JP2002146265A - ガスバリア性コーティング組成物及びガスバリア性フィルム - Google Patents

ガスバリア性コーティング組成物及びガスバリア性フィルム

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JP2002146265A JP2000350416A JP2000350416A JP2002146265A JP 2002146265 A JP2002146265 A JP 2002146265A JP 2000350416 A JP2000350416 A JP 2000350416A JP 2000350416 A JP2000350416 A JP 2000350416A JP 2002146265 A JP2002146265 A JP 2002146265A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリビニルアルコール本来の透明性と高いガ
スバリア性を維持し、しかも基材がポリエステルである
場合でも、アンカー層を必要とせずに密着性がよく、か
つ高湿度下であっても密着性を維持でき、高いガスバリ
ア性を有する塗膜を、乾燥条件に左右されることなく、
乾燥後のエージングなしで形成できるようにする。 【解決手段】 下記A,B,C,D成分からなり、A成
分とB成分の重量比(A/B)が100/200〜10
0/3、A成分とC成分の重量比(A/C)が100/
8〜100/1であることを特徴とするガスバリア性コ
ーティング組成物。 A:ポリビニルアルコール。 B:下記一般式(1)で示されるアミノ基及び/又はイ
ミノ基を有するアルコキシシラン。 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜4のアルキレン基、R2および
3は炭素数1〜4のアルキル基、Xは水素原子または
アミノアルキル基であり、nは1または0である。) C:アジリジン化合物。 D:水、又は低級アルコールを添加した水。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスバリア性に優
れた塗膜を形成するガスバリア性コーティング樹脂組成
物及びそれを用いてガスバリア層を形成したガスバリア
性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、透明なガスバリア性フィルムとし
ては、ガスバリア性に優れたポリビニルアルコールの溶
液をプラスチックフィルムにコートしたフィルムが知ら
れている。ポリビニルアルコールの塗膜は、プラスチッ
クフィルムからなる基材との密着が不十分であるので、
通常ポリビニルアルコールと基材との間にアンカー層が
設けられて、このアンカー層上にポリビニルアルコール
の塗膜がコートされている。また、ポリビニルアルコー
ルは、湿度依存性が高く、通常2層または3層構成のラ
ミネートフィルムとして、ポリビニルアルコールフィル
ムが湿度の影響を受けないようにしている。
【0003】例えば、特公平5−19580号公報に
は、ポリエステル成形物に、ポリビニルアルコール系樹
脂の溶液をコートするにあたり、アンカーコート層を形
成したガスバリア性成形物が開示されている。
【0004】しかし、上記技術では、ポリエステル成形
物の耐湿性を考慮すると、ポリエステル成形物にアンカ
ーコート層とポリビニルアルコール系樹脂層とが積層さ
れ、さらに、耐湿性を改善するために、一層を追加した
多層構成とする必要があり、その製造工程が増す欠点が
ある。
【0005】一方、アンカーコート層を形成しないガス
バリア性フィルムとして、特開平8−245816号公
報には、ポリオレフィンフィルムの表面処理にポリビニ
ルアルコールと水性アンカー剤とを所定の割合で混合し
た水性コーティング剤を塗布して形成したバリア性ポリ
オレフィンフィルムが開示されており、水性アンカー剤
として、水性イソシアネート、ポリエチレンイミンが記
載されている。
【0006】しかし、上記技術は、ポリオレフィンフィ
ルムにおけるガスバリア性に関するものであり、他のプ
ラスチックフィルムに該技術を適用できるか否かは明確
にされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点に鑑みてなされたもので、ポリビニルアルコール
本来の透明性と高いガスバリア性を維持し、しかも基材
がポリエステルである場合でも、アンカー層を必要とせ
ずに密着性がよく、かつ高湿度下であっても密着性を維
持でき、高いガスバリア性を有する塗膜を、乾燥条件に
左右されることなく、乾燥後のエージングなしで形成で
きるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記A,B,C,D成分からなり、A成分とB成分の重量
比(A/B)が100/200〜100/3、A成分と
C成分の重量比(A/C)が100/8〜100/1で
あることを特徴とするガスバリア性コーティング組成物
を提供するものである。
【0009】A:ポリビニルアルコール。 B:下記一般式(1)で示されるアミノ基及び/又はイ
ミノ基を有するアルコキシシラン。
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R1は炭素数1〜4のアルキレン
基、R2およびR3は炭素数1〜4のアルキル基、Xは水
素原子またはアミノアルキル基であり、nは1または0
である。) C:アジリジン化合物。 D:水、又は低級アルコールを添加した水。
【0012】上記本発明は、A成分が、変性ポリビニル
アルコールを含むことと、変性ポリビニルアルコールが
分子にシリル基を有するポリビニルアルコールであるこ
と、このシリル基の含有量が0.01〜5モル%である
こと、また、変性ポリビニルアルコールがカルボキシル
基変性ポリビニルアルコールであることをその好ましい
態様として含むものである。また、上記本発明における
B成分が、アミノ基及び/又はイミノ基を有するアルコ
キシシランと、その(部分)加水分解物及び/又は(部
分)縮合物との混合物であってもよい。更に、C成分
が、多官能アジリジン化合物であることをその好ましい
態様として含むものである。
【0013】また、本発明は、上記本発明のガスバリア
性コーティング組成物の塗膜を有することを特徴とする
ガスバリア性フィルムを提供するもので、ガスバリア性
コーティング組成物の塗膜がポリエステルの基材上に設
けられていることをその好ましい態様として含むもので
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のガスバリア性コーティン
グ組成物は、基本的には下記A,B,C,D成分からな
る。
【0015】A:ポリビニルアルコール。 B:下記一般式(1)で示されるアミノ基及び/又はイ
ミノ基を有するアルコキシシラン。
【0016】
【化3】
【0017】(式中、R1は炭素数1〜4のアルキレン
基、R2およびR3は炭素数1〜4のアルキル基、Xは水
素原子またはアミノアルキル基であり、nは1または0
である。) C:アジリジン化合物。 D:水、又は低級アルコールを添加した水。
【0018】本発明におけるA成分としては市販のポリ
ビニルアルコールを用いることができる。A成分として
用いるポリビニルアルコールは、従来のガスバリア性コ
ーティング組成物で用いられるポリビニルアルコールと
同様に、重合度が100〜5000、ケン化度70%以
上のものが好ましい。重合度が低過ぎると基材に対する
密着性が低下しやすく、重合度が高過ぎると粘度が高く
なり過ぎて塗工性が悪くなりやすい。また、ケン化度が
低過ぎるとガスバリア性が不十分となりやすい。
【0019】A成分としては、変性、未変性のいずれを
使用してもよく、変性ポリビニルアルコールとしては、
例えば、カルボキシル基、シリル基、スルホン酸基、ア
ミノ基、リン酸基、イソシアネート基、オキサゾリン
基、メチロール基、ニトリル基、アセトアセチル基、カ
チオン基等による変性ポリビニルアルコール、例えば、
アクリル、ウレタン、ポリエステル、エポキシ、ポリエ
チレン、ポリプロピレンなどで変性したブロック共重合
体やグラフト共重合体等が挙げられ、これらの変性ポリ
ビニルアルコール、未変性ポリビニルアルコールを1種
または2種以上混合して使用することができる。また、
変性ポリビニルアルコールと未変性ポリビニルアルコー
ルを混合して用いるときは、A成分の総量のうち、変性
ポリビニルアルコールを10重量%以上混合することが
好ましく、20重量%以上がより好ましい。
【0020】本発明でA成分として用いるポリビニルア
ルコールとしては、基材上に乾燥硬化した塗膜を形成す
る際の乾燥条件を緩やかにした場合にも、高湿度下での
保存による基材との密着性の低下を生じにくいことか
ら、分子にシリル基を有するポリビニルアルコール、カ
ルボキシル基変性ポリビニルアルコールが好ましい。
【0021】ここで、分子にシリル基を有するとは、ポ
リビニルアルコールの分子鎖の中間部又は末端にシリル
基を有することをいい、シリル基が加水分解性でない結
合によってポリビニルアルコールと結合していれば、そ
の位置及び分布状態に特に制限はない。また、このシリ
ル基とは、下記(2)式で表される反応性のシリル基を
いう。但し、下記(2)式におけるR4は水素、炭素数
1〜10のアルキル基、アルカリ金属又はアルカリ土類
金属、R5は炭素数1〜10のアルキル基、mは1〜3
の整数である。
【0022】
【化4】
【0023】分子に上記シリル基を有するポリビニルア
ルコールにおけるシリル基の含有量は、0.01〜5モ
ル%であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜
1.0モル%で、最適には0.1〜0.6モル%であ
る。シリル基の含有量が5モル%を超えると、得られる
ガスバリア性コーティング組成物の粘度が高くなり、ゲ
ル化しやすくなり、逆にシリル基の含有量が0.01モ
ル%未満では、基材上へ乾燥硬化した塗膜を形成する際
の乾燥条件を緩和した場合に、高湿度下で保存すると基
材との密着性の低下を生じやすくなる。
【0024】また、カルボキシル基変性ポリビニルアル
コールとは、分子内にカルボキシル基を有するものをい
い、例えば、酢酸ビニル、蟻酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、バーサチック酸ビニル、ピパリン酸ビニルなどの
ビニルエステル系単量体を、例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、
(無水)イタコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸
と共重合した後、けん化したランダム共重合体を好適に
用いることができる。
【0025】カルボキシル基変性量は、0.1〜50モ
ル%であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜1
0モル%、最適には0.5〜5モル%である。
【0026】本発明におけるB成分として用いる上記一
般式(1)で示されるアミノ基及び/又はイミノ基を有
するアルコキシシランとしては、例えばアミノメチルト
リエトキシシラン、2−アミノエチルトリメトキシシラ
ン、2−アミノエチルトリエトキシシラン、2−アミノ
エチルトリプロポキシシラン、2−アミノエチルトリブ
トキシシラン、1−アミノエチルトリメトキシシラン、
1−アミノエチルトリエトキシシラン、3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエト
キシシラン、3−アミノプロピルトリプロポキシシラ
ン、3−アミノプロピルトリブトキシシラン、2−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルト
リエトキシシラン、2−アミノプロピルトリプロポキシ
シラン、2−アミノプロピルトリブトキシシラン、1−
アミノプロピルトリメトキシシラン、1−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、1−アミノプロピルトリプロポ
キシシラン、1−アミノプロピルトリブトキシシラン、
N−アミノメチルアミノメチルトリメトキシシラン、N
−アミノメチルアミノメチルトリプロポキシシラン、N
−アミノメチル−2−アミノエチルトリメトキシシラ
ン、N−アミノメチル−2−アミノエチルトリエトキシ
シラン、N−アミノメチル−2−アミノエチルトリプロ
ポキシシラン、N−アミノメチル−3−アミノプロピル
トリメトキシシラン、N−アミノメチル−3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N−アミノメチル−3−ア
ミノプロピルトリプロポキシシラン、N−アミノメチル
−2−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミノ
メチル−2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
アミノメチル−2−アミノプロピルトリプロポキシシラ
ン、N−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチ
ル)−2−アミノエチルトリメトキシシラン、N−(2
−アミノエチル)−2−アミノエチルトリエトキシシラ
ン、N−(2−アミノエチル)−2−アミノエチルトリ
プロポキシシラン、N−(2−アミノエチル)−1−ア
ミノエチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチ
ル)−1−アミノエチルトリエトキシシラン、N−(2
−アミノエチル)−1−アミノエチルトリプロポキシシ
ラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル
トリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−
アミノプロピルトリプロポキシシラン、N−(3−アミ
ノプロピル)−2−アミノエチルトリメトキシシラン、
N−(3−アミノプロピル)−2−アミノエチルトリエ
トキシシラン、N−(3−アミノプロピル)−2−アミ
ノエチルトリプロポキシシラン、N−メチル−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメ
チルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエ
トキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、3−ジエチレントリ
アミンプロピルトリエトキシシラン、3−〔2−(2−
アミノエチルアミノエチルアミノ)プロピル〕トリメト
キシシラン、トリメトキシシリルプロピルジエチレント
リアミンなどを挙げることができる。
【0027】B成分としては、上記のようなアミノ基及
び/又はイミノ基を有するアルコキシシランの1種又は
2種以上を用いることができる。B成分として特に好ま
しいのはγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ランである。
【0028】C成分として用いる、アジリジン化合物と
は、下記のアジリジン官能基を有する化合物である。
【0029】
【化5】
【0030】アジリジン化合物としては、多官能アジリ
ジン化合物が好ましく、特に3つ以上のアジリジン官能
基を有する多官能アジリジン化合物が、基材との密着性
が良好であり、より好ましい。
【0031】C成分としては、上記のようなアジリジン
化合物の1種又は2種以上を用いることができる。C成
分として特に好ましいのは、下記式で表される2,2−
ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−
アジリジニル)プロピオネート]であり、例えば相互薬
工(株)製のTAZM、日本触媒(株)製ケミタイトP
Z−33等が好適に使用できる。
【0032】
【化6】
【0033】D成分中の水(蒸留水)は溶剤であり、更
にこれに低級アルコールを添加して用いることができ、
これにより、塗膜乾燥時のピンホールの発生を防止しや
すくなる。水に添加する低級アルコールとしては、例え
ばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピル
アルコールなどを挙げることができる。低級アルコール
と水を混合する場合の配合比率は、重量比(低級アルコ
ール/水)で10/90〜30/70であることが好ま
しい。低級アルコールの添加量が少な過ぎると塗膜の乾
燥時にピンホールが発生しやすくなり、逆に低級アルコ
ールの添加量が多過ぎると塗工性が悪くなりやすくな
る。
【0034】次に、上記A,B,C,D成分の配合比率
について説明する。
【0035】A成分はガスバリア性を得るためのベース
となる成分で、B成分は得られる塗膜と基材との密着性
を向上させる成分である。このA成分とB成分の配合比
率は、重量比(A/B)で100/200〜100/3
であり、好ましくは100/50〜100/5である。
A成分の配合量が多くなり過ぎると(B成分の配合量が
少なくなり過ぎると)、塗膜の形成時にエージングが必
要となり、特に基材がポリエステルである場合、塗膜と
基材との密着性が低下する。逆にA成分の配合量が少な
くなり過ぎると(B成分の配合量が多くなり過ぎる
と)、得られる塗膜のガスバリア性が不十分となる。
【0036】A成分とC成分の配合比率は、重量比(A
/C)で100/8〜100/1であり、好ましくは1
00/5〜100/2である。C成分は、得られる塗膜
に耐湿性を付与し、高湿度下においても塗膜と基材の密
着性を維持しやすくするためのものであるが、このC成
分の配合量が多過ぎると基材の密着性が悪くなる。逆に
C成分が少な過ぎると得られる塗膜の耐水性が低下し
て、高湿度下において塗膜が剥離しやすくなる。
【0037】D成分の配合比率は塗工条件などに応じて
適宜選択すれば足るが、得られるガスバリア性コーティ
ング組成物の固形分が1〜20重量%となるようにする
のが好ましく、この範囲で塗工方法等に合わせて適宜選
択することができる。D成分の配合量が多過ぎると必要
な厚みの塗膜が得にくくなり、逆にD成分の配合量が少
な過ぎると塗工性が悪くなりやすい。
【0038】ところで、本発明においては、溶剤として
水を用いていることから、前記B成分であるアミノ基及
び/又はイミノ基を有するアルコキシシランの一部がゆ
っくりと加水分解してその(部分)加水分解物へと変化
する場合があり、この加水分解物が更に(部分)縮合物
へと変化する場合もある。このような変化を生じた場合
においても本発明の効果は同様に得ることができる。従
って、本発明におけるB成分は、アミノ基及び/又はイ
ミノ基を有するアルコキシシランと、その(部分)加水
分解物及び/又は(部分)縮合物との混合物であっても
よい。
【0039】本発明に係るガスバリア性コーティング組
成物は、基本的には上述のA〜D成分からなるものであ
るが、A〜D成分の合計量100重量部に対して10重
量部以下の範囲で、本発明の効果を損わない範囲で塗布
性を向上させるために、増粘剤、消泡剤、硬化触媒、濡
れ性改良剤、可塑剤等を添加して用いることができる。
【0040】本発明に係るガスバリア性コーティング組
成物は、基材に塗布され、ガスバリア性の塗膜を形成す
るものである。
【0041】基材への塗布は、例えばディップコート、
スプレーコート、フローコート、ロールコート、バーコ
ート、スピンコート、グラビアコートなど、従来行われ
ている手法で行うことができる。塗膜の厚みは、塗工作
業を繁雑にすることなく、また基材との密着強度を実用
レベルに保ちながら良好なガスバリア性が得られるよう
にする上で、0.2〜7μm、望ましくは0.3〜1.
5μmであることが好ましい。
【0042】塗布後の塗膜の乾燥硬化は、未変性のポリ
ビニルアルコールをA成分として用いた本発明のガスバ
リア性コーティング組成物においては、塗膜の表面温度
が60℃を超える加熱雰囲気下で行うことが好ましい。
この乾燥硬化時の雰囲気温度が低すぎると、得られるガ
スバリア性フィルムを特に高湿度下で保存した場合に、
基材と塗膜の密着力が低下しやすくなる。上記乾燥硬化
時の塗膜表面の温度の上限は、基材の耐熱性にもよる
が、一般的には120℃程度である。
【0043】一方、変性ポリビニルアルコール、特に分
子にシリル基を有するポリビニルアルコール、カルボキ
シル基変性ポリビニルアルコールをA成分として用いた
本発明のガスバリア性コーティング組成物においては、
塗膜の表面温度が50℃以上となる加熱雰囲気下で乾燥
硬化させれば、上記高湿度下での保存による基材と塗膜
の密着力の低下を生じにくい。従って、変性ポリビニル
アルコール、特に分子にシリル基を有するポリビニルア
ルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコールを
A成分として用いた本発明のガスバリア性コーティング
組成物では、塗布後の塗膜の乾燥硬化を、塗膜の表面温
度が50℃以上となる加熱雰囲気下で行えば足り、加熱
乾燥条件を緩やかにできる利点がある。この時の塗膜表
面温度の上限は上記と同様に120℃程度である。
【0044】基材としては、例えばポリエステル、ポリ
プロピレン、ポリカーボネイトなどの合成樹脂が好まし
く、基材上に本発明のガスバリア性コーティング組成物
による塗膜を形成したフィルム又はシートや、この塗膜
付フィルムやシートにヒートシール層やその他の層を更
に積層したフィルム又はシートは、ガスバリア性の包装
用に好適に用いることができる。特に本発明に係るガス
バリア性コーティング組成物は、包装用途に多用されて
いるポリエステルの基材上に密着性よく塗膜を形成する
ことができ、ガスバリア性包装用途に適したフィルム又
はシートが得やすい利点がある。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。
【0046】実施例1〜6、比較例1〜11 PVA(A1成分:ポリビニルアルコール:クラレ社製
「ポバール105」)と、S−PVA(A2成分:分子
にシリル基を有するポリビニルアルコール:クラレ社製
「R−2105」)と、C−PVA(A3成分:カルボ
キシル基変性PVA:クラレ社製「KM−118」)
と、APTES(B成分:γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン)と、アジリジン化合物(C成分:日本触媒
(株)製「ケミタイトPZ−33」)と、IPAとH2
O(D成分:イソプロピルアルコールと水)を用い、表
1〜表3に示される配合比率でガスバリア性コーティン
グ樹脂組成物の調製を行った。
【0047】まず、PVA、S−PVA、又はC−PV
AをIPA/H2O=20/80(重量比)の溶媒に溶
解して5重量%溶液とし、このPVA溶液100gにA
PTESを表1の配合割合で混合して撹拌した。更にこ
の混合物にアジリジン化合物を表1〜表3に示される割
合で加え、更に1時間撹拌してガスバリア性コーティン
グ組成物を調製した。
【0048】得られたガスバリア性コーティング組成物
を厚み12μmのPET(ポリエステル)フィルムの基
材上に約1μmの厚みでバーコートし、表1〜表3に示
す乾燥表面温度で、塗膜を乾燥硬化させた。尚、表1〜
表3における、乾燥表面温度約65℃、約55℃の具体
的な乾燥条件は、それぞれ、80℃の雰囲気下で1分間
保持、温風を1分間吹き付けであり、表面温度は基材の
一部に予め貼付しておいたサーモラベルにより測定し
た。得られた塗膜付基材を用いて以下の評価を行った。
【0049】結果を表1〜表3に示す。
【0050】(1)透明性 塗膜形成前の基材と塗膜付基材を肉眼で比較することで
評価した。両者の透明度にほとんど差が認められなかっ
た場合を○、塗膜付基材の方がやや透明性が劣っている
場合を△とした。
【0051】(2)ガスバリア性 酸素の透過性を、乾燥した室温雰囲気下で酸素透過度測
定装置(MOCON社製「OX−TRANTWIN」)
を用いて測定した。
【0052】(3)密着性 得られた塗膜付基材の塗膜面に、ポリウレタン系接着剤
を用いたドライラミネートにより厚み25μmのCPP
(未延伸ポリプロピレン)フィルムを貼り合わせ、40
℃で48時間エージングした後、15mm幅に切断し、
CPPフィルムと塗膜付基材のT形剥離により剥離強度
を求めた。剥離強度が490mN/15mm以下のもの
を×とし、基材が破断してしまったもの及び剥離強度が
1960mN/15mm以上となったものを○とした。
【0053】(4)高湿度保存性 密着性の評価と同様のドライラミネートを施したラミネ
ートフィルムを温度20℃、湿度90%RHの雰囲気下
に2週間(条件A)、温度40℃、湿度90%RHの雰
囲気下に1ヶ月(条件B)、温度40℃、湿度90%R
Hの雰囲気下に2ヶ月(条件C)放置した後、15mm
幅に切断し、CPPフィルムと塗膜付基材のT形剥離に
より剥離強度を求めた。剥離強度が490mN/15m
m以下のものを×とし、基材が破断してしまったもの及
び剥離強度が1960mN/15mm以上となったもの
を○とした。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおりのもので
あり、次の効果を奏するものである。
【0058】(1)ポリエステルの基材に対しても、ア
ンカー層なしで密着性よくガスバリア性塗膜を形成する
ことができる。ポリエステルは包装材料に多用されてい
ることから、ガスバリア性に富む包装材料が得やすい。
【0059】(2)透明性及び耐湿性に優れる。
【0060】(3)A成分として、変性ポリビニルアル
コール、特に分子にシリル基を有するポリビニルアルコ
ール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコールを用い
た本発明のガスバリア性コーティング組成物は、基材上
に乾燥硬化した塗膜を形成する際の乾燥条件を緩やかに
した場合にも、高湿度下での保存による基材との密着性
の低下を生じにくいことから、耐熱性に劣る基材へのガ
スバリア層の形成が容易となり、また乾燥硬化時の温度
設定が容易となる。
【0061】(4)乾燥条件に左右されることなく、し
かも、乾燥後のエージングなしでガスバリア層を形成で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深谷 聡 東京都文京区小石川4丁目14番12号 共同 印刷株式会社内 (72)発明者 萩尾 由美子 東京都文京区小石川4丁目14番12号 共同 印刷株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AH02A AH02H AH03A AH03H AH06A AH06H AH07A AH07H AK21A AK41B AK42 AL06A AL07A AT00B BA01 BA02 CC00A EH46 GB15 JD02 JD02A JD03 JK06 JN01 YY00A 4J038 CE021 CE022 CP021 CP022 CQ001 CQ002 DL081 DL082 GA03 GA04 GA06 GA09 GA10 GA11 GA13 GA14 GA15 HA156 JA18 JB26 JC33 JC35 MA08 MA09 NA08 NA12 PC08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記A,B,C,D成分からなり、A成
    分とB成分の重量比(A/B)が100/200〜10
    0/3、A成分とC成分の重量比(A/C)が100/
    8〜100/1であることを特徴とするガスバリア性コ
    ーティング組成物。 A:ポリビニルアルコール。 B:下記一般式(1)で示されるアミノ基及び/又はイ
    ミノ基を有するアルコキシシラン。 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜4のアルキレン基、R2および
    3は炭素数1〜4のアルキル基、Xは水素原子または
    アミノアルキル基であり、nは1または0である。) C:アジリジン化合物。 D:水、又は低級アルコールを添加した水。
  2. 【請求項2】 A成分が、変性ポリビニルアルコールを
    含むことを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性コ
    ーティング組成物。
  3. 【請求項3】 変性ポリビニルアルコールが、分子にシ
    リル基を有するポリビニルアルコールであることを特徴
    とする請求項2に記載のガスバリア性コーティング組成
    物。
  4. 【請求項4】 シリル基の含有量が0.01〜5モル%
    であることを特徴とする請求項3に記載のガスバリア性
    コーティング組成物。
  5. 【請求項5】 変性ポリビニルアルコールが、カルボキ
    シル基変性ポリビニルアルコールであることを特徴とす
    る請求項2に記載のガスバリア性コーティング組成物。
  6. 【請求項6】 B成分が、アミノ基及び/又はイミノ基
    を有するアルコキシシランと、その(部分)加水分解物
    及び/又は(部分)縮合物との混合物であることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア性コ
    ーティング組成物。
  7. 【請求項7】 C成分が、多官能アジリジン化合物であ
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のガ
    スバリア性コーティング組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のガスバ
    リア性コーティング組成物の塗膜を有することを特徴と
    するガスバリア性フィルム。
  9. 【請求項9】 ガスバリア性コーティング組成物の塗膜
    がポリエステルの基材上に設けられていることを特徴と
    する請求項8に記載のガスバリア性フィルム。
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