JP2002179783A - 改質ポリエステル樹脂 - Google Patents

改質ポリエステル樹脂

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JP2002179783A
JP2002179783A JP2001312323A JP2001312323A JP2002179783A JP 2002179783 A JP2002179783 A JP 2002179783A JP 2001312323 A JP2001312323 A JP 2001312323A JP 2001312323 A JP2001312323 A JP 2001312323A JP 2002179783 A JP2002179783 A JP 2002179783A
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Hisanori Tanabe
久記 田辺
Makoto Shimizu
誠 清水
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステルの繊維、フィルム、その他の成
型品の製造工程で発生する不良品あるいは廃棄物を再利
用することによって、塗料用樹脂としても適用可能な改
質ポリエステル樹脂を提供する。 【解決手段】 (a)ポリエステルチップ10〜80重
量部と、(b)数平均分子量5000以下で、かつOH
価20以上の末端水酸基を有するポリエステルオリゴマ
ー20〜90重量部とをエステル交換反応させることに
よる、テレフタル酸を主原料とするポリエステルチップ
の再利用方法により得られ、数平均分子量1000〜1
0000、OH価20〜200であることを特徴とする
改質ポリエステル樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【用語の説明】本発明において、「ポリエステルチッ
プ」、「回収ポリエチレンテレフタレート(回収PE
T)」および「回収ポリブチレンテレフタレート」と
は、資源リサイクルを目的として回収された容器ポリエ
チレンテレフタレートあるいは産業廃棄物ポリエチレン
テレフタレート並びにポリエステル製品(例えば、繊
維、フィルムおよびその他の成型品)を製造するための
種々の工程で発生する不良品あるいは屑の粉砕物も意味
する。本発明において「改質ポリエステル樹脂」とは、
上記「ポリエステルチップ」を再利用して合成された高
官能価を有するポリエステル樹脂を意味する。
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は、資源リサイクルを
目的として回収された容器あるいは産業廃棄物のポリエ
ステルチップと、末端水酸基含有ポリエステルオリゴマ
ーとを解重合反応するポリエステルチップの再利用方法
によって得られる改質ポリエステル樹脂に関する。
【0003】
【従来の技術】従来から、ポリエステル樹脂、特にテレ
フタル酸とジオールとを共重合したポリエステル樹脂
は、繊維、フィルム、その他の成型品用途として広範に
かつ多量に用いられている。通常、ポリエステル樹脂の
繊維、フィルム、その他の成型品を製造するための種々
の工程では、不良品あるいは屑が多かれ少なかれ発生す
るが、資源の有効利用の見地から、そのような不良品や
屑あるいは上記ポリエステル物品を再利用することが極
めて重要となってきている。また、近年、リサイクル運
動が活発になるにつれて、家庭のゴミからのポリエチレ
ンテレフタレート(PET)製品の量も大幅に増加して
きていることから、それらの回収・再利用も現在取り組
まなければならない重要な課題の一つである。
【0004】上記不良品あるいは屑の再利用方法は、既
にいくつか報告されており、例えば、特開平6−166
747号(東レ)には、PET解重合を利用した再生P
ET;国際特許出願公開第9,501,954号(I.
C.I.)並びに米国特許第5,414,022号(E
astman Chemical Co.)、同第5,
473,102号および同第5,095,145号(い
ずれも、AMOCO)には、PET解重合による高純度
テレフタル酸の合成方法;および米国特許第4,16
6,896号(Owens−Corning)および同
第5,380,793号(Ashland)には、PE
T解重合による不飽和ポリエステルに関する製法がそれ
ぞれ記載されている。ここで、国際特許出願公開第9,
501,954号、米国特許第5,414,022号、
同第5,473,102号および同第5,095,14
5号はいずれも、高圧水蒸気を作用させることによっ
て、PETをテレフタル酸とエチレングリコールに解重
合させる方法である。米国特許第4,166,896号
および同第5,380,793号は共に、低分子量の不
飽和ポリエステルを得る方法である。従って、これらの
公報に記載の方法により再生された原料は、モノマー単
位あるいは低分子量のオリゴマー化されたものであっ
て、改質されたポリエステル樹脂(すなわち、高官能価
変性されたポリエステル樹脂)ではない。また、特開平
6−166747号に記載の方法によって再生された再
生PETは、解重合時に高粘度状態で加熱することから
着色し易く、得られたポリエステル樹脂は、通常の繊維
やフィルム用であって、改質されたポリエステル樹脂
(すなわち、高官能価変性されたポリエステル樹脂)で
はない。
【0005】さらに、特公昭62−56893号(クラ
レ)には、医療用繊維として用いられるポリエチレンテ
レフタレートの難染性の欠点を改良するために、ポリエ
チレンテレフタレートから成る繰り返し単位20モル以
下を含有する改質原料を用いて染色性を改良した改質ポ
リエステル樹脂繊維の製造方法が記載されている。しか
しながら、このPET含有改質ポリエステル樹脂は、繊
維用であって、分子量が大きく、溶剤溶解性がほとんど
無く、また室温から少なくとも190℃まで流動性がな
いため、薄膜(20〜60μm)形成が不可能である。
また、このPET含有改質ポリエステル樹脂は、溶融時
の粘度が高いことから、材料を均一に撹拌するために
は、撹拌に使用する釜や羽根の形状、モーター等に特殊
な装置を用いなければならならない。上記公報に記載の
方法で材料を加熱すると、オーバーヒートによって、材
料の焦げ付きや黄変が生じ易いため、再生されるポリエ
ステル樹脂の品質が不安定でかつ生産コストが高くな
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような問題点を解決し、ポリエステルの繊維、フィル
ム、その他の成型品の製造工程で発生する不良品あるい
は廃棄物を再利用することによって、塗料用樹脂として
も適用可能な改質ポリエステル樹脂を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するために鋭意検討した結果、良好な薄膜形成性
を有し、かつ室温〜140℃において優れた流動性を示
し、更に架橋剤と反応し得るに十分な官能基量を有する
改質ポリエステル樹脂を得る方法を見い出した。従っ
て、本発明は、(a)ポリエステルチップ10〜80重
量部と、(b)数平均分子量5000以下で、かつOH
価20以上の末端水酸基を有するポリエステルオリゴマ
ー20〜90重量部とをエステル交換反応させるテレフ
タル酸を主原料とするポリエステルチップの再利用方法
により得られ、数平均分子量1000〜10000、O
H価20〜200であることを特徴とする改質ポリエス
テル樹脂を提供する。
【0008】
【発明の効果】本発明の改質ポリエステル樹脂は、資源
のリサイクルを容易に行うことができる方法によって得
られ、容器や産業廃棄物としてのテレフタル酸を主原料
とするポリエステルチップを、特定のポリエステルオリ
ゴマーと解重合することにより、特殊な設備を必要とす
ることなく得られ、溶剤溶解性および室温〜140℃に
おける流動性が改良されたものである。本発明の改質ポ
リエステル樹脂を得るポリエステルチップの再利用方法
は、小さな寸法のポリエステルチップを使用するため、
解重合前のポリエステル溶解時間を著しく短縮すること
ができ、かつ生産効率も高い。また、前記溶解時のオー
バーヒートによる原料の焦げ付きおよび黄変等の不都合
も生じない。
【0009】本発明の改質ポリエステル樹脂は、特に、
塗料用樹脂として有効に利用できる。しかしながら、本
発明の改質ポリエステル樹脂の用途は、上記に限定され
るものではなく、接着剤やインク等の用途にも用いるこ
とができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、資源リサイクルを目的としており、(a)ポ
リエステルチップ10〜80重量部と、(b)数平均分
子量5000以下で、かつOH価20以上の末端水酸基
を有するポリエステルオリゴマー20〜90重量部とを
エステル交換反応させることによる、テレフタル酸を主
原料とするポリエステルチップの再利用方法により得ら
れ、数平均分子量1000〜10000、OH価20〜
200であることを特徴とする改質ポリエステル樹脂で
ある。
【0011】本発明の改質ポリエステル樹脂を得るポリ
エステルチップの再利用方法でリサイクルされる、テレ
フタル酸を主原料とするポリエステルチップ(a)は、
例えば、使用後の繊維、フィルムおよびその他の成型
品、並びにそれらの製造工程で発生する不良品や屑等で
あって、ポリエチレンテレフタレートおよび/またはポ
リブチレンテレフタレートから成る。前記ポリエステル
チップ(a)は、大きさが20mm角以下のペレット、
チップまたは粉砕物の形態であることが望ましい。前記
ポリエステルチップの大きさが20mm角以下であれ
ば、工程中における溶解時間を短縮することができ、ま
た、上記のようなペレット等とすることで、見掛け比重
を大きくすることができる。
【0012】本発明の改質ポリエステル樹脂を得るポリ
エステルチップの再利用方法において、前記ポリエステ
ルチップ(a)は、10〜80重量部の量で使用する。
前記ポリエステルチップ(a)は、10重量部未満で
は、再利用されるポリエステル樹脂の改質効果が期待で
きず、また、本発明の目的である資源のリサイクルに効
を発しない。反対に、前記ポリエステルチップ(a)が
80重量部を超えると、溶剤溶解性が極めて悪くなると
ともに、140℃以下の温度における流動性が著しく低
下するため、塗料用樹脂として適さない。
【0013】他方、本発明の改質ポリエステル樹脂を得
るポリエステルチップの再利用方法において、前記ポリ
エステルチップ(a)と解重合反応に付するポリエステ
ルオリゴマー(b)は、必須成分として、多価カルボン
酸および/または酸無水物と多価アルコールを重縮合す
ることによって製造されるポリエステル樹脂であり得
る。本発明では、上記必須成分以外の他の反応成分とし
て、モノカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン
などを少量含んでいてもよい。あるいは、ポリエステル
オリゴマーは、アルキド樹脂でもあり得る。本発明にお
いて、アルキド樹脂は、乾性油または半乾性油およびそ
れらの脂肪酸を含有していてもよい。
【0014】ポリエステルオリゴマー(b)を構成する
必須成分の1種である多価カルボン酸および/または酸
無水物の例としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラクロロ
無水フタル酸等の芳香族多価カルボン酸および酸無水
物;ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタ
ル酸、1,4−および1,3−シクロヘキサンジカルボ
ン酸等の脂環式カルボン酸および酸無水物;無水マレイ
ン酸、フマル酸、無水コハク酸、アジピン酸、セバチン
酸、アゼライン酸等の脂肪族多価カルボン酸および酸無
水物が挙げられる。また、少量であれば、無水トリメリ
ット酸、無水ピロメリット酸等の3官能以上のカルボン
酸を使用してもよい。先に述べたように、前記多価カル
ボン酸および/または酸無水物は、ヒドロキシ安息香
酸、ヒドロキシピバリン酸、1,2−ヒドロキシステア
リン酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−
ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールペンタン
酸、2,2−ジメチロールヘキサン酸、2,2−ジメチ
ロールオクタン酸等を少量含有していてもよい。あるい
は、モノカルボン酸(例えば、安息香酸、t−ブチル安
息香酸)が少量含まれていてもよい。
【0015】他方、前記多価アルコール成分としては、
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−
プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2
−ジエチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,9−ノナンジオール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール、ヒドロキシピバリン酸ネオペン
チルグリコールエステル、2−ブチル−2−エチル−
1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペン
タンジオール、2,2,4−トリメチルペンタンジオー
ル、水素化ビスフェノールA等のジオール類が挙げられ
る。また、少量であれば、トリメチロールプロパン、ト
リメチロールエタン、グリセリン、ペンタエリスリトー
ル等の三価以上のポリオール類を使用してもよい。さら
に、ヒドロキシル基末端ポリアルカンジエンジオールを
使用してもよく、それは、例えば、1,4−ポリイソプ
レンジオール、1,4−および1,2−ポリブタジオン
ジオール、並びにそれらの水素添加物であり得る。前記
ヒドロキシル基末端ポリアルカンジエンジオールの市販
品の例としては、エポール(水素化ポリイソプレンジオ
ール、分子量1860、平均重合度26、出光石油化学
(株)製)、PIP(ポリイソプレンジオール、分子量
2,200、平均重合度34、出光石油化学(株)
製)、ポリテールHA(水素化ポリブタジエンジオー
ル、分子量2,200、平均重合度39、三菱化学
(株)製)、ポリテールH(水素化ポリブタジエンジオ
ール、分子量2,350、平均重合度42、三菱化学
(株)製)、R−45HT(ポリブタンジオール、分子
量2,270、平均重合度42、出光石油化学(株)
製)等が挙げられる。
【0016】前記ポリエステルオリゴマー(b)がアル
キド樹脂である場合、全反応成分の合計重量の60%ま
で、好ましくは50%までの炭素数6以上の脂肪酸また
はそれを含む油脂を含有していなければならない。これ
ら油脂成分の例は、ヒマシ油、アマニ油、脱水ヒマシ
油、桐油、サフラワー油、大豆油、トール油、ヤシ油、
パーム核油およびそれらの脂肪酸であるが、特に、大豆
油、ヤシ油およびパーム核油が好ましい。
【0017】本発明の改質ポリエステル樹脂を得るポリ
エステルチップの再利用方法において、エステル化に関
与する上記以外の成分としては、例えば、カージュラE
(商品名:シェル化学製)等のモノエポキサイド化合
物、およびラクトン類がある。ラクトン類は、多価カル
ボン酸および多価アルコールのポリエステル類へ開環付
加してグラフト鎖を形成し得るものであり、例えば、β
−プロピオラクトン、ジメチルプロピオラクトン、ブチ
ロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクト
ン、γ−カプロラクトン、γ−カプリロラクトン、クロ
トラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン
等が挙げられるが、中でもε−カプロラクトンが最も好
ましい。
【0018】本発明の改質ポリエステル樹脂を得るポリ
エステルチップの再利用方法に使用するのに適したポリ
エステルオリゴマー(b)は、数平均分子量5000以
下で、かつOH価20以上の末端水酸基を有するもので
ある。前記ポリエステルオリゴマー(b)において、数
平均分子量が5000を超えると、ポリエステルオリゴ
マー自体の溶融粘度が高くなるため、前記ポリエステル
チップ(a)を添加した際に、反応液の粘度が更に高く
なることから、解重合反応が均一に進行することができ
ない。また、そのような反応により得られる改質ポリエ
ステル樹脂は、数平均分子量が10000以上となり、
これを冷却すると、薄色結晶化するため、溶剤溶解性が
低下する。その結果、回収された改質ポリエステル樹脂
の流動性が悪くなり、薄膜形成性が低下する。こうして
得られた改質ポリエステル樹脂は、塗料用樹脂としては
適さない。本発明の方法において、前記ポリエステルオ
リゴマー(b)のOH価が20未満の場合、得られる改
質ポリエステル樹脂の官能価が低くなり、それを架橋剤
(例えば、メラミン樹脂および/またはポリイソシアネ
ート化合物)と組み合わせて熱硬化反応させる用途(例
えば、熱硬化性塗料用樹脂等)には適用することができ
ない。
【0019】本発明の改質ポリエステル樹脂を得るポリ
エステルチップの再利用方法では、前記ポリエステルオ
リゴマー(b)を、20〜90重量部の量で使用する。
【0020】本発明の改質ポリエステル樹脂を得るポリ
エステルチップの再利用方法では、先に定義したポリエ
ステルチップと前記ポリエステルオリゴマーを、常圧
下、190〜270℃の温度において30〜300分間
エステル交換反応させる。ここで、エステル交換反応温
度および時間は、所望の性質の改質ポリエステル樹脂を
得るために反応が十分に進行するのであれば、上記範囲
内において、それぞれ任意に変化してよい。しかしなが
ら、上記エステル交換反応において、ポリエステルチッ
プ(a)を反応系内に投入後、常圧力下、190〜27
0℃の温度において適した時間の間撹拌する必要があ
る。前記投入後に、適した時間の撹拌を行わずに重合反
応を行ったり、適した時間よりも短い時間撹拌した後、
重合を開始したりすると、ポリエステルチップ(a)が
十分にエステル交換反応されない状態で重合反応に進む
ために重合途中でポリマーの重合度が上昇しなくなって
所望の分子量が得られず、あるいは、重合完了までに非
常に長時間を要するために生産効率が低下しかつ得られ
るポリマーの色相が著しく悪化するため、好ましくな
い。
【0021】本発明の改質ポリエステル樹脂を得るポリ
エステルチップの再利用方法では、エステル化反応を開
始または解重合を促進するために各種触媒を使用しても
よい。ポリエステル樹脂のエステル化触媒および解重合
触媒としては、例えば、ジブチルスズオキサイド、モノ
ブチルスズ−2−エチルヘキサノエート、モノブチルス
ズオキサイド等の有機スズ化合物および三酸化アンチモ
ン、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸カル
シウム、酢酸鉛、テトラブチルチタネート、テトライソ
プロピルチタネート等の公知の触媒を使用することがで
きる。
【0022】上記エステル化反応に要する各成分は、全
量を一度に添加しても、数回に分けて添加してもよい。
【0023】本発明の改質ポリエステル樹脂は、数平均
分子量1000〜10000、OH価20〜200であ
り得る。得られる改質ポリエステル樹脂の数平均分子量
が1000未満では、これを架橋剤と組み合わせて加熱
硬化させた場合に、熱硬化性塗膜として、十分な機械的
物性、耐薬品性および耐候性が得られない。他方、改質
ポリエステル樹脂の数平均分子量が10000を超える
と、溶剤溶解性や熱流動性が低下するため、塗料用樹脂
としての用途に適しない。また、得られる改質ポリエス
テル樹脂のOH価が20未満の場合、これを架橋剤と組
み合わせて加熱硬化させた場合に、熱硬化性塗膜とし
て、十分な機械的物性、耐薬品性および耐候性が得られ
ない。改質ポリエステル樹脂のOH価が200を超える
場合、架橋剤と組み合わせて加熱硬化させて得られる塗
膜の耐水性が十分でない。
【0024】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例1 加熱装置、撹拌機、窒素導入管および分留管を装備した
反応容器に、無水フタル酸29.0重量部、アジピン酸
26.8重量部、トリメチロールプロパン38.6重量
部、ネオペンチルグリコール41.3重量部、ε−カプ
ロラクトン160重量部およびジブチルスズオキサイド
0.6重量部を仕込み、乾燥窒素下で加熱を開始した。
原料を融解させた後、210℃まで徐々に昇温し、脱水
エステル化反応を行った。酸価20で脱水エステル化反
応を終了し、数平均分子量400、OH価420のポリ
エステルオリゴマーを得た。得られたポリエステルオリ
ゴマー(320重量部)を200℃まで冷却した後、回
収PET粉砕物(寸法:5mm角)160重量部を加え
て、240℃まで昇温し、その温度で1時間、解重合反
応させた。1時間後、回収PET粉砕物の固まりが無く
なり、均質化した後、更に上記回収PET粉砕物160
重量部を徐々に加えて、250℃で2時間、解重合反応
させた。その後、反応を終了させた。得られた改質ポリ
エステル樹脂にキシレン274重量部を加えて溶解させ
た。
【0025】得られた改質ポリエステル樹脂(回収PE
T改質比率50%、数平均分子量3,200、OH価1
38、酸価9、不揮発分70%)のキシレン溶液は、粘
度10.7ポイズ(25℃)であり、透明で、ガードナ
ー色数1のほとんど無色の流動性液体であった。この改
質ポリエステル樹脂のキシレン溶液は、溶剤型塗料用ポ
リエステル樹脂としての用途に適していた。
【0026】実施例2 実施例1のポリエステルオリゴマー30重量部におい
て、200℃において回収PET粉砕物(寸法:5mm
角)50重量部を加えて、240℃まで昇温し、その温
度で1時間、解重合反応させた。1時間後、回収PET
粉砕物の固まりが無くなり、均質化した後、更に上記回
収PET粉砕物20重量部を徐々に加えて、250℃で
2時間、解重合反応させた。その後、反応を終了させ
た。得られた改質ポリエステル樹脂にキシレン50重量
部およびブチルセロソルブ16.7重量部を加えて溶解
させた。
【0027】得られた改質ポリエステル樹脂(回収PE
T改質比率70%、数平均分子量3,800、OH価8
4、酸価6、不揮発分60%)のキシレン/ブチルセロ
ソルブ溶液は、粘度27.0ポイズ(25℃)であり、
透明で、ガードナー色数1のほとんど無色の流動性液体
であった。この改質ポリエステル樹脂のキシレン溶液
は、溶剤型塗料用ポリエステル樹脂としての用途に適し
ていた。
【0028】実施例3 実施例1で使用したものと同じ反応容器において、無水
フタル酸26.7重量部、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸30.9重量部、トリメチロールプロパン1
2.1重量部、ネオペンチルグリコール33.5重量
部、1,6−ヘキサンジオール8.7重量部およびジブ
チルスズオキサイド0.3重量部を仕込み、乾燥窒素下
で加熱を開始した。原料を融解させた後、230℃まで
徐々に昇温し、脱水エステル化反応を行った。酸価15
で脱水エステル化反応を終了し、数平均分子量800、
OH価175のポリエステルオリゴマーを得た。得られ
たポリエステルオリゴマー(100重量部)を200℃
まで冷却した後、回収PET粉砕物(寸法:5mm角)
133重量部を加えて、250℃まで昇温し、その温度
で1時間、解重合反応させた。1時間後、回収PET粉
砕物の固まりが無くなり、均質化した後、更に上記回収
PET粉砕物100重量部を徐々に加えて、260℃で
2時間、解重合反応させた。その後、反応を終了させ
た。
【0029】得られた改質ポリエステル樹脂(回収PE
T改質比率70%、数平均分子量5,500、OH価3
5、酸価4)は、ガラス転移温度55.0℃、軟化点1
05℃の淡黄色透明固形樹脂であり、かつ室温で粉砕可
能であることにより、粉体塗料用ポリエステル樹脂とし
ての用途に適していた。
【0030】実施例4 実施例1で使用したものと同じ反応容器において、大豆
油52.2重量部、ペンタエリスリトール10.1重量
部、ネオペンチルグリコール11.4重量部およびジブ
チルスズオキサイド0.2重量部を仕込み、乾燥窒素下
で加熱を開始した。原料を融解させた後、220℃まで
徐々に昇温し、その温度で1時間、エステル交換反応を
行った。その後、系を150℃に冷却し、無水フタル酸
11.4重量部を添加した後、230℃まで徐々に昇温
し、脱水エステル化反応を行った。酸価5で脱水エステ
ル化反応を終了し、数平均分子量2,000、OH価6
5のアルキドオリゴマーを得た。得られたポリエステル
オリゴマー(100重量部)を200℃まで冷却した
後、回収PET粉砕物(寸法:20mm角)43重量部
を加えて、230℃まで昇温し、その温度で3時間、解
重合反応させた。反応終了後、得られた改質アルキドに
ミネラルスピリット67重量部を加えて溶解させた。
【0031】得られた改質アルキド樹脂(回収PET改
質比率30%、数平均分子量2,300、OH価22、
酸価3、不揮発分60%)溶液は、粘度1.35ポイズ
(25℃)であり、透明で、ガードナー色数5の淡黄色
透明液体であり、常乾塗料用アルキド樹脂としての用途
に適していた。
【0032】実施例5 実施例1で使用したものと同じ反応容器において、1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸34.6重量部、アジ
ピン酸29.5重量部、トリメチロールプロパン10.
9重量部、ネオペンチルグリコール18.4重量部、
1,6−ヘキサンジオール20.9重量部およびジブチ
ルスズオキサイド0.2重量部を仕込み、乾燥窒素下で
加熱を開始した。原料を融解させた後、220℃まで徐
々に昇温し、脱水エステル化反応を行った。酸価5で脱
水エステル化反応を終了し、数平均分子量2,500、
OH価120のポリエステルオリゴマーを得た。得られ
たポリエステルオリゴマー(100重量部)を200℃
まで冷却した後、回収PET粉砕物(寸法:20mm
角)25重量部を加えて、240℃まで昇温し、その温
度で3時間、解重合反応させた。3時間後、150℃ま
で冷却し、無水トリメリット酸28.0重量部を添加し
た後、170℃で1時間エステル交換反応に付すことに
より、改質ポリエステル樹脂を得た。得られた改質ポリ
エステル樹脂にブチルセロソルブ15重量部を添加して
溶解した後、ジメチルエタノールアミン11.9重量部
を加え、十分に撹拌して樹脂溶液とした。その後、イオ
ン交換水125重量部を徐々に滴下して、水溶性ポリエ
ステル樹脂を回収した。
【0033】得られた水溶性改質ポリエステル樹脂(回
収PET改質比率20%、数平均分子量3,000、O
H価74、酸価50、不揮発分50%)は、pH8.
1、粘度46.3ポイズ(25℃)であり、透明で、ガ
ードナー色数1の淡黄色の流動性液体であった。この改
質ポリエステル樹脂は、水性塗料用ポリエステル樹脂と
しての用途に適していた。
【0034】実施例6 実施例1で使用したものと同じ反応容器において、実施
例5で得られたポリエステルオリゴマー100重量部を
200℃まで冷却した後、回収PET粉砕物(寸法:2
0mm角)25重量部を加えて、240℃まで昇温し、
その温度で3時間、解重合反応させた。3時間後、15
0℃まで冷却し、無水トリメリット酸15.8重量部を
加えて、170℃で1時間エステル交換反応させること
により、ポリエステルを得た。得られたポリエステル
に、ブチルセロソルブ12重量部を加えて溶解した後、
ジメチルエタノールアミン7.5重量部を加えて十分に
撹拌して、樹脂溶液とした。そこへ、イオン交換水15
0重量部を徐々に滴下して水分散型ポリエステル樹脂を
得た。得られた水分散型ポリエステル樹脂(PET改質
比率20%、数平均分子量2,900、OH価80、酸
価35、不揮発分40%)は、pH8.2および光散乱
法による平均粒子径150nmであり、粘度3.70ポ
イズ(25℃)の水分散体(ディスパージョン)である
ため、流動性および貯蔵安定性に優れており、水性塗料
用ポリエステル樹脂としての用途に適していた。
【0035】実施例7 実施例1で得られたポリエステルオリゴマー30重量部
に対して、160℃でポリブチレンテレフタレート(P
BT)粉砕物(寸法:5mm角)50重量部を加えた
後、220℃まで昇温し、解重合反応させた。30分
後、PBT粉砕物の固まりが無くなってから、更にPB
T20重量部を徐々に加え、230℃で2時間反応させ
て解重合反応を終了させた。得られた改質ポリエステル
樹脂にキシレン50重量部、ブチルセロソルブ16.7
重量部を加えて溶解した。得られた改質ポリエステル樹
脂(PBT改質比率70%、数平均分子量3,500、
OH価88、酸価6、不揮発分60%)溶液は、粘度
4.0ポイズ(25℃)であり、透明でガードナー色数
1のほとんど無色の流動性液体であり、溶剤型塗料用ポ
リエステル樹脂としての用途に適していた。
【0036】比較例1 以下の酸とアルコールの配合から、PET粉砕物を用い
ずに、下記の従来法により直接、ポリエステル樹脂を合
成した。 (配合) 無水フタル酸 29.0重量部 アジピン酸 42.9重量部 トリメチロールプロパン 61.8重量部 ネオペンチルグリコール 41.3重量部 ε−カプロラクトン 160重量部 ジブチルスズオキサイド 0.6重量部 テレフタル酸 276.7重量部 エチレングリコール 103.3重量部
【0037】上記配合を実施例1で使用したものと同じ
反応容器に仕込み、乾燥窒素下で加熱を開始し、テレフ
タル酸を除く原料を融解させ、更に160℃まで昇温さ
せた。この温度付近からエステル化反応による水が出始
めるので、230℃まで昇温し(約9時間)、脱水エス
テル化反応を行った。酸価10で脱水エステル化反応を
終了し、冷却後、キシレン274重量部を加えて溶解さ
せた。
【0038】得られたポリエステル樹脂(数平均分子量
3,500、OH価138、酸価10、不揮発分70
%)溶液は、粘度17.6ポイズ(25℃)であり、透
明でガードナー色数1のほとんど無色の流動性液体であ
り、実施例1で得られた、本発明の改質ポリエステル樹
脂の特性と同等の特性を有することが分かった。
【0039】上記実施例1〜7および比較例1において
得られた改質ポリエステル樹脂もしくは改質アルキド樹
脂およびポリエステル樹脂の特性を表1〜2にまとめ
る。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
フロントページの続き Fターム(参考) 4F301 AA25 CA10 CA23 CA71 CA72 4J029 AA03 AB04 AC01 AD01 AD03 AE11 BA03 CB06 JE162 KD01 KD05 KG01 KG02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリエステルチップ10〜80重
    量部と、(b)数平均分子量5000以下で、かつOH
    価20以上の末端水酸基を有するポリエステルオリゴマ
    ー20〜90重量部とをエステル交換反応させることに
    よる、テレフタル酸を主原料とするポリエステルチップ
    の再利用方法により得られ、数平均分子量1000〜1
    0000、OH価20〜200であることを特徴とする
    改質ポリエステル樹脂。
  2. 【請求項2】 前記テレフタル酸を主原料とするポリエ
    ステルチップ(a)が、ポリエチレンテレフタレートお
    よび/またはポリブチレンテレフタレートから成るペレ
    ット、チップまたは粉砕物の形態である請求項1記載の
    改質ポリエステル樹脂。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステルオリゴマー(b)が、
    ポリエステル樹脂およびアルキド樹脂、並びにそれらの
    混合物から選ばれる請求項1または2記載の改質ポリエ
    ステル樹脂。
  4. 【請求項4】 前記ポリエステルチップ(a)とポリエ
    ステルオリゴマー(b)とのエステル交換反応におい
    て、常圧下、190〜270℃の温度において30〜3
    00分間反応させる請求項1〜3のいずれかに記載の改
    質ポリエステル樹脂。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023136092A1 (ja) * 2022-01-13 2023-07-20 互応化学工業株式会社 水系ポリエステル樹脂の製造方法及び水系ポリエステル樹脂並びに水系コーティング組成物の製造方法及び水系コーティング組成物

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