JP5921409B2 - 全固体電池 - Google Patents

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Description

本発明は、正極と、負極とを、前記正極と前記負極との間に固体電解質を配置して捲回してなる電極群を備えた全固体電池およびその製造方法に関する。
近年、エネルギーの有効利用の観点から、優れた蓄電システムの開発が重要視されており、新しいリチウム電池等の開発が進められている。可燃性の有機溶媒を含む液体電解質を用いたリチウム電池では、短絡時の電池の温度上昇を抑える安全装置の取り付けや短絡防止のための構造、材料面での改善が要求される。これに対して、固体電解質を用いた全固体電池では、可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置を簡素化することができ、製造コストや生産性の面で有利である。
全固体電池は、例えば、正極集電体、および前記正極集電体の一方の表面に形成された、正極活物質を含む正極合材層を有する正極と、負極集電体、および前記負極集電体の一方の表面に形成された、負極活物質を含む負極合材層を有する負極と、前記正極と前記負極との間に配された固体電解質との積層体を備える。
全固体電池のなかでも、粉末状の電極合材等を付着させて形成された電極合材層等の積層体を備えた全固体電池は、電極合材等を蒸着して形成された電極合材層等の積層体を備えた全固体電池と比べて、高容量化が可能であるとして注目されている。
特許文献1では、静電法により、負極集電体の表面に、粉末状の、負極合材、固体電解質、正極合材の順に付着させることで、負極合材層、固体電解質層、正極合材層の順に形成して、積層前駆体を得る。その後、積層前駆体と正極集電体とを重ね合わせて積層体を構成することが提案されている。
ところで、一般に電池の高出力化および高容量化を図る場合、薄くて、面積(正極と負極との対向面積)の大きな正極および負極が用いられる。実用電池においては、面積の大きな電極を、実用に適したコンパクトな形状に加工することが必要となる。このような加工技術として、帯状の一対の電極を、一対の電極間に電解質を介在させて捲回する方法が挙げられる。この方法は、帯状の電極を連続的に製造することが可能で、量産に適し、コスト面でも有利である。液体電解液を用いた従来のリチウム電池では、この方法が好適に用いられる。
特開2010−282803号公報
しかし、特許文献1に記載の製法で得られた帯状の積層体では、正負極合材層および固体電解質層が脆いため、積層体を捲回すること自体が困難であった。積層体が捲回により変形すると正負極合材層および固体電解質層においてクラックを生じ、クラックの発生により正負極合材層および固体電解質層の一部が脱落すると、内部短絡を生じる可能性がある。
また、上記の積層体を捲回する場合、外周側に配置された正極集電体および負極集電体のいずれか一方は破断し、内周側に配置された正極集電体および負極集電体のいずれか他方は皺を生じる可能性がある。
さらに、上記の積層体を捲回する場合、正極集電体が負極集電体と接触して短絡するのを防ぐ目的で、正極集電体と負極集電体との間に絶縁層を別途挿入する必要があり、工程が複雑化する。
帯状の集電体の一方の表面に、粉末状の電極合材等を連続的に付着させる場合、安定した連続生産を行うためには帯状の集電体をその長手方向に一定の力で引っ張ることで、その集電体の平坦性を確保する必要がある。ところが特許文献1に記載の方法では、この引っ張る力により集電体が破断する場合がある。
さらに、特許文献1の積層体の作製工程では、積層前駆体と正極集電体とを重ね合わせる工程が必要であり、工程が複雑化する。
そこで、本発明は、量産に適した新規な捲回型電極群を備えた全固体電池を提供することを目的とする。
本発明の全固体電池は、
帯状の絶縁体、前記絶縁体の一方の表面に付着した第1集電体、および前記絶縁体の他方の面に付着した第2集電体を有する集電複合体と、
前記集電複合体の第1集電体の表面に形成され、圧縮された粉末状の第1活物質および固体電解質を含む第1合材層と、
前記第1合材層の表面に形成され、圧縮された粉末状の固体電解質を含む固体電解質層と、
前記固体電解質層の表面に形成され、圧縮された粉末状の第2活物質および固体電解質を含む第2合材層と、
の積層体を捲回してなる電極群を備え
前記第1集電体の一端部が、前記電極群の一端面において、前記第1合材層、前記固体電解質層、前記第2集電体、および前記第2合材層の端部よりも突出する第1突出部を有し、
前記第2集電体の一端部が、前記電極群の他端面において、前記第2合材層、前記固体電解質層、前記第1集電体、および前記第1合材層の端部よりも突出する第2突出部を有し、
前記電極群は前記積層体を巻き付ける芯材を有し、
前記電極群は、その一端面において、前記第1合材層、前記固体電解質層、前記第2集電体、および前記第2合材層の端部を被覆する第1絶縁被覆部を有し、
前記第1突出部は、前記第1絶縁被覆部より露出し、
前記電極群は、その他端面において、前記第2合材層、前記固体電解質層、前記第1集電体、および前記第1合材層の端部を被覆する第2絶縁被覆部を有し、
前記第2突出部は、前記第2絶縁被覆部より露出する
ことを特徴とする。
本発明によれば、量産に適した新規な捲回型電極群を備えた全固体電池を提供することができる。
本発明の全固体電池の電極群に用いる積層体の一例を示す概略縦断面図である。 本発明の全固体電池の一例を示す概略縦断面図である。 本発明の全固体電池の製造方法における工程(1)の一例を示す概略構成図である。 本発明の全固体電池の製造方法における工程(2)の一例を示す概略構成図である。 本発明の全固体電池の製造方法における工程(3)の一例を示す概略構成図である。 本発明の全固体電池の製造方法における工程(3)の他の一例を示す概略構成図である。 本発明の全固体電池の製造方法における工程(4)の一例を示す概略構成図である。 図7のX−X拡大断面図である。
本発明は、薄くて、面積(正極と負極との対向面積)の大きな帯状の正極および負極を用いて構成される、電池の高出力化および高容量化に対して有利な捲回型電極群を備えた全固体電池に関する。
すなわち、本発明は、帯状の第1集電体、および前記第1集電体の一方の表面に形成された、第1活物質および固体電解質を含む第1合材層を有する第1電極と、帯状の第2集電体、および前記第2集電体の一方の表面に形成された、第2活物質および固体電解質を含む第2合材層を有する第2電極とを、前記第1電極と前記第2電極との間に固体電解質層を配置して、捲回してなる電極群を備えた全固体電池に関する。全固体電池としては、例えば、全固体リチウム二次電池が挙げられる。
第1電極および第2電極のいずれか一方は正極であり、いずれか他方は負極である。第1集電体および第2集電体のいずれか一方は、正極集電体であり、いずれか他方は負極集電体である。第1合材層および第2合材層のいずれか一方は、正極合材層であり、いずれか他方は、負極合材層である。
本発明の全固体電池の電極群は、第1集電体と、第2集電体とを、両者の間に帯状の絶縁体を介在させて予め一体化させた集電複合体の第1集電体の表面に、第1合材層、固体電解質層、および第2合材層を、この順に形成してなる積層体を捲回することで構成される。
積層体は、より具体的には、
帯状の絶縁体、前記絶縁体の一方の表面に付着した第1集電体、および前記絶縁体の他方の面に付着した第2集電体を有する集電複合体と、
前記集電複合体の第1集電体の表面に形成され、圧縮された粉末状の第1活物質および固体電解質を含む第1合材層と、
前記第1合材層の表面に形成され、圧縮された粉末状の固体電解質を含む固体電解質層と、
前記固体電解質層の表面に形成され、圧縮された粉末状の第2活物質および固体電解質を含む第2合材層と、
で構成される。
従来では、各種粉末材料を第1集電体に付着させて形成された第1合材層、第2合材層、固体電解質層が脆いため、このような層を捲回して電極群を構成すること自体困難であったが、後述する本発明の全固体電池の製法により、上記の新規な捲回型電極群を備えた全固体電池を量産することができる。
上記の新規な捲回型電極群では、第1合材層、固体電解質層、第2合材層におけるクラックの発生およびクラックの発生に伴う第1合材層、固体電解質、第2合材層の一部の脱落による内部短絡の発生が抑制される。また、捲回された電極群では、外周側に配置された第2集電体において破断の発生が抑制され、内周側に配置された第1集電体において皺の発生が抑制される。
第1集電体と、第2集電体とを、両者の間に帯状の絶縁体を介在させて予め一体化させた3層構造の集電複合体を用いることで、積層体の捲回時に第1集電体と第2集電体との間に絶縁層を別途挿入する必要がなく、工程を簡素化できる。
上記の集電複合体を用いることで、各種粉末材料を第1集電体へ付着させる工程において、第1集電体の平坦性を確保するのに必要な機械的強度(引張強度)が得られる。積層体の作製時において、第1集電体の長手方向に生じる引っ張り応力に起因する第1集電体の破断の発生が抑制される。
また、集電複合体を用いることで、積層体を構成する際に、第1集電体に、第1合材層、固体電解質層、第2合材層を形成した後、第2集電体を重ね合わせる必要がなく、積層体の作製工程を簡素化できる。
また、本発明の全固体電池では、第2集電体が外周側および第2合材層が内周側になるように、積層体が捲回される。すなわち、第1合材層および第2合材層が集電複合体よりも内周側になるように積層体が捲回される。これにより、積層体の捲回時における積層体の長手方向に生じる引っ張り応力に起因する第1合材層および第2合材層におけるクラックの発生、ならびにクラックの発生に伴う活物質の脱落による内部短絡の発生が抑制される。
絶縁体は、例えば、樹脂フィルムからなる。絶縁体は、引張により伸び難い性質を有するとともに、集電体を絶縁体に接着させるために熱融着性を有する必要がある。このような絶縁体としては、引張により伸び難い材料からなる芯材層と、その両面に配された熱融着性を有する樹脂材料からなる表面層とを有する複合体が好ましい。芯材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)であるのが好ましい。粉末材料の集電体への塗布工程および積層体の捲回工程において、集電複合体が伸びるのを防ぐことができ、製造工程に対する信頼性を高めることができる。
上記の熱融着性を有する樹脂材料としては、例えば、ポリアクリロニトリル系、ポリイミド系の樹脂材料が用いられる。
芯材層の両面に表面層を形成する方法としては、熱融着性を有する樹脂材料の溶液を芯材層の表面に塗布した後、乾燥させる方法や、熱融着性を有する樹脂フィルムを芯材層の表面に熱融着させる方法が挙げられる。
集電複合体の機械的強度は、絶縁体の機械的強度、すなわち絶縁体の厚さに依存する。
絶縁体の厚み(第1集電体と第2集電体との間の距離)は、20〜100μmが好ましい。絶縁体の厚みが20μm以上であると、集電複合体の機械的強度を十分に確保することができる。その結果、粉末材料の集電体への塗布時に、集電複合体が破断することがない。また、積層体の捲回時に、集電複合体が伸びたり、破断したりすることがない。絶縁体の厚みが100μm以下であると、電極反応に寄与しない絶縁体の電池内に占める体積割合を十分に低減することができ、良好な電池の単位体積あたりのエネルギー密度が得られる。
絶縁体のサイズは、電池サイズに応じて適宜決めればよい。絶縁体の幅方向の寸法は、例えば、30〜100mmである。
第1集電体の一端部が、電極群の一端面において、第1合材層、固体電解質層、第2電極(第2集電体および第2合材層)の端部よりも突出する第1突出部を有し、
第2集電体の一端部が、電極群の他端面において、第2合材層、固体電解質層、および第1電極(第1集電体および第1合材層)の端部よりも突出する第2突出部を有するのが好ましい。第1突出部および第2突出部のいずれか一方は、正極突出部であり、いずれか他方は、負極突出部である。
後述の第1金属粉末および第2金属粉末を用いる場合、電極群の一部である第1突出部および第2突出部が、それぞれ第1電極および第2電極の集電部の役割を果たすことで、集電タブ等の集電部材を別途設ける必要がなく、電池の構造を簡素化することができ、コスト面で有利である。
また、集電タブ等の集電部材を別途用いる場合、電極群の一部である第1突出部および第2突出部を、集電部材と接続する部位として用いることができる。
さらに、電極群は前記積層体を巻き付ける芯材を有し、
電極群は、その一端面において、第1合材層、固体電解質層、および第2電極(第2集電体および第2合材層)の端部を被覆する第1絶縁被覆部を有し、
第1突出部は、第1絶縁被覆部より露出し、
電極群は、その他端面において、第2合材層、固体電解質層、および第1電極(第1集電体および第1合材層)の端部を被覆する第2絶縁被覆部を有し、
第2突出部は、第2絶縁被覆部より露出するのが好ましい。
第1絶縁被覆部および第2絶縁被覆部により、電極群の両端面に位置する積層体の端部(第1合材層、固体電解質層、および第2合材層の端部)の強度を高めることができる。第1絶縁被覆部および第2絶縁被覆部の配置は、第1合材層、固体電解質層、および第2合材層が、粉末状の各種材料を圧縮して形成される層である場合に、特に有効である。
第1絶縁被覆部および第2絶縁被覆部により、後述する第1金属粉末および第2金属粉末を、それぞれ第2電極および第1電極と接触させずに充填することができる。よって、第1金属粉末および第2金属粉末の充填により内部短絡が生じるのを防ぐことができる。また、電極群の端面に異物が混入した場合でも、異物の混入により内部短絡が生じるのを防ぐことができる。
第1絶縁被覆部および第2絶縁被覆部は、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シアノアクリレート系樹脂のような樹脂材料で構成される。
芯材、第1突出部、第2突出部、第1絶縁被覆部、および第2絶縁被覆部を含む上記の電極群を用いる場合、電池は、電極群が、内側面に当該電極群の側面が密着するように収納された絶縁性の円筒状容器と、上記容器における電極群の第1突出部側の開口を覆う第1端子板と、上記容器における電極群の第2突出部側の開口を覆う第2端子板と、上記容器内における電極群と第1端子板との間に充填され、第1突出部と第1端子板との間を電気的に接続するための第1金属粉末と、上記容器内における電極群と第2端子板との間に充填され、第2突出部と前記第2端子板との間を電気的に接続するための第2金属粉末と、を備えるのが好ましい。
電極群は容器の内側面に密着して配置されるため、第1金属粉末および第2金属粉末が容器と電極群との間に入り込むことはない。
電極群を構成する積層体は一体物であり、電極群の軸心部には芯材が配され、電極群の両端面に絶縁被覆部が形成されているため、第1金属粉末および第2金属粉末が電極群内に入り込むことがない。
第1金属粉末を充填することで、第1突出部と第1端子板との間の電気的接続を容易に行うことができる。第2金属粉末を充填することで、第2突出部と第2端子板との間の電気的接続を容易に行うことができる。電極と端子板との間にリードを配線したり溶接したりする必要がなく、電池の構造を簡素化することができる。
第1金属粉末および第2金属粉末は、互いに同種でもよく、異種でもよい。第1集電体および第2集電体が金属箔である場合、第1金属粉末および第2金属粉末としては、例えば、それぞれ第1集電体および第2集電体に用いられる金属箔と同じ材料が用いられる。
ここで、本発明の全固体電池の電極群に用いられる積層体の一例を、図1を参照しながら説明する。
積層体8は、帯状の絶縁体1、絶縁体1の一方の表面に形成された正極集電体2、および絶縁体1の他方の面に形成された負極集電体3を有する集電複合体4と、集電複合体4の正極集電体2の表面に形成され、圧縮された粉末状の正極活物質および固体電解質を含む正極合材層5と、正極合材層5の表面に形成され、圧縮された粉末状の固体電解質を含む固体電解質層6と、固体電解質層6の表面に形成され、圧縮された粉末状の負極活物質および固体電解質を含む負極合材層7と、を有する。固体電解質層6は、正極集電体2の表面にて正極合材層5を覆うように形成されている。これにより、負極合材層7の端部が、正極合材層5の端部と接触するのを防ぐことができる。
正極集電体2は、絶縁体1の幅方向における一端部において、正極合材層5、固体電解質層6、および負極(負極集電体3および負極合材層7)の端部よりも突出する正極突出部2aを有する。負極集電体3は、絶縁体1の幅方向における他端部において、負極合材層7、固体電解質層6、および正極(正極集電体2および正極合材層5)の端部よりも突出する負極突出部3aを有する。
ここで、本発明の全固体電池の一例を、図2を参照しながら説明する。
図2に示す全固体電池10は、図1に示す積層体8を捲回してなる電極群9を備える。具体的には、電極群9は、積層体8を、負極集電体3が外周側および負極合材層7が内周側になるように、芯材11に巻き付けて、構成される。正極集電体2の一端部(正極突出部2a)は、電極群9の一端面において、正極合材層5、固体電解質層6、および負極(負極集電体3および負極合材層7)の端部よりも突出する。負極集電体7の一端部(負極突出部3a)は、電極群9の他端面において、負極合材層7、固体電解質層6、および正極(正極集電体2および正極合材層5)の端部よりも突出する。
電極群9は、その一端面において、正極合材層5、固体電解質層6、および負極(負極集電体3および負極合材層7)の端部を被覆する第1絶縁被覆部10aを有する。正極突出部2aは、第1絶縁被覆部10aより露出している。電極群9は、その他端面において、負極合材層7、固体電解質の粉末層6、および正極(正極集電体2および正極合材層5)の端部を被覆する第2絶縁被覆部10bを有する。負極突出部3aは、第2絶縁被覆部10bより露出している。
電極群9は、例えば樹脂製の、絶縁性を有する円筒状容器12内に、その容器12の内側面に電極群9の側面が密着するように収納されている。容器12における電極群9の正極突出部2a側の開口は、樹脂製のガスケット15を介して正極端子板13aで覆われている。容器12における電極群9の負極突出部3a側の開口は、樹脂製のガスケット15を介して負極端子板13bで覆われている。
容器12内における電極群9と正極端子板13aとの間には、正極突出部2aと正極端子板13aとの間を電気的に接続する正極側の金属粉末14aが充填されている。容器12内における電極群9と負極端子板13bとの間には、負極突出部3aと負極端子板13bとの間を電気的に接続する負極側の金属粉末14bが充填されている。
正極突出部2aおよび負極突出部3aにおける捲回軸方向の長さは、例えば、2〜20mmである。
正極集電体および負極集電体は、金属箔であるのが好ましい。
金属箔の厚みは、5〜50μmが好ましい。金属箔の厚みが5μm未満であると、機械的強度が低下する場合がある。金属箔の厚みが50μm超であると、金属箔の電池内に占める体積割合が増大することで活物質の充填量が減少するため、電池の単位体積あたりのエネルギー密度が低下する。
金属箔の表面は、平滑でもよいが、化学的な表面処理により凹凸形状を付与したり、多孔質形状を付与したりしてもよい。化学的な表面処理を施した場合、電極集電体の表面に形成された電極合材の粉末層を圧縮する際に、電極合材の粉末層が電極集電体から剥離されるのが抑制される。
全固体電池10としては、例えば、全固体リチウム二次電池が挙げられる。
以下、電池10が全固体リチウム二次電池である場合の正負極の具体例を説明する。
正極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、燐酸鉄リチウムが用いられる。
また、一般式(1):LiNiCoAlで表される化合物が用いられる。ただし、式(1)中、a、b、およびcは、a+b+c=1を満たす。
上記のなかでも、電池特性の観点から、コバルト酸リチウムおよび式(1)で表される化合物が好ましい。
負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等の炭素材料が用いられる。
正極集電体には、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金の箔が用いられる。負極集電体には、例えば、ステンレス鋼、銅、または銅合金の箔が用いられる。
固体電解質としては、例えば、酸化物系、硫化物系の固体電解質が用いられる。
イオン伝導率に優れている点から、硫化物系の固体電解質が好ましい。
硫化物系の固体電解質は、例えば、一般式(2):LiS−Mで表される化合物が挙げられる。ただし、式(2)中、Mは、リン、珪素、ゲルマニウム、ガリウム、ホウ素、およびアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である。
合成の容易性およびコストの観点から、Mはリンであるのが好ましい。xおよびyは、化学量論比を示す値であり、Mの種類に応じて決まる任意の値である。
正極合材中における正極活物質および固体電解質の混合重量比は、使用する材料に応じて適宜決めればよい。正極活物質が一般式(1)で表される化合物および固体電解質がLiS−Pである場合、正極活物質と固体電解質との混合重量比は、70:30〜90:10であるのが好ましい。
負極合材中における負極活物質および固体電解質の混合重量比は、使用する材料に応じて適宜決めればよい。負極活物質が天然黒鉛および固体電解質がLiS−Pである場合、負極活物質と固体電解質との混合重量比は、60:40〜80:20であるのが好ましい。
なお、図2の電池10では、正極突出部2aと正極端子板13aとの電気的接続に正極側の金属粉末14aを用い、負極突出部3aと負極端子板13bとの電気的接続に負極側の金属粉末14bを用いたが、本発明の電池における正負極突出部と正負極端子板との電気的接続に関する具体的態様はこれに限定されない。例えば、正極、負極突出部の金属箔が外側を向くように折り曲げ、その金属箔の折り曲げ部を端子板に接触させる方法が挙げられる。
本発明は、上記の全固体電池の製造方法に関する。具体的には、以下の工程を含む。
工程(1):帯状の絶縁体の一方の表面に第1集電体を付着させ、絶縁体の他方の面に第2集電体を付着させて、集電複合体を得る。
工程(2):集電複合体の第1集電体の表面に、粉末状の第1活物質および固体電解質を含む第1合材層、粉末状の固体電解質を含む固体電解質層、および粉末状の第2活物質および固体電解質を含む第2合材層を、この順に形成して、積層体を得る。
工程(3):積層体を一対のロールの間に供給して、積層体を圧縮すると同時に、第2集電体が凸側および前記第2合材層が凹側になるように湾曲させる。
工程(4):積層体を、第2集電体が外周側および第2合材層が内周側になるように捲回して電極群を得る。
従来では、工程(2)で得られる第1合材層、固体電解質層、第2合材層は脆いため、このような層を捲回して電極群を構成すること自体困難であった。これに対して、本発明では、工程(3)および(4)の工程を実施することにより、上記の新規な捲回型電極群を備えた全固体電池を量産することができる。
工程(1)において、第1集電体と、第2集電体とを、両者の間に帯状の絶縁体を介在させて集電複合体として予め一体化させておくことで、工程(4)において、正極集電体と負極集電体との間に絶縁層を別途挿入する必要がなく、工程を簡素化できる。
工程(1)において、第1集電体と、第2集電体とを、両者の間に帯状の絶縁体を介在させて集電複合体として予め一体化させておくことで、工程(2)において、集電体の長手方向に生じる引っ張り応力に起因する集電体の破断の発生が抑制される。
また、集電複合体を用いることで、積層体を構成する際に、第1集電体に、第1合材層、固体電解質層、第2合材層を形成した後、第2集電体を重ね合わせる必要がなく、積層体の形成工程を簡素化できる。
工程(3)および(4)により、積層体の捲回時に、第1合材層、固体電解質層、第2合材層においてクラックが生じるのが抑制される。その結果、第1合材層、固体電解質層、第2合材層の一部が脱落して内部短絡を生じるのが抑制される。
また、工程(3)および(4)により、積層体の捲回時に、外周側に配置された第2集電体が破断し、内周側に配置された第1集電体が皺を生じるのが抑制される。
さらに、工程(4)では、第2集電体が外周側および第2合材層が内周側になるように積層体を捲回する。すなわち、第1合材層および第2合材層が集電複合体よりも内周側になるように積層体を捲回する。これにより、積層体の捲回時における積層体の長手方向に生じる引っ張り応力に起因する第1合材層および第2合材層におけるクラックの発生、ならびにクラックの発生に伴う活物質の脱落による内部短絡の発生が抑制される。
[工程(1)]
第1集電体および第2集電体を絶縁体へ付着させる方法としては、例えば、第1集電体および第2集電体の絶縁体への圧着や、第1集電体および第2集電体の絶縁体への接着剤等を用いた接着により密着させることが挙げられる。
第1集電体および第2集電体は金属箔が好ましい。絶縁体は、引張により伸び難い材料からなる芯材層と、その両面に配された、熱融着性を有する樹脂材料からなる表面層とを有する複合体が好ましい。工程(1)において、樹脂材料を熱融着させて、絶縁体を第1集電体および第2集電体と一体化させることができる。
積層体において第1突出部および第2突出部を形成する場合、工程(1)において第1集電体と第2集電体とを、絶縁体の幅方向において所定の寸法だけ、ずらして付着させればよい。
ここで、工程(1)の一例を、図3を参照しながら説明する。
熱融着性を有する樹脂フィルムからなる絶縁体1と、金属箔からなる正極集電体2と、金属箔からなる負極集電体3とが、正極集電体2と負極集電体3との間に絶縁体1が配置されるように、加熱された一対のロール16a、16bの間に供給される。このとき、正極集電体2および負極集電体3は、幅方向において少しずらして供給することにより、正極突出部2aおよび負極突出部3aが形成される。
加熱された一対のロールにより、絶縁体1、正極集電体2、および負極集電体3が圧縮されると同時に、樹脂フィルムが正極集電体および負極集電体に熱融着することで、正極集電体2と負極集電体3とを、絶縁体1を介して一体化させることができる。
[工程(2)]
工程(2)における各層は、例えば、静電法、すなわち静電塗装の原理を用いて形成することができる。
集電複合体の第1集電体の表面に、第1活物質と固体電解質との第1合材粉末を、当該粉末を帯電させた状態で、粒子搬送用の不活性ガスとともに吹き付けて、第1合材粉末層を形成する。これと同じ工程を、固体電解質の粉末および第2活物質と固体電解質との第2合材粉末に対しても行う。
ここで、工程(2)の一例を、図4を参照しながら説明する。
図4に示すように、集電複合体4が搬送される方向に沿って、正極合材の粉末を噴射するためのノズル17a、固体電解質の粉末を噴射するためのノズル18、負極合材の粉末を噴射するためのノズル17bが、この順に配置されている。正極合材の粉末は、正極活物質および固体電解質の混合粉末である。負極合材の粉末は、負極活物質および固体電解質の混合粉末である。各ノズルは、集電複合体4における正極集電体2側の表面に向けて各粉末が噴射されるよう設置されている。各ノズルは、不活性ガスとともに電荷を帯びた各粉末を噴射する。
正極集電体2に正極合材層5を形成する場合、正極集電体2上に正極合材層5を形成するためのマスク材を配置した後、正極合材の粉末をノズル17aから噴出させる。このとき、ノズル17a内において、高電圧が印加された針状電極近傍の空気がコロナ帯電する。ノズル17a内に供給された正極合材の粒子が、帯電した空気に接触すると、正極合材の粒子に電荷が移動し、正極合材の粒子が帯電する。帯電した正極合材の粒子は、ノズル17aより噴射されると、針状電極と正極集電体(ターゲットはアースされている)の間に形成される電界により発生する電気力線に沿って飛翔し、クーロン力により正極集電体2の表面に付着する。このようにして、正極集電体2の表面に正極合材の粉末が堆積し、正極合材層5を形成する。
正極集電体2および正極合材層5の積層体を次工程に移動させて、正極合材層5の表面に固体電解質層6を形成するためのマスク材を配置する。その後、帯電した固体電解質の粉末をノズル18から噴出させて、上記と同様の手法により、正極合材層5の表面に固体電解質層6を形成する。
次に、正極集電体2、正極合材層5、および固体電解質層6の積層体を次工程に移動させて、固体電解質6の表面に負極合材層7を形成するためのマスク材を配置する。その後、帯電した負極合材の粉末をノズル17bから噴出させて、上記と同様の手法により、固体電解質層6の表面に負極合材層7を形成する。
上述では、正極集電体2の表面に、正極合材層5、固体電解質6、負極合材層7の順で形成したが、逆に、負極集電体3の表面に、負極合材層7、固体電解質6、正極合材層5の順に形成してもよい。
上記の手法により、各種粒子を吹き付けることで、正極合材層5、固体電解質層6、および負極合材層7を、容易に形成することができる。
図4に示す簡素な工程で、集電複合体4の表面に、正極合材層5、固体電解質層6、および負極合材層7の3層を連続的に形成して、積層体8を一体物として得ることができる。
正極合材層の厚さは10〜30mg/cmであるのが好ましい。正極合材層の厚さが10mg/cm以上であると良好な正極容量が得られる。正極合材層の厚さが30mg/cm以下であると、良好なハイレート特性が得られるとともに、湾曲化や捲回によるクラックの発生を防止できる。
固体電解質層の厚さは10〜20mg/cmであるのが好ましい。固体電解質層の厚さが10mg/cm以上であると、正極合材層と負極合材層との間を十分に隔離でき、内部短絡の発生が抑制される。固体電解質層の厚さが20mg/cm以下であると、電池の内部抵抗を十分に低減できる程度に正極合材層と負極合材層との間の距離を設けることができるとともに、湾曲化や捲回によるクラックの発生を防止できる。
負極合材層の厚さは、例えば、(負極の電気容量)/(正極の電気容量)の値に基づいて決められる。(負極の電気容量)/(正極の電気容量)は、1〜1.4が好ましい。
正極合材については、必要に応じて、正極活物質および固体電解質以外の材料(例えば、導電材)を加えてもよい。負極合材については、必要に応じて、負極活物質および固体電解質以外の材料(例えば、導電材)を加えてもよい。
[工程(3)]
工程(3)において、積層体を一対のロールで圧縮することで、第1合材層、固体電解質層、および第2合材層の3層を強固に密着させることができる。圧縮により、第1および第2活物質や固体電解質の粒子同士の接触面積が増大し、各層のイオン伝導性を高めることができる。
工程(3)において、積層体を圧縮すると同時に、第2集電体が凸側および第2合材層が凹側になるように湾曲させることで、積層体の捲回時に、積層体が変形することで第1合材層、固体電解質層、および第2合材層にてクラックを生じたりそれに伴い内部短絡を生じたりするのを防ぐことができる。
略円柱形の電極群では、巻き始め部分は、巻き終わり部分よりも曲率半径が小さいので、電極群の巻き終わり部分を基準にして積層体の湾曲度合いを調整するのが好ましい。具体的には、湾曲させた積層体の曲率半径が、電極群の巻き終わり部分の曲率半径とほぼ同等かそれよりも若干大きいことが好ましく、ほぼ同等がより好ましい。これにより、積層体の捲回に伴い第1合材層および第2合材層にかかる応力を軽減することができる。
一対のロールを用いた圧縮および湾曲工程(3)における第1の好ましい態様としては、
一対のロールは、互いに半径が異なり、
積層体を、一対のロールのうち半径が大きいほうのロールが、第2集電体と接し、前記一対のロールのうち半径が小さいほうのロールが、第2合材層と接するように、一対のロールの間に供給して、積層体を圧縮すると同時に第2集電体が凸側および第2合材層が凹側になるように湾曲させる。
ここで、工程(3)の一例を、図5を参照しながら説明する。
互いに半径が異なる一対のロール19a、19bが用いられる。積層体8は、一対のロール19a、19bのうち半径が大きいほうのロール19aが、負極集電体3と接し、一対のロール19a、19bのうち半径が小さいほうのロール19bが、負極合材層7と接するように、一対のロール19a、19bの間に供給される。このとき、積層体8は、圧縮されると同時に、負極集電体3が凸側および負極合材層7が凹側になるように湾曲する。
積層体8の湾曲の度合いは、ロール19aの半径とロール19bの半径との比を変えることで調整することができる。積層体8(正極合材層または負極合材層)にせん断応力がかかると内部短絡の原因となるため、ロール19aおよびロール19bは、互いに同じ周速であるのが好ましい。図5に示す工程を繰り返し行い、工程毎にロール19aの半径とロール19bの半径との比を変えて、積層体を徐々に湾曲させてもよい。
一対のロールを用いた圧縮工程(3)における第2の好ましい態様としては、
さらに、一対のロールのいずれか一方のロールと対をなす第2のロールを備え、
積層体を、一対のロールのいずれか他方のロールおよび第2のロールが、第2集電体と接し、一対のロールのいずれか一方のロールが、第2合材層と接するように、一対のロールの間および一対のロールのいずれか一方と第2のロールとの間に供給して、積層体を圧縮すると同時に第2集電体が凸側および第2合材層が凹側になるように湾曲させる。
ここで、工程(3)の他の一例を、図6を参照しながら説明する。
一対のロール20a、20bに、さらにロール20bと対をなす第2のロール21が用いられる。ロール20a、20b、および21は、互いに半径が同じである。
積層体を、ロール20aおよび第2のロール21が、負極集電体3と接し、ロール20bが、負極合材層と接するように、ロール20aとロール20bとの間およびロール20bと第2のロール21との間に供給される。このとき、積層体8は、圧縮されると同時に、負極集電体3が凸側および負極合材層7が凹側になるように湾曲する。
積層体8の湾曲の度合いは、第2のロール21の積層体8との接触位置を変えることで調整することができる。積層体8(正極合材層または負極合材層)にせん断応力がかかると内部短絡の原因となるため、ロール20a、20b、および21は、互いに同じ周速であるのが好ましい。
図6では、ロール20a、20b、および21は、互いに同じ半径としたが、ロールに応じて半径を変えてもよい。例えば、ロール20bの半径を、ロール20a、21の半径よりも小さくしてもよい。図6に示す工程を繰り返し行い、工程毎にロール21の積層体8との接触位置を変えて、積層体8を徐々に湾曲させてもよい。
工程(4)では、上記で湾曲させた積層体を、第2集電体が外周側および第2合材層が内周側になるように芯材に巻き付ける。
予め圧縮工程において湾曲させた積層体を、湾曲形状の凹側が内周側となるように捲回することで、捲回時の積層体の変形に伴う第1合材層および第2合材層のクラックの発生およびそれに伴う内部短絡の発生を防ぐことができる。
本発明の全固体電池の製造方法は、電極群が第1突出部および第2突出部を含む場合、
さらに、電極群の一端面において、第1合材層、固体電解質層、および第2電極(第2集電体および第2合材層)の端部を被覆し、第1突出部を被覆しない第1絶縁被覆部を形成し、
電極群の他端面において、第2合材層、固体電解質層、および第1電極(第1集電体および第1合材層)の端部を被覆し、第2突出部を被覆しない第2絶縁被覆部を形成する工程を含むのが好ましい。
第1絶縁被覆部および第2絶縁被覆部により、電極群の両端面に位置する積層体の端部(第1合材層、固体電解質層、および第2合材層の端部)の強度を高めることができる。第1絶縁被覆部および第2絶縁被覆部の配置は、各種粉末材料を圧縮して形成された第1合材層、固体電解質層、および第2合材層に対して有効である。
第1絶縁被覆部および第2絶縁被覆部により、後述する工程(5)および(7)において第1金属粉末および第2金属粉末を、それぞれ第2電極および第1電極と接触させずに充填することができる。よって、第1金属粉末および第2金属粉末の充填により内部短絡が生じるのを防ぐことができる。また、電極群の端面に異物が混入した場合でも、異物の混入により内部短絡が生じるのを防ぐことができる。
上記の第1絶縁被覆層および第2絶縁被覆層は、例えば、積層体の集電複合体の第2集電体側の表面における第1および第2の所定領域に、絶縁材料を塗布した後、積層体を捲回することにより得られる。
第1の所定領域とは、積層体の捲回に伴い、絶縁材料により、電極群の一端面において、第1合材層、固体電解質層、および第2電極(第2集電体および第2合材層)の端部が被覆され、第1突出部が露出するように絶縁被覆部を形成可能な領域である。
第2の所定領域とは、積層体の捲回に伴い、絶縁材料により、電極群の他端面において、第2合材層、固体電解質層、および第1電極(第1集電体および第1合材層)の端部が被覆され、第2突出部が露出するように絶縁被覆部を形成可能な領域である。
絶縁材料に関しては、例えば、塗布による被覆を前提とすれば、使用時は液体であり、被覆した後、固体に変化する材料であることが必要である。この様な材料の例として、絶縁性のシーラントが挙げられる。シーラントは、良好な塗布性を有するとともに、第1所定領域および第2所定領域内に塗布可能な、適度な粘性を有するのが好ましい。
溶媒が蒸発して硬化するタイプのシーラントの場合、絶縁被覆部の構造上、蒸発面が少ないので、溶媒を蒸発させるのに時間を要する。上記のように溶媒を蒸発させる必要がなく、絶縁被覆部を速やかに形成できることから、シーラントには、化学反応で硬化する材料を用いるのが好ましい。このようなシーラントの固形成分としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シアノアクリレート系樹脂が挙げられる。化学反応で硬化する材料としては、所定の硬化剤を加えて硬化するタイプや自己反応により硬化するタイプが挙げられる。
工程(3)の一例を、図7および8を参照しながら説明する。
図7に示すように、積層体8が、負極集電体3が外周側および負極合材層7が内周側になるように芯材11に巻き付けられる。積層体8の巻き付けは、ロール22および23により圧縮しながら行われる。積層体8の巻き始めの端部は、芯材11に固定されている。積層体8の端部の芯材11への固定は、例えば、芯材11に設けられた溝部に、積層体8の端部を挟み込むことが挙げられる。
ロール22とロール23との間における積層体の圧縮度合いを一定にするため、積層体の巻き付けに伴いロール22とロール23との間の距離を変化させる。
図8に示すように、芯材11に巻き付けられた積層体8は、その外周側の表面が積層体8で覆われる前に、ノズル24にて絶縁材料25a、25bが、積層体8の集電複合体4の負極集電体3側の表面における所定領域に塗布される。より具体的には、積層体8の外周側の表面を覆う積層体8における内周側の表面において正極合材層5、固体電解質層6、および負極合材層7が積層する部分の周縁部と対向する部分に塗布される。
上記の所定領域とは、電極群9の構成時に、電極群9の一端面において、正極合材層5、固体電解質層6、および負極(負極合材層7および負極集電体3)の端部が被覆され、正極突出部2aが露出する部分に絶縁被覆層10aを形成可能な領域(第1の所定領域)である。電極群9の他端面において、負極合材層、固体電解質層、および正極(正極合材層5および正極集電体2)の端部が被覆され、負極突出部2bが露出する部分に絶縁被覆層10bを形成可能な領域(第2の所定領域)である。
さらに積層体8が巻き付けられて、積層体8の外周側の表面が、積層体8で覆われると、絶縁材料25a、25bが積層体8の内周側の表面において正極合材層5、固体電解質層6、および負極合材層7が積層する部分の周縁部に付着する。
すなわち、図8に示すように、第1の所定領域に塗布された絶縁材料25aにより、電極群9の一端面において、正極合材層5、固体電解質層6、および負極(負極合材層7および負極集電体3)の端部を被覆し、正極突出部2aを被覆しない第1絶縁被覆部10aが形成される。第2の所定領域に塗布された絶縁材料25bにより、電極群9の他端面において、負極合材層7、固体電解質層6、および正極(正極合材層5および正極集電体2)の端部を被覆し、負極突出部3aを被覆しない第2絶縁被覆部10bが形成される。
芯材、第1突出部、第2突出部、第1絶縁被覆部、および第2絶縁被覆部を含む上記の電極群を用いる場合、本発明の全固体電池の製造方法は、さらに以下の工程(5)〜(8)を含む。
工程(5):絶縁性を有する円筒状の容器内に、電極群を、上記の容器の内側面に電極群の側面を密着させて収納する。
工程(6):上記の容器内における電極群の第1突出部側の端面上に第1金属粉末を充填する。
工程(7):上記の容器内に充填された第1金属粉末の上に第1端子板を配置した後、上記の容器における電極群の第1突出部側の開口部を第1端子板で覆う。
工程(8):上記の容器内における電極群の第2突出部側の端面上に第2金属粉末を充填する。
工程(9):上記の容器内に充填された第2金属粉末の上に第2端子板を配置した後、上記の容器における電極群の第2突出部側の開口部を第2端子板で覆う。
工程(5)において電極群は容器の内側面に密着して配置されるため、工程(6)および(8)で充填された第1金属粉末および第2金属粉末が容器と電極群との間に入り込むことはない。
電極群を構成する積層体は一体物であり、電極群の軸心部に芯材が配され、電極群の両端面に絶縁被覆部が形成されているため、工程(6)および(8)で充填された第1金属粉末および第2金属粉末が電極群内に入り込むことがない。
工程(6)の第1金属粉末の充填により、第1突出部と、工程(7)で用いられる第1端子板との間の電気的接続を容易に行うことができる。工程(8)の第2金属粉末の充填により、第2突出部と工程(9)で用いられる第2端子板との間の電気的接続を容易に行うことができる。これにより、電極と端子板との間にリードを配置する必要がなく、リードの配線および溶接等が不要であり、電池の製造工程を簡素化できる。
電池の内部抵抗を低減するためには、工程(6)および(8)において、第1金属粉末および第2金属粉末は、それぞれタッピングや超音波により密に充填されるのが好ましい。
以下、図2に示す電極群9を備える電池10の作製工程の一例(工程(5)〜(9)の一例)を以下に示す。
工程(5):絶縁性の円筒状容器12内に、電極群9を、容器12の内側面に電極群9の側面を密着させて収納する。
工程(6):容器12内における電極群9の正極突出部2a側の端面上に正極側の金属粉末14aを充填する。
工程(7):容器12内に充填された正極側の金属粉末14aの上に正極端子板13aを配置した後、容器12における電極群9の正極突出部2a側の開口部を、ガスケット15を介して正極端子板13aで覆う。
工程(8):容器12内における電極群9の負極突出部3a側の端面上に負極側の金属粉末14bを充填する。
工程(9):容器12内に充填された負極側の金属粉末14bの上に負極端子板13bを配置した後、容器12における電極群9の負極突出部3a側の開口部を、ガスケット15を介して負極端子板13bで覆う。
1 絶縁体
2 正極集電体
3 負極集電体
4 集電複合体
5 正極合材層
6 固体電解質層
7 負極合材層
8 積層体
9 電極群
10 全固体電池
10a 第1絶縁被覆部
10b 第2絶縁被覆部
11 芯材
12 円筒状容器
13a 正極端子板
13b 負極端子板
14a 正極側の金属粉末
14b 負極側の金属粉末
15 ガスケット

Claims (1)

  1. 帯状の絶縁体、前記絶縁体の一方の表面に付着した第1集電体、および前記絶縁体の他方の面に付着した第2集電体を有する集電複合体と、
    前記集電複合体の第1集電体の表面に形成され、圧縮された粉末状の第1活物質および固体電解質を含む第1合材層と、
    前記第1合材層の表面に形成され、圧縮された粉末状の固体電解質を含む固体電解質層と、
    前記固体電解質層の表面に形成され、圧縮された粉末状の第2活物質および固体電解質を含む第2合材層と、
    の積層体を、前記第2集電体が外周側および前記第2合材層が内周側になるように捲回してなる電極群を備え
    前記第1集電体の一端部が、前記電極群の一端面において、前記第1合材層、前記固体電解質層、前記第2集電体、および前記第2合材層の端部よりも突出する第1突出部を有し、
    前記第2集電体の一端部が、前記電極群の他端面において、前記第2合材層、前記固体電解質層、前記第1集電体、および前記第1合材層の端部よりも突出する第2突出部を有し、
    前記電極群は前記積層体を巻き付ける芯材を有し、
    前記電極群は、その一端面において、前記第1合材層、前記固体電解質層、前記第2集電体、および前記第2合材層の端部を被覆する第1絶縁被覆部を有し、
    前記第1突出部は、前記第1絶縁被覆部より露出し、
    前記電極群は、その他端面において、前記第2合材層、前記固体電解質層、前記第1集電体、および前記第1合材層の端部を被覆する第2絶縁被覆部を有し、
    前記第2突出部は、前記第2絶縁被覆部より露出する全固体電池。
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