JP3541004B2 - アルキド樹脂の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄ペットボトルなどの廃物から回収し再生されたポリエステル樹脂を用いた新規なアルキド樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来、アルキド樹脂の製造原料である二塩基酸としてテレフタル酸を使用することは、フタル酸又は無水フタル酸を使用するよりもコスト高となり、また、得られる樹脂が濁ったり、異物が発生しやすくなるため、通常、アルキド樹脂の製造にテレフタル酸は使用されていないか、使用されたとしても少量であった。
また、近年、廃棄物の処理が問題となっており、廃棄ペットボトルのリサイクルなどによる利用についての研究が行われている。
【0003】
廃棄ペットボトルなどの廃物から回収し再生されたポリエステル樹脂を使用してアルキド樹脂を製造する方法が、例えば、特開平11−228733号公報に記載されている。その方法は、再生されたポリエステル樹脂と分子量5000以下で水酸基を有するアルキド樹脂オリゴマーとを解重合・エステル交換させる方法である。しかしながら、この方法においては、アルキド樹脂オリゴマーを予め合成する工程が必要であり、また、解重合する際のアルコール成分量が少ないので、回収したポリエステル樹脂が十分に解重合され難く、解重合に長時間を要し、また最終的に得られるアルキド樹脂をろ過すると、ろ過残渣が多く発生するといった問題がある。
【0004】
本発明の目的は、廃物から回収し再生されたポリエステル樹脂を使用して、透明で異物の発生やろ過残渣がほとんどないアルキド樹脂を短時間で製造する方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、今回、4価以上のアルコールを含有するアルコール成分と脂肪酸と必要に応じて配合される油脂との混合物又は反応物中に、廃物から再生されたポリエステル樹脂を溶解させて解重合し、ついで脂質成分と多塩基酸成分を加えてエステル化反応することによって上記目的を達成できることを見出し本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、3価以下の多価アルコールと4価以上のアルコールとの前者/後者の重量比が0.02〜10の範囲内にあるアルコール成分と脂肪酸と必要に応じて配合される油脂との混合物又は反応物中に、廃物から再生されたテレフタル酸を主原料とする再生ポリエステル樹脂を溶解させ、解重合触媒の存在下で解重合し、ついで油脂及び脂肪酸から選ばれる少なくとも1種の脂質成分と多塩基酸成分を加えてエステル化反応させることによりアルキド樹脂を製造する方法であって、該3価以下の多価アルコールがエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリンから選ばれる少なくとも 1 種のアルコールであり、且つ該再生ポリエステル樹脂と該アルコール成分と該脂肪酸と必要に応じて配合される油脂と該脂質成分と該多塩基酸成分との合計に基づいて、該再生ポリエステル樹脂の量が5〜40重量%の範囲内にあることを特徴とする油長30〜70%のアルキド樹脂の製造方法を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、上記方法によって製造されるアルキド樹脂を含有する塗料組成物を提供するものである。
【0008】
以下に、本発明について詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】
まず、本発明のアルキド樹脂の製造方法について詳細に説明する。
【0010】
本発明の方法において使用される、廃物から再生されたテレフタル酸を主原料とする再生ポリエステル樹脂(以下、「再生PES」と略称することがある)には、資源のリサイクルのために回収されたポリエチレンテレフタレート(例えば、PETボトル)、産業廃棄物ポリエチレンテレフタレート、テレフタル酸を主原料とするポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル製品(フィルム、繊維、自動車部品、電気・電子部品など)の製造に際して発生する屑などから再生されたポリエステル樹脂が包含され、特にリサイクルポリエチレンテレフタレートが好適である。この再生PESは、通常、チップ又は粉砕物の形態で使用に供される。
【0011】
本発明方法においては、まず、4価以上のアルコール及び必要に応じて3価以下の多価アルコールを含有するアルコール成分と、脂肪酸と、必要に応じて配合される油脂との混合物又はこの混合物のエステル化反応物(「エステル交換反応物」も包含する)中に、上記再生PESを溶解させ、解重合触媒の存在下で解重合を行う。本発明において、「エステル化反応」には通常のエステル化反応のみならず「エステル交換反応」をも包含するものとする。
【0012】
上記アルコール成分中の4価以上のアルコールとしては、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトールなどの4価以上のアルコールを挙げることができ、なかでもペンタエリスリトールが、得られるアルキド樹脂を塗料に使用した場合の塗膜の硬化乾燥性の面から好ましい。上記3価以下の多価アルコールとしては、例えば、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリンなどの3価アルコール;例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ジメチロールシクロヘキサンなどの2価アルコールを挙げることができ、これらのうち、なかでもグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールが、前記4価以上のアルコール(例えば、ペンタエリスリトールなど)と混合使用した際の解重合性や、高融点の4価以上のアルコールを低温で溶解することができる点などから好適である。
【0013】
上記アルコール成分において、3価以下の多価アルコールと4価以上のアルコールとの配合割合は、前者/後者の重量比で0〜20、好ましくは0.02〜10、さらに好ましくは0.05〜5の範囲内にあることが適当である。この配合比が、20を超えると4価以上のアルコールが少なく、解重合性が低下し、また、得られるアルキド樹脂の乾燥性も不足する。
【0014】
上記アルコール成分と混合される脂肪酸としては、例えば、大豆油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、トール油脂肪酸、やし油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、魚油脂肪酸、桐油脂肪酸などを挙げることができる。脂肪酸としては、なかでもヨウ素価が90以上の乾性油脂肪酸又は半乾性油脂肪酸が好ましく、特に大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸などが好適である。
【0015】
上記脂肪酸とともに必要に応じてアルコール成分と混合される油脂は、脂肪酸のトリグリセリドであり、その具体例としては、大豆油、サフラワー油、アマニ油、トール油、やし油、パーム核油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、魚油、桐油などを挙げることができる。油脂としては、なかでもヨウ素価が90以上の乾性油又は半乾性油が好ましく、特に大豆油、トール油などが好適である。脂肪酸と必要に応じて配合される油脂との合計の配合割合は、得られるアルキド樹脂の油長が30〜70%、好ましくは40〜60%の範囲内となる量的範囲内となるような量であることが、乾燥塗膜とした場合の塗膜の乾燥性、塗膜物性などの面から適当である。
【0016】
本発明の方法において、アルコール成分と脂肪酸と必要に応じて配合される油脂との混合物の反応物は、上記混合物を予めエステル化反応させたものである。この反応は、例えば、酢酸亜鉛、リサージ、ジブチル錫オキサイドなどのエステル化反応触媒の存在下でそれ自体既知の方法により好適に行うことができる。
【0017】
通常固体であるペンタエリスリトール等の多価アルコールは、脂肪酸とエステル化反応することにより系に溶解し、次工程である再生PESの溶解、解重合を容易に行うことができるようになる。また、上記混合物中に液状の油脂を配合しておくことによって多価アルコールと脂肪酸とのエステル化反応を安定に進行させることができる。
【0018】
上記アルコール成分と脂肪酸と必要に応じて配合される油脂との混合物又は該混合物の反応物中に配合する再生PESの量は、再生PESとアルコール成分と脂肪酸と必要に応じて配合される油脂との合計100重量部中に15〜80重量部、好ましくは20〜70重量部の範囲内であることが好適である。
【0019】
本発明方法において、再生PESの解重合を促進させるために使用される解重合触媒としては、例えば、モノブチル錫ハイドロオキサイド、ジブチル錫オキサイド、モノブチル錫−2−エチルヘキサノエート、ジブチル錫ジラウレート、酸化第一錫、酢酸錫、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸カルシウム、酢酸鉛、三酸化アンチモン、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネートなどを挙げることができる。これらの解重合触媒の使用量は、前記再生PESとアルコール成分と脂肪酸と必要に応じて配合される油脂との合計100重量部に対して、通常、0.005〜5重量部の範囲内にあることが好適である。
【0020】
本発明方法においては、(1)アルコール成分と脂肪酸と必要に応じて配合される油脂との混合物を再生PESと混合し溶解させて解重合を行う、又は(2)アルコール成分と脂肪酸と必要に応じて配合される油脂とのエステル化反応物と再生PESとを混合し溶解させて解重合を行う、のいずれの方法で解重合を行なってもよいが、(2)の方法が再生PESの解重合性の点からより好適である。
【0021】
再生PESの解重合を行う条件は、解重合触媒を用いて解重合を行うことができる条件であれば特に限定されるものではなく、例えば、80〜200℃に加熱したアルコール成分と脂肪酸と必要に応じて配合される油脂との混合物又は反応物と、解重合触媒と、再生PESとを混合し加熱して、例えば、140〜240℃で溶解、解重合させる方法を挙げることができる。
【0022】
本発明方法においては、上記再生PESの溶解、解重合を行なった後、このものに油脂及び脂肪酸から選ばれる少なくとも1種の脂質成分と多塩基酸成分を加えてエステル化反応(「エステル交換反応」も包含する)させることによってアルキド樹脂を得る。
【0023】
上記エステル化反応に際して、多塩基酸成分とともに配合される脂質成分としての脂肪酸としては、前記解重合反応に際してアルコール成分とともに使用される脂肪酸と同様のものを使用することができる。また、上記脂質成分としての油脂としては、前記解重合反応に際してアルコール成分、脂肪酸とともに必要に応じて使用される油脂と同様のものを使用することができる。
【0024】
上記エステル化反応に際して脂質成分を配合することによって、解重合反応の際の脂肪酸や必要に応じて配合される油脂の合計配合量を減らすことができ、解重合反応を効率的に行うことができる。
【0025】
上記エステル化反応に際して、脂質成分とともに使用される上記多塩基酸成分としては、通常、アルキド樹脂を構成する酸成分として使用される多塩基酸を同様に使用することができ、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4'−ビフェニルジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4'−ジカルボン酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸などの二塩基酸;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、トリメシン酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸などの3価以上の多塩基酸;これらの二塩基酸又は3価以上の多塩基酸の低級アルキルエステルなどを挙げることができる。なかでも二塩基酸又はその低級アルキルエステルが好適である。
【0026】
また、アルキド樹脂を構成する、再生PESとアルコール成分と脂肪酸と必要に応じて配合される油脂と脂質成分と多塩基酸との合計に基づいて、再生PESの量を5〜40重量%、特に10〜35重量%の量とすることが好ましい。
【0027】
さらに、系中のアルコール成分の水酸基1当量に対して、多塩基酸成分のカルボキシル基の当量数が0.5〜1.0、好ましくは0.6〜0.99の範囲内にあることが乾燥塗膜とした場合の塗膜の耐水性、塗膜物性などの観点から好適である。上記「多塩基酸成分のカルボキシル基」は、多塩基酸成分が多塩基酸の低級アルキルエステルである場合は、そのエステルを加水分解して生成するカルボキシル基に換算したものとする。
【0028】
アルキド樹脂を得るためのエステル化反応は、それ自体既知のエステル化反応(「エステル交換反応」をも包含する)条件下で行うことができ、例えば、再生PESとアルコール成分と脂肪酸と必要に応じて配合される油脂との溶解、反応生成物に前記脂質成分と多塩基酸を配合した後、エステル化反応触媒の存在下にて180〜240℃程度の温度で3〜10時間程度保持し、脱水、縮合させることによって行うことができる。上記エステル化反応触媒としては、前記解重合触媒として例示したものを挙げることができる。エステル化反応触媒の配合量は上記系全量に対して0.005〜5重量%の範囲内にあることが好適である。
【0029】
アルキド樹脂の製造において、再生PESの解重合後の生成物に少量のリン化合物を添加してエステル化反応を行うことによって、得られるアルキド樹脂の着色を抑制することができる。上記リン化合物としては、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸;及びこれらの酸のアルキルエステル又はフェニルエステル(例えば、トリメチルホスファイト、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスファイト、トリフェニルホスフェート等)などを挙げることができる。
【0030】
エステル化反応終了後、アルキド樹脂は、通常、冷却され、そのまま取出すこともできるが、濾過性、取り扱い作業性をよくするため、有機溶剤によって希釈して取出すこともできる。上記有機溶剤の種類は、アルキド樹脂を溶解できるものである限り特に限定されるものでない。
【0031】
本発明方法によって得られるアルキド樹脂は、有機溶剤に対する溶解性に優れており、テレフタル酸成分を含有しているにもかかわらずミネラルスピリッツのような弱溶剤にも溶解することができ、塗料組成物における樹脂バインダーとして有用である。近年、塗り重ね塗装性が重視され、弱溶剤で溶解可能なアルキド樹脂が重用されているが、本発明方法により得られるアルキド樹脂はこの目的に適合できるものである。
【0032】
本発明方法によって得られるアルキド樹脂は、油長が30〜70%、特に40〜60%;数平均分子量が2,000〜12,000、特に2,500〜10,000;水酸基価が10〜150mgKOH/g、特に15〜130mgKOH/g;酸価が1〜50mgKOH/g、特に3〜20mgKOH/gの範囲内にあることが好ましい。
【0033】
本発明の方法によって得られるアルキド樹脂は、脂肪酸として乾性油脂肪酸又は半乾性油脂肪酸を使用したものは酸化乾燥性に優れており、常温硬化型塗料用樹脂として好適に使用することができる。常温硬化型塗料用樹脂として使用する場合には、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸鉛などの金属化合物ドライヤを併用することにより乾燥性を向上させることができる。
本発明方法によって得られるアルキド樹脂、なかでも脂肪酸として飽和脂肪酸を使用して得たアルキド樹脂は、メラミン樹脂などのアミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物などの水酸基と反応性を有する硬化剤と組み合せて熱硬化型用塗料用樹脂として好適に使用することができる。
【0034】
本発明の方法により得られるアルキド樹脂を含有する本発明の塗料組成物は、樹脂バインダの少なくとも一部として該アルキド樹脂を用いる以外は、それ自体既知の塗料製造方法によって製造することができる。
【0035】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。以下、「部」及び「%」は、それぞれ重量基準によるものとする。
【0036】
実施例1
温度計、攪拌機、加熱装置及び精留塔を具備した反応装置に、ペンタエリスリトール149部、エチレングリコール30部及び大豆油脂肪酸260部を仕込み、攪拌しながら140℃まで昇温した。この中にジブチル錫オキサイド5.0部、酢酸亜鉛5.0部、再生ポリエチレンテレフタレート(再生PET)150部を仕込んだ後、230℃まで昇温し同温度で2時間保持して再生PETの解重合を行った。次に温度180℃まで冷却し、無水フタル酸210部と大豆油脂肪酸261部を仕込み、還流用にキシレン50部を加え、180℃に昇温後、脱水しながら3時間かけて240℃まで昇温し、同温度で脱水縮合反応を行った。ついで冷却及びミネラルスピリッツ620部の添加による希釈を行い、不揮発分約60%のアルキド樹脂溶液を得た。
【0037】
実施例2、3及び6
実施例1において、配合組成を下記表1に示すとおりとする以外は実施例1と同様に行い、不揮発分約60%の各アルキド樹脂溶液を得た。
【0038】
実施例4
温度計、攪拌機、加熱装置及び精留塔を具備した反応装置に、ペンタエリスリトール119部、エチレングリコール30部及び大豆油脂肪酸347部を仕込み、攪拌しながら140℃まで昇温した。この中にリサージ5.0部、酢酸亜鉛5.0部、再生ポリエチレンテレフタレート(再生PET)150部を仕込んだ後、230℃まで昇温し同温度で2時間保持して再生PETの解重合を行った。次に温度180℃まで冷却し、無水フタル酸207部と大豆油184部を仕込み、還流用にキシレン50部を加え、180℃に昇温後、脱水しながら3時間かけて240℃まで昇温し、同温度で脱水縮合反応を行った。ついで冷却及びミネラルスピリッツ610部の添加による希釈を行い、不揮発分約60%のアルキド樹脂溶液を得た。
【0039】
実施例5
温度計、攪拌機、加熱装置及び精留塔を具備した反応装置に、ペンタエリスリトール119部、エチレングリコール30部、大豆油脂肪酸170部、及び大豆油92部を仕込み、攪拌しながら140℃まで昇温した。この中にリサージ5.0部、酢酸亜鉛5.0部、再生ポリエチレンテレフタレート(再生PET)150部を仕込んだ後、230℃まで昇温し同温度で2時間保持して再生PETの解重合を行った。次に温度180℃まで冷却し、無水フタル酸207部、大豆油脂肪酸177部及び大豆油92部を仕込み、還流用にキシレン50部を加え、180℃に昇温後、脱水しながら3時間かけて240℃まで昇温し、同温度で脱水縮合反応を行いアルキド樹脂を得た。ついで冷却及びミネラルスピリッツ610部の添加による希釈を行い、不揮発分約60%のアルキド樹脂溶液を得た。
【0040】
比較例1
実施例1と同様の反応装置に、ペンタエリスリトール119部、エチレングリコール78部、大豆油脂肪酸347部及び大豆油184部を仕込み、攪拌しながら140℃まで昇温した。この中にリサージ5.0部と酢酸亜鉛5.0部を仕込んだ後、230℃まで2時間かけて昇温し同温度で2時間保持した。次に温度180℃まで冷却しテレフタル酸130部及び無水フタル酸207部を仕込み、180℃に昇温後、脱水しながら3時間かけて240℃まで昇温し、同温度で2時間保持した時点で還流用のキシレン50部を加え、さらに240℃で脱水縮合反応を行いアルキド樹脂を得た。ついで冷却及びミネラルスピリッツ610部の添加による希釈を行い、不揮発分約60%のアルキド樹脂溶液を得た。
【0041】
比較例2
実施例4において、ペンタエリスリトール119部とエチレングリコール30部との合計のかわりにグリセリン136部を使用し、かつ無水フタル酸の量を207部から230部に変更する以外は実施例4と同様に行い不揮発分約60%のアルキド樹脂溶液を得た。
【0042】
【表1】
Figure 0003541004
【0043】
試験例1〜6及び比較試験例1〜2
塗料組成物の製造及び試験塗板の作成
上記実施例及び比較例で得た不揮発分60%の各アルキド樹脂溶液196部に、5%ナフテン酸コバルト溶液0.6部及び12%ナフテン酸ジルコニウム溶液2.5部を混合して各クリヤ塗料を得た。
得られた各クリヤ塗料を、ブリキ板に乾燥膜厚が100μmとなるように塗装し、20℃、60%RHの室内において静置したときの指触乾燥時間及び硬化乾燥時間を測定した。また、この硬化乾燥した塗膜について、ケーニッヒ振り子硬度計での硬度を測定した。試験結果を下記表2に示す。
【0044】
【表2】
Figure 0003541004
【0045】
【発明の効果】
本発明の製造方法によると、廃物から回収、再生したポリエステル樹脂を使用して、透明で異物の発生やろ過残渣がほとんどないアルキド樹脂を短時間で製造することができる。本発明方法は、廃物を利用するため廃棄ペットボトルなどのリサイクルによる利用を行うことができる。
【0046】
また、本発明方法によって得られるアルキド樹脂は、常温硬化型塗料用樹脂として又は硬化剤と組合せて熱硬化型塗料油用樹脂として好適に使用することができる。また、本発明方法によって得られるアルキド樹脂は、テレフタル酸成分を含有しているにも拘わらず透明で濁りのない樹脂であることができ、かつミネラルスッピリッツのような弱溶剤にも溶解可能である。このため、塗り重ね塗装性が要求される用途の塗料樹脂としても好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. 3価以下の多価アルコールと4価以上のアルコールとの前者/後者の重量比が0.02〜10の範囲内にあるアルコール成分と脂肪酸と必要に応じて配合される油脂との混合物又は反応物中に、廃物から再生されたテレフタル酸を主原料とする再生ポリエステル樹脂を溶解させ、解重合触媒の存在下で解重合し、ついで油脂及び脂肪酸から選ばれる少なくとも1種の脂質成分と多塩基酸成分を加えてエステル化反応させることによりアルキド樹脂を製造する方法であって、該3価以下の多価アルコールがエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリンから選ばれる少なくとも 1 種のアルコールであり、且つ該再生ポリエステル樹脂と該アルコール成分と該脂肪酸と必要に応じて配合される油脂と該脂質成分と該多塩基酸成分との合計に基づいて、該再生ポリエステル樹脂の量が5〜40重量%の範囲内にあることを特徴とする油長30〜70%のアルキド樹脂の製造方法。
  2. アルコール成分と脂肪酸と必要に応じて配合される油脂との反応物が、アルコール成分と脂肪酸と必要に応じて配合される油脂とを混合、溶解させ、触媒の存在下でエステル化又はエステル交換反応させてなるものである請求項1記載の製造方法。
  3. 再生ポリエステル樹脂とアルコール成分と脂肪酸と必要に応じて配合される油脂との合計100重量部に基いて、再生ポリエステル樹脂の量が15〜80重量部の範囲内にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 4価以上のアルコールがペンタエリスリトールである請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 再生ポリエステル樹脂がリサイクルポリエチレンテレフタレート及び/又はリサイクルポリブチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法。
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