JP3723352B2 - 二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池缶の内部に充放電可能な電極体が収容されて、電池缶に取り付けられた電極外部端子から集電タブを通して電極体の発生電力を取り出すことが可能な二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯型電子機器、電気自動車等の電源として、エネルギー密度が高いことからリチウム二次電池が注目されている。
例えば大型円筒型リチウム二次電池は、図4に示す如く、金属製の筒体(50)の両端部に金属製の封口板(51)(51)を溶接固定してなる円筒状の電池缶(5)を具え、両封口板(51)(51)には、正極外部端子(16)及び負極外部端子(17)が取り付けられている。
電池缶(5)の内部には、巻き取り電極体(6)が収容されている。巻き取り電極体(6)は、正極(61)と負極(63)の間にセパレータ(62)を介在させて、これらを渦巻状に巻回して構成されている。正極(61)及び負極(63)からは夫々、複数本の正極集電タブ(7)及び負極集電タブ(70)が引き出され、これらの集電タブ(7)(70)の先端部は、前記正極外部端子(16)及び負極外部端子(17)に接続されている。
又、一方の封口板(51)と正極外部端子(16)の接合部、及び他方の封口板(51)と負極外部端子(17)の接合部には夫々、一対の絶縁体(12)(13)からなる絶縁パッキング(14)が介在し、絶縁パッキング(14)を上下方向から一対のナット(15)(15)により挟圧して固定することによって、二次電池の密閉化が施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の大型円筒型リチウム二次電池においては、金属製の電池缶(5)の内周面がむき出しになっているため、特に電気自動車等の車両に搭載した場合、振動や衝撃が加わることにより正極集電タブ(7)或いは負極集電タブ(70)が図5に示す如く電池缶(5)の内周面に接触して、正極集電タブ(7)と電池缶(5)、或いは負極集電タブ(70)と電池缶(5)とが短絡する虞れがあった。
【0004】
そこで、集電タブ(7)(70)と電池缶(5)の内周面とを互いに絶縁することによって上記短絡の発生を防止すべく、巻き取り電極体(6)の外周面に、該巻き取り電極体(6)から筒軸方向に突出して拡がるポリテトラフルオロエチレン製の絶縁シートを巻き付けたリチウム二次電池が知られている。
しかし、該リチウム二次電池において、ポリテトラフルオロエチレンからなる絶縁シートは、機械的強度が低いため、振動や衝撃が加わることにより正極集電タブ(7)或いは負極集電タブ(70)が絶縁シートに衝突した場合、該絶縁シートは破損し易く、集電タブ(7)(70)と電池缶(5)の間の絶縁性に対する信頼性が低い問題があった。
本発明の目的は、集電タブと電池缶の間の絶縁性に対する信頼性の高い二次電池を提供することである。
【0005】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係る二次電池においては、電極外部端子が取り付けられた金属製電池缶の内部に充放電可能な電極体が収容され、電極体と電極外部端子とが複数本の集電タブによって互いに接続されている。そして、該二次電池の特徴的構成において、電池缶の内周面には、少なくとも前記複数本の集電タブを包囲する領域に、絶縁性酸化被膜が形成されている。具体的には、電池缶はアルミニウムから形成され、前記絶縁性酸化被膜はアルマイト処理膜である。
【0006】
上記本発明に係る二次電池において、絶縁性酸化被膜は、従来のポリテトラフルオロエチレンからなる絶縁シートに比べて機械的強度が高い。従って、外部から振動や衝撃が加わって集電タブが絶縁性酸化被膜に衝突したとしても、絶縁性酸化被膜は損傷し難く、集電タブと電池缶の間の絶縁性に対する信頼性が向上する。尚、アルマイト処理膜は、絶縁性酸化被膜の中でも特に機械的強度が高いため、前記絶縁性に対する信頼性の更なる向上を図ることが出来る。
【0009】
上記二次電池の具体的構成においては、前記複数本の全ての集電タブは、その一部或いはその全体がPTC(Positive Temperature Coefficient)素子から形成されている。
【0010】
該具体的構成を有する二次電池においては、過電流や内部短絡、周囲温度の上昇等によって、複数本の集電タブのPTC素子部分の内、何れかのPTC素子部分を流れる電流が増大した場合や、何れかのPTC素子部分の温度が上昇した場合、電流が増大、或いは温度が上昇したPTC素子部分の電気抵抗が急激に増大して、そのPTC素子部分に殆ど電流が流れなくなる。これによって、電池電流が遮断されることになる。
【0011】
尚、正極と正極外部端子の間に1つのPTC素子を接続した二次電池(実開昭52−53929号)、及び封口板をPTC素子によって形成した二次電池(特開平5−74493号)が提案されているが、1つのPTC素子の許容電流値は例えば5A程度と小さいため、これらの二次電池を大きな電流で充電することが出来ず、大型二次電池に実施することが出来ない。
これに対し、本発明に係る二次電池においては、複数本のPTC素子が並列に接続されているので、本発明に係る二次電池は、PTC素子の許容電流値にPTC素子の本数を乗じた値の大きな電流で充電することが出来、大型の二次電池に実施することが可能である。
又、上記従来の二次電池においては、巻き取り電極体に局所的な温度上昇が起こった場合、該温度上昇部からPTC素子に熱が伝わるまでに時間がかかり、電流遮断動作が遅れる問題がある。
これに対し、本発明に係る二次電池においては、電極体は、例えば巻き取り電極体であって、複数のPTC素子は電極体の正極及び負極の長手方向に分散して配設され、正極及び負極の長手方向の何れかの箇所で温度上昇が起こった場合、その近傍に配設されているPTC素子の電気抵抗が速やかに増大して、そのPTC素子に殆ど電流が流れなくなる。これによって、迅速な電流遮断が行なわれるのである。
【0012】
【発明の効果】
本発明に係る二次電池によれば、電池缶の内周面には、複数本の集電タブを包囲する領域に絶縁性酸化被膜が形成されているので、集電タブと電池缶の間の絶縁性に対する信頼性が向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を大型円筒型リチウム二次電池に実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明に係る大型円筒型リチウム二次電池は、図1に示す如く、アルミニウム製の筒体(10)の両端部にアルミニウム製の封口板(11)(11)を溶接固定してなる円筒状の電池缶(1)を具え、両封口板(11)(11)には夫々、正極外部端子(16)及び負極外部端子(17)が取り付けられている。又、筒体(10)の内周面全域及び両封口板(11)(11)の筒体(10)側の表面全域には、アルマイト処理膜(18a)(18b)(18b)が形成されている。
【0014】
電池缶(1)の内部には、図2に示す巻き取り電極体(2)が収容されている。巻き取り電極体(2)は、リチウム複合酸化物を含む正極(21)と黒鉛材料を含む負極(23)との間に、非水電解液が含浸されたセパレータ(22)を介在させて、これらを渦巻状に巻回して構成されている。
正極(21)及び負極(23)には夫々、複数本の正極集電タブ(3)及び負極集電タブ(30)の基端部が接合され、先端部は巻き取り電極体(2)から突出している。ここで、これらの集電タブ(3)(30)は、その全体がPTC素子から形成されている。
【0015】
図1に示す正極外部端子(16)には、前記正極(21)から引き出された複数本の正極集電タブ(3)が接続され、負極外部端子(17)には、前記負極(23)から引き出された複数本の負極集電タブ(30)が接続される。
これによって、巻き取り電極体(2)が発生する電力を、正極外部端子(16)及び負極外部端子(17)から取り出すことが出来るのである。
【0016】
一方の封口板(11)と正極外部端子(16)との接合部、及び他方の封口板(11)と負極外部端子(17)との接合部には夫々、一対の絶縁体(12)(13)からなる絶縁パッキング(14)が介在し、絶縁パッキング(14)を上下方向から一対のナット(15)(15)により挟圧して固定することによって、リチウム二次電池の密閉化が施されている。
【0017】
上記円筒型リチウム二次電池の製造工程においては、先ず、図2に示す巻き取り電極体(2)を作製する。
巻き取り電極体(2)の作製工程においては、非水電解液が含浸されたセパレータ(22)上に、図示の如くリチウム複合酸化物を含む正極(21)を重ね、該正極(21)の集電体(アルミニウム箔)上に、全体がPTC素子からなる10本の正極集電タブ(3)を配置する。更に、正極(21)及び複数本の正極集電タブ(3)の上に、非水電解液が含浸されたセパレータ(22)、及び黒鉛材料を含む負極(23)を重ねた後、該負極(23)上に、全体がPTC素子からなる10本の負極集電タブ(30)を配置し、これらを渦巻状に巻回する。この際、正極集電タブ(3)及び負極集電タブ(30)は夫々、正極(21)及び負極(23)に圧接されて、固定されることになる。
尚、上記二次電池においては、正極集電タブ(3)及び負極集電タブ(30)の全体をPTC素子によって形成しているが、図3に示す如く、正極集電タブ(4)及び負極集電タブ(40)の長手方向の一部(4a)(40a)をPTC素子によって形成することも可能である。
【0018】
次に、アルミニウム製の筒体(10)及び封口板(11)(11)に酸化処理を施して、筒体(10)の内周面及び封口板(11)(11)の一方の表面に、図1に示す如くアルマイト処理膜(18a)(18b)(18b)を形成する。
その後、該筒体(10)内に巻き取り電極体(2)を収容して、周知の工程を実施することによって、本発明に係る円筒型リチウム二次電池が完成する。
【0019】
本発明に係る大型円筒型リチウム二次電池において、図1に示す如く電池缶(1)の内周面全域に形成されているアルマイト処理膜(18a)(18b)(18b)は、従来のポリテトラフルオロエチレンからなる絶縁シートよりも機械的強度が高いため、外部からの振動や衝撃によって正極集電タブ(3)或いは負極集電タブ(30)が衝突したとしても、損傷し難い。従って、正極集電タブ(3)或いは負極集電タブ(30)と電池缶(1)との絶縁性に対する信頼性は、前記従来のリチウム二次電池よりも向上する。
尚、アルマイト処理膜(18a)(18b)(18b)に代えて、その他の周知の絶縁性酸化被膜を採用することも可能であるが、アルマイト処理膜は、絶縁性酸化被膜の中でも特に機械的強度が高く、前記絶縁性について、極めて高い信頼性が得られる。
【0020】
又、上記大型円筒型リチウム二次電池においては、過電流や内部短絡、周囲温度の上昇等によって、10本の正極集電タブ(3)及び10本の負極集電タブ(30)の内、何れかの温度が作動温度以上に上昇した場合、温度が上昇した集電タブの電気抵抗が急増して、その集電タブに殆ど電流が流れなくなる。これによって、電池電流が遮断されることになる。
尚、1つのPTC素子の許容電流値は、例えば5A程度であるが、本発明は、10本のPTC素子が並列に接続されているので、PTC素子の許容電流値にPTC素子の本数を乗じた値、即ち50Aの大きな電流で充電することが可能である。
又、複数本の正極集電タブ(3)及び負極集電タブ(30)は夫々、図2に示す如く正極(21)及び負極(23)の長手方向に分散して配設されており、正極(21)及び負極(23)の長手方向の何れかの箇所で温度上昇が起こった場合、その近傍に配設されている集電タブ(3)(30)の電気抵抗が速やかに増大して、該集電タブ(3)(30)に殆ど電流が流れなくなる。これによって、迅速な電流遮断が行なわれることになる。
【0021】
【実施例】
次に、電池缶の内周面にアルマイト処理膜を形成する本発明の効果を確認するために行なった試験の結果について説明する。
【0022】
正極の作製
正極活物質としてのLiCoO2(リチウム複合酸化物)粉末と導電剤として炭素粉末を重量比90:5で混合し、正極合剤を作製した。次に、結着剤であるポリフッ化ビニリデンをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させて、NMP溶液を調整した。そして、正極合剤とポリフッ化ビニリデンの重量比が95:5となる様に正極合剤とNMP溶液を混練してスラリーを調整し、このスラリーを正極集電体となるアルミニウム箔の両面にドクターブレード法により塗布し、150℃で2時間真空乾燥して正極を作製した。
【0023】
負極の作製
結着剤であるポリフッ化ビニリデンをNMPに溶解させてNMP溶液を調整し、平均粒径10μmの黒鉛粉末とポリフッ化ビニリデンの重量比が85:15となる様に混練してスラリーを調整した。このスラリーを負極集電体となる銅箔の両面にドクターブレード法によって塗布し、150℃で2時間真空乾燥して負極を作製した。
【0024】
電解液の調整
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比1:1で混合した溶媒に、LiPF6を1mol/lの割合で溶解し、電解液を調整した。
【0025】
巻き取り電極体の作製
セパレータであるイオン透過性のポリエチレン製の微多孔性膜上に、正極を重ね、該正極の集電体(アルミニウム箔)上に、厚さ0.1mmのアルミニウム製の正極集電タブを10本配置した。更に、正極及び正極集電タブの上に、セパレータ及び負極を順次重ね、該負極上に、厚さ0.1mmのニッケル製の負極集電タブを10本配置し、これらを渦巻状に多数回巻いて、巻き取り電極体を作製した。
【0026】
電池の作製
直径60mm、厚さ5mmの2枚のアルミニウム製の封口板に夫々、正極外部端子及び負極外部端子を取り付け、そして、巻き取り電極体を、電池缶となる外径60mm、高さ300mm、厚さ2mmのアルミニウム製の筒体の内部に装填して、両封口板を筒体に溶接固定した後、電池缶内に電解液を注入して、平均出力電圧3.6V、電池容量70Ah(1/8C放電)の実施例1〜5及び比較例1、2の大型円筒型リチウム電池を完成した。
【0027】
実施例1〜5及び比較例1においては、後述の処理を施した封口板及び筒体を用いた。比較例2においては、未処理の封口板及び筒体を用い、電池缶内に後述のシートを挿入した。
【0028】
(実施例1)
両封口板の一方の表面及び筒体の内周面に、アルマイト処理を施した。
(実施例2)
両封口板の一方の表面及び筒体の内周面に、フッ素樹脂であるポリテトラフルオロエチレンを厚さ5μmとなる様に塗布した。
(実施例3)
両封口板の一方の表面及び筒体の内周面に、シリコン樹脂であるシリコン塗料を厚さ5μmとなる様に塗布した。
(実施例4)
両封口板の一方の表面及び筒体の内周面に、ポリオレフィンであるポリエチレンを厚さ5μmとなる様に塗布した。
(実施例5)
両封口板の一方の表面及び筒体の内周面に、ポリオレフィンであるポリプロピレンを厚さ5μmとなる様に塗布した。
【0029】
(比較例1)
両封口板の一方の表面及び筒体の内周面に、塩化ビニル樹脂(塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体)を厚さ5μmとなる様に塗布した。
(比較例2)
未処理の封口板及び筒体を用い、巻き取り電極体の外周面に前記筒体の高さよりも大きい幅を有する厚さ30μmのポリエチレンシートを巻き付けたものを、筒体の内部に装填した。
【0030】
試験1
実施例1〜5及び比較例1、2の電池に対し、振幅0.8mm、周波数10〜55Hz、掃引速度1Hz/minで互いに直角に交わるXYZ方向へ100分間、振動を加えて、内部短絡発生率を調べた。その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
表1に示す如く、実施例1〜5の電池では、試料数10個の内、短絡が発生したものは無かったが、比較例1では、試料数10個の内、5個に正極集電タブと電池缶との短絡が発生し、6個に負極集電タブと電池缶との短絡が発生した。又、比較例2では、試料数10個の内、7個に正極集電タブと電池缶との短絡が発生し、8個に負極集電タブと電池缶との短絡が発生した。
この結果から、電池缶の内周面にアルマイト処理膜を形成する本発明の電池においては、集電タブと電池缶との絶縁性について、電池缶の内周面に塩化ビニル樹脂を形成した従来の電池(特開平5−182647号)や、巻き取り電極体の外周面に絶縁シートを巻き付けた従来の電池よりも高い信頼性が得られることは明らかである。
【0033】
尚、比較例1の電池の内、短絡が発生したものを分解したところ、電池缶の内周面に塗布した塩化ビニル樹脂が電解液により膨潤して軟化し、正極集電タブ或いは負極集電タブが電池缶の内周面に接触していることを確認した。
又、比較例2の電池の内、短絡が発生したものを分解したところ、巻き取り電極体の外周面に巻き付けたポリエチレンシートが破損して、正極集電タブ或いは負極集電タブが電池缶の内周面に接触していることを確認した。これに対し、該比較例2と同一資材であるポリエチレンを塗布した実施例4においては、上述の如く短絡は発生しなかった。実施例4においては、ポリエチレン膜は電池缶の内周面に密着しているため、該ポリエチレン膜に集電タブが衝突したとしても、該衝突力は、ポリエチレン膜を押し潰す力となって作用するに過ぎず、ポリエチレン膜が破れなかったと考えられる。
【0034】
次に、集電タブをPTC素子から形成する本発明の効果を確認するために行なった試験の結果について説明する。
正極、負極及び電解液は、上述の試験に用いた電池と同様に、作製及び調整した。
【0035】
巻き取り電極体の作製
セパレータであるイオン透過性のポリエチレン製の微多孔性膜上に、正極を重ね、該正極上に正極集電タブを10本配置し、更に、正極及び正極集電タブの上にセパレータ及び負極を順次重ねた後、該負極上に負極集電タブを10本配置し、これらを渦巻状に多数回巻いて、実施例6、7及び比較例3の巻き取り電極体を作製した。
【0036】
実施例6、7及び比較例3においては夫々、後述の正極集電タブ及び負極集電タブを用いた。
(実施例6)
幅10mm、厚さ0.5mm、長さ300mmの2本のPTC素子(周囲温度60℃、電流2.65Aにて作動)を夫々、正極集電タブ及び負極集電タブとして用いた。
(実施例7)
幅10mm、厚さ0.5mm、長さ10mmのPTC素子(周囲温度60℃、電流2.65Aにて作動)と、幅10mm、厚さ0.1mm、長さ290mmのアルミニウム帯状体とを導電性接着剤で接続して得られる長さ300mmのものを、正極集電タブとして用い、前記PTC素子と同サイズ、同タイプのPTC素子と、幅10mm、厚さ0.1mm、長さ290mmのニッケル帯状体とを導電性接着剤で接続して得られる長さ300mmのものを、負極集電タブとして用いた。尚、正極集電タブ及び負極集電タブは、PTC素子部分が夫々、正極及び負極から突出する様に正極上及び負極上に配置した。
【0037】
(比較例3)
幅10mm、厚さ0.1mm、長さ300mmのアルミニウム帯状体を正極集電タブとして用い、該アルミニウム帯状体と同サイズのニッケル帯状体を負極集電タブとして用いた。
【0038】
電池の作製
直径64mm、厚さ5mmの2枚のアルミニウム製の封口板に夫々、正極外部端子及び負極外部端子を取り付け、そして、実施例6、7及び比較例3の巻き取り電極体を夫々、電池缶となる外径64mm、高さ300mm、厚さ2mmのアルミニウム製の筒体の内部に装填し、両封口板を筒体に溶接固定した後、電池缶内に電解液を注入して、平均出力電圧3.6V、電池容量70Ah(1/8C放電)の大型円筒型リチウム電池を完成した。
比較例3においては、封口板に直径30mm、厚さ1mmのPTC素子(周囲温度60℃、電流20Aで作動)を取り付けた。
【0039】
試験2
実施例6、7及び比較例3の電池を雰囲気温度60℃の恒温槽内に収容し、各電池について、恒温槽内に収容してからPTC素子の抵抗値が1×102Ωに達するまでの時間を測定した。その結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
表2に示す如く、実施例6、7におけるPTC素子の抵抗値は、比較例3におけるPTC素子よりも短時間で1×102Ωに達している。
この結果から、複数のPTC素子を複数本の集電タブに採用する本発明の電池においては、1つのPTC素子を電極部に取り付けた従来の電池よりも、過電流や内部短絡、周囲温度の上昇による電池の電流遮断が迅速に行なわれると言える。
【0042】
試験3
実施例6、7及び比較例3の電池を雰囲気温度20℃の恒温槽内に収容して、20Aで充電を施し、各電池について、恒温槽内に収容してからPTC素子の抵抗値が1×102Ωに達するまでの時間を測定した。その結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】
表3に示す如く、実施例6、7におけるPTC素子については、測定中、抵抗値が変化せず、通電が可能であったが、比較例3におけるPTC素子については、0.5分で抵抗値が1×102Ωに達して、通電が不可能となった。
この結果から、複数のPTC素子を複数本の集電タブに採用する本発明は、比較的大きな電流で充電することが出来ることが明らかである。
【0045】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の円筒型リチウム二次電池の全体構成を表わす断面図である。
【図2】本実施例の集電タブの構成を説明するために巻き取り電極体の一部を展開して示す斜視図である。
【図3】他の実施例の集電タブの構成を説明するために巻き取り電極体の一部を展開して示す斜視図である。
【図4】従来の円筒型リチウム二次電池の全体構成を表わす断面図である。
【図5】従来の円筒型リチウム二次電池における問題点を説明するための断面図である。
【符号の説明】
(1) 電池缶
(10) 筒体
(11) 封口板
(16) 正極外部端子
(17) 負極外部端子
(2) 巻き取り電極体
(21) 正極
(22) セパレータ
(23) 負極
(3) 正極集電タブ
(30) 負極集電タブ
Claims (3)
- 電極外部端子が取り付けられた金属製電池缶の内部に充放電可能な電極体が収容され、電極体と電極外部端子とが複数本の集電タブによって互いに接続されて、電極体が発生する電力を電極外部端子から外部に取り出すことが可能な二次電池において、電池缶の内周面には、少なくとも前記複数本の集電タブを包囲する領域に、絶縁性酸化被膜が形成されていることを特徴とする二次電池。
- 電池缶はアルミニウムから形成され、前記絶縁性酸化被膜はアルマイト処理膜である請求項1に記載の二次電池。
- 前記複数本の全ての集電タブは、その一部或いはその全体がPTC素子から形成されている請求項1又は請求項2に記載の二次電池。
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