JP3906872B2 - 電池装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【目次】
以下の順序で本発明を説明する。
発明の属する技術分野
従来の技術(図5〜図7)
発明が解決しようとする課題(図5〜図7)
課題を解決するための手段(図1〜図4)
発明の実施の形態(図1〜図4)
発明の効果
【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明は電池装置に関し、特に筒型形状を有する大型の電池装置に適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】
従来、この種の電池装置として、図5に示すように構成されたものがある。
すなわちこの電池装置1においては、例えばスチール管にニツケルメツキを施すことにより形成された外管2内に、帯状の電極部3が巻き付けられたアルミニウム製の内管4が嵌挿されると共に、外管2の長手方向の各端部でなる各ビート加工部2Aがそれぞれ内管4の端部にリング状の封口板5を介して嵌め込まれた対応するリング状のガスケツト6にかしめられることにより形成されている。
【0004】
この場合電極部3は、図6及び図7に示すように、例えば微多孔性ポリプロピレンフイルムからなる第1のセパレータ10と、帯状の金属箔(例えばアルミニウム箔)でなる第1の集電体11の両面に長手方向の両端部を避けて正極活物質12を塗布することにより形成された正極13と、例えば微多孔性ポリプロピレンフイルムからなる第2のセパレータ14と、帯状の金属箔(例えば銅箔)でなる第2の集電体15の両面に長手方向の両端部を避けて負極活物質16を塗布することにより形成された負極17とを順次積層することにより形成されており、第1のセパレータ10を内側にして内管4に巻き付けられている。
【0005】
また特に図6において明らかなように、正極13の長手方向の各端部でなる正極活物質12の各未塗布部分13A(図6において正極13に斜線が引かれた部分)と、負極17の長手方向の各端部でなる負極活物質16の各未塗布部分17A(図6において負極17に斜線が引かれた部分)とにはそれぞれ正極リード18A、18B又は負極リード19A、19Bが抵抗溶接等により接合されると共に、各正極リード18A、18Bはそれぞれ端部が内管4に電気的に接続され、かつ各負極リード19A、19Bはそれぞれ端部が外管2に抵抗溶接等により導通接続されている。さらに外管2内には所定の非水電解液が充填されている。
【0006】
かくしてこの電池装置1においては、放電時、正極13及び負極17において放電反応が生じることにより発生した電流を、正極13と正極リード18A、18Bを介して導電接続された外管2と、負極17と負極リード19A、19Bを介して導通接続された内管4とをそれぞれ正極端子又は負極端子として外部に出力し得るようになされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところでかかる構成の電池装置1においては、正極13及び負極17の面積によつて、発生する電流量が決定する。
この場合正極13及び負極17をその長手方向と垂直な方向(幅方向)に広げることは電池装置1を大型化させる問題があり、このためこの種の電池装置1では、従来、正極13及び負極17をその長手方向に延ばして面積を広げることにより、放電電流を増加させていた。
【0008】
ところが上述のような構成を有する電池装置1において、正極13及び負極17をその長手方向に延ばして面積を広げた場合、これに伴つて正極13及び負極17を流れる電流の電気経路も長くなるために正極13及び負極17の内部抵抗が増加し、この結果正極13及び負極17をそれぞれ流れる電流に大きな電圧降下が発生するなど、電極部3における集電効率が悪化する問題があつた。
【0009】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、放電電流値の高い、かつ電極における集電効率の良い電池装置を提案しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明は、電池装置であつて、金属箔でなる帯状の第1の集電体に、当該第1の集電体の幅方向の一端部及び又は他端部を避けて所定の第1の活物質が塗布されることにより形成された正極と、金属箔でなる帯状の第2の集電体に、当該第2の集電体の幅方向の一端部及び又は他端部を避けて所定の第2の活物質が塗布されることにより形成された負極と、正極及び負極間を絶縁する帯状のセパレータと、導電材からなる外径の等しい第1及び第2の円筒部材を絶縁部材を介して同軸に連結することにより形成され、正極及び負極がセパレータを介して重ね合わされた状態で巻き付けられた内管とを設け、正極の第1の活物質の未塗布部分が内管の第1の円筒部材に電気的かつ物理的に接続されると共に、負極の第2の活物質の未塗布部分が内管の第2の円筒部材に電気的かつ物理的に接続されるようにした。
【0011】
この電池装置では、正極及び負極を流れる電流の電気経路の最長距離が正極の幅又は負極の幅程度と短いため、正極及び負極を流れる電流にほぼ電圧降下を生じさせることなく電極において発生した電流を取り出すことができる。この場合、正極及び負極を流れる電流に対する電気抵抗の大きさは正極又は負極の幅にのみ依存し、正極及び負極の長さに依存しないため、電極における集電効率を低下させることなく放電電流値を増加させることができる。
また、この電池装置の製造にあつては、絶縁部材により第1及び第2の円筒部材を同軸に保持した状態に容易に組み立てることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施例を詳述する。
【0013】
図5との対応部分に同一符号を付して示す図1及び図2において、20は全体として実施例による電池装置を示し、導電材(例えばアルミニウム)からなる第1の円筒部材21と、当該第1の円筒部材21と外径の等しい導電材(例えば銅)からなる第2の円筒部材23とをポリプロピレン等からなる絶縁部材22を介して同軸に連結することにより内管24が形成されている。
この内管24には、微多孔性ポリプロピレンフイルムからなる第1のセパレータ25と、帯状の正極26と、微多孔性ポリプロピレンフイルムからなる第2のセパレータ27と、帯状の負極28とを順次積層することにより形成された電極部29が第1のセパレータ25を内側にして長手方向に巻くように巻き付けられている。
【0014】
この場合電極部29の正極26は、図4に示すように、金属箔(例えばアルミニウム箔)でなる帯状の第1の集電体30の両面に、当該第1の集電体30の幅方向の一端部を所定幅だけ避けて正極合剤スラリー31を塗布し乾燥することにより形成されており、負極28は、金属箔(例えば銅箔)でなる帯状の第2の集電体32の両面に、第1の集電体30の幅方向の他端部と対応する第2の集電体32の幅方向の他端部を所定幅だけ避けて負極合剤スラリー33を塗布し乾燥することにより形成されている。
【0015】
また正極26及び負極28は、正極26の正極合剤スラリー31の未塗布部分26A(図3において正極26に斜線が引かれている部分)と、負極28の負極合剤スラリー33の未塗布部分28A(図3において負極28に斜線が引かれている部分)とがそれぞれ負極28の幅方向の一端部又は正極26の幅方向の他端部と重なり合わないように幅方向にずらした状態で第2のセパレータ27を介して重ね合わされている。
【0016】
さらに正極26の正極合剤スラリー31の未塗布部分26Aは、直接的又は内周側の未塗布部分26Aを介して間接的に超音波溶接又は抵抗溶接等の手法により内管24の第1の円筒部材21に電気的及び物理的に接続されると共に、負極28の負極合剤スラリー33の未塗布部分28Aは、直接的又は内周側の未塗布部分28Aを介して間接的に超音波溶接又は抵抗溶接等の手法により内管24の第2の円筒部材23に、電気的及び物理的に接続されている。さらに外管2内には所定の非水電解液が注入されている。
【0017】
かくしてこの電池装置20においては、放電時、正極26及び負極28において放電反応が生じることにより電極部29に生じた電流を、正極26の第1の集電体30と導電接続された内管24の第1の円筒部材21と、負極28の第2の集電体32と導通接続された内管24の第2の円筒部材23とをそれぞれ正極端子又は負極端子として外部に出力し得るようになされている。
【0018】
このため第1及び第2のセパレータ25、27においては、幅及び長さが正極26及び負極28の重なり合う部分よりも僅かに大きい程度に選定されており、かくして電極部29が内管24に巻き付けられた状態において、正極26の正極合剤スラリー31の未塗布部分28A同士間、当該未塗布部分28A及び内管24の第1の円筒部材21間、負極28の負極合剤スラリー33の未塗布部分28A同士間、及び当該未塗布部分28A及び内管24の第2の円筒部材23間の接合をそれぞれ邪魔することなく正極26及び負極28間を確実に絶縁し得るようになされている。
【0019】
この実施例の場合、絶縁部材22は、特に図2からも明らかなように、第1及び第2の円筒部材21、23と外径が等しい円板部22Aの一面及び他面側に、それぞれ第1又は第2の円筒部材21、23の内径と外径の等しい円柱部22B、22Cが同軸に突出形成されることにより形成されている。
これによりこの電池装置20においては、製造時、絶縁部材22の各円柱部22B、22Cに第1又は第2の円筒部材21、23をそれぞれ嵌め込むことによつて、絶縁部材22により第1及び第2の円筒部材21、23を同軸に保持した状態に容易に組み立て得るようになされている。
【0020】
またこの実施例の場合、正極26の正極合剤スラリー31としては、正極活物質としてのLi Co O2 91重量部に導電剤としてのグラフアイト6重量部と、結着剤としてのポリフツ化ビニリデン(PVDF)3重量部とをそれぞれ混合し、これをN−メチルピロリドンに分散させてスラリー(ペースト状)にしたものが用いられており、また負極28の負極合剤スラリー33としては、負極活物質としてのピツチコークス90重量部に結着剤としてのポリフツ化ビニリデン10重量部を混合し、これをN−メチルピロリドンに分散させてスラリーにしたものが用いられている。また非水電解液としては、プロプレンカーボネートと、1,2−ジメトキシエタンとの等容量混合溶媒中にLi PF6 を1モル/リツトルの割合で溶解したものが用いられている。
【0021】
以上の構成において、この電池装置20では、放電時、正極26及び負極28において放電反応が生じることにより電極部29に生じた電流を、正極26の第1の集電体30と導電接続された内管24の第1の円筒部材21と、負極28の第2の集電体32と導通接続された内管24の第2の円筒部材23とをそれぞれ正極端子又は負極端子として外部に出力する。
【0022】
従つてこの電池装置20では、正極26及び負極28を流れる電流の電気経路が短く(最大で正極26又は負極28の幅程度)、その分例えば従来の電池装置1(図5)のように正極13(図5)の正極活物質12の未塗布部分13及び負極17の負極活物質16の未塗布部分17Aをそれぞれ正極13及び負極17の長手方向の端部に設ける場合に比べて正極26及び負極28の各電気経路における内部抵抗が小さい。従つてこの電池装置20では、正極26及び負極28を流れる電流にほとんど電圧降下が生じることがなく、この結果電極部29において高い集電効率を得ることができる。
【0023】
実際上、例えば正極26の長さL1 を300 〔cm〕とし、幅L2 を50〔cm〕とし、かつ正極26の各放電反応点から正極合剤スラリー31の未塗布部分28Aまでの電気経路が1本の直線上にあるものとすると、この実施例のように正極合剤スラリー31の未塗布部分26Aが正極26の幅方向の端部に設けられた場合の正極26の各放電反応点から正極合剤スラリー31の未塗布部分26Aまでの電気抵抗の最大値R1は、第1の集電体30の幅方向の一端部から他端部までの電気抵抗値RA に等しく、これは正極26の第1の集電体30の材質による抵抗係数をρ、電気経路の断面積をSとして次式
【数1】
に、L2 =50〔cm〕を代入した次式
【数2】
により求めることができる。
【0024】
これに対して従来の電池装置1(図5)のように、正極13の正極活物質12の未塗布部分13Aが正極13の長手方向の端部に設けられている場合には、正極13の各放電反応点から正極活物質12の未塗布部分13Aまでの電気抵抗の最大値RB は、第1の集電体13の長手方向の中央部から端部までの電気抵抗値R2に等しく、これは上述の場合と同じ条件で次式
【数3】
にL1 =300 〔cm〕を代入した次式
【数4】
により求めることができる。
【0025】
従つて(2)式及び(4)式からも明らかなように、本発明のように正極26の正極合剤スラリー31の未塗布部分26A及び負極28の負極合剤スラリー33の未塗布部分28Aをそれぞれ正極26又は負極28の幅方向の端部に設けるようにすることによつて、正極26及び負極28における電気抵抗の最大値を従来に比べて1/3 にすることができ、その分正極26及び負極28における集電効率を向上させ得ることができることが分かる。
【0026】
以上の構成によれば、正極26の幅方向の一端部に所定幅の正極合剤スラリー31の未塗布部分26Aを設けると共に、負極28の幅方向の一端部に所定幅の負極合剤スラリー33の未塗布部分28Aを設け、電極部29に発生した電流をこれら正極26の正極合剤スラリー31の未塗布部分26A及び負極28の負極合剤スラリー33の未塗布部分28Aを介して電極部29の外部に出力するようにしたことにより、正極26及び負極28の長さに関わりなく正極26及び負極28を流れる電流の電圧降下をほぼ確実に防止することができる。かくするにつき電極部29における集電効率を低下させることなく正極26及び負極28の長さを長くすることができ、かくして放電電流値の高い、かつ電極部29における集電効率の良い電池装置を実現できる。
【0027】
なお上述の実施例においては、電極部29において発生した熱を外部に効率良く放出し得るようにすることを目的として電極部29を内管24に巻回するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば電極部29における発熱量が小さい場合には内管24を用いることなく、正極26及び負極28を絶縁フイルムでなるセパレータを介して絶縁し、かつ重ね合わた状態で長手方向に巻回するようにして電極部を形成するようにしても良い。
【0028】
また上述の実施例においては、本発明を大型の電池装置20に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、小型の電池装置に適用することもできる。
【0029】
さらに上述の実施例においては、本発明をリチウム電池装置に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の電池装置に適用することができる。
【0030】
さらに上述の実施例においては、正極26及び負極28を第2のセパレータ27を介して積層する際、正極26の正極合剤スラリー31の未塗布部分26Aと、負極28の負極合剤スラリー33の未塗布部分28Aとがそれぞれ負極28の幅方向の一端部又は正極26の幅方向の他端部とそれぞれ対向しないように幅方向にずらした状態で重ね合わせるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、正極26及び負極28を幅方向にずらさない状態で第2のセパレータ27を介して重ね合わせるようにしても良い。
【0031】
この場合、第1及び第2のセパレータ25、27の幅を正極26及び負極28よりも僅かに大きくするなどして正極26及び負極28間を確実に絶縁すると共に、正極26の正極合剤スラリー31の未塗布部分26A及び内管24の第1の円筒部材21間の導通と、負極28の負極合剤スラリー33の未塗布部分28A及び内管24の第2の円筒部材23間の導通とをそれぞれリード線等を用いてとるようにすれば良い。
【0032】
さらに上述の実施例においては、正極26の第1の集電体30をアルミニウム箔で形成し、負極28の第2の集電体32を銅箔で形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の材料を適用することができる。
【0033】
さらに上述の実施例においては、正極26の正極合剤スラリー31の未塗布部分26Aを第1の集電体30の幅方向の一端部にのみ設けると共に、負極28の負極合剤スラリー33の未塗布部分28Aを第2の集電体32の幅方向の他端部にのみ設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、正極26及び負極28間を確実に絶縁し得るようにするのであれば、例えば正極26の正極合剤スラリー31の未塗布部分26Aを第1の集電体30の幅方向の両端部に設け、及び又は負極28の負極合剤スラリー33の未塗布部分28Aを第2の集電体32の幅方向の両端部に設けるようにしても良い。
【0034】
さらに上述の実施例においては、帯状の金属箔でなる第1の集電体30の両面に正極合剤スラリー31を塗布することにより正極26を形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、第1の集電体30に正極活物質を塗布することにより正極を形成するのであれば、第1の集電体30に塗布する活物質の状態としてはスラリー状でなくても良い。同様に上述の実施例においては、帯状の金属箔でなる第2の集電体32の両面に負極合剤スラリーを塗布することにより負極28を形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、第2の集電体32に負極活物質を塗布することにより負極を形成するのであれば、第2の集電体32に塗布する活物質の状態としてはスラリー状でなくても良い。
【0035】
さらに上述の実施例においては、第1及び第2のセパレータ25、27を微多孔性ポリプロピレンフイルムから形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1及び第2のセパレータ25、27の素材としては、この他種々の素材を適用できる。
【0036】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、金属箔でなる帯状の第1の集電体に、当該第1の集電体の幅方向の一端部及び又は他端部を避けて所定の第1の活物質が塗布されることにより形成された正極と、金属箔でなる帯状の第2の集電体に、当該第2の集電体の幅方向の一端部及び又は他端部を避けて所定の第2の活物質が塗布されることにより形成された負極と、正極及び負極間を絶縁する帯状のセパレータと、導電材からなる外径の等しい第1及び第2の円筒部材を絶縁部材を介して同軸に連結することにより形成され、正極及び負極がセパレータを介して重ね合わされた状態で巻き付けられた内管とを設け、正極の第1の活物質の未塗布部分が内管の第1の円筒部材に電気的かつ物理的に接続されると共に、負極の第2の活物質の未塗布部分が内管の第2の円筒部材に電気的かつ物理的に接続されるようにしたことによつて、放電電流値の高い、かつ電極における集電効率の良い電池装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例による電池装置の構成を断面をとつて示す斜視図である。
【図2】実施例による電池装置の構成を示す断面図である。
【図3】実施例による電池装置の電極部の構成を示す略線図である。
【図4】実施例による電池装置の電極部の構成を示す断面図である。
【図5】従来の電池装置の構成を断面をとつて示す斜視図である。
【図6】従来の電池装置の電極部の構成を示す略線図である。
【図7】従来の電池装置の電極部の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
20……電池装置、21、23……円筒部材、22……絶縁部材、24……内管、25、27……セパレータ、26……正極、26A、28A……未塗布部分、28……負極、29……電極部、30、32……集電体、31……正極合剤スラリー、33……負極合剤スラリー。
【目次】
以下の順序で本発明を説明する。
発明の属する技術分野
従来の技術(図5〜図7)
発明が解決しようとする課題(図5〜図7)
課題を解決するための手段(図1〜図4)
発明の実施の形態(図1〜図4)
発明の効果
【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明は電池装置に関し、特に筒型形状を有する大型の電池装置に適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】
従来、この種の電池装置として、図5に示すように構成されたものがある。
すなわちこの電池装置1においては、例えばスチール管にニツケルメツキを施すことにより形成された外管2内に、帯状の電極部3が巻き付けられたアルミニウム製の内管4が嵌挿されると共に、外管2の長手方向の各端部でなる各ビート加工部2Aがそれぞれ内管4の端部にリング状の封口板5を介して嵌め込まれた対応するリング状のガスケツト6にかしめられることにより形成されている。
【0004】
この場合電極部3は、図6及び図7に示すように、例えば微多孔性ポリプロピレンフイルムからなる第1のセパレータ10と、帯状の金属箔(例えばアルミニウム箔)でなる第1の集電体11の両面に長手方向の両端部を避けて正極活物質12を塗布することにより形成された正極13と、例えば微多孔性ポリプロピレンフイルムからなる第2のセパレータ14と、帯状の金属箔(例えば銅箔)でなる第2の集電体15の両面に長手方向の両端部を避けて負極活物質16を塗布することにより形成された負極17とを順次積層することにより形成されており、第1のセパレータ10を内側にして内管4に巻き付けられている。
【0005】
また特に図6において明らかなように、正極13の長手方向の各端部でなる正極活物質12の各未塗布部分13A(図6において正極13に斜線が引かれた部分)と、負極17の長手方向の各端部でなる負極活物質16の各未塗布部分17A(図6において負極17に斜線が引かれた部分)とにはそれぞれ正極リード18A、18B又は負極リード19A、19Bが抵抗溶接等により接合されると共に、各正極リード18A、18Bはそれぞれ端部が内管4に電気的に接続され、かつ各負極リード19A、19Bはそれぞれ端部が外管2に抵抗溶接等により導通接続されている。さらに外管2内には所定の非水電解液が充填されている。
【0006】
かくしてこの電池装置1においては、放電時、正極13及び負極17において放電反応が生じることにより発生した電流を、正極13と正極リード18A、18Bを介して導電接続された外管2と、負極17と負極リード19A、19Bを介して導通接続された内管4とをそれぞれ正極端子又は負極端子として外部に出力し得るようになされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところでかかる構成の電池装置1においては、正極13及び負極17の面積によつて、発生する電流量が決定する。
この場合正極13及び負極17をその長手方向と垂直な方向(幅方向)に広げることは電池装置1を大型化させる問題があり、このためこの種の電池装置1では、従来、正極13及び負極17をその長手方向に延ばして面積を広げることにより、放電電流を増加させていた。
【0008】
ところが上述のような構成を有する電池装置1において、正極13及び負極17をその長手方向に延ばして面積を広げた場合、これに伴つて正極13及び負極17を流れる電流の電気経路も長くなるために正極13及び負極17の内部抵抗が増加し、この結果正極13及び負極17をそれぞれ流れる電流に大きな電圧降下が発生するなど、電極部3における集電効率が悪化する問題があつた。
【0009】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、放電電流値の高い、かつ電極における集電効率の良い電池装置を提案しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明は、電池装置であつて、金属箔でなる帯状の第1の集電体に、当該第1の集電体の幅方向の一端部及び又は他端部を避けて所定の第1の活物質が塗布されることにより形成された正極と、金属箔でなる帯状の第2の集電体に、当該第2の集電体の幅方向の一端部及び又は他端部を避けて所定の第2の活物質が塗布されることにより形成された負極と、正極及び負極間を絶縁する帯状のセパレータと、導電材からなる外径の等しい第1及び第2の円筒部材を絶縁部材を介して同軸に連結することにより形成され、正極及び負極がセパレータを介して重ね合わされた状態で巻き付けられた内管とを設け、正極の第1の活物質の未塗布部分が内管の第1の円筒部材に電気的かつ物理的に接続されると共に、負極の第2の活物質の未塗布部分が内管の第2の円筒部材に電気的かつ物理的に接続されるようにした。
【0011】
この電池装置では、正極及び負極を流れる電流の電気経路の最長距離が正極の幅又は負極の幅程度と短いため、正極及び負極を流れる電流にほぼ電圧降下を生じさせることなく電極において発生した電流を取り出すことができる。この場合、正極及び負極を流れる電流に対する電気抵抗の大きさは正極又は負極の幅にのみ依存し、正極及び負極の長さに依存しないため、電極における集電効率を低下させることなく放電電流値を増加させることができる。
また、この電池装置の製造にあつては、絶縁部材により第1及び第2の円筒部材を同軸に保持した状態に容易に組み立てることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施例を詳述する。
【0013】
図5との対応部分に同一符号を付して示す図1及び図2において、20は全体として実施例による電池装置を示し、導電材(例えばアルミニウム)からなる第1の円筒部材21と、当該第1の円筒部材21と外径の等しい導電材(例えば銅)からなる第2の円筒部材23とをポリプロピレン等からなる絶縁部材22を介して同軸に連結することにより内管24が形成されている。
この内管24には、微多孔性ポリプロピレンフイルムからなる第1のセパレータ25と、帯状の正極26と、微多孔性ポリプロピレンフイルムからなる第2のセパレータ27と、帯状の負極28とを順次積層することにより形成された電極部29が第1のセパレータ25を内側にして長手方向に巻くように巻き付けられている。
【0014】
この場合電極部29の正極26は、図4に示すように、金属箔(例えばアルミニウム箔)でなる帯状の第1の集電体30の両面に、当該第1の集電体30の幅方向の一端部を所定幅だけ避けて正極合剤スラリー31を塗布し乾燥することにより形成されており、負極28は、金属箔(例えば銅箔)でなる帯状の第2の集電体32の両面に、第1の集電体30の幅方向の他端部と対応する第2の集電体32の幅方向の他端部を所定幅だけ避けて負極合剤スラリー33を塗布し乾燥することにより形成されている。
【0015】
また正極26及び負極28は、正極26の正極合剤スラリー31の未塗布部分26A(図3において正極26に斜線が引かれている部分)と、負極28の負極合剤スラリー33の未塗布部分28A(図3において負極28に斜線が引かれている部分)とがそれぞれ負極28の幅方向の一端部又は正極26の幅方向の他端部と重なり合わないように幅方向にずらした状態で第2のセパレータ27を介して重ね合わされている。
【0016】
さらに正極26の正極合剤スラリー31の未塗布部分26Aは、直接的又は内周側の未塗布部分26Aを介して間接的に超音波溶接又は抵抗溶接等の手法により内管24の第1の円筒部材21に電気的及び物理的に接続されると共に、負極28の負極合剤スラリー33の未塗布部分28Aは、直接的又は内周側の未塗布部分28Aを介して間接的に超音波溶接又は抵抗溶接等の手法により内管24の第2の円筒部材23に、電気的及び物理的に接続されている。さらに外管2内には所定の非水電解液が注入されている。
【0017】
かくしてこの電池装置20においては、放電時、正極26及び負極28において放電反応が生じることにより電極部29に生じた電流を、正極26の第1の集電体30と導電接続された内管24の第1の円筒部材21と、負極28の第2の集電体32と導通接続された内管24の第2の円筒部材23とをそれぞれ正極端子又は負極端子として外部に出力し得るようになされている。
【0018】
このため第1及び第2のセパレータ25、27においては、幅及び長さが正極26及び負極28の重なり合う部分よりも僅かに大きい程度に選定されており、かくして電極部29が内管24に巻き付けられた状態において、正極26の正極合剤スラリー31の未塗布部分28A同士間、当該未塗布部分28A及び内管24の第1の円筒部材21間、負極28の負極合剤スラリー33の未塗布部分28A同士間、及び当該未塗布部分28A及び内管24の第2の円筒部材23間の接合をそれぞれ邪魔することなく正極26及び負極28間を確実に絶縁し得るようになされている。
【0019】
この実施例の場合、絶縁部材22は、特に図2からも明らかなように、第1及び第2の円筒部材21、23と外径が等しい円板部22Aの一面及び他面側に、それぞれ第1又は第2の円筒部材21、23の内径と外径の等しい円柱部22B、22Cが同軸に突出形成されることにより形成されている。
これによりこの電池装置20においては、製造時、絶縁部材22の各円柱部22B、22Cに第1又は第2の円筒部材21、23をそれぞれ嵌め込むことによつて、絶縁部材22により第1及び第2の円筒部材21、23を同軸に保持した状態に容易に組み立て得るようになされている。
【0020】
またこの実施例の場合、正極26の正極合剤スラリー31としては、正極活物質としてのLi Co O2 91重量部に導電剤としてのグラフアイト6重量部と、結着剤としてのポリフツ化ビニリデン(PVDF)3重量部とをそれぞれ混合し、これをN−メチルピロリドンに分散させてスラリー(ペースト状)にしたものが用いられており、また負極28の負極合剤スラリー33としては、負極活物質としてのピツチコークス90重量部に結着剤としてのポリフツ化ビニリデン10重量部を混合し、これをN−メチルピロリドンに分散させてスラリーにしたものが用いられている。また非水電解液としては、プロプレンカーボネートと、1,2−ジメトキシエタンとの等容量混合溶媒中にLi PF6 を1モル/リツトルの割合で溶解したものが用いられている。
【0021】
以上の構成において、この電池装置20では、放電時、正極26及び負極28において放電反応が生じることにより電極部29に生じた電流を、正極26の第1の集電体30と導電接続された内管24の第1の円筒部材21と、負極28の第2の集電体32と導通接続された内管24の第2の円筒部材23とをそれぞれ正極端子又は負極端子として外部に出力する。
【0022】
従つてこの電池装置20では、正極26及び負極28を流れる電流の電気経路が短く(最大で正極26又は負極28の幅程度)、その分例えば従来の電池装置1(図5)のように正極13(図5)の正極活物質12の未塗布部分13及び負極17の負極活物質16の未塗布部分17Aをそれぞれ正極13及び負極17の長手方向の端部に設ける場合に比べて正極26及び負極28の各電気経路における内部抵抗が小さい。従つてこの電池装置20では、正極26及び負極28を流れる電流にほとんど電圧降下が生じることがなく、この結果電極部29において高い集電効率を得ることができる。
【0023】
実際上、例えば正極26の長さL1 を300 〔cm〕とし、幅L2 を50〔cm〕とし、かつ正極26の各放電反応点から正極合剤スラリー31の未塗布部分28Aまでの電気経路が1本の直線上にあるものとすると、この実施例のように正極合剤スラリー31の未塗布部分26Aが正極26の幅方向の端部に設けられた場合の正極26の各放電反応点から正極合剤スラリー31の未塗布部分26Aまでの電気抵抗の最大値R1は、第1の集電体30の幅方向の一端部から他端部までの電気抵抗値RA に等しく、これは正極26の第1の集電体30の材質による抵抗係数をρ、電気経路の断面積をSとして次式
【数1】
に、L2 =50〔cm〕を代入した次式
【数2】
により求めることができる。
【0024】
これに対して従来の電池装置1(図5)のように、正極13の正極活物質12の未塗布部分13Aが正極13の長手方向の端部に設けられている場合には、正極13の各放電反応点から正極活物質12の未塗布部分13Aまでの電気抵抗の最大値RB は、第1の集電体13の長手方向の中央部から端部までの電気抵抗値R2に等しく、これは上述の場合と同じ条件で次式
【数3】
にL1 =300 〔cm〕を代入した次式
【数4】
により求めることができる。
【0025】
従つて(2)式及び(4)式からも明らかなように、本発明のように正極26の正極合剤スラリー31の未塗布部分26A及び負極28の負極合剤スラリー33の未塗布部分28Aをそれぞれ正極26又は負極28の幅方向の端部に設けるようにすることによつて、正極26及び負極28における電気抵抗の最大値を従来に比べて1/3 にすることができ、その分正極26及び負極28における集電効率を向上させ得ることができることが分かる。
【0026】
以上の構成によれば、正極26の幅方向の一端部に所定幅の正極合剤スラリー31の未塗布部分26Aを設けると共に、負極28の幅方向の一端部に所定幅の負極合剤スラリー33の未塗布部分28Aを設け、電極部29に発生した電流をこれら正極26の正極合剤スラリー31の未塗布部分26A及び負極28の負極合剤スラリー33の未塗布部分28Aを介して電極部29の外部に出力するようにしたことにより、正極26及び負極28の長さに関わりなく正極26及び負極28を流れる電流の電圧降下をほぼ確実に防止することができる。かくするにつき電極部29における集電効率を低下させることなく正極26及び負極28の長さを長くすることができ、かくして放電電流値の高い、かつ電極部29における集電効率の良い電池装置を実現できる。
【0027】
なお上述の実施例においては、電極部29において発生した熱を外部に効率良く放出し得るようにすることを目的として電極部29を内管24に巻回するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば電極部29における発熱量が小さい場合には内管24を用いることなく、正極26及び負極28を絶縁フイルムでなるセパレータを介して絶縁し、かつ重ね合わた状態で長手方向に巻回するようにして電極部を形成するようにしても良い。
【0028】
また上述の実施例においては、本発明を大型の電池装置20に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、小型の電池装置に適用することもできる。
【0029】
さらに上述の実施例においては、本発明をリチウム電池装置に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の電池装置に適用することができる。
【0030】
さらに上述の実施例においては、正極26及び負極28を第2のセパレータ27を介して積層する際、正極26の正極合剤スラリー31の未塗布部分26Aと、負極28の負極合剤スラリー33の未塗布部分28Aとがそれぞれ負極28の幅方向の一端部又は正極26の幅方向の他端部とそれぞれ対向しないように幅方向にずらした状態で重ね合わせるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、正極26及び負極28を幅方向にずらさない状態で第2のセパレータ27を介して重ね合わせるようにしても良い。
【0031】
この場合、第1及び第2のセパレータ25、27の幅を正極26及び負極28よりも僅かに大きくするなどして正極26及び負極28間を確実に絶縁すると共に、正極26の正極合剤スラリー31の未塗布部分26A及び内管24の第1の円筒部材21間の導通と、負極28の負極合剤スラリー33の未塗布部分28A及び内管24の第2の円筒部材23間の導通とをそれぞれリード線等を用いてとるようにすれば良い。
【0032】
さらに上述の実施例においては、正極26の第1の集電体30をアルミニウム箔で形成し、負極28の第2の集電体32を銅箔で形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の材料を適用することができる。
【0033】
さらに上述の実施例においては、正極26の正極合剤スラリー31の未塗布部分26Aを第1の集電体30の幅方向の一端部にのみ設けると共に、負極28の負極合剤スラリー33の未塗布部分28Aを第2の集電体32の幅方向の他端部にのみ設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、正極26及び負極28間を確実に絶縁し得るようにするのであれば、例えば正極26の正極合剤スラリー31の未塗布部分26Aを第1の集電体30の幅方向の両端部に設け、及び又は負極28の負極合剤スラリー33の未塗布部分28Aを第2の集電体32の幅方向の両端部に設けるようにしても良い。
【0034】
さらに上述の実施例においては、帯状の金属箔でなる第1の集電体30の両面に正極合剤スラリー31を塗布することにより正極26を形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、第1の集電体30に正極活物質を塗布することにより正極を形成するのであれば、第1の集電体30に塗布する活物質の状態としてはスラリー状でなくても良い。同様に上述の実施例においては、帯状の金属箔でなる第2の集電体32の両面に負極合剤スラリーを塗布することにより負極28を形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、第2の集電体32に負極活物質を塗布することにより負極を形成するのであれば、第2の集電体32に塗布する活物質の状態としてはスラリー状でなくても良い。
【0035】
さらに上述の実施例においては、第1及び第2のセパレータ25、27を微多孔性ポリプロピレンフイルムから形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1及び第2のセパレータ25、27の素材としては、この他種々の素材を適用できる。
【0036】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、金属箔でなる帯状の第1の集電体に、当該第1の集電体の幅方向の一端部及び又は他端部を避けて所定の第1の活物質が塗布されることにより形成された正極と、金属箔でなる帯状の第2の集電体に、当該第2の集電体の幅方向の一端部及び又は他端部を避けて所定の第2の活物質が塗布されることにより形成された負極と、正極及び負極間を絶縁する帯状のセパレータと、導電材からなる外径の等しい第1及び第2の円筒部材を絶縁部材を介して同軸に連結することにより形成され、正極及び負極がセパレータを介して重ね合わされた状態で巻き付けられた内管とを設け、正極の第1の活物質の未塗布部分が内管の第1の円筒部材に電気的かつ物理的に接続されると共に、負極の第2の活物質の未塗布部分が内管の第2の円筒部材に電気的かつ物理的に接続されるようにしたことによつて、放電電流値の高い、かつ電極における集電効率の良い電池装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例による電池装置の構成を断面をとつて示す斜視図である。
【図2】実施例による電池装置の構成を示す断面図である。
【図3】実施例による電池装置の電極部の構成を示す略線図である。
【図4】実施例による電池装置の電極部の構成を示す断面図である。
【図5】従来の電池装置の構成を断面をとつて示す斜視図である。
【図6】従来の電池装置の電極部の構成を示す略線図である。
【図7】従来の電池装置の電極部の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
20……電池装置、21、23……円筒部材、22……絶縁部材、24……内管、25、27……セパレータ、26……正極、26A、28A……未塗布部分、28……負極、29……電極部、30、32……集電体、31……正極合剤スラリー、33……負極合剤スラリー。
Claims (2)
- 金属箔でなる帯状の第1の集電体に、当該第1の集電体の幅方向の一端部及び又は他端部を避けて所定の第1の活物質が塗布されることにより形成された正極と、
金属箔でなる帯状の第2の集電体に、当該第2の集電体の幅方向の一端部及び又は他端部を避けて所定の第2の活物質が塗布されることにより形成された負極と、
上記正極及び上記負極間を絶縁する帯状のセパレータと、
導電材からなる外径の等しい第1及び第2の円筒部材を絶縁部材を介して同軸に連結することにより形成され、上記正極及び上記負極が上記セパレータを介して重ね合わされた状態で巻き付けられた内管と
を具え、
上記正極の上記第1の活物質の未塗布部分が上記内管の上記第1の円筒部材に電気的かつ物理的に接続されると共に、上記負極の上記第2の活物質の未塗布部分が上記内管の上記第2の円筒部材に電気的かつ物理的に接続された
ことを特徴とする電池装置。 - 上記正極の上記第1の活物質の未塗布部分は、上記第1の集電体の上記幅方向の一端部に設けられると共に、上記負極の上記第2の活物質の未塗布部分は、上記第1の集電体の幅方向の他端部と対応する上記第2の集電体の幅方向の他端部に設けられており、上記正極の上記第1の活物質の未塗布部分と、上記負極の上記第2の活物質の未塗布部分とがそれぞれ上記負極の幅方向の一端部又は上記正極の幅方向の他端部と対向しないように幅方向にずらした状態で上記正極及び上記負極が上記セパレータを介して重ね合わされた
ことを特徴とする請求項1に記載の電池装置。
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