JP4538694B2 - 電極捲回型電池 - Google Patents

電極捲回型電池 Download PDF

Info

Publication number
JP4538694B2
JP4538694B2 JP15482999A JP15482999A JP4538694B2 JP 4538694 B2 JP4538694 B2 JP 4538694B2 JP 15482999 A JP15482999 A JP 15482999A JP 15482999 A JP15482999 A JP 15482999A JP 4538694 B2 JP4538694 B2 JP 4538694B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
positive electrode
electrode
electrode sheet
positive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP15482999A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000348754A (ja
Inventor
美明 恵比根
昭 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP15482999A priority Critical patent/JP4538694B2/ja
Publication of JP2000348754A publication Critical patent/JP2000348754A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4538694B2 publication Critical patent/JP4538694B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート状の正極および負極をセパレータを介して捲回した電極体を有する電極捲回型電池であって、特に、集電構造に特徴を持つ電極捲回型電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
ノートパソコン、携帯電話等の小型化に伴い、情報関連機器、通信関連機器の分野では、リチウムイオン二次電池等の高性能電池が開発され、既に実用化に至っている。リチウムイオン二次電池等の電池は、シート状に形成した正極および負極をセパレータを介して捲回した電極体を備える電極捲回型の電池が一般的な形態となっている。一方、環境問題、資源問題から自動車の分野においても、電気自動車、ハイブリッド電気自動車の開発が進み、これら電気車両の駆動用電源として、リチウムイオン二次電池等の高性能電池を採用することが検討されている。
【0003】
電気車両駆動用電源等に用いる電池は、大容量であるため電池が大型化し、上記の電極捲回型電池の形態を採用する場合、大きな面積のシート状の電極を必要とする。ところが、高出力であるという特性をも満足するためには、広い面積の電極から効率よく端子まで集電するために、特別な配慮を必要としていた。
従来の電極からの集電方式としては、特開平9−92335号公報に示すように、帯状の電極シートの幅方向の一端部を電極合材未形成部とし、この未形成部にタブ状のリードを切欠きによってあるいは接合することによって複数設け、この集電用のリードを集電部品に集めるように接合することによるものが検討されていた(図13、14参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の集電方式には、以下の欠点があった。
(1)タブ状のリードを超音波接合によって付設することも、また電極合材未形成部を広く採りこの部分を切欠くことによってリードを形成することも、それ自体手間がかかる上、電極シートを捲回しながらその作業を行うことで電池を構成する電極体を作製する作業に多くの工数を必要とする。
(2)捲回して電極体を作製した後、集電用リードを集電部品に集めるように接合させるわけであるが、リードは電極体の捲回端面にランダムな状態で付設されていることが多く、この接合作業を自動化することが困難であるため、リードを束ねて接合するというこの集電処理作業にも多くの工数を必要とする。
(3)タブ状のリードを束ねるようにして集電処理するため、別途、比較的大きな部品を必要とする。
(4)リードを束ねるように集電することで、集電処理のための大きなスペースを電池内部に必要とし、電池の体積効率(エネルギー体積密度、出力体積密度)が悪いものとなる。
(5)電解液の電極体への保持を考慮した場合、集電処理のためのスペースに対しても電解液を充てんしなければならず、電解液の使用量が増加することにより、この点でも電池のコストが上昇する。
(6)リチウムイオン二次電池等の場合、電極シートはロールプレス等によって電極合材の密度を高めることが行われるが、幅方向の一端部に全長にわたって電極合材未形成部を設けた電極シートは、ロールプレスにより電極合材層形成部のみ圧縮されるため、不均一な歪みが生じ、捲回時に蛇行することなどから捲回不良が発生する可能性がある。
(7)過充電等により電池反応の暴走が生じた場合、電池内部でガス発生し、電池の内部圧が異常に上昇する。この場合の危険性を考え、一般には、ガス抜きのために安全弁が設けられる。ところが、タブ状のリードを設けてある電池の場合、安全弁が作動して電池内のガスが排出される際、その圧力でこのリードが破損して安全弁を閉塞してしまうことが考えられ、安全性という面でも一抹の不安がある。
等の欠点である。
【0005】
本発明は、従来の集電方式を採用する電池が抱える上記欠点を解決するためになされたものであり、簡便な集電処理方式を採用することで、製造コストを低く抑えることができ、かつ、体積効率に優れた電極捲回型電池を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の電極捲回型電池は、正極活物質を含む正極合材からなる正極合材層を帯状の正極集電体の表面に形成した正極シートと、
負極活物質を含む負極合材からなる負極合材層を帯状の負極集電体の表面に形成した負極シートと、
前記正極シートと前記負極シートとの間に挟装され、該正極シートと該負極シートとを離隔するセパレータと、
前記正極シート、前記負極シート、および前記セパレータが正極シート、セパレータ、負極シート、セパレータの順に繰り返し積層されて電極体を形成するように、該正極シート、該負極シート、および該セパレータを捲回するための捲回芯と
を備えてなる電極捲回型電池であって、
前記正極シートは、前記正極集電体に前記正極合材層が形成された正極シート本体と、該正極集電体の捲回中心側の一端部に位置し該正極合材層が形成されておらず捲回方向に垂直方向の幅が該正極シート本体よりも狭い正極合材層未形成部とからなり、
前記負極シートは、前記負極集電体に前記負極合材層が形成された負極シート本体と、該負極集電体の捲回中心側の一端部に位置し該負極合材層が形成されておらず捲回方向に垂直方向の幅が該負極シート本体よりも狭い負極合材層未形成部とからなり、
前記捲回芯は、前記正極シートから集電する端子となる正極集電端子部と、該正極集電端子部と電気的に絶縁され、前記負極シートから集電する端子となる負極集電端子部と、該正極集電端子部および該負極集電端子部の間に介在し両者を電気的に絶縁する絶縁部と、を含んでなり、
前記正極合材層未形成部の捲回方向の端部が前記捲回芯の一端部側で前記正極集電端子部に直接接合され、かつ、前記負極合材層未形成部の捲回方向の端部が前記捲回芯の他端部側で前記負極集電端子部に直接接合されていることを特徴とする。
【0007】
つまり本発明の電極捲回型電池は、電極シートの幅方向の一端部に電極合材層未形成部を設けてこの未形成部にタブ状の集電用リードを設けるという集電処理方式に代え、電極シートの長手方向の一端部であって捲回中心側に位置する一端部に電極合材層未形成部を設け、この未形成部を集電端子を兼ねる捲回芯に接合するという集電処理方式を採用する。
【0008】
したがって、本発明の電極捲回型電池は、たくさんのタブ状の集電リードを電極に付設することを必要とせず、また集電リードを束ねるようにして端子に接合するという集電処理を必要としないことから、集電処理のための作業工数を大幅に削減でき、製造コストの小さな電極捲回型電池となる。また、タブ状の集電リードおよび集電端子となる部品を必要とせず、部品点数を減少させることができることで、より簡便な集電方式を採用する電極捲回型電池となる。集電用リードという比較的脆弱な部品を排除できることは、安全弁を併用する電池においても、安全弁作動時にこの安全弁を閉塞する危険性を減少させることができるため、本発明の電極捲回型電池は、安全性に優れた電極捲回型電池となる。
【0009】
さらに、比較的大きな集電端子を必要とせず、また、集電用リードを束ねるための空間を必要としないため、電池内部に発電(蓄電)に寄与しないいわゆるデッドスペースをを小さくでき、本発明の電極捲回型電池は、体積効率のよい、つまり、エネルギー体積密度および出力体積密度の高い電極捲回型電池となる。さらにまた、デッドスペースが小さくできることは、使用する電解液を少なくできることになり、この点でも本発明の電極捲回型電池は、安価であり、また安全性に優れた電極捲回型電池となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の電極捲回型電池の代表的な実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明はリチウムイオン二次電池についてのものであるが、本発明の電極捲回型電池はこのリチウムイオン二次電池に限られず、集電体表面に電極合材層を形成した電極を捲回してなる電池であればよく、例えばニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等種々の電池にも適用できる。また、本発明の電極捲回型電池の特徴とする集電方式は、活性炭を活物質として含む電極合材を集電体の表面に層状に形成させた電極を有する電気二重層キャパシタに対しても適用が可能であるため、本明細書において、「電池」とは、「キャパシタ」をも含むことを意味する。
【0011】
図1に、本発明の電極捲回型電池の一実施形態である円筒型リチウムイオン二次電池の全体図を示す。本電池は、正極シート10と負極シート20とを、セパレータ30を介し、捲回芯50を中心に捲回した電極体40を有し、この電極体40を円筒型の電池ケース60に挿設するようにして構成されている。なお、電極体または電池ケースは、円筒型に限定されるものでなく、断面が楕円形あるいは多角形を有する筒型の電池であってもよい。
【0012】
本電池では、電極体40の捲回端面41(正極シートおよび負極シートが捲回されて層状構造をなしている部分の端面)より捲回芯50が突出するようになっており、この捲回芯50の突出端が、電池ケース60の蓋体62を外部へ挿通することにより、外部端子を兼用する態様のものとなっている。必ずしも捲回芯の端部が外部端子を兼ねる必要はなく、変形態様については、別途後述する。以下、それぞれの構成要素ごとに、その製造方法も含めて説明する。
【0013】
本実施形態の電極捲回型電池で用いる正極シート10および負極シート20は、図2に示すように、金属箔製の正極集電体11および負極集電体21の表面に、活物質を含む正極合材および負極合材をそれぞれ層状に形成した正極合材層12および負極合材層22を有する帯状のものである。正極シート10、負極シート20の作製方法は特に限定されるものではないが、リチウムイオン二次電池の場合、一般的に、正極シート10は、正極集電体11の両面に正極合材を層状に塗布し、乾燥した後、所定の大きさ形状に裁断し、さらにこの正極合材層12の密度を高めるべくプレスにて圧縮して作製される。同様に、負極シート20は、負極集電体21の両面に負極合材を層状に塗布し、乾燥した後、所定の大きさ形状に裁断し、さらにこの負極合材層22の密度を高めるべくプレスにて圧縮して作製される。
【0014】
正極集電体は、リチウムイオン二次電池の場合、アルミニウム箔を用いることができ、負極集電体には、銅箔を用いることができる。電池の体積効率、重量効率を考慮すれば、集電体の厚さは10〜20μm程度のものを用いるのが望ましい。なお、本実施形態の電池では、帯状の電極シートの長さ方向の一端部から集電する。したがって、電池の内部抵抗を考慮し、これをできるだけ小さくするという観点からは集電体は厚いほうが有利であり、電極の長さが長い比較的大型のリチウムイオン二次電池では、正極集電体、負極集電体とも40〜60μm程度の厚さのものを用いるのが望ましい。
【0015】
正極合材は、例えば、正極活物質にLiCoO2、LiNiO2、LiMn24等のリチウム遷移金属複合酸化物粉末を用い、この正極活物質に、導電材としてカーボンブラック等の炭素材料粉末と結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)等とを混合し、分散媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量添加してペースト状のものとすることによって調製することができる。負極合材は、例えば、負極活物質に黒鉛、コークス等の炭素物質の粉末を用い、この負極活物質に、結着剤としてPVDF等とを混合し、正極と同様に、分散媒としてNMPを適量添加してペースト状のものとすることによって調製することができる。正極合材層、負極合材層の形成手段、つまり塗工方法は、特に限定するものではないが、連続して一定の層厚の塗工が可能な、リバースロール方式等の塗工機(コーター)を用いるのが望ましい。電極合材層は、効率を考え、集電体の両面に形成されるが、塗工機を用いる場合、塗布、乾燥を繰り返せばよい。
【0016】
図2に示すように、本発明の電極捲回型電池では、正極シート10および負極シート20は、それぞれ、長手方向の一端部に正極合材層12および負極合材層22が形成されていない正極合材層未形成部13および負極合材層未形成部23を有していることを特徴とする。正極合材層未形成部13、負極合材層未形成部23とも捲回して電極体40を形成する場合における捲回中心側、つまり捲回開始位置となる側の一端部に設ける。後に詳しく説明するが、この正極合材層未形成部13および負極合材層未形成部23が、捲回芯50の集電端子の役割を果たすそれぞれの集電端子部に接合されることとなる。
【0017】
本実施形態の電極捲回型電池では、正極シート10と負極シート20との両者を、捲回芯50に接合させる態様のものとなっている。したがって、電極体の捲回中心部において正極シート10と負極シート20とが直接接する、または、正極シート10と捲回芯50の負極集電端子部あるいは負極シート20と捲回芯50の正極集電端子部とが接し、両者が短絡することを防止する必要がある。そこで、図2に示すように、正極合材層未形成部13および負極合材層未形成部23を、長さ方向の端に向かってその幅が小さくなるように、言い換えれば斜辺状となるように形成し、セパレータ30を介して捲回する場合であっても両者が短絡しないように配慮している。
【0018】
図2に示すものは、正極合材層未形成部13と負極合材未形成部13とを、長手方向の端がそれぞれ正極シート10および負極シート20の幅の半分以下となるような斜辺を有し、それぞれ対称となるような形状に形成させている。この正極合材層未形成部、負極合材層未形成部の形状は、図2に示すものに限定されるわけでなく、正極シートと負極シートとの短絡を防止できるものであればいかなる形状であってもよく、例えば、図3に示すような、種々の形状のものとすることができる。
【0019】
図2に示すような形状を有する正極シート10または負極シート20を量産する場合、例えば、図4に示すように、一定幅の集電体11、21の両面に、それより小さい一定幅であって所定の長さの電極合材塗工部12、22を、その間に所定長さの未塗工部13、23を形成するように繰り返し塗工し、塗工後、電極合材塗工部12、22の長さ方向の中心を直線的に、幅方向の両側の未塗工部13、23を直線的に、さらに、電極合材塗工部12、22に挟まれた未塗工部13、23を所定の形状に裁断することにより、連続的に同一形状のものが効率よく作製できる。
【0020】
所定長さの電極合材塗工部を所定長さの未塗工部を挟んで連続的に形成させることは、つまり間欠的な電極合材塗工部を形成させることは、図5に示す方法によって容易に行える。図5は、アプリケーションロール71、コンマロール73、バックアップロール72の3つのロールを有するリバースロール方式の塗工機70による塗工方法を示している。ペースト状の電極合材は、アプリケーションロール71の上方であってコンマロール73の背部に設けられたペースト溜74に溜められている。この電極合材ペーストは、アプリケーションロール71の回転によりコンマロール73で計量され、所定の厚さでアプリケーションロール71の表面に供給される。集電体11、21は、バックアップロール72に支持され、アプリケーションロール71とわずかな間隔を隔てる位置を通過して移送され、アプリケーションロール71と接近する位置において、集電体11、12の表面にアプリケーションロール71の表面上のペーストが転写されるようにして塗布される。
【0021】
このリバースロール方式の塗工機70において、バックアップロール72を所定のタイミングで移動させ、間欠的にアプリケーションロール71とバックアップロール72との間隔を変動させるようにすれば、両者の間隔が所定間隔以上に大きくなった場合にペーストは集電体11、21に転写されず、間欠的な塗工が行えることとなる。バックアップロール72の間欠的動作のタイミングを調整することにより、均一な厚みでかつ所定の同じ長さの電極合材層未形成部12、22の塗工が、簡便に行えることになる。なお、集電体11、21の両面に塗工する場合、塗工部をそれぞれの面において同位置になるように、それぞれ電極合材層12、22の塗工を行なうことが望ましい。
【0022】
図2に示すように電極合材層12、22がそれぞれ形成され所定の形状に裁断された電極シート10、20は、電極合材層12、22の密度を高めるため圧縮される場合もある。この圧縮は、ロールプレスに電極シート10、20を通過させることによって行うことが一般的である。従来の電極シートは、その幅方向の一端部に全長にわたって電極合材層未形成部を有していたため、ロールプレスを行う場合、幅方向に均一に加圧できず、電極シートに歪みを生じ、電極シートが反ったり蛇行したりしていた。この反り、蛇行等は、電極シートを捲回する場合の捲回不良を発生させる要因ともなっていた。図2に示すような、本発明の電極シートは、幅方向に連続した電極合材層未形成部を有していないため、ロールプレスを施しても均一に加圧された電極シートとなるため、反り、蛇行等は生じず、この点において、信頼性のある電極体を構成することのできる電極シートとなる。
【0023】
次に、正極シート10、負極シート20が捲回される捲回芯について説明する。図6に、本実施形態において用いる捲回芯50を示す。図6に示す捲回芯50は、正極シート10から集電するための端子となる正極集電端子部51と、負極シート20から集電するための端子となる負極集電端子部52と、この正極集電端子部51と負極集電端子部52との間に介在し両集電端子部を電気的に絶縁する絶縁部53とからなる。なお、本実施形態の場合、捲回芯50は、円柱棒状の形状としているが、電極体の形状に合致する形状に応じて、種々の形状、例えば四角柱等の多角形の横断面をもつもの、楕円形の断面を持つものなどであっても構わない。
【0024】
正極集電端子部51および負極集電端子部52は、それぞれ正極合材層未形成部13および負極合材層未形成部23が接合されるため、それぞれ正極集電体11、負極集電体21と接合性がよく、かつ電気化学的に安定な材料であることが望ましい。リチウムイオン二次電池の場合、正極集電体11にはアルミニウムが一般的に用いられ、接合の相手となる正極集電端子部51はアルミニウム系の材料等から形成するのが望ましく、また、負極集電体21には銅が一般的に用いられるため、負極集電端子部52は銅系の材料、Niメッキを施した鉄系等から形成するのが望ましい。
【0025】
絶縁部53の材質については、特に限定するものでなく、電気的な絶縁を確保でき、電解液に対して腐食、溶解等しない化学的に安定なものであればよい。電池の軽量化を考えれば、例えば、ポリプロピレンあるいはテフロン系等の樹脂から形成するのが望ましい。なお正極集電端子部51、負極集電端子部52と、絶縁部53との接合は、特に限定するものでなく、例えば、接着剤による接着、お互いの接合部に所定の加工を施した上での嵌合、螺合等にて行えばよい。
【0026】
本実施形態の場合、捲回芯50の両端、つまり正極集電端子部51および負極集電端子部52の絶縁部53に背向する端部が電極シートを捲回した電極体40の捲回端面41より突出するように、捲回芯50の長さを決定している。この突出した端部は、電極体40を収納する電池ケース60よりもさらに突出するものとなり、この電池ケース60からも突出する部分が、正極および負極の外部端子の役割を果たしている。このように、捲回芯50の端部が外部端子を兼ねるような態様の場合、別途部品として外部端子を必要としないことから、よりに簡便な集電方式となる。なお、本実施形態の場合、捲回芯50の両端部に雄ネジ55が形成されており、雌ネジ形状の結合部を有する外部配線が螺合される。この外部端子となる部分の形状についても、雄ネジに限定されるわけではなく、電池が接続される対象物に応じて、種々の形状とすることができる。
【0027】
また、本実施形態の場合、捲回芯は、中空部54を有するように形成されている。必ずしも中空に形成する必要はなく、単なる棒状のものであってもよい。本実施形態のように中空にすることによって、電池の重量を小さいものとすることができる。また、中空パイプ状に、つまり両端が閉塞されていない中空部54を有するように形成していることで、充放電に伴い電池内部で発熱した熱を容易に外部に放出することができ、発熱量の大きい比較的大型の電池に対しては有利な態様となる。
【0028】
上記正極シートおよび負極シートは、セパレータを介し、積層されるように上記捲回芯に捲回される。正極シートおよび負極シートが捲回される様子であって、捲回開始の様子を、図7に示す。図7(a)は、捲回開始の状態を斜視的に、図7(b)は、正極シート、負極シート、2枚のセパレータの大きさと位置関係を示している。
【0029】
図に示すように、正極シート10の正極合材層未形成部13の端部を捲回芯50の正極集電端子部51に、負極シート20の負極合材層未形成部23の端部を捲回芯50の負極集電端子部52にそれぞれ接合する。正極シート10および負極シート20の間には、それぞれをそれぞれ1枚ずつ合計2枚のセパレータ30を配置し、正極シート10と負極シート20とが直接接しないようにしている。なお、正極合材層未形成部13および負極合材層未形成部23は、上述したような斜辺を有する形状としているため、それぞれ対極側の捲回芯50の集電端子部51、52にも直接接しない状態となっている。ちなみにセパレータ30は、リチウムイオン二次電池の場合、10〜50μmの厚さの、微多孔質ポリプロピレンフィルムを用いればよい。
【0030】
リチウムイオン二次電池の場合には、負極表面へのデンドライトの析出という問題を内在しているため、正極合材層に対向する部分には必ず負極合材層が存在することが望ましい。そこで図7(b)に示すように、本実施形態の電極捲回型電池では、負極シート20を正極シート10より大きくして(負極合材層22の面積を正極合材層12の面積より大きくして)、正極合材層12には必ず負極合材層が対向するような位置関係としている。また、セパレータ30は、正極シート10と負極シート20との絶縁を担保するため、負極シート20よりもさらに大きいものとしている。
【0031】
正極合材層未形成部13と正極集電端子部51との接合は(図の14)、負極合材層未形成部23と負極集電端子部52との接合(図の24)は、その方法を特に限定するものではない。例えば、導電性接着剤による接着、ろう付け、抵抗溶接、レーザー溶接、超音波接合等の種々の手段によって行うことができる。これらのうち超音波接合は、スパッタの発生がなく、電極合材層への熱影響が少なく、また充分な接合強度が得られ、接合部における通電抵抗が小さいという利点があり、リチウムイオン二次電池等の電池の場合は、この超音波接合によって行うことが望ましい。
【0032】
なお、接合部14、24の面積は、接合部における通電抵抗を考慮すれば、大きいほうが望ましい。幅の広い電極シートを有する電池であって、捲回芯の長さを長く採り、捲回芯の軸方向の接合部長さを長く採ることができれば、電極シートの長い比較的大容量の電池であっても効率よく集電させることが可能となる。図7のように、電極合材層未形成部13、23が接合され、セパレータ30を挟装した正極シート10および負極シート20は、捲回芯50を中心として、同一方向に捲回され、正極シート10、セパレータ30、負極シート20、セパレータ30の順に繰り返し積層されて電極体40を形成する。形成された電極体を図8に示す。
【0033】
図8に示すように、本実施形態の電極捲回型電池の電極体は、円筒状の電極要素が捲回された部分の両捲回端面41から単に捲回芯50の一部が突出するという非常に簡素な態様のものとなっている。複数のタブ状の集電リードを有し、比較的大きなフランジを有する別部品としての集電部品を有する従来の電極捲回型電池の電極体(図14参照)と、比較してその違いは明らかである。従来の集電方式においては、電極シートにタブ状の集電リードを付設しなければならず、また、電極シートを捲回後においても、この集電用リードを束ねて集電部品に接合しなければならなかった。これに対して、本実施形態の電極捲回型電池では、このような従来の集電方式で必要となる煩雑な集電処理作業を必要としないことから、製造コストを充分に低減できる電池となる。
【0034】
形成した電極体40は、図1に示すように、電池ケース60に収納される。本実施形態における電池ケース60は、中空円筒状のケース本体61と、ケース本体の両端を閉塞する2つの蓋体61とからなる。蓋体61の中央部には、端子用孔63が設けられており、この端子用孔63に、外部端子となる捲回芯50の端部が挿入される。電池ケース60のケース本体61と蓋体62の間、蓋体62の端子用孔63の部分と捲回芯50との間には、それぞれ、電池の密閉を確保し電極間の絶縁を確保するためのシール材(ガスケット)64を介在させており、カシメ等の手段によって密閉され、本実施形態の電極捲回型電池は完成する。
【0035】
なお、電池を完全に密閉する前に、電解液が電池缶に注入し、電極体に含浸させる。リチウムイオン二次電池の場合、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等の有機溶媒に、LiBF4、LiPF6等のリチウム塩を電解質として溶解させた非水電解液が用いられる。また、図示していないが、リチウムイオン二次電池の場合、過充電等の場合のガス発生による内部圧の異常上昇を考慮し、電池ケースの一部(一般には平面を有することで蓋体)にガス抜きのための安全弁を設けるのが一般的な態様となる。
【0036】
上記のようにして完成させられる本実施形態の電解捲回型電池は、図1に示すように、集電部品にタブ状の集電用リードを束ねるように集電処理する従来の電極捲回型電池において必要としていた電池内部の大きなデッドスペースが排除されている。このことから、本実施形態の電極捲回型電池は体積効率の良好な電池となる。また内部のデッドスペースが小さいことから注入するのに必要な電解液の量を少なくでき、この点でもコストの安い電池となる。また、安全弁を有する電池の場合でも、従来から問題とされていたタブ状の集電用リードがこの安全弁を閉塞する危険性を回避でき、安全面でも優れた電極捲回型電池となる。
【0037】
以下には、上記実施形態を変形した別の実施形態について説明する。
図9に、捲回芯が外部端子を兼ねない態様の実施形態の一部断面を示す。図9に示すものは、捲回芯50の端部を電極体40の捲回端面41より突出させずに、捲回芯50の端部と電池ケース60の蓋体62とを、比較的断面積のあるリード65で接続する態様のものとなってる。蓋体62は電池外部に突出する部分を有し、この突出部が外部端子の役割を果たす。捲回芯を短いものとすることができ、電池のより軽量化が可能となる。正極側、負極側のいずれにもこの集電方式を採用することができる。
【0038】
図10に、捲回芯の負極集電端子部を電池ケースの突出させずに、電池ケースに直接接合させることによって、電池ケース自体が負極の外部端子を兼ねる実施形態の断面図を示す。この実施形態では、捲回芯50の負極集電端子部52を有底中空円筒状に形成している。例えばケース本体61を深絞り等の加工によって有底缶とし、缶底の内壁に負極集電端子部52の底部外壁を接合させる態様のものとなっている。この場合、ケース本体61は、電池反応によっても電気的に安定した材料から形成する必要がある。リチウムイオン二次電池の負極となる場合には、電池ケース本体は、例えばNiメッキを施した鉄系の材料から形成すればよい。
【0039】
捲回芯50の負極集電端子部52とケース本体61の接合は、例えば、抵抗溶接にて行うことができる。電極体40形成後、この電極体40を有底のケース本体61に挿設し、捲回芯50の中空部54に棒状の溶接電極を挿入し、ケース本体61の底面外部に接するもう一方の溶接電極との間で、負極集電端子部52の底部とケース本体61を挟み付けるようにして通電加圧すればよい。なお、この実施形態に代えて、正極側の外部端子をケース本体が兼ねさせ、逆に負極側を上記実施形態と同様の集電方式を採用する態様のものとすることもできる。
【0040】
図11には、上記実施形態における捲回芯から絶縁部となる部材を排除した実施形態について、その断面の一部を示す。図のように、絶縁部となる部材を排除し、正極集電端子部51と負極集電端子部50との間に空間を設けることによっても、両者の絶縁は確保できる。例えば、捲回芯50の中空部54を活用し、電極シートの捲回前においては、その中空部54に棒状の芯材を挿通させて正極集電端子部51と負極集電端子部52とを所定の間隔を隔てて保持し、電極シートを捲回して電極体形成後、この芯材を除去すればよい。絶縁部となる材料を排除することで、電池の重量をより軽いものとすることができる。
【0041】
上記のいずれの実施形態も、正極および負極の両極とも、電極シートの捲回中心側となる端部に電極合材層未形成部を設け、この電極合材層未形成部を捲回芯の集電端子部に接合させる集電方式を採用している。この態様のものに代え、正極側、負極側のいずれか一方の極側にのみこの集電方式を採用し、他極側については従来から公知の集電方式を採用するものであってもよい。この場合であっても、上記集電方式を採用した片方の極側の集電処理作業のための工数は削減でき、また、片方の極側の電池内部のデッドスペースを小さくできるため、それなりの効果を発揮する。
【0042】
なお、特に電極長が長い場合、その長さ方向の端部だけからの集電では、集電効率が悪くなり、出力が得にくい、分極して劣化の原因になる等が考えられる。そのため、本発明の電極捲回型電池においては、電極長さをL、電極幅をWとした場合、その比(W/L)を、0.05以上とするのが望ましく、さらにより大きな出力を確保するには、0.5以上とするのがより望ましい。
【0043】
【実施例】
上記実施形態に基づいて、リチウムイオン二次電池についての本発明の電極捲回型電池を、実施例として作製した。さらに、従来からの集電方式を採用する電極捲回型二次電池を、比較例として作製し、両者の電極捲回型電池の電極体の形成に対する作業時間および電池内部に存在するデッドスペースについて比較した。
【0044】
〈実施例の電極捲回型電池〉
用いた正極シートは、厚さ60μのアルミニウム箔製の正極集電体両面に、電極合材層を形成させたものである。また、負極シートは、厚さ48μmの銅箔製集電体の表面に負極合材層を形成させたものである。正極シートおよび負極シートの形状については、図12に示す。図12(a)に示すように、正極シート10は、幅150mmで、電極合材層の長さは3000mmとした。また電極合材層未形成部の長さは115mmで、端部を斜辺を有するように切断し、捲回芯への接合部長さが65mmとなるようにした。図12(b)に示すように、負極シート20は、幅154mmで、電極合材層の長さは3120mmとした。また電極合材層未形成部の長さは87mmで、正極シート同様、端部を斜辺を有するように切断し、捲回芯への接合部長さが67mmとなるようにした。
【0045】
捲回芯(図6参照)は、正極集電端子部をアルミニウム合金で、負極集電端子部をニッケルメッキを施したステンレスで形成した。捲回芯の外径は8mmφとし、正極集電端子部、負極集電端子部の長さは両者とも95mmであり、その間に8mmの長さのポリプロピレン製の絶縁部を介在させることで、捲回芯全体の長さを198mmとした。なお、セパレータは、厚さ25μmの多孔性ポリプロピレンシートで、その幅が158mm、長さが3550mmのものを2枚使用した。
【0046】
上述した実施形態で示した方法により、正極シートの正極合材層未形成部を捲回芯の正極集電端子部に、負極シートの負極合材層未形成部を捲回芯の負極集電端子部に超音波接合にて接合し、その後、正極シートおよび負極シートをセパレータを介して、捲回芯に捲回することで、電極体(図8参照)を形成した。電極体の外径は約37.5mmφであった。この電極体を、非水電解液とともに、適合する電池ケースに収納して電極捲回型電池を完成させた。
【0047】
〈比較例の電極捲回型電池〉
従来の集電方式を採用した電極捲回型である。使用した電極シートを図13に示す。上記実施例の電極捲回型電池の正極シートおよび負極シートと同じ面積の正極合材層12および負極合材層22を有するものであるが、正極シート10、負極シート20ともに幅方向の一端部に5mm幅の正極合材層未形成部13および負極号材層未形成部23を有するものとした。
【0048】
図示した正極シート10および負極シート20は、正極合材層未形成部13および負極合材層未形成部23にタブ状の集電用リード15、25を超音波接合により付設している。正極集電用リード15は、厚さ50μmのアルミニウム箔製で、幅10mm、長さ30mmのものとした。負極集電用リード25は、厚さ40μmの銅箔製で、幅10mm、長さ30mmのものとした。集電用リード15、25は、正極シート10、負極シート20とも50mmピッチで付設した。正極集電用リード15は60枚、負極集電用リード25は62枚用いた。なお、正極集電用リード15、負極集電用リード25の正極シート10、負極シート20への接合は、両者とも、正極シートと負極シートとを捲回芯に捲回する工程の中で行った。
【0049】
捲回芯は、ポリプロピレン製の円筒形状もので、形成する電極体の捲回端面よりその先端が突出しない長さのものを用いた。この捲回芯を中心に、上記正極シートと負極シートとを、セパレータを介して捲回した。正極シートと負極シートとは、両者の電極合材層とが重なり合うようにし、正極合材層未形成部と負極合材層未形成部とが幅方向において背向するようにして積層させるものとした。したがって、セパレータは、実施例の電極捲回型電池で用いたものより、8mm幅広いものを用いた。
【0050】
図14に、電極シートを捲回して形成した直後の電極体と集電端子部品を用いて集電処理を施した電極体とを示す。図14(a)に示すように、捲回直後の電極体40は、その両捲回端面41に、それぞれ正極シートに付設した正極集電用リード15および負極シートに付設した負極集電用リード15が突出した格好のものとなっており、それぞれの電極集電用リード15、25の先端部を、所定の集電端子部品に束ねるようして集電処理される。
【0051】
図14(b)に示すように、この正極集電用リード15と負極集電用リード25が束ねられる集電端子部品80は、段付きの円筒状、言い換えれば、電池ケース内に存在させる比較的大きな外径の円筒状の部分(フランジ部)81と、電池ケースを挿通し外部端子の役割を果たす比較的小さな外径の円筒状の部分からなる。本比較例の電極捲回型電池においては、集電端子部品80は正極側、負極側の捲回端面41の近傍に設け、それぞれのフランジ部81の円筒側面に、正極集電用リード15および負極集電用リード25をそれぞれ束ねるようにして超音波接合するものとした。なお、正極側の集電端子部品80はアルミニウム合金から、また負極側の集電端子部品80はNiメッキを施したステンレスから形成し、フランジ部81の厚みは10mmとした。集電処理を終了した電極体40は、実施例の場合と同様に、非水電解液とともに、適合する電池ケースに収納して電極捲回型電池を完成させた。
【0052】
〈実施例と比較例の電極捲回型電池の比較評価〉
実施例の電極捲回型電池および比較例の電極捲回型電池それぞれの、電極体形成、集電処理に対する作業時間を下記表1に示す。
【0053】
【表1】
Figure 0004538694
電極体形成、集電処理に対する作業時間については、上記表1で明らかなように、実施例および比較例で採り挙げたタイプの電極捲回型電池では、1セル当たり36分から10分に26分(73%)も短縮され、本発明の電極捲回型電池の採用する集電処理方式が、安価な電極捲回型電池を製造するために有効な集電処理方式であることが確認できる。
【0054】
次に、電池内部に存在する発電(蓄電)に寄与しないデッドスペースについて比較する。比較例の電極捲回型電池は、電極体の両捲回端面近傍に、集電端子部品のフランジ部の厚みに対応するそれぞれ高さ10mmのスペースが(図14(b)のA)、また、電極体の両捲回端面部に、電極合材層未形成部のみが捲回されている部分に対応するそれぞれ高さ3mmおよび5mmのスペースが(図14(b)のBおよびB'、B=5mm、B'=3mm)、デッドスペースとして存在している。これに対して、実施例の電極捲回型電池は、これらに該当するデッドスペースは存在せず、合計して高さ28mmのデッドスペースを排除できたことになる。したがって本発明の電極捲回型電池が、体積効率において優れた電池であることが確認できる。
【0055】
また、デッドスペースが小さくできることは、その部分に存在した電解液をも減少させる結果となり、この点でも本発明の電極捲回型電池は、より低コストな電池となることが容易に判る。さらにまた、実施例の電極捲回型電池の電極体は、集電用リードを必要とする比較例の電極捲回型電池と異なり、非常にシンプルでかつ安定した構造となっているのが判る。このことから、本発明の電極捲回型電池は、ガスが発生に伴う電池の内部圧上昇を防止するための安全弁が作動したような場合であっても、集電用リード等の不安定な部材によってこの安全弁が閉塞されるという危険性を充分に回避できるものであることが容易に確認できる。
【0056】
【発明の効果】
本発明の電極捲回型電池は、捲回されることにより電極体を構成する電極シートを、捲回中心側に位置する長手方向の一端部に電極合材層未形成部を設けるようにし、この電極合材未形成部を捲回芯の集電端子部に接合するという集電処理方式を採用する。このことで、本発明の電極捲回型電池は、製造コストが安価であって、体積効率に優れた電極捲回型電池となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電極捲回型電池の一実施形態である円筒型リチウムイオン二次電池の全体図を示す。
【図2】 実施形態の電極捲回型電池で用いる正極シートおよび負極シートの一態様を示す。
【図3】 実施形態の電極捲回型電池で用いることのできる正極シートおよび負極シートの他の態様を示す。
【図4】 図2に示す正極シートおよび負極シートの作製において、裁断前のシートとその裁断法について示す。
【図5】 実施形態の電極捲回型電池の電極シートの作製において、電極合材層を塗工して形成するためのリバースロール方式の塗工機について示す。
【図6】 実施形態の電極捲回型電池に用いる捲回芯を示す。
【図7】 実施形態の電極捲回型電池の製造において、正極シートおよび負極シートが、セパレータを介し、捲回芯に捲回される様子を示す。
【図8】 実施形態の電極捲回型電池において、電極シートを捲回して形成した電極体を示す。
【図9】 捲回芯を電極体の捲回端面より突出させず、捲回芯端部と電池ケース蓋体とをリードで接続させた態様の集電方式を採用する本発明の他の実施形態を示す。
【図10】 捲回芯の負極集電端子部を電池ケースより突出させず電池ケースに直接接合させる集電方式を採用する本発明の他の実施形態を示す。
【図11】 捲回芯から絶縁部となる部材を排除した本発明の他の実施形態を示す。
【図12】 実施例の電極捲回型電池に用いた正極シートおよび負極シートの形状を示す。
【図13】 従来の集電方式を採用した比較例の電極捲回型電池に用いた電極シートを示す。
【図14】 従来の集電方式を採用した比較例の電極捲回型電池において、電極シートを捲回して形成した直後の電極体と集電端子部品を用いて集電処理を施した電極体とを示す。
【符号の説明】
10:正極シート
11:正極集電体
12:正極合材層(正極合材塗工部)
13:正極合材層未形成部(正極合材未形成部)
14:接合部 15:正極集電用リード
20負極シート
21:負極集電体
22:負極合材層(負極合材塗工部)
23:負極合材層未形成部(負極合材未塗工部)
24:接合部 25:負極集電用リード
30:セパレータ
40:電極体
41:捲回端面
50:捲回芯
51:正極集電端子部 52:負極集電端子部
53:絶縁部 54中空部 55:雄ネジ部
60:電池ケース
61:ケース本体 62:蓋体 63:端子用孔
64:シール材 65:リード
70:リバースロール塗工機
71:アプリケーションロール
72:バックアップロール 73:コンマロール
74:ペースト溜
80:集電端子部品
81:フランジ部

Claims (5)

  1. 正極活物質を含む正極合材からなる正極合材層を帯状の正極集電体の表面に形成した正極シートと、
    負極活物質を含む負極合材からなる負極合材層を帯状の負極集電体の表面に形成した負極シートと、
    前記正極シートと前記負極シートとの間に挟装され、該正極シートと該負極シートとを離隔するセパレータと、
    前記正極シート、前記負極シート、および前記セパレータが正極シート、セパレータ、負極シート、セパレータの順に繰り返し積層されて電極体を形成するように、該正極シート、該負極シート、および該セパレータを捲回するための捲回芯と
    を備えてなる電極捲回型電池であって、
    前記正極シートは、前記正極集電体に前記正極合材層が形成された正極シート本体と、該正極集電体の捲回中心側の一端部に位置し該正極合材層が形成されておらず捲回方向に垂直方向の幅が該正極シート本体よりも狭い正極合材層未形成部とからなり、
    前記負極シートは、前記負極集電体に前記負極合材層が形成された負極シート本体と、該負極集電体の捲回中心側の一端部に位置し該負極合材層が形成されておらず捲回方向に垂直方向の幅が該負極シート本体よりも狭い負極合材層未形成部とからなり、
    前記捲回芯は、前記正極シートから集電する端子となる正極集電端子部と、該正極集電端子部と電気的に絶縁され、前記負極シートから集電する端子となる負極集電端子部と、該正極集電端子部および該負極集電端子部の間に介在し両者を電気的に絶縁する絶縁部と、を含んでなり、
    前記正極合材層未形成部の捲回方向の端部が前記捲回芯の一端部側で前記正極集電端子部に直接接合され、かつ、前記負極合材層未形成部の捲回方向の端部が前記捲回芯の他端部側で前記負極集電端子部に直接接合されていることを特徴とする電極捲回型電池。
  2. 前記捲回芯の前記正極端子部の前記絶縁部に背向する一端部と、前記捲回芯の前記負極端子部の前記絶縁部に背向する一端部との少なくとも一方は、外部端子となる請求項1に記載の電極捲回型電池。
  3. 前記捲回芯は、中空に形成されている請求項1または請求項2のいずれかに記載の電極捲回型電池。
  4. 前記正極合材層未形成部および前記負極合材層未形成部は、前記正極集電端子部または前記負極集電端子部に接合される前記端部に向かって幅が狭くなる請求項1〜3のいずれかに記載の電極捲回型電池。
  5. 前記捲回芯は、前記正極集電端子部を軸方向の一端部、前記負極集電端子部を他端部に備える請求項1〜4のいずれかに記載の電極捲回型電池。
JP15482999A 1999-06-02 1999-06-02 電極捲回型電池 Expired - Fee Related JP4538694B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15482999A JP4538694B2 (ja) 1999-06-02 1999-06-02 電極捲回型電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15482999A JP4538694B2 (ja) 1999-06-02 1999-06-02 電極捲回型電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000348754A JP2000348754A (ja) 2000-12-15
JP4538694B2 true JP4538694B2 (ja) 2010-09-08

Family

ID=15592799

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15482999A Expired - Fee Related JP4538694B2 (ja) 1999-06-02 1999-06-02 電極捲回型電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4538694B2 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6670071B2 (en) 2002-01-15 2003-12-30 Quallion Llc Electric storage battery construction and method of manufacture
US8080329B1 (en) 2004-03-25 2011-12-20 Quallion Llc Uniformly wound battery
JP4296205B2 (ja) * 2007-03-29 2009-07-15 株式会社東芝 非水電解質電池、電池パック及び自動車
JP5598650B2 (ja) * 2009-12-10 2014-10-01 ソニー株式会社 非水電解質二次電池
US9054387B2 (en) 2010-04-07 2015-06-09 Medtronic, Inc. Electrode assembly including mandrel having removable portion
US8685557B2 (en) 2010-04-07 2014-04-01 Medtronic, Inc. Electrode assembly including mandrel having a removable portion
US8832914B2 (en) 2010-10-06 2014-09-16 Medtronic, Inc Coiling device for making an electrode assembly and methods of use
US9299971B2 (en) 2010-10-06 2016-03-29 Medtronic, Inc. Common carrier for the integrated mandrel battery assembly
JP2012160282A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Hitachi Vehicle Energy Ltd 円筒形二次電池
US9083053B2 (en) 2011-12-21 2015-07-14 Medtronic, Inc. Through weld interconnect joint
US9005802B2 (en) 2011-12-21 2015-04-14 Medtronic, Inc. Electrode assembly with hybrid weld
JP2017050069A (ja) * 2015-08-31 2017-03-09 株式会社豊田自動織機 蓄電装置
CA3095358C (en) * 2018-04-11 2024-01-09 Ningde Amperex Technology Limited Battery cell having electrode plate with multiple tabs and lithium-ion battery
WO2022149393A1 (ja) * 2021-01-06 2022-07-14 株式会社村田製作所 蓄電素子
EP4362208A1 (en) * 2021-06-25 2024-05-01 Panasonic Energy Co., Ltd. Sealed battery
CN113725498B (zh) * 2021-07-30 2023-11-07 东莞锂微电子科技有限公司 一种软包扣式电芯的制作方法及软包扣式电池
CN116454414A (zh) * 2023-06-16 2023-07-18 苏州宇量电池有限公司 卷芯及电池

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6079672A (ja) * 1983-10-05 1985-05-07 Sanyo Electric Co Ltd 円筒型電池
JPH0850915A (ja) * 1994-08-05 1996-02-20 Sony Corp 電池装置
JPH0955213A (ja) * 1995-06-08 1997-02-25 Sony Corp 電池装置
JPH1064588A (ja) * 1996-08-20 1998-03-06 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 円筒形リチウム二次電池

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3407973B2 (ja) * 1994-05-25 2003-05-19 三洋電機株式会社 渦巻電極体を備えた電池

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6079672A (ja) * 1983-10-05 1985-05-07 Sanyo Electric Co Ltd 円筒型電池
JPH0850915A (ja) * 1994-08-05 1996-02-20 Sony Corp 電池装置
JPH0955213A (ja) * 1995-06-08 1997-02-25 Sony Corp 電池装置
JPH1064588A (ja) * 1996-08-20 1998-03-06 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 円筒形リチウム二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000348754A (ja) 2000-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3743781B2 (ja) 非水電解質二次電池
US7763377B2 (en) Electrochemical element having an ellipsoidal assembly configured for high power input
US8815426B2 (en) Prismatic sealed secondary cell and method of manufacturing the same
JP4538694B2 (ja) 電極捲回型電池
JP5917407B2 (ja) 角形二次電池
JP4075034B2 (ja) 非水電解質電池およびその製造方法
JP3428448B2 (ja) 電極構造体およびそれを用いた電池
US10026933B2 (en) Nonaqueous electrolyte battery and manufacturing method thereof
JP5103496B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP2000150306A (ja) 電池またはキャパシタの集電方式
JP4798967B2 (ja) 電気化学素子
JP2000106167A (ja) 電 池
JP2001167744A (ja) リチウム二次電池及びその製造方法
JPH11111259A (ja) 捲回式電池
JP3119259B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP3707945B2 (ja) 筒型電池
JP2003007346A (ja) リチウム二次電池及びその製造方法
JP3588264B2 (ja) 二次電池
JP4288556B2 (ja) 電池
JP4736301B2 (ja) 電池
JP3629171B2 (ja) 電極捲回型電池
JP5358380B2 (ja) 扁平捲回式二次電池
JP4304918B2 (ja) 電池
JP2000353539A (ja) 電極捲回型二次電池
JPH06333553A (ja) 非水電解液二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060322

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091008

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100527

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100609

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees