JP2000113215A - 画像処理装置およびその処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

画像処理装置およびその処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体

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JP2000113215A
JP2000113215A JP10286820A JP28682098A JP2000113215A JP 2000113215 A JP2000113215 A JP 2000113215A JP 10286820 A JP10286820 A JP 10286820A JP 28682098 A JP28682098 A JP 28682098A JP 2000113215 A JP2000113215 A JP 2000113215A
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image
contour
color
specular reflection
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JP10286820A
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English (en)
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Itaru Furukawa
至 古川
Shigeaki Shimazu
茂昭 嶋津
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像に含まれる鏡面反射領域を容易に決定す
る技術を提供する。 【解決手段】 画像処理装置は、画像に含まれる鏡面反
射領域を決定する領域決定部を備えている。領域決定部
は、画像に含まれる画素の画素値の等高線を示す等高線
データを生成する。次に、生成された等高線データで示
される等高線の凸部の頂上となる領域を、鏡面反射領域
の候補領域として選出する。候補領域が選出されると、
候補領域を囲む所定の複数の等高線を選択し、選択され
た複数の等高線でそれぞれ規定される等高線領域の面積
の変化率を検査する。複数の等高線領域の面積の変化率
が所定の範囲内にある場合には、候補領域を鏡面反射領
域として決定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、画像処理の技術
に関し、特に、画像に含まれる鏡面反射領域を決定する
ための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】照明光を反射する物体を撮像した画像に
は、鏡面反射領域(光沢のある部分)が含まれている。
鏡面反射領域の色は物体の通常の色とは異なるので、画
像中の鏡面反射領域を自動的に認識できれば、これを種
々の画像処理に利用することができる。例えば、鏡面反
射領域の色を用いて、画像内の物体を照明する光源の色
(光源色)を推定することができ、推定された光源色を
画像の色順応処理などに利用できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来は、画像
中の鏡面反射領域を自動的に認識する技術は知られてお
らず、ユーザが、鏡面反射領域を指定しなければならな
かった。
【0004】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、画像に含まれる
鏡面反射領域を容易に決定する技術を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の装
置は、画像処理装置であって、画像に含まれる鏡面反射
領域を決定する領域決定部を備え、前記領域決定部は、
前記画像に含まれる画素の画素値の等高線を示す等高線
データを生成する等高線データ生成部と、前記等高線デ
ータで示される等高線の凸部の頂上となる領域を、前記
鏡面反射領域の候補領域として選出する候補領域選出部
と、前記候補領域を囲む所定の複数の等高線を選択し、
選択された複数の等高線でそれぞれ規定される等高線領
域の面積の変化率を検査し、前記面積の変化率が所定の
範囲内にある場合に、前記候補領域を前記鏡面反射領域
として決定する鏡面反射領域決定部と、を備えることを
特徴とする。
【0006】上記の画像処理装置においては、画像から
画素値の等高線を示す等高線データが生成される。この
等高線データを用いれば、候補領域選出部において鏡面
反射領域の候補となる候補領域を容易に選出することが
できる。さらに、候補領域とを囲む複数の等高線領域の
面積の変化率を解析すれば、鏡面反射領域の特徴を有す
る候補領域を特定することができるので、鏡面反射領域
を容易に決定することが可能となる。
【0007】上記の装置において、前記面積の変化率の
前記所定の範囲は、2つの等高線でそれぞれ示される2
つの画素値が画素値のダイナミックレンジの1%減少す
る毎に、前記面積が約5%〜約100%の間で増加する
範囲であることが好ましい。
【0008】2つの等高線領域の面積の変化率が上記の
所定の範囲である場合には、その候補領域は鏡面反射領
域とみなすことができる。したがって、このような面積
の増加率を示す候補領域を検出すれば、確実に鏡面反射
領域を決定することが可能となる。
【0009】また、上記の装置において、前記鏡面反射
領域決定部は、前記候補領域を含む複数の等高線領域の
うち、最も面積の小さい所定数の等高線領域の前記面積
の変化率を無視し、無視した等高線領域よりも面積の大
きい所定数の等高線領域についての前記面積の変化率を
検査するようにしてもよい。
【0010】鏡面反射領域を含む複数の等高線領域のう
ち最も面積の小さい所定数の等高線領域の面積は大きく
変化する傾向がある。したがって、これらの面積変化率
を無視すれば、うまく鏡面反射領域を決定することが可
能となる。
【0011】また、上記の装置において、前記鏡面反射
領域決定部は、さらに、前記候補領域における前記画像
の第1の色と、前記候補領域の周辺領域における前記画
像の第2の色とを比較し、前記第1の色と前記第2の色
との差が所定量以上の場合に、前記候補領域を前記鏡面
反射領域として決定することが好ましい。
【0012】鏡面反射領域における画像の色は光源の色
に近く、鏡面反射領域とその周辺領域の色が近い色であ
る場合には、鏡面反射領域を用いて鏡面反射領域特有の
情報を得ることができない。したがって、上記のように
すれば、鏡面反射領域特有の情報が得られる候補領域を
鏡面反射領域として決定することが可能となる。
【0013】さらに、上記の装置において、前記等高線
データを生成する前に前記画像を平滑化する平滑化処理
部を備えることが好ましい。
【0014】このようにすれば、画像内のノイズが除去
されるので、等高線データをうまく生成することができ
る。
【0015】また、上記の装置において、さらに、前記
画像が複数の色成分によって構成されている場合に、前
記複数の色成分を合成して単色の画像を生成する単色画
像生成部を備え、前記領域決定部は、前記単色画像を用
いて前記鏡面反射領域の決定を行うことが好ましい。
【0016】このようにすれば、鏡面反射領域を迅速に
決定することが可能となる。
【0017】さらに、上記の装置において、前記鏡面反
射領域における前記画像の所定の表色系の3刺激値と、
前記鏡面反射領域の周辺領域における前記画像の前記所
定の表色系の3刺激値とに基づいて、前記画像の撮像時
に用いられた光源の光源色を推定する光源色推定部と、
推定された前記光源色に応じて、前記画像の色順応処理
を行う色順応処理部と、を備え、前記色順応処理部は、
前記光源の光源色が経時的に変化する場合に、変化前に
推定された光源色と変化後に推定された光源色とを用い
て、時間経過に応じた色順応処理を行うようにしてもよ
い。
【0018】上記のように推定された光源色の時間変化
に応じた色順応処理を行えば、実際に人間の目で見るよ
うな色順応処理された画像を得ることができる。
【0019】本発明の記録媒体は、画像に含まれる鏡面
反射領域を決定するためのコンピュータプログラムを記
録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記画像に含まれる画素の画素値の等高線を示す等高線
データを生成する機能と、前記等高線データで示される
等高線の凸部の頂上となる領域を、前記鏡面反射領域の
候補領域として選出する機能と、前記候補領域を囲む所
定の複数の等高線を選択し、選択された複数の等高線で
それぞれ規定される等高線領域の面積の変化率を検査
し、前記面積の変化率が所定の範囲内にある場合に、前
記候補領域を前記鏡面反射領域として決定する機能と、
をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログ
ラムを記録したコンピュを記録する。
【0020】このような記録媒体に記録されたコンピュ
ータプログラムがコンピュータシステムによって実行さ
れた場合にも、上記の画像処理装置と同様の作用・効果
を有し、画像に含まれる鏡面反射領域を容易に決定する
ことができる。
【0021】
【発明の他の態様】この発明は、以下のような態様も含
んでいる。第1の態様は、画像処理方法であって、画像
に含まれる鏡面反射領域を決定する工程を備え、前記工
程は、前記画像に含まれる画素の画素値の等高線を示す
等高線データを生成する工程と、前記等高線データで示
される等高線の凸部の頂上となる領域を、前記鏡面反射
領域の候補領域として選出する工程と、前記候補領域を
囲む所定の複数の等高線を選択し、選択された複数の等
高線でそれぞれ規定される等高線領域の面積の変化率を
検査し、前記面積の変化率が所定の範囲内にある場合
に、前記候補領域を前記鏡面反射領域として決定する工
程と、を備えることを特徴とする。
【0022】第2の態様は、コンピュータに上記の発明
の各工程または各部の機能を実行させるコンピュータプ
ログラムを通信経路を介して供給するプログラム供給装
置である。
【0023】なお、上記の等高線領域の面積の変化率
は、単純に等高線領域の面積そのものから算出される変
化率のみならず、例えば、等高線領域の面積の平方根に
応じて算出される変化率でもよい。本明細書において、
面積の変化率とは、一般的に面積を関数として表現した
ものから算出される種々の変化率を含む広義の意味とす
る。
【0024】
【発明の実施の形態】A.第1実施例:次に、本発明の
実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、本発明
の第1実施例としての画像処理装置を示すブロック図で
ある。この装置は、画像から光源色を推定し、推定され
た光源色を用いて画像の色順応処理を行うためのもので
ある。この装置は、CPU100と、バスライン102
とを備えている。バスライン102には、画像データメ
モリ110と、表示部120と、ROM130と、磁気
ディスク140とが接続されている。また、バスライン
102には、画像内に含まれる鏡面反射領域を決定する
ための領域決定部150と、画像内の物体を照明する光
源の光源色を推定する光源色推定部160と、推定され
た光源色に基づいて画像の色順応処理を行う色順応処理
部170とが接続されている。領域決定部150は、画
像調整部151と、等高線データ生成部152と、等高
線データリンク部153と、候補領域選出部154と、
鏡面反射領域決定部155とを備えている。この画像処
理装置は、伝送路に接続して一般的なネットワークシス
テムを構成するようにしてもよい。なお、本実施例にお
いて領域決定部150と光源色推定部160と色順応処
理部170との機能は、ソフトウェアで実現されてい
る。
【0025】上記の領域決定部150と光源色推定部1
60と色順応処理部170との機能を実現するコンピュ
ータプログラムは、フレキシブルディスクやCD−RO
M等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録さ
れた形態で提供される。コンピュータは、その記録媒体
からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置
または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を
介してコンピュータにコンピュータプログラムを供給す
るようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を
実現するときには、内部記憶装置に格納されたコンピュ
ータプログラムがコンピュータのマイクロプロセッサに
よって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピ
ュータプログラムをコンピュータが読み取って直接実行
するようにしてもよい。
【0026】この明細書において、コンピュータとは、
ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概
念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作す
るハードウェア装置を意味している。また、オペレーシ
ョンシステムが不要でアプリケーションプログラム単独
でハードウェア装置を動作させるような場合には、その
ハードウェア装置自体がコンピュータに相当する。ハー
ドウェア装置は、CPU等のマイクロプロセッサと、記
録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取る
ための手段とを少なくとも備えている。コンピュータプ
ログラムは、このようなコンピュータに、上述の各部の
機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。な
お、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラム
でなく、オペレーションシステムによって実現されてい
ても良い。
【0027】なお、この発明における「記録媒体」とし
ては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気デ
ィスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカー
ド、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピ
ュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)
および外部記憶装置等の、コンピュータが読取り可能な
種々の媒体を利用できる。
【0028】図2は、画像の色順応処理の手順を示すフ
ローチャートである。ステップS101においては、図
1の画像調整部151が画像データの調整を行う。な
お、画像データは、磁気ディスク140(図1)等から
読み出され、画像データメモリ110に記憶されてい
る。本実施例において、画像データは、R,G,Bの3
色の画像データで構成されている。
【0029】ステップS101では、まず、R,G,B
の3色で表された画像データを合成することにより、グ
レー画像、すなわち、単色の画像データを生成する。グ
レー画像は、例えば、数式1によって生成される。
【0030】
【数1】
【0031】ここで、dR ,dG ,dB は、R,G,B
の画像データのうち、それぞれ対応する位置(画素)に
おける画素値を示している。dは、グレー画像におい
て、R,G,Bの各画像データに対応する位置(画素)
の画素値を示している。dR ,dG ,dB に乗じられて
いる各係数は、グレー画像においてカラー画像の輝度を
うまく表現するための係数である。
【0032】このように、複数の色成分によって構成さ
れている画像データを合成して、単色の画像データに生
成することにより、後述するステップS102〜S10
4(図2)の処理を迅速に行うことが可能となる。
【0033】また、ステップS101では、生成された
単色の画像データについて、平滑化フィルタを用いて平
滑化処理を行う。平滑化フィルタとしては、例えば、m
×m画素のサイズを有し、すべてのフィルタ要素が「1
/m2 」である平均値フィルタなどを用いることができ
る。整数mとしては、例えば、3〜9の値が用いられ
る。このように画像データを平滑化処理することによ
り、画像データ内のノイズを除去することができる。こ
れにより、後述するステップS102の処理をうまく行
うことが可能となる。
【0034】なお、本実施例においては、複数色の画像
データから単色の画像データを生成した後に、平滑化処
理を行っているが、この順序は逆にしてもよい。すなわ
ち、複数色の画像データのそれぞれを平滑化処理した後
に、単色の画像データを生成してもよい。また、本実施
例のステップS101における処理は、後述のステップ
S102〜S104の処理を迅速に行うための処理であ
るため、省略可能である。
【0035】上記の説明から分かるように、本実施例の
画像調整部151は、本発明における平滑化処理部と単
色画像生成部との機能を有している。
【0036】図2のステップS102においては、図1
の等高線データ生成部152が、画像データから等高線
データを生成する。
【0037】図3は、画像データの等高線を示す説明図
である。図3(A)は、ステップS101において調整
された画像データを示しており、この画像内には、球状
の物体M1と円錐の形状を有する物体M2とが配置され
てる。図3(A)から分かるように、2つの物体M1,
M2を照明する光源は、画像に対し右手上方にある。図
3(B)には、図3(A)の画像データについての等高
線が示されている。
【0038】図4は、図3(A)の物体M1についての
画素値分布と等高線との関係を示す説明図である。図4
(A)には、図3(A)の物体M1を横切る直線P−Q
上の画素についての画素値分布が示されている。図中、
横軸はP−Q間における画素の位置を示している。縦軸
は、各画素における画素値を示している。P−Q間の画
素値分布が図4(A)に示すような場合、物体M1内に
おいて、画素値が同じ値となる画素を結ぶ等高線は図4
(B)に示すようになる。図4(B)の等高線データ
は、図4(A)に示す画素値分布を複数の閾値で2値化
し、さらに、その2値画像の輪郭をベクトル化すること
によって生成される。なお、本実施例においては、それ
ぞれの等高線データは後述するように関連付けられてい
る。
【0039】図5は、種々の等高線の例を示す説明図で
ある。図5(A)は、画素値のピークが1つだけ存在す
る場合の等高線の例を示している。図5(B)は、画素
値のピークが2つ存在する場合の等高線の例を示してい
る。なお、図5(A),(B)の右側の画素値分布にお
ける符号H1,H2,H3…は2値化の際の閾値(画素
値)を示しており、大きい順に、H1,H2,H3…と
表されている。なお、この明細書では、各等高線を求め
る際に使用された閾値を、その等高線の「階層」と呼
ぶ。階層(閾値)の差分は均等であることが好ましい
が、必ずしも均等にする必要はなく、任意の差分で複数
の階層を設定してもよい。
【0040】図6は、図5の各階層の等高線データを示
す説明図である。図6(A−1)〜(A−4),(B−
1)〜(B−4)は、それぞれ図5(A),(B)に示
す各階層における等高線データの一部を示している。な
お、以下の説明では、各等高線データによって決定され
る等高線の内側の領域を「等高線領域」と呼ぶ。
【0041】図6(A−1),(A−2)の第1および
第2の階層H1,H2には、それぞれ第1および第2の
等高線データCAH1,CAH2が含まれている。第2の階
層H2に含まれる等高線データCAH2によって決定され
る第2の等高線領域は、第1の階層H1に含まれる等高
線データCAH1によって決定される第1の等高線領域よ
り大きく、第2の等高線領域内に第1の等高線領域が含
まれる。すなわち、第2の等高線領域は、第1の等高線
領域を囲む。このとき、第1の等高線データCAH1と第
2の等高線データCAH2とは互いに関連付けられる。同
様にして、第2の等高線データCAH2と図示しない第3
の等高線データCAH3とも互いに関連付けられる。この
ようにして、第1の等高線データCAH1から第9の等高
線データCAH9まで、順次、関連付けられていく。
【0042】図6(B−1)では、図5(B)に示すよ
うに第1の階層H1に等高線がないので、第1の階層H
1には等高線データが存在しない。図6(B−2)に示
す第2の階層H2には、2つの等高線データCBH2a
CBH2a が含まれており、図示しない第3の階層H3に
も、2つの等高線データCBH3a ,CBH3b が含まれて
いる。このとき、上記のようにして、第2の階層H2に
含まれる2つの等高線データCBH2a ,CBH2b は、そ
れぞれ第3の階層H3に含まれる2つの等高線データC
H3a ,CBH3b と関連付けられる。同様に、第1ない
し第5の階層H1〜H5に2つずつ含まれる等高線デー
タは、それぞれ互いに関連付けられる。
【0043】図6(B−4)に示す第6の階層H6に
は、1つの等高線データCBH6が含まれている。第6の
階層H6に含まれる等高線データCBH6によって決定さ
れる第6の等高線領域は、図6(B−3)の第5の階層
H5に含まれる2つの等高線データCBH5a ,CBH5b
によって決定される2つの等高線領域のそれぞれを囲
む。このとき、第5の一方の等高線データCBH5a と第
6の等高線データCBH6とは、互いに関連付けられる。
また、第5の他方の等高線データCBH5b と第6の等高
線データCBH6とも、互いに関連付けられる。このよう
にして、各階層H1〜H9に含まれる等高線データは、
順次、関連付けられていく。
【0044】なお、各階層に含まれる等高線データの関
連付けは、図1の等高線データリンク部153によって
行われる。
【0045】このようにステップS102(図2)にお
いて等高線データが生成されると、ステップS103に
おいて鏡面反射領域の候補となる候補領域を選出する。
なお、候補領域は、図1の候補領域選出部154によっ
て選出される。
【0046】候補領域の選出は、関連付けられた複数の
等高線データのうち、最も画素値の大きい階層に含まれ
る等高線データによって決定される等高線領域を選出す
ることによって行われる。換言すれば、等高線で表され
る画素値の分布において、凸部の頂上となる領域が鏡面
反射領域の候補領域として選出される。例えば、図5
(A)のような画素値分布を有する場合には、図6
(A)の第1の階層H1に含まれる第1の等高線データ
CAH1によって決定される等高線領域を候補領域として
選出する。また、図5(B)のような画素値分布を有す
る場合には、図6(B)に示す第2の階層H2に含まれ
る2つの等高線データCBH2a ,CBH2b によって決定
される等高線領域をそれぞれ候補領域として選出する。
【0047】上記のように候補領域を選出する場合に
は、画素値があまり大きくない領域、すなわち、鏡面反
射領域となり得ない領域も候補領域として選出される恐
れがある。そこで、本実施例においては、所定の画素値
以上の階層に含まれている等高線データによって決定さ
れる等高線領域を候補領域として選出するようにしてい
る。例えば、画素値がH1以上となる階層に含まれる等
高線データによって決定される等高線領域を候補領域と
して選出する場合には、図6(A−1)では、第1の階
層H1に含まれる第1の等高線データCAH1によって決
定される等高線領域が候補領域として選出される。一
方、図6(B−1)では、第1の階層H1には等高線デ
ータは含まれていないので候補領域は存在しない。ま
た、画素値がH2以上となる階層に含まれる等高線デー
タによって決定される等高線領域を候補領域として選出
する場合には、図6(A−1),(A−2)では、第1
および第2の階層H1,H2に等高線データが含まれて
いるが、最も画素値の大きい階層H1に含まれる第1の
等高線データCAH1によって決定される等高線領域が候
補領域として選出される。一方、図6(B−1),(B
−2)では、第1の階層H1に等高線データが含まれて
おらず、第2の階層H2に2つの等高線データC
H2a ,CBH2b が含まれているので、2つの等高線デ
ータCBH2a ,CBH2b によって決定される等高線領域
が候補領域として選出される。
【0048】なお、候補領域を選出するための階層の所
定の画素値は、実験により経験的に求めることができ
る。本実施例においては、画像データの各画素値は0〜
255の値(8ビット)を取り、画素値「170」以上
となる階層に含まれる等高線領域が候補領域として選出
されるように設定されている。
【0049】図3(C)には、図3(B)に示す等高線
データについて、上記のように選出された鏡面反射領域
の候補領域が図示されている。
【0050】次に、ステップS104(図2)において
は、ステップS103において選出された候補領域の中
から鏡面反射領域を決定する。なお、鏡面反射領域は、
図1の鏡面反射領域決定部155によって決定される。
鏡面反射領域は、候補領域およびその周辺の複数の等高
線領域の面積の変化率から決定される。
【0051】本実施例においては、候補領域を含む複数
の等高線領域を検査対象領域として、これらの検査対象
領域のうち、隣り合う2つの階層における2つの等高線
領域の面積の増加率を順次解析することによって鏡面反
射領域が決定される。
【0052】図7は、図3(A)に示す画像のうち、物
体M1についての等高線領域の面積増加率を示す説明図
である。図7の左欄は画素値(階層)を示している。図
7の中欄は、左欄の階層の等高線領域の面積(図7では
画素数)を示している。また、右欄は、隣接する2つの
階層に含まれる等高線領域の面積増加率を示している。
なお、面積増加率Rは、数式2によって決定されてい
る。
【0053】
【数2】
【0054】ここで、Skは、階層「k」における等高
線領域の面積を示しており、Sk+1は、階層「k」と隣
り合い、階層「k」より画素値の小さい階層「k+1」
における等高線領域の面積を示している。
【0055】図7では、各階層の画素値間隔が「5」で
ある。前述のように、画素値「170」以上となる階層
の等高線領域を候補領域とする場合には、図7には画素
値「170」の等高線領域が存在するので、これが候補
領域となる。
【0056】本実施例では、候補領域を含む複数の等高
線領域についての面積増加率の最初の2つを無視し、か
つ、15%〜80%の範囲の面積増加率が5つ以上存在
する場合に、その候補領域を鏡面反射領域として決定す
る。ここで、面積増加率の範囲を限定している理由は、
面積増加率が過度に大きくなったり過度に小さくなった
りする場合には、候補領域が真の鏡面反射領域とは考え
られないからである。例えば、面積増加率が過度に大き
いとき(例えば500%のとき)には、候補領域は単に
なだらかな画像部分であると考えることができる。ま
た、面積増加率が過度に小さいとき(例えば1%のと
き)には、候補領域は画像のエッジ部分であると考える
ことができる。したがって、候補領域が真の鏡面反射領
域であるときには、等高線領域の面積増加率がある程度
の範囲内にあるはずである。この面積増加率の好ましい
範囲は、実験により経験的に決定されるものであり、本
実施例では15%〜80%の範囲に設定されている。面
積増加率の最初の2つの値を無視する理由は、候補領域
が真の鏡面反射領域であるときにも、最初の2つの面積
増加率は、好ましい範囲を超えてしまう場合があること
が経験的に知られているからである。なお、候補領域が
真の鏡面反射領域ではないときにも、等高線領域の面積
増加率がたまたま好ましい範囲に入る場合がある。この
ような偶然を避けるために、本実施例では、好ましい範
囲の面積増加率が5つ以上存在するときにのみ、候補領
域を鏡面反射領域として認識するようにしている。
【0057】図7において、候補領域(画素値「17
0」)の面積(画素数)は「58」であり、候補領域を
囲む等高線領域の面積は、画素値が小さくなるにつれ
「712」、「1247」、「1832」…と大きくな
っている。このとき、隣り合う等高線領域の面積増加率
は、順に、「1128%」、「75%」、「47%」…
となっている。図7の候補領域とその次の等高線領域と
の間での面積増加率は「1128%」であり、かなり大
きくなっているが、この面積増加率「1128%」と次
の面積増加率「75%」との2つの面積増加率は無視さ
れる。このとき、図7の例では、15%〜80%の範囲
を満たす面積増加率の数は7つあるため、図7の候補領
域は、鏡面反射領域として決定される。
【0058】なお、鏡面反射領域の決定に際しては、上
記の条件以外の他の条件を用いてもよい。例えば、15
%〜80%の範囲を満たす面積増加率の数が7つ以上あ
る場合にのみ、候補領域を鏡面反射領域として決定する
ようにしてもよい。また、面積増加率の範囲としては、
等高線領域の階層が画素値のダイナミックレンジ(8ビ
ットの場合、「256」)の1%減少する毎に、等高線
領域の面積が約5%〜約100%増加する範囲を使用し
てもよい。
【0059】ところで、図2のステップS102〜S1
04までの処理は、以下に説明するような前処理を行っ
た後に実行してもよい。図8は、図3(A)の物体M1
についての画素値分布とエッジ強度との関係を示す説明
図である。図8(A)には、図3(A)に示す物体M1
を横切る直線P−Q上の画素についての画素値分布が示
されており、図4(A)の画素値分布と同じである。図
8(B)には、各画素におけるエッジ強度が示されてい
る。なお、図8(B)に示すエッジ強度は、周知の微分
フィルタを用いてフィルタ処理することにより容易に求
めることができる。微分フィルタとしては、例えば、ラ
プラシアンフィルタや、1次微分フィルタなどを用いる
ことができる。
【0060】図8(B)に示すように、エッジ強度は、
物体M1の外縁の画素E1,E2の近傍において他の画
素に比べ大きな値となる。すなわち、エッジ強度を求め
ることにより、画像内の物体の輪郭を知ることができ
る。したがって、ステップS102における等高線デー
タの関連付けを、エッジが明らかとなった領域内(すな
わち、物体の輪郭内)においてのみ行うことが可能とな
る。このとき、ステップS103では、物体の輪郭内に
おいて関連付けられた等高線データのみを用いて候補領
域を選出すればよい。また、ステップS104では、物
体の輪郭内において関連付けられた等高線データのみを
用いて面積変化率を検査し、鏡面反射領域を決定すれば
よい。このようにすれば、図2のステップS102〜S
104の処理を比較的迅速に行うことが可能となる。
【0061】上記のように鏡面反射領域が決定される
と、図2のステップS105において、光源色推定部1
60(図1)によって光源色が推定される。図9は、撮
像される画像内に含まれ得る鏡面反射領域およびその周
辺領域を示す説明図である。なお、「周辺領域」とは、
鏡面反射領域を除いた鏡面反射領域の周辺の領域を意味
する。図10は、図9において撮像された画像内の鏡面
反射領域およびその周辺領域のCIE−XYZ表色系に
おける3刺激値X,Y,Zの分布を示す説明図である。
図10では、図示の便宜上、Z軸を省略している。
【0062】図9に示す光源200から射出された光の
うち、球体210上において入射角と反射角とが等しい
角度θで反射される鏡面反射光LsについてのCIE−
XYZ表色系における3刺激値は、図10の点(Xs,
Ys,Zs)である。すなわち、図9の鏡面反射領域A
sにおける色が、図10の3刺激値(Xs,Ys,Z
s)に対応する。図10の点(Xb,Yb,Zb)は、
図9の鏡面反射領域Asと同じ領域において、光源20
0からの光が鏡面反射しない場合、すなわち、光源20
0からの光が球体210上において完全拡散反射する場
合の3刺激値を示している。なお、この3刺激値(X
b,Yb,Zb)は、物体の色を示している。図10に
おいて、光源の色を示す光源色ベクトル(Xd,Yd,
Zd)は、次の数式3によって求められる。
【0063】
【数3】
【0064】ところで、図10の3刺激値(Xb,Y
b,Zb)は、図9の周辺領域Aeにおける色からほぼ
正確に求めることができる。すなわち、図9の鏡面反射
領域の近傍の周辺領域Aeの色は、図10における点
(Xb,Yb,Zb)の近傍の点(Xe,Ye,Ze)
に対応する。したがって、周辺領域Aeの色を平均して
3刺激値を求めれば、図10の点(Xb,Yb,Zb)
の値をほぼ正確に求めることができる。
【0065】図11は、図3(A)の物体M1について
の鏡面反射領域とその周辺領域との3刺激値を示す説明
図である。図11では、物体M1についての鏡面反射領
域における色の3刺激値(Xs1,Ys1,Zs1)
と、鏡面反射領域の近傍の周辺領域における色の3刺激
値(Xb1,Yb1,Zb1)とが示されてる。同様に
して、図3(A)の物体M2についても、鏡面反射領域
における色の3刺激値(Xs2,Ys2,Zs2)と、
鏡面反射領域の近傍の周辺領域における色の3刺激値
(Xb2,Yb2,Zb2)とが求められる。なお、鏡
面反射領域およびその周辺領域における各3刺激値は、
それぞれの領域に含まれる画素の画素値を平均して求め
られる値である。
【0066】図12は、図3(A)の画像から求められ
る光源色ベクトルを示す説明図である。このように、図
3(A)の画像からは、物体M1,M2における鏡面反
射領域およびその周辺領域から2つの光源色ベクトルが
求められる。1つの画像から複数の光源色ベクトルが求
められる場合には、数式4に従って、平均の光源色ベク
トル(Xw,Yw,Zw)を求める。
【0067】
【数4】
【0068】ここで、(Xdi,Ydi,Zdi)は画
像内のi番目の鏡面反射領域を用いて求められる光源色
ベクトルを示しており、nは画像内に含まれる鏡面反射
領域の総数を示している。
【0069】このように複数の光源色ベクトルを平均化
することにより、より正確な光源色を推定することが可
能となる。
【0070】ところで、鏡面反射領域の色および周辺領
域の色の関係によっては、光源色を推定することが困難
となる場合があるため、ステップS105(図2)にお
ける処理においては、以下の処理を併用することが好ま
しい。
【0071】図13は、光源色ベクトルと物体色ベクト
ルとの関係を示す説明図である。図13(A)は、光源
色ベクトル(Xd,Yd,Zd)と物体色ベクトル(X
b,Yb,Zb)との方向が大きく異なる場合を示して
いる。図13(B)は、光源色ベクトル(Xd,Yd,
Zd)と物体色ベクトル(Xb,Yb,Zb)との方向
がほぼ同じであるがわずかに異なる場合を示している。
図13(A)に示すような場合には、前述のように鏡面
反射領域の近傍の周辺領域における色を平均化すること
により、光源色ベクトルの始点(Xb,Yb,Zb)を
容易に求めることができる。したがって、ほぼ正確な光
源色ベクトルを推定することが可能である。一方、図1
3(B)に示すような場合には、光源色ベクトルの始点
(Xb,Yb,Zb)を正確に求めるのが困難となり、
この場合には、光源色ベクトルをあまり正確に推定する
ことができない。
【0072】したがって、物体色ベクトルと光源色ベク
トルとが図13(A)に示すような関係にある場合にの
み、候補領域を鏡面反射領域として決定することが好ま
しい。このことは、候補領域とその周辺領域の色を比較
することによって判別可能である。例えば、候補領域に
おけるR,G,Bの画素値の比と、周辺領域における
R,G,Bの画素値の比とを比較し、その比が異なると
判断できる場合にのみ、その候補領域を鏡面反射領域と
して決定すればよい。あるいは、光源色ベクトル(X
d,Yd,Zd)と物体色ベクトル(Xb,Yb,Z
b)との内積から、2つのベクトルによって形成される
角度を調べることによっても判断することが可能であ
る。
【0073】なお、光源色ベクトルと物体色ベクトルと
の方向がほぼ完全に一致する場合には、光源色ベクトル
の始点をうまく特定できない可能性があるが、光源色ベ
クトルの方向は正確であるため、これを光源色ベクトル
として用いるようにしてもよい。
【0074】上記のようにして、光源色が推定される
と、図2のステップS106において、色順応処理部1
70(図1)は、画像データの色順応処理を実行する。
色順応処理は、ステップS105において推定された光
源色を用いて、画像内の各画素の色(3刺激値)を人間
の目の色順応によって認識される色(3刺激値)に変換
することによって行われる。本実施例の色順応処理は、
CIE規格「CIECAM97s」に基づいて行われ
る。すなわち、推定された光源色(Xw,Yw,Zw)
を用いて、画像内の各画素のCIE−XYZ表色系にお
ける3刺激値(X,Y,Z)を、上記の規格に基づいて
色順応処理し、H,Q,M値を求める。ここで、H値は
色相に関する値、Q値は明るさに関する値、M値は色彩
に関する値である。次に、求められたH,Q,M値を、
通常用いられる所定の変換式を用いることによって、C
IE−XYZ表色系における3刺激値(X’,Y’,
Z’)に変換する。このように変換された3刺激値
(X’,Y’,Z’)を、さらに、表示部120(図
1)に適した表色系における3刺激値(例えば、R,
G,B)に変換することによって、色順応処理された画
像を表現することが可能となる。
【0075】B.第2実施例:図14は、本発明の第2
実施例としての画像処理装置を示すブロック図である。
この装置(デジタルカメラ)は、図1に示す画像処理装
置とほぼ同じ構成であるが、図1の装置に加え、画像入
力部300と、光源色設定部310と、光源色センサ3
20とが備えられている。
【0076】画像入力部300は、CCDなどの受光素
子を有する撮像系を備えている。光源色設定部310
は、画像を撮像する環境に応じてユーザが任意に光源色
を設定するために用いられる。光源色センサ320は、
光源色を直接測定するために用いられる。光源色設定部
310と光源色センサ320は、撮像された画像に鏡面
反射領域が含まれていない場合や、含まれていても光源
色の推定が困難である場合に用いることができる。
【0077】すわなち、本実施例においては、光源色推
定部160と、光源色設定部310と、光源色センサ3
20とから、3つの光源色を求めることができるので、
3つの光源色のうち、少なくとも1つを用いることによ
って光源色を決定することができる。例えば、3つの光
源色のそれぞれを、信頼度に応じて加重平均して求めら
れた光源色を用いてもよい。
【0078】画像入力部300において得られた画像デ
ータは、画像データメモリ110に、順次、記憶され
る。この装置では、撮像された画像に対して、略リアル
タイムに前述の色順応処理を行うことが可能である。
【0079】このとき、撮像される物体を照明する光源
の光源色が変化する場合には、時間経過に応じた色順応
処理を行うことができる。すなわち、物体を照明する光
源色が変化した場合には、通常、人間の目の色順応は、
数分程度の時間を要すると言われている。したがって、
時間経過を考慮した光源色を用いて色順応処理を行え
ば、実際に人間の目で見ているような画像を得ることが
できる。なお、以下の説明では、実際に撮像する際の照
明光の光源色を「撮像光源色」と呼び、時間経過を考慮
した光源色を「擬似光源色」と呼ぶ。
【0080】図15は、時間経過に応じた色順応処理を
模式的に示す説明図である。図15(A),(B)は、
それぞれ、撮像光源色と擬似光源色との時間変化を示し
ている。図15(A)に示すように、撮像光源色は、時
刻taにおいて、(Xwt1,Ywt1,Zwt1)から(Xw
t2,Ywt2,Zwt2)に変化している。このとき、擬似
光源色として、図15(B)に示すような時刻taから時
刻tbの間で、光源色が(Xwt1,Ywt1,Zwt1)から
(Xwt2,Ywt2,Zwt2)に徐々に変化するものを用
いる。擬似光源色(Xw(t) ,Yw(t) ,Zw(t) )
は、数式5で表される。
【0081】
【数5】
【0082】ここで、K(t) は、K(ta)=1、K(tb)=
0を満たし、時間t とともに単調に減少する関数であ
る。
【0083】このように求められた擬似光源色を用いて
前述の色順応処理を行えば、人間の目の色順応をうまく
再現した画像を得ることができる。なお、本実施例にお
いては、数式5に示すように、CIE−XYZ表色系に
おける3刺激値を直接用いて時間変化に応じた色順応処
理を行っているが、CIELAB色空間における色差Δ
Eの時間変化率が一定となるように変化させてもよい。
【0084】以上、説明したように、本発明において
は、画像データから等高線データを生成し、等高線デー
タを解析することによって、画像内の鏡面反射領域を決
定している。すなわち、等高線データから鏡面反射領域
の候補となる候補領域を選出し、候補領域を囲む複数の
等高線領域の面積の変化率から、鏡面反射領域の特徴を
有する候補領域を鏡面反射領域として決定している。こ
れにより、画像に含まれる鏡面反射領域を容易に決定す
ることが可能となる。
【0085】なお、この発明は上記の実施例や実施形態
に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲に
おいて種々の態様において実施することが可能であり、
例えば以下のような変形も可能である。
【0086】(1)上記実施例では、画像データは、
R,G,Bの3色の画像データで構成されているが、他
の色で構成された画像データを用いてもよい。すなわ
ち、画像データを構成する色は、通常、画像を撮像した
際の受光素子に設置された光学フィルタによって決定さ
れている。例えば、光学フィルタとして、R,G,Bの
3色のフィルタを用いれば、画像データはR,G,Bの
3色から構成される。また、CIE−XYZ表色系にお
ける等色関数にほぼ従うような光学フィルタを用いる場
合には、画像データは、X,Y,Zの3刺激値で表され
る画像データとなる。このような他の色で構成された画
像データを用いても、上述のように鏡面反射領域を決定
することが可能である。
【0087】なお、X,Y,Zの3色で構成された画像
データを用いる場合には、図2のステップS101にお
いて調整される単色の画像データとしては、各色の画素
値を平均したものを用いてもよいし、輝度を表す刺激値
Yのみをそのまま用いてもよい。
【0088】(2)上記実施例においては、図2のステ
ップS102において生成された等高線データは、異な
る階層間で関連付けられているが、この等高線データの
関連付けは、省略してもよい。ただし、等高線データが
関連付けられている場合には、候補領域が決定されれ
ば、候補領域を囲む複数の等高線領域も自動的に決定さ
れるので、図2のステップS103およびステップS1
04における処理を迅速に行うことができるという利点
がある。
【0089】(3)上記実施例においては、等高線デー
タはベクトル化されたデータであるが、等高線データは
2値化データでもよい。一般に、等高線データは画素値
の等高線を表すデータであればよい。
【0090】(4)上記実施例においては、数式2の等
高線領域の面積変化率に基づいて鏡面反射領域を決定し
ているが、次の数式6に従って求められる変化率R’に
基づいて鏡面反射領域を決定してもよい。
【0091】
【数6】
【0092】ここで、rk+1 ,rk は、それぞれ数式2
の等高線領域の面積Sk+1 ,Sk と同じ面積を有する円
を考えた場合の半径を示している。すなわち、半径r
k+1 ,rk は、それぞれ、(Sk+1 /π)1/2 ,(Sk
/π)1/2 である。
【0093】数式6を用いた場合にも、変化率R’の範
囲を予め所定の範囲に設定しておくことにより、鏡面反
射領域を決定することが可能である。すなわち、本明細
書における面積の変化率は、面積に関する値の変化率を
含む広い意味である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としての画像処理装置を示
すブロック図。
【図2】画像の色順応処理の手順を示すフローチャー
ト。
【図3】画像データの等高線を示す説明図。
【図4】図3(A)の物体M1についての画素値分布と
等高線との関係を示す説明図。
【図5】種々の等高線の例を示す説明図。
【図6】図5の各階層の等高線データを示す説明図。
【図7】図3(A)に示す画像のうち、物体M1につい
ての面積増加率を示す説明図。
【図8】図3(A)の物体M1についての画素値分布と
エッジ強度との関係を示す説明図。
【図9】撮像される画像内に含まれ得る鏡面反射領域お
よびその周辺領域を示す説明図。
【図10】図9において撮像された画像内の鏡面反射領
域および周辺領域のCIE−XYZ表色系における3刺
激値X,Y,Zの分布を示す説明図。
【図11】図3(A)の物体M1についての鏡面反射領
域とその周辺領域との3刺激値を示す説明図。
【図12】図3(A)の画像から求められる光源色ベク
トルを示す説明図。
【図13】光源色ベクトルと物体色ベクトルとの関係を
示す説明図。
【図14】本発明の第2実施例としての画像処理装置を
示すブロック図。
【図15】時間経過に応じた色順応処理を模式的に示す
説明図。
【符号の説明】
100…CPU 102…バスライン 110…画像データメモリ 120…表示部 130…ROM 140…磁気ディスク 150…領域決定部 151…画像調整部 152…等高線データ生成部 153…等高線データリンク部 154…候補領域選出部 155…鏡面反射領域決定部 160…光源色推定部 170…色順応処理部 200…光源 210…球体 300…画像入力部 310…光源色設定部 320…光源色センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嶋津 茂昭 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神 北町1番地の1 大日本スクリーン製造株 式会社内 Fターム(参考) 5B050 BA01 DA02 EA02 EA08 5B080 GA11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像処理装置であって、 画像に含まれる鏡面反射領域を決定する領域決定部を備
    え、 前記領域決定部は、 前記画像に含まれる画素の画素値の等高線を示す等高線
    データを生成する等高線データ生成部と、 前記等高線データで示される等高線の凸部の頂上となる
    領域を、前記鏡面反射領域の候補領域として選出する候
    補領域選出部と、 前記候補領域を囲む所定の複数の等高線を選択し、選択
    された複数の等高線でそれぞれ規定される等高線領域の
    面積の変化率を検査し、前記面積の変化率が所定の範囲
    内にある場合に、前記候補領域を前記鏡面反射領域とし
    て決定する鏡面反射領域決定部と、を備えることを特徴
    とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の画像処理装置であって、 前記面積の変化率の前記所定の範囲は、2つの等高線で
    それぞれ示される2つの画素値が画素値のダイナミック
    レンジの1%減少する毎に、前記面積が約5%〜約10
    0%の間で増加する範囲である、画像処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の画像処理装置で
    あって、 前記鏡面反射領域決定部は、 前記候補領域を含む複数の等高線領域のうち、最も面積
    の小さい所定数の等高線領域の前記面積の変化率を無視
    し、無視した等高線領域よりも面積の大きい所定数の等
    高線領域についての前記面積の変化率を検査する、画像
    処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の画像処理装置で
    あって、 前記鏡面反射領域決定部は、さらに、前記候補領域にお
    ける前記画像の第1の色と、前記候補領域の周辺領域に
    おける前記画像の第2の色とを比較し、前記第1の色と
    前記第2の色との差が所定量以上の場合に、前記候補領
    域を前記鏡面反射領域として決定する、画像処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の画
    像処理装置であって、さらに、 前記等高線データを生成する前に前記画像を平滑化する
    平滑化処理部を備える、画像処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の画
    像処理装置であって、さらに、 前記画像が複数の色成分によって構成されている場合
    に、前記複数の色成分を合成して単色の画像を生成する
    単色画像生成部を備え、 前記領域決定部は、前記単色画像を用いて前記鏡面反射
    領域の決定を行う、画像処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の画
    像処理装置であって、さらに、 前記鏡面反射領域における前記画像の所定の表色系の3
    刺激値と、前記鏡面反射領域の周辺領域における前記画
    像の前記所定の表色系の3刺激値とに基づいて、前記画
    像の撮像時に用いられた光源の光源色を推定する光源色
    推定部と、 推定された前記光源色に応じて、前記画像の色順応処理
    を行う色順応処理部と、を備え、 前記色順応処理部は、 前記光源の光源色が経時的に変化する場合に、変化前に
    推定された光源色と変化後に推定された光源色とを用い
    て、時間経過に応じた色順応処理を行う、画像処理装
    置。
  8. 【請求項8】 画像に含まれる鏡面反射領域を決定する
    ためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ
    読み取り可能な記録媒体であって、 前記画像に含まれる画素の画素値の等高線を示す等高線
    データを生成する機能と、 前記等高線データで示される等高線の凸部の頂上となる
    領域を、前記鏡面反射領域の候補領域として選出する機
    能と、 前記候補領域を囲む所定の複数の等高線を選択し、選択
    された複数の等高線でそれぞれ規定される等高線領域の
    面積の変化率を検査し、前記面積の変化率が所定の範囲
    内にある場合に、前記候補領域を前記鏡面反射領域とし
    て決定する機能と、をコンピュータに実現させるための
    コンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取
    り可能な記録媒体。
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