JP2002167594A - 電解イオン水を混合した水溶性クーラント液及び製造装置 - Google Patents
電解イオン水を混合した水溶性クーラント液及び製造装置Info
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Abstract
せ、水溶性クーラント液の腐敗防止、切削加工時の加工
性の向上、加工工具の長寿命化、及び研削加工時の砥石
の目詰まり防止効果もある水溶性クーラント液を得る。 【解決手段】 電解イオン水生成装置1によって得られ
る水のpH値が8.0以上13.0以下であり、及び/
または、酸化還元電位が−100mVから−1000m
Vである電解イオン水を、液面センサー7にて液面管理
されて混合タンク3内へ送水し、液面センサー7が適量
を感知したところで、電解イオン水の送水を止め、水溶
性クーラント原液を水溶性クーラント原液タンク5より
定量ポンプ4で送り込み、攪拌機6で攪拌しながら混合
した水溶性クーラント液を送りポンプ8で加工機に給油
する。
Description
工等に使用する水溶性クーラント液の腐敗防止、加工性
向上、砥石の目詰まり防止のために、電解イオン水を使
用する方法に関する。
一般に素材を除去加工(切削、研磨等)する装置では、
除去加工を行う工具と加工ワークの間に発生する莫大な
摩擦熱を冷却し、また、工具とワークの間の潤滑性を確
保して、工具寿命の延長や加工精度の向上するための冷
却液(クーラント液)が用いられる。
分とした油性(不水溶性)と、油分が水に溶解あるいは
エマルジョン化するように界面活性剤等を配合した水溶
性がある。現在では、水溶性クーラントの方がワークや
装置を汚さない、オイルミストがない、発火・発煙がな
い等の利点が多いため、特殊な加工以外は水溶性クーラ
ント液を用いることが多くなっている。
すると細菌が発生し、腐敗するという問題がある。水溶
性クーラント液が腐敗すると、悪臭の発生、油分の分
離、pHの変化、粘度の低下、スラッジの発生等が生
じ、結果的に切削性能・研磨性能の低下や作業環境の悪
化につながる。
続して、酸素が不足した状態になると、デサルフォヴィ
ブリオ・デサルフェリカンス(Desulfovibr
iodesulfuricans)等の嫌気性細菌が繁
殖しする。このような細菌は硫酸イオンを還元して硫化
水素を発生するため強烈な悪臭の原因になる。これらの
問題を解決するために、現状では各種の抗菌物質の添加
が行われている。
865号では、水溶性切削油にヨード酢酸エステル類及
びアミノ配糖体類のある種の薬剤を添加することにより
水溶性切削油の腐敗を防止する方法が開示されている。
しかし、薬剤を投入する方法は、薬剤濃度が高い初期段
階では、腐敗の進行を遅らせることは可能であるが、経
時変化等により薬剤濃度が低下するため腐敗を効果的に
防止することは困難である。また、殺菌力の強い薬剤を
使用することは、作業者や廃水処理装置内の有用微生
物、更には周囲の環境や生態系へ悪影響を与える恐れが
ある。
に使用する水としては、地下水、水道水、工業用水等が
用いられるため、混合時の希釈水には既に腐敗細菌が存
在しているという問題がある。
ント液内に乳化剤を添加し、水との乳化を促進する必要
があるが、水自体に乳化する働きがなく完全なエマルジ
ョン化が行われなかったり、使用中に分離してしまうた
め工具寿命が低下する問題があった。
液の中にある金属元素イオンが水と反応すると、水酸化
合物が生成されるが、このなかには、酸化されて不水溶
性のゲル状物質を生成して砥粒の間に付着し、砥石の目
詰まりの原因となることがある。
な好気性細菌を用いて分解して廃棄処理する方法が開発
され、2次廃棄物の出ない安全な方法として注目されて
いる。しかし、加工に使用したクーラント液には加工機
の潤滑油や加工ワークに付着した不水溶性油分が混入
し、浮上油として表面に膜を作り、好気性細菌が必要と
する酸素を遮断してしまうため、これに分解用細菌を投
入しても十分に活動せず分解できないという問題があっ
た。
としている。
ために、電気分解によって得られる水のpH値が8.0
以上13.0以下であり、及び/または、酸化還元電位
が−100mVから−1000mVである電解イオン水
を用いて水溶性クーラント原液を希釈混合することを特
徴とした水溶性クーラント液とするものである。
値が8.0以上13.0以下であり、及び/または、酸
化還元電位が−100mVから−1000mVであり、
溶存水素濃度が0.01mg/dm3以上、溶存酸素濃
度が0.5mg/dm3以上7mg/dm3以下である
電解イオン水を用いて水溶性クーラント原液を希釈混合
することを特徴とする水溶性クーラント液である。
と、これから得られた軟水を使用して電解イオン水を生
成する電解イオン水生成機1と、水溶性クーラント原液
を入れる水溶性クーラント原液タンク5と、所定の希釈
倍率にあわせて水溶性クーラント原液を添加する定量ポ
ンプ4と、電解イオン水と水溶性クーラント原液を混
合、攪拌する混合器9を有し、請求項1又は請求項2記
載の水溶性クーラント液を生成することを特徴とする水
溶性クーラント液製造装置である。
2と、これから得られた軟水を使用して電解イオン水を
生成する電解イオン水生成機1と、水溶性クーラント原
液を入れる水溶性クーラント原液タンク5と、所定の希
釈倍率にあわせて水溶性クーラント原液を添加する定量
ポンプ4と、電解イオン水と水溶性クーラント原液を混
合、貯水する混合タンク3と、電解イオン水と水溶性ク
ーラント原液を攪拌する攪拌機6と、混合タンクの液量
によって電解イオン水生成機及び定量ポンプを制御する
ための液面センサー7と、混合タンクの水溶性クーラン
ト液を加工機に送る送りポンプ8を有し、請求項1又は
請求項2記載の水溶性クーラント液を生成することを特
徴とする水溶性クーラント液製造装置である。
クーラント液製造装置において、水溶性クーラント液を
使用する加工機等のクーラント液タンクの液量がタンク
全体の10〜50%減少したらクーラント液補給信号を
発信する補給開始液量センサー10と、加工機等のクー
ラント液タンクが満水になったときに発信する満水液量
センサー11と、補給開始液量センサーの信号で水溶性
クーラント液の補給を開始し、満水液量センサーの信号
で補給を停止する制御回路12を有し、ほぼ周期的に新
しい水溶性クーラント液を補給することを特徴とする水
溶性クーラント液製造装置である。
性クーラント液製造装置において、水溶性クーラント液
を使用している加工機等において、クーラント液を最初
に補給するときは請求項1記載の水溶性クーラント液を
給水し、その後、液量がタンク全体の10〜50%減少
したら電解イオン水補給信号を発信する補給開始液量セ
ンサー10と、加工機等のクーラント液タンクが満水に
なったときに発信する満水液量センサー11と、補給開
始液量センサーの信号で電解イオン水の補給を開始し、
満水液量センサーの信号で補給を停止する制御回路12
を有し、ほぼ周期的に請求項1又は請求項2記載の電解
イオン水を補給することを特徴とする水溶性クーラント
液製造装置である。
性クーラント液製造装置において、水溶性クーラント液
を使用する加工機等のタンク容量の10〜50%の水溶
性クーラント液が1日から15日の期間に補給又は交換
するための周期タイマー回路14を有し、この周期タイ
マー回路の制御によって新しい水溶性クーラント液また
は請求項1又は請求項2記載の電解イオン水を補給する
ことを特徴とする水溶性クーラント液製造装置である。
は、クーラント液に、酸化還元電位−100mVから−
1000mVの還元力が強い電解イオン水を混合するこ
とで、多量の水酸化イオン(OH−)を発生し、マイナ
ス電荷が卓越してバクテリアと混在する構造タンパクを
包みこみ、静電気力によって同一符号電荷部分に相互の
反発力が生じ、構造タンパクがはがされ、内部の核物質
(DNA)も流出し、バクテリアを消滅させて液の腐敗
を防止することを特徴する水溶性クーラント液である。
また、酸化還元電位が低い状態で、バクテリアの生存が
不可能であることは良く知られているが、このような低
い酸化還元電位の状態は、電機分解を行うことによって
実現でき、薬剤を使用する必要がないため、作業者や環
境への影響を大きく低減できる。
の細菌を死滅させるため、滅菌された水でクーラント液
を希釈することができ、混合後初期の細菌の増加を抑制
できる。
電解現象が発生し、水素結合を破壊し、分子中の原子間
距離とH−O−Hの角度に何らかの変化を生じさせ、陰
イオン界面活性物質のような形をしたヒドロキシルイオ
ンを生じさせ、該イオンの界面活性作用のため乳化しや
すく、電解イオン水を使用することで、より乳化が進み
加工性を向上させ、工具寿命をのばすことを特徴とする
水溶性クーラント液である。
発生する水酸化合物の酸化が、還元性の高い電解イオン
水を使用することで抑制され、そのため目詰まりの原因
となる不水溶性のゲル状物質の生成を抑制し、砥石の目
詰まりを防止することを特徴とする水溶性クーラント液
である。
て、溶存水素の存在によりクーラント液の還元性が強化
され、制菌効果が向上する。また、溶存水素は溶存酸素
濃度を低下させる効果がある。
10〜11mg/dm3で最も速く増殖し、酸素濃度が
低下するにつれて増殖速度は低下する。また、逆に偏性
嫌気性細菌は溶存酸素濃度が0.1mg/dm3以下に
なると活発に増殖をはじめることが知られている。第2
の発明においては溶存酸素濃度が0.5mg/dm3以
上7mg/dm3以下であるため、通常の水道水の溶存
酸素濃度(9〜11mg/dm3)より低く好気性細菌
の繁殖が抑制できる。また、0.5mg/dm3以上で
あるため、偏性嫌気性細菌の増殖も抑制できる。
ラント原液を、自動で生成した電解イオン水で所定の濃
度に混合・希釈することができる。
ラント液の酸化還元電位は、希釈直後は−1000mV
〜−300mVを示すが、1日から2日経過すると−3
00から0mVに上昇する。このままの状態で使用する
と、細菌が繁殖しやすい状態になっていくが、第5、第
6、第7の発明にあるように周期的に新しい電解イオン
水や電解イオン水で希釈した水溶性クーラント液を補充
すると、酸化還元電位は−500〜−300mVに回復
し、これによってクーラント液に繁殖を始めた細菌が殺
菌される。このため、水溶性クーラント液を長期間使用
しても、細菌の増殖は抑制できる。
して説明する。ここで用いた電解イオン水は、原水に水
道水(滋賀県東浅井郡びわ町の水道水)を用い、これを
軟水機2(日本練水(株)製ME−5S型、使用イオン
交換樹脂:スチレン系強酸性イオン交換樹脂(ナトリウ
ム形))に通水してカルシウムイオン濃度、及びマグネ
シウムイオン濃度を0.005mmol/dm3以下と
した。図示していないが、原水を真空脱気、あるいは、
アルゴン等の不活性気体や窒素でばっ気を行うことは、
溶存酸素濃度を0.5mg/dm3以上7mg/dm3
以下である電解イオン水を得るために有効である。
分解しアルカリ水とした。電解支持物質として電解イオ
ン水生成装置の内部で、軟水に炭酸ナトリウムを添加し
て炭酸ナトリウム濃度を2.0mmol/dm3とし
た。電気分解には有隔膜電解槽を用いたが、無隔膜法で
も規定のアルカリ性水が得られれば使用可能である。電
気分解の条件は印加電圧DC60V、電流密度1.0A
/dm2、生成量1L/分である。
ント液としては、JIS K 2241で定められたW
1種の乳化型(emulsion type)とW2種
の透明乳化型(soluble type)をそれぞれ
水溶性クーラント原液A、Bとする。
7にて液面管理されて混合タンク3内へ上記電解イオン
水を送水し、液面センサー7が適量を感知したところ
で、電解イオン水の送水を止め、上記クーラント液を水
溶性クーラント原液タンク5より定量ポンプ4で送り込
み、攪拌機6で攪拌しながら混合して製造する。このと
きの濃度は5%とした。
液を、切削液を必要とする旋盤加工機、マシニングセン
ター等の加工機へ送りポンプ8にて送り込む。
参照して説明する。この発明は、電解イオン水を生成す
るところまでは上記実施例1と同様であるが、水溶性ク
ーラント原液との混合を行う混合タンクの代わりに、混
合器9を用いる。水溶性クーラント原液タンク5より定
量ポンプ4で送り込まれたクーラント原液は混合器の中
で、電解イオン水と混合される。
0mmのステンレス製主管に対して、内径4mmのクー
ラント添加パイプを90度の角度で挿入し、パイプの先
端が主管の中心になるように配置した。
工機に直接供給する。あるいは、クーラント液タンクに
貯水することもできる。この方法は、混合タンクや攪拌
機を使用しないため、装置が簡易で、小型化が可能であ
るという利点がある。
参照して説明する。これは、実施例2の装置を、加工機
のクーラント液量によって自動制御するものである。
ント液タンクの液不足を検知する補給開始液量センサー
10と、満水を検知する満水液量センサー11をそれぞ
れ加工機のクーラント液タンクに設ける。このセンサー
はフロート式、電気式、光式、超音波式等が使用可能で
ある。また、構造的には一体になっていても上限と下限
が検知できれば同じ機能が得られる。
入力し、クーラント液量が不足すると、電解イオン水生
成装置と定量ポンプを稼動して、水溶性クーラント液を
補給する。満水を検知すると、装置を停止して補給を止
める。
電解イオン水だけの補給も選択できる。この場合は、定
量ポンプが駆動せず、電解イオン水だけを加工機のクー
ラント液タンクに補給する。
参照して説明する。この発明は実施例1の装置に実施例
3の液面制御方法を組合せたものである。図示していな
い切換えスイッチ等で、加工機に水溶性クーラント液を
補給することと、電解イオン水だけを補給することを選
択できる。水溶性クーラント液を補給する場合は、電解
イオン水補給弁13を閉じ、送りポンプ8を稼動して、
混合タンク3の水溶性クーラント液を加工機に補給す
る。一方、電解イオン水だけを加工機に補給する場合
は、送りポンプを停止し、電解イオン水補給弁13を開
けた状態で電解イオン水生成装置1を稼動する。
が減少した場合は、クーラント希釈用弁14を開けて、
電解イオン水を混合タンクに貯水する。クーラント液の
製造方法は実施例1と同じである。
参照して説明する。これは、実施例3のシステムにおい
て、加工機のクーラント液タンクにクーラント液排水弁
16を設けたものである。また、クーラント液補給を周
期的に行うための周期タイマー回路15を制御回路12
と組合せて使用している。
ト液の補給制御が可能である。さらに、それに加えて、
周期タイマー回路14で任意に指定した時間間隔(1日
から15日)で加工機のクーラント液タンクのクーラン
ト液を排水する。これは周期タイマー回路がクーラント
液排水弁16を開けることで行う。排水する量はクーラ
ント液タンク全体の10%から50%である。これは、
バルブを開ける時間や、タンクに設けた液量センサーで
制御する。排水が完了すると、次に、実施例3と同様に
クーラント液あるいは電解イオン水を補給する。これ
は、図示していないスイッチ等で選択するのも同じであ
る。
ント液の菌の繁殖、臭い発生についての評価は、次の通
りである。
溶性クーラント原液A,Bを30ml、シャーレに移
し、各シャーレの蓋を取った状態で24時間屋外に放置
した後、蓋をかぶせ、37℃の恒温槽内で4日及び7日
保持した。また、比較のため水道水で希釈したクーラン
ト液でもテストを行った。
(生菌数)を標準寒天平板培養法に基づき、嫌気性菌数
をGAM寒天平板嫌気培養法に基づき、それぞれ測定を
行ない、臭気については、容量20Lのタンクに水溶性
切削液を入れて放置し、臭気を測定する際、液をバブリ
ングさせて発生するエアーの臭気を臭い計測器((株)
クリエーションシステムズ C−GC−329 高感度
酸化錫系、熱線型焼結半導体センサー)を用いて数値化
した。結果を表1に示す。
と比較すると、滅菌率が99%以上であり、日数が経過
したときの繁殖率も低いことがわかる。また、臭気につ
いては、7日後のクーラント原液Aを比較した場合、水
道水の臭気1879に対して電解イオン水の臭気215
と1/8以下であるため臭気の発生を抑制する効果があ
ることがわかる。
水、及び水道水で希釈した各水溶性クーラント原液A,
Bを使用して、マシニングセンターでドリル穴あけ加工
を連続的に行い、ドリルの寿命によって判定した。ドリ
ルはφ6mmを使用し、回転数は2800rpm、送り
は0.1mm/回で行った。鋼鈑の材質はS400で、
厚さは30mmである。結果を表2に示す。
クーラント液との乳化性がよい電解イオン水の方が、水
道水と比較しても2倍以上の穴加工が可能であることが
わかる。
イオン水、及び水道水で希釈した各水溶性クーラント原
液A,Bを使用して、横軸角テーブル平面研削盤でA4
6K砥粒を用いて、研磨加工を連続的に行い、砥石の目
詰まりによるドレッシング(目直し)回数によって判定
した。砥石車直径はφ205mmを使用し、円周速度は
1500m/分、送りは0.1mm/回で20mm研磨
を行った。鋼鈑の材質はS400で、厚さは30mmで
ある。結果を表3に示す。
らも、還元力の高い電解イオン水の方が、水道水と比較
してドレッシング無しで研削加工が可能であることがわ
かる。
位、溶存水素濃度、溶存酸素濃度を変化させて、実施例
1、実施例2、実施例3と同じ方法でクーラント液の特
性評価を行った。これら電解イオン水の特性(水質)
は、電気分解を行うときの、電解電圧、電解電流、原水
流量、原水中の溶存酸素濃度制御(前記した、真空脱
気、あるいは不活性気体によるばっ気等)により制御可
能である。また、異なる特性(水質)の電解イオン水を
混合することでも調整できる。これらの電解イオン水を
用いて水溶性クーラント液を希釈・混合したときの評価
結果を表4、表5、表6に示す。但し、表4の細菌数、
臭気は7日後の結果で比較する。
ト液の細菌数、臭気、切削性、研削性は実施例1、実施
例2、実施例3の水道水希釈クーラントと比較して改善
している。
0.01mg/dm3以上の場合、あるいは、溶存酸素
濃度が0.5mg/dm3以上7mg/dm3以下の場
合で制菌効果が向上した。
気性細菌数、臭気の評価において、保持期間を1ヶ月と
し、1週間、または2週間毎に全体のクーラント液量の
10%、30%、50%を電解イオン水で希釈したクー
ラント液で交換するのもと、水道水で希釈したクーラン
ト液で交換するものと、交換を行わないものの比較を行
った。クーラントの希釈濃度は5%、電解イオン水のp
Hは10.5、酸化還元電位は−815mVであった。
液の交換を行うため、液量を100mLに増やし、ビー
カーに保存して実施した。結果を表7に示す。
たクーラント液で交換するほうが、水道水希釈よりも細
菌数、臭気ともに少ないことがわかる。また、交換量が
多い方が細菌数、臭気ともにすくなくることがわかる。
が、ビーカーに蓋をせずに、室内で、室温状態のもの
と、37℃に加熱した状態の2条件で1ヶ月間保持し
た。このため蒸発により室温のものは1週間で約10%
の液補充を行い、37℃のものは25%の液補充を行っ
た。2週間間隔で補充したものは室温で20%、37℃
で50%の補充量ある。補充液は電解イオン水と水道水
の2種類で比較した。電解イオン水のpHは10.5、
酸化還元電位は−815mVであった。結果を表8に示
す。
る方が、水道水を補充するよりも細菌数、臭気ともに少
ないことがわかる。また、補充量が多い方が細菌数、臭
気ともにすくなくることがわかる。
を加工機(三菱重工業株式会社製 マシニングセンター
M−V60C)に設置し、実使用状態で1ヶ月間のク
ーラント液の状態を観察した。使用した希釈水はpH1
0.5、酸化還元電位−815mV、溶存水素濃度0.
95mg/dm3、溶存酸素濃度6.2mg/dm3で
ある。
て、悪臭の発生がきわめて少なく、作業環境が改善し
た。また、水道水希釈のクーラント液ではクーラント液
の表面に多くの浮上油が浮いていたが、イオン水希釈の
場合はこれらの油分が、イオン水の乳化作用でクーラン
ト液中に溶解し、浮上油のないクーラント液となった。
このため、タンク内部が嫌気状態になることが防止でき
るため、嫌気性菌の発生を抑制できるという効果も確認
した。さらに、加工機に付着した加工油が電解イオン水
で溶解し、装置が美しくなるという効果も見られた。加
えて、加工機の作業テーブル等の鉄素材部品の錆が発生
しにくくなり、装置の精度低下防止やメンテナンス回数
の削減等に寄与するとうい効果もあった。
ト液の廃液処理を行った。この菌は液中の溶存酸素で油
分を反応してエネルギーを得て、二酸化炭素と水に分解
するものである。
の浮上油が5mm程度の層で覆っていて、酸素の供給を
遮断してしまうため細菌の活動が活発にならず、1週間
経過しても、廃液のBOD、CODは23%しか低下し
なかった。一方、電解イオン水希釈のクーラント液は浮
上油が部分的に浮いている程度であり、酸素供給には支
障がなかった。そのため、細菌投入1週間後の廃液はB
OD、CODを92%低下することができた。
の水溶性クーラント液では、希釈液として、電解イオン
水を使用することで、細菌の繁殖に伴う異臭の発生を無
くすことができ、また、人体や環境に悪影響を与える防
腐剤の添加が不必要になるため、人と環境にやさしい職
場作りが可能となる。
ント液中の乳化剤が消滅しても、電解イオン水が持つ乳
化性が持続するために、加工性の低下がなく工具寿命も
延ばすことができ、より自動制御加工機に対応した水溶
性クーラント液となる。
化が、還元性の高い電解イオン水を使用することで抑制
され、目詰まりの原因となる水酸化物の酸化によるゲル
状物質の生成を抑制し、砥石の目詰まりを防止する。ま
た、陰イオン界面活性物質のような形をしたヒドロキシ
ルイオンを生じさせるため、表面張力が小さく、浸透性
に優れるため高い切り屑除去効果を得ることができる。
殊な好気性細菌を用いて分解して廃棄処理する方法にお
いて、電解イオン水を希釈液とした水溶性クーラント液
をしようすると、クーラント表面に浮上油が少なくな
り、油分解細菌の活動を低下させないという利点があ
る。また、加工機に付着した加工油が電解イオン水で溶
解し、装置が美しくなるという効果や、加工機の作業テ
ーブル等の鉄素材部品の錆が発生しにくくなり、装置の
精度低下防止やメンテナンス回数の削減等に寄与すると
うい利点がある。
請求項1記載のの発明に加えて、溶存水素の存在により
クーラント液の還元性が強化され、制菌効果が向上す
る。また、溶存水素は溶存酸素濃度を低下させる効果が
ある。また、溶存酸素濃度が0.5mg/dm3以上7
mg/dm3以下であるため、好気性細菌の繁殖も偏性
嫌気性細菌の増殖も抑制できる。
ント液製造装置では、市販のクーラント原液を、自動で
生成した電解イオン水で所定の濃度に混合・希釈するこ
とができる。
液製造装置では、混合した水溶性クーラント液を攪拌し
た状態で貯水できるため、水溶性クーラント液の乳化、
溶解状態を均一に維持できる。
性クーラント液製造装置では、周期的に新しい電解イオ
ン水や電解イオン水で希釈した水溶性クーラント液を補
充することで、酸化還元電位が−500〜−300mV
に回復し、これによってクーラント液に繁殖を始めた細
菌が殺菌されるため、水溶性クーラント液を長期間使用
しても、細菌の増殖は抑制できる。
液製造装置では、クーラント液の蒸発量が多く、使用し
ているクーラント液の希釈濃度が上昇する傾向になる加
工装置において、電解イオン水のみを補給することで水
溶性クーラント液の希釈濃度を適正に維持する事ができ
る。
製造装置では、クーラント液の蒸発量や持ち出し量が少
なくて、自然補給では十分に液交換ができない場合で
も、強制的にクーラント液を交換するため、細菌の増殖
抑制効果が高くなる。
造する実施例1の工程の説明図である。
造する実施例2の工程の説明図である。
造する実施例3の工程の説明図である。
造する実施例4の工程の説明図である。
造する実施例5の工程の説明図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 電気分解によって得られる水のpH値が
8.0以上13.0以下であり、及び/または、酸化還
元電位が−100mVから−1000mVである電解イ
オン水を用いて水溶性クーラント原液を希釈混合するこ
とを特徴とする水溶性クーラント液。 - 【請求項2】 電気分解によって得られる水のpH値が
8.0以上13.0以下であり、及び/または、酸化還
元電位が−100mVから−1000mVであり、溶存
水素濃度が0.01mg/dm3以上、溶存酸素濃度が
0.5mg/dm3以上7mg/dm3以下である電解
イオン水を用いて水溶性クーラント原液を希釈混合する
ことを特徴とする水溶性クーラント液。 - 【請求項3】 原水の硬度成分を除去する軟水機2と、
これから得られた軟水を使用して電解イオン水を生成す
る電解イオン水生成機1と、水溶性クーラント原液を入
れる水溶性クーラント原液タンク5と、所定の希釈倍率
にあわせて水溶性クーラント原液を添加する定量ポンプ
4と、電解イオン水と水溶性クーラント原液を混合、攪
拌する混合器9を有し、請求項1又は請求項2記載の水
溶性クーラント液を生成することを特徴とする水溶性ク
ーラント液製造装置。 - 【請求項4】 原水の硬度成分を除去する軟水機2と、
これから得られた軟水を使用して電解イオン水を生成す
る電解イオン水生成機1と、水溶性クーラント原液を入
れる水溶性クーラント原液タンク5と、所定の希釈倍率
にあわせて水溶性クーラント原液を添加する定量ポンプ
4と、電解イオン水と水溶性クーラント原液を混合、貯
水する混合タンク3と、電解イオン水と水溶性クーラン
ト原液を攪拌する攪拌機6と、混合タンクの液量によっ
て電解イオン水生成機及び定量ポンプを制御するための
液面センサー7と、混合タンクの水溶性クーラント液を
加工機に送る送りポンプ8を有し、請求項1又は請求項
2記載の水溶性クーラント液を生成することを特徴とす
る水溶性クーラント液製造装置。 - 【請求項5】 請求項3又は請求項4記載の水溶性クー
ラント液製造装置において、水溶性クーラント液を使用
する加工機等のクーラント液タンクの液量がタンク全体
の10〜50%減少したらクーラント液補給信号を発信
する補給開始液量センサー10と、加工機等のクーラン
ト液タンクが満水になったときに発信する満水液量セン
サー11と、補給開始液量センサーの信号で水溶性クー
ラント液の補給を開始し、満水液量センサーの信号で補
給を停止する制御回路12を有し、ほぼ周期的に新しい
水溶性クーラント液を補給することを特徴とする水溶性
クーラント液製造装置。 - 【請求項6】 請求項3又は請求項4記載の水溶性クー
ラント液製造装置において、水溶性クーラント液を使用
している加工機等において、クーラント液を最初に補給
するときは請求項1記載の水溶性クーラント液を給水
し、その後、液量がタンク全体の10〜50%減少した
ら電解イオン水補給信号を発信する補給開始液量センサ
ー10と、加工機等のクーラント液タンクが満水になっ
たときに発信する満水液量センサー11と、補給開始液
量センサーの信号で電解イオン水の補給を開始し、満水
液量センサーの信号で補給を停止する制御回路12を有
し、ほぼ周期的に請求項1又は請求項2記載の電解イオ
ン水を補給することを特徴とする水溶性クーラント液製
造装置。 - 【請求項7】 請求項3又は請求項4記載の水溶性クー
ラント液製造装置において、水溶性クーラント液を使用
する加工機等のタンク容量の10〜50%の水溶性クー
ラント液が1日から15日の期間に補給又は交換するた
めの周期タイマー回路14を有し、この周期タイマー回
路の制御によって新しい水溶性クーラント液または請求
項1又は請求項2記載の電解イオン水を補給することを
特徴とする水溶性クーラント液製造装置。
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