JP3806562B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池缶の内部に発電要素となる電極体を収納して構成される非水電解液二次電池に関し、特に、所定値を越える電流が発生したときに速やかにその電流を抑制することが出来る非水電解液二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気自動車やハイブリッド車の電源として、大容量化、高エネルギー密度化の可能なリチウム二次電池が注目されている。
例えば図4及び図5に示す円筒型リチウム二次電池は、筒体(11)の両端部に蓋体(12)(12)を溶接固定してなる円筒状の電池缶(1)の内部に、巻き取り電極体(2)を収容して構成されている。両蓋体(12)(12)には、正負一対の電極端子機構(9)(9)が取り付けられており、巻き取り電極体(2)と両電極端子機構(9)(9)とが、複数本の集電タブ(3)により互いに接続されて、巻き取り電極体(2)が発生する電力を一対の電極端子機構(9)(9)から外部に取り出すことが可能となっている。又、蓋体(12)には安全弁(13)が取り付けられている。
【0003】
巻き取り電極体(2)は、図6に示す如く、リチウム複合酸化物を含む正極(23)と炭素材料を含む負極(21)の間に、非水電解液が含浸されたセパレータ(22)を介在させて、これらを渦巻き状に巻回して構成されている。
巻き取り電極体(2)の正極(23)及び負極(21)からは夫々複数本の集電タブ(3)が引き出され、極性が同じ複数本の集電タブ(3)の先端部(31)が、図5の如く1つの電極端子機構(9)に接続されている。
尚、図5においては、便宜上、一部の集電タブの先端部が電極端子機構(9)に接続されている状態のみを示し、他の集電タブについては、電極端子機構(9)に接続された先端部分の図示を省略している。
【0004】
電極端子機構(9)は、電池缶(1)の蓋体(12)を貫通して取り付けられたネジ部材(91)を具え、該ネジ部材(91)の基端部には鍔部(92)が形成されている。蓋体(12)の貫通孔には絶縁パッキング(93)が装着され、蓋体(12)と締結部材(91)の間の電気的絶縁性とシール性が保たれている。ネジ部材(91)には、筒体(11)の外側からワッシャ(94)が嵌められると共に、第1ナット(95)及び第2ナット(96)が螺合しており、第1ナット(95)を締め付けて、ネジ部材(91)の鍔部(92)とワッシャ(94)によって絶縁パッキング(93)を挟圧し、シール性を高めている。
前記複数本の集電タブ(3)の先端部(31)は、ネジ部材(91)の鍔部(92)に、レーザ溶接や超音波溶接によって固定されている。
【0005】
巻取り電極体(2)の正極(23)及び負極(21)に集電タブ(3)を接続するための構造としては、各電極を構成する帯状の集電体の表面に、電極材料の塗布されている塗工部と電極材料の塗布されていない非塗工部とを形成し、該非塗工部に集電タブの基端部をレーザ溶接や超音波溶接等によって固定する構造が知られている(特開平6-267528[H01M2/26])。
【0006】
ところで、上述の如き非水電解液二次電池においては、電池内部でショート等が発生すると、大電流が流れる虞れがあるため、図7に示す如く、例えば正極(8)として、集電体(81)の両面にそれぞれPTC素子層(82)を介して電極材料(83)を配置した電極構造が提案されている(特開平7-220755号[H01M10/38])。PTC素子層(82)を構成しているPTC素子は、正の抵抗温度係数を有する素子であって、所定値を越える電流が流れると、その電気抵抗値が急激に増大して、電流抑制効果を発揮するものである。
該二次電池によれば、電池内部でショート等が発生しても、所定値を越える電流が継続して流れることはない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7に示すPTC素子層(82)を具えた従来の非水電解液二次電池においては、集電体(81)と電極材料(83)の間にPTC素子層(82)が介在しているため、電池缶の単位容積当たりの電極材料(83)の量が、PTC素子層(82)を具えない電池に比べて、PTC素子層(82)の容積分だけ少なくなり、この結果、電池缶の単位容積当たりの放電容量、即ちエネルギー密度が大きく低下する問題があった。
【0008】
そこで本発明の目的は、所定値を越える電流の継続的な発生を阻止すること出来ると共に、高いエネルギー密度を実現することが出来る非水電解液二次電池を提供することである。
【0009】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係る非水電解液二次電池において、電池缶(1)に収容された電極体(2)を構成する正極及び負極の少なくとも何れか一方の電極は、その集電体が、一方向に沿って配列された複数の集電体片(42)と、隣接する集電体片(42)どうしを互いに連結するPTC素子(5)とによって構成されていることを特徴とする。
【0010】
上記本発明の非水電解液二次電池においては、複数の集電体片(42)の間にPTC素子(5)を介在させる構造を採用しているので、PTC素子(5)は、集電体片(42)どうしを連結するのに必要な最小限の長さに形成することが出来、これによって、電池缶(1)の内部でPTC素子(5)が占める容積は、従来の如く集電体と電極材料の間にPTC素子層を介在させる構成に比べて、大幅に減少する。この結果、電極材料の量が従来よりも増加して、エネルギー密度は、PTC素子を具えない電池と同等の高い値となる。
【0011】
具体的構成においては、互いに連結すべき一対の集電体片(42)(42)の端部が、前記PTC素子(5)を間に挟んで上下に重ね合わされ、PTC素子(5)の両面に接合されている。
該具体的構成によれば、PTC素子(5)と集電体片(42)の間の接合面積を十分に大きくとることが出来、これによって集電体片(42)どうしの連結が強固なものとなる。
【0012】
又、集電体片(42)の枚数A、電極体(2)の巻き取り方向に沿う電極の全長B及びPTC素子(5)の長さCの間には、
A×C/B<0.1
の関係がなりたつ。
後述の実験結果によって実証する様に、上記関係を満足することによって、放電容量は従来よりも大幅に増大する。
【0016】
【発明の効果】
本発明に係る非水電解液二次電池によれば、所定値を越える継続的な電流の発生を阻止することが出来ると共に、高いエネルギー密度を実現することが出来る。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を円筒型リチウム二次電池に実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明に係る二次電池においては、正極にのみPTC素子による電流抑制機能を与える構成の他、正極及び負極の両方、若しくは負極にのみ、同様の電流抑制機能を与える構成を採用することも可能である。
尚、本発明に係る二次電池は、巻取り電極体(2)の具体的構成を除いて、他の構成については図4及び図5に示す電池と同一であり、同一の構成については説明を省略する。
【0018】
実施例
本実施例の二次電池においては、図1に示す如く、正極(4)が、巻取り電極体の巻き取り方向に配列された複数の集電体片(42)と、各集電体片(42)の両面に塗布された電極材料(43)と、隣接する集電体片(42)どうしを互いに連結するPTC素子(5)とから構成されており、集電体片(42)の表面には、電極材料(43)の塗布された塗工部と、電極材料(43)の塗布されていない非塗工部が形成されて、該非塗工部に集電タブ(3)の基端部が接合されている。
【0019】
ここで隣接する一対の集電体片(42)(42)は、図1中に拡大して示す様に、PTC素子(5)によって互いに連結されるべき端部が、PTC素子(5)を間に挟んで上下に重ね合わされ、PTC素子(5)の両面に導電性接着剤(図示省略)を用いて接合されている。
【0020】
上記正極(4)の製造工程においては、図2に示す如く、複数枚の集電体片(42)の表面にそれぞれ、集電タブ(3)の接合領域とPTC素子(5)の接合領域を除いて、電極材料(43)を塗布し、中央部に、集電タブ(3)を接合すべき第1の非塗工部(44)を形成すると共に、両端部に、PTC素子(5)を接合すべき第2の非塗工部(45)(45)を形成する。これによって複数枚の正極片が得られることになる。
次に、隣接する集電体片(42)(42)の対応する第2非塗工部(45)(45)の間にPTC素子(5)を挟んで、各第2非塗工部(45)とPTC素子(5)とを導電性接着剤を用いて接合し、複数枚の集電体片(42)を互いに連結する。
その後、各集電体片(42)の第1非塗工部(44)に集電タブ(3)の基端部を重ね、レーザ溶接、超音波溶接などによって集電タブ(3)を接合する。
【0021】
この様にして作製された正極(4)を用いる以外は従来と同様にして、図6に示す如き巻取り電極体(2)を作製し、該巻取り電極体(2)を図5に示す如く電池缶(1)に収容して、円筒型リチウム二次電池を完成する。
【0022】
尚、PTC素子(5)としては、結晶性合成樹脂のシラン化合物系架橋剤による架橋化物に導電性無機充填剤を分散させたものを採用することが出来る。ここで、合成樹脂としては、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ四フッ化エチレン、ポリエチレンテレフタレート等を用い、また導電性無機充填剤としては、カーボンブラック、TiC、BC、CrC、ZrC、TiB、ZrN、TiN、Al、Cu等の粉体を用い、シラン化合物系架橋剤としては、ビニルシラン、エポキシシラン、アミノシラン、メルカプトシラン等を用いることが出来る。
【0023】
次に、上記実施例の円筒型リチウム二次電池の性能を確認するために行なった実験の内容及び結果について説明する。
【0024】
実験1
次の様にして本発明電池A及び比較電池Xを作製し、電池特性を測定した。
[正極の作製]
正極活物質(LiCoO)、導電剤(カーボン粉末)及び結着剤(フッ素樹脂粉末)からなる正極合剤を、正極集電体としてのアルミニウム箔(厚さ20μm)の両面にドクターブレード法により塗布し、150℃で2時間の真空乾燥を施して、正極片(幅50mm、長さ500mm、非塗工部長さ15mm)を3枚作製した。
【0025】
[負極の作製]
負極材料(黒鉛粉末)と結着剤(フッ素樹脂粉末)からなる負極合剤を、負極集電体としての銅箔(厚さ20μm)の両面にドクターブレード法により塗布し、150℃で2時間の真空乾燥を施して、負極(幅55mm、長さ1600mm、非塗工部長さ5mm)を作製した。
【0026】
[PTC素子の作製]
高密度ポリエチレン(60重量%)に、カーボンブラック(40重量%)及びシランカップリング剤(4重量部)を混練した後、これをシート状に形成し、幅5cm、長さ15mmに切断し、PTC素子を作製した。
そして、PTC素子を正極の非塗工部に導電性接着剤によって接合し、上記3枚の正極片を互いに連結した。
【0027】
[電解液の調製]
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒にLiPF6溶質を溶かし、電解液を調製した。
【0028】
[電池の組立]
正極及び負極をセパレータを介して渦巻き状に巻き取り、巻取り電極体を作製した。尚、セパレータとしては、イオン透過性を有するポリプロピレン製の微多孔膜を用いた。
そして、巻取り電極体を電池缶に挿入して、正極タブを電池缶の正極端子に溶接すると共に、負極タブを電池缶の負極端子に溶接し、更に電解液を注入した後、電池缶を封口して、本発明電池Aを作製した。
又、正極集電体と電極材料の間にPTC素子層(厚さ20μm)を挟み込んだ幅50mm、長さ1500mmの正極を用いること以外は上記本発明電池Aと同様にして、比較電池Xを作製した。
【0029】
[電池特性の測定]
充電電流50mA、充電終止電圧4.1V、放電電流50mA、放電終止電圧 2.7Vの条件で、充放電試験を行ない、放電容量を測定した。
【0030】
従来電池と本発明電池の放電容量の比較を行なった結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0003806562
【0031】
表1の結果から明らかな様に、本発明電池Aは、比較電池Xに比べて、放電容量が大きく、電池特性が良好である。これは、本発明電池では、複数に分割した電極片をPTC素子により連結する構造が採用されているために、比較電池よりもPTC素子の容積が減少し、その減少分だけ電極材料の量が増大して、エネルギー密度が高くなったためと考えられる。
【0032】
実験2
次に、正極を構成する集電体片の枚数A、正極の全長B、及びPTC素子の長さCの関係について検討するべく、次の本発明電池B1〜B6を作製した。
即ち、長さ75cmの集電体片2枚を正極に用いること以外は本発明電池Aと同様にして、本発明電池B1を作製した。
長さ30cmの集電体片5枚を正極に用いること以外は本発明電池Aと同様にして、本発明電池B2を作製した。
長さ15cmの集電体片10枚を正極に用いること以外は本発明電池Aと同様にして、本発明電池B3を作製した。
長さ1cmのPTC素子を用いること以外は本発明電池Aと同様にして、本発明電池B4を作製した。
長さ2cmのPTC素子を用いること以外は本発明電池Aと同様にして、本発明電池B5を作製した。
長さ6cmのPTC素子を用いること以外は本発明電池Aと同様にして、本発明電池B6を作製した。
【0033】
本発明電池A及びB1〜B6について、パラメータ(A×C/B)の値と、放電容量の測定結果を表2に示す。
【表2】
Figure 0003806562
【0034】
表2から明らかな様に、パラメータ(A×C/B)が0.1よりも小さい電池において放電容量が特に大きくなっており、このことから、パラメータ(A×C/ B)を0.1よりも小さく設定することが好ましいと言える。
【0035】
参照例
本参照例の二次電池においては、図3に示す如く、正極(6)が、巻取り電極体の巻き取り方向に長い帯板状の集電体(61)と、集電体(61)の両面に塗布された電極材料(62)と、集電体(61)の非塗工部(63)に接合されたPTC素子(7)とから構成されており、該PTC素子(7)の表面に集電タブ(3)の基端部が接合されている。
該正極(6)の製造工程においては、集電体(61)の表面に、PTC素子(7)の接合領域を除いて、電極材料(62)を塗布し、複数箇所に非塗工部(63)を形成する。
次に、集電タブ(3)とPTC素子(7)とを超音波溶接やレーザ溶接によって互いに接合した後、これを電極材料(62)の非塗工部(63)に超音波溶接やレーザ溶接によって接合する。
負極についても正極(6)と同様の構成が採用される(図示省略)。
【0036】
この様にして作製された正極及び負極を用いること以外は従来と同様にして、図6に示す如き巻取り電極体(2)を作製し、該巻取り電極体(2)を図5に示す如く電池缶(1)に収容して、円筒型リチウム二次電池を完成する。
尚、PTC素子(7)としては、導電性ポリマー(合成樹脂)を用いたものやセラミックスを用いたもの等を採用することが出来、作動温度が80℃〜140℃であるものが好ましい。ここで作動温度とは、温度上昇によって抵抗値が室温時の1000倍に達するときの温度をいう。また、PTC素子(7)としては、20℃において、10Ω・cm以下の固有抵抗を有するものが好ましい。
PTC素子(7)の厚さは、10〜500μmの範囲であることが放電容量及び電流の遮断性において優れるので、この範囲が好ましい。
【0037】
又、正極材料としては、リチウム含有複合酸化物(例えばLiCoO)等、従来より非水系電池用として使用されている種々の正極材料を採用することができる。この正極材料を、アセチレンブラック、カーボンブラック等の導電剤、及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の結着剤と混練し、正極合剤として用いる。
負極材料としては、金属リチウム、リチウム合金、或いは炭素材料や金属酸化物等のリチウムをドープ、脱ドープできる材料等を採用することができる。
電解質としては、6フッ化リン酸リチウム等、従来よりリチウム二次電池用として使用されている種々の電解液を用いることができる。
セパレータとしては、イオン導電性に優れたポリエチレン製やポリプロピレン製の微多孔性膜等、従来よりリチウム二次電池用として使用されている種々のものを採用することが出来る。
【0038】
次に、上記参照例の円筒型リチウム二次電池の性能を確認するために行なった実験の内容及び結果について説明する。
【0039】
実験1
次の様にして参照例電池A1及び比較電池Xを作製し、電池特性を測定した。
[正極の作製]
正極材料としてのコバルト酸リチウム(LiCoO)粉末と、導電剤としての
炭素粉末と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、重量比90:5:5の比率で混合し、正極合剤を得た。
次いで、この正極合剤にN−メチル−2−ピロリドンを加えてスラリー状にし、これを正極集電体としてのアルミニウム箔に塗布した後、圧延し、更に幅240mmに切断して、正極を作製した。
【0040】
[負極の作製]
負極材料としての天然黒鉛粉末に、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を、重量比90:10の比率で混合し、負極合剤を得た。
次いで、この負極合剤にN−メチル−2−ピロリドンを加えてスラリー状にし、これを負極集電体としての銅箔に塗布した後、圧延し、更に幅250mmに切断して、負極を作製した。
【0041】
[電解液の調製]
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との等体積混合溶媒に、溶質としての六フッ化リン酸リチウムを1モル/リットルの割合で溶かして、電解液を調製した。
【0042】
[電池の組立]
正極集電体に、厚さ100μmのPTC素子とアルミニウム製の集電タブとを重ね合わせ、PTC素子を集電体の非塗工部に接触させて、超音波溶接等を用いてこれらを接合した。同様に、負極の集電体の非塗工部に、厚さ100μmのPTC素子とニッケル製の集電タブとを重ね合わせ、超音波溶接等でこれらを接合した。尚、正極、負極とも、集電タブは10枚を等間隔に取り付けた。
上記の正極、負極、及び電解液の他、ポリプロピレン製の微多孔性薄膜からなるセパレーター等を用いて、直径60mm、高さ290mmの参照例電池A1を作製した。
【0043】
又、集電体の両面に厚さ20μmのPTC素子シートを貼り付けた後、正負極合剤を塗布して、正極及び負極を作製し、これらの電極に集電タブを取り付けた後、参照例電池A1と同様にして比較電池Xを作製した。
【0044】
[電池特性の測定]
上記参照例電池A1及び比較電池Xについて、10Aの電流で電池電圧4.2Vまで充電した後、2.7Vに至るまで放電したときの放電容量を測定した。
その結果を表3に示す。
【0045】
【表3】
Figure 0003806562
【0046】
表3から明らかな様に、参照例電池A1は比較電池Xと比べて、大きな放電容量を有しており、参照例電池A1の有効性が裏付けられる。
【0047】
実験2
実験2では、次の参照例電池A2〜A6を作製して、PTC素子の厚さが電池の放電容量に及ぼす影響について検討を行なった。
PTC素子の厚さを、参照例電池A2では10μm、参照例電池A3では50μm、参照例電池A4では200μm、参照例電池A5では500μm、参照例電池A6では1000μmと変えたこと以外は参照例電池A1と同様にして、参照例電池A2〜A6を作製した。
【0048】
上記参照例電池A2〜A6の各電池について、10Aの電流で電池電圧4.2Vまで充電した後、2.7Vに至るまで放電したときの放電容量を測定した。その結果を表4に示す。
【0049】
【表4】
Figure 0003806562
【0050】
表4から明らかな様に、PTC素子の厚さが10μm〜500μmの範囲に形成されている電池が、放電容量の点で優れており、また厚さ10μm未満のPTC素子は作製が困難であることから、PTC素子の厚さをこの範囲に形成することが好ましいことが分かる。更に、PTC素子の厚さを10μm〜200μmの範囲に形成することがより好ましいことが分かる。
【0051】
上述の実施例及び参照例の何れにおいても、従来の電池に比べて、電池缶内でPTC素子が占める容積が減少し、これに伴って電極材料の量が増加することと、PTC素子の電気抵抗による電力損失が減少するために、大きな放電容量が達成される。
実施例では、比較電池の放電容量が2.5Ahであるのに対し、本発明電池の放電容量が3.5Ahとなっており、40%の増大が達成されている。又、参照例では、比較電池の放電容量が40Ahであるのに対し、参照例電池の放電容量が70Ahとなっており、75%の増大が達成されている。この放電容量の増大は、電極材料の増加によるものと、電気抵抗による電力損失の減少によるものと推定される。特に、電極面積が大きくなると、電気抵抗による電力損失の減少の効果が大きくなるものと推定される。
【0052】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記実施例では、本発明を円筒形二次電池に実施しているが、これに限らず、扁平形、角形等、種々の形状を有する非水電解液二次電池に実施出来るのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の電池に採用されている正極の要部を示す斜視図である。
【図2】該正極の製造工程を説明する斜視図である。
【図3】 参照例の電池に採用されている正極の要部を示す斜視図である。
【図4】円筒型二次電池の外観を表わす斜視図である。
【図5】円筒型二次電池の要部を示す断面図である。
【図6】巻取り電極体の一部を展開して示す斜視図である。
【図7】従来のPTC素子層を具えた正極の断面図である。
【符号の説明】
(1) 電池缶
(2) 巻取り電極体
(3) 集電タブ
(4) 正極
(42) 集電体片
(43) 電極材料
(44) 非塗工部
(45) 非塗工部
(5) PTC素子
(6) 正極
(61) 集電体
(62) 電極材料
(63) 非塗工部
(7) PTC素子

Claims (2)

  1. 電池缶(1)の内部に電極体(2)が収納され、電池缶(1)に取り付けた電極端子機構(9)から電極体(2)の発生電力を取り出すことが可能であって、電極体(2)を構成する正極及び負極はそれぞれ、帯状の集電体の表面に電極材料を塗布して構成される非水電解液二次電池において、正極及び負極の少なくとも何れか一方の電極の集電体は、一方向に沿って配列された複数の集電体片(42)と、隣接する集電体片(42)どうしを互いに連結する正の抵抗温度係数を有する素子とによって構成され、互いに連結すべき一対の集電体片 (42)(42) の端部が、前記素子を間に挟んで上下に重ね合わされ、前記素子の両面に接合されていることを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 集電体片(42)の枚数A、前記一方向に沿う電極の全長B及び前記素子の長さCの間には、下記数式の関係がなりたつ請求項1に記載の非水電解液二次電池。
    A×C/B<0.1
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