JP2002155720A - ブローバイガス還元装置のユニオン構造 - Google Patents

ブローバイガス還元装置のユニオン構造

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JP2002155720A JP2000352232A JP2000352232A JP2002155720A JP 2002155720 A JP2002155720 A JP 2002155720A JP 2000352232 A JP2000352232 A JP 2000352232A JP 2000352232 A JP2000352232 A JP 2000352232A JP 2002155720 A JP2002155720 A JP 2002155720A
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union
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cylinder
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブローバイガスに含まれる水分の氷結による
通路の閉塞を簡易な構成で防ぐことができるブローバイ
ガス還元装置のユニオン構造を提供すること。 【構成】 エンジンのクランク室に漏れ出るブローバイ
ガスをＰＣＶホース１３を経てサージタンク（吸気通
路）７に戻すブローバイガス還元装置の前記ＰＣＶホー
ス１３の一端を前記サージタンク７に取り付けるための
ユニオン１２を内筒１２Ａと外筒１２Ｂとで二重管構造
として構成する。本発明によれば、ユニオン１２の内筒
１２Ａと外筒１２Ｂの間に形成された空気層Ｓが断熱層
として機能し、内筒１２Ａ内を流れるブローバイガスが
極低温の外気及びサージタンク７に対して効果的に断熱
されるために内筒１２Ａ内の温度が氷点以上に保たれ、
この内筒１２Ａ内を流れるブローバイガスに含まれる水
分の氷結が防がれ、水分の氷結によるユニオン１２の閉
塞を簡易な構成で防ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンのブロー
バイガス還元装置のＰＣＶホースの一端を吸気通路に取
り付けるための金属製のユニオンの構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】自動車用エンジン等においては、ピスト
ンとシリンダ壁との間からクランク室に洩れ出る所謂ブ
ローバイガスは多量のＨＣを含むため、このブローバイ
ガスを吸気負圧を利用して吸気中に還元するブローバイ
ガス還元装置が設けられる。
【０００３】図６にブローバイガス還元装置の具体例を
示すが、エンジンのピストンとシリンダ壁との間から不
図示のクランク室に洩れ出たブローバイガスは、バッフ
ルプレート１２０で仕切られたヘッドカバー１０２内の
室Ｓ１に導かれ、ＰＣＶバルブ１１１及びＰＣＶホース
１１３を通ってサージタンク１０７内に送られて吸気中
に還元される。
【０００４】ところで、ヘッドカバー１０２とサージタ
ンク１０７とを接続するＰＣＶホース１１３は、ヘッド
カバー１０２に取り付けられたＰＣＶバルブ１１１にそ
の一端が取り付けられ、他端はサージタンク１０７に取
り付けられた金属製のユニオン１１２に差し込まれて取
り付けられており、その外周はパイプ状の保温材１１４
によって被覆されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記ブロー
バイガス還元装置を備えるエンジンが極低温下で運転さ
れると、サージタンク１０７が外気によって冷却される
ためにユニオン１１２の内部温度が氷点以下に下がり、
このユニオン１１２を通過するブローバイガスに含まれ
る水分が氷結して図示のようにユニオン１１２の通路を
閉塞し、ブローバイガスの吸気中への還元が不可能とな
る他、クランク室の内圧が上昇して種々の不具合が発生
する。
【０００６】上記問題を解決するためにユニオンを保温
材やカバーで覆ったり、ユニオンの径を拡大する等の対
策を施しているが、問題解決には不十分である場合があ
る。又、温水や電気ヒータ等によって氷結部を強制的に
加熱する方法も考えられるが、このような方法はレイア
ウトやコスト面で不利である。
【０００７】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、ブローバイガスに含まれる水
分の氷結による通路の閉塞を簡易な構成で防ぐことがで
きるブローバイガス還元装置のユニオン構造を提供する
ことにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１記載の発明は、エンジンのクランク室に漏
れ出るブローバイガスをＰＣＶホースを経て吸気通路に
戻すブローバイガス還元装置の前記ＰＣＶホースの一端
を前記吸気通路に取り付けるためのユニオンを内筒と外
筒とで二重管構造として構成したことを特徴とする。
【０００９】請求項２記載の発明は、請求項１記載の発
明において、前記内筒と外筒とを異種材料で構成したこ
とを特徴とする。
【００１０】請求項３記載の発明は、請求項１又は２記
載の発明において、前記内筒を外筒よりも薄くて熱容量
の小さな材料で構成したことを特徴とする。
【００１１】請求項４記載の発明は、請求項１，２又は
３記載の発明において、前記内筒と外筒の間に断熱部材
を配置したことを特徴とする。
【００１２】請求項５記載の発明は、請求項１，２又は
３記載の発明において、前記内筒と外筒との間にシール
部材で気密室を形成したことを特徴とする。
【００１３】従って、請求項１記載の発明によれば、ユ
ニオンを内筒と外筒とで二重管構造として構成したた
め、内筒と外筒の間に形成された空気層が断熱層として
機能し、内筒内を流れるブローバイガスが極低温の外気
及び吸気通路に対して効果的に断熱されるために内筒内
の温度が氷点以上に保たれ、この内筒内を流れるブロー
バイガスに含まれる水分の氷結が防がれる。このため、
水分の氷結によるユニオンの閉塞を簡易な構成で防ぐこ
とができ、ブローバイガス還元装置の安定した作動を確
保するとともに、クランク室の内圧上昇等の不具合の発
生を防ぐことができる。
【００１４】請求項２記載の発明によれば内筒と外筒と
を異種材料で構成し、請求項３記載の発明によれば内筒
を外筒よりも薄くて熱容量の小さな材料で構成したた
め、一般には０℃以上の温度のブローバイガスによって
内筒の温度が上がって該内筒への氷着が発生しにくくな
り、水分の氷結によるユニオンの閉塞を一層効果的に防
ぐことができる。
【００１５】請求項４記載の発明によれば内筒と外筒の
間に配置された断熱部材の断熱効果によって、又、請求
項５記載の発明によれば内筒と外筒との間にシール部材
によって形成された気密室の断熱効果によって、ブロー
バイガスに含まれる水分の氷結に伴う通路の閉塞が簡易
な構成で防がれる。
【００１６】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【００１７】図１はブローバイガス還元装置の概略構成
を示す模式図、図２は本発明に係るユニオン構造を示す
断面図である。
【００１８】図１において、１は自動車用エンジンであ
って、このエンジン１には上方からヘッドカバー２、シ
リンダヘッド３、シリンダブロック４及びクランクケー
ス５が順次設けられ、その前面にはチェーンカバー６が
被着されている。
【００１９】又、上記シリンダヘッド３の吸気系（吸気
通路）にはサージタンク７から延びる吸気マニホールド
８が接続されており、サージタンク７にはスロットルボ
ディ９が接続されている。尚、スロットルボディ９には
スロットルバルブ１０が内蔵されており、スロットルボ
ディ９は吸気通路１７を介して不図示のエアクリーナに
接続されている。
【００２０】そして、ヘッドカバー２にはＰＣＶバルブ
１１が取り付けられ、サージタンク７には金属製のユニ
オン１２が取り付けられており、ヘッドカバー２内の室
Ｓ１とサージタンク７内とは、ＰＣＶバルブ１１とユニ
オン１２に取り付けられたゴム製のＰＣＶホース１３に
よって連通せしめられている。
【００２１】又、前記吸気通路１７とクランクケース５
内のクランク室Ｓ２とは連通ホース１８によって連通さ
れており、連通ホース１８の一端は吸気通路１７に取り
付けられた金属製のユニオン１２’に接続されている。
【００２２】而して、上記ＰＣＶバルブ１１、ユニオン
１２，１２’、ＰＣＶホース１３、連通ホース１８等に
よってブローバイガス還元装置が構成されており、エン
ジン１のピストンとシリンダ壁との間からクランクケー
ス５内のクランク室Ｓ２に洩れ出たブローバイガスの一
部は、図１に実線矢印にて示すように、連通ホース１８
を通って吸気通路１７に導入され、不図示のエアクリー
ナから吸引されて吸気通路１７を流れる新気に還元され
る。
【００２３】又、クランク室Ｓ２に洩れ出た他のブロー
バイガスは、クランク室Ｓ２からチェーンカバー６の内
部を通ってヘッドカバー２内の室Ｓ１に導入されるとと
もに、連通ホース１８を通って吸気通路１７に導入され
る。そして、ヘッドカバー２内の室Ｓ１に導入されたブ
ローバイガスは、サージタンク７内の吸気負圧に引かれ
てヘッドカバー２内の室Ｓ１からＰＣＶバルブ１１及び
ＰＣＶホース１３を通ってサージタンク７内に導入さ
れ、図１に破線矢印にて示すように不図示のエアクリー
ナからスロットルボディ９を経てサージタンク７内に導
入された新気に還元され、吸気通路１７の新気に還元さ
れた前記ブローバイガスと共に吸気マニホールド８を通
ってエンジン１に供給されて燃焼に供される。
【００２４】次に、前記ユニオン１２の構成の詳細を図
２に基づいて説明する。尚、他方のユニオン１２’の構
成もユニオン１２のそれと同様であるため、これについ
ての説明は省略する。
【００２５】図２において、７はアルミニウム合金製の
サージタンクであり、該サージタンク７にはユニオン１
２が圧入によって取り付けられている。そして、ユニオ
ン１２には前記ＰＣＶホース１３の一端が差し込まれて
取り付けられており、該ＰＣＶホース１３の外周にはパ
イプ状の保温材１４が被覆されている。
【００２６】而して、ユニオン１２は図示のように内筒
１２Ａと外筒１２Ｂとで二重管構造として構成されてお
り、内筒１２Ａは外筒１２Ｂよりも薄くて熱容量の小さ
なアルミニウムで構成され、外筒１２Ｂは内筒１２Ａよ
りも厚くて熱容量の大きな鉄で構成されている。
【００２７】ところで、内筒１２Ａの軸方向外周の両端
部にはゴム製のリング状支持部材１４，１５が加硫によ
って接着されており、これらの支持部材１４，１５によ
って内筒１２Ａと外筒１２Ｂとの間に所定の隙間が形成
されており、この隙間が断熱層としての空気層Ｓを構成
している。
【００２８】又、内筒１２Ａの一端外周にはゴム製の蓋
部材１６が加硫によって接着されており、ユニオン１２
の実際の組み付けにおいては、外筒１２Ｂをサージタン
ク７に圧入した後、内筒１２Ａが外筒１２Ｂの内側に一
端側（ホース取付側）から嵌め込まれる。
【００２９】以上のように内筒１２Ａと外筒１２Ｂとで
二重管構造を成すユニオン１２は前述のようにサージタ
ンク７に圧入によって取り付けられるが、このユニオン
１２においては、内筒１２Ａと外筒１２Ｂの間に形成さ
れた空気層Ｓが断熱層として機能する。このため、エン
ジン１が極低温下で運転された場合であっても、ユニオ
ン１２の内筒１２Ａ内を流れるブローバイガスが極低温
の外気及びサージタンク７に対して効果的に断熱され、
この結果、内筒１２Ａ内の温度が氷点以上に保たれ、こ
の内筒１２Ａ内を流れるブローバイガスに含まれる水分
の氷結が防がれる。従って、水分の氷結によるユニオン
１２の閉塞を簡易な構成で防ぐことができ、ブローバイ
ガス還元装置の安定した作動が確保されるとともに、ユ
ニオン１２の閉塞に伴うクランク室Ｓ２の内圧上昇等の
不具合の発生が確実に防がれる。
【００３０】又、本実施の形態では、ユニオン１２の内
筒１２Ａを外筒１２Ｂよりも薄くて熱容量の小さなアル
ミニウムで構成したため、一般には０℃以上の温度のブ
ローバイガスによって内筒１２Ａの温度が上がって該内
筒１２Ａへの氷着が発生しにくくなり、水分の氷結によ
るユニオン１２の閉塞を一層効果的に防ぐことができ
る。
【００３１】次に、本発明に係るユニオン構造の他の形
態を図３〜図５に基づいて説明する。尚、図３〜図５は
ユニオン構造の他の形態を示す断面図である。
【００３２】図３（ｂ）に示すユニオン２２は図３
（ａ）に示す金属製の内筒２２Ａと外筒２２Ｂを組み付
けて構成され、内筒２２Ａの一端はベルマウス状の拡径
部２２ａが形成されている。又、内筒２２Ａの軸方向両
端部の外周にはゴム等の弾性部材によって成形されたシ
ール部材１９，２０が固着されており、この内筒２２Ａ
と外筒２２Ｂを組み付けて構成されるユニオン２２の内
筒２２Ａと外筒２２Ｂの間にはシール部材１９，２０に
よって区画される気密室Ｓ’が形成されている。尚、ユ
ニオン２２においては、内筒２２Ａはその一端に形成さ
れた拡径部２２ａによって脱落が防がれる。
【００３３】又、図４に示すユニオン３２は、樹脂製の
サージタンク３７に一体に形成された外筒３７ａに図３
（ａ）に示す金属製の内筒２２Ａを組み付けて構成され
ており、このユニオン３２においても内筒２２Ａと外筒
３７ａの間にはシール部材１９，２０によって区画され
る気密室Ｓ’が形成されている。
【００３４】更に、図５に示すユニオン４２は、内筒４
２Ａと外筒４２Ｂの間に断熱性の高い発泡ウレタンゴム
等の断熱部材４３を配置して構成されている。
【００３５】而して、図３及び図４に示すユニオン２
２，３２においては、内筒２２Ａと外筒２２Ｂ，３７ａ
との間にシール部材１９，２０によって形成された気密
室（空気層）Ｓ’の断熱効果によって、又、図５に示す
ユニオン４２においては内筒４２Ａと外筒４２Ｂの間に
配置された断熱部材４３の断熱効果によって、ブローバ
イガスに含まれる水分の氷結に伴う通路の閉塞が簡易な
構成で防がれる。
【００３６】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、エンジンのクランク室に漏れ出るブローバイガ
スをＰＣＶホースを経て吸気通路に戻すブローバイガス
還元装置の前記ＰＣＶホースの一端を前記吸気通路に取
り付けるためのユニオンを内筒と外筒とで二重管構造と
して構成したため、ブローバイガスに含まれる水分の氷
結による通路の閉塞を簡易な構成で防ぐことができると
いう効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】ブローバイガス還元装置の概略構成を示す模式
図である。
【図２】本発明に係るユニオン構造を示す断面図であ
る。
【図３】本発明に係るユニオン構造の別形態を示すユニ
オンの断面図である。
【図４】本発明に係るユニオン構造の別形態を示すサー
ジタンクの部分断面図である。
【図５】本発明に係るユニオン構造の別形態を示すユニ
オンの断面図である。
【図６】従来のユニオン構造を示す断面図である。
【符号の説明】
１ エンジン ２ ヘッドカバー ７ サージタンク １１ ＰＣＶバルブ １２，２２’ ユニオン １２Ａ，２２Ａ 内筒 １２Ｂ，２２Ｂ 外筒 １３ ＰＣＶホース １７ 吸気通路 １９，２０ シール部材 ３２ ユニオン ３７ａ 外筒 ４２ ユニオン ４２Ａ 内筒 ４２Ｂ 外筒 ４３ 断熱部材 Ｓ 空気層 Ｓ’ 気密室 Ｓ１ ヘッドカバー内の室 Ｓ２ クランク室

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 エンジンのクランク室に洩れ出るブロー
    バイガスをＰＣＶホースを経て吸気通路に戻すブローバ
    イガス還元装置の前記ＰＣＶホースの一端を前記吸気通
    路に取り付けるためのユニオンを内筒と外筒とで二重管
    構造として構成したことを特徴とするブローバイガス還
    元装置のユニオン構造。
  2. 【請求項２】 前記内筒と外筒とを異種材料で構成した
    ことを特徴とする請求項１記載のブローバイガス還元装
    置のユニオン構造。
  3. 【請求項３】 前記内筒を外筒よりも薄くて熱容量の小
    さな材料で構成したことを特徴とする請求項１又は２記
    載のブローバイガス還元装置のユニオン構造。
  4. 【請求項４】 前記内筒と外筒の間に断熱部材を配置し
    たことを特徴とする請求項１，２又は３記載のブローバ
    イガス還元装置のユニオン構造。
  5. 【請求項５】 前記内筒と外筒との間にシール部材で気
    密室を形成したことを特徴とする請求項１，２又は３記
    載のブローバイガス還元装置のユニオン構造。
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