JP2002161132A - アルキド樹脂の製造方法 - Google Patents

アルキド樹脂の製造方法

Info

Publication number
JP2002161132A
JP2002161132A JP2000360106A JP2000360106A JP2002161132A JP 2002161132 A JP2002161132 A JP 2002161132A JP 2000360106 A JP2000360106 A JP 2000360106A JP 2000360106 A JP2000360106 A JP 2000360106A JP 2002161132 A JP2002161132 A JP 2002161132A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
alcohol
component
alkyd resin
fat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000360106A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4625176B2 (ja
Inventor
Kei Ito
圭 伊藤
Tsutomu Kawamura
力 川村
Reijiro Nishida
西田礼二郎
Nobushige Numa
伸茂 奴間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP2000360106A priority Critical patent/JP4625176B2/ja
Publication of JP2002161132A publication Critical patent/JP2002161132A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4625176B2 publication Critical patent/JP4625176B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃物から回収し再生したポリエステル樹脂を
使用して、透明で異物の発生やろ過残渣がほとんどない
アルキド樹脂を短時間で製造する方法を提供する。 【解決手段】 3価以下の多価アルコールと4価以上の
アルコールとの重量比が0〜20の範囲内にあるアルコ
ール成分と油脂との混合物又はエステル交換反応物中
に、廃物から回収し再生したテレフタル酸を主原料とす
るポリエステル樹脂を溶解させ、解重合触媒の存在下で
解重合し、ついで脂質成分と多塩基酸成分を加えてエス
テル化反応させることによりアルキド樹脂を製造する方
法であって、該ポリエステル樹脂と該アルコール成分と
該油脂と該多塩基酸成分との合計に基づいて、該ポリエ
ステル樹脂を5〜40重量%の量で使用することを特徴
とする油長30〜70%のアルキド樹脂の製造方法、及
び該製造方法によって得られるアルキド樹脂を含有する
塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄ペットボトル
などの廃物から回収し再生したポリエステル樹脂を用い
た新規なアルキド樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来、アルキド樹脂の製造
原料である二塩基酸としてテレフタル酸を使用すること
は、フタル酸又は無水フタル酸を使用するよりもコスト
高となり、また、得られる樹脂が濁ったり、異物が発生
しやすくなるため、通常、アルキド樹脂の製造にテレフ
タル酸は使用されていないか、使用されたとしても少量
であった。
【0003】また、近年、廃棄物の処理が問題となって
おり、廃棄ペットボトルのリサイクルなどによる利用に
ついての研究が行われている。
【0004】廃棄ペットボトルなどの廃物から回収し再
生したポリエステル樹脂を使用してアルキド樹脂を製造
する方法が、例えば、特開平11−228733号公報
に記載されている。その方法は、回収したポリエステル
樹脂と分子量5000以下で水酸基を有するアルキド樹
脂オリゴマーとを解重合・エステル交換させる方法であ
る。しかしながら、この方法においては、アルキド樹脂
オリゴマーを予め合成する工程が必要であり、また、解
重合する際のアルコール成分量が少ないので、回収した
ポリエステル樹脂が十分に解重合され難く、解重合に長
時間を要し、また最終的に得られるアルキド樹脂をろ過
すると、ろ過残渣が多く発生するといった問題がある。
【0005】本発明の目的は、廃物から回収し再生した
ポリエステル樹脂を使用して、透明で異物の発生やろ過
残渣がほとんどないアルキド樹脂を短時間で製造する方
法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を行った結果、今回、4価以上の
アルコールを含有するアルコール成分と油脂との混合物
又はエステル交換物に、廃物から回収し再生したポリエ
ステル樹脂を溶解させて解重合し、ついで多塩基酸成分
を加えてエステル化反応することによって上記目的を達
成できることを見出し本発明を完成させるに至った。
【0007】すなわち、本発明は、3価以下の多価アル
コールと4価以上のアルコールとの前者/後者の重量比
が0〜20の範囲内にあるアルコール成分と油脂との混
合物又はエステル交換反応物中に、廃物から回収し再生
したテレフタル酸を主原料とする再生ポリエステル樹脂
を溶解させ、解重合触媒の存在下で解重合し、ついで油
脂及び脂肪酸から選ばれる少なくとも1種の脂質成分と
多塩基酸成分を加えてエステル化反応させることにより
アルキド樹脂を製造する方法であって、該再生ポリエス
テル樹脂と該アルコール成分と該油脂と該脂質成分と該
多塩基酸成分との合計に基づいて、該再生ポリエステル
樹脂を5〜40重量%の量で使用することを特徴とする
油長30〜70%のアルキド樹脂の製造方法を提供する
ものである。
【0008】また、本発明は、上記方法によって製造さ
れるアルキド樹脂を含有する塗料組成物を提供するもの
である。以下に、本発明の製造方法について詳細に説明
する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の方法において使用され
る、廃物から再生されたテレフタル酸を主原料とする再
生ポリエステル樹脂(以下、「再生PES」と略称する
ことがある)には、資源のリサイクルのために回収され
たポリエチレンテレフタレート(例えば、PETボト
ル)、産業廃棄物ポリエチレンテレフタレート、テレフ
タル酸を主原料とするポリエチレンテレフタレートやポ
リブチレンテレフタレートなどのポリエステル製品(フ
ィルム、繊維、自動車部品、電気・電子部品など)の製
造に際して発生する屑などから再生されたポリエステル
樹脂が包含され、特にリサイクルポリエチレンテレフタ
レートが好適である。この再生PESは、通常、チップ
又は粉砕物の形態で使用に供される。
【0010】本発明方法においては、まず、4価以上の
アルコールを必須成分とし必要に応じて3価以下の多価
アルコールを含有するアルコール成分と油脂との混合物
又はこの混合物のエステル交換物中に、上記再生PES
を溶解させ、解重合触媒の存在下で解重合を行う。
【0011】上記アルコール成分中の4価以上のアルコ
ールとしては、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタ
エリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトー
ルなどの4価以上のアルコールを挙げることができ、な
かでもペンタエリスリトールが、得られるアルキド樹脂
を塗料に使用した場合の塗膜の硬化乾燥性の面から好ま
しい。上記3価以下の多価アルコールとしては、例え
ば、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、
グリセリンなどの3価アルコール;例えば、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,4−ジメチロールシクロヘキサンなどを挙げる
ことができ、これらののうち、なかでもグリセリン、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコールが、前記4価以上のアルコール(例えば、
ペンタエリスリトールなど)と混合使用した際の解重合
性や、高融点の4価以上のアルコールを低温で溶解する
ことができる点などから好適である。
【0012】上記アルコール成分において、3価以下の
多価アルコールと4価以上のアルコールとの配合割合
は、前者/後者の重量比で0〜20、好ましくは0.0
2〜10、さらに好ましくは0.05〜5の範囲内にあ
ることが適当である。この配合比が、20を超えると4
価以上のアルコールが少なく、解重合性が低下し、ま
た、得られるアルキド樹脂の乾燥性も不足する。
【0013】アルコール成分と混合される油脂は、脂肪
酸のトリグリセリドであり、その具体例としては、大豆
油、サフラワー油、アマニ油、トール油、やし油、パー
ム核油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、魚油、桐油などを挙
げることができる。油脂としては、なかでもヨウ素価が
90以上の乾性油又は半乾性油が好ましく、特に大豆
油、トール油などが好適である。油脂の配合割合は、得
られるアルキド樹脂の油長が30〜70%、好ましくは
40〜60%の範囲内となる量的範囲内となるような量
であることが、乾燥塗膜とした場合の塗膜の乾燥性、塗
膜物性などの面から適当である。
【0014】本発明の方法において、アルコール成分と
油脂とのエステル交換反応物中に再生PESを混合し溶
解させる場合の該エステル交換反応物は、アルコール成
分と油脂との混合物を予めエステル交換反応させたもの
である。このエステル交換反応は、例えば、酢酸亜鉛、
リサージ、ジブチル錫オキサイドなどのエステル交換反
応触媒の存在下でそれ自体既知の方法により好適に行う
ことができる。
【0015】配合する再生PESの量は、再生PESと
アルコール成分と油脂との合計中100重量部中に15
〜80重量部、好ましくは20〜70重量部の範囲内で
あることが好適である。ここで、「再生PESとアルコ
ール成分と油脂との合計」とは、再生PESをエステル
交換反応物中に配合する場合には、エステル交換反応物
の原料であるアルコール成分と油脂との和に再生PES
を加えた合計量を意味するものとする。
【0016】本発明方法において、再生PESの解重合
を促進させるために使用される解重合触媒としては、例
えば、モノブチル錫ハイドロオキサイド、ジブチル錫オ
キサイド、モノブチル錫−2−エチルヘキサノエート、
ジブチル錫ジラウレート、酸化第一錫、酢酸錫、酢酸亜
鉛、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸カルシウム、酢
酸鉛、三酸化アンチモン、テトラブチルチタネート、テ
トライソプロピルチタネートなどを挙げることができ
る。これらの解重合触媒の使用量は、前記再生PESと
アルコール成分と油脂との合計100重量部に対して、
通常、0.005〜5重量部の範囲内にあることが好適
である。
【0017】本発明方法においては、(1)アルコール
成分と油脂との混合物と再生PESとを混合し溶解させ
て解重合を行う、又は(2)アルコール成分と油脂との
エステル交換物と再生PESとを混合し溶解させて解重
合を行う、のいずれの方法で解重合をおこなってもよい
が、(2)の方法が再生PESの解重合性の点からより
好適である。
【0018】再生PESの解重合を行う条件は、解重合
触媒を用いて解重合を行うことができる条件であれば特
に限定されるものではなく、例えば、80〜200℃に
加熱したアルコール成分と油脂との混合物又はエステル
交換反応物と、解重合触媒との混合物中に再生PESを
添加し、加熱して、例えば、140〜240℃で溶解、
解重合させる方法を挙げることができる。
【0019】本発明方法においては、上記再生PESの
溶解、解重合を行なった後、このものに油脂及び脂肪酸
から選ばれる少なくとも1種の脂質成分と多塩基酸成分
を加えてエステル化反応させることによってアルキド樹
脂を得る。本発明において、「エステル化反応」には、
通常のエステル化反応のみならず、「エステル交換反
応」も包含されるものとする。
【0020】上記エステル化反応に際して、多塩基酸成
分とともに必要に応じて配合される脂質成分としての油
脂としては、前記解重合反応に際してアルコール成分と
ともに使用される油脂と同様のものを使用することがで
きる。
【0021】また、上記脂質成分としての脂肪酸として
は、例えば、大豆油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、アマ
ニ油脂肪酸、トール油脂肪酸、やし油脂肪酸、パーム核
油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、魚油
脂肪酸、桐油脂肪酸などを挙げることができる。脂肪酸
としては、なかでもヨウ素価が90以上の乾性油脂肪酸
又は半乾性油脂肪酸が好ましく、特に大豆油脂肪酸、ト
ール油脂肪酸などが好適である。
【0022】上記エステル化反応に際して脂質成分を配
合することによって、解重合反応の際の油脂の配合量を
減らすことができ、解重合反応を効率的に行うことがで
きる。
【0023】上記エステル化反応に際して、脂質成分と
ともに使用される上記多塩基酸成分としては、通常、ア
ルキド樹脂を構成する酸成分として使用される多塩基酸
を使用することができ、例えば、無水フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘ
キサヒドロ無水フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、
4,4'−ビフェニルジカルボン酸、ジフェニルメタン
−4,4'−ジカルボン酸、コハク酸、フマル酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸などの二塩基酸;
無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、トリメシン
酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸などの3価以
上の多塩基酸;これらの二塩基酸又は3価以上の多塩基
酸の低級アルキルエステルなどを挙げることができる。
なかでも二塩基酸又はその低級アルキルエステルが好適
である。
【0024】また、アルキド樹脂を構成する、再生PE
Sとアルコール成分と油脂と脂質成分と多塩基酸の合計
に基づいて、再生PESを5〜40重量%、特に10〜
35重量%の量で使用することが好ましい。
【0025】さらに、前記アルコール成分の水酸基1当
量に対して、多塩基酸成分のカルボキシル基の当量数が
0.5〜1.0、好ましくは0.6 〜0.99の範囲
内にあることが乾燥塗膜とした場合の塗膜の耐水性、塗
膜物性などの観点から好適である。上記「多塩基酸成分
のカルボキシル基」は、多塩基酸成分が多塩基酸の低級
アルキルエステルである場合は、そのエステルを加水分
解して生成するカルボキシル基に換算したものとする。
【0026】アルキド樹脂を得るためのエステル化反応
は、それ自体既知のエステル化反応条件下で行うことが
でき、例えば、再生PESとアルコール成分と油脂との
溶解、反応生成物に多塩基酸を配合した後、エステル化
反応触媒の存在下にて180〜240℃程度の温度で3
〜10時間程度保持し、脱水、縮合させることによって
行うことができる。上記エステル化反応触媒としては、
前記解重合触媒として例示したものを挙げることができ
る。エステル化反応触媒の配合量は上記系に対して0.
005〜5重量%の範囲内にあることが好適である。
【0027】アルキド樹脂の製造において、再生PES
の解重合後の生成物に少量のリン化合物を添加してエス
テル化反応を行うことによって、得られるアルキド樹脂
の着色を抑制することができる。上記リン化合物として
は、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸;及びこれ
らの酸のアルキルエステル又はフェニルエステル(例え
ば、トリメチルホスファイト、トリメチルホスフェー
ト、トリフェニルホスファイト、トリフェニルホスフェ
ート等)などを挙げることができる。
【0028】エステル化反応終了後、アルキド樹脂は、
通常、冷却され、そのまま取出すこともできるが、濾過
性、取り扱い作業性をよくするため、有機溶剤によって
希釈して取出すこともできる。上記有機溶剤の種類は、
アルキド樹脂を溶解できるものである限り特に限定され
るものでない。
【0029】本発明方法によって得られるアルキド樹脂
は、有機溶剤に対する溶解性に優れており、テレフタル
酸成分を含有しているにもかかわらずミネラルスピリッ
ツのような弱溶剤にも溶解することができ、塗料組成物
における樹脂バインダーとして有用である。近年、塗り
重ね塗装性が重視され、弱溶剤で溶解可能なアルキド樹
脂が重用されているが、本発明方法により得られるアル
キド樹脂はこの目的に適合できるものである。
【0030】本発明方法によって得られるアルキド樹脂
は、油長が30〜70%、特に40〜60%;数平均分
子量が2,000〜12,000、特に2,500〜1
0,000;水酸基価が10〜150mgKOH/g、
特に15〜130mgKOH/g;酸価が1〜50mg
KOH/g、特に3〜20mgKOH/gの範囲内にあ
ることが好ましい。
【0031】本発明の方法によって得られるアルキド樹
脂は、油脂として乾性油又は半乾性油を使用したものは
酸化乾燥性に優れており、常温硬化型塗料用樹脂として
好適に使用することができる。常温硬化型塗料用樹脂と
して使用する場合には、ナフテン酸コバルト、ナフテン
酸ジルコニウム、ナフテン酸鉛などの金属化合物ドライ
ヤを併用することにより乾燥性を向上させることができ
る。本発明方法によって得られるアルキド樹脂、なかで
も脂肪酸として飽和脂肪酸を使用して得たアルキド樹脂
は、メラミン樹脂などのアミノ樹脂、ポリイソシアネー
ト化合物、エポキシ化合物などの水酸基と反応性を有す
る硬化剤と組み合せて熱硬化型用塗料用樹脂として好適
に使用することができる。本発明の方法により得られる
アルキド樹脂を含有する塗料組成物は、樹脂バインダの
少なくとも一部として該アルキド樹脂を用いる以外、そ
れ自体既知の方法で製造することができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。以下、「部」及び「%」は、それぞれ重量基
準によるものとする。
【0033】実施例1 温度計、攪拌機、加熱装置及び精留塔を具備した反応装
置に、ペンタエリスリトール89部、エチレングリコー
ル30部及び大豆油270部を仕込み、攪拌しながら1
40℃まで昇温した。この中にリサージ5.0部と酢酸
亜鉛5.0部を仕込み230℃まで昇温し、同温度で2
時間保持して大豆油のエステル交換反応(アルコール分
解反応)を行った。次に温度180℃まで冷却し、再生
ポリエチレンテレフタレート(再生PET)150部を
仕込んだ後、230℃まで昇温し、同温度で保持して固
形分がなくなるまで再生PETの解重合を行った。次に
温度180℃まで冷却し、大豆油270部及び無水フタ
ル酸237部を仕込み、還流用にキシレン50部を加
え、180℃に昇温後、脱水しながら3時間かけて24
0℃まで昇温し、同温度で脱水縮合反応を行いアルキド
樹脂を得た。ついで冷却及びミネラルスピリッツ610
部の添加による希釈を行い、不揮発分約60%のアルキ
ド樹脂溶液を得た。
【0034】実施例2及び3 実施例1において、配合組成を下記表1に示すとおりと
する以外は実施例1と同様に行い、不揮発分約60%の
各アルキド樹脂溶液を得た。
【0035】実施例4 実施例1と同様の反応装置に、ペンタエリスリトール1
19部、エチレングリコール30部及び大豆油272部
を仕込み、攪拌しながら140℃まで昇温した。この中
にリサージ5.0部と酢酸亜鉛5.0部を仕込み230
℃まで昇温し、同温度で2時間保持して大豆油のエステ
ル交換反応(アルコール分解反応)を行った。次に温度
180℃まで冷却し、再生ポリエチレンテレフタレート
(再生PET)150部を仕込んだ後、230℃まで昇
温し同温度で2時間保持して再生PETの解重合を行っ
た。次に温度180℃まで冷却し、大豆油脂肪酸260
部及び無水フタル酸222部を仕込み、還流用にキシレ
ン50部を加え、180℃に昇温後、脱水しながら3時
間かけて240℃まで昇温し、同温度で脱水縮合反応を
行いアルキド樹脂を得た。ついで冷却及びミネラルスピ
リッツ610部の添加による希釈を行い、不揮発分約6
0%のアルキド樹脂溶液を得た。
【0036】実施例5 実施例1において、再生PETの解重合後にトリメチル
ホスフェート2.0部を添加する以外は実施例1と同様
に行い不揮発分約60%のアルキド樹脂溶液を得た。
【0037】比較例1 実施例1と同様の反応装置に、ペンタエリスリトール8
9部、エチレングリコール78部及び大豆油546部を
仕込み、攪拌しながら140℃まで昇温した。この中に
リサージ5.0部と酢酸亜鉛5.0部を仕込んだ後、2
30℃まで昇温し、同温度で2時間保持した。次に温度
180℃まで冷却しテレフタル酸130部及び無水フタ
ル酸237部を仕込み、180℃に昇温後、脱水しなが
ら3時間かけて240℃まで昇温し、同温度で2時間保
持した時点で還流用のキシレン50部を加え、さらに2
40℃で脱水縮合反応を行いアルキド樹脂を得た。つい
で冷却及びミネラルスピリッツ610部の添加による希
釈を行い、不揮発分約60%のアルキド樹脂溶液を得
た。
【0038】比較例2 実施例1において、ペンタエリスリトール89部とエチ
レングリコール30部とのかわりにグリセリン103部
を使用する以外は実施例1と同様に行い不揮発分約60
%のアルキド樹脂溶液を得た。
【0039】
【表1】
【0040】試験例1〜5及び比較試験例1〜2 塗料組成物の製造及び試験塗板の作成 上記実施例及び比較例で得た不揮発分60%の各アルキ
ド樹脂溶液166.7部に、5%ナフテン酸コバルト溶
液0.6部及び12%ナフテン酸ジルコニウム溶液2.
5部を混合して各クリヤ塗料を得た。
【0041】得られた各クリヤ塗料を、ブリキ板に乾燥
膜厚が100μmとなるように塗装し、20℃、60%
RHの室内において静置したときの指触乾燥時間及び硬
化乾燥時間を測定した。また、この硬化乾燥した塗膜に
ついて、ケーニッヒ振り子硬度計での硬度を測定した。
試験結果を下記表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明の製造方法によると、廃物から回
収したポリエステル樹脂を使用して、透明で異物の発生
やろ過残渣がほとんどないアルキド樹脂を短時間で製造
することができる。本発明方法は、廃物を利用するため
廃棄ペットボトルなどのリサイクルによる利用を行うこ
とができる。
【0044】また、本発明方法によって得られるアルキ
ド樹脂は、常温硬化型塗料用樹脂又は硬化剤と組合せて
熱硬化型塗料油用樹脂として好適に使用することができ
る。また、本発明方法によって得られるアルキド樹脂
は、テレフタル酸成分を含有しているにも拘わらず透明
で濁りのない樹脂であることができ、かつミネラルスッ
ピリッツのような弱溶剤にも溶解可能である。このた
め、塗り重ね塗装性が要求される用途の塗料樹脂として
も好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奴間 伸茂 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 Fターム(参考) 4J029 AA01 AA07 AB04 AC02 AD01 AD02 AD03 AD04 AE11 BA02 BA03 BA04 BA05 BA08 BA10 BD07A BF09 BF18 CA02 CA06 CB04A CB05A CB06A CB10A CB12A CC05A CD03 FC03 FC04 FC05 FC07 FC08 FC35 FC36 GA12 GA13 GA72 HA01 HB01 HB06 KB02 KB03 KB16 KC06 KG02 4J038 DD072 DD121 GA01 JA21 JA39 JC39 KA04 MA06 MA09 NA01 NA27 PA18 PB02 PB04 PC02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3価以下の多価アルコールと4価以上のア
    ルコールとの前者/後者の重量比が0〜20の範囲内に
    あるアルコール成分と油脂との混合物又はエステル交換
    反応物中に、廃物から回収し再生したテレフタル酸を主
    原料とする再生ポリエステル樹脂を溶解させ、解重合触
    媒の存在下で解重合し、ついで油脂及び脂肪酸から選ば
    れる少なくとも1種の脂質成分と多塩基酸成分を加えて
    エステル化反応させることによりアルキド樹脂を製造す
    る方法であって、該再生ポリエステル樹脂と該アルコー
    ル成分と該油脂と該脂質成分と該多塩基酸成分との合計
    に基づいて、該再生ポリエステル樹脂を5〜40重量%
    の量で使用することを特徴とする油長30〜70%のア
    ルキド樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】アルコール成分と油脂とのエステル交換反
    応物が、アルコール成分と油脂とを混合、溶解させ、触
    媒の存在下でエステル交換反応させてなるものである請
    求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】再生ポリエステル樹脂とアルコール成分と
    油脂との合計100重量部中、再生ポリエステル樹脂を
    15〜80重量部の量で使用することを特徴とする請求
    項1又は2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】アルコール成分における3価以下の多価ア
    ルコールと4価以上のアルコールとの配合割合が、前者
    /後者の重量比で0〜10の範囲内にあることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】4価以上のアルコールがペンタエリスリト
    ールである請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方
    法。
  6. 【請求項6】3価以下の多価アルコ−ルが、エチレング
    リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
    ール、プロピレングリコール及びグリセリンから選ばれ
    る少なくとも1種のアルコールである請求項1〜5のいず
    れか一項に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】油脂が、半乾性油及び乾性油から選ばれる
    少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜6の
    いずれか一項に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】再生ポリエステル樹脂がリサイクルポリエ
    チレンテレフタレート又はリサイクルポリブチレンテレ
    フタレートであることを特徴とする請求項1〜7のいず
    れか一項に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造
    方法によって製造されるアルキド樹脂を含有する塗料組
    成物。
JP2000360106A 2000-11-27 2000-11-27 アルキド樹脂の製造方法 Expired - Fee Related JP4625176B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000360106A JP4625176B2 (ja) 2000-11-27 2000-11-27 アルキド樹脂の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000360106A JP4625176B2 (ja) 2000-11-27 2000-11-27 アルキド樹脂の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002161132A true JP2002161132A (ja) 2002-06-04
JP4625176B2 JP4625176B2 (ja) 2011-02-02

Family

ID=18831754

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000360106A Expired - Fee Related JP4625176B2 (ja) 2000-11-27 2000-11-27 アルキド樹脂の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4625176B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009079186A (ja) * 2007-09-27 2009-04-16 Dic Corp アルキド樹脂の製造方法
CN101445593B (zh) * 2008-10-27 2012-06-27 江苏三木化工股份有限公司 一种水性短油度醇酸树脂及其制备方法
CN104311750A (zh) * 2014-11-06 2015-01-28 佛山市三水鲸鲨化工有限公司 苯乙烯改性醇酸树脂、制备方法及醇酸树脂漆
CN105694680A (zh) * 2014-11-23 2016-06-22 武汉鸿信通科技有限公司 一种速干油漆
CN105694679A (zh) * 2014-11-23 2016-06-22 武汉鸿信通科技有限公司 一种速干油漆的制备方法
CN114539614A (zh) * 2022-01-26 2022-05-27 福建省腾龙工业公司 一种醇酸树脂解聚剂及其制备方法、使用方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60147432A (ja) * 1984-01-12 1985-08-03 Dainippon Toryo Co Ltd 塗料用樹脂の製造方法
JPH02235921A (ja) * 1989-03-09 1990-09-18 Kansai Paint Co Ltd 塗料用アルキド樹脂
JPH04339822A (ja) * 1991-05-17 1992-11-26 Hitachi Chem Co Ltd ビニル変性アルキド樹脂の製造法及び塗料
JPH0649191A (ja) * 1992-07-30 1994-02-22 Lion Corp 油変性アルキッド樹脂の製造方法
WO2001025309A1 (fr) * 1999-10-07 2001-04-12 Kansai Paint Co., Ltd. Production de resine alkyde
JP2002128880A (ja) * 2000-10-30 2002-05-09 Kansai Paint Co Ltd アルキド樹脂の製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60147432A (ja) * 1984-01-12 1985-08-03 Dainippon Toryo Co Ltd 塗料用樹脂の製造方法
JPH02235921A (ja) * 1989-03-09 1990-09-18 Kansai Paint Co Ltd 塗料用アルキド樹脂
JPH04339822A (ja) * 1991-05-17 1992-11-26 Hitachi Chem Co Ltd ビニル変性アルキド樹脂の製造法及び塗料
JPH0649191A (ja) * 1992-07-30 1994-02-22 Lion Corp 油変性アルキッド樹脂の製造方法
WO2001025309A1 (fr) * 1999-10-07 2001-04-12 Kansai Paint Co., Ltd. Production de resine alkyde
JP3310661B2 (ja) * 1999-10-07 2002-08-05 関西ペイント株式会社 アルキド樹脂の製造方法
JP2002128880A (ja) * 2000-10-30 2002-05-09 Kansai Paint Co Ltd アルキド樹脂の製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009079186A (ja) * 2007-09-27 2009-04-16 Dic Corp アルキド樹脂の製造方法
CN101445593B (zh) * 2008-10-27 2012-06-27 江苏三木化工股份有限公司 一种水性短油度醇酸树脂及其制备方法
CN104311750A (zh) * 2014-11-06 2015-01-28 佛山市三水鲸鲨化工有限公司 苯乙烯改性醇酸树脂、制备方法及醇酸树脂漆
CN105694680A (zh) * 2014-11-23 2016-06-22 武汉鸿信通科技有限公司 一种速干油漆
CN105694679A (zh) * 2014-11-23 2016-06-22 武汉鸿信通科技有限公司 一种速干油漆的制备方法
CN114539614A (zh) * 2022-01-26 2022-05-27 福建省腾龙工业公司 一种醇酸树脂解聚剂及其制备方法、使用方法
CN114539614B (zh) * 2022-01-26 2023-09-26 福建省腾龙工业公司 一种醇酸树脂解聚剂及其制备方法、使用方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4625176B2 (ja) 2011-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1245603B1 (en) Processes for producing aqueous alkyd resin dispersions
JP3443409B2 (ja) ポリエステル樹脂の製造方法
JP3310661B2 (ja) アルキド樹脂の製造方法
JP3256537B2 (ja) ポリエステルチップの再利用方法
TW200528487A (en) Catalyst for manufacture of esters
JP3334713B2 (ja) アルキド樹脂の製造方法
JP4625176B2 (ja) アルキド樹脂の製造方法
JP3253914B2 (ja) ポリエステルチップの再利用方法
JP2002317035A (ja) アルキド樹脂の製造方法
JP2002128880A (ja) アルキド樹脂の製造方法
JP3541004B2 (ja) アルキド樹脂の製造方法
JP3553555B2 (ja) アルキド樹脂水分散液の製造方法
JP2003327679A (ja) アルキド樹脂水分散液の製造方法
JP4649709B2 (ja) 共重合ポリエステルの製造方法
JP2007308658A (ja) エステル交換体の製造方法及びそれを用いたアルキド樹脂の製造方法
JP2004083695A (ja) 塗料用樹脂の製造方法
JP3704322B2 (ja) 回収ポリエチレンテレフタレートを用いた塗料用樹脂の製造方法
JP2002179783A (ja) 改質ポリエステル樹脂
JP2002179782A (ja) 改質ポリエステル樹脂
JP2001064436A (ja) ポリエステルチップの再利用方法
JP2002187944A (ja) 改質ポリエステル樹脂
CS243909B1 (en) Modified polyester bitumens production method

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071025

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100819

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20100831

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100908

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101102

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131112

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131112

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees