JP2002160069A - 端子の接合方法 - Google Patents
端子の接合方法Info
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Abstract
貼り付かせることを阻止する。 【解決手段】銅線16の端部18を、その内面24に錫
メッキ26が施され、かつその外面28にニッケルメッ
キ30が施された端子20により挟持する。その後、正
極32と負極34とからなる一対の電極により端子20
の外面28を挟持して所定の押圧力で押圧するととも
に、前記一対の電極32、34に所定の電流を所定の時
間だけ通電し前記錫メッキ26の錫成分を溶融させて該
端子20と前記端部18とを接合させる。
Description
接合方法に関し、特に、端子と銅線とを接合させた後、
端子と溶接用電極との貼り付きを阻止することを可能と
する端子の接合方法に関する。
する銅線と、湾曲乃至折曲された形状の銅材料からなる
端子(ターミナル)とを溶接によって接合する。この場
合、該端子には、その内外面に、例えば、錫などの低融
点金属をコーティングしたもの、若しくは前記コーティ
ングのない端子が用いられる。図5Aに示すように、内
面2及び外面3を錫9でコーティングした端子1を用い
て該端子1とコイルの銅線4とを接合させる場合、該銅
線4を湾曲形状の端子1に挿入し、該端子1の外面3側
をタングステンからなる一対の電極5及び6により挟持
押圧する。そして、前記一対の電極5及び6に所定の電
流を所定の時間だけ通電し、発生したジュール熱により
端子1と銅線4とを接合させる。このとき、端子1の内
面2にコーティングされた錫成分が溶融する。
従来技術に係る接合方法では、一対の電極5及び6に通
電することによって発生したジュール熱により、該電極
5及び6のタングステンと端子1の外面3にコーティン
グされた錫9と空気中の酸素とが化学的に反応を起こ
し、タングステン成分と錫成分と酸素成分とから構成さ
れる合金が生成される。そして、この合金が研磨剤の如
く作用してそれぞれの電極5及び6と端子1との接触部
7及び8の該電極5及び6側に微小な凹凸形状を生じさ
せる。しかも、タングステンと銅との熱膨張率の関係
は、タングステンの熱膨張率<銅の熱膨張率の関係を満
足するため、結局、端子1が電極5及び6側に膨張して
該電極5及び6に形成された凹凸が接触部7及び8の該
端子1側に転写される(図5B参照)。これにより、電
極5及び6と端子1とが貼り付く。この状態で、電極5
及び6を端子1から離間させる場合、該電極5及び6と
該端子1との貼り付きにより、銅線4と端子1とが剥が
れ易く導通状態を確保することができないという不都合
がある。さらに、電極5及び6に微小な凹凸が形成され
ることにより、該電極5及び6の寿命が短くなり、短期
間間隔で電極5及び6の表面を研磨しなければならず、
あるいは電極5及び6自体の交換を余儀なくされ、結果
的に前記銅線4と端子1との溶接のためのコストが高騰
化している。
て銅線と端子とを接合しようとすると、両者間の接合強
度が弱く、銅線が端子から離脱して導通を確保すること
ができないという不都合がある。
たものであり、端子と導電体、例えば、銅線とを接合さ
せる際、端子と電極との貼り付きを阻止することによ
り、端子と導電体とを強固に接合することができるとと
もに、電極の長寿命化を達成し、接合工程に要するコス
トの低廉化を達成することができる端子の接合方法を提
供することを目的とする。
とを接合するための端子の接合方法において、前記端子
における前記導電体との接触部にのみ錫メッキを施し、
前記端子により前記導電体を挟持し、該端子を該導電体
と接触していない側から一対の電極により所定の押圧力
で押圧するとともに、一対の該電極に所定の電流を所定
の時間だけ通電して発生した熱により前記錫成分を溶融
させて該端子と該導電体とを接合させることを特徴とす
る。
接触していない側にニッケルメッキを施すとよい。これ
により、例えば、銅線や銅リングからなる導電体と端子
とを接合させる場合、該端子により該導電体を挟持し、
該端子の該導電体と接触していない側を一対の電極によ
り挟持押圧する。そして、一対の電極に所定の電流を所
定の時間だけ通電する。これにより、端子における導電
体との接触部の錫成分を溶融させて該導電体と該端子と
を強固に接合させることが可能となる。
00℃の範囲内に保持するため、通電により発生する熱
により端子の外面、すなわち該端子と電極との接触部に
施されているニッケル成分を溶融させることがない。ニ
ッケルの融点は約1455℃であるからである。従っ
て、例えば、電極がタングステン材料からなる場合で
も、該電極の外面に錫がコーティングされているときの
ように、タングステン成分と錫成分と酸素成分とから構
成される合金が生成されることを阻止できるため、導電
体と端子とを接合した後に該端子から電極を離間させる
際、電極と端子とを貼り付かせることなく容易に離間さ
せることが可能となる。従って、電極の長寿命化を図る
とともに、接合作業にかかるコストの低廉化を達成する
ことができる。
好適である。本発明に係る端子の接合方法を用いれば、
電機子の導電体と端子との接合部の強度を不足させるこ
となく強固に接合することができるため、例えば、電機
子に通電した際に該導電体と該端子との接合部を破損さ
せることを阻止して確実に電機子を作用させることがで
きるからである。
き好適な実施の形態を挙げ、添付の図1〜図4Bを参照
しながら以下詳細に説明する。なお、この端子の接合方
法は、その用途が限定されるものではないが、例えば、
電動モータを構成するコイルの銅線と端子とを接合する
場合に用いられると好ましい。
図1に示すように、電機子鉄心12を有し、該電機子鉄
心12の軸から放射状に銅線16からなるコイル14が
複数個巻回されて装着されている。
14の銅線16を、例えば、銅材料からなる略コの字状
の端子20に接合させる場合について説明する。
の端部18を図示しない基板に挿入する。この基板は4
層の絶縁層を備え、電動モータのU相とV相とW相の電
流が供給されるU相用銅箔パターンとV相用銅箔パター
ンとW相用銅箔パターンとがそれぞれの絶縁層により挟
持されている。
8を挿入し、該端子20により該端部18を挟持する。
この場合、前記端子20の内面24には予め錫メッキ2
6が施されており、かつ該端子20の外面28には予め
ニッケルメッキ30が施されている。このとき、前記錫
メッキ26の膜厚は4〜7nmの範囲内が好ましく、前
記ニッケルメッキ30の膜厚は4〜8nmの範囲内が好
ましい。
負極34とからなる一対の電極(以下、単に電極32、
34ともいう)により端子20の外面28を挟持して所
定の押圧力で押圧する。この場合、前記正極32及び前
記負極34の材質はタングステンとする。
流を所定の時間だけ通電する。その際、前記一対の電極
32、34の加熱温度を700℃〜1000℃の範囲内
に保持する。これにより、前記端子20の内面24に施
された錫メッキ26の錫成分が、前記一対の電極32、
34に通電することにより発生した熱により溶融して該
端子20と銅線16とが接合されるに至る(図2B参
照)。その際、ニッケルの融点は約1400℃であるた
め、前記端子20の外面28に施されたニッケルメッキ
30が溶融することがない。従って、端子20の外面2
8と一対の電極32、34とが貼り付くことを阻止する
ことができる。
から離間させ、該端子20を、例えば、熱硬化性樹脂3
6により包被する(図3参照)。
いて、実験例を用いて説明する。
施し、かつ外面28にニッケルメッキ30を施した銅材
料からなる端子20(実施例)と、内面24及び外面2
8の両面に錫メッキ26を施した銅材料からなる端子2
0(比較例)とを用い、一対の電極32、34に通電す
る通電時間を400msecとし、通電温度を500℃
とし、該端子20を押圧する押圧力を350Nとして銅
線16と該端子20とを接合させたときの、端子20と
一対の電極32、34とが貼り付くまでの接合回数と、
そのときの電極の開放力を確認したものである。
この実験結果から諒解されるように、実施例において
は、3000回数以上接合作業を行っても端子20と一
対の電極32、34とが貼り付くことがなかった。一
方、比較例においては、約1500回数毎で端子20と
一対の電極32、34とが貼り付き、該電極32、34
の交換、若しくは該電極32、34の表面を研磨する必
要があった。従って、本発明に係る端子の接合方法を用
いれば、端子20と一対の電極32、34とが貼り付く
ことを阻止することができるため、電極32、34の長
寿命化が達成されるとともに、接合工程に要するコスト
の低廉化を達成することが可能となる。
銅リングからなる導電体と、その内面に錫メッキが施さ
れ、かつその外面にニッケルメッキが施された端子とを
接合させる場合、該端子により該導電体を挟持し、該端
子の外面を一対の電極により挟持押圧して一対の電極に
所定の電流を所定の時間だけ通電する。これにより、端
子における導電体との接触部の錫成分が溶融して該導電
体と該端子とを強固に接合させることが可能となる。し
かも、電極の通電温度を700℃〜1000℃の範囲内
に保持するため、通電により発生する熱により端子の外
面、すなわち該端子と電極との接触部に施されているニ
ッケル成分を溶融させることがない。従って、例えば、
電極がタングステン材料からなる場合でも、従来技術の
ように該電極の外面に錫がコーティングされているとき
のように、タングステン成分と錫成分と酸素成分とから
構成される合金が生成されることを阻止できるため、導
電体と端子とを接合した後に該端子から電極を離間させ
る際に電極と端子とを貼り付かせることなく容易に離間
させることができる。従って、電極の長寿命化を図ると
ともに、接合作業にかかるコストの低廉化を達成するこ
とができる。
線と端子とを本発明に係る接合方法により接合すれば、
銅線と端子との接合部の強度を不足させることなく強固
に接合することができるため、該コイルに通電した際に
該コイルと該端子との接合部を破損させることを阻止し
て確実かつ長期間にわたって電動モータを利用できると
いう特有の効果が得られる。
す斜視説明図である。
より押圧した状態を概略的に示す縦断面説明図であり、
図2Bは銅線と端子とを接合させた状態を概略的に示す
縦断面説明図である。
包被した状態を示す一部省略縦断面説明図である。
せた回数と、接合後に該端子から電極を離間させるとき
に必要な電極開放力との関係を説明するグラフであり、
図4Bは比較例における端子と銅線とを接合させた回数
と、接合後に該端子から電極を離間させるときに必要な
電極開放力との関係を説明するグラフである。
された端子を一対の電極により押圧した状態を概略的に
示す縦断面説明図であり、図5Bは該接合方法で銅線と
端子とを接合させた状態を概略的に示す縦断面説明図で
ある。
ッキ 32…正極 34…負極
Claims (4)
- 【請求項1】端子と導電体とを接合するための端子の接
合方法において、 前記端子における前記導電体との接触部にのみ錫メッキ
を施し、 前記端子により前記導電体を挟持し、該端子を該導電体
と接触していない側から一対の電極により所定の押圧力
で押圧するとともに、一対の該電極に所定の電流を所定
の時間だけ通電して発生した熱により前記錫成分を溶融
させて該端子と該導電体とを接合させることを特徴とす
る端子の接合方法。 - 【請求項2】請求項1記載の接合方法において、 前記端子において前記導電体と接触していない側にニッ
ケルメッキを施したことを特徴とする端子の接合方法。 - 【請求項3】請求項1又は2記載の接合方法において、 前記電極の通電温度を700℃〜1000℃の範囲内に
保持することを特徴とする端子の接合方法。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載の接合
方法において、 前記導電体は電機子を構成することを特徴とする端子の
接合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000360166A JP4493832B2 (ja) | 2000-11-27 | 2000-11-27 | 端子の接合方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014077143A1 (ja) * | 2012-11-16 | 2014-05-22 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 端子金具付き電線 |
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-
2000
- 2000-11-27 JP JP2000360166A patent/JP4493832B2/ja not_active Expired - Fee Related
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