JP2002164076A - コイン形電池の製造方法 - Google Patents
コイン形電池の製造方法Info
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Abstract
の極板群を収容して高放電電流特性のコイン形電池の製
造方法を提供する。 【解決手段】 一定幅の帯状に形成された正極極板、負
極極板、セパレータを、正極極板と負極極板との間にセ
パレータを介して偏平に巻回し、平面形状が四角形にな
った極板群1aの角部を直線または円弧にカットして、
円形の負極ケース5内でのスペース効率を向上させる。
又、巻回構造の極板群によって高負荷電流特性を得るコ
イン形電池を構成するときの課題である水分の除去を真
空乾燥処理により解決し、リード溶接時に発生するチリ
をケース内部に飛散させない製造方法により信頼性の高
いコイン形電池を構成することができる。
Description
された正極ケース及び負極ケースを互いの開口部を対向
させた外装ケース内に巻回構造の極板群を収容して高負
荷電流特性のコイン形電池を得るコイン形電池の製造方
法に関するものである。
コイン形の電池は小型薄型であるため、その特徴を生か
して腕時計や補聴器など小型化が要求される場合や、I
Cカードなどのように薄型化が要求される場合に広く用
いられている。
に、円形半殻体に形成された正極ケース31内に、円盤
状に形成された正極ペレット32と負極ペレット33と
をセパレータ34を介して対向配置し、電解液を注入し
た後、正極ケース31の開口部にガスケット36を介し
て負極ケース35を配し、正極ケース31の開口端を内
側に折り曲げるカシメ加工により正極ケース31の開口
部を負極ケース35で封口するカシメ封口により、コイ
ン形の外観形状を呈する電池に形成される。
ト33とを1:1で対面させたコイン形電池の構造で
は、正極極板と負極極板とが対極する反応面積が小さい
ことなどの要因によって連続放電電流はせいぜい数10
mA程度であって、負荷電流が少ない機器にしか適用で
きない課題があった。
極板と負極極板との対極面積を増加させる必要があり、
コイン形電池以外の電池では、複数枚の正極極板と負極
極板とをセパレータを介して積層した積層構造や、帯状
の正極極板と負極極板との間にセパレータを配して渦巻
き状に巻回した巻回構造により、反応面積の増大を図る
構造が広く用いられている。このような積層構造や巻回
構造の極板を、コイン形電池のような高さ寸法が小さく
偏平形状の正極ケース内に収容することができれば、放
電電流を増大させた偏平形状の電池を実現することがで
きる。これを実現した電池は先に本願出願人が提案し、
特開2000−164259号公報に開示されたものが
知られている。
れた電池は平面形状が長方形の場合であり、巻回構造ま
たは積層構造により薄い直方体形状になった極板群を直
方体の正極ケース内に収容するので体積効率のよい電池
が構成できるが、平面形状が円形のコイン形電池に適用
するには円形の正極ケースに矩形の極板を収容すること
になり、体積効率が低く充分な電池容量を得ることがで
きない課題があった。
電池のような非水電解液を用いた電池に構成するとき、
巻回構造の極板群が水分を含んでいると、初期の充放電
時にH2 ガスが発生したり極板に膨れが生じ、外装ケ
ースに膨れが及ぶ問題点があった。
ースに、負極極板は負極ケースに電気的接続する必要が
あり、正極極板を構成する正極集電体を正極ケースに圧
接させ、負極極板を構成する負極集電体を負極ケースに
圧接させる圧接接続や、前記正極集電体を延出させた正
極リードを正極ケースに溶接し、前記負極集電体を延出
させた負極リードを負極ケースに溶接する溶接接続が適
用される。巻回構造により放電電流を増加させた場合に
溶接による接続が最も信頼性が高く、図12に示すよう
に、負極リード45は溶接電極棒40、41により負極
ケース44に押圧され、溶接電極棒40、41間に溶接
電源48から印加される溶接電流により負極リード45
は負極ケース44の内面にスポット溶接される。しか
し、溶接による接続では、溶接時に発生する火花やチリ
が飛散し、これが内部ショートやイオン析出の原因とな
る。このように溶接による接続は信頼性が高いものの不
良発生の原因となる問題点があった。
平な巻回構造の厚さが変化して群圧分布にばらつきが生
じ、群圧が低い部位にイオン析出が発生したり、外装ケ
ースに膨らみが生じる問題点があった。
の容積内に巻回構造の極板を収容して放電容量の増大を
図った巻回構造極板群を用いたコイン形電池における上
記課題を解決するコイン形電池の製造方法を提供するこ
とにある。
の本願の第1発明に係るコイン形電池の製造方法は、正
極集電体の両面に正極材料が塗着された正極極板と、負
極集電体の両面に負極材料が塗着された負極極板とを、
それぞれ収容スペースの平面形状に対応する形状に形成
した複数の積層面を連結片で連結した帯状に形成し、前
記正極極板の積層面と負極極板の積層面とがセパレータ
を介して交互に積層されるように前記連結片で折り曲げ
て正極極板と負極極板とを偏平に巻回して極板群を形成
し、この極板群を円形半殻体に形成された正極ケースと
負極ケースとをそれぞれの開口部を対面させて結合する
内部空間内に収容し、正極ケースと負極ケースとの間を
封口してコイン形電池に形成することを特徴とする。
極極板と負極極板とは正極ケース及び負極ケースの円形
の収容スペースに対応する形状に形成された積層面を連
結片で連結して構成されるので、正極極板と負極極板と
を積層面の間にセパレータを介して偏平に巻回して極板
群を形成することができ、これを正極ケースと負極ケー
スとによる円形の収容空間に収容すると、無駄な空きス
ペースを増加させることなく、巻回構造と相まって正極
極板と負極極板との対向面積を増加させることができ、
高負荷電流特性を有するコイン形電池を構成することが
できる。
の製造方法は、正極集電体の両面に正極材料が塗着され
た正極極板と、負極集電体の両面に負極材料が塗着され
た負極極板とをそれぞれ一定幅の帯状に形成し、前記正
極極板と負極極板とを一定幅の帯状に形成されたセパレ
ータを介して平面形状が四角形になるような偏平に巻回
して極板群形成準備品を形成し、この極板群形成準備品
の四隅角部を厚さ方向に直線もしくは円弧に裁断して略
八角形の極板群に形成し、この極板群を円形半殻体に形
成された正極ケースと負極ケースとをそれぞれの開口部
を対面させて結合する内部空間内に収容し、正極ケース
と負極ケースとの間を封口してコイン形電池に形成する
ことを特徴とするものである。
回構造の極板群は正極極板と負極極板とをセパレータを
介して偏平に巻回して平面形状が四角形に形成された四
隅角部を裁断して略八角形に形成されるので、正極ケー
スと負極ケースとによる円形の収容空間に無駄な空きス
ペースを増加させることなく収容され、巻回構造と相ま
って正極極板と負極極板との対向面積を増加させること
ができ、高負荷電流特性を有するコイン形電池を構成す
ることができる。
の四隅角部は、熱カッターにより裁断すると、樹脂製の
セパレータは溶融して裁断面を覆い巻回された各層のセ
パレータを溶着するので、巻回構造を緊束するためのテ
ープ等が不要となり、テープが電解液の含浸の障害とな
る問題が解消される。
70℃以下の雰囲気下で型抜きすると、低温下ではセパ
レータと正極極板及び負極極板に粘りが無くなり、存在
位置で裁断されて層間短絡を発生させない。この裁断方
法では、裁断面に正極極板と負極極板とが露出するの
で、裁断部分に熱硬化性樹脂を塗布すると、絶縁と層間
結合とがなされる。
の製造方法は、正極集電体の両面に正極材料が塗着され
た正極極板と、負極集電体の両面に負極材料が塗着され
た負極極板とをセパレータを介して偏平に巻回して極板
群を形成し、円形半殻体に形成された正極ケース及び負
極ケースからなる外装体のいずれか一方のケース内に前
記極板群を配設し、これを真空乾燥炉において乾燥処理
した後、電解液を注入し、正極ケースと負極ケースとの
間を封口してコイン形電池に形成することを特徴とす
る。
法によれば、極板群はもとよりケースや治具も同時に乾
燥処理されるので水分の含有、付着がない状態が得ら
れ、乾燥後の非水電解液の含浸も良好になされ、コイン
形電池に組み立てたときに水分が原因となるガスの発生
や極板の膨れがなく、品質のよいコイン形電池を製造す
ることができる。
の製造方法は、一端に正極リードが形成された正極極板
と、一端に負極リードが形成された負極極板とを、巻き
終りの一方面側に正極リード、他方面側に負極リードが
位置するようにセパレータを介して偏平に巻回して極板
群を形成し、円形半殻体に形成された正極ケース及び負
極ケースからなる外装体のいずれか一方のケース内に前
記極板群を配設し、前記正極リードを正極ケースの内面
に超音波溶接し、前記負極リードを負極ケースの内面に
絶縁性受台で押圧した状態で負極ケース外面の負極リー
ド押圧位置に対応する位置に圧接させた一対の溶接電極
の間に溶接電流を印加するシリーズ溶接により負極リー
ドを負極ケースの内面に溶接し、正極ケースと負極ケー
スとの間を封口してコイン形電池に形成することを特徴
とする。
法によれば、ケースの外側に当接された一対の溶接電極
によるシリーズ溶接によりリードがケースに溶接接続さ
れるので、ケース内には溶接時の火花やチリが飛散する
ことがなく、極板群やケース内に飛散した火花やチリが
原因となるイオン析出や内部ショートを防止することが
できる。巻回構造の極板群により放電特性を向上させて
大きな電流を取り出すのに溶接接続が有効であり、これ
が弊害を発生させることなく実施できるので、放電特性
を増加させたコイン形電池の信頼性を向上させることが
できる。
成された正極ケースと負極ケースとを互いの開口部を対
向配置した内部空間内に、正極極板と負極極板とをセパ
レータを介して巻回した極板群を収容し、正極ケースと
負極ケースとをそれぞれの側周面の間にガスケットを配
して結合するコイン形電池の製造方法であって、前記正
極ケース及び/又は負極ケースの底面に内側に向けて凹
部を形成し、この凹部により前記内部空間内に収容した
極板群が緊迫されるように正極ケースと負極ケースとの
間を結合することを特徴とする。
法によれば、正極ケースと負極ケースとを結合したと
き、内部に収容された極板群は凹部により緊迫力が加え
られるので、電池の初期使用時のガス圧により極板の積
層状態に変化が生じることが抑制される。
電池の直径Dに対して0.3〜0.7Dの直径の平坦面
に形成すると、極板群に緊迫力を平坦に加えることがで
きる。
0.5〜3.0tの深さにリング状の溝を形成すること
もでき、リング状の溝により弾性的に極板群に緊迫力を
与えることができる。
さが暫増する球面に形成することもでき、最も厚さ変化
が生じやすい極板群の中央部分を重点的に緊迫すること
ができる。
の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。
尚、以下に示す実施形態は本発明を具体化した一例であ
って、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
ムイオン二次電池として構成した例を示すもので、図1
に断面図として示すように、円形半殻体に形成された正
極ケース4と負極ケース5とを封口結合した内部空間内
に、正極極板と負極極板とをセパレータを介して巻回し
た巻回構造の極板群1を収容して、高負荷電流特性を有
するコイン形電池に構成したものである。
一定幅の帯状に形成された正極極板7と、図3(b)に
示すように一定幅の帯状に形成された負極極板8とを、
図3(c)に示すように一定幅の帯状に形成されたセパ
レータ9を介して偏平に巻回することにより、図4に示
すように、平面形状が四角形に形成された極板群形成準
備品17に形成し、この極板群形成準備品17の各角部
をカットして平面形状が略八角形に形成される。この各
角部をカットする方法により、図2に示す極板群1a、
図6に示す極板群1bに構成することができる。
容した状態を平面図として示すもので、負極ケース5に
よって形成された円形の空間内に、無駄な空間が形成さ
れない八角形の平面形状に形成される。また、図6に示
すように、各角部を円弧でカットした極板群1bでは、
負極ケース5内に収容したときのスペース効率はより向
上する。従って、巻回構造と相まって電池の体積あたり
の電池容量が大きい体積効率のよいコイン形電池に構成
することができる。この極板群1a、1bの製造方法に
ついて以下に説明する。
成された正極集電体の両面に正極材料を塗着させた正極
極板材から所定の幅と長さに切り出され、巻回の巻き終
りとなる一端側に正極集電体を延出した正極リード15
が形成される。また、負極極板8は、銅箔によって形成
された負極集電体の両面に負極材料を塗着させた負極極
板材から所定の幅と長さに切り出され、巻回の巻き終り
となる一端側に負極集電体を延出した負極リード16が
形成される。また、前記セパレータ9は微多孔性ポリエ
チレンフィルムをテープ状に形成したもので、正極極板
7及び負極極板8の幅寸法より大きな幅のテープ状に形
成される。
タ9を介して偏平に巻回し、図4に示すように、平面形
状が長方形となる偏平形状の極板群形成準備品17を形
成する。この極板群形成準備品17は、一方の偏平面に
正極リード15が、他方の面に負極リード16が位置す
るように巻回される。
(b)に示すように、長方形の各角部をカットして平面
形状が略八角形の極板群1に形成する。裁断は、熱カッ
ターによって角部を裁断する方法、または−70℃以下
の温度条件下で円弧に型抜きする方法を適用することが
できる。
(a)に示すように、加熱されたカッターで極板群形成
準備品17の各角部を直線に裁断して八角形の極板群1
aが形成される。この熱カッターによる裁断では、熱カ
ッターによりセパレータ9の切断面が溶融するので、層
間のセパレータ9が切断面で溶融接合され、巻回状態に
結束するためのテープを用いることなく巻回状態を固定
することができる。また、溶融したセパレータ9により
正極極板7及び負極極板8の切断面が覆われるので層間
短絡が防止できる。
ライアイスや液体窒素により実現することができ、図5
(b)に示すように、極板群形成準備品17を−70℃
以下の温度条件下において各角部を円弧で打ち抜くと、
図6に示すように、よりスペース効率のよい極板群1b
に形成される。この低温下で型抜きする方法によれば、
正極極板7及び負極極板8は超低温により粘りのない状
態で打ち抜かれるので、極板金属が延びて層間短絡を生
じさせることがない。しかし、打ち抜き面に正極極板7
及び負極極板8の切断面が露出しているので、打ち抜き
面に熱硬化性樹脂を塗布して熱硬化させると、層間の電
気的絶縁が確保されると同時に、巻回状態をテープで結
束することなく保持することができる。
2に示すように、負極ケース5内にその底面に負極リー
ド16の形成側が向くようにして収容される。極板群1
aは縦長に形成されているので、極板群1aのリード延
出方向は負極ケース5の側周面との間に間隙ができ、負
極リード16を負極ケース5の底面にシリーズ溶接する
ための絶縁受台11(後述)を挿入することができる。
負極ケース5に負極リード16をシリーズ溶接した後、
極板群1aの上面から長く延出している正極リード15
の先端を正極ケース4の底面に超音波溶接する。正極リ
ード15の材質はアルミニウム箔であり、抵抗溶接が困
難であるため正極リード15は超音波溶接が用いられ
る。尚、極板群1bの場合も同様に処理される。
うに、樹脂製のガスケット6が装着され、負極ケース5
内には所定量の電解液が注入される。この電解液が極板
群1a内に含浸されるまでの待機時間を経た後、負極ケ
ース5上に正極ケース4が被せられ、正極ケース4の側
周面の開口端側を周囲から負極ケース5側に折り曲げる
カシメ加工により、ガスケット6は負極ケース5の側周
面に形成された段差上に圧縮され、負極ケース5と正極
ケース4との間が封口され、図1に示すようなコイン形
電池が完成する。
に溶接するとき、図11に示したように、負極ケース5
の内側と外側とに溶接電極棒40、41を配して負極リ
ード16を負極ケース5にスポット溶接すると、溶接時
に発生する火花やチリがイオン析出や内部ショートの原
因となることは前述した通りである。そこで、本実施形
態においては、負極リード16の負極ケース5への溶接
をシリーズ溶接によって実施する。
縁性、耐熱性材料によって形成された絶縁受台11によ
り負極リード16を負極ケース5の内面に押圧した状態
で、負極ケース5の負極リード16押圧位置に対応する
外面に一対の溶接電極棒12、13を当接させ、溶接電
源14から溶接電極棒12、13間に大電流を瞬時に供
給する。負極リード16が絶縁受台11により負極ケー
ス5に押圧されていることにより、電流は一方の溶接電
極棒12から負極ケース5、負極リード16を通じて他
方の溶接電極棒13に流れ、負極ケース5と負極リード
16との間の接触抵抗及び溶接電極棒12、13間の加
熱により銅箔により形成された負極リード16は容易に
溶融して加熱された負極ケース5に溶接される。この溶
接時に火花やチリが発生しても負極ケース5の外側なの
で、火花やチリは負極ケース5の内部に入ることがな
く、それらによるイオン析出や内部ショートの原因を生
じさせない。
を構成するセパレータ9は30μm以下であり、更に薄
いセパレータ9を用いる傾向にもあるので、溶接時に発
生した火花の残存物やチリがケース内部に残ることは許
されないが、この溶接方法によって信頼性の高いリチウ
ムイオン二次電池を構成することができる。また、溶接
によるリード接続によって、巻回構造の極板群1により
大きな放電電流に対応することができる。
水電解液を使用する電池では、電池内部に残存する水分
は極力少なくする必要がある。電池内部の水分は、電池
の初期充放電時にH2 ガスを発生させ、極板に膨れを
発生させ、ケースの膨張や電池性能の低下を来す。そこ
で、本実施形態においては、負極ケース5内に極板群1
を収容し、負極リード16を前述のように負極ケース5
にシリーズ溶接し、図8に示すように、展開状態に置い
た正極ケース4に正極リード15を超音波溶接し、これ
を治具(図示せず)と共に真空乾燥炉中に入れて真空乾
燥処理する。真空乾燥処理の条件は、温度:50〜90
℃、真空度:650mmHg(86,660Pa)以
上、処理時間:3時間以上が望ましい。
より正極ケース4及び負極ケース5更には治具の水分が
除去されるので、その後の非水電解液の含浸もスムーズ
になされ、ガスの発生や極板の膨れ等が抑制されて信頼
性の高いコイン形電池に構成することができる。
ス圧により極板群1の巻回状態に変化が生じて積層圧が
一定状態でなくなると、圧力の低い部位にはイオン析出
が発生することが知られている。これを防止するために
は、極板群1に緊迫力を安定して加えるのが効果的であ
る。極板群1に緊迫力を加えるために、図9(a)
(b)(c)に示すように、正極ケース4及び/又は負
極ケース5に凹部18a、18b、19、20を設ける
ことができる。
及び負極ケース5aに、正極ケース4aの直径D1 に
対して、その(0.3〜0.7)D1 となる直径d1
の凹部18a、18bを形成したものである。負極ケ
ース5aの側周部にガスケット6を介して正極ケース4
aを被せ、正極ケース4aの側周部の開口端側を縮口し
てカシメ封口したとき、極板群1の厚さ方向に凹部18
a、18bによる緊迫力が加えられ、巻回されて積層状
態になった厚さ方向に一定の圧力で緊迫される。
ス5bにリング状の凹部19を形成したもので、凹部1
9を形成するリングの直径d2 は負極ケース5bの直
径D2 に対して(0.3〜0.7)D2 に、深さA
は負極ケース5bの材厚tに対して(0.5〜3.0)
tになるように形成される。凹部19により弾性的に極
板群1に緊迫力が加えられるので、ガス圧により負極ケ
ース5bに膨らみが生じたときにも極板群1に対する緊
迫力は持続される。尚、ここでは負極ケース5bにのみ
凹部19を形成しているが、正極ケース4bにも同様に
形成するとより効果的である。また、凹部19のリング
形状は必ずしも円形に形成する必要はなく、異形状であ
っても同様の効果が得られる。
ス5cの底面に内部方向に膨出するような円弧状の凹部
20を形成したものである。この凹部20によっても極
板群1の最も膨れが生じやすい中央部位に緊迫力が加え
られるので、極板群1はその厚さ方向の変化が防止され
る。この構成においても正極ケース4cに同様の凹部2
0を形成することができる。
a、1bは、一定幅の正極極板7及び負極極板8をセパ
レータ9を介して巻回した後、角部を直線又は円弧で裁
断して構成しているが、図10に示すように、正極極板
7a及び負極極板8aをその積層部分を予め円弧に形成
した後、偏平に巻回して極板群1cに構成することもで
きる。
成した複数の積層面17a〜17eを連結片19a〜1
9dで連結した正極極板7aと、複数の積層面18a〜
18eを連結片20a〜20dで連結した負極極板8a
とを形成し、正極極板7aの積層面17a〜17eと負
極極板8aの積層面18a〜18eとがセパレータ9を
介して積層されるように連結片19a〜19d、20a
〜20dで折り曲げて偏平に巻回して、極板群1cに形
成する。この極板群1cは、図11に示すように、負極
ケース5内にスペース効率よく収容することができる。
この場合にも、正極リード15及び負極リード16の処
理、真空乾燥処理等についても前述の構成と同様に実施
することができる。
れば、円形半殻体に形成されたケース内に巻回構造の極
板群をスペース効率よく収容することができる。また、
極板群は一定幅の帯状に形成した正極極板及び負極極板
を偏平に巻回した四角形の角部をカットして形成される
ので、極板群の製造が簡単で、巻回状態をテープで結束
する必要もなく、円形のケースに巻回構造の極板群を収
容して高放電電流特性を得るコイン形電池の生産性を向
上させることができる。
電池を構成するときの課題である水分の除去、リード溶
接時の火花やチリの排除、極板群に対する緊迫力の変化
を解決することができ、巻回構造により高負荷放電特性
を得て信頼性の高いコイン形電池を構成することができ
る。
図。
図。
負極極板、(c)はセパレータの構成を示す展開図。
熱カッターによる裁断方法、(b)は低温状態での型抜
き方法を示す平面図。
図。
(a)(b)(c)の実施態様として示す断面図。
極極板の別態様を示す展開図。
面図。
面図。
Claims (11)
- 【請求項1】 正極集電体の両面に正極材料が塗着され
た正極極板と、負極集電体の両面に負極材料が塗着され
た負極極板とを、それぞれ収容スペースの平面形状に対
応する形状に形成した複数の積層面を連結片で連結した
帯状に形成し、 前記正極極板の積層面と負極極板の積層面とがセパレー
タを介して交互に積層されるように前記連結片で折り曲
げて正極極板と負極極板とを偏平に巻回して極板群を形
成し、 この極板群を円形半殻体に形成された正極ケースと負極
ケースとをそれぞれの開口部を対面させて結合する内部
空間内に収容し、正極ケースと負極ケースとの間を封口
してコイン形電池に形成することを特徴とするコイン形
電池の製造方法。 - 【請求項2】 正極集電体の両面に正極材料が塗着され
た正極極板と、負極集電体の両面に負極材料が塗着され
た負極極板とをそれぞれ一定幅の帯状に形成し、前記正
極極板と負極極板とを一定幅の帯状に形成されたセパレ
ータを介して平面形状が四角形になるような偏平に巻回
して極板群形成準備品を形成し、 この極板群形成準備品の四隅角部を厚さ方向に直線もし
くは円弧に裁断して略八角形の極板群に形成し、 この極板群を円形半殻体に形成された正極ケースと負極
ケースとをそれぞれの開口部を対面させて結合する内部
空間内に収容し、正極ケースと負極ケースとの間を封口
してコイン形電池に形成することを特徴とするコイン形
電池の製造方法。 - 【請求項3】 極板群形成準備品の四隅角部は、熱カッ
ターにより裁断する請求項2に記載のコイン形電池の製
造方法。 - 【請求項4】 極板群形成準備品の四隅角部は、−70
℃以下の雰囲気下で型抜きする請求項2に記載のコイン
形電池の製造方法。 - 【請求項5】 裁断部分に熱硬化性樹脂を塗布する請求
項4に記載のコイン形電池の製造方法。 - 【請求項6】 正極集電体の両面に正極材料が塗着され
た正極極板と、負極集電体の両面に負極材料が塗着され
た負極極板とをセパレータを介して偏平に巻回して極板
群を形成し、 円形半殻体に形成された正極ケース及び負極ケースから
なる外装体のいずれか一方のケース内に前記極板群を配
設し、これを真空乾燥炉において乾燥処理した後、電解
液を注入し、正極ケースと負極ケースとの間を封口して
コイン形電池に形成することを特徴とするコイン形電池
の製造方法。 - 【請求項7】 一端に正極リードが形成された正極極板
と、一端に負極リードが形成された負極極板とを、巻き
終りの一方面側に正極リード、他方面側に負極リードが
位置するようにセパレータを介して偏平に巻回して極板
群を形成し、 円形半殻体に形成された正極ケース及び負極ケースから
なる外装体のいずれか一方のケース内に前記極板群を配
設し、前記正極リードを正極ケースの内面に超音波溶接
し、前記負極リードを負極ケースの内面に絶縁性受台で
押圧した状態で負極ケース外面の負極リード押圧位置に
対応する位置に圧接させた一対の溶接電極の間に溶接電
流を印加するシリーズ溶接により負極リードを負極ケー
スの内面に溶接し、 正極ケースと負極ケースとの間を封口してコイン形電池
に形成することを特徴とするコイン形電池の製造方法。 - 【請求項8】 円形半殻体に形成された正極ケースと負
極ケースとを互いの開口部を対向配置した内部空間内
に、正極極板と負極極板とをセパレータを介して巻回し
た極板群を収容し、正極ケースと負極ケースとをそれぞ
れの側周面の間にガスケットを配して結合するコイン形
電池の製造方法であって、 前記正極ケース及び/又は負極ケースの底面に内側に向
けて凹部を形成し、この凹部により前記内部空間内に収
容した極板群が緊迫されるように正極ケースと負極ケー
スとの間を結合することを特徴とするコイン形電池の製
造方法。 - 【請求項9】 凹部は、コイン形電池の直径Dに対して
0.3〜0.7Dの直径の平坦面に形成されてなる請求
項8に記載のコイン形電池の製造方法。 - 【請求項10】 凹部は、その周囲に材厚tに対して
0.5〜3.0tの深さにリング状の溝が形成されてな
る請求項8又は9に記載のコイン形電池の製造方法。 - 【請求項11】 凹部は、その中心に向けて弧状に深さ
が暫増する球面に形成されてなる請求項8に記載のコイ
ン形電池の製造方法。
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