JP2002163670A - 複合現実感提示装置及びその制御方法 - Google Patents

複合現実感提示装置及びその制御方法

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JP2002163670A JP2000358002A JP2000358002A JP2002163670A JP 2002163670 A JP2002163670 A JP 2002163670A JP 2000358002 A JP2000358002 A JP 2000358002A JP 2000358002 A JP2000358002 A JP 2000358002A JP 2002163670 A JP2002163670 A JP 2002163670A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 仮想物体が重畳表示される現実空間の色調、
明るさ、照明条件等に応じて、表示する仮想物体に適切
な表示が可能な複合現実感提示装置及びその制御方法を
提供すること。 【解決手段】 観察者の目に映る現実画像の色調に基づ
いて仮想情報の表示色と位置、ならびに照明設定を調整
する表示設定調整手段106を設け、仮想のテキスト情
報及び仮想のワイヤーフレーム情報については現実空間
画像との色調差が大きくなるように色設定し、3次元仮
想物体については現実空間に存在する物体と融合するよ
うな色調で描画されるよう描画時に用いる照明色を設定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合現実感提示装
置及びその制御方法に関し、特に、色調や明るさの変化
が大きな現実空間に仮想空間画像を重畳して複合現実感
を提示する複合現実感提示装置及びその制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年は、複合現実感(Mixed Reality; M
R)を利用したシステムやマンマシンインタフェースが
提案されている。MRとは、コンピュータによって生成
した仮想空間と、観察者が直接視認、もしくは観察者の
視点近傍で撮影した現実空間とを融合して観察者に提示
することにより、両空間の情報を相互に補完・増強する
技術である。
【0003】MRを利用したシステム(MRシステム)
の中でも、仮想物体としてのテキスト、ワイヤーフレー
ムのような付加情報やCG(Computer Graphics)物体
を現実空間に重畳表示するシステムが注目されており、
観察者に対する情報提示や視覚的なシミュレーションに
応用されている。
【0004】このようなMRシステムを屋外で実現する
ための研究も行われており、その1つが、文献「Steven
Feiner, Blair MacIntre, Tobias Hollerer, and Anth
onyWebster.: A Touring Machine: Prototyping 3D Mob
ile Augmented Reality Systems for Exploring the Ur
ban Environment, Personal Technologies, vol. 1,no.
4, PP. 208-217, 1997」に開示されている。
【0005】この文献で開示されるMRシステムは観察
者に大学構内の案内を行うシステムであり、GPS(Gl
obal Positioning System)・傾斜計・地磁気センサに
よって得られた観察者の視点位置・姿勢情報に基づいて
生成された案内情報(校舎名等)を、観察者が装着した
光学シースルー型HMD(Head Mounted Display; 頭部
装着型ディスプレイ)に表示する。この結果、観察者は
例えば現実空間に存在する校舎と、ディスプレイ上で位
置合わせされて表示される校舎名とを同時に視認するこ
とができ、構内を歩きながらリアルタイムに案内を受け
ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特に屋
外でMRシステムを利用する場合には、屋内利用と大き
く環境が異なる上、その変化の度合いも大きいため、特
有の問題が存在する。すなわち、屋外は屋内に比べて一
般に周辺環境が明るいため、仮想物体、特にテキスト情
報やワイヤーフレーム情報等線の細い物体は、背景とな
る現実物体との色調差が小さいと、観察者に視認されに
くい。
【0007】加えて、観察者の移動により観察者が視認
する現実空間の色調、明るさ、照明条件が変化する上、
変化の幅も非常に大きいため、予め色調差が大きくなる
ように表示色を決めておくことは難しい。さらに、観察
者が移動しなくても、日時や天候によっても現実空間の
色調、明るさ、照明条件が変わるので、同じ問題が発生
する。
【0008】同様に、十分幅のある建物等のCG物体を
現実空間に存在するかのように表示する場合も、屋外で
利用する場合には、背景となる現実空間との色調が大き
く異なっていると、仮想のCG物体が画質的に現実空間
と融合せずに、観察者に違和感を与えるという問題があ
る。
【0009】このような、現実空間の色調、明るさによ
って、仮想物体の視認性が悪化したり、観察者に違和感
を与えたりする問題は、MRシステムを屋外利用する場
合に特に顕著であるが屋内でMRシステムを利用する場
合でも、例えば外光の影響による照明条件の変化などに
よって生じうる。
【0010】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、その目的は、仮想物体が重
畳表示される現実空間の色調、明るさ、照明条件等に応
じて、表示する仮想物体に適切な表示が可能な複合現実
感提示装置及びその制御方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、仮想物体画像で構成される仮想空間画像を観察者が
視認する現実空間もしくはその画像に重畳して観察者に
提示することにより観察者に複合現実感を提示する複合
現実感提示装置であって、現実空間もしくはその画像中
の所定領域の色調を検出する色調検出手段と、色調検出
手段の検出結果および重畳表示する仮想物体画像の種類
もしくはその表示目的に基づいて、仮想物体画像の色調
を決定する色調決定手段と、色調決定手段の決定結果に
基づいて仮想物体画像で構成される仮想空間画像を生成
する仮想空間画像生成手段と、仮想空間画像生成手段が
生成した仮想空間画像を現実空間もしくはその画像に重
畳して観察者に提示する提示手段とを有することを特徴
とする複合現実感提示装置に存する。
【0012】また、本発明の別の要旨は、仮想物体画像
で構成される仮想空間画像を観察者が視認する現実空間
もしくはその画像に重畳して観察者に提示することによ
り観察者に複合現実感を提示する複合現実感提示装置の
制御方法であって、現実空間もしくはその画像中の所定
領域の色調を検出する色調検出ステップと、色調検出ス
テップの検出結果および重畳表示する仮想物体画像の種
類もしくはその表示目的に基づいて、仮想物体画像の色
調を決定する色調決定ステップと、色調決定ステップの
決定結果に基づいて仮想物体画像で構成される仮想空間
画像を生成する仮想空間画像生成ステップと、仮想空間
画像生成ステップが生成した仮想空間画像を現実空間も
しくはその画像に重畳して観察者に提示する提示ステッ
プとを有することを特徴とする複合現実感提示装置の制
御方法に存する。
【0013】また、本発明の別の要旨は、仮想物体画像
で構成される仮想空間画像を観察者が視認する現実空間
もしくはその画像に重畳して観察者に提示することによ
り観察者に複合現実感を提示する複合現実感提示装置の
制御プログラムを格納したコンピュータ装置読み取り可
能な記憶媒体であって、プログラムが、現実空間もしく
はその画像中の所定領域の色調を検出する色調検出工程
のプログラムと、色調検出工程のプログラムの検出結果
および重畳表示する仮想物体画像の種類もしくはその表
示目的に基づいて、仮想物体画像の色調を決定する色調
決定工程のプログラムと、色調決定工程のプログラムの
決定結果に基づいて仮想物体画像から構成される仮想空
間画像を生成する仮想空間画像生成工程のプログラム
と、仮想空間画像生成工程のプログラムが生成した仮想
空間画像を現実空間もしくはその画像に重畳して観察者
に提示する提示工程のプログラムとを有することを特徴
とする記憶媒体に存する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明をそ
の好ましい実施形態に基づいて説明する。図1は、本発
明の実施形態に係る複合現実感提示装置の構成例を示す
ブロック図である。図1において、複合現実感提示装置
100は、観察者の視点位置を検出する視点位置検出部
101と、観察者の視点姿勢を検出する視点姿勢検出部
102と、仮想空間の作成に必要な情報を蓄積した情報
蓄積部103と、上記視点位置検出部101から観察者
の視点位置、および上記視点姿勢検出部102から観察
者の視点姿勢、および上記情報蓄積部103から仮想空
間の作成に必要な情報を受け取って仮想物体画像で構成
される仮想空間画像を作成する仮想画像作成部104
と、観察者の目に映る現実世界の画像を取り込む現実画
像取り込み部105と、仮想画像作成部104で作成し
た仮想空間画像および現実画像取り込み部105で取り
込んだ現実画像に基づいて仮想物体画像の表示色と位
置、ならびに照明設定を調整する表示設定調整部106
と、仮想空間画像を描画し仮想空間画像と現実画像とを
合成する画像合成部107と、画像合成部107で描
画、もしくは、合成された画像を観察者に提示する画像
表示部108とを有する。
【0015】なお、図1においては、画像表示部108
として、ビデオシースルー方式(仮想空間と現実空間を
装置内で融合する方式)のHMDと、光学シースルー方
式(装置で作成した画像と現実空間の画像を観察者の網
膜上で融合させる方式)のHMDの両方に対応した構成
を記載しているが、使用するHMDの種類によっていず
れか一方の方式にのみ対応可能な構成としても良い。
【0016】また、図1における仮想画像作成部10
4、表示設定調整部106及び画像合成部107は、専
用のハードウェアを用いて実現しても、汎用のマイクロ
プロセッサにプログラムを実行させることによって実現
しても良い。また、観察者の視点位置及び姿勢を、1つ
の検出部(センサ)によって検出することも可能であ
る。
【0017】図2は、図1に示した本実施形態の複合現
実感提示装置100を屋外で実現する場合の具体的な構
成例を示す図である。即ち、観察者の視点の位置を検出
する視点位置検出部101としてGPS11を、観察者
の視点の姿勢を検出する視点姿勢検出部102としてジ
ャイロセンサ12を、観察者の目に映る現実世界の画像
を取り込む現実画像取り込み部105としてCCDビデ
オカメラ13を、画像表示部108としてHMD15を
用い、情報蓄積部103、仮想画像作成部104、表示
設定調整部106及び画像合成部107としてパーソナ
ルコンピューター(PC)14を用いる。仮想画像作成
部104、表示設定調整部106及び画像合成部107
の一部もしくは全部をハードウェアで実現する場合に
は、そのハードウェアを搭載したボードをPC14が有
するPCIバス等のバスに挿入して用いる。また、情報
蓄積部103としては、ハードディスク、CD−ROM
等、コンピュータ機器において記憶装置として用いられ
る機器で実現される。
【0018】もちろん、GPS11やジャイロセンサ1
2の代わりに、同様の機能を有する他のセンサ、装置を
用いても良く、また設置位置も図2に示す位置に限定さ
れるものではない。
【0019】図1に戻って、視点位置検出部101は、
磁気センサやGPSといった位置計測センサもしくは装
置(位置計測機器)を備えている。これらの位置計測機
器を観察者の視点に設置することはできないので、これ
ら位置計測機器の出力は観察者の視点位置に一致しな
い。従って、視点位置検出部101は位置計測機器の出
力を補正することによって観察者の視点位置を算出して
から仮想画像作成部104に出力する。
【0020】例えば、図2に示すように、位置計測機器
としてのGPS11を観察者との距離が一定に保たれる
ように固定すると、位置計測機器と観察者の視点の位置
関係はほぼ一定に保たれるので、位置計測機器の出力結
果に固定の変換式を適用することにより、観察者の視点
位置を算出することができる。もちろん、図2に示すよ
うに背中にGPS11を固定した場合、頭の動きにGP
Sは追従できないため、若干の誤差は生じるが、頭部の
移動可能範囲は大きくないので問題とならない。ただ
し、図2のジャイロセンサ12のように、観察者の頭部
に固定できればより正確な視点位置算出が可能になる。
【0021】また、現実画像を取り込み部105で撮影
した画像中のランドマーク(絶対位置が分かっている物
体もしくはその特徴点)位置を検出して、位置計測機器
の出力結果を更に補正することも可能である。
【0022】即ち、現実空間に存在するランドマーク
の、撮影画像上の位置を認識し、位置計測機器の出力結
果から計算されるランドマークの位置との差が無くなる
ように位置計測機器の出力を補正する。また、このよう
な画像処理のみによって観察者の視点位置を算出するこ
ともできる。その他、観察者の視点位置を獲得する機構
ならば、何を有していてもよい。
【0023】視点姿勢検出部102は、地磁気センサや
ジャイロセンサといった姿勢計測センサもしくは装置
(姿勢計測機器)を備えている。位置計測機器と同様、
これらの姿勢計測機器を観察者の視点に設置することは
できないので、これら姿勢計測機器の出力は観察者の視
点姿勢に一致しない。従って、視点姿勢検出部102は
姿勢計測機器の出力を補正することによって観察者の視
点姿勢を算出してから仮想画像作成部104に出力す
る。
【0024】例えば、図2に示すように、姿勢計測機器
としてのジャイロセンサ12を観察者の頭部に固定する
と、姿勢計測機器と観察者の視点の姿勢関係は一定に保
たれるので、姿勢計測機器の出力結果に固定の変換式を
適用することにより、観察者の視点姿勢を算出すること
ができる。
【0025】また、現実画像を取り込み部105で撮影
した画像中のランドマーク(絶対姿勢が分かっている物
体もしくはその特徴点)位置を検出して、姿勢計測機器
の出力結果を更に補正することも可能である。
【0026】即ち、現実空間に存在するランドマーク
の、撮影画像上の位置を認識し、姿勢計測機器の出力結
果から計算されるランドマークの位置との差が無くなる
ように姿勢計測機器の出力を補正する。また、このよう
な画像処理のみによって観察者の視点姿勢を算出するこ
ともできる。その他、観察者の視点姿勢を獲得する機構
ならば何を有していてもよい。
【0027】情報蓄積部103は、上述のようにハード
ディスクやCD−ROM等記憶装置もしくは記憶媒体で
あり、仮想空間を構築する際に必要となる仮想情報と、
仮想空間と現実空間を正しく融合するために必要な現実
情報と、仮想空間画像の作成に必要な画像情報とを記憶
する。
【0028】仮想情報には、観察者に提示するテキスト
の文字情報や、観察者の視界に存在する物体の輪郭を強
調するためのワイヤーフレームの線種情報や、仮想空間
に配置する仮想物体の位置、姿勢、形状情報等が含まれ
る。
【0029】また、現実情報には、仮想空間と融合され
る現実空間に存在する物体(現実物体)の位置、姿勢、
形状情報等が含まれる。画像情報には、観察者が視認す
る現実空間に正しく仮想空間画像が位置合わせされて重
畳表示されるために必要な、画像表示部108の画角や
焦点距離といったカメラパラメータが含まれる。
【0030】これら情報は固定の情報に限定されるもの
ではなく、例えば実画像取り込み部105で取得した現
実空間画像を元に、現実情報をリアルタイムに変更する
ように構成することも可能である。このように、情報蓄
積部に記憶された情報の書き換えが行われる場合には、
情報蓄積部103に書き換え可能な記憶装置もしくは記
憶媒体を用いる必要があることは言うまでもない。
【0031】仮想画像作成部104は、上述のように汎
用のマイクロプロセッサでプログラムを実行するか、専
用のハードウェアを用いて実現される。もちろん仮想画
像作成部104の一部の処理の_ンを専用ハードウェアで
実施し、残りの処理をソフトウェアによって実現するよ
うに構成することもできる。
【0032】仮想画像作成部104は、情報蓄積部10
3に記憶された仮想情報及び現実情報を用いて仮想空間
を構築する。この時、仮想空間と現実空間の隠蔽関係
(仮想物体と現実物体の前後関係)が正しく表現される
ように、仮想空間内に現実物体を透明のCG(ここで、
透明とは観察者に見えないという意味であり、この透明
のCGで隠される仮想物体の部分は描画されない)とし
て表現する。その後、視点位置検出部101から送られ
る観察者の視点位置と、視点姿勢検出部102から送ら
れる観察者の視点姿勢に基づいて、仮想空間内に観察者
の視点を設定し、その視点から見える仮想空間画像を作
成する(この時点ではまた表示調整が済んでいないため
描画はしない)。
【0033】現実画像取り込み部105は一つないし二
つのカメラ等の画像取り込み機器を持ち、図2に示した
ように表示設定調整部106及び画像合成部107がP
C14で実現される場合には、PC14に設けられたカ
メラインタフェース(ビデオ入力インタフェース、US
B、IEEE1394等)を介して観察者の目に映る現
実空間の画像を取り込む。
【0034】表示設定調整部106は仮想画像作成部1
04と同様、汎用のマイクロプロセッサでプログラムを
実行するか、専用のハードウェアを用いて実現される。
もちろん表示設定調整部106の一部の処理のみを専用
ハードウェアで実施し、残りの処理をソフトウェアによ
って実現するように構成することもできる。表示設定調
整部106は、現実画像取り込み部105から取り込ん
だ現実画像の色調を解析し、その解析結果に基づいて仮
想画像作成部104から送られる仮想情報の描画設定
(描画パラメータ)を調整する。表示設定調整部106
の動作については後で詳細に説明する。
【0035】画像合成部107も表示設定調整部106
と同様、汎用のマイクロプロセッサでプログラムを実行
するか、専用のハードウェアを用いて実現される。もち
ろん画像合成部107の一部の処理のみを専用ハードウ
ェアで実施し、残りの処理をソフトウェアによって実現
するように構成することもできる。
【0036】画像合成部107は、表示設定調整部10
6で調整した描画設定に基づいて、仮想画像作成部10
4で作成した仮想空間画像を描画する。画像合成部10
7は画像表示部108がビデオシースルー方式である場
合には、描画する仮想空間画像の背景に現実画像取り込
み部105で取り込んだ現実画像と、仮想空間画像とを
合成して出力する。
【0037】一方、画像表示部108が光学シースルー
方式の場合は、画像表示部108がビデオシースルー方
式であった場合に現実画像となる部分を黒く描画して、
画像表示部108に表示した際に仮想空間画像のみが描
画され、現実空間は画像表示部108を透して観察者が
視認できるようにする。
【0038】画像表示部108は、HMDやコンピュー
タディスプレイ等の画像表示機器によって構成され、画
像を観察者の眼前に表示する。仮想画像と現実画像を重
ね合わせる手法としては、ビデオシースルー方式、光学
シースルー方式のどちらでもよい。ビデオシースルー方
式の場合は、現実画像取り込み部105で取り込んだ現
実画像と、描画した仮想空間画像の合成画像を画像表示
部108に表示する。光学シースルー方式の場合、画像
表示部108は、自由曲面プリズム等により仮想空間画
像をハーフミラー上に投射し、画像表示部108を透し
て観察者が現実空間を視認できるようにし、現実空間と
画像合成部107で描画された仮想空間画像とが、観察
者の網膜上で重ね合わさるようにする。
【0039】(全体処理)次に、図1の複合現実感提示
装置100における処理動作の全体について、図3のフ
ローチャートを参照しながら説明する。図3に示す処理
は、複合現実感提示装置100が起動されるとスタート
する。
【0040】まず、ステップS100において、視点位
置検出部101が観察者の視点位置を検出し、仮想画像
作成部104に送る。
【0041】ステップS200において、視点姿勢検出
部102が観察者の視点姿勢を検出し、仮想画像作成部
104に送る。なお、ステップS100及びステップS
200は時系列的に記載されているが、図1に示すよう
に視点位置検出部101及び視点姿勢検出部102が別
個に設けられ、かつ並行して動作可能である場合には、
ステップS100及びステップS200の処理が同時に
行われてもよい。
【0042】ステップS300において、仮想画像作成
部104は、受信した視点位置情報及び視点姿勢情報か
ら、対応する情報蓄積部103に記憶された仮想情報、
現実情報および画像情報を読み出す。
【0043】ステップS400において、仮想画像作成
部104は仮想情報と現実情報に基づいて、現実空間に
重ね合わせる仮想空間を構築し、視点位置・視点姿勢・
画像情報に基づいて、観察者に提示する仮想空間画像を
作成する。前述したように、この時点で作成される仮想
空間画像は描画前の仮想空間画像であり、照明が未設定
な3次元仮想物体の作成、色が未設定な3次元ワイヤー
フレームの作成、後述する仮想のテキスト情報の表示内
容決定及び表示位置仮決定に相当する。
【0044】ステップS500において、現実画像取り
込み部105によって、現実空間の画像を取り込む。ス
テップS600において、表示設定調節部106は、現
実画像取り込み部105が取り込んだ現実画像の色調を
算出する。ステップS700において、表示設定調節部
106は、現実画像の色調に基づいて、仮想物体の表示
色、表示位置および仮想物体を描画する際に用いる照明
(光源)の設定(位置、角度等)を行う。
【0045】ステップS800において、画像合成部1
07は、表示設定調節部106で行った設定に従って、
仮想物体を描画し、仮想物体画像で構成される仮想空間
画像を生成する。そして、上述したように、画像表_ヲ部
108がビデオシースルー方式の場合には、現実空間画
像との合成も行う。画像表示部108が光学シースルー
方式の場合には、ビデオシースルー方式での合成画像中
現実空間画像となる部分を黒く描画する。ステップS9
00において、画像表示部108に、画像合成部107
で描画(および合成した)画像を表示する。
【0046】ステップS1000において、複合現実感
提示装置100の動作を終了するよう指示があれば処理
を終了し、終了指示がなければステップS100に戻っ
て処理を繰り返す。動作の終了指示は、例えば観察者が
所定のボタンを押下する等によって行うことが可能であ
る。また、バッテリーの電圧が所定値より低下した場合
も同様に処理を終了させても良い。
【0047】(仮想のテキスト情報に対する色調検出及
び調整処理)次に、図3のステップS600およびステ
ップS700において、表示設定調整部106が現実画
像の色調を算出し、仮想物体の表示色およびテキスト情
報の表示色及び/又は表示位置の設定を行う処理につい
て、図4のフローチャートを参照しながら説明する。
【0048】なお、例えば前述の構内案内システム等に
おいて建物の名前を現実空間に重畳して表示する場合、
表示される建造物名称は仮想空間に表示される仮想物体
であるが、一方では単なるテキスト情報であり、例えば
仮想の机や椅子等の3次元仮想物体とはその性質を異に
する。従って、以下の説明においては、仮想空間に表示
されるテキスト情報については「仮想のテキスト情報」
として、3次元仮想物体と区別して説明する。
【0049】本実施形態において、仮想のテキスト情報
に関する色調検出及び調整処理には、色調変更を行う設
定と行わない設定があるが、まず、色調変更を行う設定
の場合を説明する。まず、ステップS610において、
表示設定調整部106は、現実画像取り込み部105が
取り込んだ現実空間画像を構成する各画素の色調を検出
する。以下の説明においては、色調を表すデータとして
は、例えば(R、G、B、α)の値を用いる場合を説明
するが、色調を表す値であれば他の形式であってもよ
い。
【0050】ステップS710において、表示設定調節
部106は、仮想画像生成部104で作成した仮想画像
と、現実画像取り込み部105で取り込んだ現実画像を
照らし合わせ、ステップS400で仮決定した仮想のテ
キスト情報の表示位置に表示した際にその背景となる部
分、すなわちテキスト情報を囲むバウンダリーボックス
領域の平均色調を算出する。本実施形態において、バウ
ンダリーボックス領域の決定方法は任意であるが、例え
ば仮想のテキスト情報を囲む最小の長方形とすることが
できる。
【0051】ステップS720において、表示設定調節
部106は、ステップS710で算出したバウンダリー
ボックス領域内の平均色調と色調差のある色調を求め
る。色調差の程度や色調の求め方はどのようなものでも
良いが、予め平均色調に対して視認性に優れる色調を計
算もしくは実際に確認しながら求め、ルックアップテー
ブルとして記憶しておくか、その都度所定の算出式によ
り求める方法が最も簡単である。
【0052】ルックアップテーブルは、例えばある色調
(R,G,B,α)を入力すると、その色調と色調差の
ある色調(R’,G’,B’,α’)が得られる対応表
である。また、算出式は、例えば行列式X(R,G,
B,α)=(R’,G’,B’,α’)といったもので
ある。
【0053】具体的には、各画素のR,G,Bがそれぞ
れ256階調ある場合、R’=255−R、G’=25
5−G、B’=255−Bとすれば、(R、G、B)の
補色が(R’,G’,B’)として求められる。ステッ
プS730において、表示設定調節部106は、ステッ
プS720で算出した色調で仮想のテキスト情報を描画
する設定を行う。
【0054】次に、色調変更を行わない場合について、
図5にしめすフローチャートを用いて説明する。なお、
図5において先に説明した図4と同じ処理には同じステ
ップ番号を付し、重複する説明は省略する。
【0055】色調変更を行うか、行わないかは、装置の
初期設定等によって任意に設定することができる。色調
変更を行わない場合には、予め仮想のテキスト情報毎、
もしくは一括して、あるいはその表示内容に応じて表示
色調を設定することが可能である。例えば、商店街など
の案内に本実施形態の装置を用いる場合、店舗の種類ご
とに仮想のテキスト情報の表示色調を替えて設定すれ
ば、テキスト情報の色によって観察者が所望の店を容易
に探すことが可能になる。
【0056】図5において、ステップS610〜ステッ
プS720までの処理は図4と同一である。しかし、色
調変更を行わない設定がなされている場合には、ステッ
プS720でバウンダリーボックス領域の平均色調と差
のある色調が判定されても、判定された色調での表示は
行わず、予めその仮想のテキストに設定された表示色調
と比較を行う(ステップS740)。尚、ここで行う比
較とは、たとえば各色調成分の差の二乗和を算出するこ
とでよい。
【0057】この比較の結果、予め設定された表示色調
と、ステップS720で判定された好ましい表示色調と
の差が予め定めた値以上であるかどうかを調べ(ステッ
プS750)、そうであればステップS760へ移行す
る。
【0058】一方、予め設定された表示色調と、ステッ
プS720で判定された好ましい表示色調との差が予め
定めた値未満であればステップS795へ移行し、予め
設定された表示色調で表示を行うよう設定してステップ
S800へ進む。
【0059】ステップS750において、色調の差が予
め定めた値以上である場合、予め設定された表示色調で
表示すると、バウンダリーボックス領域内の実空間画像
(もしくは実空間)と色調差が十分でなく、視認性が悪
いおそれがある。従って、仮想のテキスト情報の表示位
置を移動することによって、視認性が向上するかどうか
を調べる。
【0060】すなわち、ステップS760で、移動処理
の回数をカウントする変数iを1インクリメントし、i
が所定回数n以下であれば表示位置の移動を行う(ステ
ップS770、S780)。このとき、表示位置の移動
方向はランダムとしてもよいし、決められた一定方向で
もよいし、一定のアルゴリズムに従って決定してもよ
い。
【0061】一定のアルゴリズムに従って方向を決定す
る方法の例としては、バウンダリーボックス内画素の色
調を検出し、バウンダリーボックス領域の中心から、予
め設定された表示色調と最も色調差が大きい画素への方
向を移動方向とする方法が挙げられる。1回に移動する
距離は任意に設定可能であるが、一度に大きく移動する
と他の仮想のテキスト情報の表示に干渉するおそれがあ
る上、本来指し示すはずの現実物体との対応が不明確に
なるおそれがある。また、移動が少なすぎると移動によ
る効果が現れにくいので、バウンダリーボックス領域の
大きさ等を勘案して定める。
【0062】ステップS780で表示位置の移動を行
い、再びステップS710〜S750の処理を繰り返
す。そして、n回の移動処理の中で、ステップS720
で判定された色調との差が所定値未満となった場合に
は、ステップS795に移行し、予め設定された表示色
調で表示を行う。
【0063】しかしながら、n回の移動処理を行って
も、ステップS720で判定された色調との差が所定値
未満とならない場合には、仮想のテキスト情報の表示位
置を移動処理開始前の初期位置に戻し、背景描画設定を
行った(ステップS790)後、ステップS795へ移
行する。
【0064】背景描画設定とは、仮想のテキスト情報を
囲むバウンダリーボックス領域を、表示する仮想のテキ
スト情報に予め設定された表示色調と差のある色調によ
って塗り潰す設定である。塗りつぶす色は例えば予め設
定された表示色調の補色でも良いが、ステップS720
で算出した色調で塗りつぶすように設定するのが最も容
易である。
【0065】(仮想のワイヤーフレーム情報に対する色
調検出及び調整処理)図4及び図5を用いて仮想のテキ
スト情報に対する色調検出及び調整処理を説明したが、
次に、仮想のワイヤーフレーム情報についての色調検出
及び調整処理について説明する。
【0066】仮想のワイヤーフレーム情報は、現実空間
に存在する物体(例えばビルなど)の輪郭に重畳して表
示することにより、特定の物体を強調表示する際に用い
られる。仮想のワイヤーフレーム情報は3次元物体の輪
郭を表すため、仮想のテキスト情報と異なるが、ワイヤ
ーフレームであるため、仮想のテキスト情報同様全体が
同一色調で表示される。
【0067】図3のステップS600およびステップS
700において、表示設定調整部106が現実画像の色
調を算出し、仮想のワイヤーフレーム情報の表示色設定
を行う処理動作について、図6のフローチャートを参照
しながら説明する。ステップS620において、表示設
定調節部106は、現実画像取り込み部105が取り込
んだ現実画像の各画素の色調の平均値を算出し、それを
画像全体の平均色調とする。
【0068】ステップS751において、表示設定調節
部106は、ステップS620で算出した画像全体の平
均色調と色調差のある色調を図4のステップS720と
同様にして得る。ステップS752において、表示設定
調節部106は、ステップS751で算出した色調で、
ワイヤーフレームを描画する設定を行う。
【0069】(仮想の3次元物体に対する色調検出及び
調整処理)次に、本実施形態において、仮想の3次元物
体に対する色調検出及び調整処理を説明する。仮想の3
次元物体は上述した仮想のテキスト情報、仮想のワイヤ
ーフレーム情報と異なり、面を有する。従って、レンダ
リング時に使用する光源の方向、角度、色によって、物
体の表示色が部分部分で変化する。
【0070】図3のステップS600およびステップS
700において、表示設定調整部106が現実画像の色
調を算出し、仮想の3次元物体(CG物体)を照らす照
明の設定を行う処理動作について、図7のフローチャー
トを参照しながら説明する。
【0071】まず、ステップS630において、表示設
定調節部106は、現実画像取り込み部105が取り込
んだ現実画像の各画素の色調の平均値を算出し、それを
画像全体の平均色調とする。
【0072】次に、ステップS781において、表示設
定調節部106は、ステップS630で算出した画像全
体の平均色調から光源設定用の変数を算出する。光源設
定用の変数を算出する式は、例えば画像全体の色調を
(R,G,B,α)とし、光源設定用の変数を(R’,
G’,B’,α’)とすると、行列式Y(R,G,B,
α)=(R’,G’,B’,α’)=(1.0,1.0,1.
0,α)といったものである。光源設定用の変数を算出
した後、その変数に基づいて、仮想画像描画における光
源設定を行う。光源の方向、角度についても設定するこ
とができるが、観察者における違和感を減少させるとい
う目的は、レンダリング時に用いる照明の色を設定する
ことにより充分達成することが可能である。
【0073】上述した図6および図7で説明したステッ
プS620及びステップS630の処理は同一であるた
め、独立に行ってもよいし、同時に行ってもよい。同様
に、図4〜図7で説明した各ステップは、それぞれ順次
行っても良いし、並列に行ってもよい。
【0074】
【他の実施形態】なお、本発明は、複数の機器(例えば
ホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プ
リンタなど)から構成されるシステムに適用しても、そ
れらが一体となって構成された装置(例えば、複写機、
ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0075】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるい
は装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュ
ータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログ
ラムコードを読み出し実行することによっても、達成さ
れることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読
み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の
機能を実現することになり、そのプログラ_ コードを記
憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、
コンピュータが読み出したプログラムコードを実行する
ことにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけ
でなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピ
ュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)
などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理に
よって前述した実施形態の機能が実現される場合も含ま
れることは言うまでもない。
【0076】さらに、記憶媒体から読み出されたプログ
ラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カー
ドやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わ
るメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示
に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備
わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれることは言うまでもない。
【0077】本発明を上記記憶媒体に適用する場合、そ
の記憶媒体には、先に説明した(図3乃至図7のいずれ
か1つ以上に示す)フローチャートに対応するプログラ
ムコードが格納されることになる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
現実空間に重ね合わせる仮想空間の表示を、背景となる
現実空間の色調に応じて決定した色調で行うことによ
り、現実空間の変化に追従して常に視認性よく表示する
ことが可能になる。
【0079】また、本発明によれば、現実空間の色調と
融合するように照明の色調を設定して仮想物体を描画す
ることにより、現実空間と仮想空間の融合度が高いMR
空間を観察者に提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る複合現実感提示装置の
全体構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す複合現実感提示装置を観察者に装着
した例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る複合現実感提示装置の
全体処理を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態において、色調変更を行う場
合の、仮想のテキスト情報に対する色調検出及び調整処
理を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態において、色調変更を行わな
い場合の、仮想のテキスト情報に対する色調検出及び調
整処理を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態における、仮想のワイヤーフ
レーム情報に対する色調検出及び調整処理を説明するフ
ローチャートである。
【図7】本発明の実施形態において、3次元仮想物体の
描画に用いる照明設定処理を説明するフローチャートで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片山 昭宏 横浜市西区花咲町6丁目145番地 横浜花 咲ビル 株式会社エム・アール・システム 研究所内 Fターム(参考) 5B050 BA07 BA09 BA11 EA19 EA21 EA26 FA02 FA06 5B080 AA18 BA02 FA05 FA08 5E501 AC09 AC15 BA03 EA32 FA14 FA36 FA46 FB28

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仮想物体画像で構成される仮想空間画像
    を観察者が視認する現実空間もしくはその画像に重畳し
    て観察者に提示することにより前記観察者に複合現実感
    を提示する複合現実感提示装置であって、 前記現実空間もしくはその画像中の所定領域の色調を検
    出する色調検出手段と、 前記色調検出手段の検出結果および重畳表示する前記仮
    想物体画像の種類もしくはその表示目的に基づいて、前
    記仮想物体画像の色調を決定する色調決定手段と、 前記色調決定手段の決定結果に基づいて前記仮想物体画
    像で構成される前記仮想空間画像を生成する仮想空間画
    像生成手段と、 前記仮想空間画像生成手段が生成した前記仮想空間画像
    を前記現実空間もしくはその画像に重畳して観察者に提
    示する提示手段とを有することを特徴とする複合現実感
    提示装置。
  2. 【請求項2】 前記色調決定手段が、前記仮想物体画像
    の表示領域に対応する前記現実空間もしくはその画像の
    領域の色調に基づいて前記色調を決定することを特徴と
    する請求項1記載の複合現実感提示装置。
  3. 【請求項3】 前記色調決定手段が、前記現実空間もし
    くはその画像全体についての色調に基づいて前記色調を
    決定することを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の複合現実感提示装置。
  4. 【請求項4】 前記色調決定手段が、前記現実空間もし
    くはその画像全体についての色調に基づいて前記仮想物
    体画像を描画する際の照明色を前記色調として決定する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項
    に記載の複合現実感提示装置。
  5. 【請求項5】 前記色調決定手段が、前記仮想物体画像
    の種類もしくはその表示目的に応じて、前記色調検出手
    段の検出した色調と決定する色調との差の大きさを変化
    させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれ
    か1項に記載の複合現実感提示装置。
  6. 【請求項6】 前記仮想物体画像にあらかじめ設定され
    た色調と、前記色調決定手段によって決定された色調の
    差が所定の値より大きい場合、前記仮想物体画像の表示
    位置を変更し、当該変更後の表示位置において前記色調
    決定手段が決定した色調と前記あらかじめ設定された色
    調との差が前記所定の値以下になったならば前記あらか
    じめ設定された色調を前記色調決定手段の決定結果とし
    て前記仮想空間画像生成手段に供給する表示位置変更手
    段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項
    5のいずれか1項に記載の複合現実感提示装置。
  7. 【請求項7】 前記表示位置変更手段が、前記表示位置
    変更を所定回数行っても前記色調の差が前記所定の値よ
    りも大きい場合、前記あらかじめ設定された色調を前記
    色調決定手段の決定結果として前記仮想空間画像生成手
    段に供給するとともに、前記仮想物体画像の背景を前記
    色調決定手段が決定した色調で塗りつぶすよう前記仮想
    空間画像生成手段に指示することを特徴とする請求項6
    記載の複合現実感提示装置。
  8. 【請求項8】 仮想物体画像で構成される仮想空間画像
    を観察者が視認する現実空間もしくはその画像に重畳し
    て観察者に提示することにより前記観察者に複合現実感
    を提示する複合現実感提示装置の制御方法であって、 前記現実空間もしくはその画像中の所定領域の色調を検
    出する色調検出ステップと、 前記色調検出ステップの検出結果および重畳表示する前
    記仮想物体画像の種類もしくはその表示目的に基づい
    て、前記仮想物体画像の色調を決定する色調決定ステッ
    プと、 前記色調決定ステップの決定結果に基づいて前記仮想物
    体画像で構成される前記仮想空間画像を生成する仮想空
    間画像生成ステップと、 前記仮想空間画像生成ステップが生成した前記仮想空間
    画像を前記現実空間もしくはその画像に重畳して観察者
    に提示する提示ステップとを有することを特徴とする複
    合現実感提示装置の制御方法。
  9. 【請求項9】 前記色調決定ステップが、前記仮想物体
    画像の表示領域に対応する前記現実空間もしくはその画
    像の領域の色調に基づいて前記色調を決定することを特
    徴とする請求項8記載の複合現実感提示装置の制御方
    法。
  10. 【請求項10】 前記色調決定ステップが、前記現実空
    間もしくはその画像全体についての色調に基づいて前記
    色調を決定することを特徴とする請求項8または請求項
    9記載の複合現実感提示装置の制御方法。
  11. 【請求項11】 前記色調決定ステップが、前記現実空
    間もしくはその画像全体についての色調に基づいて前記
    仮想物体画像を描画する際の照明色を前記色調として決
    定することを特徴とする請求項8乃至請求項10のいず
    れか1項に記載の複合現実感提示装置の制御方法。
  12. 【請求項12】 前記色調決定ステップが、前記仮想物
    体画像の種類もしくはその表示目的に応じて、前記色調
    検出ステップの検出した色調と決定する色調との差の大
    きさを変化させることを特徴とする請求項8乃至請求項
    11のいずれか1項に記載の複合現実感提示装置の制御
    方法。
  13. 【請求項13】 前記仮想物体画像にあらかじめ設定さ
    れた色調と、前記色調決定ステップによって決定された
    色調の差が所定の値より大きい場合、前記仮想物体画像
    の表示位置を変更し、当該変更後の表示位置において前
    記色調決定ステップが決定した色調と前記あらかじめ設
    定された色調との差が前記所定の値以下になったならば
    前記あらかじめ設定された色調を前記色調決定ステップ
    の決定結果として前記仮想空間画像生成ステップに供給
    する表示位置変更ステップをさらに有することを特徴と
    する請求項8乃至請求項12のいずれか1項に記載の複
    合現実感提示装置の制御方法。
  14. 【請求項14】 前記表示位置変更ステップが、前記表
    示位置変更を所定回数行っても前記色調の差が前記所定
    の値よりも大きい場合、前記あらかじめ設定された色調
    を前記色調決定ステップの決定結果として前記仮想空間
    画像生成ステップに供給するとともに、前記仮想物体画
    像の背景を前記色調決定ステップが決定した色調で塗り
    つぶすよう前記仮想空間画像生成ステップに指示するこ
    とを特徴とする請求項13記載の複合現実感提示装置の
    制御方法。
  15. 【請求項15】 仮想物体画像で構成される仮想空間画
    像を観察者が視認する現実空間もしくはその画像に重畳
    して観察者に提示することにより前記観察者に複合現実
    感を提示する複合現実感提示装置の制御プログラムを格
    納したコンピュータ装置読み取り可能な記憶媒体であっ
    て、前記プログラムが、 前記現実空間もしくはその画像中の所定領域の色調を検
    出する色調検出工程のプログラムと、 前記色調検出工程のプログラムの検出結果および重畳表
    示する前記仮想物体画像の種類もしくはその表示目的に
    基づいて、前記仮想物体画像の色調を決定する色調決定
    工程のプログラムと、 前記色調決定工程のプログラムの決定結果に基づいて前
    記仮想物体画像から構成される前記仮想空間画像を生成
    する仮想空間画像生成工程のプログラムと、 前記仮想空間画像生成工程のプログラムが生成した前記
    仮想空間画像を前記現実空間もしくはその画像に重畳し
    て観察者に提示する提示工程のプログラムとを有するこ
    とを特徴とする記憶媒体。
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