明の熱式流量計に
おいては、センサー流路が、基板と基板に実装された測
定チップとの間に存在する弾性体の厚みで形成されるも
のであるので、基板に溝を設けることを省略でき、この
点は、特に、基板がセラミック又は金属などの溝加工し
にくい材料でできているときに有効であり、同時に、測
定チップに溝を設けることを省略できるので、溝加工に
よる測定チップの強度低下を防止することもできる。
【0079】また、請求項4に係る発明の熱式流量計に
おいては、基板と基板に実装された測定チップとの間に
弾性体が存在しており、基板が多少反ったとしても、弾
性体が緩衝材として働くので、基板に実装された測定チ
ップが破壊されることはない。
【0080】尚、請求項5又は請求項6に係る発明の熱
式流量計のように、センサー流路が、基板と基板に実装
された測定チップとの間に存在する弾性体の厚みで形成
されるものであるけれども、測定チップ又は基板に溝を
設けたことにより、センサー流路の一部にしても、上述
したように、熱線が設けられた測定チップをセンサー部
とするものであって、測定チップの熱線と電気回路との
接続に関し、ワイヤーボンディングの使用を回避したも
のと言うことができるし、組立・検査工程などにおける
取り扱いが容易となるし、修理が容易となるし、測定結
果の乱流ノイズが小さい。
【0081】また、請求項7に係る発明の熱式流量計に
おいて、熱線を用いた計測原理を行うための電気回路を
基板の裏面に設ければ、熱線が設けられた測定チップは
基板の表面又は表面側で基板に実装されていることか
ら、熱線が設けられた測定チップと、熱線が設けられた
測定チップと熱線を用いた計測原理を行うための電気回
路とを、一つの基板に集約することができるので、省ス
ペースやコストダウンに貢献することができる。
【0082】また、請求項8に係る発明の熱式流量計に
おいて、センサー流路の下流側に熱線を設ければ、セン
サー流路の下流側は、センサー流路の細長い形状によ
り、計測対象気体の流れが整えられていく作用がより大
きく発揮されるので、測定結果の乱流ノイズがより小さ
くなる。
【0083】また、請求項9に係る発明の熱式流量計に
おいて、ボディに内設された底板を備え、底板で主流路
の断面積を変更させれば、ボディの内部を流れる計測対
象気体は、主流路とセンサー流路の断面積比に応じて、
主流路とセンサー流路とに分流されることから、センサ
ー流路に橋設された熱線からの出力特性を異なるものと
することができるので、かかる出力特性に応じて、セン
サー流路を流れる計測対象気体の流量、ひいては、ボデ
ィの内部を流れる計測対象気体の流量の測定範囲(流量
レンジ)を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱式流量計の断面図である。
【図2】本発明の熱式流量計で使用された測定チップの
正面図である。
【図3】本発明の熱式流量計で使用された測定チップの
側面図である。
【図4】本発明の熱式流量計において、測定チップを基
板に実装するときの斜視図である。
【図5】図1の線A−Aの断面図である。
【図6】本発明の熱式流量計の出力特性を示した図であ
る。
【図7】従来技術の熱式流量計の出力特性を示した図で
ある。
【図8】本発明の熱式流量計と従来技術の熱式流量計の
出力特性を比較した図である。
【図9】本発明の熱式流量計と従来技術の熱式流量計の
出力特性における乱流ノイズを比較した図である。
【図10】本発明の熱式流量計において、底板の高さを
変更したときの出力特性を示した図である。
【図11】本発明の熱式流量計において、底板の高さと
主流路の断面積の関係の一例を示した表である。
【図12】本発明の熱式流量計において、測定素子が実
装された基板のその他の例の断面図である。
【図13】図12の線B−B断面図である。
【図14】本発明の熱式流量計のその他の例の断面図で
ある。
【図15】整流機構の斜視図である。
【図16】整流板の正面図である。
【図17】本発明の熱式流量計のその他の例の断面図で
ある。
【図18】従来技術の熱式流量計の断面図である。
【図19】従来技術の熱式流量計で使用された測定素子
の斜視図である。
【符号の説明】
1A、1B、1C 熱式流量計 11 測定チップ 13 測定チップの溝 14、15、16、17 熱線用電極 18 温度センサー用熱線 19 流速センサー用熱線 21A、21B 基板 23 基板の溝 24、25、26、27 電気回路用電極 31、32、33、34 電気素子 28 電気回路用電極ピン 29 ゴム 41A、41B ボディ 47 底板 L 助走距離 M 主流路 S1、S2 センサー流路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱線と前記熱線に接続する熱線用電極と
    が設けられた測定チップと、 前記熱線を用いた計測原理を行うための電気回路に接続
    する電気回路用電極が表面に設けられた基板と、 前記基板が密着することにより主流路が形成されるボデ
    ィとを備え、 前記測定チップ又は前記基板に溝が設けられており、前
    記熱線用電極と前記電気回路用電極とを接着して前記測
    定チップを前記基板に実装することによって、前記主流
    路に対するセンサー流路を前記測定チップと前記基板と
    の間に前記溝で形成するとともに、前記センサー流路に
    前記熱線を橋設させたこと、を特徴とする熱式流量計。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載する熱式流量計であっ
    て、 前記測定チップのみに前記溝を設けたこと、を特徴とす
    る熱式流量計。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載する熱式流量計であっ
    て、 前記基板のみに前記溝を設けたこと、を特徴とする熱式
    流量計。
  4. 【請求項4】 熱線と前記熱線に接続する熱線用電極と
    が設けられた測定チップと、 前記熱線を用いた計測原理を行うための電気回路に接続
    する電気回路用電極ピンと、 前記電気回路用電極ピンが挿設された基板と、 前記電気回路用電極ピンと前記基板との間を密封する弾
    性体と、 前記基板が密着することにより主流路が形成されるボデ
    ィとを備え、 前記熱線用電極と前記電気回路用電極ピンの平頭部とを
    接着して前記測定チップを前記基板の表面側で実装する
    ことによって、前記主流路に対するセンサー流路を前記
    測定チップと前記基板との間に前記弾性体の厚みで細長
    く形成するとともに、前記センサー流路に前記熱線を橋
    設させたこと、を特徴とする熱式流量計。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載する熱式流量計であっ
    て、 前記測定チップに溝を設けたことにより、前記センサー
    流路の一部にしたこと、を特徴とする熱式流量計。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5に記載する熱式流
    量計であって、 前記基板に溝を設けたことにより、前記センサー流路の
    一部にしたこと、を特徴とする熱式流量計。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれか一つに
    記載する熱式流量計であって、 前記電気回路を前記基板の裏面に設けたこと、を特徴と
    する熱式流量計。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれか一つに
    記載する熱式流量計であって、 前記センサー流路の下流側に前記熱線を設けたこと、を
    特徴とする熱式流量計。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれか一つに
    記載する熱式流量計であって、 前記ボディに内設された底板を備え、 前記底板で前記主流路の断面積を変更させたこと、を特
    徴とする熱式流量計。
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