JP2002164355A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JP2002164355A
JP2002164355A JP2001276599A JP2001276599A JP2002164355A JP 2002164355 A JP2002164355 A JP 2002164355A JP 2001276599 A JP2001276599 A JP 2001276599A JP 2001276599 A JP2001276599 A JP 2001276599A JP 2002164355 A JP2002164355 A JP 2002164355A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サリサイド構造を有するMISFETにおい
て、シリサイド膜のサイドウォール下方への成長を防止
し、リーク電流を低減する。 【構成】 Si基板1の上に、ゲート絶縁膜2と、下部
ゲート電極3及び上部ゲート電極4からなるゲート電極
15と、ゲート上保護膜5とを形成する。その後、ゲー
ト電極15及びゲート上保護膜5の側面上に、断面がL
字状の酸窒化物サイドウォール17aと、窒化物サイド
ウォール8aとからなる積層サイドウォール20Aを形
成する。あるいは、酸窒化物サイドウォールに代えて、
L字状の酸化物サイドウォールの下端部のみを酸窒化部
にするか、酸化物サイドウォール又は積層サイドウォー
ルとこれを覆う窒化物サイドウォールを形成する。ウェ
ットエッチの際にサイドウォールの下端部が除去される
のを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソース・ドレイン
領域にシリサイド層を有する半導体装置およびその製造
方法に係り、特に、接合リークの低減対策に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、LSI中のMISFETの超微細
化、高速動作化に伴って、MISFETのスケーリング
に応じた寸法の縮小が要求されており、特にゲート電極
の側面上のサイドウォールの幅の縮小や、ゲート電極と
ソースドレイン領域とのコンタクトマージンの縮小がま
すます必要となってきている。また、ソース・ドレイン
領域の低抵抗化のために、ソース・ドレイン領域の表面
部とゲート電極の表面部とをシリサイド化するいわゆる
サリサイド工程が採用されることも多い。
【0003】このようなサリサイドプロセスを採用する
場合、一般的に、サイドウォールの材質として、サリサ
イド形成用金属膜の堆積前のフッ酸系溶液によるウェッ
トエッチング工程での膜減りを防止するために、ウェッ
トエッチング耐性の高いシリコン窒化膜が用いられてい
る。また、ソース・ドレインコンタクトがゲート電極や
サイドウォールにオーバーラップして形成されても、コ
ンタクトとゲート電極あるいはコンタクトとサイドウォ
ール下方の半導体基板内の領域(例えばエクステンショ
ン領域(又はLDD領域))との短絡を防止できるよう
に、ゲート電極の上方の絶縁膜とサイドウォールとをド
ライエッチ耐性の高いシリコン窒化膜により構成してい
る。しかしながら、ゲート電極の側面上に直接シリコン
窒化膜を形成すると、シリコン窒化膜から半導体基板の
チャネル領域にストレスが作用したり、含有水素の影響
によりホットキャリア耐性が劣化することや、シリコン
窒化膜が高誘電率であることからシリコン窒化膜単層の
サイドウォール構造では、ゲートオーバーラップ容量が
増大し、回路の速度が低下することが知られており、通
常は、窒化膜とゲート電極および半導体基板の間にシリ
コン酸化膜を介在させた2層構造をとっている。
【0004】また、半導体基板上には、I/O部に配置
されるMISFETも設けられており、I/O部に用い
るMISFETにおいては、ゲート酸化膜耐性、ESD
耐性を確保するために、ソース、ドレイン領域にシリサ
イド層を設けない構造が採用されている。つまり、1つ
の半導体基板に、シリサイド形成領域と非シリサイド形
成領域とがあることになる。
【0005】図6(a)〜(e)は、従来のポリメタル
ゲート構造を有する半導体装置の製造工程を有する断面
図を示す図である。図6(a)〜(e)においては、n
型MISFET形成領域のみ図示されているが、基板上
の別の部位にはp型MISFETが形成される。
【0006】まず、図6(a)に示す工程において、半
導体基板101の上に、酸窒化膜と、n型ポリシリコン
膜と、金属膜と、シリコン窒化膜とを順に堆積する。そ
の後、フォトリソグラフィー工程により、シリコン窒化
膜上にエッチングマスクとなるフォトレジスト膜を形成
し、フォトレジスト膜をマスクとするエッチングによ
り、シリコン窒化膜,金属膜,ポリシリコン膜及びシリ
コン酸化膜をパターニングして、ゲート上シリコン窒化
膜105と、金属膜からなる上部ゲート電極104と、
ポリシリコン膜からなる下部ゲート電極103と、ゲー
ト絶縁膜102とを形成する。さらに、p型MISFE
T形成領域(図示せず)を覆うフォトレジスト膜(図示
せず)を形成した上で、n型MISFET形成領域にお
いて、ゲート上シリコン窒化膜105,各ゲート電極1
04,103をマスクとして、例えば砒素イオン(As
+ )を、加速エネルギーが約10keV,ドーズ量が約
5.0×1014atoms ・cm-2の条件で、半導体基板1
01内に導入して、n型エクステンション領域(又はL
DD領域)106を形成する。
【0007】次に、図6(b)に示す工程で、例えばL
P−CVD法により、厚みが約20nmのシリコン酸化
膜107と、厚みが約80nmのシリコン窒化膜108
とを順次形成する。
【0008】次に、図6(c)に示す工程で、異方性エ
ッチングにより、シリコン窒化膜108とシリコン酸化
膜107とをエッチバックして、窒化物サイドウォール
108aと、断面がL字状のL字状サイドウォール10
7aとを形成する。その後、ゲート上シリコン窒化膜1
05,各ゲート電極104,103及び各サイドウォー
ル108a,107aをマスクとして、例えば砒素イオ
ンを、加速エネルギーが約50keV,ドーズ量が5.
0×1015atoms ・cm-2の条件で、半導体基板101
内に注入し、さらに、1000℃,10秒間の高速加熱
処理を行なって、n型の高濃度ソース・ドレイン領域1
09を形成する。
【0009】次に、図6(d)に示す工程で、高濃度ソ
ース・ドレイン領域109上にシリサイド層を形成する
に先立って、非シリサイド形成領域(図示せず)にシリ
サイド化を防止するためために、以下の処理を行なう。
まず、例えばLP−CVD法により、基板上に厚み約5
0nmの反応防止用シリコン酸化膜を堆積した後、反応
防止用シリコン酸化膜の上に、非シリサイド形成領域を
覆い、シリサイド形成領域(例えば図6(d)に示す領
域)を開口したフォトレジスト膜を形成し、フォトレジ
スト膜をエッチングマスクとして、例えば20:1に希
釈されたバッファードフッ酸溶液により、30秒程度の
間、反応防止用シリコン酸化膜のウェットエッチングを
行い、反応防止用シリコン酸化膜のうちシリサイド形成
領域に位置する部分を除去する。このとき、反応防止用
シリコン酸化膜をできるだけ完全に除去するために、オ
ーバーエッチングが行なわれるが、このウェットエッチ
ングのオーバーエッチングにより、L字状サイドウォー
ル107aの下端部で窒化物サイドウォール108aと
半導体基板101とに挟まれた部分がエッチングされ
て、図6(d)に示すような,酸化膜除去部Rdeが形成
される。
【0010】次に、図6(e)に示す工程で、アッシン
グ,RCA洗浄などを行なってフォトレジスト膜を除去
した後、その処理の際にシリコン層(高濃度ソース・ド
レイン領域109など)の表面に形成されるシリコン酸
化膜を除去するために、例えば100:1のフッ酸溶液
でウェットエッチングを行なう。その際にも、L字状サ
イドウォール107aがエッチングされる。その後、基
板上に、厚みが約8nmのCo膜を堆積し、例えば55
0℃,60秒間の熱処理を加えて、シリコン層とCo膜
とが互いに接している部分でCoとSiとを反応させ
る。その結果、高濃度ソース・ドレイン領域109の上
に、CoSi2 からなるコバルトシリサイド層111が
形成される。その後、選択ウェットエッチングにより、
Co膜のうちSiと反応していない部分を除去する。
【0011】以上の工程により、いわゆるサリサイド構
造を有する,微細化に適したMISFETが得られる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の半導体装置の製造方法においては、以下のような不
具合がある。図6(d)に示す状態で、酸化膜除去部R
deにおいて、半導体基板101の一部(高濃度ソース・
ドレイン領域109及びn型エクステンション領域(又
はLDD領域)106の各一部)が露出しているので、
窒化物サイドウォール108の下方においてコバルトシ
リサイド層111が酸化膜除去部Rde内を横方向に成長
する。つまり、pn接合部が浅く形成されているn型エ
クステンション領域(又はLDD領域)106の一部が
シリサイド化されることで、コバルトシリサイド層11
1の一部と半導体基板101の基板領域(ここではp型
ウェル領域)とが直接接するか、あるいはn型エクステ
ンション領域(又はLDD領域)106のごく薄い層を
挟んで両者が対向することになるので、コバルトシリサ
イド層111とp型ウェルである半導体基板101の基
板領域との間でリーク電流が発生する。また、n型エク
ステンション領域(又はLDD領域)がなく高濃度ソー
ス・ドレイン領域のみがある場合には、シリサイド層が
チャネル領域に接触するので、リーク電流がより生じや
すくなると考えられる。
【0013】そこで、このような酸化膜除去部Rdeが形
成されることを防ぐ手段として、例えば特開平11−3
45963に記載されているように、酸化膜からなるL
字状サイドウォールと窒化物サイドウォールとの2層構
造からなるサイドウォールにおいて、酸化物サイドウォ
ールが除去された端部,つまり、上述の酸化膜除去部R
deを別の窒化膜で塞ぐ構造も提案されている。しかし、
この場合、この別の窒化膜と半導体基板のチャネル領域
に近い部分とが直接接することによる半導体基板の界面
準位の発生や、ストレスによるホットキャリア耐性の劣
化や、ゲート絶縁膜の信頼性の劣化という不具合があ
る。また、厚みが10〜20nm程度の狭い空間である
酸化膜除去部が、窒化膜によっては完全に塞がらないと
いう不具合も懸念される。
【0014】本発明の目的は、シリコン窒化膜とシリコ
ン酸化膜とを積層したサイドウォールを備えた半導体装
置において、窒化膜に対してゲート電極や半導体基板が
直接接することに起因する特性不良を回避しつつ、ソー
ス・ドレイン領域をシリサイド化したときのリーク電流
の発生を抑制することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の半導体装
置は、半導体層を有する基板と、上記半導体層の上に設
けられたゲート絶縁膜と、上記ゲート絶縁膜の上に設け
られたゲート電極と、上記ゲート電極の側面上に設けら
れたシリコン窒化膜からなる窒化物サイドウォールと、
上記ゲート電極と窒化物サイドウォールとの間から上記
半導体層と窒化物サイドウォールとの間に亘って介在す
る断面がL字状のストレス緩和用サイドウォールと、上
記半導体層のうち上記ゲート電極の両側方に位置する領
域に設けられたソース・ドレイン領域と、上記ソース・
ドレイン領域の上部に設けられたシリサイド層とを備
え、上記ストレス緩和用サイドウォールのうち少なくと
も下端部が酸窒化膜により構成されている。
【0016】これにより、ストレス緩和用サイドウォー
ルの存在により窒化物サイドウォールがゲート電極及び
半導体層に接触することに起因するホットキャリア耐性
やゲート絶縁膜の信頼性などの特性の悪化を回避しつ
つ、ストレス緩和用サイドウォールの下端部が酸窒化膜
により構成されていることで、ストレス緩和用サイドウ
ォールの下方までシリサイド層が形成されるのを防止す
ることができる。したがって、ホットキャリア耐性など
の特性を良好に維持しつつ、リーク電流が抑制された半
導体装置の提供を図ることができる。
【0017】上記ストレス緩和用サイドウォールの下端
部だけでなく、その全体を酸窒化膜により構成すること
もできる。
【0018】本発明の第2の半導体装置は、半導体層を
有する基板と、上記半導体層の上に設けられたゲート絶
縁膜と、上記ゲート絶縁膜の上に設けられたゲート電極
と、上記ゲート電極の側面上に上記半導体層と下端部が
接するように設けられたシリコン窒化膜からなる窒化物
サイドウォールと、上記ゲート電極と窒化物サイドウォ
ールとの間に介在するストレス緩和機能を有する絶縁体
サイドウォールと、上記半導体層のうち上記ゲート電極
の両側方に位置する領域に設けられたソース・ドレイン
領域と、上記ソース・ドレイン領域の上部に設けられた
シリサイド層とを備えている。
【0019】これによっても、ストレス緩和機能を有す
る絶縁体サイドウォールの存在により窒化物サイドウォ
ールがゲート電極に接触することに起因するホットキャ
リア耐性やゲート絶縁膜の信頼性などの特性の悪化を回
避しつつ、窒化物サイドウォールの存在により絶縁体サ
イドウォールの下方までシリサイド層が形成されるのを
防止することができる。したがって、電気的特性のよ
い,リーク電流が抑制された半導体装置の提供を図るこ
とができる。
【0020】上記窒化物サイドウォールが、化学量論的
組成よりもシリコンリッチな組成を有するシリコン窒化
膜により構成されていることにより、窒化物サイドウォ
ールが半導体層に接触していても、半導体層へのストレ
スの印加を抑制することができる。
【0021】上記ストレス緩和機能を有する絶縁体サイ
ドウォールが、上記ゲート電極の側面と上記窒化物サイ
ドウォールとの間に設けられたシリコン窒化膜からなる
もう1つの窒化物サイドウォールと、上記ゲート電極と
上記もう1つの窒化物サイドウォールとの間から上記半
導体層と上記もう1つの窒化物サイドウォールとの間に
亘って介在する断面がL字状の酸化物サイドウォールと
により構成されていてもよい。
【0022】本発明の第1の半導体装置の製造方法は、
基板の半導体層の上にゲート絶縁膜及びゲート電極を形
成する工程(a)と、基板上に、酸化膜のウエットエッ
チに対する耐性を有する絶縁膜及びシリコン窒化膜を堆
積した後、上記絶縁膜及びシリコン窒化膜を異方性エッ
チングによりエッチバックして、上記ゲート電極の側面
上に、窒化物サイドウォールと、上記ゲート電極と窒化
物サイドウォールとの間から上記半導体層と窒化物サイ
ドウォールとの間に亘って介在する断面がL字状のスト
レス緩和用絶縁膜とを形成する工程(b)と、上記半導
体層のうち上記ゲート電極の両側方に位置する領域に、
ソース・ドレイン領域を形成する工程(c)と、上記ソ
ース・ドレイン領域の上部をシリサイド層にする工程
(d)とを含んでいる。
【0023】この方法により、ソース・ドレイン領域に
シリサイド層を形成するための前処理において、ストレ
ス緩和用絶縁膜の下端部がエッチングされることがない
ので、工程(d)においてシリサイド層がストレス緩和
用絶縁膜の下方に延びてチャネル領域やエクステンショ
ン領域(又はLDD領域)に到達することはない。した
がって、シリサイド層から基板領域へのリーク電流の少
ない半導体装置を形成することができる。
【0024】上記工程(b)では、CVDによりシリコ
ン酸化膜を堆積した後、シリコン酸化膜の焼き締めのた
めの熱処理を行なうことにより、上記酸化膜のウエット
エッチに対する耐性を有する絶縁膜を形成することがで
きる。
【0025】また、上記工程(b)では、上記酸化膜の
ウエットエッチに対する耐性を有する絶縁膜として、シ
リコン酸窒化膜を形成することもできる。
【0026】本発明の第2の半導体装置の製造方法は、
基板の半導体層の上にゲート絶縁膜及びゲート電極を形
成する工程(a)と、基板上にシリコン酸化膜及びシリ
コン窒化膜を堆積した後、上記シリコン酸化膜及びシリ
コン窒化膜を異方性エッチングによりエッチバックし
て、上記ゲート電極の側面上に、窒化物サイドウォール
と、上記ゲート電極と窒化物サイドウォールとの間から
上記半導体層と窒化物サイドウォールとの間に亘って介
在する断面がL字状のストレス緩和用酸化膜とを形成す
る工程(b)と、窒化処理を行なって、上記ストレス緩
和用酸化膜の下端部を酸窒化部にする工程(c)と、上
記半導体層のうち上記ゲート電極の両側方に位置する領
域に、ソース・ドレイン領域を形成する工程(d)と、
上記ソース・ドレイン領域の上部をシリサイド層にする
工程(e)とを含んでいる。
【0027】この方法によっても、第2の半導体装置の
製造方法と同様に、シリサイド層から基板領域へのリー
ク電流の少ない半導体装置を形成することができる。
【0028】本発明の第3の半導体装置の製造方法は、
基板の半導体層の上にゲート絶縁膜及びゲート電極を形
成する工程(a)と、上記ゲート電極の側面上に、スト
レス緩和機能を有する絶縁体サイドウォールを形成する
工程(b)と、基板上にシリコン窒化膜を堆積する工程
(c)と、上記シリコン窒化膜の上に、反応防止用酸化
膜を形成する工程(d)と、上記反応防止用酸化膜のう
ち非シリサイド形成領域に位置する部分を残して、シリ
サイド形成領域に位置する部分を選択的に除去する工程
(e)と、上記シリコン窒化膜のうちシリサイド形成領
域に位置する部分の異方性エッチングを行なって、上記
絶縁体サイドウォールの上に上記半導体層に接する窒化
物サイドウォールを形成する工程(f)と、上記半導体
層のうち上記ゲート電極の両側方に位置する領域に、ソ
ース・ドレイン領域を形成する工程(g)と、上記ソー
ス・ドレイン領域の上部をシリサイド層にする工程
(h)とを含んでいる。
【0029】この方法により、工程(e)においてシリ
サイド形成領域の反応防止用酸化膜を除去する際に、シ
リサイド形成領域がシリコン窒化膜によって覆われてい
るので、絶縁体サイドウォールの下端部はほとんどエッ
チングされない。したがって、その後の工程(g)にお
いてシリサイド層が絶縁体サイドウォールの下方に延び
てチャネル領域やエクステンション領域(又はLDD領
域)に到達することはない。よって、シリサイド層から
基板領域へのリーク電流の少ない半導体装置を形成する
ことができる。
【0030】上記工程(b)では、基板上にシリコン酸
化膜及びシリコン窒化膜を堆積した後、上記シリコン酸
化膜及びシリコン窒化膜を異方性エッチングによりエッ
チバックして、上記ゲート電極の側面上に、窒化物サイ
ドウォールと、上記ゲート電極と窒化物サイドウォール
との間から上記半導体層と窒化物サイドウォールとの間
に亘って介在する断面がL字状のストレス緩和用酸化膜
とを形成することができる。
【0031】上記工程(c)では、上記シリコン窒化膜
として、化学量論的組成よりもシリコンリッチな組成を
有するシリコン窒化膜を形成することにより、半導体層
へのストレスの印加などの悪影響をできるだけ低減する
ことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1(a)〜
(d)は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造
工程を示す断面図である。図1(a)〜(d)には、n
MISFET領域のみが図示されているが、基板にはp
MISFET領域も存在することが前提である。pMI
SFET領域においては、基板領域やエクステンション
領域(又はLDD領域),高濃度ソース・ドレイン領域
の導電型がnMISFET領域とはすべて逆になってい
る。
【0033】まず、図1(a)に示す工程において、S
i基板1上に、厚みが約3.0のシリコン酸窒化膜と、
下部ゲート電極となる厚みが約100nmのポリシリコ
ン膜と、上部ゲート電極となるメタル膜と、ゲート上保
護膜となるシリコン窒化膜とを順に形成する、その後、
フォトリソグラフィーにより、上記シリコン窒化膜の上
に、所望ゲート電極パターンを形成するためのレジスト
マスク(図示せず)を形成した後、このレジストマスク
を用いたドライエッチングにより、シリコン窒化膜、メ
タル膜,ポリシリコン膜及びシリコン酸窒化膜をパター
ニングして、ゲート絶縁膜2と、下部ゲート電極3及び
上部ゲート電極4からなるゲート電極15と、ゲート上
保護膜5とを形成する。さらに、pMISFET領域を
覆うレジストマスク(図示せず)を形成した後、nMI
SFET領域において、砒素イオン(As+ )を、加速
エネルギーが約10keV,ドーズ量が約5.0×10
14atoms ・cm-2の条件でSi基板1内に注入して、n
型エクステンション領域(又はLDD領域)6を形成す
る。
【0034】次に、図1(b)に示す工程で、LP−C
VD法により、基板上に、厚みが約20nmのシリコン
酸窒化膜17と、厚みが約80nmのシリコン窒化膜8
とを順次形成する。
【0035】さらに、図1(c)に示す工程で、シリコ
ン酸窒化膜17とシリコン窒化膜8との異方性エッチン
グを行なって、ゲート電極15及びゲート上保護膜5の
側面上に、断面がL字状の酸窒化物サイドウォール17
aと、窒化物サイドウォール8aとの積層膜からなる積
層サイドウォール20Aを形成する。その後、ゲート上
保護膜5,ゲート電極15及び積層サイドウォール20
Aをマスクとして、砒素イオン(As+ )を、加速エネ
ルギーが約50keV,ドーズ量が約5.0×1015at
oms ・cm-2の条件で、Si基板1内に注入し、さらに
1000℃,10秒間の高速加熱処理により、n型の高
濃度ソース・ドレイン領域9を形成する。
【0036】次に、図1(d)に示す工程で、高濃度ソ
ース・ドレイン領域9上にシリサイド層を形成するに先
立って、非シリサイド形成領域(図示せず)におけるシ
リサイド化反応を防止するために、以下の処理を行な
う。まず、例えばLP−CVD法により、基板上に厚み
約50nmの反応防止用シリコン酸化膜を堆積した後、
シリコン酸化膜の上に、非シリサイド形成領域を覆い、
シリサイド形成領域(例えば図1(d)に示す領域)を
開口したフォトレジスト膜を形成し、フォトレジスト膜
をエッチングマスクとして、例えば20:1に希釈され
たバッファードフッ酸溶液により、30秒程度の間、反
応防止用シリコン酸化膜のウェットエッチングを行い、
反応防止用シリコン酸化膜のうちシリサイド形成領域に
位置する部分を除去する。このとき、反応防止用シリコ
ン酸化膜をできるだけ完全に除去するために、オーバー
エッチングが行なわれるが、窒化物サイドウォール8a
とL字状の酸窒化物サイドウォール17aとは、フッ酸
溶液に対するエッチング耐性が高いためほとんど除去さ
れない。つまり、図6(d)に示すような,酸化膜除去
部Rdeは形成されない。
【0037】その後、アッシング,RCA洗浄などを行
なって、フォトレジスト膜を除去した後、その処理の際
にシリコン層(高濃度ソース・ドレイン領域9など)の
表面に形成されるシリコン酸化膜を除去するために、例
えば100:1のフッ酸溶液でウェットエッチングを行
なう。その際にも、窒化物サイドウォール8aとL字状
の酸窒化物サイドウォール17aとはほとんどエッチン
グされない。その後、基板上に、厚みが約8nmのCo
膜を堆積し、例えば550℃,60秒間の熱処理を加え
て、シリコン層とCo膜とが互いに接している部分でC
oとSiとを反応させる。その結果、高濃度ソース・ド
レイン領域9の上に、CoSi2 からなるコバルトシリ
サイド層11が形成される。その後、選択ウェットエッ
チングにより、Co膜のうちSiと反応していない部分
を除去する。
【0038】本実施形態の半導体装置又はその製造方法
によると、図1(d)に示す工程で、Si基板1上のL
字状の酸窒化物サイドウォール17aがフッ酸溶液にエ
ッチングされずに残るので、図6(d)に示すような酸
化膜除去部Rdeが形成されることはなく、積層サイドウ
ォール20Aの下方には、ほとんどコバルトシリサイド
層11が形成されない。つまり、コバルトシリサイド層
11は積層サイドウォール20Aの下端部よりもほぼ外
方にのみ形成され、コバルトシリサイド層11が横方向
に成長して接合深さの浅いn型エクステンション領域
(又はLDD領域)6に達することはない。したがっ
て、コバルトシリサイド層11の底部は高濃度ソース・
ドレイン領域9によって囲まれ、コバルトシリサイド層
11とSi基板1の基板領域(ここではp型ウェル領
域)との間におけるリーク電流の発生が抑制されること
になる。
【0039】また、窒化物サイドウォール8は、ゲート
電極15及びSi基板1に接触していないので、Si基
板1の界面準位の発生や、窒化物サイドウォール8から
のストレスに起因するホットキャリア耐性の劣化,ゲー
ト絶縁膜2の信頼性の低下をも抑制することができる。
【0040】なお、本実施形態の製造方法では、図1
(b)に示す工程において、LP−CVD法により、シ
リコン酸窒化膜17を形成したが、本発明の半導体装置
の製造方法は、斯かる実施形態に限定されるものではな
く、例えば、プラズマCVD法や、シリコン酸化膜を形
成した後にアンモニア(NH3 )やN2 Oガス中でシリ
コン酸化膜の窒化を行なうことにより、シリコン酸窒化
膜を形成してもよい。
【0041】(第2の実施形態)図2(a)〜(c)
は、本発明の第2の実施形態の製造工程を示す断面図で
ある。図2(a)〜(c)には、nMISFET領域の
みが図示されているが、基板にはpMISFET領域も
存在することが前提である。pMISFET領域におい
ては、基板領域やエクステンション領域(又はLDD領
域),高濃度ソース・ドレイン領域の導電型がnMIS
FET領域とはすべて逆になっている。
【0042】まず、図2(a)に示す工程において、S
i基板1上に、厚みが約3.0のシリコン酸窒化膜と、
下部ゲート電極となる厚みが約100nmのポリシリコ
ン膜と、上部ゲート電極となるメタル膜と、ゲート上保
護膜となるシリコン窒化膜とを順に形成する、その後、
フォトリソグラフィーにより、上記シリコン窒化膜の上
に、所望ゲート電極パターンを形成するためのレジスト
マスク(図示せず)を形成した後、このレジストマスク
を用いたドライエッチングにより、シリコン窒化膜、メ
タル膜,ポリシリコン膜及びシリコン酸窒化膜をパター
ニングして、ゲート絶縁膜2と、下部ゲート電極3及び
上部ゲート電極4からなるゲート電極15と、ゲート上
保護膜5とを形成する。さらに、pMISFET領域を
覆うレジストマスク(図示せず)を形成した後、nMI
SFET領域において、砒素イオン(As+ )を、加速
エネルギーが約10keV,ドーズ量が約5.0×10
14atoms ・cm-2の条件でSi基板1内に注入して、n
型エクステンション領域(又はLDD領域)6を形成す
る。
【0043】次に、LP−CVD法により、基板上に、
厚みが約20nmのシリコン酸化膜と、厚みが約80n
mのシリコン窒化膜とを順次形成した後、シリコン酸化
膜とシリコン窒化膜との異方性エッチングを行なって、
ゲート電極15及びゲート上保護膜5の側面上に、断面
がL字状の酸化物サイドウォール7と、窒化物サイドウ
ォール8aとの積層膜からなる積層サイドウォール20
Bを形成する。
【0044】その後、図2(b)に示す工程で、ゲート
上保護膜5,ゲート電極15及び積層サイドウォール2
0Bをマスクとして、砒素イオン(As+ )を、加速エ
ネルギーが約50keV,ドーズ量が約5.0×1015
atoms ・cm-2の条件で、Si基板1内に注入し、さら
に窒素を含む雰囲気(例えば、NH3 ガス,N2 Oガス
など)で1000℃,10秒間の高速加熱処理により、
n型の高濃度ソース・ドレイン領域9を形成するととも
に、酸化物サイドウォール7の下端部のうち露出してい
る表面部を窒化して、酸窒化部21を形成する。このと
き、高濃度ソース・ドレイン領域9に注入された不純物
の活性化のための熱処理と、酸窒化部21の形成のため
の熱処理(活性化のための熱処理よりも低めの温度,例
えば900℃程度が好ましい)とを分けて行なってもよ
い。また、酸窒化部21の形成を窒素分以下によるプラ
ズマ処理によって行なってもよい。
【0045】次に、図2(c)に示す工程で、高濃度ソ
ース・ドレイン領域9上にシリサイド層を形成するに先
立って、非シリサイド形成領域(図示せず)におけるシ
リサイド化反応を防止するためにために、以下の処理を
行なう。まず、例えばLP−CVD法により、基板上に
厚み約50nmの反応防止用シリコン酸化膜を堆積した
後、反応防止用シリコン酸化膜の上に、非シリサイド形
成領域を覆い、シリサイド形成領域(例えば図2(c)
に示す領域)を開口したフォトレジスト膜を形成し、フ
ォトレジスト膜をエッチングマスクとして、例えば2
0:1に希釈されたバッファードフッ酸溶液により、3
0秒程度の間、反応防止用シリコン酸化膜のウェットエ
ッチングを行い、反応防止用シリコン酸化膜のうちシリ
サイド形成領域に位置する部分を除去する。このとき、
反応防止用シリコン酸化膜をできるだけ完全に除去する
ために、オーバーエッチングが行なわれるが、窒化物サ
イドウォール8aとL字状の酸化物サイドウォール7の
下端部の酸窒化部21とはフッ酸溶液に対するエッチン
グ耐性が高いためほとんど除去されない。つまり、図6
(d)に示すような,酸化膜除去部Rdeは形成されな
い。
【0046】その後、アッシング,RCA洗浄などを行
なって、フォトレジスト膜を除去した後、その処理の際
にシリコン層(高濃度ソース・ドレイン領域9など)の
表面に形成されるシリコン酸化膜を除去するために、例
えば100:1のフッ酸溶液でウェットエッチングを行
なう。その際にも、窒化物サイドウォール8aとL字状
の酸化物サイドウォール7の酸窒化部21とはほとんど
エッチングされない。その後、基板上に、厚みが約8n
mのCo膜を堆積し、例えば550℃,60秒間の熱処
理を加えて、シリコン層とCo膜とが互いに接している
部分でCoとSiとを反応させる。その結果、高濃度ソ
ース・ドレイン領域9の上に、CoSi 2 からなるコバ
ルトシリサイド層11が形成される。その後、選択ウェ
ットエッチングにより、Co膜のうちSiと反応してい
ない部分を除去する。
【0047】本実施形態の半導体装置又はその製造方法
によると、図2(c)に示す工程で、Si基板1上のL
字状の酸化物サイドウォール7の酸窒化部21がフッ酸
溶液にエッチングされずに残るので、図6(d)に示す
ような酸化膜除去部Rdeが形成されることはなく、積層
サイドウォール20Bの下方には、ほとんどコバルトシ
リサイド層11が形成されない。つまり、コバルトシリ
サイド層11は積層サイドウォール20Bの下端部より
もほぼ外方にのみ形成され、コバルトシリサイド層11
が横方向に成長して接合深さの浅いn型エクステンショ
ン領域(又はLDD領域)6に達することはない。した
がって、コバルトシリサイド層11の底部は高濃度ソー
ス・ドレイン領域9によって囲まれ、コバルトシリサイ
ド層11とSi基板1の基板領域(ここではp型ウェル
領域)との間におけるリーク電流の発生が抑制されるこ
とになる。
【0048】また、窒化物サイドウォール8は、ゲート
電極15及びSi基板1に接触していないので、Si基
板1の界面準位の発生や、窒化物サイドウォール8から
のストレスに起因するホットキャリア耐性の劣化,ゲー
ト絶縁膜2の信頼性の低下をも抑制することができる。
【0049】(第3の実施形態)図3(a)〜(d)
は、本発明の第3の実施形態の製造工程を示す断面図で
ある。上記第1,第2の実施形態においては、シリサイ
ド形成領域の処理のみを図示したが、本実施形態におい
て、図3(a)〜(d)には、シリサイド形成領域Rsc
と非シリサイド形成領域Rnsとが図示されている。ただ
し、図3(a)〜(d)には、nMISFET領域のみ
が図示されているが、基板にはpMISFET領域も存
在することが前提である。pMISFET領域において
は、基板領域やエクステンション領域(又はLDD領
域),高濃度ソース・ドレイン領域の導電型がnMIS
FET領域とはすべて逆になっている。
【0050】まず、図3(a)に示す工程において、S
i基板1上に、シリサイド形成領域Rscと非シリサイド
形成領域Rnsとを区画する溝型の素子分離12を形成し
た後、シリサイド形成領域Rsc及び非シリサイド形成領
域Rnsにおいて、厚みが約3.0のシリコン酸窒化膜
と、下部ゲート電極となる厚みが約100nmのポリシ
リコン膜と、上部ゲート電極となるメタル膜と、ゲート
上保護膜となるシリコン窒化膜とを順に形成する、その
後、フォトリソグラフィーにより、上記シリコン窒化膜
の上に、所望ゲート電極パターンを形成するためのレジ
ストマスク(図示せず)を形成した後、このレジストマ
スクを用いたドライエッチングにより、シリコン窒化
膜、メタル膜,ポリシリコン膜及びシリコン酸窒化膜を
パターニングして、ゲート絶縁膜2と、下部ゲート電極
3及び上部ゲート電極4からなるゲート電極15と、ゲ
ート上保護膜5とを形成する。さらに、pMISFET
領域を覆うレジストマスク(図示せず)を形成した後、
nMISFET領域において、砒素イオン(As+
を、加速エネルギーが約10keV,ドーズ量が約5.
0×1014atoms ・cm-2の条件でSi基板1内に注入
して、n型エクステンション領域(又はLDD領域)6
を形成する。
【0051】次に、LP−CVD法により、シリサイド
形成領域Rsc及ぶ非シリサイド形成領域Rnsの双方にお
いて、基板上に、厚みが約20nmのシリコン酸化膜
と、厚みが約80nmのシリコン窒化膜とを順次形成し
た後、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との異方性エッ
チングを行なって、ゲート電極15及びゲート上保護膜
5の側面上に、断面がL字状の酸化物サイドウォール7
と、窒化物サイドウォール8aとの積層膜からなる積層
サイドウォール20Cを形成する。
【0052】その後、図3(b)に示す工程で、シリサ
イド形成領域Rsc及び非シリサイド形成領域Rnsの双方
において、ゲート上保護膜5,ゲート電極15及び積層
サイドウォール20Cをマスクとして、砒素イオン(A
+ )を、加速エネルギーが約50keV,ドーズ量が
約5.0×1015atoms ・cm-2の条件で、Si基板1
内に注入し、さらに1000℃,10秒間の高速加熱処
理により、n型の高濃度ソース・ドレイン領域9を形成
する。
【0053】次に、高濃度ソース・ドレイン領域9上に
シリサイド層を形成するに先立って、非シリサイド形成
領域Rnsにおけるシリサイド化反応を防止するために、
以下の処理を行なう。まず、基板上に、例えばLP−C
VD法により、厚みが約5nmのシリコン窒化膜23
と、厚み約50nmのシリコン酸化膜24(反応防止用
シリコン酸化膜)とを順次堆積した後、シリコン酸化膜
24の上に、非シリサイド形成領域Rnsを覆い、シリサ
イド形成領域Rscを開口したフォトレジスト膜30を形
成する。
【0054】次に、図3(c)に示す工程で、フォトレ
ジスト膜30をエッチングマスクとして、例えば20:
1に希釈されたバッファードフッ酸溶液により、30秒
程度の間、シリコン酸化膜24のウェットエッチングを
行い、シリコン酸化膜24のうちシリサイド形成領域R
scに位置する部分を除去する。このとき、シリコン酸化
膜24をできるだけ完全に除去するために、オーバーエ
ッチングが行なわれるが、シリサイド形成領域Rscがシ
リコン窒化膜23によって覆われているために、L字状
の酸化物サイドウォール7の下端部はほとんど除去され
ない。つまり、図6(d)に示すような,酸化膜除去部
Rdeは形成されない。
【0055】その後、ドライエッチング(異方性エッチ
ングにより、シリコン窒化膜23をエッチバックして、
酸化物サイドウォール7及び窒化物サイドウォール8a
からなる積層サイドウォール20Cの側面を覆う窒化物
サイドウォール23aを形成する。このとき、シリコン
窒化膜23の厚みは5nmと薄いため、シリコン窒化膜
からなるゲート上保護膜5をほとんど除去することな
く、シリコン窒化膜23のエッチバックを行なうことが
可能である。
【0056】次に、図3(d)に示す工程で、アッシン
グ,RCA洗浄などを行なって、フォトレジスト膜30
を除去した後、その処理の際にシリコン層(高濃度ソー
ス・ドレイン領域9など)の表面に形成されるシリコン
酸化膜を除去するために、例えば100:1のフッ酸溶
液でウェットエッチングを行なう。その際にも、L字状
の酸化物サイドウォール7の下端部の側面は、窒化物サ
イドウォール23aによって覆われているために、ほと
んどエッチングされない。その後、基板上に、厚みが約
8nmのCo膜を堆積し、例えば550℃,60秒間の
熱処理を加えて、シリコン層とCo膜とが互いに接して
いる部分でCoとSiとを反応させる。その結果、高濃
度ソース・ドレイン領域9の上に、CoSi2 からなる
コバルトシリサイド層11が形成される。その後、選択
ウェットエッチングにより、Co膜のうちSiと反応し
ていない部分を除去する。
【0057】本実施形態の半導体装置又はその製造方法
によると、図3(c)に示す工程で、L字状の酸化物サ
イドウォール7の下端部がシリコン窒化膜23又は窒化
物サイドウォール23aによって覆われていることか
ら、酸化物サイドウォール7の下端部がフッ酸溶液にほ
とんどエッチングされずに残るので、図6(d)に示す
ような酸化膜除去部Rdeが形成されることはなく、積層
サイドウォール20Cの下方には、ほとんどコバルトシ
リサイド層11が形成されない。つまり、コバルトシリ
サイド層11は積層サイドウォール20Cの下端部より
もほぼ外方にのみ形成され、コバルトシリサイド層11
が横方向に成長して接合深さの浅いn型エクステンショ
ン領域(又はLDD領域)6に達することはない。した
がって、コバルトシリサイド層11の底部は高濃度ソー
ス・ドレイン領域9によって囲まれ、コバルトシリサイ
ド層11とSi基板1の基板領域(ここではp型ウェル
領域)との間におけるリーク電流の発生が抑制されるこ
とになる。
【0058】また、窒化物サイドウォール8は、ゲート
電極15に接触していないので、窒化物サイドウォール
8からのストレスに起因するホットキャリア耐性の劣
化,ゲート絶縁膜2の信頼性の低下をも抑制することが
できる。なお、窒化物サイドウォール23aはSi基板
1のごく一部には接しているが、チャネル領域とは酸化
物サイドウォール7を挟んで離間していることから、M
ISFETの動作にはほとんど悪影響を与えない。
【0059】なお、本実施形態においても、後述する第
4の実施形態と同様に、窒化物サイドウォール23aを
化学量論的組成(Si34 )よりもシリコンリッチな
組成を有するシリコン窒化膜により構成してもよい、そ
の場合には、MISFETの動作への悪影響をより効果
的に抑制することができる。
【0060】(第4の実施形態)図4(a)〜(d)
は、本発明の第4の実施形態の製造工程を示す断面図で
ある。図4(a)〜(d)には、nMISFET領域の
みが図示されているが、基板にはpMISFET領域も
存在することが前提である。pMISFET領域におい
ては、基板領域やエクステンション領域(又はLDD領
域),高濃度ソース・ドレイン領域の導電型がnMIS
FET領域とはすべて逆になっている。
【0061】まず、図4(a)に示す工程において、S
i基板1上に、厚みが約3.0のシリコン酸窒化膜と、
下部ゲート電極となる厚みが約100nmのポリシリコ
ン膜と、上部ゲート電極となるメタル膜と、ゲート上保
護膜となるシリコン窒化膜とを順に形成する。その後、
フォトリソグラフィーにより、上記シリコン窒化膜の上
に、所望ゲート電極パターンを形成するためのレジスト
マスク(図示せず)を形成した後、このレジストマスク
を用いたドライエッチングにより、シリコン窒化膜、メ
タル膜,ポリシリコン膜及びシリコン酸窒化膜をパター
ニングして、ゲート絶縁膜2と、下部ゲート電極3及び
上部ゲート電極4からなるゲート電極15と、ゲート上
保護膜5とを形成する。さらに、pMISFET領域を
覆うレジストマスク(図示せず)を形成した後、nMI
SFET領域において、砒素イオン(As+ )を、加速
エネルギーが約10keV,ドーズ量が約5.0×10
14atoms ・cm-2の条件でSi基板1内に注入して、n
型エクステンション領域(又はLDD領域)6を形成す
る。
【0062】次に、LP−CVD法により、基板上に、
厚みが約20nmのシリコン酸化膜を形成した後、シリ
コン酸化膜の異方性エッチングを行なって、ゲート電極
15及びゲート上保護膜5の側面上に、酸化物サイドウ
ォール25を形成する。
【0063】次に、図4(b)に示す工程で、基板上
に、化学量論的組成よりもシリコンリッチな組成を有す
る厚みが約80nmのシリコン窒化膜を堆積した後、シ
リコン窒化膜をドライエッチング(異方性エッチング)
によりエッチバックして、酸化物サイドウォール25を
覆うように窒化物サイドウォール26を形成する。本実
施形態においては、酸化物サイドウォール25及び窒化
物サイドウォール26により、積層サイドウォール20
Dが構成されている。ここで、窒化物サイドウォール2
6は、窒化シリコンの組成をSi1-xx で表したとき
に、2/7<x<4/7の範囲にあるように構成されて
いる。つまり、Si34 (x=4/7)よりもシリコ
ンの含有率が高い材料により構成されている。
【0064】その後、図4(c)に示す工程で、ゲート
上保護膜5,ゲート電極15及び積層サイドウォール2
0Dをマスクとして、砒素イオン(As+ )を、加速エ
ネルギーが約50keV,ドーズ量が約5.0×1015
atoms ・cm-2の条件で、Si基板1内に注入し、さら
に1000℃,10秒間の高速加熱処理により、n型の
高濃度ソース・ドレイン領域9を形成する。
【0065】次に、図4(d)に示す工程で、高濃度ソ
ース・ドレイン領域9上にシリサイド層を形成するに先
立って、非シリサイド形成領域(図示せず)におけるシ
リサイド化反応を防止するために、上記第3の実施形態
と同様に、以下の処理を行なう。まず、例えばLP−C
VD法により、基板上に厚み約50nmの反応防止用シ
リコン酸化膜を堆積した後、反応防止用シリコン酸化膜
の上に、非シリサイド形成領域を覆い、シリサイド形成
領域(例えば図4(d)に示す領域)を開口したフォト
レジスト膜を形成し、フォトレジスト膜をエッチングマ
スクとして、例えば20:1に希釈されたバッファード
フッ酸溶液により、30秒程度の間、反応防止用シリコ
ン酸化膜のウェットエッチングを行い、反応防止用シリ
コン酸化膜のうちシリサイド形成領域に位置する部分を
除去する。このとき、反応防止用シリコン酸化膜をでき
るだけ完全に除去するために、オーバーエッチングが行
なわれるが、積層サイドウォール20Dのうち酸化物サ
イドウォール25の下端部の側面は、フッ酸溶液に対す
るエッチング耐性が高い窒化物サイドウォール26によ
り覆われているので、ほとんどエッチングされない。つ
まり、図6(d)に示すような,酸化膜除去部Rdeは形
成されない。
【0066】その後、アッシング,RCA洗浄などを行
なって、フォトレジスト膜を除去した後、その処理の際
にシリコン層(高濃度ソース・ドレイン領域9など)の
表面に形成されるシリコン酸化膜を除去するために、例
えば100:1のフッ酸溶液でウェットエッチングを行
なう。その際にも、酸化物サイドウォール25の下端部
は窒化物サイドウォール26によって覆われているの
で、ほとんどエッチングされない。その後、基板上に、
厚みが約8nmのCo膜を堆積し、例えば550℃,6
0秒間の熱処理を加えて、シリコン層とCo膜とが互い
に接している部分でCoとSiとを反応させる。その結
果、高濃度ソース・ドレイン領域9の上に、CoSi2
からなるコバルトシリサイド層11が形成される。その
後、選択ウェットエッチングにより、Co膜のうちSi
と反応していない部分を除去する。
【0067】本実施形態の半導体装置又はその製造方法
によると、図4(d)に示す工程で、Si基板1上の酸
化物サイドウォール25の下端部がフッ酸溶液にエッチ
ングされずに残るので、図6(d)に示すような酸化膜
除去部Rdeが形成されることはなく、積層サイドウォー
ル20Dの下方には、ほとんどコバルトシリサイド層1
1が形成されない。つまり、コバルトシリサイド層11
は積層サイドウォール20Dの下端部のほぼ外方にのみ
形成され、コバルトシリサイド層11が横方向に成長し
て接合深さの浅いn型エクステンション領域(又はLD
D領域)6に達することはない。したがって、コバルト
シリサイド層11の底部は高濃度ソース・ドレイン領域
9によって囲まれ、コバルトシリサイド層11とSi基
板1の基板領域(ここではp型ウェル領域)との間にお
けるリーク電流の発生が抑制されることになる。
【0068】また、窒化物サイドウォール26は、ゲー
ト電極15に接触していないので、窒化物サイドウォー
ル26からのストレスに起因するホットキャリア耐性の
劣化,ゲート絶縁膜2の信頼性の低下をも抑制すること
ができる。なお、窒化物サイドウォール26はSi基板
1のごく一部には接しているが、チャネル領域とは酸化
物サイドウォール25を挟んで離間していることから、
MISFETの動作にはほとんど悪影響を与えない。特
に、本実施形態においては、窒化物サイドウォール26
の組成が化学量論的組成(Si34 )よりもシリコン
リッチな組成であることにより、MISFETの動作へ
の悪影響をより効果的に抑制することができる。ただ
し、本実施形態において、必ずしも窒化物サイドウォー
ル26をシリコンリッチな組成を有するシリコン窒化膜
により構成する必要はない。
【0069】(第5の実施形態)図5(a)〜(d)
は、本発明の第5の実施形態の半導体装置の製造工程を
示す断面図である。図5(a)〜(d)には、nMIS
FET領域のみが図示されているが、基板にはpMIS
FET領域も存在することが前提である。pMISFE
T領域においては、基板領域やエクステンション領域
(又はLDD領域),高濃度ソース・ドレイン領域の導
電型がnMISFET領域とはすべて逆になっている。
【0070】まず、図5(a)に示す工程において、S
i基板1上に、厚みが約3.0のシリコン酸窒化膜と、
下部ゲート電極となる厚みが約100nmのポリシリコ
ン膜と、上部ゲート電極となるメタル膜と、ゲート上保
護膜となるシリコン窒化膜とを順に形成する、その後、
フォトリソグラフィーにより、上記シリコン窒化膜の上
に、所望ゲート電極パターンを形成するためのレジスト
マスク(図示せず)を形成した後、このレジストマスク
を用いたドライエッチングにより、シリコン窒化膜、メ
タル膜,ポリシリコン膜及びシリコン酸窒化膜をパター
ニングして、ゲート絶縁膜2と、下部ゲート電極3及び
上部ゲート電極4からなるゲート電極15と、ゲート上
保護膜5とを形成する。さらに、pMISFET領域を
覆うレジストマスク(図示せず)を形成した後、nMI
SFET領域において、砒素イオン(As+ )を、加速
エネルギーが約10keV,ドーズ量が約5.0×10
14atoms ・cm-2の条件でSi基板1内に注入して、n
型エクステンション領域(又はLDD領域)6を形成す
る。
【0071】次に、図5(b)に示す工程で、約400
℃のLP−CVD法により、基板上に、厚みが約20n
mのノンドープのLTO膜(Low Temperature Oxide )
27を形成した後、LTO膜27を焼き締めるための熱
処理を兼ねて、n型エクステンション領域(又はLDD
領域)6の不純物活性化のための熱処理として、N2
囲気下,約850℃,10secの条件でRTAを行な
う。これにより、比較的多くの内部空隙を有するLTO
膜27の密度が大幅に高くなり、その厚みは減少する。
【0072】ただし、焼き締めのための温度は、800
℃〜1000℃の範囲で任意に選択することができる。
【0073】さらに、図5(c)に示す工程で、LP−
CVD法により、LTO膜27の上に、図1(b)に示
すような厚みが約80nmのシリコン窒化膜8(図示せ
ず)を形成した後、LTO膜27とシリコン窒化膜8と
の異方性エッチングを行なって、ゲート電極15及びゲ
ート上保護膜5の側面上に、断面がL字状のLTOサイ
ドウォール27aと、窒化物サイドウォール8aとの積
層膜からなる積層サイドウォール20Eを形成する。そ
の後、ゲート上保護膜5,ゲート電極15及び積層サイ
ドウォール20Eをマスクとして、砒素イオン(As
+ )を、加速エネルギーが約50keV,ドーズ量が約
5.0×1015atoms ・cm-2の条件で、Si基板1内
に注入し、さらに1000℃,10秒間の高速加熱処理
により、n型の高濃度ソース・ドレイン領域9を形成す
る。
【0074】次に、図5(d)に示す工程で、高濃度ソ
ース・ドレイン領域9上にシリサイド層を形成するに先
立って、非シリサイド形成領域(図示せず)におけるシ
リサイド化反応を防止するために、以下の処理を行な
う。まず、例えばLP−CVD法により、基板上に厚み
約50nmの反応防止用シリコン酸化膜を堆積した後、
シリコン酸化膜の上に、非シリサイド形成領域を覆い、
シリサイド形成領域(例えば図5(d)に示す領域)を
開口したフォトレジスト膜を形成し、フォトレジスト膜
をエッチングマスクとして、例えば20:1に希釈され
たバッファードフッ酸溶液により、30秒程度の間、反
応防止用シリコン酸化膜のウェットエッチングを行い、
反応防止用シリコン酸化膜のうちシリサイド形成領域に
位置する部分を除去する。このとき、反応防止用シリコ
ン酸化膜をできるだけ完全に除去するために、オーバー
エッチングが行なわれるが、窒化物サイドウォール8a
は、フッ酸溶液に対するエッチング耐性が高いため除去
されてない。また、焼き締めによって密度が高くなった
L字状のLTOサイドウォール27aは、反応防止用シ
リコン酸化膜よりもフッ酸溶液に対するエッチング耐性
が高いため、オーバーエッチング条件を適宜調整すれ
ば、ほとんど除去されない。つまり、図6(d)に示す
ような,酸化膜除去部Rdeは形成されない。
【0075】その後、アッシング,RCA洗浄などを行
なって、フォトレジスト膜を除去した後、その処理の際
にシリコン層(高濃度ソース・ドレイン領域9など)の
表面に形成されるシリコン酸化膜を除去するために、例
えば100:1のフッ酸溶液でウェットエッチングを行
なう。その際にも、窒化物サイドウォール8aとL字状
のLTOサイドウォール27aとはほとんどエッチング
されない。その後、基板上に、厚みが約8nmのCo膜
を堆積し、例えば550℃,60秒間の熱処理を加え
て、シリコン層とCo膜とが互いに接している部分でC
oとSiとを反応させる。その結果、高濃度ソース・ド
レイン領域9の上に、CoSi2 からなるコバルトシリ
サイド層11が形成される。その後、選択ウェットエッ
チングにより、Co膜のうちSiと反応していない部分
を除去する。
【0076】本実施形態の半導体装置又はその製造方法
によると、図5(d)に示す工程で、Si基板1上のL
字状のLTOサイドウォール27aがフッ酸溶液にエッ
チングされずに残るので、図6(d)に示すような酸化
膜除去部Rdeが形成されることはなく、積層サイドウォ
ール20Eの下方にはほとんどコバルトシリサイド層1
1が形成されない。つまり、コバルトシリサイド層11
は積層サイドウォール20Eの下端部よりもほぼ外方に
のみ形成され、コバルトシリサイド層11が横方向に成
長して接合深さの浅いn型エクステンション領域(又は
LDD領域)6に達することはない。したがって、コバ
ルトシリサイド層11の底部は高濃度ソース・ドレイン
領域9によって囲まれ、コバルトシリサイド層11とS
i基板1の基板領域(ここではp型ウェル領域)との間
におけるリーク電流の発生が抑制されることになる。
【0077】また、窒化物サイドウォール8は、ゲート
電極15及びSi基板1に接触していないので、Si基
板1の界面準位の発生や、窒化物サイドウォール8から
のストレスに起因するホットキャリア耐性の劣化,ゲー
ト絶縁膜2の信頼性の低下をも抑制することができる。
【0078】また、シリコン窒化膜8の堆積前にLTO
膜27の焼き締めを行なっておくことで、LTO膜27
内におけるn型エクステンション領域(又はLDD領
域)内の不純物の拡散を抑制することができる。
【0079】なお、本実施形態の製造方法では、図5
(b)に示す工程において、LP−CVD法により、L
TO膜27を形成したが、LTO膜の代わりに、堆積温
度が800℃程度であるHTO膜(High Temperature O
xide)を用いてもよい。
【0080】また、本実施形態においては、第1の実施
形態におけるL字状サイドウォール17aを形成するた
めのシリコン酸窒化膜17に代えて、焼き締められたL
TO膜(又はHTO膜)を用いたが、第3の実施形態に
おけるL字状サイドウォール17aを形成するためのシ
リコン酸窒化膜17に代えて、焼き締められたLTO膜
(又はHTO膜)を用いてもよい。
【0081】(その他の実施形態)なお、上記各実施形
態では、ソース・ドレイン領域のみにシリサイド層を設
けたが、上部ゲート電極を金属膜ではなくシリサイド膜
により構成してもよい。その場合、ゲート上保護膜は設
けずに、下部ゲート電極を構成するポリシリコン膜の上
部をソース・ドレイン領域のシリサイド化工程と同時に
シリサイド化してもよいし、ソース・ドレイン領域のシ
リサイド化工程とは別の時点でポリシリコン膜の上部を
シリサイド化する工程を行なってから、このポリサイド
膜をパターニングして上部ゲート電極と下部ゲート電極
とからなるゲート電極を形成してもよい。
【0082】また、上記各実施形態においては、配線層
を形成するための工程については説明及び図示を省略し
たが、層間絶縁膜を形成した後に、コンタクトをゲート
電極に対してセルフアラインに形成するいわゆるSAC
構造を採ることができる。いずれの実施形態において
も、シリコン窒化膜からなるゲート上保護膜と、窒化物
サイドウォールとが設けられているからである。
【0083】なお、上記各実施形態においては、いずれ
もエクステンション領域(又はLDD領域)と高濃度ソ
ース・ドレイン領域とを有するいわゆるLDD構造のM
ISFETについて説明したが、本発明は斯かる実施形
態に限定されるものではなく、単一のソース・ドレイン
領域を有する半導体装置についても適用しうる。その場
合にも、本発明により、シリサイド層がサイドウォール
の端部よりもゲート電極の内方に延びることはないの
で、シリサイド層がチャネル領域に接することなくソー
ス・ドレイン領域によって囲まれるからである。
【0084】
【発明の効果】以上のように、本発明の半導体装置及び
その製造方法により、ホットキャリヤ耐性と回路性能を
維持できるサイドウォールの構造を採りながら、サイド
ウォール形成後の絶縁膜除去のウェットエッチング工程
を経てもサイドウォール下端部のサイドエッチを防止で
き、リーク電流の少ない半導体装置の提供を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態の
半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図2】(a)〜(c)は、本発明の第2の実施形態の
半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図3】(a)〜(d)は、本発明の第3の実施形態の
半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図4】(a)〜(d)は、本発明の第4の実施形態の
半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図5】(a)〜(d)は、本発明の第5の実施形態の
半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図6】(a)〜(e)は、従来のポリメタルゲート構
造を有する半導体装置の製造工程を有する断面図を示す
図である。
【符号の説明】
1 Si基板 2 ゲート絶縁膜 3 下部ゲート電極 4 上部ゲート電極 5 ゲート上保護膜 6 n型エクステンション領域 7 酸化物サイドウォール 8 シリコン窒化膜 8a 窒化物サイドウォール 9 高濃度ソース・ドレイン領域 11 コバルトシリサイド層 12 素子分離 15 ゲート電極 17 シリコン酸窒化膜 17a 酸窒化物サイドウォール 20 サイドウォール 23 シリコン窒化膜 23a 窒化物サイドウォール 24 シリコン酸化膜 25 酸化物サイドウォール 26 窒化物サイドウォール 27 LTO膜 27a LTOサイドウォール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 27/092 H01L 27/08 102B 29/43 29/78 Fターム(参考) 4M104 AA01 BB01 BB20 CC01 CC05 DD02 DD04 DD09 DD16 DD65 DD66 DD78 DD80 DD91 EE03 EE05 EE09 EE12 EE14 EE16 EE17 FF13 GG08 HH20 5F048 AC01 AC03 BA01 BB06 BB11 BC05 BC06 BF06 BG14 DA19 DA24 DA25 DA27 DA30 5F140 AA23 AA24 AB01 AB03 BA01 BD09 BF04 BF11 BF18 BG09 BG11 BG12 BG14 BG22 BG38 BG48 BG49 BG52 BG53 BH14 BH15 BJ01 BJ08 BK02 BK13 BK21 BK26 BK27 BK34 BK39 CB04 CF04

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体層を有する基板と、 上記半導体層の上に設けられたゲート絶縁膜と、 上記ゲート絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、 上記ゲート電極の側面上に設けられたシリコン窒化膜か
    らなる窒化膜サイドウォールと、 上記ゲート電極と窒化膜サイドウォールとの間から上記
    半導体層と窒化膜サイドウォールとの間に亘って介在す
    る断面がL字状のストレス緩和用サイドウォールと、 上記半導体層のうち上記ゲート電極の両側方に位置する
    領域に設けられたソース・ドレイン領域と、 上記ソース・ドレイン領域の上部に設けられたシリサイ
    ド層とを備え、 上記ストレス緩和用サイドウォールのうち少なくとも下
    端部が酸窒化膜により構成されていることを特徴とする
    半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置において、 上記ストレス緩和用サイドウォールの全体が酸窒化膜に
    より構成されていることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 半導体層を有する基板と、 上記半導体層の上に設けられたゲート絶縁膜と、 上記ゲート絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、 上記ゲート電極の側面上に上記半導体層と下端部が接す
    るように設けられたシリコン窒化膜からなる窒化膜サイ
    ドウォールと、 上記ゲート電極と窒化膜サイドウォールとの間に介在す
    るストレス緩和機能を有する絶縁体サイドウォールと、 上記半導体層のうち上記ゲート電極の両側方に位置する
    領域に設けられたソース・ドレイン領域と、 上記ソース・ドレイン領域の上部に設けられたシリサイ
    ド層とを備えている半導体装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の半導体装置において、 上記窒化膜サイドウォールは、化学量論的組成よりもシ
    リコンリッチな組成を有するシリコン窒化膜により構成
    されていることを特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の半導体装置におい
    て、 上記ストレス緩和機能を有する絶縁体サイドウォール
    は、上記ゲート電極の側面と上記窒化膜サイドウォール
    との間に設けられたシリコン窒化膜からなるもう1つの
    窒化膜サイドウォールと、上記ゲート電極と上記もう1
    つの窒化膜サイドウォールとの間から上記半導体層と上
    記もう1つの窒化膜サイドウォールとの間に亘って介在
    する断面がL字状の酸化物サイドウォールとにより構成
    されていることを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】 基板の半導体層の上にゲート絶縁膜及び
    ゲート電極を形成する工程(a)と、 基板上に、酸化膜のウエットエッチに対する耐性を有す
    る絶縁膜及びシリコン窒化膜を堆積した後、上記絶縁膜
    及びシリコン窒化膜を異方性エッチングによりエッチバ
    ックして、上記ゲート電極の側面上に、窒化物サイドウ
    ォールと、上記ゲート電極と窒化物サイドウォールとの
    間から上記半導体層と窒化物サイドウォールとの間に亘
    って介在する断面がL字状のストレス緩和用絶縁膜とを
    形成する工程(b)と、 上記半導体層のうち上記ゲート電極の両側方に位置する
    領域に、ソース・ドレイン領域を形成する工程(c)
    と、 上記ソース・ドレイン領域の上部をシリサイド層にする
    工程(d)とを含む半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 上記工程(b)では、CVDによりシリコン酸化膜を堆
    積した後、シリコン酸化膜の焼き締めのための熱処理を
    行なうことにより、上記酸化膜のウエットエッチに対す
    る耐性を有する絶縁膜を形成することを特徴とする半導
    体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 上記工程(b)では、上記酸化膜のウエットエッチに対
    する耐性を有する絶縁膜として、シリコン酸窒化膜を形
    成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 基板の半導体層の上にゲート絶縁膜及び
    ゲート電極を形成する工程(a)と、 基板上にシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を堆積した
    後、上記シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を異方性エ
    ッチングによりエッチバックして、上記ゲート電極の側
    面上に、窒化物サイドウォールと、上記ゲート電極と窒
    化物サイドウォールとの間から上記半導体層と窒化物サ
    イドウォールとの間に亘って介在する断面がL字状のス
    トレス緩和用酸化膜とを形成する工程(b)と、 窒化処理を行なって、上記ストレス緩和用酸化膜の下端
    部を酸窒化部にする工程(c)と、 上記半導体層のうち上記ゲート電極の両側方に位置する
    領域に、ソース・ドレイン領域を形成する工程(d)
    と、 上記ソース・ドレイン領域の上部をシリサイド層にする
    工程(e)とを含む半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 基板の半導体層の上にゲート絶縁膜及
    びゲート電極を形成する工程(a)と、 上記ゲート電極の側面上に、ストレス緩和機能を有する
    絶縁体サイドウォールを形成する工程(b)と、 基板上にシリコン窒化膜を堆積する工程(c)と、 上記シリコン窒化膜の上に、反応防止用酸化膜を形成す
    る工程(d)と、 上記反応防止用酸化膜のうち非シリサイド形成領域に位
    置する部分を残して、シリサイド形成領域に位置する部
    分を選択的に除去する工程(e)と、 上記シリコン窒化膜のうちシリサイド形成領域に位置す
    る部分の異方性エッチングを行なって、上記絶縁体サイ
    ドウォールの上に上記半導体層に接する窒化物サイドウ
    ォールを形成する工程(f)と、 上記半導体層のうち上記ゲート電極の両側方に位置する
    領域に、ソース・ドレイン領域を形成する工程(g)
    と、 上記ソース・ドレイン領域の上部をシリサイド層にする
    工程(h)とを含む半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の半導体装置の製造方
    法において、 上記工程(b)では、基板上にシリコン酸化膜及びシリ
    コン窒化膜を堆積した後、上記シリコン酸化膜及びシリ
    コン窒化膜を異方性エッチングによりエッチバックし
    て、上記ゲート電極の側面上に、窒化物サイドウォール
    と、上記ゲート電極と窒化物サイドウォールとの間から
    上記半導体層と窒化物サイドウォールとの間に亘って介
    在する断面がL字状のストレス緩和用酸化膜とを形成す
    ることを特徴とする半導体装置の製造方法
  12. 【請求項12】 請求項10又は11記載の半導体装置
    の製造方法において、 上記工程(c)では、上記シリコン窒化膜として、化学
    量論的組成よりもシリコンリッチな組成を有するシリコ
    ン窒化膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
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