JP3553555B2 - アルキド樹脂水分散液の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄ペットボトルなどの廃物から回収し再生されたポリエステル樹脂を用いた新規なアルキド樹脂水分散液の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来、アルキド樹脂の製造原料の1つである二塩基酸成分としてテレフタル酸を使用すると、イソフタル酸又は無水フタル酸を使用するよりもコスト高となり、また、得られる樹脂が濁ったり、異物が発生しやすくなるため、通常、アルキド樹脂の製造にテレフタル酸は使用されていないか、使用されたとしても少量であった。
【0003】
また、近年、廃棄物の処理が問題となっており、廃棄ペットボトルのリサイクルなどによる利用についての研究が行われている。
【0004】
廃棄ペットボトルなどの廃物から回収し再生されたポリエステル樹脂を使用してアルキド樹脂を製造する方法が、例えば、特開平11−228733号公報に記載されている。その方法は、回収されたポリエステル樹脂と分子量5000以下で水酸基を有するアルキド樹脂オリゴマーとを解重合・エステル交換させる方法である。しかしながら、この方法においては、アルキド樹脂オリゴマーを予め合成する工程が必要であり、また、解重合する際のアルコール成分量が少ないので、回収したポリエステル樹脂が十分に解重合され難く、解重合に長時間を要する等の問題がある。
【0005】
また、地球環境保護の観点から、大気中に揮散して大気汚染を引き起こす有機溶剤の使用を減らすため、塗料分野では、有機溶剤希釈型塗料から水系塗料への転換についての研究が行なわれている。廃物から回収し再生されたポリエチレンテレフタレートを用いたアルキド樹脂についても水性化の検討が行なわれている。
【0006】
例えば、特開平5−311114号公報には、触媒の存在下でアルコールを廃物から回収し再生されたポリエチレンテレフタレートと反応させ、続いて、この反応生成物を酸成分と反応させてなる生成組成物を弱塩基で中和し、水を加えて水性コーティング組成物とすることが開示されている。しかしながら、この方法においては、アルコーリシスによる解重合を行なった後、酸成分との縮重合反応が行なわれるので、反応に長時間を要するという問題がある。
【0007】
また、特開平5−271612号公報には、廃物から回収し再生されたポリエチレンテレフタレートを酸成分と反応させ、続いて、この反応生成物をアルコール成分と反応させてなる生成組成物を弱塩基で中和し、水を加えて水性コーティング組成物とすることが開示されている。しかしながら、この方法においては、アシドリシスによる解重合を行なった後、アルコール成分との縮重合反応が行なわれるので、反応に長時間を要するという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、廃物から回収し再生されたポリエステル樹脂を使用して、アルキド樹脂水分散液を短時間で簡単に製造する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、今回、4価以上のアルコールを含有するアルコール成分と脂肪酸及び/又は油脂と、多塩基酸成分との混合物中に、廃物から再生されたポリエステル樹脂を溶解させて解重合するとともに、エステル化反応することにより得られるアルキド樹脂を、必要に応じて酸変性、中和を行なった後、水分散化することによって、上記目的を達成できることを見出し本発明を完成させるに至った。
【0010】
かくして、本発明の一態様によれば、
(A−1)3価以下の多価アルコールと4価以上のアルコールとの前者/後者の重量比が0〜20の範囲内にあるアルコール成分と、脂肪酸及び/又は油脂と、多塩基酸成分との混合物中に、廃物から回収し再生したテレフタル酸を主原料とするポリエステル樹脂を溶解させ、解重合するとともに、エステル化反応させることによりアルキド樹脂を合成する工程、及び
(C−1)上記工程(A−1)で得られるアルキド樹脂を、該アルキド樹脂100重量部あたり3〜15重量部の界面活性剤の存在下に水分散化する工程
を含んでなることを特徴とするアルキド樹脂水分散液の製造方法(以下、本発明第1方法という)が提供される。
【0011】
本発明のもう1つの態様によれば、
(A−2)3価以下の多価アルコールと4価以上のアルコールとの前者/後者の重量比が0〜20の範囲内にあるアルコール成分と、脂肪酸及び/又は油脂と、多塩基酸成分との混合物中に、廃物から回収し再生したテレフタル酸を主原料とするポリエステル樹脂を溶解させ、解重合するとともに、エステル化反応させて水酸基価が0.1〜50mgKOH/gのアルキド樹脂を合成する工程、
(B−2)上記工程(A−2)で得られるアルキド樹脂を無水マレイン酸と反応させて酸価が10〜200mgKOH/gのマレイン化アルキド樹脂を得る工程、及び
(C−2)上記工程(B−2)で得られるマレイン化アルキド樹脂を中和、水分散化する工程
を含んでなることを特徴とするアルキド樹脂水分散液の製造方法(以下、本発明第2方法という)が提供される。
【0012】
本発明の別の態様によれば、
(A−3)3価以下の多価アルコールと4価以上のアルコールとの前者/後者の重量比が0〜20の範囲内にあるアルコール成分と、脂肪酸及び/又は油脂と、多塩基酸成分との混合物中に、廃物から回収し再生したテレフタル酸を主原料とするポリエステル樹脂を溶解させ、解重合するとともに、エステル化反応させて水酸基価が5〜200mgKOH/gのアルキド樹脂を合成する工程、
(B−3)上記工程(A−3)で得られるアルキド樹脂とエチレン性不飽和基を有さない酸無水物とを反応させて酸価が10〜200mgKOH/gの変性アルキド樹脂を得る工程、及び
(C−3)上記工程(B−3)で得られる変性アルキド樹脂を中和、水分散化する工程、
を含んでなることを特徴とするアルキド樹脂水分散液の製造方法(以下、本発明第3方法という)が提供される。
【0013】
本発明のさらに別の態様によれば、
(A−4)3価以下の多価アルコールと4価以上のアルコールとの前者/後者の重量比が0〜20の範囲内にあるアルコール成分と、脂肪酸及び/又は油脂と、多塩基酸成分との混合物中に、廃物から回収し再生したテレフタル酸を主原料とするポリエステル樹脂を溶解させ、解重合するとともに、エステル化反応させて酸価が10〜200mgKOH/gのアルキド樹脂を合成する工程、
(C−4)上記工程(A−4)で得られるアルキド樹脂を中和、水分散化する工程、
を含んでなることを特徴とするアルキド樹脂水分散液の製造方法(以下、本発明第4方法という)が提供される。
【0014】
本発明によれば、また、本発明の第1ないし第4方法によって製造されるアルキド樹脂水分散液を含有する塗料組成物が提供される。
【0015】
以下、本発明の第1ないし第4方法についてさらに詳細に説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の第1ないし第4方法において使用される、廃物から再生されたテレフタル酸を主原料とするポリエステル樹脂(以下、「再生PES」と略称することがある)には、資源のリサイクルのために回収されたポリエチレンテレフタレート(例えば、PETボトル)、産業廃棄物ポリエチレンテレフタレート、テレフタル酸を主原料とするポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル製品(フィルム、繊維、自動車部品、電子部品など)の製造に際して発生する屑などから再生されたポリエステル樹脂が包含され、特にリサイクルポリエチレンテレフタレートが好適である。この再生PESは、通常、チップ又は粉砕物の形態で使用に供される。
【0017】
本発明第1方法の(A−1)工程、本発明第2方法の(A−2)工程、本発明第3方法の(A−3)工程及び本発明第4方法の(A−4)工程(以下、これらは総称して本発明方法の(A)工程という)において、4価以上のアルコール及び必要に応じて3価以下の多価アルコールを含んでなるアルコール成分と、脂肪酸及び/又は油脂と、多塩基酸成分との混合物中に、上記再生PESを溶解させ、解重合触媒の存在下で解重合を行うとともに、エステル化反応させることによってアルキド樹脂を合成する。本明細書において、「エステル化反応」なる語は通常のエステル化反応とエステル交換反応との両者を包含するものとして使用する。
【0018】
上記アルコール成分中の4価以上のアルコールとしては、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトールなどの4価以上のアルコールを挙げることができ、なかでもペンタエリスリトールが、得られるアルキド樹脂を塗料に使用した場合の塗膜の硬化乾燥性の面から好ましい。上記3価以下の多価アルコールとしては、例えば、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどの3価アルコール;例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ジメチロールシクロヘキサンなどの2価アルコールを挙げることができ、これらのうち、なかでもグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコールが、前記4価以上のアルコール(例えば、ペンタエリスリトールなど)と混合使用した際の解重合性や、高融点の4価以上のアルコールを低温で溶解することができる点などから好適である。
【0019】
上記アルコール成分において、3価以下の多価アルコールと4価以上のアルコールとの配合割合は、前者/後者の重量比で0〜20、好ましくは0.02〜10、さらに好ましくは0.05〜5の範囲内にあることが適当である。
【0020】
上記アルコール成分と混合される脂肪酸としては、例えば、大豆油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、トール油脂肪酸、やし油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、魚油脂肪酸、桐油脂肪酸などを挙げることができる。脂肪酸としては、なかでもヨウ素価が90以上の乾性油脂肪酸又は半乾性油脂肪酸が好ましく、特に大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸などが好適である。
【0021】
また、上記アルコール成分と混合される油脂は、脂肪酸のトリグリセリドであり、その具体例としては、大豆油、サフラワー油、アマニ油、トール油、やし油、パーム核油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、魚油、桐油などを挙げることができる。油脂としては、なかでもヨウ素価が90以上の乾性油又は半乾性油が好ましく、特に大豆油、トール油などが好適である。
【0022】
これら脂肪酸及び/又は油脂の前記混合物における合計の配合割合は、得られるアルキド樹脂の油長が30〜70%、好ましくは40〜60%の範囲内となるような量であることが、乾燥塗膜とした場合の塗膜の乾燥性、塗膜物性などの面から適当である。
【0023】
さらに、上記アルコール成分と脂肪酸及び/又は油脂と共に使用される多塩基酸成分としては、アルキド樹脂を構成する酸成分として通常使用される多塩基酸を同様に使用することができ、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸などの二塩基酸;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、トリメシン酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸などの3価以上の多塩基酸;これらの二塩基酸又は3価以上の多塩基酸のC1〜C6(特にC1〜C4)アルキルエステルなどを挙げることができる。なかでも二塩基酸又はそのC1〜C6(特にC1〜C4)アルキルエステルが好適である。
【0024】
これらの多塩基酸成分は、一般に、前記アルコール成分の水酸基1当量に対して、多塩基酸成分のカルボキシル基の当量数が0.2〜1.5、特に0.4〜1.4の範囲内で使用することができる。本明細書において、「多塩基酸成分のカルボキシル基」は、多塩基酸成分が多塩基酸のエステルである場合は、そのエステルを加水分解して生成するカルボキシル基に換算したものである。
【0025】
さらに、前記混合物中におけるアルコール成分、脂肪酸及び/又は油脂ならびに多塩基酸成分の配合割合は特に制限されるものではないが、一般には、アルコール成分/脂肪酸・油脂/多塩基酸成分の重量比で100/50〜700/50〜400、特に100/75〜600/75〜300の範囲内が適当である。
【0026】
本発明の方法において、再生PESの解重合は、再生PESの融点以上(再生ペットでは240℃以上)の温度では無触媒でも進行するが、それより低温で又は効率的に解重合を行うためには、一般に、解重合触媒を使用することが好ましい。その際に使用される解重合触媒としては、例えば、モノブチル錫ハイドロオキサイド、ジブチル錫オキサイド、モノブチル錫−2−エチルヘキサノエート、ジブチル錫ジラウレート、酸化第一錫、酢酸錫、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸カルシウム、酢酸鉛、リサージ、三酸化アンチモン、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネートなどを挙げることができる。これらの解重合触媒の使用量は、前記再生PESとアルコール成分と脂肪酸及び/又は油脂と多塩基酸成分との合計100重量部に対して、通常0.0005〜10重量部、特に0.001〜5重量部の範囲内にあるのが好適である。これらの解重合触媒は、通常、エステル化反応触媒にもなりうる。
【0027】
本発明方法の(A)工程は、以上に述べた再生PES、アルコール成分と、脂肪酸及び/又は油脂と、多塩基酸成分との混合物を、必要に応じて解重合触媒の存在下で、一括して反応させるものであり、この反応において、上記再生PESの解重合反応と、再生PESとアルコール成分と脂肪酸及び/又は油脂と多塩基酸成分のエステル化反応とがほぼ同時的に進行することによってアルキド樹脂が生成する。その際のアルキド樹脂の生成条件は、上記解重合反応と上記エステル化反応とを同時的に行うことができるようなものであれば特に制限されるものではなく、例えば、上記混合物を、必要に応じて解重合触媒の存在下で、攪拌しながら、約160℃〜約270℃、好ましくは約200〜約260℃の温度で2〜10時間程度反応させることによって、アルキド樹脂を製造することができる。
【0028】
本発明方法の(A)工程によれば、再生PES、アルコール成分、脂肪酸及び/又は油脂及び多塩基酸成分を一括で反応させることによって反応時間を大幅に短縮することができる。
【0029】
上記反応において、再生PESは、生成するアルキド樹脂の油長が30〜70%、好ましくは40〜60%の範囲内となるような量で使用することが、乾燥塗膜とした場合の塗膜の乾燥性、塗膜物性などの面から適当であり、そのためには、一般に、再生PESは、再生PESとアルコール成分と脂肪酸及び/又は油脂と多塩基酸成分との合計に基いて2〜40重量%、特に5〜35重量%の範囲内の量で使用することが好ましい。
【0030】
また、アルキド樹脂の製造において、反応系中に予め少量、例えば再生PESとアルコール成分と脂肪酸及び/又は油脂と多塩基酸成分との合計100重量部あたり0.1〜10重量部のリン化合物を添加してエステル化反応を行うことにより、生成するアルキド樹脂の着色を抑制することができる。上記リン化合物としては、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸;及びこれらの酸のアルキルエステル又はフェニルエステル(例えば、トリメチルホスファイト、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスファイト、トリフェニルホスフェート等)などを挙げることができる。
【0031】
解重合及びエステル化反応終了後、アルキド樹脂は、通常、冷却され、そのまま取出すこともできるが、濾過性、取り扱い作業性をよくするため、有機溶剤によって希釈して取出すようにしてもよい。上記有機溶剤の種類は、アルキド樹脂を溶解できるものである限り特に限定されるものではない。
【0032】
本発明第1方法
本発明第1方法において、アルキド樹脂の合成工程(A−1)では、系中のアルコール成分の水酸基1当量に対して、多塩基酸成分のカルボキシル基の当量数が0.2〜1、特に0.4〜0.99の範囲内にあることが、乾燥塗膜とした場合の塗膜の耐水性、塗膜物性などの観点から好適である。
【0033】
工程(A−1)で得られるアルキド樹脂は、一般に、数平均分子量が2000〜24000、特に2500〜20000の範囲内にあり、水酸基価が0.1〜150mgKOH/g、特に1〜130mgKOH/gの範囲内にあり、そして酸価が0.1〜150mgKOH/g、特に1〜100mgKOH/gの範囲内にあることが好適である。
【0034】
本発明第1方法によれば、工程(C−1)において、上記工程(A−1)で合成されるアルキド樹脂が界面活性剤の存在下に水分散化される。その際に用いられる界面活性剤は、ノニオン性、アニオン性、カチオン性のいずれのタイプの界面活性剤であってもよい。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル等を挙げることができ、なかでもHLBが10〜16の範囲内にあるものが好適である。また、アニオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、コハク酸モノアルキルナトリウム塩、スルホコハク酸ジアルキルナトリウム塩等を挙げることができる。さらに、カチオン性界面活性剤としては、例えば、オクタデシル・アミン酢酸塩、テトラデシル・アミン酢酸塩、オクタデシル・トリメチル・アンモニウム・クロライド、ドデシル・トリメチル・アンモニウム・クロライド、オクタデシル・ジメチル・ベンジル・アンモニウム・クロライド等を挙げることができる。これらの界面活性剤は、該アルキド樹脂100重量部に基いて、3〜15重量部、好ましくは2〜10重量部の範囲内の量で使用することができる。
【0035】
上記アルキド樹脂の水分散化は、種々の方法が行うことができ、例えば、(1)必要に応じて、アルキド樹脂に含まれる酸基を中和剤にて中和した後、アルキド樹脂を界面活性剤と混合し、次いでこの混合物に水を徐々に加えて水分散化する方法;(2)アルキド樹脂と界面活性剤とを混合した後、この混合物に中和剤を加えて中和し、ついで水を徐々に加えて水分散化する方法;(3)アルキド樹脂、界面活性剤及び中和剤を同時に混合し、この混合物に水を徐々に加えて水分散化する方法などを挙げることができる。
【0036】
水を徐々に加えて水分散化するに際して、ディスパー型攪拌機などのような高速回転攪拌機を好適に使用することができる。水分散化は、一般に、分散粒子の直径が平均で0.1〜5μm、特に0.1〜1.0μmの範囲内になるようにして行うことが好ましい。
【0037】
上記中和剤としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノールなどの有機アミン、アンモニアなどが挙げられる。
【0038】
アルキド樹脂を水分散化するにあたり、分散を均一にかつ容易に行なうために、必要に応じて、水溶性有機溶剤を併用することが可能であり、その際に使用しうる水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ダイアセトンアルコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。その配合量は、アルキド樹脂100重量部当り50重量部以下、好ましくは5〜30重量部の範囲内とすることができる。
【0039】
本発明第2方法
本発明第2方法において、アルキド樹脂の合成工程(A−2)では、系中のアルコール成分の水酸基1当量に対して、通常、多塩基酸成分のカルボキシル基の当量数が0.2〜1.2、好ましくは0.4〜1.1の範囲内となる割合にて反応させることにより、水酸基価が0.1〜50mgKOH/g、好ましくは0.1〜30mgKOH/gの範囲内にあるアルキド樹脂を合成する。
【0040】
工程(A−2)で得られるアルキド樹脂は、一般に、数平均分子量が2000〜24000、特に2500〜20000の範囲内にあり、水酸基価が0.1〜150mgKOH/g、特に1〜130mgKOH/gの範囲内にあることが好適である。
【0041】
本発明第2方法によれば、工程(B−2)において、上記工程(A−2)で得られるアルキド樹脂を無水マレイン酸と反応させて、酸価が10〜200mgKOH/g、特に10〜150mgKOH/gの範囲内にあるマレイン化アルキド樹脂が製造される。アルキド樹脂と無水マレイン酸との反応は、通常、アルキド樹脂100重量部に対して無水マレイン酸が0.8〜22.0重量部、特に1.0〜15重量部の範囲内となる割合で混合し、150〜200℃の温度で0.5〜20時間程度加熱することにより行うことができ、それによって無水マレイン酸のアルキド樹脂への付加反応が起こり、目的とするマレイン化アルキド樹脂を得ることができる。
【0042】
本発明第2方法によれば、工程(C−2)において、上記工程(B−2)で得られるマレイン化アルキド樹脂が中和、水分散化される。この中和、水分散化は、種々の方法で行うことができ、例えば、(1)アルキド樹脂に含まれる酸基を中和剤にて中和した後、必要に応じて界面活性剤と混合し、次いでこの中和物に水を徐々に加えて水分散化する方法;(2)アルキド樹脂と界面活性剤とを混合した後、この混合物に中和剤を加えて中和し、ついで水を徐々に加えて水分散化する方法;(3)アルキド樹脂、界面活性剤及び中和剤を同時に混合し、この混合物に水を徐々に加えて水分散化する方法などを挙げることができる。上記界面活性剤及び中和剤としては、本発明第1方法で述べたと同様のものを使用することができ、また、上記の水分散化は本発明第1方法で述べたと同様の手法で実施することができる。
【0043】
本発明第3方法
本発明第3方法において、アルキド樹脂の合成工程(A−3)では、系中のアルコール成分の水酸基1当量に対して、通常、多塩基酸成分のカルボキシル基の当量数が0.2〜1.00、好ましくは0.4〜0.99の範囲内となる割合にて反応させて、水酸基価5〜200mgKOH/g、好ましくは10〜150mgKOH/gの範囲内にあるアルキド樹脂を合成する。
【0044】
工程(A−3)で得られるアルキド樹脂は、一般に、数平均分子量が2000〜24000、特に2500〜20000の範囲内にあり、酸価が0.1〜150mgKOH/g、特に1〜100mgKOH/gの範囲内にあることが好適である。
【0045】
本発明第3方法によれば、工程(B−3)において、上記工程(A−3)で得られるアルキド樹脂をエチレン性不飽和基を有さない酸無水物と反応させて、酸価が5〜200mgKOH/g、特に10〜100mgKOH/gの範囲内にある変性アルキド樹脂が製造される。アルキド樹脂とエチレン性不飽和基を有さない酸無水物との反応は、通常、アルキド樹脂の水酸基1当量に対して酸無水物の酸無水基が0.01〜1当量、好ましくは0.1〜0.5当量の範囲内となる割合で混合し、80〜200℃の温度で0.25〜10.0時間程度加熱することによって行うことができ、それによってハーフエステル化反応が起こり、アルキド樹脂にカルボキシル基が導入された目的とする変性アルキド樹脂を得ることができる。
【0046】
上記工程(B−3)においてアルキド樹脂の変性のために用いられるエチレン性不飽和基を有さない酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸などが挙げられ、中でも無水フタル酸、無水トリメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸が好適である。
【0047】
本発明第3方法によれば、工程(C−3)において、上記工程(B−3)で得られる変性アルキド樹脂が中和、水分散化される。この中和、水分散化は、前記本発明第2方法の工程(C−2)で述べたと同様の方法で行うことができる。
【0048】
本発明第4方法
本発明第4方法において、アルキド樹脂の合成工程(A−4)では、系中のアルコール成分の水酸基1当量に対して、通常、多塩基酸成分のカルボキシル基の当量数が0.5〜1.5、好ましくは0.6〜1.4の範囲内となる割合にて反応させて、酸価が10〜200mgKOH/g、好ましくは15〜150mgKOH/gの範囲内にあるアルキド樹脂を合成する。
【0049】
工程(A−4)で得られるアルキド樹脂は、数平均分子量が2000〜24000、特に2500〜20000の範囲内にあり、水酸基価が0.1〜150mgKOH/g、特に1〜130mgKOH/gの範囲内にあることが好適である。
【0050】
本発明第4方法によれば、工程(C−4)において、上記工程(A−4)で得られるアルキド樹脂が中和、水分散化される。この中和、水分散化は、前記本発明第2方法の工程(C−2)で述べたと同様の方法で行うことができる。
【0051】
以上に述べた本発明の第1ないし第4方法によって得られる水分散液中のアルキド樹脂は、油長が30〜70%、特に40〜60%;数平均分子量が2000〜24000、特に2500〜20000の範囲内にあることが好ましい。
【0052】
本発明の第1ないし第4方法によって得られるアルキド樹脂水分散液のうち、脂肪酸として乾性油脂肪酸又は半乾性油脂肪酸を使用したものは、酸化乾燥性に優れており、常温硬化型塗料用樹脂水分散液として好適に使用することができる。常温硬化型塗料用樹脂水分散液として使用する場合には、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸鉛などの金属化合物ドライヤを併用することにより乾燥性を向上させることができる。
【0053】
本発明の第1ないし第4方法によって得られるアルキド樹脂水分散液、なかでも脂肪酸として飽和脂肪酸を使用して得たアルキド樹脂水分散液は、メラミン樹脂などのアミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物などの水酸基と反応性を有する硬化剤と組み合せて熱硬化型塗料用樹脂水分散液として好適に使用することができる。
【0054】
本発明の第1ないし第4方法により得られるアルキド樹脂水分散液を含有する本発明の塗料組成物は、樹脂バインダの少なくとも一部として該アルキド樹脂水分散液を用いる以外は、それ自体既知の水性塗料製造方法によって製造することができる。
【0055】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、「部」及び「%」は、それぞれ重量基準によるものとする。
【0056】
製造例1
温度計、攪拌機、加熱装置、精留塔及び水分離器を具備した反応装置に、ペンタエリスリトール472部、大豆油脂肪酸1134部、無水フタル酸400部及び安息香酸453部を仕込み、攪拌しながら170℃まで昇温した。この中にジブチル錫オキサイド24部と再生ポリエチレンテレフタレート(再生PET)130部を仕込み、次いで250℃まで2時間かけて昇温し、250℃で1時間保持した時点で還流用のキシレン120部を加え、さらに230℃で解重合と脱水縮合反応を約4時間行い、不揮発分95%のアルキド樹脂ワニスを得た。アルキド樹脂ワニスの製造に8時間を要した。このワニスの樹脂酸価は5.2mgKOH/gであり、このアルキド樹脂ワニスをエチレングリコールモノn−ブチルエーテルで不揮発分75%に希釈した溶液のガードナー粘度(25℃)はSであった。
【0057】
実施例1
製造例1で得た不揮発分95%のアルキド樹脂ワニス中のキシレンを減圧除去して得たアルキド樹脂2400部にエチレングリコールモノn−ブチルエーテル800部を仕込み、冷却して約60℃になったところで、トリエチルアミン22部及び「ノイゲンEA150」(第一工業製薬(株)製、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルであるノニオン性界面活性剤)240部を仕込み、約60℃で30分間攪拌混合後、脱イオン水1340部を徐々に加えながら高速攪拌して、不揮発分51%のアルキド樹脂水分散液を得た。
【0058】
実施例2
製造例1で得た不揮発分95%のアルキド樹脂ワニス中のキシレンを減圧除去して得たアルキド樹脂2400部を約60℃まで冷却し、トリエチルアミン22部及び「カチオーゲンH」(第一工業製薬(株)製、第4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤)120部を仕込み、約60℃で30分間攪拌混合後、脱イオン水2258部を徐々に加えながら高速攪拌して、不揮発分51%のアルキド樹脂水分散液を得た。
【0059】
実施例3
製造例1で得た不揮発分95%のアルキド樹脂ワニス中のキシレンを減圧除去して得たアルキド樹脂2400部にエチレングリコールモノn−ブチルエーテル800部を仕込み、約60℃になったところで、「カチオーゲンH」(第一工業製薬(株)製、第4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤)120部を仕込み、約60℃で30分間攪拌混合後、脱イオン水1480部を徐々に加えながら高速攪拌して、不揮発分50%のアルキド樹脂水分散液を得た。
【0060】
実施例4
製造例1で得た不揮発分95%のアルキド樹脂ワニス中のキシレンを減圧除去して得たアルキド樹脂2400部にエチレングリコールモノn−ブチルエーテル800部を仕込み、約60℃になったところで、トリエチルアミン11部及び「ハイテノールN−08」(第一工業製薬(株)製、ポリオキシエチレン鎖を有する硫酸エステル塩であるアニオン性界面活性剤)120部を仕込み、約60℃で30分間攪拌混合後、脱イオン水1469部を徐々に加えながら高速攪拌して、不揮発分50%のアルキド樹脂水分散液を得た。
【0061】
比較例1
温度計、攪拌機、加熱装置、精留塔及び水分離器を具備した反応装置に、ペンタエリスリトール472部、再生ポリエチレンテレフタレート(再生PET)130部及びジブチル錫オキサイド24部を仕込み、230℃に昇温後、230℃で再生PETが溶解反応し、透明な反応物が得られるまで約3時間反応を行なった。その後、この中に還流用のキシレン120部、大豆油脂肪酸1134部、無水フタル酸400部及び安息香酸453部を仕込み、ついで攪拌しながら230℃まで3時間かけて昇温し、230℃で脱水縮合反応を約4時間行い、樹脂酸価約4.9mgKOH/g、不揮発分95%のアルキド樹脂ワニスを得た。アルキド樹脂ワニスの製造に11時間を要した。このアルキド樹脂ワニスをエチレングリコールモノn−ブチルエーテルで不揮発分75%に希釈した溶液のガードナー粘度(25℃)はTUであった。
【0062】
得られた不揮発分95%のアルキド樹脂ワニス中のキシレンを減圧除去して得たアルキド樹脂2400部にエチレングリコールモノn−ブチルエーテル800部を仕込み、約60℃になったところで、トリエチルアミン22部及び「ノイゲンEA150」240部を仕込み、約60℃で30分間攪拌混合後、脱イオン水1340部を徐々に加えながら高速攪拌して、不揮発分51%のアルキド樹脂水分散液を得た。
【0063】
比較例2
温度計、攪拌機、加熱装置、精留塔及び水分離器を具備した反応装置に、ペンタエリスリトール495部、大豆油脂肪酸1187部、無水フタル酸444部、安息香酸474部、ジブチル錫オキサイド24部及びキシレン120部を仕込み、ついで230℃まで3時間かけて昇温し、230℃で脱水縮合反応を約8時間行い、樹脂酸価約7.0mgKOH/g、不揮発分95%のアルキド樹脂ワニスを得た。アルキド樹脂ワニスの製造に12時間を要した。このアルキド樹脂ワニスをエチレングリコールモノn−ブチルエーテルで不揮発分75%に希釈した溶液のガードナー粘度(25℃)はQRであった。
【0064】
得られた不揮発分95%のアルキド樹脂ワニス中のキシレンを減圧除去して得たアルキド樹脂2400部にエチレングリコールモノn−ブチルエーテル800部を仕込み、約60℃になったところで、トリエチルアミン22部及び「ノイゲンEA150」240部を仕込み、約60℃で30分間攪拌混合後、脱イオン水1340部を徐々に加えながら高速攪拌して、不揮発分51%のアルキド樹脂水分散液を得た。
【0065】
実施例5
温度計、攪拌機、加熱装置、精留塔及び水分離器を具備した反応装置に、ペンタエリスリトール442部、大豆油脂肪酸1061部、無水フタル酸374部及び安息香酸424部を仕込み、攪拌しながら170℃まで昇温した。この中にジブチル錫オキサイド24部と再生ポリエチレンテレフタレート(再生PET)121部を仕込み、次いで250℃まで2時間かけて昇温し、250℃で1時間保持した時点で還流用のキシレン120部を加え、さらに230℃で解重合と脱水縮合反応を約4時間行い、不揮発分95%のアルキド樹脂ワニスを得た。アルキド樹脂ワニスの製造に8時間を要した。このワニスの樹脂酸価は5.5mgKOH/gであり、このアルキド樹脂ワニスをエチレングリコールモノn−ブチルエーテルで不揮発分75%に希釈した溶液のガードナー粘度(25℃)はSTであった。
【0066】
次いで温度を200℃まで下げて、この中に無水マレイン酸155部を加えて200℃で3時間マレイン化反応を行ない、マレイン化アルキド樹脂ワニスを得た。得られた樹脂は全酸価55mgKOH/gであり、このマレイン化アルキド樹脂ワニスをエチレングリコールモノn−ブチルエーテルで不揮発分75%に希釈した溶液のガードナー粘度(25℃)はZ1であった。
【0067】
マレイン化アルキド樹脂ワニス中のキシレンを減圧除去した後、系を冷却し100℃に達したところでエチレングリコールモノn−ブチルエーテル480部を仕込み、約60℃になったところで、トリエチルアミン238部を仕込み、約60℃で30分間攪拌混合後、脱イオン水1682部を徐々に加えながら高速攪拌して、不揮発分51%のアルキド樹脂水分散液を得た。
【0068】
比較例3
温度計、攪拌機、加熱装置、精留塔及び水分離器を具備した反応装置に、ペンタエリスリトール472部、再生ポリエチレンテレフタレート(再生PET)130部及びジブチル錫オキサイド24部を仕込み、230℃に昇温後、230℃で再生PETが溶解反応し、透明な反応物が得られるまで約3時間反応を行なった。その後、この中に還流用のキシレン120部、大豆油脂肪酸1134部、無水フタル酸400部及び安息香酸453部を仕込み、ついで攪拌しながら230℃まで3時間かけて昇温し、同温度で脱水縮合反応を約4時間行い、樹脂酸価約4.9mgKOH/g、不揮発分95%のアルキド樹脂ワニスを得た。アルキド樹脂ワニスの製造に11時間を要した。このアルキド樹脂ワニスをエチレングリコールモノn−ブチルエーテルで不揮発分75%に希釈した溶液のガードナー粘度(25℃)はTUであった。
【0069】
次いで温度を200℃まで下げて、この中に無水マレイン酸155部を加えて200℃で3時間マレイン化反応を行ない、マレイン化アルキド樹脂ワニスを得た。得られた樹脂は全酸価53mgKOH/gであり、このマレイン化アルキド樹脂ワニスをエチレングリコールモノn−ブチルエーテルで不揮発分75%に希釈した溶液のガードナー粘度(25℃)はZ2であった。
【0070】
マレイン化アルキド樹脂ワニス中のキシレンを減圧除去した後、系を冷却し100℃に達したところでエチレングリコールモノn−ブチルエーテル480部を仕込み、約60℃になったところで、トリエチルアミン238部を仕込み、約60℃で30分間攪拌混合後、脱イオン水1682部を徐々に加えながら高速攪拌して、不揮発分53%のアルキド樹脂水分散液を得た。
【0071】
比較例4
温度計、攪拌機、加熱装置、精留塔及び水分離器を具備した反応装置に、ペンタエリスリトール495部、大豆油脂肪酸1187部、無水フタル酸444部、安息香酸474部、ジブチル錫オキサイド24部及びキシレン120部を仕込み、160℃から230℃まで3時間かけて昇温し、230℃で脱水縮合反応を約8時間行い、樹脂酸価約7.0mgKOH/g、不揮発分95%のアルキド樹脂ワニスを得た。アルキド樹脂ワニスの製造に12時間を要した。このアルキド樹脂ワニスをエチレングリコールモノn−ブチルエーテルで不揮発分75%に希釈した溶液のガードナー粘度(25℃)はQRであった。
【0072】
次いで温度を200℃まで下げて、この中に無水マレイン酸155部を加えて200℃で3時間マレイン化反応を行ない、マレイン化アルキド樹脂ワニスを得た。得られた樹脂は全酸価55mgKOH/gであり、このマレイン化アルキド樹脂ワニスをエチレングリコールモノn−ブチルエーテルで不揮発分75%に希釈した溶液のガードナー粘度(25℃)はZ1であった。
【0073】
マレイン化アルキド樹脂ワニス中のキシレンを減圧除去した後、系を冷却し100℃に達したところでエチレングリコールモノn−ブチルエーテル480部を仕込み、約60℃になったところで、トリエチルアミン238部を仕込み、約60℃で30分間攪拌混合後、脱イオン水1682部を徐々に加えながら高速攪拌して、不揮発分55%のアルキド樹脂水分散液を得た。
【0074】
実施例6
温度計、攪拌機、加熱装置、精留塔及び水分離器を具備した反応装置に、ペンタエリスリトール317部、グリセリン64部、エチレングリコール210部、大豆油脂肪酸739部、無水フタル酸837部を仕込み、攪拌しながら170℃まで昇温した。この中にジブチル錫オキサイド24部と再生ポリエチレンテレフタレート(再生PET)290部を仕込み、次いで250℃まで2時間かけて昇温し、250℃で1時間保持した時点で還流用のキシレン120部を加え、さらに210℃で解重合と脱水縮合反応を約2時間行い、樹脂酸価が5.0mgKOH/g以下になったのを確認し、170℃まで冷却し不揮発分95%のアルキド樹脂ワニスを得た。アルキド樹脂ワニスの製造に7時間を要した。このワニスの樹脂酸価は4.9mgKOH/gであり、このアルキド樹脂ワニスをキシレンで不揮発分60%に希釈した溶液のガードナー粘度(25℃)はZ2であった。
【0075】
次いで、温度約170℃の上記アルキド樹脂ワニス全量中に無水トリメリット酸87部を加えて170℃で2時間保持した後、系中のキシレンを減圧除去し、ついで、系を冷却し100℃に達したところでエチレングリコールモノn−ブチルエーテル480部を仕込み、さらに60℃に達したところでトリエチルアミン91部を仕込み、約60℃で30分間攪拌混合後、脱イオン水1830部を徐々に加えながら高速攪拌して、不揮発分50%のアルキド樹脂水分散液を得た。
【0076】
実施例7
温度計、攪拌機、加熱装置、精留塔及び水分離器を具備した反応装置に、ペンタエリスリトール286部、グリセリン63部、エチレングリコール190部、大豆油脂肪酸666部、無水フタル酸755部を仕込み、攪拌しながら170℃まで昇温した。この中にジブチル錫オキサイド24部と再生ポリエチレンテレフタレート(再生PET)261部を仕込み、次いで250℃まで2時間かけて昇温し、250℃で2時間保持した時点で還流用のキシレン120部を加え、210℃で解重合と脱水縮合反応を約2時間行い、樹脂酸価が5.0mgKOH/g以下になったのを確認し、170℃まで冷却し不揮発分95%のアルキド樹脂ワニスを得た。アルキド樹脂ワニスの製造に7時間を要した。このワニスの樹脂酸価は4.9mgKOH/gであり、このアルキド樹脂ワニスをキシレンで不揮発分60%に希釈した溶液のガードナー粘度(25℃)はZ2であった。
【0077】
次いで、温度約120℃に保持した上記アルキド樹脂ワニス全量中にヘキサヒドロ無水フタル酸314部を加えて120℃で2時間保持した後、系中のキシレンを減圧除去し、ついで系を冷却し100℃に達したところでエチレングリコールモノn−ブチルエーテル480部を仕込み、さらに60℃に達したところでトリエチルアミン206部を仕込み、約60℃で30分間攪拌混合後、脱イオン水1714部を徐々に加えながら高速攪拌して、不揮発分53%のアルキド樹脂水分散液を得た。
【0078】
比較例5
温度計、攪拌機、加熱装置、精留塔及び水分離器を具備した反応装置に、ペンタエリスリトール317部、グリセリン69部、エチレングリコール210部、再生ポリエチレンテレフタレート(再生PET)290部及びジブチル錫オキサイド24部を仕込み、230℃に昇温後、230℃で再生PETが溶解し透明な反応物が得られるまで約3時間反応を行なった。その後、この中に還流用のキシレン120部、大豆油脂肪酸739部、無水フタル酸837部を加え、ついで攪拌しながら210℃まで3時間かけて昇温し、210℃で脱水縮合反応を約2時間行い、樹脂酸価が5.0mgKOH/g以下になったのを確認した後170℃まで冷却し、不揮発分95%のアルキド樹脂ワニスを得た。アルキド樹脂ワニスの製造に9時間を要した。このワニスの樹脂酸価は4.5mgKOH/gであり、このアルキド樹脂ワニスをキシレンで不揮発分60%に希釈した溶液のガードナー粘度(25℃)はZ3であった。
【0079】
ついで、温度約170℃の上記アルキド樹脂ワニス全量中に無水トリメリット酸87部を加えて170℃で2時間保持した後、系中のキシレンを減圧除去し、ついで系を冷却し100℃に達したところでエチレングリコールモノn−ブチルエーテル480部を仕込み、さらに60℃に達したところでトリエチルアミン91部を仕込み、約60℃で30分間攪拌混合後、脱イオン水1830部を徐々に加えながら高速攪拌して、不揮発分53%のアルキド樹脂水分散液を得た。
【0080】
比較例6
温度計、攪拌機、加熱装置、精留塔及び水分離器を具備した反応装置に、ペンタエリスリトール332部、グリセリン73部、エチレングリコール294部、大豆油脂肪酸775部、無水フタル酸1111部、ジブチル錫オキサイド24部及び還流用のキシレン120部を加え、160℃から210℃まで3時間かけて昇温し、210℃で脱水縮合反応を約3時間行い、樹脂酸価が5.0mgKOH/g以下になったのを確認し、170℃まで冷却し不揮発分95%のアルキド樹脂ワニスを得た。アルキド樹脂ワニスの製造に8時間を要した。このワニスの樹脂酸価は4.7mgKOH/gであり、このアルキド樹脂ワニスをキシレンで不揮発分60%に希釈した溶液のガードナー粘度(25℃)はZ3であった。
【0081】
ついで、温度約120℃に保持した上記アルキド樹脂ワニス全量中にヘキサヒドロ無水フタル酸314部を加えて120℃で2時間保持した後、系中のキシレンを減圧除去した後、系を冷却し100℃に達したところでエチレングリコールモノn−ブチルエーテル480部を仕込み、さらに60℃に達したところでトリエチルアミン206部を仕込み、約60℃で30分間攪拌混合後、脱イオン水1714部を徐々に加えながら高速攪拌して、不揮発分53%のアルキド樹脂水分散液を得た。
【0082】
実施例8
温度計、攪拌機、加熱装置、精留塔及び水分離器を具備した反応装置に、ペンタエリスリトール424部、大豆油脂肪酸1196部、無水フタル酸342部及び安息香酸478部を仕込み、攪拌しながら170℃まで昇温した。この中にジブチル錫オキサイド24部と再生ポリエチレンテレフタレート(再生PET)137部を仕込み、次いで250℃まで2時間かけて昇温し、同温度で1時間保持した時点で還流用のキシレン120部を加え、230℃で解重合と脱水縮合反応を約1時間行い、樹脂酸価約42mgKOH/g、不揮発分95%のアルキド樹脂ワニスを得た。アルキド樹脂ワニスの製造に5時間を要した。このアルキド樹脂ワニスをエチレングリコールモノn−ブチルエーテルで不揮発分75%に希釈した溶液のガードナー粘度(25℃)はGであった。
【0083】
ついで上記アルキド樹脂ワニス中のキシレンを減圧除去した後、系を冷却し100℃に達したところでエチレングリコールモノn−ブチルエーテル480部を仕込み、さらに60℃に達したところでトリエチルアミン181部を仕込み、約60℃で30分間攪拌混合後、脱イオン水1740部を徐々に加えながら高速攪拌して、不揮発分50%のアルキド樹脂水分散液を得た。
【0084】
実施例9
温度計、攪拌機、加熱装置、精留塔及び水分離器を具備した反応装置に、ペンタエリスリトール424部、大豆油脂肪酸1196部、無水フタル酸342部及び安息香酸478部を仕込み、攪拌しながら170℃まで昇温した。この中にジブチル錫オキサイド24部と再生ポリエチレンテレフタレート(再生PET)137部を仕込み、次いで250℃まで2時間かけて昇温し、同温度で1時間保持した時点で還流用のキシレン120部を加え、230℃で解重合と脱水縮合反応を約3時間行い、樹脂酸価約21mgKOH/g、不揮発分95%のアルキド樹脂ワニスを得た。アルキド樹脂ワニスの製造に7時間を要した。このアルキド樹脂ワニスをエチレングリコールモノn−ブチルエーテルで不揮発分75%に希釈した溶液のガードナー粘度(25℃)はGHであった。
【0085】
ついで上記アルキド樹脂ワニス中のキシレンを減圧除去した後、系を冷却し100℃に達したところでエチレングリコールモノn−ブチルエーテル480部を仕込み、さらに60℃に達したところでトリエチルアミン91部を仕込み、約60℃で30分間攪拌混合後、脱イオン水1830部を徐々に加えながら高速攪拌して、不揮発分51%のアルキド樹脂水分散液を得た。
【0086】
比較例7
温度計、攪拌機、加熱装置、精留塔及び水分離器を具備した反応装置に、ペンタエリスリトール424部、再生ポリエチレンテレフタレート(再生PET)137部及びジブチル錫オキサイド24部を仕込み、230℃に昇温後、230℃で再生PETが溶解し透明な反応物が得られるまで約3時間反応を行なった。その後、この中に還流用のキシレン120部、大豆油脂肪酸1196部、無水フタル酸342部及び安息香酸478部を仕込み、攪拌しながら180℃から230℃まで3時間かけて昇温し、230℃で脱水縮合反応を約1時間行い、樹脂酸価約40mgKOH/g、不揮発分95%のアルキド樹脂ワニスを得た。アルキド樹脂ワニスの製造に7時間を要した。このアルキド樹脂ワニスをエチレングリコールモノn−ブチルエーテルで不揮発分75%に希釈した溶液のガードナー粘度(25℃)はHであった。
【0087】
ついで上記アルキド樹脂ワニス中のキシレンを減圧除去した後、系を冷却し100℃に達したところでエチレングリコールモノn−ブチルエーテル480部を仕込み、さらに60℃に達したところでトリエチルアミン181部を仕込み、約60℃で30分間攪拌混合後、脱イオン水1740部を徐々に加えながら高速攪拌して、不揮発分52%のアルキド樹脂水分散液を得た。
【0088】
水性塗料の調製
実施例10〜18及び比較例8〜14
上記実施例1〜9及び比較例1〜7で得られた各アルキド樹脂水分散液(固形分量で100部となる量)に、「DICNAT1000W」(大日本インキ化学工業(株)製、金属ドライヤー)0.6部を混合して各水性塗料を得た。
【0089】
試験例1〜9及び比較試験例1〜7
得られた各水性塗料組成物を、清浄な脱脂軟鋼板に乾燥膜厚が約30μmとなるように塗装し、温度20℃、湿度65%RHの室内において7日間静置して乾燥させ硬化塗膜を有する各試験板を得た。得られた各試験板について、下記試験方法に基いて試験を行なった。その試験結果を後記表1に示す。
【0090】
試験方法
鉛筆硬度:JIS K−5400 8.4.2(1990)に規定する鉛筆引っかき試験を行ない、やぶれ法により評価を行なった。
【0091】
耐食性:素地に達するように塗膜にナイフでクロスカットキズを入れ、これをJIS Z2371に準じて72時間塩水噴霧試験を行ない、ナイフ傷からの錆、フクレ幅によって評価した。錆またはフクレの最大幅が、カット部より1mm未満(片側)の場合、○(良好)と表示し、1mm以上でかつ3mm未満(片側)の場合、△(やや不良)と表示し、3mm以上(片側)の場合、×(不良)と表示する。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】
【発明の効果】
以上に述べた本発明の方法によれば、廃物から回収、再生したポリエステル樹脂を使用して、アルキド樹脂水分散液を短時間で製造することができる。本発明の方法は、廃物を利用するため廃棄ペットボトルなどのリサイクルによる利用を行うことができる。
【0095】
また、本発明の方法によって得られるアルキド樹脂水分散液は、常温硬化型塗料用樹脂水分散液として又は硬化剤と組合せて熱硬化型塗料用樹脂水分散液として好適に使用することができ、水性であるので地球環境保全の面から好適なものである。さらに、本発明の方法によって得られるアルキド樹脂水分散液は、テレフタル酸成分を含有しているにも拘わらず透明で濁りのない樹脂であることができる。
Claims (33)
- (A−1)3価以下の多価アルコールと4価以上のアルコールとの前者/後者の重量比が0〜20の範囲内にあるアルコール成分と、脂肪酸及び/又は油脂と、多塩基酸成分との混合物中に、廃物から回収し再生したテレフタル酸を主原料とするポリエステル樹脂を溶解させ、解重合するとともに、エステル化反応させることによりアルキド樹脂を合成する工程、及び
(C−1)上記工程(A−1)で得られるアルキド樹脂を、該アルキド樹脂100重量部あたり3〜15重量部の界面活性剤の存在下に水分散化する工程
を含んでなることを特徴とするアルキド樹脂水分散液の製造方法。 - (A−2)3価以下の多価アルコールと4価以上のアルコールとの前者/後者の重量比が0〜20の範囲内にあるアルコール成分と、脂肪酸及び/又は油脂と、多塩基酸成分との混合物中に、廃物から回収し再生したテレフタル酸を主原料とするポリエステル樹脂を溶解させ、解重合するとともに、エステル化反応させて水酸基価が0.1〜50mgKOH/gのアルキド樹脂を合成する工程、
(B−2)上記工程(A−2)で得られるアルキド樹脂を無水マレイン酸と反応させて酸価が10〜200mgKOH/gのマレイン化アルキド樹脂を得る工程、及び
(C−2)上記工程(B−2)で得られるマレイン化アルキド樹脂を中和、水分散化する工程
を含んでなることを特徴とするアルキド樹脂水分散液の製造方法。 - (A−3)3価以下の多価アルコールと4価以上のアルコールとの前者/後者の重量比が0〜20の範囲内にあるアルコール成分と、脂肪酸及び/又は油脂と、多塩基酸成分との混合物中に、廃物から回収し再生したテレフタル酸を主原料とするポリエステル樹脂を溶解させ、解重合するとともに、エステル化反応させて水酸基価が5〜200mgKOH/gのアルキド樹脂を合成する工程、
(B−3)上記工程(A−3)で得られるアルキド樹脂をエチレン性不飽和基を有さない酸無水物と反応させて酸価が10〜200mgKOH/gの変性アルキド樹脂を得る工程、及び
(C−3)上記工程(B−3)で得られる変性アルキド樹脂を中和、水分散化する工程、
を含んでなることを特徴とするアルキド樹脂水分散液の製造方法。 - (A−4)3価以下の多価アルコールと4価以上のアルコールとの前者/後者の重量比が0〜20の範囲内にあるアルコール成分と、脂肪酸及び/又は油脂と、多塩基酸成分との混合物中に、廃物から回収し再生したテレフタル酸を主原料とするポリエステル樹脂を溶解させ、解重合するとともに、エステル化反応させて酸価が10〜200mgKOH/gのアルキド樹脂を合成する工程、
(C−4)上記工程(A−4)で得られるアルキド樹脂を中和、水分散化する工程、
を有することを特徴とするアルキド樹脂水分散液の製造方法。 - アルコール成分における3価以下の多価アルコールと4価以上のアルコールとの配合割合が、前者/後者の重量比で0.02〜10の範囲内にある請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 4価以上のアルコールがジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトール及びソルビトールよりなる群から選ばれる請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 4価以上のアルコ−ルがペンタエリスリトールである請求項6に記載の方法。
- 3価以下の多価アルコ−ルが、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール及び1,4−ジメチロールシクロヘキサンよりなる群から選ばれる請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 3価以下の多価アルコールがグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール又はプロピレングリコールである請求項8に記載の方法。
- 脂肪酸が半乾性油脂肪酸又は乾性油脂肪酸であり、油脂が半乾性油又は乾性油である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 多塩基酸成分が、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸及びセバシン酸、無水マレイン酸よりなる群から選ばれる二塩基酸又はそのC1〜C6アルキルエステルである請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 廃物から回収したポリエステル樹脂がリサイクルポリエチレンテレフタレート及びリサイクルポリブチレンテレフタレートから選ばれる少なくとも1種の樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- ポリエステル樹脂とアルコール成分と脂肪酸及び/又は油脂と多塩基酸成分との合計に基づいて、ポリエステル樹脂を5〜40重量%の量で使用する請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- ポリエステル樹脂とアルコール成分と脂肪酸及び/又は油脂と多塩基酸成分との合計に基づいて、ポリエステル樹脂を10〜35重量%の量で使用する請求項13に記載の方法。
- アルコール成分と脂肪酸及び/又は油脂と多塩基酸成分との混合物中にポリエステル樹脂及び必要に応じて解重合触媒を加え、解重合及びエステル化反応を行う請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 解重合触媒が、モノブチル錫ハイドロオキサイド、ジブチル錫オキサイド、モノブチル錫−2−エチルヘキサノエート、ジブチル錫ジラウレート、酸化第一錫、酢酸錫、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸カルシウム、酢酸鉛、リサージ、三酸化アンチモン、テトラブチルチタネート及びテトライソプロピルチタネートよりなる群から選ばれる請求項15に記載の方法。
- 解重合触媒をポリエステル樹脂とアルコール成分と脂肪酸及び/又は油脂と多塩基酸成分との合計100重量部に対して0.0005〜10重量部の範囲内で使用する請求項15に記載の方法。
- 解重合及びエステル化反応を160〜270℃の温度で行う請求項15に記載の方法。
- 反応系に、再生PESとアルコール成分と脂肪酸及び/又は油脂と多塩基酸成分との合計100重量部あたり0 . 1〜10重量部のリン化合物を添加する請求項15に記載の方法。
- アルコール成分の水酸基1当量に対して多塩基酸成分のカルボキシル基の当量数が0.5〜1の範囲内となるような割合で多塩基酸成分を使用する請求項1に記載の方法。
- 工程(A−1)で得られるアルキド樹脂が2000〜24000の範囲内の数平均分子量、0.1〜150mgKOH/gの範囲内の水酸基価及び0.1〜150mgKOH/gの範囲内の酸価を有する請求項1に記載の方法。
- アルコール成分の水酸基1当量に対して多塩基酸成分のカルボキシル基の当量数が0.2〜1.2の範囲内となる割合で多塩基酸成分を使用する請求項2に記載の方法。
- 工程(A−2)で得られるアルキド樹脂が2000〜24000の範囲内の数平均分子量及び0.1〜150mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有する請求項2に記載の方法。
- 工程(B−2)で得られるマレイン化アルキド樹脂が10〜200mgKOH/gの範囲内の酸価を有する請求項2に記載の方法。
- アルコール成分の水酸基1当量に対して多塩基酸成分のカルボキシル基の当量数が0.5〜0.98の範囲内となる割合で多塩基酸成分を使用する請求項3に記載の方法。
- 工程(A−3)で得られるアルキド樹脂が2000〜24000の範囲内の数平均分子量及び0.1〜150mgKOH/gの範囲内の酸価を有する請求項3に記載の方法。
- エチレン性不飽和基を有さない酸無水物が、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸及び無水マレイン酸よりなる群から選ばれるものである請求項3に記載の方法。
- 工程(B−3)で得られる変性アルキド樹脂が5〜200mgKOH/gの範囲内の酸価を有する請求項3に記載の方法。
- アルコール成分の水酸基1当量に対して多塩基酸成分のカルボキシル基の当量数が0.5〜1.5の範囲内となる割合で多塩基酸成分を使用する請求項4に記載の方法。
- 工程(A−4)で得られるアルキド樹脂が2000〜24000の範囲内の数平均分子量及び0.1〜150mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有する請求項4に記載の方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の方法によって製造されるアルキド樹脂水分散液。
- アルキド樹脂が30〜70%の範囲内の油長を有する請求項31に記載のアルキド樹脂水分散液。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の方法によって製造されるアルキド樹脂水分散液を含有する塗料組成物。
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