JP2002145029A - 制動装置およびその制御方法 - Google Patents

制動装置およびその制御方法

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JP2002145029A
JP2002145029A JP2000345011A JP2000345011A JP2002145029A JP 2002145029 A JP2002145029 A JP 2002145029A JP 2000345011 A JP2000345011 A JP 2000345011A JP 2000345011 A JP2000345011 A JP 2000345011A JP 2002145029 A JP2002145029 A JP 2002145029A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の制動開始のタイミングを早めることに
よって応答遅れを軽減し、車両を所望の制動開始タイミ
ングにて減速させることが可能な制動装置を提供するこ
とを課題とする。 【解決手段】 車間距離センサ23にて得られる車間距
離、および車輪速センサ24にて得られる自車速を用い
て、目標加減速度を導出する。そして、導出された目標
加減速度にその微分項を加えた加算値を演算し、この加
算値が、制動開始減速度以下になったときに、コントロ
ーラ22からハイドロリックユニット14に対して制御
信号を送り、ハイドロリックユニット14を制御して車
両を減速させる。加算値を用いることによって、制動開
始タイミングを早めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両の目標加減
速度を導出し、この目標加減速度が予め定められた制動
開始減速度以下まで減少したときに、車両の車輪に対し
て制動圧を自動的に与えるべくアクチュエータを制御し
て、車両を減速させる制動装置およびその制御方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】車間距離等を検出しながら先行車に追従
して走行する追従走行装置は、従来から知られており、
このような装置は、先行車が例えばブレーキ等を行うこ
とによって急接近した場合、車輪に対して自動的に制動
圧を与える制動装置を作動させて、車両の減速を図るべ
く構成されている。
【0003】このような制動装置としては、例えば、加
圧源を有するアクチュエータを備え、車間距離等に基づ
いた制御信号によりアクチュエータを制御して、アクチ
ュエータからホイルシリンダにブレーキ液等を供給し、
ホイルシリンダに対して制動圧を付与する構成のものが
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
においては、制動装置を構成するアクチュエータ等に、
駆動ロスやヒステリシス等があることから、実際の圧力
発生までの遅れ時間が存在する。また、コントローラか
らの制御出力に対するアクチュエータ等の応答の遅れ時
間も存在する。
【0005】つまり、従来技術にかかる制動装置におい
ては、コントローラから制御信号が発信された後、実際
に車輪に対して制動圧が付与されて車両が減速を開始す
るまでの間に、上記遅れ時間等の応答遅れが存在するた
め、車両が所望の制動開始タイミングにて減速しないと
いう問題があった。
【0006】そこで、この発明は上記従来技術にかかる
問題に鑑みなされたものであり、車両の制動開始のタイ
ミングを早めることによって応答遅れを軽減し、車両を
所望の制動開始タイミングにて減速させることが可能な
制動装置およびその制御方法を提供することを課題とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ための本発明にかかる制動装置は、自車の目標加減速度
を導出し、前記目標加減速度が減少して予め定められた
制動開始減速度以下になったときに、前記自車の車輪に
対して制動圧を自動的に与えるべくアクチュエータを制
御して、前記自車を減速させる制動装置において、前記
自車の車速を検出する車速検出部と、前記自車と前記先
行車との車間距離を検出する車間距離検出部と、前記車
速および前記車間距離に基づき前記目標加減速度を導出
すると共に、導出された前記目標加減速度の微分項を演
算し、前記目標加減速度が時間に対して減少している状
態であって、前記目標加減速度が前記制動開始減速度よ
り大きい場合に、前記目標加減速度に前記微分項を加え
た加算値が前記制動開始減速度に達したときに、前記ア
クチュエータの制御を開始する制御部とを備えたことを
特徴としている。
【0008】このような構成において、前記目標加減速
度は時間に対して減少している状態であるから、前記微
分項は「0」以下の値となり、前記加算値は前記目標加
減速度よりも小さな値となる。したがって、この構成に
よれば、前記制動開始減速度に達するタイミングが、前
記目標加減速度を用いる場合よりも前記加算値を用いる
場合の方が、前記微分項を加算した分だけ早くなり、そ
の分前記アクチュエータの制御の開始時期が早められる
ため、前記制御部から制御信号が発せられた後の応答遅
れを軽減し、車両を所望の制動開始タイミングにて減速
させることが可能な制動装置を得ることができる。
【0009】さらに、上記した課題を解決するための本
発明にかかる制動装置の制御方法は、前記自車の車速を
検出し、前記自車と前記先行車との車間距離を検出し、
前記車速および前記車間距離に基づき前記目標加減速度
を導出すると共に、導出された前記目標加減速度の微分
項を演算し、前記目標加減速度が時間に対して減少して
いる状態であって、前記目標加減速度が前記制動開始減
速度より大きい場合に、前記目標加減速度に前記微分項
を加えた加算値が前記制動開始減速度に達したときに、
前記アクチュエータの制御を開始することを特徴として
いる。
【0010】このような構成によれば、前記目標加減速
度よりも小さな値として演算される前記加算値が、前記
制動開始減速度に達したときに前記アクチュエータの制
御が開始されるため、前記微分項の分だけ、前記制動開
始減速度に達するタイミングが早期化され、前記制御部
から制御信号が発せられた後の応答遅れを軽減し、車両
を所望の制動開始タイミングにて減速させることが可能
となる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、この発明にかかる制動装
置の実施形態を示すブロック図である。この制動装置
は、コントローラからアクチュエータたるハイドロリッ
クユニットに制御信号が発せられた後の応答遅れを軽減
し、車両の制動開始タイミングを早めることが可能な制
動装置である。以下においては、まず、図1を参照しつ
つ制動装置の構成を説明した後に、制動開始タイミング
を早める際の制動装置の駆動状態等を詳細に説明する。
【0012】図1においては、マスタシリンダ11にブ
レーキペダル12が連動、連結されており、ドライバの
ブレーキペダル12の踏み込み操作に応じて、ブレーキ
液圧系統13を介して、マスタシリンダ11からアクチ
ュエータであるハイドロリックユニット14に対して、
ブレーキ液圧が出力される。
【0013】このハイドロリックユニット14は、 ・ブレーキ液圧系統15FRを介して、右前輪16FR
に装着された右前輪ブレーキ17FRのホイルシリンダ
18FRに、 ・ブレーキ液圧系統15FLを介して、左前輪16FL
に装着された左前輪ブレーキ17FLのホイルシリンダ
18FLに、 ・ブレーキ液圧系統15RRを介して、右後輪16RR
に装着された右後輪ブレーキ17RRのホイルシリンダ
18RRに、 ・ブレーキ液圧系統15RLを介して、左後輪16RL
に装着された左後輪ブレーキ17RLのホイルシリンダ
18RLに、 接続されている。そして、マスタシリンダ11において
発生されたブレーキ液圧が、コントローラ22からの指
令に従って適当な配分比で配分されて、各ホイルシリン
ダ18FR,18FL,18RR,18RLに伝達さ
れ、各ブレーキ17FR,17FL,17RR,17R
Lは各ホイルシリンダ圧に応じた制動力を発揮する。
【0014】さらに、図1に示すように、ブレーキ液圧
系統13と接続され、マスタシリンダ11において発生
されたブレーキ液圧を検出する圧力センサ21を備えて
いる。この圧力センサ21は、CPUを備えたコントロ
ーラ22と電気的に接続されており、ブレーキ液圧に相
当する電気信号をコントローラ22に与える。
【0015】このコントローラ22には、上記圧力セン
サ21の他に、自車の前方における先行車との車間距離
を検出する車間距離検出部としての車間距離センサ23
と、車輪の回転速度を検出する車速検出部としての車輪
速センサ24と、制動装置を制御するために必要なプロ
グラムや種々の演算データ等を記憶するメモリ25とが
電気的に接続されている。そして、コントローラ22
は、これら圧力センサ21、車間距離センサ23、車輪
速センサ24から与えられる情報、およびメモリ25内
のプログラム等に基づいた制御指令を、インターフェー
ス27を介して、ハイドロリックユニット14に与え
る。
【0016】また、このコントローラ22は、車間距離
センサ23の検出値たる先行車との車間距離、および車
輪速センサ24の検出値から得られる自車速に基づい
て、目標加減速度を導出している。そして、コントロー
ラ22は、導出される目標加減速度が予め定められた制
動開始減速度以下となったときに、インターフェース2
7を介してハイドロリックユニット14に制御信号を発
するように構成されており、この制御信号を受けたハイ
ドロリックユニット14は、ブレーキ液圧を各ホイルシ
リンダ18FR,18FL,18RR,18RLに伝達
し、各ブレーキ17FR,17FL,17RR,17R
Lにおいては、各ホイルシリンダ圧に応じた制動力が生
ずることとなる。
【0017】この目標加減速度の導出方法としては、例
えば、マップを用いる方法があげられる。具体的には、
自車と先行車との「相対速度」および「車間距離と目標
車間距離の偏差」等の関係から、一の目標加減速度を導
出可能な種々の実験データ等からなるマップを、コント
ローラ22の内蔵メモリ等に予め格納しておき、このマ
ップを用いて、随時目標加減速度を導出する方法等があ
る。なお、この目標加減速度を導出するためのマップ
は、上記した内蔵メモリ以外のメモリ25あるいは図1
には示されていないその他のメモリに予め格納しておい
てもよく、必要に応じてECU5に供給されるようにす
ればよい。
【0018】さらに、このコントローラ22は、導出さ
れる目標加減速度が時間に対して減少している状態であ
って、目標加減速度が制動開始減速度よりも大きい場合
には、目標加減速度とその微分項との加算値を演算し、
この加算値が制動開始減速度以下になったときに、アク
チュエータたるハイドロリックユニット14に制御信号
を発するように構成されており、ハイドロリックユニッ
ト14がこの制御信号を受けた後は、上述したように、
ハイドロリックユニット14から各ホイルシリンダ18
FR,18FL,18RR,18RLに対してブレーキ
液圧が伝達され、各ブレーキ17FR,17FL,17
RR,17RLにおいては、各ホイルシリンダ圧に応じ
た制動力が生ずることとなる。
【0019】ここで、導出される「目標加減速度」は、
加速度として表わされる場合と、減速度として表わされ
る場合とがある。「加速度」とは、車両の速度が次第に
増加していく割合のことであり、「減速度」とは、車両
の速度が次第に減少していく割合のことである。また、
上述した「目標加減速度が時間に対して減少している状
態」というのは、車両が加速度を有しているか減速度を
有しているかに関わらず、時間に対して目標加減速度が
減少傾向にある場合、換言すれば、時間に対する目標加
減速度の傾きが負の値を有する場合をいう。そして、
「目標加減速度が時間に対して減少している状態」のと
き、目標加減速度の傾きは負の値を有し、この状態のと
きの微分項は常に「0」以下の値として演算されるた
め、「目標加減速度とその微分項との加算値」は、目標
加減速度以下の値として演算されることとなる。
【0020】次に、動作について図2および図3を参照
して説明する。ここで、図2は本実施形態にかかる制動
装置の制動開始タイミングを定めるためのメインルーチ
ンを示しており、図3は、図2におけるステップS1の
サブルーチンである目標加減速度Grefの演算処理のフ
ローチャートを示したものである。
【0021】本実施形態においては、図2に示すよう
に、コントローラ22により、後に後述する目標加減速
度Grefの演算処理が行われ(ステップS1)、その後
に、目標加減速度Grefが制動開始減速度Gbrkよりも大
きいか否かの判定が行われ(ステップS2)、目標加減
速度Grefが制動開始減速度Gbrkよりも大きい場合(ス
テップS2のYES)には、ステップS1に戻ってその
処理が繰り返され、目標加減速度Grefが制動開始減速
度Gbrk以下の場合(ステップS2のNO)には、アク
チュエータたるハイドロリックユニット14の制御が開
始される(ステップS3)。つまり、ハイドロリックユ
ニット14の制御が開始されることによって、ハイドロ
リックユニット14から各ホイルシリンダ18FR,1
8FL,18RR,18RLに対してブレーキ液圧が伝
達され、各ブレーキ17FR,17FL,17RR,1
7RLにおいては、各ホイルシリンダ圧に応じた制動力
が生じ、車両が減速を開始する。
【0022】続いて、目標加減速度Grefの演算処理
(図2のステップS1)について説明する。図3に示す
ように、コントローラ22においては、先に説明したよ
うに、自車と先行車との「相対速度」および「車間距離
と目標車間距離の偏差」等の関係から一の目標加減速度
Grefを導出可能なマップ等に基づいて、目標加減速度
Grefが逐次導出され(ステップS101)、導出され
た目標加減速度Grefの微分項(d/dt)Grefが演算され
(ステップS102)、この微分項(d/dt)Grefが
「0」より小さいか否かの判定が行われる(ステップS
103)。
【0023】このステップS103の処理は、目標加減
速度Grefが、減少傾向にあるのか増加傾向にあるのか
を判定するために行われるものであり、微分項(d/dt)G
refが「0」より小さい場合(ステップS103のYE
S)には、目標加減速度Grefは減少傾向にあって、コ
ントローラ22は車両の減速を早急に求めていると考え
られる。したがって、微分項(d/dt)Grefが「0」より
小さい場合(ステップS103のYES)には、ハイド
ロリックユニット14の制御を開始する際の制御信号で
ある目標加減速度Grefが早く制動開始減速度Gbrkに達
するように目標加減速度Grefの演算を行うべく、暫定
目標加減速度G’refとして、制動開始減速度Gbrkと目
標加減速度Gref及び微分項(d/dt)Grefの加算値(=G
ref+(d/dt)Gref)とのうち、大きな方の値が選択され
る(ステップS104)。一方、微分項(d/dt)Grefが
「0」以上の場合(ステップS103のNO)には、目
標加減速度Grefは一定あるいは増加傾向にあって、コ
ントローラ22は車両の減速を早急に求めているわけで
はないと考えられるため、上述した加算値等の演算は行
わず、再びステップS101に戻って、ステップS10
1以降の処理が繰り返して行われる。
【0024】次に、ステップS104の処理を行った後
には、目標加減速度Grefが制動開始減速度Gbrkよりも
大きいか否かの判定が行われ(ステップS105)、目
標加減速度Grefが制動開始減速度Gbrkよりも大きい場
合(ステップS105のYES)には、目標加減速度G
refに暫定目標加減速度G’refが代入されて(ステップ
S106)、目標加減速度Grefの演算処理が終了し、
目標加減速度Grefが制動開始減速度Gbrk以下である場
合(ステップS105のNO)には、ステップS101
で導出された目標加減速度Grefのまま、目標加減速度
Grefの演算処理が終了し、上記したメインルーチン
(図2参照)のステップS2の処理に移行する。
【0025】すなわち、先に説明した図2のステップS
2の処理においては、目標加減速度Grefが制動開始減
速度Gbrk以下の場合には、図3のステップS101に
て導出された値と制動開始減速度Gbrkとの比較が行わ
れ、目標加減速度Grefが制動開始減速度Gbrkよりも大
きい場合には、暫定目標加減速度G’refと制動開始減
速度Gbrkとの比較が行われることとなる。つまり、目
標加減速度Grefが制動開始減速度Gbrkに達するまで
は、暫定目標加減速度G’refと制動開始減速度Gbrkと
の比較が行われ、この暫定目標加減速度G’refが制動
開始減速度Gbrkに達したときにハイドロリックユニッ
ト14の制御が開始されることとなる。
【0026】また、暫定目標加減速度G’refは、制動
開始減速度Gbrkと加算値(=Gref+(d/dt)Gref)と
のうち、大きな方の値が選択されており、暫定目標加減
速度G’refとして制動開始減速度Gbrkが選択されてい
る場合には、当然にハイドロリックユニット14の制御
は開始される。したがって、本実施形態においては、結
局のところ、加算値(=Gref+d/dt(Gref))が制動開
始減速度Gbrkに達したときに、ハイドロリックユニッ
ト14の制御が開始され、車両が減速し始めることとな
る。
【0027】そして、先に説明した通り、図3のステッ
プS104の処理にて加算値を演算する場合の微分項(d
/dt)Grefは0以下の値となるため、加算値(=Gref+
(d/dt)Gref)は、常に目標加減速度Gref以下の値とな
る。したがって、本実施形態によれば、この微分項(d/d
t)Grefの分だけ、制動開始減速度Gbrkに達する時間が
早まることとなり、ハイドロリックユニット14による
制動開始タイミングを早期化することができる。
【0028】また、図4は、上記した図2、図3のフロ
ーチャートに示す手順で制御した場合における目標加減
速度Gref、制動開始減速度Gbrk、および目標加減速度
の微分項(d/dt)Grefの関係を例示したグラフであり、
図4(a)は、目標加減速度Gref、実加減速度Gr、お
よび制動開始減速度Gbrk等の関係を示し、縦軸は加減
速度(G)、横軸は時間(t)である。図4(b)は、
目標加減速度Grefの微分項を示し、縦軸は微分項((d/
dt)Gref)、横軸は時間(t)である。なお、図4
(a)において、時間軸(横軸)の上側が正の値である
加速度を有する領域であり、時間軸(横軸)の下側が負
の値である減速度を有する領域である。
【0029】図4に示すように、例えば、先行車との車
間距離が減少したとき等に自動的に出される減速命令、
あるいはドライバ等から任意に出される減速命令に基づ
いてコントローラ22にて導出された目標加減速度Gre
fは、細い実線で示すようになり、原則として目標加減
速度Grefが制動開始減速度Gbrk(一点鎖線)に達した
ときに、コントローラ22からハイドロリックユニット
14に対して制御信号が出され、車両の減速が開始され
ることとなる。ただし、この導出された目標加減速度G
refのみでハイドロリックユニット14を制御すると、
従来、種々の応答遅れによって車両が所望の制動開始タ
イミングにて減速しないという問題があったため、本実
施形態では、上記したように、適宜、目標加減速度Gre
fにその微分項(d/dt)Grefを付加した加算値(=Gref
+(d/dt)Gref)を用いて、ハイドロリックユニット1
4を制御するのである。
【0030】すなわち、図4に示すように、上記減速命
令等に基づく目標加減速度Grefは、マップ等を用いて
細い実線にて示すように導出される。そして、目標加減
速度Grefの微分項(d/dt)Grefの演算が行われ、この目
標加減速度Grefは、第一の時刻t1から「目標加減速
度Grefが時間に対して減少している状態」であって、
この第一の時刻t1の時点では「目標加減速度Gref
(細い実線)が制動開始減速度Gbrk(一点鎖線)より
大きい場合」に相当するため、この第一の時刻t1から
目標加減速度Grefの微分項(d/dt)Grefの加算処理が行
われる。そして、第一の時刻t1以降であって、目標加
減速度Grefが制動開始減速度Gbrkに達するまでの間、
加算値あるいは制動開始減速度Gbrkの大きい方の値が
暫定目標加減速度G’ref(太い実線)として選択され
る。
【0031】例えば、第二の時刻t2においても、第一
の時刻t1と同様に微分項(d/dt)Grefの加算処理を行
うための条件(「目標加減速度Grefが時間に対して減
少している状態」、「目標加減速度Gref(細い実線)
が制動開始減速度Gbrk(一点鎖線)より大きい場
合」)を満たしているので、目標加減速度Gref(図
4(a))に、その微分項の値(d/dt)Gref(図4
(b))を加えて、加算値(=G ref+(d/dt)Gre
f)(図4(a))を演算する。ここで、第二の時刻t
2における目標加減速度Grefの微分項(d/dt)Gref
は負の値となるため、加算値(=Gref+(d/dt)Gr
ef)は、図4(a)に示すように、微分項(d/dt)Gre
fの分だけ、目標加減速度Grefよりも小さな値とな
る。また、この第二の時刻t2においては、制動開始減
速度Gbrkと加算値(=Gref+(d/dt)Gref)とを
比べれば、加算値の方が大きな値であるため、この第二
の時刻t2における暫定目標加減速度G’refとして
は、加算値(=Gref+(d/dt)Gref)が選択され
る。
【0032】このように、上述した加算処理を行う条件
(「目標加減速度Grefが時間に対して減少している状
態」、「目標加減速度Gref(細い実線)が制動開始減
速度Gbrk(一点鎖線)より大きい場合」)を満たす間
は、目標加減速度Grefと微分項(d/dt)Grefとの加算処
理が行われ、目標加減速度Grefが制動開始減速度Gbrk
に達するまで、目標加減速度Grefに暫定目標加減速度
G’refが代入されて、暫定目標加減速度G’refが制動
開始減速度Gbrkに達したか否かの判定が行われる。
【0033】つまり、第一の時刻t1から第三の時刻t
3までの間は、制動開始減速度Gbrkよりも加算値の方
が大きな値となるため、暫定目標加減速度G’refとし
て加算値が選択され、第三の時刻t3から第四の時刻t
4までの間は、加算値よりも制動開始減速度Gbrkの方
が大きな値となるため、暫定目標加減速度G’refとし
ては制動開始減速度Gbrkが選択されて、この暫定目標
加減速度G’ref (太い実線)に基づいてハイドロリッ
クユニット14の制御が行われる。
【0034】図4に示すように、第三の時刻t3のとき
に、暫定目標加減速度G’refとして選択された加算値
(=Gref+(d/dt)Gref)が、制動開始減速度Gbrkに
達すると、この第三の時刻t3のときに目標加減速度G
refが制動開始減速度Gbrk以下になっていると判断され
て、アクチュエータたるハイドロリックユニット14の
制御が開始され、車両が減速し始める。
【0035】また、第四の時刻t4以降は、導出された
目標加減速度Grefそのものの値が、制動開始減速度Gb
rk以下となるため、暫定目標加減速度G’refが用いら
れることはなく、目標加減速度Grefそのものの値に基
づいて、ハイドロリックユニット14の制御が行われ
る。
【0036】すなわち、本実施形態においては、導出さ
れた目標加減速度Gref(細い実線)のみではなく、加
算値等から選択される暫定目標加減速度G’ref(太い
実線)をも用いてハイドロリックユニット14の制御を
行っており、この暫定目標加減速度G’ref (太い実
線)が微分項(d/dt)Gref(図4(b)等参照)の分だ
け、目標加減速度Grefよりも小さい値として演算され
るため、その分だけ早期に、目標加減速度Gref(暫定
目標加減速度G’ref)が制動開始減速度Gbrk(一点鎖
線)に達することとなる。
【0037】したがって、本実施形態によれば、制動装
置が応答遅れを有していたとしても、予め微分項(d/dt)
Grefを加えた加算値等に基づいてハイドロリックユニ
ット14を制御すべく構成されているので、目標加減速
度Grefのみを用いた場合の制動開始時刻(図4中の第
四の時刻t4)よりも、早い時刻(図4中の第三の時刻
t3)にハイドロリックユニット14の制御を開始する
ことができる。その結果、実際の車両の実加減速度Gr
は図4の破線のようになる。
【0038】また、制動装置が求めている所望の制動と
は、導出された目標加減速度Gref(細い実線)に沿っ
た制動のことであり、実加減速度Grが目標加減速度Gr
efに可能な限り一致するのが理想である。そして、本実
施形態によれば、図4に示すように、微分項(d/dt)Gre
f等を用いて制動開始タイミングを早めているので、コ
ントローラ22から制御信号が発せられた後の応答遅れ
が軽減され、実加減速度Gr(破線)は目標加減速度Gr
ef(細い実線)に略沿うような結果となる。
【0039】つまり、以上に説明した本実施形態によれ
ば、導出される目標加減速度Grefおよび微分項(d/dt)
Gref等に基づいて車両の制動開始のタイミングを早
め、コントローラから制御信号が発せられた後の応答遅
れを軽減することが可能となるため、車両を所望の制動
開始タイミングにて減速させることが可能な制動装置を
得ることができる。
【0040】ところで、仮に、加速度領域も含めた全て
の領域において加算値を用いるとすれば、最終的な出力
値は、過剰または発散傾向をとることとなり、適切な制
動を実現できず、目標加減速度Grefが時間に対して増
加している状態(加速側)の場合には、減少している状
態(減速側)の場合と比較して、応答性向上の要求が小
さいため、本実施形態においては、上記した一定条件の
場合に限って加算値等を用いた制御を行っている。
【0041】したがって、本実施形態によれば、目標加
減速度Grefが時間に対して減少している場合に限り微
分項(d/dt)Grefを加算することによって、目標加減速
度Gref(暫定目標加減速度G’ref)の変化が大きく与
えられるため、他の領域に悪影響を及ぼすことなく、所
望の減速度をより精度よく達成することが可能な制動装
置を得ることができる。
【0042】なお、本発明は上記した各実施形態に限定
されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおい
て上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能であ
る。
【0043】
【発明の効果】以上のように、請求項1、2に記載の発
明によれば、目標加減速度にその微分項を加えた加算値
が制動開始減速度に達したときにアクチュエータを制御
するように構成されているので、制動開始減速度に達す
るタイミングが、目標加減速度を用いる場合よりも加算
値を用いる場合の方が、微分項を加算した分だけ早くな
る。そのため、微分項の分だけ、アクチュエータの制御
の開始時期を早めることができ、制御部から制御信号が
発せられた後の応答遅れを軽減でき、車両を所望の制動
開始タイミングにて減速させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態のブロック図である。
【図2】この発明の実施形態の動作説明用フローチャー
トである。
【図3】この発明の実施形態の動作説明用フローチャー
トである。
【図4】この発明の実施形態の動作説明図である。
【符号の説明】
14…ハイドロリックユニット(アクチュエータ) 22…コントローラ(制御部) 23…車間距離センサ(車間距離検出部) 24…車輪速センサ(車速検出部) 25…メモリ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自車の目標加減速度を導出し、前記目標
    加減速度が減少して予め定められた制動開始減速度以下
    になったときに、前記自車の車輪に対して制動圧を自動
    的に与えるべくアクチュエータを制御して、前記自車を
    減速させる制動装置において、 前記自車の車速を検出する車速検出部と、 前記自車と前記先行車との車間距離を検出する車間距離
    検出部と、 前記車速および前記車間距離に基づき前記目標加減速度
    を導出すると共に、導出された前記目標加減速度の微分
    項を演算し、前記目標加減速度が時間に対して減少して
    いる状態であって、前記目標加減速度が前記制動開始減
    速度より大きい場合に、前記目標加減速度に前記微分項
    を加えた加算値が前記制動開始減速度に達したときに、
    前記アクチュエータの制御を開始する制御部とを備えた
    ことを特徴とする制動装置。
  2. 【請求項2】 自車の目標加減速度を導出し、前記目標
    加減速度が減少して予め定められた制動開始減速度以下
    になったときに、前記自車の車輪に対して制動圧を自動
    的に与えるべくアクチュエータを制御して、前記自車を
    減速させる制動装置の制御方法において、 前記自車の車速を検出し、 前記自車と前記先行車との車間距離を検出し、 前記車速および前記車間距離に基づき前記目標加減速度
    を導出すると共に、導出された前記目標加減速度の微分
    項を演算し、前記目標加減速度が時間に対して減少して
    いる状態であって、前記目標加減速度が前記制動開始減
    速度より大きい場合に、前記目標加減速度に前記微分項
    を加えた加算値が前記制動開始減速度に達したときに、
    前記アクチュエータの制御を開始することを特徴とする
    制動装置の制御方法。
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