JP2002155102A - 多糖類安息香酸・脂肪酸エステル及び該エステルを用いたゲル化剤並びに該ゲル化剤を用いたチキソトロピー性粘性組成物 - Google Patents
多糖類安息香酸・脂肪酸エステル及び該エステルを用いたゲル化剤並びに該ゲル化剤を用いたチキソトロピー性粘性組成物Info
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Abstract
ー性粘性を付与するゲル化剤並びに高チキソトロピー性
粘性組成物の提供。 【解決手段】 特定の置換度を有する多糖類安息香酸・
脂肪酸エステルからなるゲル化剤並びに該ゲル化剤を溶
解させた高チキソトロピー性粘性組成物を配合した化粧
料、医薬品、医薬部外品、塗料及びインキ。 【効果】 高チキソトロピー性粘性組成物は、展延性及
び付着性に優れ、化粧料、医薬品、医薬部外品、塗料及
びインキ用の基材として優れたものである。
Description
酸・脂肪酸エステル及びその用途に関する。
テルは、溶剤や油剤に溶解することにより従来では得ら
れなかったチキソトロピー性粘性を有するゲルを形成す
る。
とは、一定の力を加えると粘度が低下し、力が加わらな
くなると元の粘度に回復するという性状を指称し、本発
明に係る多糖類安息香酸・脂肪酸エステルを用いて調製
したチキソトロピー性粘性組成物を用いれば、化粧品、
医薬品、医薬部外品は滑らかさが出て、展延性がよく、
インキ、塗料は滑らかさが出て、書き心地がよく、塗り
やすく、しかも垂れることがない。
物について、公知の化合物としてセルロース安息香酸エ
ステルやニトロセルロース安息香酸エステル等の合成例
が開示されている。しかし、その物性については詳細な
報告がなされていない。また、多糖類と安息香酸と脂肪
酸とのエステル化合物についての合成例の開示はない。
増粘性組成物を得るために、有機変性粘土鉱物、デキス
トリン脂肪酸エステル、界面活性剤、樹脂などを単独又
はこれらの組み合わせ、あるいは他の基材との組み合わ
せ等による方法が知られており、例えば、デキストリン
脂肪酸エステル及び/又は親油性しょ糖脂肪酸エステル
と有機変性モンモリナイトクレーを必須に含有すること
を特徴とする親油メークアップ化粧料(特開昭61−5
6115号公報)、カチオン界面活性剤の一種又は二種
以上と、有機変性粘土鉱物と、溶剤と、を含有すること
を特徴とするゲル組成物(特公平6−98298号公
報)等が開示されている。
調製に手間がかかったり、配合する基材や割合に制約が
あったり、又再現性を得ることが難しい等の問題点があ
り、高チキソトロピー性の組成物を得ることが難しかっ
た。前出特開昭61−56115号公報に開示されてい
るデキストリン脂肪酸エステルと有機変成モンモリロナ
イトクレー等を組み合わせたものでは、ゲル状組成物を
得るための配合に制約があり、得られるゲル状組成物の
チキソトロピー性粘性も充分といえるものではなく、前
出特公平6−98298号公報に開示されているカチオ
ン界面活性剤と有機変性粘土鉱物等を組み合わせたもの
では、ロール機等による強力な剪断力を与えて有機変性
粘土鉱物を均一に分散させる必要があり、粘度安定性が
不十分であった。このため、高チキソトロピー性粘性付
与ゲル化剤や単純な系で高チキソトロピー性粘性を有す
るゲル状組成物が望まれているところである。
鑑み、鋭意研究を行った結果、特定の置換度を有する多
糖類安息香酸・脂肪酸エステルが溶剤や油剤のゲル化剤
として有用であること、特に高チキソトロピー性粘性を
付与するゲル化剤として有用であることを見出し、ま
た、該多糖類安息香酸・脂肪酸エステルを溶剤や油剤に
溶解させた組成物は高チキソトロピー性粘性を有し、使
用感に優れたものが得られることを見出し、本発明に到
達したものである。
酸と脂肪酸とのエステル化物であって、該多糖類の水酸
基が構成糖1分子あたり0.1〜3.0のベンゾイル基
及び0.1〜3.0の脂肪酸基で置換されていることを
特徴とする多糖類安息香酸・脂肪酸エステル、(2).
多糖類がでんぷん又はカードランである(1)記載の多
糖類安息香酸・脂肪酸エステル、(3).(1)又は
(2)記載の多糖類安息香酸・脂肪酸エステルからなる
溶剤及び/又は油剤のゲル化剤、(4).(1)又は
(2)記載の多糖類安息香酸・脂肪酸エステルと、溶剤
及び/又は油剤とを含有してなるチキソトロピー性粘性
組成物、(5).(4)記載のチキソトロピー性粘性組
成物を含有してなる化粧料、医薬品、医薬部外品、塗料
及びインキである。
コーンスターチ、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオ
カ澱粉、小麦澱粉、サゴ澱粉等のでんぷん類、カードラ
ン、セルロース、キサンタンガム、グアーガム、寒天、
アルギン酸、イヌリン、キトサン、キチン等であり、ま
た、その分解物、加工物又は化学修飾物も用いることが
できる。これら多糖類の構造において糖鎖は直鎖状でも
分岐鎖状でも良いが、直鎖状ではあるが構造上立体構造
をとるカードランや分岐鎖状構造を多く含有するアミロ
ペクチン含量が多いワキシーコーンスターチ等のでんぷ
ん類がチキソトロピー性を付与する上で特に望ましい。
の脂肪酸であり、直鎖状脂肪酸、分岐状脂肪酸のいずれ
も用いることができる。
置換度は、単位糖あたり0.1〜3.0である。多糖類
へのベンゾイル基の置換度は、単位糖あたり最大3.0
であり、置換度が0.1未満では溶剤や油剤への溶解性
が悪くなってチキソトロピー性付与効果が得られない。
は、単位糖あたり0.1〜3.0である。多糖類への脂
肪酸の置換度は、単位糖あたり最大3.0であり、脂肪
酸の置換度が0.1未満では溶剤や油剤に対する溶解性
が悪くなってチキソトロピー性付与効果が得られない。
テルの具体例を挙げれば次のとおりである。
チン酸エステル、コーンスターチ安息香酸・酢酸エステ
ル、馬鈴薯澱粉安息香酸・ベヘン酸エステル、タピオカ
澱粉安息香酸・2−エチルヘキサン酸エステル、カード
ラン安息香酸・パルミチン酸エステル。
エステルの製造方法について説明する。
テルは、前記多糖類と安息香酸と脂肪酸とのエステル化
反応によって容易に得ることができ、例えば、前記多糖
類を反応溶媒に分散し、必要に応じて触媒を添加し、こ
れに、安息香酸並びに脂肪酸の酸ハロゲン化物又は酸無
水物を添加して反応させればよい。反応溶媒にはジメチ
ルホルムアミド、ホルムアミド等のホルムアミド系、ア
セトアミド系、ケトン系、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族化合物、ジオキサン等の溶剤を適宜使用す
ることができ、反応触媒にはピリジン、ピコリン等の3
級アミノ化合物等を適宜使用することができる。反応温
度は多糖類並びに脂肪酸の種類により適宜選択される
が、0℃以上から100℃の温度が好ましい。
エステルを含有するチキソトロピー性粘性組成物につい
て詳述する。
テルを組成物に配合する場合、その配合量は特に限定さ
れないが、好ましくは0.1〜90重量%(以下、単に
%で示す)、さらに好ましくは0.5%〜50%であ
る。組成物に用いられる溶剤や油剤として、例えば、ベ
ンジルアルコール、フェノキシエタノール等の芳香族ア
ルコール、フェノール、クレゾール、グアヤコール等の
フェノール化合物、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素、桂皮酸アルコール、メトキシ桂皮酸オ
クチル等の桂皮酸誘導体、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ブチレングリコール、トリエチレング
リコール等のグリコール類、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類、
メタノール、エタノール等のアルコール類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等の脂肪酸アルコールエステル類、ヘキ
サン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素類、流動パラ
フィン、イソパラフィン、スクワラン、ワセリン等炭化
水素系オイル、ヒマシ油、オリーブ油、椿油、亜麻仁
油、ホホバ油、大豆油、液状ラノリン、ミンクオイル、
羊毛油等の動植物油、蜜ロウ、硬化ヒマシ油、キャンデ
リラワックス、カルナウバワックス、パラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワック
ス、ロジン等のワックス類、ジメチルポリシロキサン、
環状シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン等のシ
リコーン油等を用いることができる。
には、添加剤として、染料、酸化チタン、マイカ、カオ
リン、タルク、酸化鉄、群青、チタン酸コバルト等の粉
末類並びにそれらの疎水化処理粉末、有機顔料、香料、
陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、非イオン界
面活性剤、薬剤、紫外線吸収剤、保湿剤、防腐剤、酸化
防止剤等を目的物の性能を損なわない程度に配合でき
る。
R分析、ガスクロマトグラフ分析、チキソトロピー性の
測定法及び物性評価法は次のとおりである。
0を用いKBr錠剤法により測定した。
53。 カラム:GLサイエンス NB−5 df=20μm
0.53mmI.D×15m。 サンプル作成方法:試料をアルカリ分解後、安息香酸、
脂肪酸を抽出しガスクロマトグラフ測定した。
−ずり速度線の作成)。 測定機器:東京計器 E型粘度計(VISCONIC
EMD型)。 測定方法:試料2.5gをベンジルアルコール47.5
gに90℃で加熱溶解させ24時間室温で静置してゲル
を形成する。次に、前記測定器を用い、測定温度25℃
でずり速度に対するずり応力を測定した。
剤または油剤45gに90℃で加熱溶解させたときの状
態を下記の判断基準で評価した。 ◎:透明に完全に溶解する。 ○:溶解する。 △:完全には溶解しないが、膨潤状態で半溶解状であ
る。 ×:膨潤も溶解もしない。
45gに90℃で加熱溶解させ、24時間室温で静置後
のゲルの状態を下記の判断基準で評価した。 ◎:しっかりした固いゲルである。 〇:やわらかいゲルである。 △:高粘性のゾルである。 ×:ゾルにもゲルにもならない。
たは油剤45gに90℃で加熱溶解させ、24時間室温
で静置してゲルまたはゾルを作成する。このゲルをスパ
テラで攪拌した時の状態を下記の判断基準で評価した。 ○:攪拌によってゲルが壊れ、粘度が低下し、ゲル状態
からゾル状態に変化するが攪拌終了後静置すると元のゲ
ル状態に復元する。 △:攪拌によって急激に粘度が低下し、ゾル状態から溶
液状態に変化するが攪拌終了後静置することにより元の
ゾル状態に復元する。 ×:攪拌によって急激に粘度が低下し、ゲル状態からゾ
ル状態に変化し、攪拌終了後静置しても元のゲル状態に
復元しない。
酸・パルミチン酸エステル>ワキシーコーンスターチ
(ワキシーアルファY:三和澱粉工業(株)製)33.
70gをジメチルホルムアミド500gとピリジン12
0gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、塩化ベン
ゾイル84.3g、パルミチン酸クロライド27.5g
(反応モル比3.5、安息香酸/パルミチン酸=86/
14)を20分間滴下した。滴下終了後、反応温度を9
0℃として4時間反応させた。反応液を10%炭酸ナト
リウム水溶液で中和し、固形分をメタノールで洗浄後、
乾燥して淡黄色の粉体75gを得た。図1は得られたワ
キシーコーンスターチ安息香酸・パルミチン酸エステル
のIRスペクトルである。このIRスペクトルから31
00cm−1に芳香族C−H伸縮振動由来、2800〜
3000cm−1にアルキル由来、1740cm−1に
エステル由来のピークを確認した。また、アルカリ分解
後のガスクロマトグラフ分析から置換度2.8、安息香
酸/パルミチン酸=90/10であることを確認した。
このものを溶剤としてベンジルアルコールを用いてチキ
ソトロピー性の測定法により測定した結果を図2に示
す。図2において縦軸はずり応力、横軸はずり速度を示
すもので、該ずり速度が上がるにつれてずり応力が上が
り、ずり応力が最大限上がったところからずり速度を下
げると、ずり応力が上昇曲線に沿って下がってくる。こ
れはチキソトロピー性を示すもので、上昇曲線と下降曲
線が近いほどチキソトロピー性に優れていることを示す
ものであり、ワキシーコーンスターチ安息香酸・パルミ
チン酸エステルが溶剤にチキソトロピー性を付与させる
優れたゲル化剤として有用であることが確認できる。
は溶剤及び/又は油剤に溶解させた際にチキソトロピー
性粘性を付与し、該チキソトロピー性粘性が付与された
ゲル組成物は化粧料、医薬品、医薬部外品、塗料及びイ
ンキ用の基材として優れたものである。
るが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
ーチ(コーンアルファY:三和澱粉工業(株)製)10
gをジメチルホルムアミド135gとピリジン30gと
からなる混合溶媒に80℃で分散させ、無水安息香酸2
8g、無水酢酸6.3g(反応モル比3.0、安息香酸
/酢酸=67/33)を5分間滴下した。滴下終了後、
反応温度を90℃として4時間反応させた。反応液を5
%炭酸ナトリウム水溶液にて中和沈澱させてから濾過
し、固形分を水で洗浄後、乾燥して淡黄色の粉体19g
を得た。IRスペクトルから3100cm−1に芳香族
C−H伸縮振動由来、2800〜3000cm−1にア
ルキル由来、1740cm−1にエステル由来のピーク
を確認した。また、アルカリ分解後のガスクロマトグラ
フ分析から置換度2.3、安息香酸/酢酸=65/35
であることを確認した。
>アセチル化タピオカ澱粉(クローバーS:大栄産業
(株)製)33.70gをジメチルホルムアミド500
gとピリジン120gとからなる混合溶媒に70℃で分
散させ、塩化ベンゾイル84.3g、ベヘン酸クロライ
ド35.9g(反応モル比3.5、安息香酸/ベヘン酸
=86/14)を20分間滴下した。滴下終了後、反応
温度を90℃として4時間反応させた。反応液を60容
積%メタノール水溶液に沈澱させてから濾過し、固形分
をメタノールで洗浄後、乾燥して白色の粉体92gを得
た。このもののIRスペクトルから3100cm−1に
芳香族C−H伸縮振動由来、2800〜3000cm−
1にアルキル由来、1740cm−1にエステル由来の
ピークを確認した。また、アルカリ分解後のガスクロマ
トグラフ分析から置換度2.5、安息香酸/ベヘン酸=
90/10であることを確認した。
鈴薯澱粉(クローバー:大栄産業(株)製)59gをジ
メチルホルムアミド438gとピリジン115gとから
なる混合溶媒に70℃で分散させ、塩化ベンゾイル76
g、イソステアリン酸クロライド65g(反応モル比
2.1、安息香酸/イソステアリン酸=71/29)を
20分間滴下した。滴下終了後、反応温度を90℃とし
て4時間反応させた。反応液を40容積%メタノール水
溶液に沈澱させてから濾過し、固形分をメタノールで洗
浄後、乾燥して白色の粉体120gを得た。このものの
IRスペクトルから3100cm−1に芳香族C−H伸
縮振動由来、2800〜3000cm−1にアルキル由
来、1740cm−1にエステル由来のピークを確認し
た。また、アルカリ分解後のガスクロマトグラフ分析か
ら置換度2.8、安息香酸/イソステアリン酸=75/
25であることを確認した。
ラン(カードラン:武田薬品工業(株)製)34gをジ
メチルホルムアミド565gとピリジン97gとからな
る混合溶媒に70℃で分散させ、塩化ベンゾイル70
g、パルミチン酸クロライド46g(反応モル比3.
3、安息香酸/パルミチン酸=76/24)を20分間
滴下した。滴下終了後、反応温度を90℃として4時間
反応させた。反応液を60容積%メタノール水溶液に沈
澱させてから濾過し、固形分をメタノールで洗浄後、乾
燥して白色の粉体80gを得た。このもののIRスペク
トルから3100cm−1に芳香族C−H伸縮振動由
来、2800〜3000cm−1にアルキル由来、17
40cm−1にエステル由来のピークを確認した。ま
た、アルカリ分解後のガスクロマトグラフ分析から置換
度2.0、安息香酸/パルミチン酸=74/26である
ことを確認した。
(微結晶セルロースS−105:武田薬品工業(株)
製)3gをジメチルアセトアミド40g、塩化リチウム
1.2gとピリジン10gとからなる混合溶媒に90℃
で分散させ塩化ベンゾイル24g、ベヘン酸クロライド
3.3g(反応モル比3.5:安息香酸/ベヘン酸=8
6/14)を10分間滴下した。滴下終了後、反応温度
を90℃として3時間反応させた。反応液を水に分散さ
せ析出させた後、粉砕して濾過し、固形分を水、メタノ
ールで洗浄後、乾燥して淡黄色の粉末10gを得た。こ
のもののIRスペクトルから3100cm−1に芳香族
C−H伸縮振動由来、2800〜3000cm−1にア
ルキル由来、1740cm−1にエステル由来のピーク
を確認した。また、アルカリ分解後のガスクロマトグラ
フ分析から置換度2.4、安息香酸/ベヘン酸=90/
10であることを確認した。
>ワキシーコーンスターチのアルファ化でんぷん(ワキ
シーアルファY:三和澱粉工業(株)製)100gをジ
メチルホルムアミド300gとピリジン60gとからな
る混合溶媒に70℃で分散させ、塩化ベンゾイル8.7
g(反応モル比0.1)を5分間滴下した。滴下終了
後、反応温度を90℃として4時間反応させた。反応液
をメタノールに沈澱させてから濾過し、固形分をメタノ
ールで洗浄後、乾燥して白色の粉体100gを得た。こ
のもののIRスペクトルから3100cm−1に芳香族
C−H伸縮振動由来、1740cm−1にエステル由来
のピークを確認した。また、アルカリ分解後のガスクロ
マトグラフ分析からベンゾイル基の置換度が0.06で
あることを確認した。
について評価した結果を表1に示した。
ステルは、比較例1と比べ溶解性、ゲル化性、チキソト
ロピー性に優れた物性を示した。
器に入れて冷却してネイルエナメルを得た。このネイル
エナメルはチキソトロピー性粘性を有し、展延性及び付
着性に優れ、顔料の沈降も見られなかった。
加えて、さらに加熱溶解させ、ローラーにて混練り後、
口紅型に入れて冷却しスティック状口紅を得た。この口
紅は、発汗も見られず、展延性及び付着性に優れるもの
であった。
性ポマードを得た。このポマードは、チキソトロピー性
粘性を有し、髪への展延性、付着性に優れるものであっ
た。
に入れて冷却してインキを得た。このインキはチキソト
ロピー性粘性を有し、展延性及び付着性に優れ、顔料の
沈降も見られなかった。
状耐圧容器に充填してエアゾール型塗料を得た。この塗
料は噴霧すると、付着性に優れ顔料の沈降も見られなか
った。
得た。この防除剤は付着性が良く、展延性に優れてい
た。
lを5cm四方の正方形に打ち抜いた不織布(ED−4
150:日本バイリーン社(株)製)に含浸させた後冷
却してゲル化させ、更に粘着剤を塗布した7cm四方の
ポリ塩化ビニルフィルムで覆いパッチ剤を作成した。こ
のパッチ剤は、不織布から液の染み出しが無く安定なも
のであった。
ステルは溶剤や油剤に溶解した場合に従来では得られな
かったチキソトロピー性の粘性を有するゲルを形成し、
当該多糖類安息香酸・脂肪酸エステルを配合したチキソ
トロピー性粘性組成物は、展延性及び付着性に優れ、化
粧料、医薬品、医薬部外品、塗料及インキ用の基材とし
て優れたものである。
・脂肪酸エステルのIRスペクトルである。
・脂肪酸エステルをベンジルアルコールに加熱溶解ゲル
化させたゲルのずり応力−ずり速度線を示すものであ
る。
Claims (9)
- 【請求項1】 多糖類と安息香酸と脂肪酸とのエステル
化物であって、該多糖類の水酸基が構成糖1分子あたり
0.1〜3.0のベンゾイル基及び0.1〜3.0の脂
肪酸基で置換されていることを特徴とする多糖類安息香
酸・脂肪酸エステル。 - 【請求項2】 多糖類がでんぷん又はカードランである
請求項1記載の多糖類安息香酸・脂肪酸エステル。 - 【請求項3】 請求項1及び2記載の多糖類安息香酸・
脂肪酸エステルからなる溶剤及び/又は油剤のゲル化
剤。 - 【請求項4】 請求項1又は請求項2記載の多糖類安息
香酸・脂肪酸エステルと溶剤及び/又は油剤の一種又は
二種以上とを含有してなるチキソトロピー性粘性組成
物。 - 【請求項5】 請求項4記載のチキソトロピー性粘性組
成物を含有してなる化粧料。 - 【請求項6】 請求項4記載のチキソトロピー性粘性組
成物を含有してなる医薬品。 - 【請求項7】 請求項4記載のチキソトロピー性粘性組
成物を含有してなる医薬部外品。 - 【請求項8】 請求項4記載のチキソトロピー性粘性組
成物を含有してなる塗料。 - 【請求項9】 請求項4記載のチキソトロピー性粘性組
成物を含有してなるインキ。
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---|---|---|---|
JP2000353713A JP4868101B2 (ja) | 2000-11-21 | 2000-11-21 | 多糖類安息香酸・脂肪酸エステルを用いたゲル化剤及び該ゲル化剤を用いたチキソトロピー性粘性組成物 |
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