JP2002146265A - ガスバリア性コーティング組成物及びガスバリア性フィルム - Google Patents
ガスバリア性コーティング組成物及びガスバリア性フィルムInfo
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Abstract
スバリア性を維持し、しかも基材がポリエステルである
場合でも、アンカー層を必要とせずに密着性がよく、か
つ高湿度下であっても密着性を維持でき、高いガスバリ
ア性を有する塗膜を、乾燥条件に左右されることなく、
乾燥後のエージングなしで形成できるようにする。 【解決手段】 下記A,B,C,D成分からなり、A成
分とB成分の重量比(A/B)が100/200〜10
0/3、A成分とC成分の重量比(A/C)が100/
8〜100/1であることを特徴とするガスバリア性コ
ーティング組成物。 A:ポリビニルアルコール。 B:下記一般式(1)で示されるアミノ基及び/又はイ
ミノ基を有するアルコキシシラン。 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜4のアルキレン基、R2および
R3は炭素数1〜4のアルキル基、Xは水素原子または
アミノアルキル基であり、nは1または0である。) C:アジリジン化合物。 D:水、又は低級アルコールを添加した水。
Description
れた塗膜を形成するガスバリア性コーティング樹脂組成
物及びそれを用いてガスバリア層を形成したガスバリア
性フィルムに関する。
ては、ガスバリア性に優れたポリビニルアルコールの溶
液をプラスチックフィルムにコートしたフィルムが知ら
れている。ポリビニルアルコールの塗膜は、プラスチッ
クフィルムからなる基材との密着が不十分であるので、
通常ポリビニルアルコールと基材との間にアンカー層が
設けられて、このアンカー層上にポリビニルアルコール
の塗膜がコートされている。また、ポリビニルアルコー
ルは、湿度依存性が高く、通常2層または3層構成のラ
ミネートフィルムとして、ポリビニルアルコールフィル
ムが湿度の影響を受けないようにしている。
は、ポリエステル成形物に、ポリビニルアルコール系樹
脂の溶液をコートするにあたり、アンカーコート層を形
成したガスバリア性成形物が開示されている。
物の耐湿性を考慮すると、ポリエステル成形物にアンカ
ーコート層とポリビニルアルコール系樹脂層とが積層さ
れ、さらに、耐湿性を改善するために、一層を追加した
多層構成とする必要があり、その製造工程が増す欠点が
ある。
バリア性フィルムとして、特開平8−245816号公
報には、ポリオレフィンフィルムの表面処理にポリビニ
ルアルコールと水性アンカー剤とを所定の割合で混合し
た水性コーティング剤を塗布して形成したバリア性ポリ
オレフィンフィルムが開示されており、水性アンカー剤
として、水性イソシアネート、ポリエチレンイミンが記
載されている。
ルムにおけるガスバリア性に関するものであり、他のプ
ラスチックフィルムに該技術を適用できるか否かは明確
にされていない。
問題点に鑑みてなされたもので、ポリビニルアルコール
本来の透明性と高いガスバリア性を維持し、しかも基材
がポリエステルである場合でも、アンカー層を必要とせ
ずに密着性がよく、かつ高湿度下であっても密着性を維
持でき、高いガスバリア性を有する塗膜を、乾燥条件に
左右されることなく、乾燥後のエージングなしで形成で
きるようにすることを目的とする。
記A,B,C,D成分からなり、A成分とB成分の重量
比(A/B)が100/200〜100/3、A成分と
C成分の重量比(A/C)が100/8〜100/1で
あることを特徴とするガスバリア性コーティング組成物
を提供するものである。
ミノ基を有するアルコキシシラン。
基、R2およびR3は炭素数1〜4のアルキル基、Xは水
素原子またはアミノアルキル基であり、nは1または0
である。) C:アジリジン化合物。 D:水、又は低級アルコールを添加した水。
アルコールを含むことと、変性ポリビニルアルコールが
分子にシリル基を有するポリビニルアルコールであるこ
と、このシリル基の含有量が0.01〜5モル%である
こと、また、変性ポリビニルアルコールがカルボキシル
基変性ポリビニルアルコールであることをその好ましい
態様として含むものである。また、上記本発明における
B成分が、アミノ基及び/又はイミノ基を有するアルコ
キシシランと、その(部分)加水分解物及び/又は(部
分)縮合物との混合物であってもよい。更に、C成分
が、多官能アジリジン化合物であることをその好ましい
態様として含むものである。
性コーティング組成物の塗膜を有することを特徴とする
ガスバリア性フィルムを提供するもので、ガスバリア性
コーティング組成物の塗膜がポリエステルの基材上に設
けられていることをその好ましい態様として含むもので
ある。
グ組成物は、基本的には下記A,B,C,D成分からな
る。
ミノ基を有するアルコキシシラン。
基、R2およびR3は炭素数1〜4のアルキル基、Xは水
素原子またはアミノアルキル基であり、nは1または0
である。) C:アジリジン化合物。 D:水、又は低級アルコールを添加した水。
ビニルアルコールを用いることができる。A成分として
用いるポリビニルアルコールは、従来のガスバリア性コ
ーティング組成物で用いられるポリビニルアルコールと
同様に、重合度が100〜5000、ケン化度70%以
上のものが好ましい。重合度が低過ぎると基材に対する
密着性が低下しやすく、重合度が高過ぎると粘度が高く
なり過ぎて塗工性が悪くなりやすい。また、ケン化度が
低過ぎるとガスバリア性が不十分となりやすい。
使用してもよく、変性ポリビニルアルコールとしては、
例えば、カルボキシル基、シリル基、スルホン酸基、ア
ミノ基、リン酸基、イソシアネート基、オキサゾリン
基、メチロール基、ニトリル基、アセトアセチル基、カ
チオン基等による変性ポリビニルアルコール、例えば、
アクリル、ウレタン、ポリエステル、エポキシ、ポリエ
チレン、ポリプロピレンなどで変性したブロック共重合
体やグラフト共重合体等が挙げられ、これらの変性ポリ
ビニルアルコール、未変性ポリビニルアルコールを1種
または2種以上混合して使用することができる。また、
変性ポリビニルアルコールと未変性ポリビニルアルコー
ルを混合して用いるときは、A成分の総量のうち、変性
ポリビニルアルコールを10重量%以上混合することが
好ましく、20重量%以上がより好ましい。
ルコールとしては、基材上に乾燥硬化した塗膜を形成す
る際の乾燥条件を緩やかにした場合にも、高湿度下での
保存による基材との密着性の低下を生じにくいことか
ら、分子にシリル基を有するポリビニルアルコール、カ
ルボキシル基変性ポリビニルアルコールが好ましい。
リビニルアルコールの分子鎖の中間部又は末端にシリル
基を有することをいい、シリル基が加水分解性でない結
合によってポリビニルアルコールと結合していれば、そ
の位置及び分布状態に特に制限はない。また、このシリ
ル基とは、下記(2)式で表される反応性のシリル基を
いう。但し、下記(2)式におけるR4は水素、炭素数
1〜10のアルキル基、アルカリ金属又はアルカリ土類
金属、R5は炭素数1〜10のアルキル基、mは1〜3
の整数である。
ルコールにおけるシリル基の含有量は、0.01〜5モ
ル%であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜
1.0モル%で、最適には0.1〜0.6モル%であ
る。シリル基の含有量が5モル%を超えると、得られる
ガスバリア性コーティング組成物の粘度が高くなり、ゲ
ル化しやすくなり、逆にシリル基の含有量が0.01モ
ル%未満では、基材上へ乾燥硬化した塗膜を形成する際
の乾燥条件を緩和した場合に、高湿度下で保存すると基
材との密着性の低下を生じやすくなる。
コールとは、分子内にカルボキシル基を有するものをい
い、例えば、酢酸ビニル、蟻酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、バーサチック酸ビニル、ピパリン酸ビニルなどの
ビニルエステル系単量体を、例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、
(無水)イタコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸
と共重合した後、けん化したランダム共重合体を好適に
用いることができる。
ル%であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜1
0モル%、最適には0.5〜5モル%である。
般式(1)で示されるアミノ基及び/又はイミノ基を有
するアルコキシシランとしては、例えばアミノメチルト
リエトキシシラン、2−アミノエチルトリメトキシシラ
ン、2−アミノエチルトリエトキシシラン、2−アミノ
エチルトリプロポキシシラン、2−アミノエチルトリブ
トキシシラン、1−アミノエチルトリメトキシシラン、
1−アミノエチルトリエトキシシラン、3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエト
キシシラン、3−アミノプロピルトリプロポキシシラ
ン、3−アミノプロピルトリブトキシシラン、2−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルト
リエトキシシラン、2−アミノプロピルトリプロポキシ
シラン、2−アミノプロピルトリブトキシシラン、1−
アミノプロピルトリメトキシシラン、1−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、1−アミノプロピルトリプロポ
キシシラン、1−アミノプロピルトリブトキシシラン、
N−アミノメチルアミノメチルトリメトキシシラン、N
−アミノメチルアミノメチルトリプロポキシシラン、N
−アミノメチル−2−アミノエチルトリメトキシシラ
ン、N−アミノメチル−2−アミノエチルトリエトキシ
シラン、N−アミノメチル−2−アミノエチルトリプロ
ポキシシラン、N−アミノメチル−3−アミノプロピル
トリメトキシシラン、N−アミノメチル−3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N−アミノメチル−3−ア
ミノプロピルトリプロポキシシラン、N−アミノメチル
−2−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミノ
メチル−2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
アミノメチル−2−アミノプロピルトリプロポキシシラ
ン、N−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチ
ル)−2−アミノエチルトリメトキシシラン、N−(2
−アミノエチル)−2−アミノエチルトリエトキシシラ
ン、N−(2−アミノエチル)−2−アミノエチルトリ
プロポキシシラン、N−(2−アミノエチル)−1−ア
ミノエチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチ
ル)−1−アミノエチルトリエトキシシラン、N−(2
−アミノエチル)−1−アミノエチルトリプロポキシシ
ラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル
トリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−
アミノプロピルトリプロポキシシラン、N−(3−アミ
ノプロピル)−2−アミノエチルトリメトキシシラン、
N−(3−アミノプロピル)−2−アミノエチルトリエ
トキシシラン、N−(3−アミノプロピル)−2−アミ
ノエチルトリプロポキシシラン、N−メチル−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメ
チルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエ
トキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、3−ジエチレントリ
アミンプロピルトリエトキシシラン、3−〔2−(2−
アミノエチルアミノエチルアミノ)プロピル〕トリメト
キシシラン、トリメトキシシリルプロピルジエチレント
リアミンなどを挙げることができる。
び/又はイミノ基を有するアルコキシシランの1種又は
2種以上を用いることができる。B成分として特に好ま
しいのはγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ランである。
は、下記のアジリジン官能基を有する化合物である。
ジン化合物が好ましく、特に3つ以上のアジリジン官能
基を有する多官能アジリジン化合物が、基材との密着性
が良好であり、より好ましい。
化合物の1種又は2種以上を用いることができる。C成
分として特に好ましいのは、下記式で表される2,2−
ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−
アジリジニル)プロピオネート]であり、例えば相互薬
工(株)製のTAZM、日本触媒(株)製ケミタイトP
Z−33等が好適に使用できる。
にこれに低級アルコールを添加して用いることができ、
これにより、塗膜乾燥時のピンホールの発生を防止しや
すくなる。水に添加する低級アルコールとしては、例え
ばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピル
アルコールなどを挙げることができる。低級アルコール
と水を混合する場合の配合比率は、重量比(低級アルコ
ール/水)で10/90〜30/70であることが好ま
しい。低級アルコールの添加量が少な過ぎると塗膜の乾
燥時にピンホールが発生しやすくなり、逆に低級アルコ
ールの添加量が多過ぎると塗工性が悪くなりやすくな
る。
について説明する。
となる成分で、B成分は得られる塗膜と基材との密着性
を向上させる成分である。このA成分とB成分の配合比
率は、重量比(A/B)で100/200〜100/3
であり、好ましくは100/50〜100/5である。
A成分の配合量が多くなり過ぎると(B成分の配合量が
少なくなり過ぎると)、塗膜の形成時にエージングが必
要となり、特に基材がポリエステルである場合、塗膜と
基材との密着性が低下する。逆にA成分の配合量が少な
くなり過ぎると(B成分の配合量が多くなり過ぎる
と)、得られる塗膜のガスバリア性が不十分となる。
/C)で100/8〜100/1であり、好ましくは1
00/5〜100/2である。C成分は、得られる塗膜
に耐湿性を付与し、高湿度下においても塗膜と基材の密
着性を維持しやすくするためのものであるが、このC成
分の配合量が多過ぎると基材の密着性が悪くなる。逆に
C成分が少な過ぎると得られる塗膜の耐水性が低下し
て、高湿度下において塗膜が剥離しやすくなる。
適宜選択すれば足るが、得られるガスバリア性コーティ
ング組成物の固形分が1〜20重量%となるようにする
のが好ましく、この範囲で塗工方法等に合わせて適宜選
択することができる。D成分の配合量が多過ぎると必要
な厚みの塗膜が得にくくなり、逆にD成分の配合量が少
な過ぎると塗工性が悪くなりやすい。
水を用いていることから、前記B成分であるアミノ基及
び/又はイミノ基を有するアルコキシシランの一部がゆ
っくりと加水分解してその(部分)加水分解物へと変化
する場合があり、この加水分解物が更に(部分)縮合物
へと変化する場合もある。このような変化を生じた場合
においても本発明の効果は同様に得ることができる。従
って、本発明におけるB成分は、アミノ基及び/又はイ
ミノ基を有するアルコキシシランと、その(部分)加水
分解物及び/又は(部分)縮合物との混合物であっても
よい。
成物は、基本的には上述のA〜D成分からなるものであ
るが、A〜D成分の合計量100重量部に対して10重
量部以下の範囲で、本発明の効果を損わない範囲で塗布
性を向上させるために、増粘剤、消泡剤、硬化触媒、濡
れ性改良剤、可塑剤等を添加して用いることができる。
成物は、基材に塗布され、ガスバリア性の塗膜を形成す
るものである。
スプレーコート、フローコート、ロールコート、バーコ
ート、スピンコート、グラビアコートなど、従来行われ
ている手法で行うことができる。塗膜の厚みは、塗工作
業を繁雑にすることなく、また基材との密着強度を実用
レベルに保ちながら良好なガスバリア性が得られるよう
にする上で、0.2〜7μm、望ましくは0.3〜1.
5μmであることが好ましい。
ビニルアルコールをA成分として用いた本発明のガスバ
リア性コーティング組成物においては、塗膜の表面温度
が60℃を超える加熱雰囲気下で行うことが好ましい。
この乾燥硬化時の雰囲気温度が低すぎると、得られるガ
スバリア性フィルムを特に高湿度下で保存した場合に、
基材と塗膜の密着力が低下しやすくなる。上記乾燥硬化
時の塗膜表面の温度の上限は、基材の耐熱性にもよる
が、一般的には120℃程度である。
子にシリル基を有するポリビニルアルコール、カルボキ
シル基変性ポリビニルアルコールをA成分として用いた
本発明のガスバリア性コーティング組成物においては、
塗膜の表面温度が50℃以上となる加熱雰囲気下で乾燥
硬化させれば、上記高湿度下での保存による基材と塗膜
の密着力の低下を生じにくい。従って、変性ポリビニル
アルコール、特に分子にシリル基を有するポリビニルア
ルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコールを
A成分として用いた本発明のガスバリア性コーティング
組成物では、塗布後の塗膜の乾燥硬化を、塗膜の表面温
度が50℃以上となる加熱雰囲気下で行えば足り、加熱
乾燥条件を緩やかにできる利点がある。この時の塗膜表
面温度の上限は上記と同様に120℃程度である。
プロピレン、ポリカーボネイトなどの合成樹脂が好まし
く、基材上に本発明のガスバリア性コーティング組成物
による塗膜を形成したフィルム又はシートや、この塗膜
付フィルムやシートにヒートシール層やその他の層を更
に積層したフィルム又はシートは、ガスバリア性の包装
用に好適に用いることができる。特に本発明に係るガス
バリア性コーティング組成物は、包装用途に多用されて
いるポリエステルの基材上に密着性よく塗膜を形成する
ことができ、ガスバリア性包装用途に適したフィルム又
はシートが得やすい利点がある。
する。
「ポバール105」)と、S−PVA(A2成分:分子
にシリル基を有するポリビニルアルコール:クラレ社製
「R−2105」)と、C−PVA(A3成分:カルボ
キシル基変性PVA:クラレ社製「KM−118」)
と、APTES(B成分:γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン)と、アジリジン化合物(C成分:日本触媒
(株)製「ケミタイトPZ−33」)と、IPAとH2
O(D成分:イソプロピルアルコールと水)を用い、表
1〜表3に示される配合比率でガスバリア性コーティン
グ樹脂組成物の調製を行った。
AをIPA/H2O=20/80(重量比)の溶媒に溶
解して5重量%溶液とし、このPVA溶液100gにA
PTESを表1の配合割合で混合して撹拌した。更にこ
の混合物にアジリジン化合物を表1〜表3に示される割
合で加え、更に1時間撹拌してガスバリア性コーティン
グ組成物を調製した。
を厚み12μmのPET(ポリエステル)フィルムの基
材上に約1μmの厚みでバーコートし、表1〜表3に示
す乾燥表面温度で、塗膜を乾燥硬化させた。尚、表1〜
表3における、乾燥表面温度約65℃、約55℃の具体
的な乾燥条件は、それぞれ、80℃の雰囲気下で1分間
保持、温風を1分間吹き付けであり、表面温度は基材の
一部に予め貼付しておいたサーモラベルにより測定し
た。得られた塗膜付基材を用いて以下の評価を行った。
評価した。両者の透明度にほとんど差が認められなかっ
た場合を○、塗膜付基材の方がやや透明性が劣っている
場合を△とした。
定装置(MOCON社製「OX−TRANTWIN」)
を用いて測定した。
を用いたドライラミネートにより厚み25μmのCPP
(未延伸ポリプロピレン)フィルムを貼り合わせ、40
℃で48時間エージングした後、15mm幅に切断し、
CPPフィルムと塗膜付基材のT形剥離により剥離強度
を求めた。剥離強度が490mN/15mm以下のもの
を×とし、基材が破断してしまったもの及び剥離強度が
1960mN/15mm以上となったものを○とした。
ートフィルムを温度20℃、湿度90%RHの雰囲気下
に2週間(条件A)、温度40℃、湿度90%RHの雰
囲気下に1ヶ月(条件B)、温度40℃、湿度90%R
Hの雰囲気下に2ヶ月(条件C)放置した後、15mm
幅に切断し、CPPフィルムと塗膜付基材のT形剥離に
より剥離強度を求めた。剥離強度が490mN/15m
m以下のものを×とし、基材が破断してしまったもの及
び剥離強度が1960mN/15mm以上となったもの
を○とした。
あり、次の効果を奏するものである。
ンカー層なしで密着性よくガスバリア性塗膜を形成する
ことができる。ポリエステルは包装材料に多用されてい
ることから、ガスバリア性に富む包装材料が得やすい。
コール、特に分子にシリル基を有するポリビニルアルコ
ール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコールを用い
た本発明のガスバリア性コーティング組成物は、基材上
に乾燥硬化した塗膜を形成する際の乾燥条件を緩やかに
した場合にも、高湿度下での保存による基材との密着性
の低下を生じにくいことから、耐熱性に劣る基材へのガ
スバリア層の形成が容易となり、また乾燥硬化時の温度
設定が容易となる。
かも、乾燥後のエージングなしでガスバリア層を形成で
きる。
Claims (9)
- 【請求項1】 下記A,B,C,D成分からなり、A成
分とB成分の重量比(A/B)が100/200〜10
0/3、A成分とC成分の重量比(A/C)が100/
8〜100/1であることを特徴とするガスバリア性コ
ーティング組成物。 A:ポリビニルアルコール。 B:下記一般式(1)で示されるアミノ基及び/又はイ
ミノ基を有するアルコキシシラン。 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜4のアルキレン基、R2および
R3は炭素数1〜4のアルキル基、Xは水素原子または
アミノアルキル基であり、nは1または0である。) C:アジリジン化合物。 D:水、又は低級アルコールを添加した水。 - 【請求項2】 A成分が、変性ポリビニルアルコールを
含むことを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性コ
ーティング組成物。 - 【請求項3】 変性ポリビニルアルコールが、分子にシ
リル基を有するポリビニルアルコールであることを特徴
とする請求項2に記載のガスバリア性コーティング組成
物。 - 【請求項4】 シリル基の含有量が0.01〜5モル%
であることを特徴とする請求項3に記載のガスバリア性
コーティング組成物。 - 【請求項5】 変性ポリビニルアルコールが、カルボキ
シル基変性ポリビニルアルコールであることを特徴とす
る請求項2に記載のガスバリア性コーティング組成物。 - 【請求項6】 B成分が、アミノ基及び/又はイミノ基
を有するアルコキシシランと、その(部分)加水分解物
及び/又は(部分)縮合物との混合物であることを特徴
とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア性コ
ーティング組成物。 - 【請求項7】 C成分が、多官能アジリジン化合物であ
ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のガ
スバリア性コーティング組成物。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のガスバ
リア性コーティング組成物の塗膜を有することを特徴と
するガスバリア性フィルム。 - 【請求項9】 ガスバリア性コーティング組成物の塗膜
がポリエステルの基材上に設けられていることを特徴と
する請求項8に記載のガスバリア性フィルム。
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