JP2002150511A - スピンバルブ磁気抵抗素子及びこれを用いる磁気ヘッド - Google Patents

スピンバルブ磁気抵抗素子及びこれを用いる磁気ヘッド

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JP2002150511A
JP2002150511A JP2000338059A JP2000338059A JP2002150511A JP 2002150511 A JP2002150511 A JP 2002150511A JP 2000338059 A JP2000338059 A JP 2000338059A JP 2000338059 A JP2000338059 A JP 2000338059A JP 2002150511 A JP2002150511 A JP 2002150511A
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Naoki Mukoyama
直樹 向山
Kenji Noma
賢二 野間
Hon Jongiru
ホン ジョンギル
Jiyunichi Kane
淳一 兼
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Fujitsu Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
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    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
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    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/33Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only
    • G11B5/39Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects
    • G11B5/3903Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects using magnetic thin film layers or their effects, the films being part of integrated structures

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定磁性層から自由磁性層への交換結合磁界
の影響を抑制して、磁気ヘッドの出力及び再生信号の対
称性を向上させ、高感度化したデュアル型スピンバルブ
磁気抵抗効果素子を提供する。 【解決手段】 自由磁性層と、前記自由磁性層の上面側
に該自由磁性層側から第1非磁性金属層、第1固定磁性
層及び第1反強磁性層を積層した第1積層体と、前記自
由磁性層の下面側に該自由磁性層側から第2非磁性金属
層、第2固定磁性層及び第2反強磁性層を積層した第2
積層体とを含む、スピンバルブ磁気抵抗効果素子であっ
て、前記第1固定磁性層と前記自由磁性層との交換結合
磁界の向きと、前記第2固定磁性層と前記自由磁性層と
の交換結合磁界の向きとが、反平行となるように形成さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク等の
磁気記録媒体に記録された磁気情報を再生する際に用い
る磁気抵抗効果素子及びこれを用いる磁気ヘッド並びに
磁気記録再生装置に関する。近年、コンピュータの外部
記録装置である磁気ディスク装置の大容量化に伴い、よ
り高感度な磁気ヘッドが要求されている。
【0002】
【従来の技術】上記要求を満足するものとして、磁気記
録媒体の速度に依存せずに高出力が得られるスピンバル
ブ磁気抵抗効果素子(SVMR素子)を用いる磁気ヘッ
ドがある。さらに、その磁気抵抗効果を増幅させる方法
として自由磁性層の両側に各々反強磁性層により磁化方
向が固定された第1及び第2の固定磁性層を形成した、
いわゆるデュアル型SVMR素子がある。このデュアル
型SVMR素子はシングルタイプのSVMR素子を2つ
組合せた構造であり、磁気抵抗変化を増幅させることが
でき、より高感度な再生磁気ヘッドを形成できる。
【0003】図1に、従来のデュアル型SVMR素子1
00の積層構成例を示す。このデュアル型SVMR素子
100は、自由磁性層104を中心としてその両側(図
1において上下方向)に、非磁性金属層103、105
を介して、固定磁性層102、106、されには固定磁
性層102、106の磁化方向を各々固定する反強磁性
層101、107を有する。すなわち、デュアル型SV
MR素子100は自由磁性層104を共有する形態で、
自由磁性層104の上側に非磁性金属層103、固定磁
性層102及び反強磁性層101からなる第1積層体
と、自由磁性層104の下側に非磁性金属層105、固
定磁性層106及び反強磁性層107からなる第2積層
体とが組合された構成である。
【0004】さらに、図2は、デュアル型SVMR素子
を積層フェリ型の固定磁性層202、206を用いて構
成した場合のデュアル型SVMR素子200の積層構成
例を示している。この固定磁性層202、206の積層
フェリ構造はRu等の反平行結合層204、208を介
して上下の磁性層203と205、磁性層207と20
9を反強磁性的に結合させた構成である。なお、図2に
おいては、図1と同様の機能を果たす層には同一の符号
を付している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、SVMR素
子は自由磁性層と固定磁性層との間に強磁性的結合に基
づく交換結合磁界が作用する状態となっている。この交
換結合磁界は自由磁性層の磁化方向を固定磁性層の磁化
と同一の向き(平行状態)とするように作用する。磁気
ディスクからの記録磁界を再生するには、自由磁性層の
磁化方向と固定磁性層の磁化方向とが略90度となるよ
うに維持することが好ましいことを考慮すると、上記交
換結合磁界はできるだけ抑制する必要がある。
【0006】ところが、SVMR素子においては固定磁
性層を所定の方向に固定することが必要であり、この固
定磁性層から自由磁性層へ作用することになる強磁性的
結合を抑制することは困難である。自由磁性層の磁化方
向が固定磁性層の磁化方向側に傾けられたSVMR素子
を用いる磁気ヘッドでは、ヘッドの再生出力の低下、ヘ
ッドバイアスの悪化(非対称性の増加)を誘発すること
になる。
【0007】また、単層の固定磁性層の場合と比較して
積層フェリ構造を有する固定磁性層は、自由磁性層への
交換結合磁界が軽減される。しかし、固定磁性層から自
由磁性層側への交換結合磁界が生じないように製造する
ことは実用上困難である。
【0008】図3はスピンバルブ磁気抵抗効果素子に関
して、固定磁性層と自由磁性層との間の交換結合磁界に
よる影響を説明する図である。図3において、横軸は交
換結合磁界Hin(Oe)であり、左側の縦軸には磁気
ヘッドとした場合のヘッド出力(μV/μm)、右側の
縦軸には磁気ヘッドとした場合の再生信号波形の非対称
性(アシンメトリ)を示す。図3から明らかなように、
交換結合磁界Hinが大きくなると、ヘッド出力が低下
すると共に再生信号波形の対称性も失われる。交換結合
磁界Hinが大きくなるとヘッド出力低下の傾向が見ら
れ、交換結合磁界Hinの絶対値が15Oe以上では1
0%以上のヘッド出力の低下が生じてしまう。よって、
自由磁性層と固定磁性層の間に作用する交換結合磁界H
inが、例えば−15Oe〜15Oeの範囲内に抑制で
きるSVMR素子が望ましいとされている。
【0009】しかしながら、図1及び図2に示した従来
のデュアル型スピンバルブヘッドでは、SVMR素子を
高感度化するために自由磁性層の両側に、2つの固定磁
性層が並設された形態となる。そのために、自由磁性層
へ作用する交換結合磁界Hinがシングルタイプの場合
と比較して交換結合磁界H1−in、H2−inの2つ
が存在して2倍近くになり、ヘッド出力低下並びに再生
信号の対称性の悪化が顕著となるという問題がある。
【0010】したがって、本発明の主な目的は、固定磁
性層から自由磁性層への交換結合磁界の影響を抑制し
て、磁気ヘッドの出力及び再生信号の対称性を向上さ
せ、高感度化したデュアル型スピンバルブ磁気抵抗効果
素子を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は請求項1に記
載の如く、自由磁性層と、前記自由磁性層の上面側に該
自由磁性層側から第1非磁性金属層、第1固定磁性層及
び第1反強磁性層を積層した第1積層体と、前記自由磁
性層の下面側に該自由磁性層側から第2非磁性金属層、
第2固定磁性層及び第2反強磁性層を積層した第2積層
体とを含む、スピンバルブ磁気抵抗効果素子であって、
前記第1固定磁性層と前記自由磁性層との交換結合磁界
の向きと、前記第2固定磁性層と前記自由磁性層との交
換結合磁界の向きとが、反平行となるように形成された
スピンバルブ磁気抵抗効果素子により達成される。
【0012】請求項1記載の発明によれば、第1固定磁
性層と自由磁性層との交換結合磁界の向きと、第2固定
磁性層と自由磁性層との交換結合磁界の向きとが、反平
行となる。交換結合磁界が互いに打消し合う状態を形成
するので、自由磁性層に実質的に作用する交換結合磁界
を抑制できる。よって、磁気ヘッドの出力及び再生信号
の対称性を向上させ、高感度化させるデュアル型スピン
バルブ磁気抵抗効果素子を提供できる。
【0013】また、請求項2に記載の如く、請求項1記
載のスピンバルブ磁気抵抗効果素子において、前記第1
固定磁性層及び前記第2固定磁性層の少なくとも一方
が、積層フェリ構造を有する構成としてもよい。
【0014】請求項2記載の発明によれば、積層フェリ
構造を有する固定磁性層を含むデュアル型スピンバルブ
磁気抵抗効果素子を提供できる。第1又は第2固定磁性
層の一方が積層フェリ構造を有する構成でもよい。
【0015】また、請求項3に記載の如く、請求項1又
は2記載のスピンバルブ磁気抵抗効果素子において、前
記第1非磁性金属層は銅元素を含む金属酸化層として構
成することができる。
【0016】請求項3記載の発明によれば、第1積層体
に含まれる第1非磁性金属層を銅元素を含む金属酸化層
で形成することで、自由磁性層を間にして反対側にある
第2積層体に含まれる第2固定磁性層から自由磁性層へ
作用することになる強磁性結合的な交換結合磁界を反強
磁性的な交換結合磁界として作用させることができる。
【0017】上記第1非磁性金属層は第1積層体側のス
ピンバルブ膜構造のスペーサであり、従来のデュアル型
スピンバルブ磁気抵抗効果素子と同様な層構成で高感度
化を図ることができる。
【0018】また、前記スピンバルブ磁気抵抗効果素子
において、前記自由磁性層の上面には、該自由磁性層を
構成する材料を酸化処理した酸化層が形成され該酸化層
上に前記金属酸化層が形成された構成を採用してもよ
い。
【0019】この場合には、自由磁性層へ作用すること
になる強磁性結合的な交換結合磁界を反強磁性的な交換
結合磁界として作用させることができる。上記酸化層は
自由磁性層の一部を酸化処理することにより形成しても
よい。また、自由磁性層の上に第1非磁性金属層として
の金属層を形成し、該金属層を酸化処理する際に合わせ
て自由磁性層の上面側の一部を酸化するようにしてもよ
い。
【0020】また、前記スピンバルブ磁気抵抗効果素子
において、前記自由磁性層へ供給される磁界は、前記第
1非磁性金属層を介した前記第1固定磁性層と該自由磁
性層との強磁性的結合に基づく交換結合磁界と、前記第
2非磁性金属層を介した前記第2固定磁性層と該自由磁
性層との反強磁性的結合に基づく交換結合磁界との差で
あり、該差は−15Oe〜15Oeとなるように設計す
ることが好ましい。
【0021】この場合には、自由磁性層へ供給される磁
界は−15Oe〜15Oeとなるので、高感度なデュア
ル型SVMR素子とすることができる。
【0022】また、請求項4に記載の如く、銅元素を含
む金属酸化層と、前記金属酸化層の上面側に該金属酸化
層側から第1自由磁性層、第1非磁性金属層、第1固定
磁性層及び第1反強磁性層を積層した第1積層体と、前
記金属酸化層の下面側に該金属酸化層側から第2自由磁
性層、第2非磁性金属層、第2固定磁性層及び第2反強
磁性層を積層した第2積層体とを含み、前記第1固定磁
性層と前記第1自由磁性層との交換結合磁界の向きと、
前記第2固定磁性層と前記第2自由磁性層との交換結合
磁界の向きとが、反平行となるように形成されたスピン
バルブ磁気抵抗効果素子によっても上記目的を達成する
ことができる。
【0023】請求項4記載の発明によれば、第1固定磁
性層と第1自由磁性層との交換結合磁界の向きと、第2
固定磁性層と第2自由磁性層との交換結合磁界の向きと
が、反平行となるように形成されている。交換結合磁界
が互いに打消し合う状態を形成するので、自由磁性層に
実質的に作用する交換結合磁界を抑制できる。よって、
磁気ヘッドの出力及び再生信号の対称性を向上させ、高
感度化させるデュアル型スピンバルブ磁気抵抗効果素子
を提供できる。
【0024】また、前記スピンバルブ磁気抵抗効果素子
において、前記第1及び第2自由磁性層の前記金属酸化
層と接する少なくとも一方側に、該第1又は第2自由磁
性層を構成する材料を酸化処理した酸化層がさらに形成
されている構成としてもよい。
【0025】この場合には、自由磁性層へ作用すること
になる強磁性結合的な交換結合磁界を反強磁性的な交換
結合磁界として作用させることができる。
【0026】上記酸化層は第1自由磁性層と金属酸化層
との間、或いは第2自由磁性層と金属酸化層との間、ど
ちらか一方に設けていもよいし、両方に設けてもよい。
この間に設ける酸化層は各自由磁性層を構成する材料を
酸化処理したものである。第1及び第2自由磁性層は同
一の磁性材料を用いてもよい。上記酸化層は各自由磁性
層の一部を酸化処理することにより形成してもよい。
【0027】また、前記スピンバルブ磁気抵抗効果素子
において、前記第1非磁性金属層を介した前記第1固定
磁性層と第1自由磁性層との強磁性的結合に基づく交換
結合磁界と、前記第2非磁性金属層を介した前記第2固
定磁性層と前記第2自由磁性層との反強磁性的結合に基
づく交換結合磁界との差として生じる磁界は、−15O
e〜15Oeとなるように設計することが好ましい。
【0028】この場合には、自由磁性層へ供給される磁
界は−15Oe〜15Oeとなるので、高感度なデュア
ル型SVMR素子とすることができる。
【0029】また、請求項5に記載の如く、請求項1か
ら4いずれかに記載のスピンバルブ磁気抵抗効果素子に
電極が接続され、磁気記録媒体からの記録磁界を再生す
る磁気ヘッドとして構成することができる。
【0030】請求項5記載の発明によれば、磁気記録媒
体からの磁気情報を高感度に再生する磁気ヘッドを提供
できる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施例を説明する。
【0032】本発明のデュアル型SVMR素子では、自
由磁性層と、その両側に非磁性層を介して配設される第
1及び第2固定磁性層との間で生じる磁界が、強磁性的
結合に基づく交換結合磁界と反強磁性的結合に基づく交
換結合磁界となるように構成する。このように構成する
ことで、固定磁性層から自由磁性層へ作用する2つの交
換結合磁界の磁化の向きを互いに逆(反平行)とするこ
とができ磁化が打消し合う状態を形成できる。よって、
その差分が自由磁性層に作用する実質的な磁界となり、
これが従来の交換結合磁界Hinに相当する。従って、
交換結合磁界Hinをゼロ近傍に制御することができ、
磁気ヘッドに構成したときの出力の向上と、再生信号波
形の対称性(シンメトリ)も向上する。
【0033】図4は第1実施例のデュアル型SVMR素
子10の層構成を示す図である。基本的な層構成は、図
1に示したデュアル型SVMR素子100と同様であ
る。
【0034】すなわち、デュアル型SVMR素子10
は、自由磁性層14の上側に第1非磁性金属層13、第
1固定磁性層12、この第1固定磁性層12の磁化方向
を固定する第1反強磁性層11とからなる第1積層体と
してのスピンバルブ層構造と、自由磁性層14の下側に
第2非磁性金属層15、第2固定磁性層16、この第2
固定磁性層16の磁化方向を固定する第2反強磁性層1
7とからなる第2積層体としてのスピンバルブ層構造と
が、自由磁性層14を共有する状態で構成される。
【0035】そして、本デュアル型SVMR素子10で
は、第2固定磁性層16から自由磁性層14への交換結
合磁界Hantは、第2固定磁性層16の磁化方向Xと
反平行となる反強磁性的結合状態で供給されるように構
成される。なお、このような状態を形成するための構成
については後述する。
【0036】一方、第1固定磁性層12から自由磁性層
14への交換結合磁界Hinは、従来と同様で、第1固
定磁性層12の磁化方向Xと平行となる強磁性的結合状
態で供給される。よって、自由磁性層14に対して実質
的に作用する交換結合磁界は、交換結合磁界Hantと
交換結合磁界Hinとが互いに打消しあった後に残る差
分となる。よって、従来のデュアルSVMR素子の場合
よりも軽減された交換結合磁界が自由磁性層14に作用
するようになることは容易に理解できる。そして、交換
結合磁界Hinと交換結合磁界Hantとが近似すれ
ば、自由磁性層14に作用する磁界をゼロが近付くこと
になる。
【0037】すなわち、従来においては自由磁性層と固
定磁性層の間に作用する交換結合磁界Hinが、−15
Oe〜15Oeの範囲内とするように抑制することが困
難であったが、本実施例のデュアルSVMR素子10で
は2つ交換結合磁界を打消すように作用させるので、自
由磁性層に作用する磁界を確実に−15Oe〜15Oe
の範囲内とすることができ、さらにはゼロ近傍に制御す
ることも可能となる。よって、磁気ヘッドに構成したと
きには出力の向上と、再生信号波形の対称性(シンメト
リ)も向上させることができる。
【0038】上記のような機能を有する図4に示した第
1実施例のデュアル型SVMR素子10について、各層
の詳細構成を説明する。なお、デュアル型SVMR素子
10は、自由磁性層14を中央位置にして上下に略対称
的な構成であるので、上下を共に説明する。
【0039】第1反強磁性層11及び第2反強磁性層1
7は、例えばPd−Pt−Mn合金等の反強磁性材料か
らなる。層厚は150Å程度とされている。これら第1
反強磁性層11及び第2反強磁性層17は、下側又は上
側で接する第1固定磁性層12或いは第2固定磁性層1
6の磁化方向を所定方向(図4では矢印X方向)に固定
するように交換バイアス磁界を供給する。
【0040】第1固定磁性層12或いは第2固定磁性層
16は、Co−Fe−B合金等の磁性材料からなる。そ
の層厚は25〜50Å程度である。これら第1固定磁性
層12及び第2固定磁性層16の各々は、第1非磁性金
属層13と第2非磁性金属層15を介して自由磁性層1
4と交換結合磁界を生じさせている。
【0041】ただし、前述したように第1固定磁性層1
2から自由磁性層14への磁界は従来と同様に強磁性結
合的な交換結合磁界Hinであるのに対し、第2固定磁
性層16から自由磁性層14への磁界は従来とは異なり
反強磁性結合的な交換結合磁界Hantである。
【0042】第1非磁性金属層13及び第2非磁性金属
層15はCu等の非磁性金属材料であり、20Å〜30
Å程度の層厚に形成されスピンバルブ層構造内のスペー
サであり巨大磁気抵抗効果を励起する。
【0043】また、第1非磁性金属層13は、第2固定
磁性層16から自由磁性層14への磁界が従来とは異な
り反強磁性結合的となるように磁化方向を制御する。例
えば、第1非磁性金属層13をCuを含む銅酸化層(C
1−X、(0<X<1))を12Å〜18Å、好
ましくは15Å程度に形成することで上記機能を有する
ようになる。さらに、第2非磁性金属層15を22〜3
0Åの層厚を有するCu層で形成すると、より確実に第
2固定磁性層16から自由磁性層14へ作用する強磁性
的な交換結合磁界の磁化方向を反転させて反強磁性的な
交換結合磁界とすることができる。
【0044】また、銅酸化層となる第1非磁性金属層1
3と自由磁性層14との間に、自由磁性層14を構成す
る材料が酸化された酸化層14Aが介在する層構成であ
っても、同様に第2固定磁性層16から自由磁性層14
へ作用する強磁性的な交換結合磁界の磁化方向を反転さ
せて反強磁性的な交換結合磁界とすることができる。
【0045】前記自由磁性層14は、例えばCo−Fe
−B合金等の磁性材料からなり、15Å程度に形成され
る。ここで前述した第1非磁性金属層13及び第2非磁
性金属層15を有するので、この自由磁性層14へ供給
される磁界は、第1固定磁性層12からの強磁性結合的
な交換結合磁界と、第2固定磁性層16からの反強磁性
結合的な交換結合磁界との差分となる。よって、従来の
デュアル型SVMR素子の場合よりは勿論のこと従来の
シングル型SVMR素子の場合と比較しても、自由磁性
層14側に作用する交換結合磁界を抑制することができ
る。
【0046】すなわち、前述したように一般に、自由磁
性層と固定磁性層との間の交換結合磁界は−15Oe〜
15Oeを目標に設定されているが、本実施例の場合、
第1固定磁性層12からの交換結合磁界の磁化方向と、
第2固定磁性層16からの交換結合磁界の磁化方向とが
逆の向きとなるので、磁界の打消しが起こる。よって、
少なくとも従来のシングル型の場合と同様に交換結合磁
界は−15Oe〜15Oeとなり、第1固定磁性層12
からの交換結合磁界と第2固定磁性層16からの交換結
合磁界とが近似するような設定であれば、自由磁性層1
4に作用する磁界を略ゼロとすることも可能となるので
ある。
【0047】なお、上記第1実施例では第2固定磁性層
16と自由磁性層14との交換結合磁界側を反強磁性的
な磁界に制御する例を示したが、勿論第1固定磁性層1
2と自由磁性層14との交換結合磁界側を反強磁性的な
磁界とするように制御してもよい。
【0048】図5は、第2実施例のデュアル型SVMR
素子20の層構成を示す図である。本第2実施例のSV
MR素子20は、第1固定磁性層22と第2固定磁性層
26が積層フェリ構造とされている。基本的な層構成
は、図2に示したデュアル型SVMR素子200と同様
である。
【0049】図5で、この第1固定磁性層22の積層フ
ェリ構造はRu等の反平行結合層24を介して上磁性層
23と下磁性層25とを反強磁性的結合させた構成であ
り、第2固定磁性層26の積層フェリ構造もRu等の反
平行結合層28を介して上磁性層27と下磁性層29と
を反強磁性的結合させた構成である。
【0050】単層の固定磁性層を用いる図1のデュアル
型SVMR素子10の場合と比較して、図5に示す積層
フェリ構造を有する固定磁性層は自由磁性層への交換結
合磁界が軽減されている。しかし、デュアル型であるの
でシングル型の場合よりも交換結合磁界は大きくなる。
よって、本第2実施例では固定磁性層が積層フェリ構造
を有する場合の実施例を示す。
【0051】図5においては、図4の第1固定磁性層1
2と第2固定磁性層16が、積層フェリ構造を有する第
1固定磁性層32と第2固定磁性層36に相当する。そ
の他の層構造は図4と同様であるので、図4と同一の部
位は同一の符号を用いて示し、重複する説明は省略す
る。
【0052】第1固定磁性層22において、第1の磁性
層23と第2の磁性層25とは例えばCo−Fe−B合
金からなり、第1の磁性層23が25Å、第2の磁性層
25が15Å程度の層厚に形成される。この第1の磁性
層23と第2の磁性層25との間には前後に接した磁性
層の磁化方向を反平行状態に結合する反平行結合層24
が形成される。この反平行結合層24は例えばRuが用
いられ、層厚は7.5Å程度である。同様に、第2固定
磁性層26においても、第1の磁性層27と第2の磁性
層29とで形成される。この第1の磁性層27と第2の
磁性層29との間にも反平行結合層28が形成される。
【0053】図5の場合も図4の場合と同様に、自由磁
性層14上に直接或いは自由磁性層14を構成する材料
を酸化処理した酸化層(図示せず)を介してスペーサを
兼ねる所定厚の銅酸化層13(第1非磁性金属層)が形
成されると共に、所定厚を有するCuで形成した第2非
磁性金属層15が形成されている。
【0054】本第2実施例のSVMR素子20の場合、
自由磁性層14に対して実質的に作用する磁界は、第1
積層フェリ型固定磁性層22に含まれる下磁性層25か
らの交換結合磁界Hantと、第2積層フェリ型固定磁
性層26に含まれる上磁性層27からの交換結合磁界H
inとが互いに打消し合い、その差分となる。よって、
従来のフェリ型固定磁性層を用いるデュアルSVMR素
子の場合よりも、更に軽減された磁界が自由磁性層14
に作用する。
【0055】なお、本第2実施例では自由磁性層14上
側の第1積層体に含まれる固定磁性層22及び下側の第
2積層体に含まれる固定磁性層26の両方を積層フェリ
構造とした例を示したが、固定磁性層22、26のいず
れか一方が積層フェリ構造を有した構成でも同様の効果
を奏する。
【0056】図6は、第3実施例のデュアル型SVMR
素子30の層構成を示す図である。第3実施例のデュア
ル型SVMR素子30は銅酸化層31を中心として、上
方向と下方向に略対称な積層構成を有する。SVMR素
子30は、図4に示した第1実施例のデュアル型SVM
R素子10とは異なり、銅酸化層41を間にして第1自
由磁性層14−1と第2自由磁性層14−2が形成され
る。また、第1実施例では非磁性金属層13は銅酸化層
であったが、本第3実施例の場合はスピンバルブ層構造
の通常のスペーサ用Cu層となる。なお、図4に示した
第1実施例のSVMR素子10と同様となる部位につい
ては、本実施例でも同一符号を用いることで重複した説
明は省略する。
【0057】図6において、上側の第1積層体に含まれ
る非磁性金属層13のCu層は20Åの層厚を有する。
一方、下側の第2積層体に含まれる非磁性金属層15の
Cu層は22〜30Å程度の層厚を有する。そして、銅
酸化層31は12Å〜18Å、より好ましくは約15Å
の層厚に設定される。このように構成すると、下側の第
2固定磁性層16から第2自由磁性層14−2に作用す
る交換結合磁界を反強磁性的なものとすることができ、
一方で上側の第1固定磁性層12から第1自由磁性層1
4−1に作用する交換結合磁界を強磁性的なものとする
ことができる。しかも、第1自由磁性層14−1と第2
自由磁性層14−2との間の銅酸化層41は15Å前後
と薄いので、この2つの第1自由磁性層14−1と第2
自由磁性層14−2とで平行状態となるような交換結合
磁界が生じる。
【0058】本第3実施例の場合、第1自由磁性層14
−1へは第1固定磁性層12からの強磁性的な交換結合
磁界が供給され、第2自由磁性層14−2へは第2固定
磁性層12からの反強磁性的な交換結合磁界が供給され
る。そして、第1自由磁性層14−1と第2自由磁性層
14−2とは互い平行状態となるように交換結合磁界を
生じさせる。
【0059】よって、第1自由磁性層14−1と第2自
由磁性層14−2とを1つの自由磁性層14とみなす
と、前述した第1実施例及び第2実施例の場合と同様
に、自由磁性層14に対して作用する磁界は、第1固定
磁性層12からの交換結合磁界Hinと、逆見向きに作
用する第2固定磁性層16からの交換結合磁界Hant
とが互いに打消し合った差分となる。よって、本実施の
デュアルSVMR素子も従来物と比較して十分に軽減さ
れた交換結合磁界が自由磁性層14(14−1と14−
2)に作用する。したがって、自由磁性層14に作用す
る実質的な磁界をゼロに近くなるように制御することが
できるので、磁気ヘッドに構成したときの出力の向上
と、再生信号波形の対称性(シンメトリ)も向上させる
ことができる。
【0060】図7は上記第1から第3実施例に示したS
VMR素子10、20、30いずれかを磁気ヘッド50
に構成した場合の概要構成を示す図である。以下の説明
ではSVMR素子10を用いたものとする。
【0061】図7において、非磁性の基板51、この基
板51上に形成された下部シールド層52、この下部シ
ールド層52上に形成された下部絶縁層53、この下部
絶縁層53上に形成されたSVMR素子10、このSV
MR素子10を両側から挟むように形成された左右一対
の磁区制御層54、この左右一対の磁区制御層54の上
に形成された左右一対の電極55、この左右一対の電極
55及びSVMR素子10の上に形成された上部絶縁層
56、およびこの上部絶縁層56上に形成された上部シ
ールド層57を有する。磁気ヘッド50が記録ヘッドも
有する場合には、上部シールド層57上に記録ヘッドが
形成される。
【0062】上記SVMR素子10を含む磁気ヘッド5
0は、従来の薄膜形成技術、例えばスパッタリング法等
を用いて各層を順次積層することで形成できる。
【0063】さらに、前記磁気ヘッド50を搭載した磁
気記録再生装置70について簡単に説明する。図8は磁
気記録再生装置70の要部を示す図である。磁気記録再
生装置70には磁気記録媒体としてのハードディスク7
1が搭載され、回転駆動されるようになっている。この
ハードディスク71の表面に対向して所定の浮上量で、
SVMR素子10により磁気再生動作が行われる。な
お、磁気ヘッド50はアーム72の先端にあるスライダ
73の前端部に固定されている。磁気ヘッド50の位置
決めは、通常のアクチュエータと電磁式微動微動アクチ
ュエータを組合せた2段式アクチュエータを採用でき
る。磁気ヘッド50に記録ヘッドを併設して記録及び再
生が可能な磁気ヘッドとすることも勿論可能である。
【0064】以上本発明の好ましい実施例について詳述
したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるもの
ではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の
範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0065】なお、以上の説明に関して更に以下の付記
を開示する。
【0066】(付記1) 自由磁性層と、前記自由磁性
層の上面側に該自由磁性層側から第1非磁性金属層、第
1固定磁性層及び第1反強磁性層を積層した第1積層体
と、前記自由磁性層の下面側に該自由磁性層側から第2
非磁性金属層、第2固定磁性層及び第2反強磁性層を積
層した第2積層体とを含む、スピンバルブ磁気抵抗効果
素子であって、前記第1固定磁性層と前記自由磁性層と
の交換結合磁界の向きと、前記第2固定磁性層と前記自
由磁性層との交換結合磁界の向きとが、反平行となるよ
うに形成されたスピンバルブ磁気抵抗効果素子。
【0067】(付記2) 付記1記載のスピンバルブ磁
気抵抗効果素子において、前記第1固定磁性層及び前記
第2固定磁性層の少なくとも一方が、積層フェリ構造を
有する、ことを特徴とするスピンバルブ磁気抵抗効果素
子。
【0068】(付記3) 付記1又は2記載のスピンバ
ルブ磁気抵抗効果素子において、前記第1非磁性金属層
は銅元素を含む金属酸化層である、ことを特徴とするス
ピンバルブ磁気抵抗効果素子。
【0069】(付記4) 付記3記載のスピンバルブ磁
気抵抗効果素子において、前記自由磁性層の上面には、
該自由磁性層を構成する材料を酸化処理した酸化層が形
成され該酸化層上に前記金属酸化層が形成されている、
ことを特徴とするスピンバルブ磁気抵抗効果素子。
【0070】(付記5) 付記3又は4記載のスピンバ
ルブ磁気抵抗効果素子において、前記自由磁性層へ供給
される磁界は、前記第1非磁性金属層を介した前記第1
固定磁性層と該自由磁性層との強磁性的結合に基づく交
換結合磁界と、前記第2非磁性金属層を介した前記第2
固定磁性層と該自由磁性層との反強磁性的結合に基づく
交換結合磁界との差であり、該差は−15Oe〜15O
eである、ことを特徴とするスピンバルブ磁気抵抗効果
素子。
【0071】(付記6) 銅元素を含む金属酸化層と、
前記金属酸化層の上面側に該金属酸化層側から第1自由
磁性層、第1非磁性金属層、第1固定磁性層及び第1反
強磁性層を積層した第1積層体と、前記金属酸化層の下
面側に該金属酸化層側から第2自由磁性層、第2非磁性
金属層、第2固定磁性層及び第2反強磁性層を積層した
第2積層体とを含み、前記第1固定磁性層と前記第1自
由磁性層との交換結合磁界の向きと、前記第2固定磁性
層と前記第2自由磁性層との交換結合磁界の向きとが、
反平行となるように形成されたスピンバルブ磁気抵抗効
果素子。
【0072】(付記7) 付記6記載のスピンバルブ磁
気抵抗効果素子において、前記第1及び第2自由磁性層
の前記金属酸化層と接する少なくとも一方側に、該第1
又は第2自由磁性層を構成する材料を酸化処理した酸化
層がさらに形成されている、ことを特徴とするスピンバ
ルブ磁気抵抗効果素子。
【0073】(付記8) 付記7記載のスピンバルブ磁
気抵抗効果素子において、前記第1非磁性金属層を介し
た前記第1固定磁性層と第1自由磁性層との強磁性的結
合に基づく交換結合磁界と、前記第2非磁性金属層を介
した前記第2固定磁性層と前記第2自由磁性層との反強
磁性的結合に基づく交換結合磁界との差として生じる磁
界は、−15Oe〜15Oeである、ことを特徴とする
スピンバルブ磁気抵抗効果素子。
【0074】(付記9) 付記1から8いずれかに記載
のスピンバルブ磁気抵抗効果素子に電極が接続され、磁
気記録媒体からの記録磁界を再生する磁気ヘッド。
【0075】(付記10) 付記9記載の磁気ヘッドを
用いる、磁気記録再生装置。
【0076】
【発明の効果】以上詳述したところから明らかなよう
に、請求項1記載の発明によれば、第1固定磁性層と自
由磁性層との交換結合磁界の向きと、第2固定磁性層と
自由磁性層との交換結合磁界の向きとが、反平行とな
る。交換結合磁界が互いに打消し合う状態を形成するの
で、自由磁性層に実質的に作用する交換結合磁界を抑制
できる。よって、磁気ヘッドの出力及び再生信号の対称
性を向上させ、高感度化させるデュアル型スピンバルブ
磁気抵抗効果素子を提供できる。
【0077】また、請求項2記載の発明によれば、積層
フェリ構造を有する固定磁性層を含むデュアル型スピン
バルブ磁気抵抗効果素子を提供できる。
【0078】また、請求項3記載の発明によれば、第1
積層体に含まれる第1非磁性金属層を銅元素を含む金属
酸化層で形成することで、自由磁性層を間にして反対側
にある第2積層体に含まれる第2固定磁性層から自由磁
性層へ作用することになる強磁性結合的な交換結合磁界
を反強磁性的な交換結合磁界として作用させることがで
きる。
【0079】また、請求項4記載の発明によれば、第1
固定磁性層と第1自由磁性層との交換結合磁界の向き
と、第2固定磁性層と第2自由磁性層との交換結合磁界
の向きとが、反平行となるように形成されている。交換
結合磁界が互いに打消し合う状態を形成するので、自由
磁性層に実質的に作用する交換結合磁界を抑制できる。
よって、磁気ヘッドの出力及び再生信号の対称性を向上
させ、高感度化させるデュアル型スピンバルブ磁気抵抗
効果素子を提供できる。
【0080】また、請求項5記載の発明によれば、磁気
記録媒体からの磁気情報を高感度に再生する磁気ヘッド
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のデュアル型SVMR素子の積層構成例を
示す図である。
【図2】積層フェリ型の固定磁性層を用いて構成した場
合の従来デュアル型SVMR素子の積層構成例を示す図
である。
【図3】SVMR素子に関して、固定磁性層と自由磁性
層との間の交換結合磁界による影響を説明する図であ
る。
【図4】第1実施例のデュアル型SVMR素子の層構成
を示す図である。
【図5】第2実施例のデュアル型SVMR素子の層構成
を示す図である。
【図6】第3実施例のデュアル型SVMR素子の層構成
を示す図である。
【図7】実施例に示したSVMR素子を磁気ヘッドに構
成した場合の概要構成を示す図である。
【図8】磁気記録再生装置の要部を示す図である。
【符号の説明】
10、20、30 デュアル型SVMR素子 11 第1反強磁性層 12 第1固定磁性層 13 第1非磁性金属層(銅酸化層) 14 自由磁性層 14A 酸化層 15 第2非磁性金属層 16 第2固定磁性層 17 第2反強磁性層 22、26 積層フェリ型固定磁性層 31 銅酸化層
フロントページの続き (72)発明者 ジョンギル ホン 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 兼 淳一 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 2G017 AA01 AB07 AD55 5D034 BA03 BA04 BA05 CA08 5E049 AA04 AA09 AC00 AC05 BA12 DB12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自由磁性層と、前記自由磁性層の上面側
    に該自由磁性層側から第1非磁性金属層、第1固定磁性
    層及び第1反強磁性層を積層した第1積層体と、前記自
    由磁性層の下面側に該自由磁性層側から第2非磁性金属
    層、第2固定磁性層及び第2反強磁性層を積層した第2
    積層体とを含む、スピンバルブ磁気抵抗効果素子であっ
    て、 前記第1固定磁性層と前記自由磁性層との交換結合磁界
    の向きと、前記第2固定磁性層と前記自由磁性層との交
    換結合磁界の向きとが、反平行となるように形成された
    スピンバルブ磁気抵抗効果素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスピンバルブ磁気抵抗効
    果素子において、 前記第1固定磁性層及び前記第2固定磁性層の少なくと
    も一方が、積層フェリ構造を有する、ことを特徴とする
    スピンバルブ磁気抵抗効果素子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のスピンバルブ磁気
    抵抗効果素子において、 前記第1非磁性金属層は銅元素を含む金属酸化層であ
    る、ことを特徴とするスピンバルブ磁気抵抗効果素子。
  4. 【請求項4】 銅元素を含む金属酸化層と、前記金属酸
    化層の上面側に該金属酸化層側から第1自由磁性層、第
    1非磁性金属層、第1固定磁性層及び第1反強磁性層を
    積層した第1積層体と、前記金属酸化層の下面側に該金
    属酸化層側から第2自由磁性層、第2非磁性金属層、第
    2固定磁性層及び第2反強磁性層を積層した第2積層体
    とを含み、 前記第1固定磁性層と前記第1自由磁性層との交換結合
    磁界の向きと、前記第2固定磁性層と前記第2自由磁性
    層との交換結合磁界の向きとが、反平行となるように形
    成されたスピンバルブ磁気抵抗効果素子。
  5. 【請求項5】 請求項1から4いずれかに記載のスピン
    バルブ磁気抵抗効果素子に電極が接続され、磁気記録媒
    体からの記録磁界を再生する磁気ヘッド。
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