JP2002158089A - 有機エレクトロルミネッセンス表示素子及びその製造方法 - Google Patents
有機エレクトロルミネッセンス表示素子及びその製造方法Info
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Abstract
の接着性を改善すると同時に、生産性の良い有機EL表
示素子の製造方法を提供する。 【解決手段】基材1上に、第一電極層2と第一有機EL
層を順次形成し、一方で支持体8上に、第二電極層6と
第二有機EL層を順次形成する。次に、基材1と支持体
8を、それぞれの上にすでに形成した第一の接合層と第
二の接合層が対向するように配置し、支持体の所定箇所
を、サーマルヘッド9などで熱圧押し、支持体8上に形
成した第二電極層6、第二有機EL層を、基材上に形成
した第一電極層2、第一有機EL層上に転写パターニン
グする。
Description
た有機エレクトロルミネッセンス表示素子に関する。
エレクトロルミネッセンス表示素子(以下、有機EL表
示素子)は、低電圧駆動の大面積表示素子を実現するも
のとして注目されている。Tangらは素子の高効率化
のため、キャリア輸送性の異なる有機化合物を積層し、
ホールと電子がそれぞれ陽極層、陰極層よりバランスよ
く注入される構造とし、しかも有機エレクトロルミネッ
センス層(以下有機EL層)の膜厚を2000Å以下と
することで、10V以下の印加電圧で1000cd/m
2と高輝度、高効率を得ることに成功した。(Appl
ied Physics Letters,51,91
3(1987).)
縁基板上に形成したITO(酸化インジウムスズ)など
の陽極層となる透明電極上に有機発光層を真空蒸着法や
溶液からの塗布により形成し、その上部に陰極層を真空
蒸着法等で形成する。陽極層あるいは陰極層、あるいは
その両方をパターンニングすることにより、所定の発光
パターンを得ることが可能である。
は、フォトリソグラフィー法及びウェットエッチング法
や、ドライエッチング法などがある。これらのパターン
ニング法は、特に問題はない。しかし、陰極層のパター
ンニングの一般的な方法に、メタルマスクを併用した真
空蒸着法があげられる。すなわち、陽極層をパターンニ
ングした基板に、正孔輸送層と有機発光層とを同じパタ
ーンに形成し、さらに、陰極層を別のパターンに形成す
る。
ングするには、真空中においてメタルマスクを用いる必
要があった。すなわち、通常の真空蒸着法においては、
有機発光層や正孔輸送層、電子輸送層、陰極層を形成す
る際に、メタルマスクを用いる必要があった。このた
め、従来の方法においては、一つの層を所定のパターン
に形成する度に、メタルマスクの位置合わせ基板の移動
を高精度に行う必要があり、生産性が悪いという問題が
ある。
00−150150号公報等に記載されているように、
支持体の表部に形成された、陰極層、電子輸送層、有機
発光層、正孔輸送層を、陽極層および層間絶縁膜を有す
る基板の上に転写する技術が開示されている。
層、電子輸送層、有機発光層、正孔輸送層を、陽極層お
よび層間絶縁膜を有する基板の上に転写することにより
形成される。しかし転写の際、接合面が有機層と無機層
の間であり、異なる物性を持つ層間であるため、熱膨張
率やガラス転移温度等の特性が異なり、その結果接合面
の接着性が悪いという問題がある。このため、電圧を印
加すると接合面が剥離したり、発光不良が生じるという
問題がある。
の問題点を解決するためになされたものであり、容易に
パターンニングすることができ、接合面の接着性を改善
すると同時に、生産性の良い有機EL表示素子の製造方
法を提供する。
上に、第一電極層と有機エレクトロルミネッセンス層と
第二電極層を有する有機エレクトロルミネッセンス表示
素子の製造方法において、前記基材上に前記第一電極層
と前記有機エレクトロルミネッセンス層のうち第一の接
合層までからなる第一有機エレクトロルミネッセンス層
を順次積層形成する工程、支持体上に剥離層と前記第二
電極層と前記有機エレクトロルミネッセンス層のうち前
記第二電極層に隣接する層から第二の接合層までからな
る第二有機エレクトロルミネッセンス層を順次積層形成
する工程、前記第一の接合層と前記第二の接合層とを対
向密着させて前記支持体の所定箇所を加熱押圧すること
により前記第二電極層と前記第二有機エレクトロルミネ
ッセンス層の所定箇所を前記第一電極層および前記第一
有機エレクトロルミネッセンス層を有する基材上に転写
する工程、とからなることを特徴とした有機エレクトロ
ルミネッセンス表示素子の製造方法である。
層と前記第二の接合層が、同一材料からなることを特徴
とした請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス表
示素子の製造方法である。
トロルミネッセンス層は、塗布法により形成されること
を特徴とした請求項1〜2記載の有機エレクトロルミネ
ッセンス表示素子の製造方法である。
が陽極層、前記第二電極層が陰極層であることを特徴と
した請求項1〜3記載の有機エレクトロルミネッセンス
表示素子の製造方法である。
いずれかに記載の製造方法により製造することを特徴と
する有機エレクトロルミネッセンス表示素子である。
詳細に説明する。
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリア
ミド、シクロオレフィンポリマー、ポリエーテルサルフ
ォン、エポキシ樹脂やポリプロピレン、ポリカーボネー
トなどのプラスチック製のプレートやフィルム、または
ガラス基板、石英基板等が使用できる。
TO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複
合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物等の透明電極材
料が使用できる。
クロム、アルミニウム、チタン等の金属もしくはこれら
の積層物を補助電極として部分的に併設させることがで
きる。
ンス層は、蛍光物質を含む単層構造、あるいは多層構造
で形成することができる。多層構造で形成する場合の有
機エレクトロルミネッセンス層の構成例は、正孔輸送層
/電子輸送性発光層または正孔輸送性発光層/電子輸送
層からなる2層構成や正孔輸送層/有機発光層/電子輸
送層からなる3層構成等がある。さらにより多層で形成
することも可能である。
アニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン等の金
属フタロシアニン類及び無金属フタロシアニン類、キナ
クリドン化合物、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルア
ミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル
−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−
ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ(1−
ナフチル)−N,N’−ジフフェニル−1,1’−ビフ
ェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン系低分子
正孔輸送層や、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビ
ニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチ
オフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物などの
高分子化合物を用いることができる。
アリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリ
レン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタ
ジエン、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯
体、トリス(4−メチル−8キノリノラート)アルミニ
ウム錯体、ビス(8−キノリノラート)亜鉛錯体、トリ
ス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリ
ノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5
−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビ
ス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリ
ノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラー
ト]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ
−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)
フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリ
ノラート)スカンジウム錯体、ビス〔8−(パラ−トシ
ル)アミノキノリン〕亜鉛錯体及びカドミウム錯体、
1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、
ペンタフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2,5−ジ
ヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレン、クマリン
系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンス
ロン系蛍光体、ポルフィリン系蛍光体、キナクリドン系
蛍光体、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系蛍光
体、ナフタルイミド系蛍光体、N,N’−ジアリール置
換ピロロピロール系蛍光体等が挙げられ、これらを単
独、またはポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、
ポリビニルカルバゾールなどの高分子中に溶解させたも
のや、ポリアリールビニレン系やポリフルオレン系等の
高分子蛍光体を用いることができる。
フィニルイル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾール、及びオキサジアゾール
誘導体やビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリノ
ラート)ベリリウム錯体、トリアゾール化合物等が挙げ
られる。
物質を用いる。具体的にはBa、Ca、Mg、Al、Y
b等の金属単体を用いたり、有機EL層と接する界面に
Liや酸化Li、LiF等の化合物を1nm程度挟ん
で、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用い
る。または電子注入効率と安定性を両立させるため、低
仕事関数であるLi、Mg、Ca、Sr、La、Ce、
Er、Eu、Sc、Y、Yb等の金属1種以上と、安定
なAg、Al、Cu等の金属元素との合金系が用いられ
る。具体的にはMgAg、AlLi、CuLi等の合金
が使用できる。
レンテレフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィ
ンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポ
リメチルメタクリレート、ポリカーボネートなどのプラ
スチックフィルムなどを用いることができる。
法は、まず基材上に材料に応じて、抵抗加熱法、電子ビ
ーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、
スパッタリング法等により陽極層を形成する。その後、
必要に応じてフォトリソグラフィー法及びウェットエッ
チング法や、ドライエッチング法などの既存の手段で陽
極層のパターンニングを行ったり、UV処理、プラズマ
処理などにより表面の活性化を行ってもよい。また、フ
ォトリソグラフィー法及びウェットエッチング法や、ド
ライエッチング法などの既存の手段の代わりにニトロセ
ルロース、ポリアミド、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ウ
レタン樹脂、などを絶縁層として印刷し、パターンニン
グを行っても良い。
ガラス等のプレートの場合は、スピンコート、ロールコ
ート、スプレーコート、スロットコート、フレキソ、オ
フセット、凹版オフセット等の塗布方法を用いることが
できる。基材として巻き取りフィルムを用いる場合に
は、フレキソ、グラビア、グラビアオフセット、マイク
ログラビア、ダイコート、ロールコートなどの各種塗布
方法を用いることができる。第一有機EL層の膜厚は、
素子構造によるが0.001から5μm、好ましくは
0.01から0.15μmが好適である。
て、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法
などを用いて形成する。陰極層の厚さは、0.01から
1μm程度、好ましくは0.15から0.3μm が好
適である。なお、陰極層を形成する前に、弱シリコン系
離型材からなる剥離層を形成することができる。
機EL層の形成方法は、フレキソ、グラビア、グラビア
オフセット、マイクログラビア、ダイコート、ロールコ
ートなどの各種塗布方法を用いることができる。第二有
機EL層の膜厚は、素子構造によるが0.1から5μ
m、好ましくは0.3から0.5μmが好適である。
る場合には、各層を構成する材料の溶解性を鑑み、例え
ば、水溶性と油溶性の樹脂を選択するなどの溶解性の差
を利用したり、コーティングから乾燥までの時間を短く
して、実質的に下層に影響を与えないように塗布条件を
選定しても良い。
でに形成した第一の接合層と第二の接合層が対向密着す
るように配置する。次に、支持体の所定箇所を、サーマ
ルヘッドなどで熱圧押し、支持体上に形成した陰極層、
第二有機EL層を、基材上に形成した陽極層、第一有機
EL層上に転写する。ここで、陰極層、第二有機EL層
は、サーマルヘッドにより熱圧押された部分のみ転写さ
れる。
れぞれ第一有機EL層、第二有機EL層とからなり、第
一の接合層と第二の接合層が接着することにより有機E
L表示素子が形成される。また第一の接合層と第二の接
合層は、異なる材料で形成しても、同一材料で形成して
もよい。第一の接合層と第二の接合層を異なる材料で形
成しても有機層同士で熱膨張率やガラス転移温度等の特
性が類似しているため効果は得られるが、同一材料で形
成すると、前記熱膨張率やガラス転移温度等の特性を合
わせることができ、親和性も良好である。このため、第
一有機EL層と第二有機EL層の接着性を向上すること
ができることから、第一の接合層と第二の接合層は同一
材料であることが最も好ましい。
気中の水分、酸素による劣化を抑制するため、有機EL
表示素子を封止することができる。具体的には、ガラス
や石英または、金属等からなる封止ケース等を、Ar、
He、N2等の不活性ガスからなる封止ガス及びゼオラ
イト、活性アルミ、シリカゲル、水素化カルシウム、水
素化アルミニウムリチウム等の乾燥剤を封入した後に、
透光性絶縁基板上に密着固定して外部と遮断することが
できる。また、三フッ化塩化エチレン等からなる防湿フ
ィルムやナイロン6等からなる吸湿フィルムや金属泊等
をラミネート法等を用いて有機EL表示素子に貼り合わ
せ、封止することもできる。以上の工程により、有機E
L表示素子は完成する。
されるものではない。
説明する。まず、ポリエチレンテレフタレートフィルム
からなる基材1上にスパッタリング法で陽極層2として
ITO膜を形成した。
エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン
酸との混合物をマイクログラビアにて膜厚20nmで塗
布した後、第一有機発光層4としてポリ[2−メトキシ
−5−(2’−エチル−ヘキシロキシ)−1,4−フェ
ニレン ビニレン](以下、MEH−PPVという。)
をマイクログラビアにて膜厚45nmで塗布した。ここ
で、上記第一有機発光層4が、第一の接合層になる。
ルムからなる支持体8上に、剥離層7として信越化学社
製X62―980に信越化学社製キャタリストPS80
を5%添加した混合溶液を、マイクログラビアにて膜厚
0.1μmで形成し、その後陰極層6としてAg、Ca
を順に200nm、6nmの膜厚で真空蒸着した。
層5として、第一有機発光層4と同一材料であるMEH
−PPVをマイクログラビアにて膜厚45nmで塗布し
た。ここで、第二有機発光層5が第二の接合層になる。
させて配置し、支持体8の所定箇所を、サーマルヘッド
9で熱圧押し、基材1に形成された陽極層2、正孔輸送
層3、第一発光層4上に転写した。ここで、陰極層6、
第二発光層5は、サーマルヘッドにより熱圧押された部
分のみ転写される。最後に、ポリエチレンテレフタレー
ト、ナイロン、Al、未延伸ポリプロピレン、AT15
50を積層したフィルムを、熱圧着し有機EL表示素子
を封止した。
に、5Vの電圧を印加したところ、所定箇所に70cd
/m2の均一な発光が観察された。
第一有機EL層を形成し、剥離性を有する支持体上に第
二電極層、第二有機EL層を形成した後、同一材料であ
る第一の接合層と第二の接合層間でサーマルヘッドなど
により所定箇所、熱圧押する工程により、容易にパター
ンニングすることができ、接合面の接着性を改善するこ
とができると同時に、生産性の良い、有機EL表示素子
の製造方法を提供することができる。
説明する概略図である。
Claims (5)
- 【請求項1】基材上に、第一電極層と有機エレクトロル
ミネッセンス層と第二電極層を有する有機エレクトロル
ミネッセンス表示素子の製造方法において、前記基材上
に前記第一電極層と前記有機エレクトロルミネッセンス
層のうち第一の接合層までからなる第一有機エレクトロ
ルミネッセンス層を順次積層形成する工程、剥離性を有
する支持体上に前記第二電極層と前記有機エレクトロル
ミネッセンス層のうち前記第二電極層に隣接する層から
第二の接合層までからなる第二有機エレクトロルミネッ
センス層を順次積層形成する工程、前記第一の接合層と
前記第二の接合層とを対向密着させて前記支持体の所定
箇所を加熱押圧することにより前記第二電極層と前記第
二有機エレクトロルミネッセンス層の所定箇所を前記第
一電極層および前記第一有機エレクトロルミネッセンス
層を有する基材上に転写する工程、を含むことを特徴と
した有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方
法。 - 【請求項2】前記第一の接合層と前記第二の接合層が、
同一材料からなることを特徴とした請求項1記載の有機
エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法。 - 【請求項3】前記有機エレクトロルミネッセンス層は、
塗布法により形成されることを特徴とした請求項1〜2
記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方
法。 - 【請求項4】前記第一電極層が陽極層、前記第二電極層
が陰極層であることを特徴とした請求項1〜3記載の有
機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法
により製造することを特徴とする有機エレクトロルミネ
ッセンス表示素子。
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JP2000354053A JP2002158089A (ja) | 2000-11-21 | 2000-11-21 | 有機エレクトロルミネッセンス表示素子及びその製造方法 |
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