JP2002154552A - 自立袋 - Google Patents

自立袋

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JP2002154552A
JP2002154552A JP2000350744A JP2000350744A JP2002154552A JP 2002154552 A JP2002154552 A JP 2002154552A JP 2000350744 A JP2000350744 A JP 2000350744A JP 2000350744 A JP2000350744 A JP 2000350744A JP 2002154552 A JP2002154552 A JP 2002154552A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液状など流動性を有する内容物を密封包装す
る自立袋であって、特に、内容物の他の容器への移し替
え等の使用適性と外観に優れた自立袋を提供する。 【解決手段】 袋の底部をスタンディングパウチと同様
なガセット部5を有する形式で形成し、胴部を前後の壁
面フィルム1、1′の両側端縁部を袋の長さ方向の中間
部近辺で両側から傾斜をもって内部の幅が狭められ、そ
こから上部まで狭い幅となる形状の側部シール部6、6
でヒートシールすると共に、該傾斜をもって幅が狭めら
れた部分のヒートシール部の外側を、それぞれその下辺
が該傾斜に沿う横V字状に切り欠き、更に上部の端縁部
にプラスチックの成形体よりなる注出口20を接合し、そ
の両側を上部シール部8でヒートシールして自立袋を構
成する。尚、両側の側部シール部6、6の上部には袋の
保持用の穴を設けることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液状物のほか、粉
状、粒状などの流動性を有する内容物を密封包装するた
めに用いられる自立袋に関し、更に詳しくは、ボトルな
どの保形性容器の代替容器として、また、保形性容器に
内容物を補充する詰め替え用容器として好適に用いるこ
とができ、内容物の保存性のほか、他の容器への移し替
えなどの使用適性に優れると共に、外観もよく使用後の
廃棄処理性にも優れた自立袋に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種液体洗剤、クレンザー、柔軟
剤、エマルジョン糊などのほか、各種飲料や、醤油、ソ
ース、めんつゆなどの液体調味料など、液状物や、粉
乳、ココアなどの粉体などは、主に、プラスチックボト
ル、ガラス瓶、金属缶などの保形性のある容器に充填さ
れ、流通、使用に供され、使用後の容器は廃棄処分され
ていた。また、一方、廃棄物処理の問題もあり、これら
の容器は、使用後分別処理し、回収、リサイクルするこ
とが進められている。しかし、このような保形性容器
は、資源の消費傾向が強く、商品に占める容器コストの
割合も無視できないものがあった。
【0003】このような見地から、ラミネートフィルム
など軟包装材料による袋など、より低価格の簡易型の容
器が求められるようになっている。このような簡易型容
器は、前記プラスチックボトル、ガラス瓶、金属缶など
の保形性容器の代替として使用できるほか、使用後のボ
トルなどの容器に同一内容物を補充するために用いる詰
め替え用容器としても使用することができる。このよう
な簡易型容器としては、例えば、スタンディングパウチ
と呼ばれる自立袋をそのまま使用したもの、或いは、ス
タンディングパウチの上部に幅を狭くした注出口部を設
けたもの、更には、その注出口部の開口性と保形性を一
層安定なものにするため、スタンディングパウチの上部
にプラスチックの成形体による注出口を取り付けたもの
などがある。
【0004】このような袋は、材料の消費量が少なく、
軽量であり、コンパクトに内容物を包装できるので、省
資源、物流費の削減が可能であり、更に、使用後の廃棄
処理も容易であるなどの長所を有しており、中でもスタ
ンディングパウチの上部にプラスチックの成形体による
注出口を取り付けたものは、自立性を有すると同時に、
注出口の保形性がよく、注出の途中で注出口が閉塞する
こともなく、内容物の保存性などの性能と共に使用適性
においても優れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ス
タンディングパウチの上部にプラスチックの成形体によ
る注出口を取り付けたものでも、袋自体を形成する積層
フィルムは薄く剛性が低いため、袋の本体部は保形性に
劣り、内容物が充填された袋は、袋の胴部の中間部から
やや上寄りの位置に、両側の側部シール部から内側に向
けて折れシワが発生し、また、袋の上部の両側にはカー
ルも生じやすく、外観が損なわれる問題があった。
【0006】また、袋に充填された内容物を他の容器に
移し替える際には、注出口は保形性がよく、且つ、口径
が小さいので、内容物を外にこぼすことがなく安全では
あるが、袋の本体部は柔らかく、胴部を強く掴めないた
め、下側から袋の上部と下部を手で支えて注出するのが
一般的であり、特に、袋の容量が1L〜1.5Lのよう
に大きくなると、注出口の幅に対して、袋の上部の幅が
大きくなりすぎ、手で保持しにくく移し替えの操作自体
が厄介になる問題があった。
【0007】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、その目的とするところは、
液状物など流動性を有する内容物を密封包装する積層フ
ィルム製の袋であって、内容物の保存性がよく、軽量で
嵩張らず、使用後の廃棄処理も容易で、且つ、内容物の
充填も容易で、内容物充填後の袋が自立性を有し、袋の
胴部の折れシワや上部のカールも少なく外観がよく、店
頭での陳列効果にも優れ、また、内容物を他の容器に移
し替える際にも、手で保持しやすく、内容物が注出され
る注出路が確実に形成され、注出の途中で注出路や注出
口が閉塞することもなく、最後まで安全且つ容易に内容
物を移し替えることのできる自立袋を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、以下の本
発明により解決することができる。即ち、請求項1に記
載した発明は、袋の下部が、前後2面の壁面フィルムの
下部の間に、底面フィルムを内側に折り返して挿入し、
周縁部をヒートシールにより封止してなるガセット部を
有する形式で形成され、胴部が、前後2面の壁面フィル
ムの両側の端縁部を側部シール部でヒートシールして形
成される袋において、下部のガセット部が、自立性を付
与する形状のシールパターンでヒートシールされ、該袋
の両側部が、袋の長さ方向の中間部近辺で両側から傾斜
をもって窄まった形状に袋の幅が狭められ、そこから上
部まで狭い幅となるシールパターンの側部シール部でヒ
ートシールされ、且つ、該傾斜をもって幅が狭められた
部分の両側のヒートシール部の外側が、それぞれその下
辺が該傾斜に沿う横向きのV字状に切り欠かれ、更に、
該袋の上部の端縁部にプラスチックの成形体よりなる注
出口が接合されていることを特徴とする自立袋からな
る。
【0009】前記下部のガセット部をヒートシールする
自立性を付与する形状のシールパターンは、内側が両側
から中央部に向けて凹状に窪んだ形状となるシールパタ
ーンであれば何でもよく、特に、内側が両側から中央部
に向けて湾曲線状に窪んだ形状となるシールパターン、
または、内側が所定幅の底部から両側が外側に傾斜直線
状に立ち上がる形状のシールパターンなど、所謂船底形
のシールパターンが特に好ましい。前記注出口は、注出
口部とキャップとが別々に成形された2ピースタイプで
もよく、また、注出口部とキャップとが薄肉部を介して
一体的に成形された1ピースタイプであってもよい。
只、本発明の自立袋では、内容物の充填と注出の両方を
注出口から行うため、どちらかといえば、キャップと注
出口部とが別々に成形された2ピースタイプの注出口を
用いることが好ましい。
【0010】このような構成を採ることにより、本発明
の自立袋は、プラスチックボトルなどの保形性容器と比
較して、材料の消費量を少なくでき、軽量で嵩張らず、
使用後の廃棄処理も容易になる。そして、内容物の充填
は、キャップを外した状態の注出口から容易に充填し、
キャップを閉めて密封することができる。また、内容物
が充填された袋は、下部のガセット部とそのシールパタ
ーンにより、底部が前後に大きく広げられ、底面の外周
にはヒートシール部による脚部が形成されるため、優れ
た自立性が付与され、取り扱いやすく、且つ、袋の中間
部近辺から下側が筒状に広がるので、容量の割にコンパ
クトに包装することができ、物流費の削減および店頭で
の陳列スペースの削減が可能となる。
【0011】また、袋の両側部が、袋の長さ方向(高さ
方向)の中間部近辺で両側から傾斜をもって窄まった形
状に幅が狭められ、そこから上部まで狭い幅となるシー
ルパターンの側部シール部でヒートシールされると共
に、該傾斜をもって幅が狭められた部分の両側のヒート
シール部の外側が、それぞれその下辺が該傾斜に沿う横
向きのV字状に切り欠かれているので、内容物充填後の
袋は、中間部近辺から下側が底部と共に内容物の内圧で
前後に筒状に広げられると同時に、両側の上部方向に向
かう応力がこの部分で開放されるため、袋の胴部の中間
部からやや上寄りの位置に、両側の側部シール部から内
側に向けて発生していた折れシワも少なくなり、また、
上部の両側に生じていたカールも抑制され良好な外観と
なる。
【0012】そして、内容物を他の容器に移し替える際
には、注出口をキャップを外して開封し、袋の上部と下
部を下側から手で支え、上部の両側のヒートシール部を
上方に折り曲げるようにして持ち、狭い幅の上部を両側
から中心部に向けて軽く押すことにより、容易に袋の上
部が広がり、その状態で注出口を容器の口部に向けて自
立袋100を傾けることにより、内容物が注出口に流動
し、その内圧で袋の上部に注出路が確実に形成される。
従って、内容物の注出口への流動がスムーズに行われ、
注出路の保形性もよく、注出の途中で注出路や注出口が
閉塞することもなく、また、袋が比較的大容量であって
も上部は幅が狭いため持ちやすく、最後まで安全且つ容
易に内容物を移し替えることができる。また、本発明の
自立袋は、袋の上部の端縁部にプラスチックの成形体よ
りなるキャップ付きの注出口が接合されているので、そ
の開閉を随時繰り返し行うことができる。従って、袋の
容量が大きく、内容物を複数回に分割して使用するよう
な用途にも好適に使用することができる。
【0013】請求項2に記載した発明は、前記自立袋の
上部の中央部に狭い幅の突出部が設けられ、該突出部の
上部の端縁部にプラスチックの成形体よりなる注出口が
接合されていることを特徴とする請求項1記載の自立袋
からなる。
【0014】このような構成を採ることにより、前記請
求項1に記載した発明の作用効果に加えて、注出口が、
自立袋の上部の中央部に設けられた狭い幅の突出部の上
部の端縁部に接合されているので、外観が一層ボトルに
似たスマートな形状になる。また、自立袋の製造の際、
注出口の接合を一層容易に行える利点も得られる。
【0015】請求項3に記載した発明は、前記自立袋の
両側の側部シール部の上部のうち、少なくとも一方の上
部に袋の保持用の穴が設けられていることを特徴とする
請求項1または2に記載の自立袋である。
【0016】前記袋の保持用の穴は、手指を差し込める
穴であればその形状は、楕円状のほか、円形、複数の円
形など何でもよく、また、全周が打ち抜かれた打ち抜き
穴でもよく、一部に繋ぎ部が設けられた切り目線による
穴であってもよい。このような穴は、自立袋の両側の側
部シール部の上部のうち、一方の上部のみに設けてもよ
いが、両側の側部シール部の上部に設けることが更に好
ましい。
【0017】このような構成を採ることにより、前記請
求項1または2に記載した発明の作用効果に加えて、自
立袋の持ち運びの際、持ちやすく、また、両側の側部シ
ール部の上部に袋の保持用の穴を設けた場合は、内容物
を注出する際、両側の側部シール部を上側に折り曲げて
両側の穴を合わせるようにして手指を差し込んで袋の上
部を保持できるので、袋の容量が大きい場合でも持ちや
すく、且つ、袋の上部に形成される注出路を開いた状態
に固定でき、注出の途中で注出路が閉塞することもな
く、一層容易に内容物を移し替えることができる。
【0018】請求項4に記載した発明は、前記自立袋の
少なくとも上部の領域に、注出路の形成を補助するため
のエンボス加工が施されていることを特徴とする請求項
1乃至3のいずれかに記載の自立袋からなる。
【0019】上記エンボス加工は、押し罫のような線状
のパターンでもよく、また、適宜の幅と長さおよび膨ら
み高さを有するパターンであってもよい。また、このよ
うなエンボス加工は、両側の壁面フィルムのうち、一方
のフィルムのみに設けてもよいが、両側のフィルムに設
けることが更に好ましい。線状のパターンで設ける場合
は、開口性と開口した注出路の保形性を一層向上させる
ため、複数本のパターンで設けることが好ましい。
【0020】このような構成を採ることにより、前記請
求項1乃至3のいずれかに記載した発明の作用効果に加
えて、袋に充填された内容物を注出する際、袋の上部を
一層容易に前後に広げて注出路を形成させることがで
き、また、形成された注出路の保形性を一層向上させる
ことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の自立袋に用いる
フィルム、および、自立袋の製造方法など発明の実施の
形態について説明する。本発明の自立袋に用いるフィル
ムは、主にプラスチックを主体とする積層フィルムを用
いるが、特に限定はされず、液状などの内容物の包装用
袋に用いられている公知の積層フィルムは、いずれも使
用することができ、充填する内容物の種類や充填後の加
熱処理の有無など、使用条件に応じて適する材料を自由
に選択して使用することができる。本発明の自立袋に用
いる積層フィルムの構成の代表的な例として、以下のよ
うな構成が挙げられる。
【0022】(1) ONフィルム/接着剤/L・LDPE
フィルム(シーラント層) (2) ONフィルム/接着剤/二軸延伸HDPEフィルム
/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層) (3) ONフィルム/接着剤/二軸延伸PPフィルム/接
着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層) (4) ONフィルム/接着剤/二軸延伸PPフィルム/接
着剤/アルミニウム箔/接着剤/L・LDPEフィルム
(シーラント層) (5) ONフィルム(シリカ又はアルミナ蒸着層)/接着
剤/二軸延伸HDPEフィルム/接着剤/L・LDPE
フィルム(シーラント層) (6) ONフィルム/接着剤/(シリカ又はアルミナ蒸着
層)PETフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム
(シーラント層) (7) ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコー
ト層(HDPE層/L・LDPE層)(シーラント層
は、L・LDPE層) (8) ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコー
ト層(HDPE層/LDPE層)/接着剤/L・LDP
Eフィルム(シーラント層) (9) PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤
/ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シー
ラント層) (10)PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤
/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント
層) (11)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/
アルミニウム箔/接着剤/L・LDPEフィルム(シー
ラント層) (12)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/
アルミニウム箔/接着剤/CPPフィルム(シーラント
層) (13)PETフィルム/接着剤/EVOHフィルム/接着
剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラン
ト層) などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく
様々な組み合わせの積層フィルムを使用することができ
る。
【0023】上記の構成において、ONフィルムは二軸
延伸ナイロンフィルム、PETフィルムは二軸延伸ポリ
エチレンテレフタレートフィルム、PPはポリプロピレ
ン、L・LDPEは直鎖状低密度ポリエチレン、HDP
Eは高密度ポリエチレン、LDPEは低密度ポリエチレ
ン、CPPフィルムは無延伸ポリプロピレンフィルム、
また、EVOHフィルムはエチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物フィルムを指すものである。
【0024】そして、各フィルム層の間の接着剤は、通
常、その積層をドライラミネーション法で行うため、2
液硬化型ポリウレタン系接着剤などのドライラミネーシ
ョン用接着剤を用いることができる。また、アンカーコ
ートは、押し出しコーティングで樹脂を積層する際、接
着性を向上させるために基材フィルム側に予めコーティ
ングするものでプライマーコートの一種である。
【0025】前記積層フィルムの構成において、ONフ
ィルム、PETフィルムは、最外層に用いる場合は、基
材フィルムとして袋に機械的強度や耐熱性、印刷適性な
どを付与するために用いられ、中間層に用いる場合は、
主に機械的強度を補強するために用いられる。中間層に
二軸延伸HDPEフィルム、または二軸延伸PPフィル
ムを用いた場合は、積層フィルムの厚さを増し、その剛
性や機械的強度を高めると同時に、水蒸気透過度を小さ
くすることができる。
【0026】そして、アルミニウム箔、シリカ又はアル
ミナ蒸着層、EVOHフィルムなどは、主にガスバリヤ
ー性を付与するために積層するものであり、これらのほ
か、アルミニウムなどの金属蒸着層、ポリ塩化ビニリデ
ンの塗膜層、或いは、ポリアクリロニトリルフィルムな
どのガスバリヤー性材料を積層することもできる。
【0027】最内層のシーラント層としては、L・LD
PEフィルムとCPPフィルムの2種類の例を挙げた
が、L・LDPEフィルムは、ヒートシールの安定性や
耐内容物性、例えば界面活性剤に対する耐ストレスクラ
ッキング性などに優れ、CPPフィルムは、耐熱性、低
臭性に優れており、これらの性能を必要とする内容物の
包装用に適している。
【0028】シーラント層には上記のほか、充填される
内容物に応じて、エチレン・αオレフィン共重合体、エ
チレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共
重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイ
オノマー、ポリエステル系樹脂なども適宜選択して使用
することができる。
【0029】特に、エチレン・αオレフィン共重合体で
メタロセン系触媒などシングルサイト触媒を用いて重合
したものは、分子量分布の幅が狭く、共重合比も安定し
ているため、低温ヒートシール性や、熱間シール性に優
れており、本発明の自立袋などのように、下部のガセッ
ト部と胴部シール部との間など、ヒートシール部にフィ
ルムの重なりの差による段差のある袋のシーラント層に
は、シール抜けによるピンホールの発生を防止できる点
で適している。更に、前記共重合体にオレフィン系エラ
ストマーをブレンドしたものを用いることにより、シー
ラント層の熱流動性が改善され、前記段差などによるピ
ンホールの発生も一層効果的に防止することができる。
【0030】尚、本発明の自立袋に充填される内容物
は、液状物のほか、粉状、粒状など流動性を有するもの
であれば、食品、非食品など何でもよいが、例えば、食
用油など酸化され易い内容物が充填される場合は、前記
積層フィルムのいずれかの一層、または複数の層に紫外
線吸収剤を練り込むことができる。また、紫外線吸収剤
を樹脂と混合し、コーティング方式で紫外線吸収層を設
けてもよい。紫外線吸収剤としては、以下から選択され
る一種または二種以上の化合物を使用することができ
る。有機系では、ベンゾフェノン系、ベンゾアリゾール
系、サリチル酸系、有機ニッケル系、アクリロニトリル
系、モノ安息香酸系、シュウ酸アニリド系、シアノアク
リレート系、トリアゾ系の紫外線吸収剤、また、無機系
では、チタン、亜鉛、セリウムなどの各元素の酸化物を
使用することができる。
【0031】次に、以上のような積層フィルムを用いて
製造する本発明の自立袋の製造方法について説明する。
本発明の自立袋は、基本的には従来のスタンディングパ
ウチ用の製袋機(1列製袋用製袋機でも2列突き合わせ
製袋用製袋機でもよい)を利用して、その側部シール部
のシールパターンを変更すると共に、下記のような加工
装置を適宜付加することにより容易に製造することがで
きる。即ち、両側の側部シール部の外側の一部を横向き
のV字状に切り欠く打ち抜き装置と、注出口の取り付け
装置、および注出口の両側の上部シール部をヒートシー
ルするヒートシール装置を付加し、また、必要に応じ
て、両側の側部シール部の上部に袋の保持用の穴を設け
る打ち抜き装置や、袋の上部の領域などにエンボス加工
を施すエンボス装置などを付加して、それぞれを加工す
ることにより容易に製造することができる。尚、上記注
出口の取り付けに関しては、製袋時にインラインで取り
付けてもよいが、製袋後、オフラインで取り付けること
もできる。
【0032】
【実施例】以下に、図面を用いて本発明を更に具体的に
説明する。但し、本発明は、その要旨を超えない限り、
以下の図面に限定されるものではない。また、図面に付
した符号は、異なる図面においても、同じ名称の部分に
は同じ符号を用いた。図1〜図4は、それぞれ本発明の
自立袋の一実施例の構成を示す正面図である。
【0033】図1は、本発明の自立袋の第1の実施例の
構成を示す正面図である。図1に示した自立袋100
は、その下部が、前後2面の壁面フィルム1、1′の下
部の間に、底面フィルムを内側に向けて折り返し、その
両側端縁部の下端近傍に底面フィルム切り欠き部4、4
を設けて、底面フィルム折り返し部3まで挿入してなる
ガセット部5を有する形式で形成され、該ガセット部5
が、内側が両側から中央部に向けて湾曲線状に窪んだ形
状となる船底形のシールパターン、即ち、底部シール部
2でヒートシールされて形成され、胴部が、前後2面の
壁面フィルム1、1′の両側の端縁部を、袋の長さ方向
の中間部近辺で両側から傾斜を持って窄まった形状に幅
が狭められ、そこから上部まで垂直で狭い幅となる形状
のシールパターン、即ち、側部シール部6、6でヒート
シールすると共に、その傾斜をもって幅が狭められた部
分の両側のヒートシール部の外側が、それぞれその下辺
が該傾斜に沿う横向きのV字状に切り欠き部7、7で切
り欠かれて形成されている。そして、自立袋100の上
部は、その中央の端縁部に、プラスチックの成形体より
なる注出口20が熱接着により接合されると共に、その
両側の端縁部が上部シール部8でヒートシールされて形
成されている。
【0034】尚、両側の側部シール部6、6の形状は、
図では袋の長さ方向の中間部近辺で両側から傾斜を持っ
て窄まった後、そこから上部まで垂直となる形状で示し
たが、両側から傾斜を持って窄まった後は、必ずしも垂
直である必要はなく、再度幅が広くならない限り、両側
が平行な形状、或いは、そこから上部まで両側が内側に
傾斜し、更に上部に向かって幅が狭くなる形状であって
もよい。
【0035】また、注出口20は、この場合、筒部21
を主体として、下部に接着基部22が設けられ、その上
に適宜にフランジ23が設けられ、上部には別体の螺子
式のキャップ24が取り付けられた2ピースタイプの構
成である。注出口20の袋への取り付けは、自立袋10
0の上部の端縁部の両側のフィルムの間に、注出口20
の接着基部22を挿入し、外側から超音波その他の加熱
手段を用いて加熱圧着し、熱接着させて接合することが
できる。注出口20の材質は、袋の積層フィルムのシー
ラント層と熱接着することが必要であり、例えば、ポリ
プロピレン、中密度または高密度などのポリエチレンの
ほか、ポリエステルなどを使用することができる。ま
た、自立袋100への内容物の充填は、キャップ24を
外した状態の注出口20から行うが、内容物の充填後、
キャップ24を閉める前に、注出口20の開口部に積層
フィルム製のシール材を熱接着して密封性を一層向上さ
せることもできる。
【0036】このような構成を採ることにより、自立袋
100は、袋本体が積層フィルムで形成されているの
で、軽量で嵩張らず、内容物の保存性もよく、また、使
用後の廃棄処理も容易である。そして、内容物の充填
は、上部の注出口20から容易に充填することができ、
充填後、キャップ24を閉めて密封することができる。
このような注出口20は、その開閉を随時繰り返し行う
ことができるので、袋の容量が大きく、内容物の使用を
複数回に分割して行うような用途の袋にも好適に使用す
ることができる。
【0037】内容物が充填された自立袋100は、下部
のガセット部5が内側が湾曲線で形成された船底形の底
部シール部2でヒートシールされているので、袋の長さ
方向の中間部近辺から下側が筒状に大きく広がり、底面
の外周には、底面フィルム切り欠き部4、4で両側が接
合されたヒートシール部によるリング状の脚部が形成さ
れるため、優れた自立性が付与され、取り扱いやすく、
且つ、容量の割にコンパクトに包装できるので、物流費
の削減および店頭での陳列スペースの削減が可能とな
る。
【0038】また、自立袋100の全体の形状について
は、袋の両側部が、袋の長さ方向(高さ方向)の中間部
近辺で両側から傾斜をもって窄まった形状に幅が狭めら
れ、そこから上部まで垂直となる側部シール部6、6で
ヒートシールされると共に、その傾斜をもって幅が狭め
られた部分の両側のヒートシール部の外側が、それぞれ
その下辺が該傾斜に沿う横向きのV字状に切り欠き部
7、7で切り欠かれているので、袋の中間部近辺から下
側が、底部と共に内容物の内圧で前後に大きく広げられ
ると同時に、両側の上部方向に向かう応力がこの部分で
開放されるため、袋の中間部からやや上寄りの位置に、
両側の側部シール部から内側に向けて発生していた折れ
シワが少なくなり、また、上部の両側に生じていたカー
ルも抑制され良好な外観となる。
【0039】そして、内容物を他の容器に移し替える際
には、キャップ24を外して注出口20を開封し、自立
袋100の上部と下部を下側から手で支え、袋の上部を
その両側のヒートシール部を上方に折り曲げるようにし
て持ち、狭い幅の上部を両側から中心部に向けて軽く押
すことにより、容易に上部が前後に広げられ注出路が形
成される。そして、その状態で注出口20を容器の口部
に向けて自立袋100を傾けることにより、内容物が注
出口20に向かって流動し、その内圧で袋の上部に形成
された注出路の開口状態が確実に維持される。従って、
内容物の注出口への流動がスムーズに行われ、注出路の
保形性もよく、注出の途中で注出路が閉塞することもな
く、また、袋が比較的大容量であっても上部の幅が狭く
形成されているので持ちやすく、最後まで安全且つ容易
に内容物を移し替えることができる。
【0040】図2は、本発明の自立袋の第2の実施例の
構成を示す正面図である。図2に示した自立袋200
は、前記図1に示した自立袋100の構成において、袋
の両側の側部シール部6、6の上部に、袋の保持用の穴
として全周が打ち抜かれた打ち抜き穴10、10を追加
して設けて構成したものである。上記追加構成以外は、
総て図1に示した自立袋100と同様に形成して構成し
たものである。
【0041】このような構成を採ることにより、前記図
1に示した自立袋100で説明した作用効果に加えて、
両側の側部シール部6、6の上部に、袋の保持用の打ち
抜き穴10、10が設けられているので、袋の持ち運び
が容易になると共に、袋に充填された内容物を他の容器
に移し替える際にも、両側の打ち抜き穴10、10を、
例えば上方に折り曲げて、合わせるようにして、手指を
差し込んで自立袋200の上部を保持できるので、持ち
やすく、且つ、自立袋200の上部に形成される注出路
を開いた状態に固定でき、一層容易に内容物を移し替え
ることができる。
【0042】図3は、本発明の自立袋の第3の実施例の
構成を示す正面図である。図3に示した自立袋300
は、前記図2に示した自立袋200の構成において、両
側の側部シール部6、6の上部に設けた袋の保持用の穴
を、全周が打ち抜かれた打ち抜き穴ではなく、一部に繋
ぎ部を設けた切り目線による穴11、11に変更して設
けると共に、注出口20の下の袋の上部の領域に押し罫
状のエンボス加工部9を、注出口20の下から下方に向
けて両側と中心部に合計3本追加して設けて構成したも
のである。そして、上記変更点以外は、総て前記図2に
示した自立袋200と同様に形成して構成したものであ
る。
【0043】このような構成を採ることにより、袋の保
持用の穴に関しては、切り目線による穴11、11に変
更しても、袋の保持機能自体は変わらないが、自立袋3
00の製造工程において、穴の抜きかすが発生しないの
で混入の恐れがなく品質管理が容易になる。また、実際
の使用段階でも、穴の繋ぎ部を折り曲げて手指を差し込
み、袋を持つことができるので手触りをソフトにできる
利点がある。
【0044】そして、注出口20の下の袋の上部の領域
に押し罫状のエンボス加工部9を設けることにより、こ
の部分の両側のフィルム同士の密着を防止できると同時
に、この部分に形成される注出路の保形性を一層向上さ
せることができる。従って、袋に充填された内容物を注
出する際、注出口20の下に一層容易に注出路が形成さ
れ、また、形成された注出路の保形性が一層向上される
ので、内容物の注出口20への流動が一層スムーズに行
われ、一層容易に内容物を移し替えることができる。上
記の変更点以外は、前記図2に示した自立袋200と同
じ構成であるため、図2に示した自立袋200で説明し
た作用効果と同様な作用効果を得ることができる。
【0045】図4は、本発明の自立袋の第4の実施例の
構成を示す正面図である。図4に示した自立袋400
は、前記図2に示した自立袋200の構成において、袋
の上部の中央部に、前後両側の壁面フィルム1、1′を
延長して狭い幅の突出部を設けると共に、その突出部の
上部の端縁部に注出口20を接合し、また、上部シール
部8のシールパターンを、その突出部の外周を所定幅で
ヒートシールできるシールパターンに変更してヒートシ
ールして構成したものである。そして、上記の変更点以
外は、総て前記図2に示した自立袋200と同様に形成
して構成したものである。
【0046】このような構成を採ることにより、前記図
2に示した自立袋200で説明した作用効果に加えて、
注出口20が自立袋400の上部の中央部に設けられた
狭い幅の突出部の上部に設けられているので、外観が一
層ボトルに似てスマートな形状になるほか、自立袋40
0の製造の際、注出口20の接合を一層容易に行えるよ
うになる。
【0047】
【発明の効果】以上、詳しく説明したように、本発明に
よれば、液状物など流動性を有する内容物を密封包装す
る積層フィルム製の袋であって、内容物の保存性がよ
く、軽量で嵩張らず、使用後の廃棄処理も容易で、且
つ、内容物の充填も容易で、内容物充填後の袋が自立性
を有し、袋の胴部の折れシワや袋の上部に発生するカー
ルも少なく、外観を向上でき、店頭での陳列効果にも優
れ、また、内容物を他の容器に移し替える際には、袋の
容量が1L〜1.5Lのように比較的大きい場合でも、
持ちやすく注出の操作が容易で、且つ、内容物が注出さ
れる注出路が確実に形成され、注出の途中で注出路や注
出口が閉塞することもなく、最後まで安全且つ容易に内
容物を移し替えることのできる自立袋を提供できる効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自立袋の第1の実施例の構成を示す正
面図である。
【図2】本発明の自立袋の第2の実施例の構成を示す正
面図である。
【図3】本発明の自立袋の第3の実施例の構成を示す正
面図である。
【図4】本発明の自立袋の第4の実施例の構成を示す正
面図である。
【符号の説明】
1、1′ 壁面フィルム 2 底部シール部 3 底面フィルム折り返し部 4 底面フィルム切り欠き部 5 ガセット部 6 側部シール部 7 切り欠き部 8 上部シール部 9 エンボス加工部 10 打ち抜き穴 11 切目線による穴 20 注出口 21 筒部 22 接着基部 23 フランジ 24 キャップ 100、200、300、400 自立袋
フロントページの続き Fターム(参考) 3E064 AB13 BA17 BA27 BA28 BA30 BA36 BA39 BA55 BB03 BC01 BC08 BC14 BC18 EA05 EA12 EA18 HJ02 HJ03 HN65 HS04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】袋の下部が、前後2面の壁面フィルムの下
    部の間に、底面フィルムを内側に折り返して挿入し、周
    縁部をヒートシールにより封止してなるガセット部を有
    する形式で形成され、胴部が、前後2面の壁面フィルム
    の両側の端縁部を側部シール部でヒートシールして形成
    される袋において、下部のガセット部が、自立性を付与
    する形状のシールパターンでヒートシールされ、該袋の
    両側部が、袋の長さ方向の中間部近辺で両側から傾斜を
    もって窄まった形状に袋の幅が狭められ、そこから上部
    まで狭い幅となるシールパターンの側部シール部でヒー
    トシールされ、且つ、該傾斜をもって幅が狭められた部
    分の両側のヒートシール部の外側が、それぞれその下辺
    が該傾斜に沿う横向きのV字状に切り欠かれ、更に、該
    袋の上部の端縁部にプラスチックの成形体よりなる注出
    口が接合されていることを特徴とする自立袋。
  2. 【請求項2】前記自立袋の上部の中央部に狭い幅の突出
    部が設けられ、該突出部の上部の端縁部にプラスチック
    の成形体よりなる注出口が接合されていることを特徴と
    する請求項1記載の自立袋。
  3. 【請求項3】前記自立袋の両側の側部シール部の上部の
    うち、少なくとも一方の上部に袋の保持用の穴が設けら
    れていることを特徴とする請求項1または2に記載の自
    立袋。
  4. 【請求項4】前記自立袋の少なくとも上部の領域に、注
    出路の形成を補助するためのエンボス加工が施されてい
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
    自立袋。
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