JP2002154191A - 化粧板の製造方法および化粧板 - Google Patents

化粧板の製造方法および化粧板

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JP2002154191A JP2000351577A JP2000351577A JP2002154191A JP 2002154191 A JP2002154191 A JP 2002154191A JP 2000351577 A JP2000351577 A JP 2000351577A JP 2000351577 A JP2000351577 A JP 2000351577A JP 2002154191 A JP2002154191 A JP 2002154191A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面に鏡面性を有するとともに、防汚性、耐薬
品性、耐候性に優れた化粧板の製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】基材の一方の面に基材の膨張を抑制する膨
張抑制層を形成し、基材の他方の面に強化紙を貼付した
後、この強化紙表面にシーラーによるシーラー処理およ
び目止め塗料による目止め処理を施して目止め層を形成
し、塗装原板を得る原板製造工程と、この工程で得られ
た塗装原板の目止め層表面を研磨し、目止め層上に電子
線硬化型クリヤーを塗布した後、不活性ガス雰囲気下で
電子線照射を行い、電子線硬化型クリヤーを硬化させて
塗膜層を形成する塗膜層形成工程とを有する化粧板の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧板の製造方法
および化粧板に関し、例えば、キッチンカウンター、洗
面キャビネット、床材、内・外装材等に好適に利用でき
る。
【0002】
【背景技術】従来から、キッチンカウンター、洗面キャ
ビネットの収納部分の扉、床材等に使用される基材とし
ては、木材、MDF(中比重ボード)、パーチクルボー
ド、木質合板等が採用され、これらの基材に化粧天板を
貼付したり、化粧シートをラミネートすることで、化粧
板として使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、基材と
化粧材とを貼付して得られる化粧板は、基材と化粧材と
が剥がれ易いという問題がある。また、キッチン、洗面
所用の化粧板については、油、調味料などによる汚れの
付着や、洗剤等の薬品への耐性等に対する対処が必要と
なるが、従来の化粧板では、これらに対する対処は、必
ずしも十分とはいえなかった。
【0004】さらに、化粧板の表裏において温度、湿度
等の環境条件が異なる場合や、水滴が付着した場合等に
反りが発生するという問題もある。また、化粧板表面の
鏡面性を向上するには、トップコートを塗装し、研磨す
るという工程を繰り返し行う必要がある。この場合、化
粧板表面とトップコートとの結合性が弱いため、十分な
耐薬品性、耐汚染性、耐擦傷性が得られないという新た
な問題も生じていた。
【0005】本発明の目的は、表面に鏡面性を有すると
ともに、防汚性、耐薬品性、耐候性に優れた化粧板の製
造方法、および化粧板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】具体的には、本発明に係
る化粧板の製造方法は、基材の一方の面に基材の膨張を
抑制する膨張抑制層を形成し、前記基材の他方の面に強
化紙を貼付した後、この強化紙表面にシーラーによるシ
ーラー処理および目止め塗料による目止め処理を施して
目止め層を形成し、塗装原板を得る原板製造工程と、こ
の原板製造工程で得られた前記塗装原板の目止め層表面
を研磨し、この目止め層上に電子線硬化型クリヤーを塗
布した後、不活性ガス雰囲気下で電子線照射を行い、前
記電子線硬化型クリヤーを硬化させて塗膜層を形成する
塗膜層形成工程と、を有することを特徴とする。
【0007】本発明における基材としては、特に限定は
ないが、膨張抑制層を形成することから、基材の表裏に
おける温度、湿度等の外部環境条件の違いや、基材への
水滴付着等により反りを生じる虞のある材質、例えば、
木材、MDF、パーチクルボード、木質合板、窯業系ボ
ード等を用いることが理想的である。ここで、膨張抑制
層としては、基材の表裏面における温度、湿度等の外部
環境条件の違いにより反りを生じる虞がある基材の場合
には、膨張抑制シートを採用することが好ましい。膨張
抑制シートとしては、例えば、ウレタンコート紙を採用
することができる。
【0008】また、温度等の環境条件の変化により反り
が生ずる虞はないが、水滴の付着による吸水で反りが生
ずる虞がある基材の場合には、防水塗料を塗布すること
で形成した層を採用することが好ましい。ここで、防水
塗料としては、例えば、アクリル樹脂塗料、アクリルウ
レタン樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料等を採用することが
できる。なお、外装用化粧板として、温度等の外部環境
により反りの生じない基材を採用する場合には、塗装に
より膨張抑制層を形成するのが好ましい。
【0009】さらに強化紙としては、隠蔽性を有すると
ともに、基材の色による化粧板の色ムラを防ぐための紙
であれば、特に限定はなく、例えば、チタン紙、含浸
紙、強化紙、中性紙、チタン強化紙等を採用することが
できる。なお、これらの強化紙に予め印刷を施しておく
ことで、化粧板に意匠性を付与することもできる。
【0010】また、シーラーとしては、紙間に含浸して
紙を強化するとともに、強化紙と目止め塗料とを強固に
密着する役割を有するものであれば、任意の材質からな
るシーラーを採用でき、例えば、アクリル樹脂塗料、ア
クリルウレタン樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料等を採用す
ることができる。さらに、目止め塗料としては、表面に
鏡面性を付与するための下地作りの役目をするととも
に、強化紙に対して深みを与える塗料であれば、任意の
塗料を採用することができる。
【0011】本発明における電子線硬化型クリヤーとし
ては、分子中に重合性不飽和結合を有する樹脂を採用す
ることができ、例えば、アクリル系樹脂塗料等を用いる
ことができる。また、不活性ガスとしては、任意のガス
を採用でき、例えば、窒素ガス等を採用することができ
る。
【0012】本発明によれば、塗膜層形成工程により電
子線硬化型クリヤーを硬化させて塗膜層を形成している
から、高密度で硬度が高く、耐擦過性、防汚性、耐薬品
性に優れた鏡面性の高い塗膜層を得ることができ、結果
として化粧板自体にもこれらの特性を付与することがで
きる。また、原板製造工程により、基材の一方の面に膨
張抑制層を形成して塗装原板を得ているから、基材の表
裏における温度、湿度等の環境条件の違いや、水滴の付
着等による反りの発生を防止することができる。さら
に、電子線を用いて塗膜層を形成しているから、非常に
短時間で塗膜層を形成することができ、化粧板の生産性
を向上することができる。
【0013】以上において、原板製造工程と塗膜層形成
工程との間に、さらに塗装原板の目止め層上に絵柄層を
形成する絵柄層形成工程を有することができる。ここ
で、絵柄層とは、転写により模様付け、または色付けし
た層をいう。この際、絵柄層を転写する手法としては、
転写が可能であれば、任意の手法を採用することがで
き、例えば、熱転写法、ロール転写法等を採用すること
ができるが、目止め層上に転写用ベースコートを塗布、
乾燥した後、転写用ベースコート上に転写フィルムを熱
転写する方法を採用することが好ましい。
【0014】ここで、転写用ベースコートとしては、例
えば、電離放射線硬化型樹脂であるアクリル系樹脂等を
採用できる。また、転写フィルムとしては、例えば、イ
ンクとベースフィルムから構成されるものを採用でき
る。インクとしては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタ
ン系樹脂またはフッ素樹脂と、顔料とからなるものを採
用できる。一方、ベースフィルムとしては、例えば、ポ
リエチレンテレフタレートフィルム、ポリオレフィン系
樹脂フィルム、紙等を採用することができる。
【0015】このように絵柄層形成工程を有する方法を
採用しているから、柄を重ねることが可能となり、深み
のある高意匠性を有する化粧板を得ることができる。し
かも、転写用インキに耐候性のあるものを採用すれば、
外装での使用に耐えうる化粧板を得ることもできる。
【0016】本発明に係る化粧板は、上記化粧板の製造
方法により得られたことを特徴とする。本発明によれ
ば、上記製造方法により得られた化粧板であるから、高
密度、高硬度、高鏡面性の塗膜層を有しており、耐擦過
性、防汚性、耐薬品性に優れた化粧板を得ることができ
る。
【0017】また、基材の一方の面に膨張抑制層を有し
ているから、基材の表裏における温度、湿度等の環境条
件の違いや、水滴の付着等による反りの発生を防止する
ことができる。なお、塗膜層に銀系、銅系の無機系抗菌
剤を混入させることで、抗菌性等の機能を付加させるこ
とも可能である。以上に説明した化粧板は、反りを生じ
にくいため、キッチンカウンター、洗面キャビネットの
収納部分の扉等に好適に利用できる。また、表面硬度が
高いため、床材、外装材等の擦過性を要求される化粧板
としても好適に利用できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。 [第1実施形態]図1には、本発明の第1実施形態に係
る化粧板1が示されている。化粧板1は、MDFからな
る基材10と、この基材10の一方の面に積層形成され
た膨張抑制層であるウレタンコート紙製の膨張抑制シー
ト11と、基材10の他方の面に積層形成された強化紙
であるチタン強化紙12と、このチタン強化紙12上に
形成された目止め層13とから構成される塗装原板2の
目止め層13上に、塗膜層14を形成してなるものであ
る。
【0019】ここで、目止め層13は、アクリルウレタ
ン樹脂塗料からなるシーラーによる下地処理と、紫外線
硬化型樹脂からなる目止め処理により形成された層であ
る。また、塗膜層14は、電子線硬化型クリヤーである
アクリル系樹脂塗料から形成された層である。
【0020】以上のように構成された化粧板1は、次の
ような方法で製造される。まず、基材10の一方の面に
膨張抑制シート11を接着剤により貼付する。続いて、
基材10の他方の面にチタン強化紙12を接着剤により
貼付する。貼付したチタン強化紙12の表面にアクリル
ウレタン樹脂塗料からなるシーラーを塗布して下地処理
を行うとともに、目止め塗料である紫外線硬化型樹脂を
塗布した後に、紫外線を照射し、目止め層13を形成す
る。形成した目止め層13の表面をさらに研磨して表面
を平滑にして、塗装原板2を得る(原板製造工程)。
【0021】得られた塗装原板2の目止め層13上に、
電子線硬化型クリヤーであるアクリル系樹脂塗料をカー
テンコーターにより塗布した後、含有酸素濃度が0〜2
0%の窒素ガス雰囲気下で電子線照射を行い、アクリル
樹脂系塗料を硬化させ(塗膜層形成工程)、化粧板1を
得る。なお、照射する電子線の加速電圧は、100〜5
00kV、好ましくは100〜250kVである。50
0kVを超えるとコストが高くなり、実用的ではない。
【0022】上述のような第1実施形態によれば、次の
ような効果が得られる。 (1)塗膜層形成工程により電子線硬化型クリヤーを硬化
させて塗膜層14を形成しているから、高密度で硬度が
高く、耐擦過性、防汚性、耐薬品性に優れた塗膜層13
を得ることができ、結果として化粧板1自体にもこれら
の特性を付与することができる。 (2)原板製造工程により、基材10の一方の面に膨張抑
制シート11を積層形成して塗装原板2を得ているか
ら、基材10の表裏における温度、湿度等の環境条件の
違いや、水滴の付着等による反りの発生を防止すること
ができる。
【0023】(3)電子線を用いて塗膜層14を形成して
いるから、非常に短時間で塗膜層14を形成することが
でき、化粧板1の生産性を向上することができる。 (4)チタン強化紙12にシーラーを含浸させているか
ら、紙間を強化できるとともに、目止め層13との密着
性を向上させることができる。 (5)チタン強化紙12に予め、柄を印刷しておけば、化
粧板1に意匠性を付与することができるとともに、柄の
異なるチタン強化紙12を用いることで、容易に柄の変
更を行うこともできる。
【0024】[第2実施形態]以下の説明においては、
前記第1実施形態と同一構成については、同一符号を付
すとともに、その説明を省略または簡略化する。図2に
は本発明の第2実施形態に係る化粧板3が示されてい
る。化粧板3は、前述の目止め層13と塗膜層14との
間に、さらに、アクリル系樹脂塗料からなる転写用ベー
スコート21と、この転写用ベースコート21上に転写
された転写フィルム22とからなる絵柄層4を備えて構
成されている。
【0025】ここで、転写用ベースコート層21は、ア
クリル系樹脂塗料を塗布、硬化させて形成されたもので
ある。また、転写フィルム22は、ポリエチレンテレフ
タレート製のベースフィルムとインクから構成されるも
のである。
【0026】以上のように構成された化粧板3は、次の
ような方法で製造される。前述の第1実施形態で説明し
た方法により、塗装原板2を得る。得られた塗装原板2
の目止め層13の上に、アクリル系樹脂塗料を塗布、乾
燥させて転写用ベースコート21を形成する。続いて、
転写用ベースコート21の上に、転写フィルム22を熱
転写法により転写して絵柄層4を形成した後(絵柄層形
成工程)、前述の第1実施形態と同様にして塗膜層14
を形成し、化粧板3を得る。
【0027】上述のような第2実施形態によれば、前記
第1実施形態の(1)〜(5)と同様の効果が得られる他、次
のような効果も得られる。 (6)絵柄層形成工程を有する方法を採用しているから、
柄を重ねることが可能となり、深みのある高意匠性を有
する化粧板3を得ることができる。しかも、転写用イン
キに耐候性のあるものを採用すれば、外装での使用に耐
えうる化粧板を得ることもできる。
【0028】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変
形、改良は、本発明に含まれるものである。例えば、前
記各実施形態では、基材10としてMDFからなるもの
を採用していたが、これに限られず、木材、パーチクル
ボード、木質合板、窯業系ボード等を用いることもでき
る。また、膨張抑制層として、ウレタンコート紙製の膨
張抑制シート11を用いていたが、これに限られず、膨
張抑制機能を有する、その他のシートを用いてもよい。
さらに、膨張抑制層は、膨張抑制シート11ではなく、
防水塗料から形成される層であってもよい。
【0029】前記各実施形態では、強化紙としてチタン
強化紙12を用いていたが、これに限られず、隠蔽性を
有するとともに、基材の色による化粧板の色ムラを防ぐ
ための紙であれば任意のものを採用でき、例えば、チタ
ン紙、含浸紙、強化紙、中性紙等を採用することもでき
る。また、目止め層13は、アクリルウレタン樹脂塗料
からなるシーラーによる下地処理と、目止め塗料である
紫外線硬化型樹脂により形成されていたがこれに限られ
ない。すなわち、紙間に含浸して紙を強化するととも
に、強化紙と目止め塗料とを強固に密着するシーラー
と、表面に鏡面性を付与するための下地作りの役目をす
るとともに、強化紙に対して深みを与える塗料から形成
される目止め層であればよい。シーラーとしては、ウレ
タン樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料等も用いることができ
る。
【0030】前記各実施形態では、塗膜層14として、
アクリル系樹脂塗料に電子線を照射して硬化させて形成
される層を用いていたが、これに限られず、その他の電
子線硬化型クリヤーからなる塗膜層を用いてもよい。ま
た、アクリル系樹脂塗料を塗布するに当たり、カーテン
コーターを用いていたが、これに限られず、スプレー
法、ロールコーター法、静電塗装、刷毛による塗装等の
その他の塗布方法を用いることもできる。なお、カーテ
ンコーターを用いると、より良い鏡面性が得られやす
く、スプレー法を用いると、容易に広範囲に塗布するこ
とができ、好ましい。さらに、電子線照射を窒素ガス雰
囲気下で行っていたが、これに限られず、電子線照射時
に塗膜層に影響を与えない任意の不活性ガスを用いるこ
とができる。
【0031】なお、塗膜層につや消し処理を施すことも
可能である。すなわち、電子線硬化型クリヤーを塗布し
た後、不活性ガス中の含有酸素濃度を多段階、例えば、
2段階に変化させて電子線照射を行うことにより、電子
線硬化型クリヤーを硬化させ、艶消し処理を行えばよ
い。この際、電子線硬化型クリヤー中に体質顔料、ビー
ズ等のつや消し剤を混入させておき、つや消し効果を向
上させることもできる。
【0032】前記第2実施形態では、絵柄層4として、
アクリル系樹脂塗料からなる転写用ベースコート21
と、この転写用ベースコート21上に転写された転写フ
ィルム22とからなる層を用いていたが、これに限られ
ず、絵柄を形成できる限りにおいて、任意の層を採用す
ることができる。また、転写用ベースコート21とし
て、アクリル系樹脂塗料を用いていたが、これに限られ
ず、その他の電離放射線硬化型樹脂を用いることもでき
る。一方、転写フィルム22として、ポリエチレンテレ
フタレート製のベースフィルムを用いていたが、これに
限られず、ポリオレフィン系樹脂フィルム、紙等を用い
ることもできる。
【0033】前記第2実施形態では、転写用ベースコー
ト21に転写フィルム22を転写して絵柄層4を形成す
る手法として、熱転写法を用いていたが、これに限られ
ず、ロール転写法等のその他の転写法を用いることもで
きる。その他、本発明を実施する際の具体的な構造およ
び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲内で他の構
造等としてもよい。
【0034】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明する。各実施例において、基材10としては、2
00mm×1000mmのMDFを使用した。
【0035】[実施例1]基材10の一方の面に、膨張
抑制シート11であるウレタンコート紙を架橋型ポリ酢
酸ビニル系エマルジョン接着剤にて貼付し、基材10の
他方の面には、強化紙であるチタン強化紙12を上記接
着剤にて貼付した。さらに、シーラーであるアクリルウ
レタン樹脂塗料による下地処理を施する。続いて、目止
め塗料であるアクリル系樹脂塗料を塗布し、紫外線照射
により硬化させた後、表面を研磨して平滑面として塗装
原板2を得る。
【0036】得られた塗装原板2に、電子線硬化型クリ
ヤーであるアクリル系樹脂塗料80g/m2をカーテン
コーターにより塗布し、その後、含有酸素濃度1%の窒
素ガス雰囲気下、送り速度20m/min、照射エネル
ギー200kVにて電子線を照射し、アクリル系樹脂塗
料を硬化させて塗膜層14を形成させ、化粧板1を得
た。なお、アクリル系樹脂塗料には、予め銀系抗菌剤を
添加させていた。
【0037】[実施例2]実施例1で得られた塗装原板
2に、紫外線硬化型樹脂塗料40g/m2を塗布、硬化
させ、転写用ベースコート21を形成し、さらに、電子
線硬化型樹脂を60wt%含むインクで絵柄を印刷した
転写フィルムを熱転写して、絵柄層4を形成した。形成
した絵柄層4の上に、アクリル樹脂塗料60g/m2
スプレーにて塗布し、実施例1と同条件で電子線を照射
することにより、塗膜層14を形成させて化粧板3を得
た。なお、アクリル系樹脂塗料には、予め銀系抗菌剤を
添加させていた。
【0038】上記各実施例で得られた化粧板1、3につ
いて、常温の水中に24時間浸漬させた後、反りが生じ
たか否かを確認したところ、反りは認められなかった。
また、化粧板1、3について、鉛筆硬度試験、耐擦傷性
試験、耐熱性試験、耐熱水性試験を行い、結果を表1に
示した。
【0039】ここで、鉛筆硬度試験は、JIS K54
00に準拠した方法により測定した。耐擦傷性試験は、
試験片を140℃の恒温層に3時間入れた後、試験片を
取り出して、剥離、膨れ、クラックの有無を目視観察す
ることで行った。耐熱水性試験は、JIS K6902
に準拠した方法により測定した。すなわち、木製断熱板
上に試験片を起き、少量の沸騰水をこぼし、この上に約
500mlの沸騰水を入れた平底アルミニウム容器を2
0分間放置した後、目視にて欠点の有無を確認すること
で行った。
【0040】また、家庭常用の調味料、嗜好品、事務用
品等を用いて耐汚染性について、JIS K6902に
準拠した方法により試験を行った。具体的には、各試液
は、適量を試験片に滴下し、時計皿で覆って24時間放
置後、石鹸水で洗った後、乾布にて清掃し、目視観察し
た。その試験結果を表2に示した。なお、評価基準は以
下の通りである。 ◎:ほとんど変化なし、○:わずかに着色、しみが見ら
れる、△:明らかに着色、シミが残る、×:著しく着色
するか、シミが濃い
【0041】さらに、耐薬品性について、JIS A5
703に準拠した方法により試験を行った。具体的に
は、試薬0.2mlを試験への表面に滴下し、時計皿で
覆い、室温で24時間放置後、乾布で清掃して表面の状
況を目視観察した。その結果を表3に示した。なお、評
価基準は表2と同様である。
【0042】また、抗菌性能について評価した結果を表
4、5に示した。なお、表4では、大腸菌について、表
5では黄色ブドウ球菌について評価した結果を示してい
る。また、対照としては、ポリエチレンフィルムを使用
した。抗菌性の試験法は、以下の通りである。
【0043】シャーレ中に被覆フィルムを置き、その上
に、40×40mmに切った試験片を乗せ、この上から
接種用菌液0.4mlを数カ所に分けて滴下した後、温
度35±1℃、相対湿度90%以上の条件下で保存し
た。24時間後にSCDLP培地を10ml加えて洗い
出した後、1ml取り出し、標準寒天培地を用いて、混
釈平板培養法により生残菌数を測定し、試験片1枚当た
りの生残菌数に換算した。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】表1に示されるように、各実施例で得られ
た化粧板は、塗膜層が電子線硬化型クリヤーからなる層
であるとともに、膨張抑制性を有しているから、鉛筆硬
度試験で7Hという高い結果が得られているとともに、
耐擦傷性、耐熱性、耐熱水性にも優れていることがわか
る。また、表2、3に示されるように、耐汚損性、耐薬
品性にも非常に優れていることがわかる。さらに、表
4、5に示されるように、塗膜層に抗菌剤を添加するこ
とで高い抗菌性をも付与できることがわかる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、塗膜層形成工程により
電子線硬化型クリヤーを硬化させて塗膜層を形成してい
るから、高密度で硬度が高く、耐擦過性、防汚性、耐薬
品性に優れた鏡面性の高い塗膜層を得ることができ、結
果として化粧板自体にもこれらの特性を付与することが
できる。また、原板製造工程により、基材の一方の面に
膨張抑制層を形成して塗装原板を得ているから、基材の
表裏における温度、湿度等の環境条件の違いや、水滴の
付着等による反りの発生を防止することができる。さら
に、電子線を用いて塗膜層を形成しているから、非常に
短時間で塗膜層を形成することができ、化粧板の生産性
を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る化粧板を示す部分
断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る化粧板を示す部分
断面図である。
【符号の説明】
1、3 化粧板 2 塗装原板 4 絵柄層 10 基材 11 膨張抑制シート(膨張抑制層) 12 チタン強化紙(強化紙) 13 目止め層 14 塗膜層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B002 AA03 AA16 BB05 BB12 BB15 DA01 DA02 DA04 4D075 AC43 BB02X BB47Z BB52Z DA06 DB22 DC02 EA43 4F100 AK01D AK22G AK25C AK51A AP00B AP02B AP03B AR00A AT00B BA05 BA07 BA10A BA10D CB00 CC00A DG10A DG10C EC042 EH462 EJ262 EJ64C GB08 GB81 HB00E JA02A JB01 JB14D JD05A JK12 JK15 JL04 JL06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の一方の面に基材の膨張を抑制する膨
    張抑制層を形成し、前記基材の他方の面に強化紙を貼付
    した後、この強化紙表面にシーラーによるシーラー処理
    および目止め塗料による目止め処理を施して目止め層を
    形成し、塗装原板を得る原板製造工程と、 この原板製造工程で得られた前記塗装原板の目止め層表
    面を研磨し、この目止め層上に電子線硬化型クリヤーを
    塗布した後、不活性ガス雰囲気下で電子線照射を行い、
    前記電子線硬化型クリヤーを硬化させて塗膜層を形成す
    る塗膜層形成工程と、を有することを特徴とする化粧板
    の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の化粧板の製造方法におい
    て、 前記原板製造工程と塗膜層形成工程との間に、さらに絵
    柄層を形成する絵柄層形成工程を有することを特徴とす
    る化粧板の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の化粧板の製造方法におい
    て、 前記絵柄層は、前記目止め層上に転写用ベースコートを
    塗布、乾燥した後、この転写用ベースコート上に転写フ
    ィルムを熱転写して形成されることを特徴とする化粧板
    の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1から請求項3のいずれかに記載の
    化粧板の製造方法において、 前記膨張抑制層は、膨張抑制シートから形成されること
    を特徴とする化粧板の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1から請求項3のいずれかに記載の
    化粧板の製造方法において、 前記膨張抑制層は、防水塗料から形成されることを特徴
    とする化粧板の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1から請求項5のいずれかに記載の
    化粧板の製造方法により得られたことを特徴とする化粧
    板。
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