JP3588264B2 - 二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極端子機構が取り付けられた電池缶の内部に充放電可能な巻き取り電極体が収容され、巻き取り電極体と電極端子機構とが互いに電気的に接続されて、巻き取り電極体が発生する電力を電極端子機構から外部に取り出すことが可能な二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯型電子機器、電気自動車等の電源として、エネルギー密度の高いリチウム二次電池が注目されている。
例えば図6に示す円筒型リチウム二次電池は、筒体(11)の両開口部にそれぞれ蓋体(12)を溶接固定してなる円筒状の電池缶(1)の内部に、巻き取り電極体(7)を収容して構成されている。各蓋体(12)には、電極端子機構(6)が取り付けられており、巻き取り電極体(7)と各電極端子機構(6)とが夫々、複数本の集電タブ(8)により互いに接続されて、巻き取り電極体(7)が発生する電力を一対の電極端子機構(6)(6)から外部に取り出すことが可能となっている。又、蓋体(12)には安全弁(13)が取り付けられている。
【0003】
巻き取り電極体(7)は、リチウム複合酸化物を含む正極(71)と炭素材料を含む負極(74)との間に、非水電解液が含浸されたセパレータ(73)を介在させて、これらを渦巻状に巻回して構成されている。
巻き取り電極体(7)の正極(71)及び負極(74)からは夫々複数本の集電タブ(8)が引き出され、極性が同じ複数本の集電タブ(8)の先端部(81)が1つの電極端子機構(6)に接続されている。尚、図6においては、便宜上、一部の集電タブの先端部が電極端子機構(6)に接続されている状態のみを示し、他の集電タブについては、電極端子機構(6)に接続された先端部分の図示を省略している。
【0004】
電極端子機構(6)は、電池缶(1)の蓋体(12)を貫通して取り付けられたネジ部材(31)を具え、該ネジ部材(31)の基端部には鍔部(62)が形成されている。蓋体(12)の貫通孔には絶縁パッキング(64)が装着され、蓋体(12)とネジ部材(31)の間の電気的絶縁性とシール性が保たれている。ネジ部材(31)には、筒体(11)の外側からワッシャ(66)が嵌められると共に、ナット(67)が螺合している。このナット(67)を締め付けて、ネジ部材(31)の鍔部(62)とワッシャ(66)によって絶縁パッキング(64)を挟圧することにより、シール性を高めている。
前記複数本の集電タブ(8)の先端部(81)は、ネジ部材(31)の鍔部(62)に、スポット溶接或いは超音波溶接によって固定されている。
【0005】
ところで、特に携帯電子機器や電気自動車などの電源として用いられる二次電池においては、高率放電性能が要求される。そこで、2枚の帯状の集電体の表面に、図7に示す如く電極材料を塗布して正極(71)及び負極(74)を形成すると共に、電極材料の塗布されていない非塗工部(72)(75)を形成し、該非塗工部(72)(75)に複数本の集電タブ(8)の基端部をレーザ溶接や超音波溶接等によって固定して、巻き取り電極体(7)を構成した二次電池が提案されている(特開平9−306470[H01M4/02])。
【0006】
又、2枚の帯状の集電体の表面に、図8に示す如く電極材料を塗布して正極(91)及び負極(94)を形成すると共に、電極材料の塗布されていない非塗工部(92)(95)を形成し、該非塗工部(92)(95)を複数本の短冊状リード(80)に成形して、巻き取り電極体(9)を構成した二次電池が提案されている(特開平9−92335[H01M10/40])。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の巻き取り電極体においては、依然として高率放電性能が十分でなく、更なる放電性能の改善が要求されている。
本発明の目的は、従来よりも高い高率放電性能が得られる二次電池を提供することである。
【0008】
【課題を解決する為の手段】
本発明者らは、高率放電性能を低下させている原因を究明すべく鋭意研究を行なった結果、電極端子機構(6)の鍔部(62)と各集電タブ(8)の接触面積が小さいために、接触部分にて大きな電気抵抗が生じており、この電気抵抗による電力損失の発生が高率放電性能の低下の原因となっていることを見い出し、本発明の完成に至った。
【0009】
本発明に係る二次電池は、電極端子機構(3)が取り付けられた電池缶(1)の内部に充放電が可能な巻き取り電極体(2)が収容され、巻き取り電極体(2)は、それぞれ帯状の正極(21)と負極(24)を両極間にセパレータ(23b)を介在させて渦巻状に巻回して構成され、巻き取り電極体(2)と電極端子機構(3)とが互いに電気的に接続されて、巻き取り電極体(2)が発生する電力を電極端子機構(3)から外部に取り出すことが可能である。そして、該二次電池の特徴的構成においては、正極(21)及び負極(24)の内、少なくとも一方の電極の巻軸方向の端部に、複数本の導電性短冊片(4)(40)が突設され、該複数本の導電性短冊片(4)(40)は、該電極の端縁或いはセパレータ(23b)の端縁が露出する巻き取り電極体端面に沿って折り曲げられて、該端面の略全域を覆う電極面Fを形成し、電極端子機構(3)は、電池缶(1)の内部に、前記電極面Fに圧着する端子板(32)を具えている。
【0010】
本発明に係る巻き取り電極体の巻き取り工程においては、正極(21)、セパレータ(23b)及び負極(24)を、例えば正極(21)の両端縁及び負極(24)の両端縁がセパレータ(23b)の両端縁よりも内側に位置すると共に、複数本の短冊片(4)(40)がセパレータ(23b)の両端縁から突出する様に重ね合わせ、これらを渦巻状に巻回する。従って、巻き取り電極体(2)の端面には、セパレータ(23b)の端縁が現われ、対極の端縁は現われない。
【0011】
そして、二次電池の組立工程においては、複数本の導電性短冊片(4)(40)を巻き取り電極体(2)の端面に沿って折り曲げ、これによって、複数本の導電性短冊片(4)(40)が巻き取り電極体(2)の端面の略全域を覆う電極面Fが形成されることになる。ここで、巻き取り電極体(2)の端面には、上述の如く対極の端縁が現われていないので、これらの導電性短冊片(4)(40)が対極の端縁に接触することはない。
この様にして複数本の導電性短冊片(4)(40)を折り曲げて電極面Fを形成した後、巻き取り電極体(2)を電池缶(1)の内部に収容し、該電極面Fに、電極端子機構(3)の端子板(32)を圧着させる。これによって、複数本の導電性短冊片(4)(40)が、電極端子機構(3)に確実に接続されることになる。
【0012】
該二次電池においては、電極端子機構(3)の端子板(32)が複数本の導電性短冊片(4)(40)からなる電極面Fに圧着して、複数本の導電性短冊片(4)(40)が十分な面積で端子板(32)に接触するので、接触部分における電気抵抗は小さなものとなって電力損失が減少し、高い高率放電性能が得られる。
又、該二次電池の組立工程においては、複数本の集電タブ(8)の先端部を電極端子機構(6)に溶接する煩わしい作業は不要であり、電極端子機構(3)の端子板(32)を複数本の導電性短冊片(4)(40)を折り曲げて形成される電極面Fに圧着するだけの簡単な作業で、導電性短冊片(4)を電極端子機構(3)に接続することが出来る。
【0013】
具体的には、複数本の導電性短冊片(4)(40)が突設された電極は帯状の集電体を具え、該集電体には、電極材料が塗布されている塗工部が形成されると共に、その巻軸方向の一方の端部に電極材料が塗布されていない非塗工部(22)(25)が形成され、該非塗工部(22)(25)に、巻軸方向に沿う方向に複数の切込みを入れることによって、電極端縁の全長に亘って複数本の導電性短冊片(4)(40)が形成されている。
【0014】
該具体的構成においては、非塗工部(22)(25)に複数の切込みを入れて複数本の導電性短冊片(4)(40)を形成するので、非塗工部(72)(75)に複数本の集電タブ(8)の基端部をレーザ溶接や超音波溶接等によって固定する煩わしい作業は不要である。
又、導電性短冊片(4)(40)は、電極端縁の全長に亘って形成されているので、電極の集電性が極めて均一となって、更に高い高率放電性能が得られる。
【0015】
又、具体的には、複数本の導電性短冊片(41)(42)が突設された電極は帯状の集電体を具え、該集電体には、電極材料が塗布されている塗工部が形成されると共に、その巻軸方向の一方の端部に電極材料が塗布されていない非塗工部(52)(55)が形成され、該非塗工部(52)(55)に帯状の金属箔(56)(57)の端部が接続され、該金属箔(56)(57)に、巻き取り電極体(5)の巻軸方向に沿う方向に複数の切込みを入れることによって、電極端縁の全長に亘って複数本の導電性短冊片(41)(42)が形成されている。
【0016】
該具体的構成においては、非塗工部(52)(55)に帯状の金属箔(56)(57)の端部を接続した後、該金属箔(56)(57)に複数の切込みを入れて複数本の導電性短冊片(4)(40)を形成する。従って、非塗工部(72)(75)に複数本の集電タブ(8)の基端部をレーザ溶接や超音波溶接等によって固定する煩わしい作業は不要である。
又、非塗工部(52)(55)は、金属箔(56)(57)の端部が接続されることによって機械的強度が高くなるため、巻き取り電極体(5)の巻き取り工程において、非塗工部(52)(55)の破損を抑制することが出来、製造工程の歩留まりが向上する。
又、導電性短冊片(41)(42)は、電極端縁の全長に亘って形成されているので、電極の集電性が極めて均一となって、更に高い高率放電性能が得られる。
【0017】
又、具体的には、電池缶(1)の内周面には、少なくとも電極端子機構(3)の端子板(32)を包囲する領域に、絶縁膜(14)が形成されている。
【0018】
該具体的構成においては、電池缶(1)の内周面には、少なくとも電極端子機構(3)の端子板(32)を包囲する領域に絶縁膜(14)が形成されているので、外部から振動や衝撃が加わったとしても、電極端子機構(3)の端子板(32)が電池缶(1)の内周面に直接接触して、電極端子機構(3)の端子板(32)と電池缶(1)とが短絡することはない。
【0019】
又、電池缶(1)の両端部に一対の上記電極端子機構(3)(3)が固定され、各電極端子機構(3)が、電池缶(1)の内部に突出する先端部に上記端子板(32)を具えている構成においては、巻き取り電極体(2)は、両電極面に一対の端子板(32)(32)が圧着されることにより両側から挟持されて、電池缶(1)内に保持されることになる。
【0020】
具体的には、各端子板(32)は、前記電極面と係合可能な圧着面が形成された平板部と、該平板部の外周部に形成されて、少なくとも巻き取り電極体端部の最外周面を包囲する筒部とから構成されている。
【0021】
該具体的構成においては、複数本の導電性短冊片(4)(40)によって構成される電極面Fに端子板(32)の平板部を圧着させる工程で、端子板(32)を、その筒部が巻き取り電極体(2)の最外周面を包囲する様、巻き取り電極体(2)の端部に被せれば、端子板(32)の平板部が電極面上に正確に位置決めされ、端子板(32)の平板部を電極面Fに確実に圧着することが出来る。
又、巻き取り電極体(2)の両端部が夫々、各端子板(32)の筒部によって拘持されているので、外部から振動や衝撃が加わって巻き取り電極体(2)が振動したとしても、電極面Fが各端子板(32)の平板部に対して位置ずれを起こすことはない。
【0022】
又、具体的には、各端子板(32)と電池缶(1)の内壁の間に、圧縮バネ(33)が介在して、巻き取り電極体(2)は、その両側に配設された一対の圧縮バネ(33)の挟圧力によって電池缶(1)の内部に挟持されている。尚、圧縮バネ(33)は、端子板(32)と電池缶(1)の間の電気的絶縁性を保った状態で配設される。
【0023】
該具体的構成によれば、簡易な構成で、巻き取り電極体(2)を電池缶(1)の内部に固定することが出来る。
又、外部から振動や衝撃が加わって巻き取り電極体(2)が振動したとしても、圧縮バネ(33)の伸縮によって電極面と端子板(32)の圧着状態が維持される。
【0024】
【発明の効果】
本発明に係る二次電池によれば、導電性短冊片(4)(40)が十分な面積で端子板(32)と接触するので、接触部分における電気抵抗が低減して、従来よりも高い高率放電特性が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をリチウム二次電池に実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明に係るリチウム二次電池は、図1に示す如く、筒体(11)の両開口部に蓋体(12)(12)を溶接固定してなる円筒状のアルミニウム製電池缶(1)を具え、両蓋体(12)(12)には、正負一対の電極端子機構(3)(3)が取り付けられている。又、各蓋体(12)には、安全弁(13)が取り付けられている。
【0026】
電池缶(1)の内部には、図4に示す巻き取り電極体(2)が収容されている。巻き取り電極体(2)は、図示の如く、セパレータ(23a)、正極(21)、セパレータ(23b)及び負極(24)を重ねて、これらを渦巻状に巻回したものである。
正極(21)は、アルミニウム箔からなる帯状の集電体の表面に正極合剤を塗布して形成され、集電体の巻軸方向の一方の端部には、正極合剤の塗布されていない非塗工部(22)が形成されている。該非塗工部(22)は、セパレータ(23a)(23b)及び負極(24)から突出しており、該非塗工部(22)に、例えば6mmの間隔で巻軸方向に平行な切込みを入れることによって、正極(21)の長手方向の全長に亘って、複数本の正極導電性短冊片(4)が形成されている。
【0027】
一方、負極(24)は、銅箔からなる帯状の集電体の表面に負極合剤を塗布して形成され、集電体には、正極(21)の非塗工部(22)とは反対側の一方の端部に非塗工部(25)が形成されている。該非塗工部(25)は、正極(21)及びセパレータ(23a)(23b)から突出しており、該非塗工部(25)に、例えば6mmの間隔で巻軸方向に平行な切込みを入れることによって、負極(24)の長手方向の全長に亘って、複数本の負極導電性短冊片(40)が形成されている。
【0028】
図1に示す正負一対の電極端子機構(3)(3)の内、正極端子となる一方の電極端子機構(3)に対しては、正極(21)から引き出された複数本の正極導電性短冊片(4)が接続される一方、負極端子となる他方の電極端子機構(3)に対しては、負極(24)から引き出された複数本の負極導電性短冊片(40)が接続される。
これによって、巻き取り電極体(2)が発生する電力を一対の電極端子機構(3)(3)から外部に取り出すことが可能となっている。
【0029】
蓋体(12)には、図2及び図3に示す如く、中央部に断面円形の中央孔(18)、外周部にネジ孔(15)が開設されており、中央孔(18)には前記電極端子機構(3)が取り付けられ、ネジ孔(15)には、電解液の注入後、安全弁(13)がねじ込まれる。
【0030】
各電極端子機構(3)は、中央部に貫通孔を有する断面凸状の一対の絶縁パッキング(34)(35)を具え、これらの絶縁パッキング(34)(35)が蓋体(12)の中央孔(18)に上下から装着されて、電池缶(1)の蓋体(12)と電極端子機構(3)との間の電気的絶縁性が保たれると共に、シール性が保たれている。
【0031】
又、電極端子機構(3)は、蓋体(12)を貫通して取り付けられる端子部材(30)を具えている。尚、正極側の端子部材(30)はアルミニウムから形成され、負極側の端子部材(30)はニッケルから形成される。
端子部材(30)は、巻き取り電極体(2)の端部を覆うことが可能な皿状の端子板(32)と、端子板(32)に突設されたネジ軸(31)とから構成され、ネジ軸(31)は、前記絶縁パッキング(34)(35)の中央孔を貫通している。そして、該ネジ軸(31)には、絶縁パッキング(34)よりも外側からナット(36)が螺合されて、絶縁パッキング(34)の抜け止めが施されている。
【0032】
一方、端子板(32)は、巻き取り電極体(2)の端面と略同程度の面積を有する円板部(32a)と、該円板部(32a)の外周部に形成されて巻き取り電極体(2)の端部外周面を包囲する円筒部(32b)とから構成され、円板部(32a)には、複数の電解液注入孔(37)が開設されている。
【0033】
電池缶(1)内に巻き取り電極体(2)が収容された状態で、該巻き取り電極体(2)の上端部から伸びる複数本の正極導電性短冊片(4)は、巻き取り電極体(2)の中央部から外周側へ折り曲げられ、これによって、複数本の正極導電性短冊片(4)が巻き取り電極体(2)の上端面全域を覆う正極電極面Fが形成されている。
又、巻き取り電極体(2)の下端部から伸びる複数本の負極導電性短冊片は、巻き取り電極体(2)の中央部から外周部に折り曲げられ、これによって、複数本の負極導電性短冊片が巻き取り電極体(2)の下端面全域を覆う負極電極面が形成されている。
ここで、巻き取り電極体(2)の正極(21)、セパレータ(23b)及び負極(24)は、図4に示す如く、正極(21)の両端縁P1、P2及び負極(24)の両端縁N1、N2がセパレータ(23b)の両端縁S1、S2よりも内側に位置する様に重ね合わされている。従って、正極導電性短冊片(4)が、上述の如く折り曲げられることによって負極(24)の端縁N1に接触することはなく、又、負極導電性短冊片(40)が、折り曲げられることによって正極(21)の端縁P2と接触することもない。
【0034】
該巻き取り電極体(2)の両端部に夫々、図2及び図3に示す如く前記端子板(32)が被せられ、ネジ軸(31)には、絶縁パッキング(35)と端子板(32)との間に圧縮バネ(33)が嵌められている。一対の圧縮バネ(33)(33)の挟圧力によって、巻き取り電極体(2)が両側から挟圧されて電池缶(1)内に固定されると共に、各端子板(32)の円板部(32a)の内面が電極面Fに圧着されて、複数本の導電性短冊片(4)が電極端子機構(3)に接続されている。
そして、筒体(11)の内周面全域には、テフロンからなる絶縁膜(14)が形成され、端子板(32)(32)と筒体(11)との間の電気的絶縁性が保たれている。
【0035】
上記リチウム二次電池の製造工程中、図4に示す巻き取り電極体(2)の作製工程においては、先ず、アルミニウム箔からなる帯状の集電体の表面に正極合剤を塗布して、正極(21)を形成する。ここで、正極集電体の巻軸方向の端部には非塗工部(22)を形成する。そして、該非塗工部(22)に、例えば6mmの間隔で巻軸方向に平行な切込みを入れて、複数本の正極導電性短冊片(4)を形成する。
【0036】
次に、銅箔からなる帯状の集電体の表面に負極合剤を塗布して、負極(24)を形成する。ここで、負極集電体の巻軸方向の一方の端部には非塗工部(25)を形成する。そして、該非塗工部(25)に、例えば6mmの間隔で巻軸方向に平行な切込みを入れて、複数本の負極導電性短冊片(40)を形成する。
この様に、非塗工部(22)(25)に複数の切込みを入れて、導電性短冊片(4)(40)を形成するので、従来の如く非塗工部(72)(75)に複数本の集電タブ(8)の基端部を溶接する作業は不要である。
【0037】
その後、セパレータ(23a)上に、正極(21)を構成している集電体を、非塗工部(22)がセパレータ(23a)から突出すると共に正極(21)の端縁P2がセパレータ(23a)の端縁よりも内側に位置する様に重ね、該正極(21)上に、セパレータ(23b)を、その両端縁S1、S2が正極(21)の両端縁P1、P2よりも外側に位置する様に重ねる。更に該セパレータ(23b)上に、負極(24)を構成している集電体を、負極(24)の両端縁N1、N2がセパレータ(23b)の両端縁S1、S2よりも内側に位置すると共に非塗工部(25)がセパレータ(23b)から突出する様に重ね、これらを渦巻状に巻回する。これによって、巻き取り電極体(2)が完成する。
【0038】
次に、図2及び図3に示す如く、複数本の導電性短冊片(4)を折り曲げて、上記電極面Fを形成した後、巻き取り電極体(2)を筒体(11)の内部に装入し、巻き取り電極体(2)の端部に端子部材(30)の端子板(32)を被せる。この際、端子板(32)を、円筒部(32b)が巻き取り電極体(2)の最外周面を包囲する様、巻き取り電極体(2)の端部に被せれば、円板部(32a)が前記電極面F上に正確に位置決めされる。
この様にして複数本の導電性短冊片(4)を端子板(32)に接続するので、従来の如く複数本の集電タブ(8)の先端部を電極端子機構(6)に溶接する煩わしい作業は不要である。
【0039】
そして、端子部材(30)のネジ軸(31)に圧縮バネ(33)を嵌めた後、蓋体(12)を筒体(11)の開口部に被せて、両者を互いに溶接固定する。その後、蓋体(12)のネジ孔(15)から電池缶(1)内に電解液を注入する。これによって、電解液は、端子板(32)に開設された複数の電解液注入孔(37)を通過して、巻き取り電極体(2)に浸透することになる。
最後に、ネジ孔(15)に安全弁(13)をねじ込み、更に、ナット(36)を増し締めして、組立を完了する。
この結果、図1及び図2に示すリチウム二次電池が完成する。
【0040】
上記リチウム二次電池においては、複数本の導電性短冊片(4)(40)が十分な面積で端子部材(30)の端子板(32)の内周面と接触しているので、接触部分における電気抵抗は小さい。又、各電極の端縁方向の全長に亘って複数本の導電性短冊片(4)(40)が形成されているので、各電極の集電性が極めて均一となる。これによって、高い高率放電性能が得られる。
又、筒体(11)の内周面に絶縁膜(14)が形成されているので、端子部材(30)の端子板(32)と筒体(11)との間の電気的絶縁性を保つことが出来る。
更に、巻き取り電極体(2)の両端部が夫々、各端子板(32)の円筒部(32b)によって拘持されているので、外部から振動や衝撃が加わって巻き取り電極体(2)が振動したとしても、電極面Fが各端子板(32)の円板部(32a)に対して位置ずれを起こすことはない。
更に又、絶縁パッキング(35)と端子板(32)の円板部(32a)との間に圧縮バネ(33)が介在しているので、外部から振動や衝撃が加わって巻き取り電極体(2)が振動したとしても、圧縮バネ(33)の伸縮によって電極面Fと各端子板(32)の圧着状態が維持される。
【0041】
【実施例】
正極の作製
正極集電体としてのアルミニウム箔(厚さ20μm)の両面に、正極活物質(LiCoO)、導電剤(カーボン粉末)及び結着剤(フッ素樹脂粉末)からなる正極合剤をドクターブレード法によって塗布し、150℃で2時間の真空乾燥を施して、図4に示す如く、正極(21)(幅50mm、全長1500mm)を得た。正極集電体には、巻軸方向の端部に非塗工部(22)(幅5mm)を形成した。
【0042】
負極の作製
負極集電体としての銅箔(厚さ20μm)の両面に、負極材料(黒鉛粉末)及び結着剤(フッ素樹脂粉末)からなる負極合剤をドクターブレード法によって塗布し、150℃で2時間の真空乾燥を施して、負極(24)(幅55mm、全長1600mm)を得た。負極集電体には、巻軸方向の端部に非塗工部(25)(幅5mm)を形成した。
【0043】
電解液の調製
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒にLiPFを溶質を溶かして、電解液を調製した。
【0044】
本発明電池の組立
正極集電体の非塗工部(22)に、図4に示す如く、6mm間隔で巻軸方向に平行な切込みを入れて、複数本の正極導電性短冊片(4)を形成した。又、負極集電体の非塗工部(25)に6mm間隔で巻軸方向に平行な切込みを入れて、複数本の負極導電性短冊片(40)を形成した。そして、セパレータ(23a)、正極(21)、セパレータ(23b)及び負極(24)を、上述の如く重ねて渦巻状に巻回し、巻き取り電極体(2)を構成した。尚、セパレータ(23a)(23b)としては、イオン透過性のポリプロピレン製の微多孔膜を用いた。
【0045】
そして、正極(21)、負極(24)及びセパレータ(23a)(23b)から突出した複数本の導電性短冊片(4)(40)を巻き取り電極体(2)の中央部から外周側に折り曲げた後、巻き取り電極体(2)を、内周面がテフロンコートされたアルミニウム製の筒体(11)の内部に装填する。その後、正極導電性短冊片(4)で覆われた巻き取り電極体(2)の上端部にアルミニウム製の端子板(32)を被せると共に、負極導電性短冊片で覆われた巻き取り電極体の下端部にニッケル製の端子板(32)を被せ、各ネジ軸(31)に圧縮バネ(33)を嵌めて、絶縁パッキング(34)(35)が装着された両蓋体(12)(12)を筒体(11)に溶接固定した。最後に、ネジ孔(15)から電池缶(1)内に電解液を注入して、ネジ孔(15)に安全弁(13)をねじ込み、更にナット(36)を締め付けて、本発明のリチウム二次電池を作製した。
【0046】
電池特性の測定
後述の各種電池について、下記の条件で充放電実験を行ない、低率での放電に対する高率での放電の容量維持率を測定した。尚、放電容量維持率は、低率放電容量に対する高率放電容量の比率(百分率)で定義される。
[低率放電容量]
充電電流:400mA、充電終止電圧:4.1V
放電電流:400mA、放電終止電圧:2.7V
[高率放電容量]
充電電流:400mA、充電終止電圧:4.1V
放電電流:5A、放電終止電圧:2.7V
【0047】
▲1▼ 実験1
実験1では、従来の電池の高率放電特性と、本発明に係る電池の高率放電特性の比較を行なった。
本発明に係る電池Aは、幅が50mm、全長が1500mm、非塗工部の幅が5mmの正極と、幅が55mm、全長が1600mm、非塗工部の幅が5mmの負極を具え、正極及び負極の非塗工部に夫々、6mm間隔で切込みが入れられて、複数本の導電性短冊片が形成されている。
これに対し、従来の電池である比較電池Xは、図6に示す構造を有しており、幅が50mm、全長が1500mmの正極を具え、巻軸方向の一端部に幅5mmの非塗工部を有し、該非塗工部には、幅5mmのアルミニウム製の10枚の集電タブが溶接されている。又、比較電池Xは、幅が55mm、全長が1600mmの負極を具え、巻軸方向の一端部に幅5mmの非塗工部を有し、該非塗工部には、幅5mmのニッケル製の10枚の集電タブが溶接されている。そして、これらの集電タブの先端部は、電極端子機構に溶接されている。
これらの電池A及びXについての測定結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
Figure 0003588264
【0049】
表1から明らかなように、本発明電池Aは、比較電池Xに比べて、放電容量維持率が高くなっており、高率放電特性が良好である。これは、複数本の導電性短冊片が十分な面積で端子板と接触することによって接触部分における電気抵抗が低減すると共に、複数本の導電性短冊片が電極の端縁方向の全長に亘って形成されることによって集電性が極めて均一となり、高率放電容量が増加したためと考えられる。
【0050】
▲2▼ 実験2
実験2では、本発明の二次電池の導電性短冊片形成工程における切込み間隔について、最適範囲を検討した。
切込み間隔を2mmとして、図3に示す巻き取り電極体(2)の空芯(20)の円周長に対する切込み間隔を0.09とする以外は、本発明電池Aと同様にして本発明電池B0を作製した。
切込み間隔を3mmとして、巻き取り電極体の(2)の空芯(20)の円周長に対する切込み間隔を0.14とする以外は、本発明電池Aと同様にして本発明電池B1を作製した。
切込み間隔を7mmとして、巻き取り電極体の(2)の空芯(20)の円周長に対する切込み間隔を0.32とする以外は、本発明電池Aと同様にして本発明電池B2を作製した。
切込み間隔を10mmとして、巻き取り電極体の(2)の空芯(20)の円周長に対する切込み間隔を0.45とする以外は、本発明電池Aと同様にして本発明電池B3を作製した。
これらの本発明電池B0〜B3及びAについての測定結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
Figure 0003588264
【0052】
表2の結果から明らかな様に、巻き取り電極体(2)の空芯(20)の円周長に対する切込み間隔が0.32以下になると、放電容量維持率が85%以上と高くなっている。これは、巻き取り電極体(2)の空芯(20)の円周長に対する切込み間隔が小さくなると、導電性短冊片(4)を巻き取り電極体(2)の端面に沿わせて該端面を隙間なく覆うことが出来、端子部材(30)の端子板(32)と導電性短冊片(4)の接触面積が増大するからと考えられる。
【0053】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、本実施の形態においては、図4に示す如く、電極(21)(24)の非塗工部(22)(25)に切込みを入れて導電性短冊片(4)(40)を形成しているが、図5に示す如く、金属箔(56)(57)に予め切込みを入れて導電性短冊片(41)(42)を形成し、該金属箔(56)(57)を集電体の非塗工部(52)(55)に溶接固定する構成を採用することも可能である。この場合、集電体の非塗工部(52)(55)は、金属箔(56)(57)が重ねられることによって機械的強度が高くなるため、巻き取り時における破損が防止され、製造工程の歩留まりが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の円筒型リチウム二次電池の外観を表わす斜視図である。
【図2】上記円筒型リチウム二次電池の要部を表わす断面図である。
【図3】電極端子機構の分解斜視図である。
【図4】本実施例の導電性短冊片の構成を説明するために巻き取り電極体の一部を展開して示す斜視図である。
【図5】他の実施例の導電性短冊片の構成を説明するために巻き取り電極体の一部を展開して示す斜視図である。
【図6】従来の円筒型リチウム二次電池の要部を表わす斜視図である。
【図7】従来の集電タブの構成を説明するために巻き取り電極体の一部を展開して示す斜視図である。
【図8】他の集電タブの構成を説明するために巻き取り電極体の一部を展開して示す斜視図である。
【符号の説明】
(1) 電池缶
(11) 筒体
(12) 蓋体
(2) 巻き取り電極体
(3) 電極端子機構
(31) ネジ軸部
(32) 端子板
(33) 圧縮バネ
(34) 絶縁パッキング
(35) 絶縁パッキング
(36) ナット

Claims (7)

  1. 電極端子機構(3)が取り付けられた電池缶(1)の内部に充放電が可能な巻き取り電極体(2)が収容され、巻き取り電極体(2)は、それぞれ帯状の正極(21)と負極(24)を両極間にセパレータ(23b)を介在させて渦巻状に巻回して構成され、巻き取り電極体(2)と電極端子機構(3)とが互いに電気的に接続されて、巻き取り電極体(2)が発生する電力を電極端子機構(3)から外部に取り出すことが可能な二次電池において、正極(21)及び負極(24)の内、少なくとも一方の電極の巻軸方向の端部には、複数本の導電性短冊片(4)(40)が突設され、該複数本の導電性短冊片(4)(40)は、該電極の端縁或いはセパレータ(23b)の端縁が露出する巻き取り電極体端面に沿って折り曲げられて、該端面の略全域を覆う電極面Fを形成し、電極端子機構(3)は、電池缶(1)の内部に、前記電極面Fに圧着する端子板(32)を具えていることを特徴とする二次電池。
  2. 複数本の導電性短冊片(4)(40)が突設された電極は帯状の集電体を具え、該集電体には、電極材料が塗布されている塗工部が形成されると共に、その巻軸方向の一方の端部に電極材料が塗布されていない非塗工部(22)(25)が形成され、該非塗工部(22)(25)に、巻軸方向に沿う方向に複数の切込みを入れることによって、電極端縁の全長に亘って複数本の導電性短冊片(4)(40)が形成されている請求項1に記載の二次電池。
  3. 複数本の導電性短冊片(41)(42)が突設された電極は帯状の集電体を具え、該集電体には、電極材料が塗布されている塗工部が形成されると共に、その巻軸方向の一方の端部に電極材料が塗布されていない非塗工部(52)(55)が形成され、該非塗工部(52)(55)に帯状の金属箔(56)(57)の端部が接続され、該金属箔(56)(57)に、巻き取り電極体(5)の巻軸方向に沿う方向に複数の切込みを入れることによって、電極端縁の全長に亘って複数本の導電性短冊片(41)(42)が形成されている請求項1に記載の二次電池。
  4. 電池缶(1)の内周面には、少なくとも電極端子機構(3)の端子板(32)を包囲する領域に、絶縁膜(14)が形成されている請求項1乃至請求項3の何れかに記載の二次電池。
  5. 両端部に一対の電極端子機構(3)(3)が固定された電池缶(1)の内部に、巻き取り電極体(2)が収容され、巻き取り電極体(2)は、それぞれ帯状の正極(21)と負極(24)を両極間にセパレータ(23b)を介在させて渦巻状に巻回して構成され、巻き取り電極体(2)と各電極端子機構(3)とが互いに電気的に接続されて、巻き取り電極体(2)が発生する電力を一対の電極端子機構(3)(3)から外部に取り出すことが可能な二次電池において、正極(21)の巻軸方向の一方の端部に複数本の正極導電性短冊片(4)が突設されると共に、負極(24)の巻軸方向の他方の端部に複数本の負極導電性短冊片(40)が突設され、複数本の正極導電性短冊片(4)は、正極(21)の端縁或いはセパレータ(23b)の端縁が露出する巻き取り電極体(2)の一方の端面に沿って折り曲げられて、該端面の略全域を覆う正極電極面を形成する一方、複数本の負極導電性短冊片(40)は、負極(24)の端縁或いはセパレータ(23b)の端縁が露出する巻き取り電極体(2)の他方の端面に沿って折り曲げられて、該端面の略全域を覆う負極電極面を形成し、一対の電極端子機構(3)(3)は、電池缶(1)の内部に突出する先端部に、前記両電極面に圧着する正負一対の端子板(32)(32)を具え、巻き取り電極体(2)は、前記両電極面に一対の端子板(32)(32)が圧着されることによって、両側から挟持されていることを特徴とする二次電池。
  6. 各端子板(32)は、前記電極面と係合可能な圧着面が形成された平板部と、該平板部の外周部に形成されて、少なくとも巻き取り電極体端部の最外周面を包囲する筒部とから構成されている請求項5に記載の二次電池。
  7. 各端子板(32)と電池缶(1)の内壁の間には、圧縮バネ(33)が介在して、巻き取り電極体(2)は、その両側に配設された一対の圧縮バネ(33)の挟圧力によって電池缶(1)の内部に挟持されている請求項5又は請求項6に記載の二次電池。
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