JP2008049862A - 車両の挙動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の挙動を変更可能なアクチュエータを自車両の現在位置の検出誤差等を考慮して適切な制御タイミングで作動させること。
【解決手段】サスペンションECUはステップS52にて自車両の検出現在位置と地図上の現在位置との一致精度を表す信頼度Sを計算する。ステップS54においては、信頼度Sと、ナビイベント開始地点と実際に路面凹凸部分が存在する地点まで距離Lsとの相関係数Rを計算する。そして、ステップS56にて相関係数Rが所定値R0以上であれば、ステップS57にて相関性を表す回帰直線Mを計算する。このように回帰直線Mを計算すると、次回以降同一のナビイベント開始地点を走行する際には、ステップS59において、信頼度Sと回帰直線Mとを用いて適切な延長距離L5を計算する。したがって、事前作動制御が適切に延長され、アクチュエータを適切な制御タイミングで作動させることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、挙動制御装置に関し、特に、自車両の現在位置に基づいて取得された進行方向前方の道路特性情報に応じて車両の挙動を変更可能な車両の挙動制御装置に関する。
この種の車両の挙動制御装置として、自車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、地図情報と関連付けて道路の特性情報を記憶する記憶手段と、前記現在位置検出手段により検出された自車両の現在位置に基づいて車両の進行方向前方にて所定距離内の道路特性情報を前記記憶手段から取得する道路特性情報取得手段と、この道路特性情報取得手段が前記道路特性情報を取得した時点で車両の挙動を変更可能なアクチュエータの本作動開始時点を特定して同アクチュエータの作動を制御する本作動制御手段とを備えたものがあり、例えば下記特許文献1に記載されている。
このように構成される従来の車両の挙動制御装置においては、検出した自車両の現在位置に基づいて、車両の進行方向前方にて所定距離内の道路特性情報を記憶手段から取得する。そして、この取得した道路特性情報に基づいて、例えば、進行先路面に凹凸部分が存在していれば、車両の挙動を変更可能なアクチュエータ(例えば、サスペンション装置を構成するショックアブソーバの減衰力を変更可能なアクチュエータ)の作動開始時期を特定する。これにより、進行先路面の凹凸部分への到達時間に合わせた制御タイミングで、ショックアブソーバの減衰力を「ハード」から「ソフト」に設定するようになっている。
特開2000−318634号公報
ところで、上記従来の車両の挙動制御装置においては、アクチュエータの作動開始時期の設定に関し、自車両の現在位置検出精度やアクチュエータの作動応答遅れについては何ら考慮されていない。したがって、アクチュエータを適切な制御タイミングで作動させることができない場合がある。
さらに、上記従来の車両の挙動制御装置においては、道路特性情報に基づく凹凸部分の存在位置が正確であるとしてアクチュエータの作動開始時期を特定するようになっている。しかし、実際には、自車両の現在位置を検出する際には検出誤差が発生し、また、検出された自車両の現在位置と記憶された地図情報によって表される地図との間の一致誤差も発生する。このように、必然的に発生する誤差が介在する状況においては、設定した制御タイミングでアクチュエータを作動させたとしても、例えば、凹凸部分の通過時における適切な減衰力が得られない可能性がある。
本発明は、上記問題に対処するためになされたものであり、その目的は、車両の挙動を変更可能なアクチュエータの作動開始時期の設定に際して、自車両の現在位置精度等を考慮することで、前記アクチュエータが適切な制御タイミングで作動し得る挙動制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、自車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、地図情報と関連付けて道路の特性情報を記憶する記憶手段と、前記現在位置検出手段により検出された自車両の現在位置に基づいて車両の進行方向前方にて所定距離内の道路特性情報を前記記憶手段から取得する道路特性情報取得手段と、同道路特性情報取得手段が前記道路特性情報を取得した時点で車両の挙動を変更可能なアクチュエータの本作動制御開始時点を特定して同アクチュエータの作動を制御する本作動制御手段とを備えた車両の挙動制御装置において、前記道路特性情報取得手段が前記道路特性情報を取得した時点から前記本作動制御手段が前記アクチュエータの作動を開始させる前記特定された本作動制御開始時点までの間にて、前記アクチュエータの作動を開始させる事前作動制御手段と、前記特定された前記本作動制御開始時点の精度に応じて、前記事前作動制御手段による前記アクチュエータの事前作動制御期間を変更する事前作動制御期間変更手段を設けたことにある。
これによれば、挙動制御装置においては、道路特性情報取得手段によって道路特性情報が取得された時点から本作動制御手段によってアクチュエータの作動が開始される本作動制御開始時点までの間にて、事前作動制御手段によってアクチュエータの作動を開始することができる。これにより、アクチュエータの本作動制御開始時点において、アクチュエータの動作状態を、車両の挙動を的確に変更し得る動作状態(所謂、スタンバイ状態)に設定することができる。したがって、事前作動制御手段が設けられていない場合に比して、本作動制御開始時点におけるアクチュエータの実効を得ることができ、車両の挙動を的確に変更することができる。
また、挙動制御装置においては、道路特性情報取得手段によって道路特性情報が取得された時点で特定される本作動制御開始時点の精度(すなわち、確からしさ)に応じて、事前作動制御期間変更手段が事前作動制御手段によるアクチュエータの事前作動制御期間を変更することができる。したがって、本作動制御開始時点の精度を考慮して、アクチュエータの動作状態をスタンバイ状態で維持することができ、その結果、本作動制御開始時点におけるアクチュエータの実効を確実に得ることができ、車両の挙動をより的確に変更することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記事前作動制御期間変更手段を、例えば、前記現在位置検出手段によって検出された自車両の現在位置と前記記憶手段に記憶された地図情報によって表される地図上の自車両の現在位置との一致精度を表す信頼度を計算する信頼度計算手段と、前記特定された本作動制御手段による本作動制御開始時点と前記本作動制御手段が車両の走行に伴って実際に道路特性に応じて前記アクチュエータの作動を開始する実本作動制御開始時点との時間差と、前記信頼度計算手段によって計算された信頼度との間の相関を計算する相関計算手段と、前記相関計算手段によって計算された相関に基づいて、前記事前作動制御手段による前記アクチュエータの事前作動制御期間を変更する変更手段とで構成したことにもある。
この場合、前記信頼度計算手段は、例えば、前記現在位置検出手段による自車両の現在位置の検出精度と、自車両が存在する実際の道路と前記地図情報によって表される地図上の道路との一致精度とに少なくとも基づいて、前記信頼度を計算するとよい。
これらによれば、検出された自車両の現在位置と地図上の車両の現在位置との一致精度を表す信頼度を、自車両の現在位置の検出精度と自車両が存在する実際の道路と前記地図情報によって表される地図上の道路との一致精度とに少なくとも基づいて計算することができる。そして、計算された信頼度と、道路特性情報によって特定される本作動制御開始時点と車両が走行したときに実際にアクチュエータを本作動させるための実本作動制御開始時点との時間差とを用いて、これら信頼度と時間差との間の相関を計算することができる。また、この相関に基づき、事前作動制御期間を変更することができる。
これにより、本作動制御開始時点の確からしさを良好に反映して、事前作動制御期間を、例えば、延長して変更することができる。したがって、アクチュエータの動作状態をスタンバイ状態で最適に維持することができ、その結果、本作動制御開始時点におけるアクチュエータの実効をより確実に得ることができて、車両の挙動をより的確に変更することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記事前作動制御手段が前記アクチュエータの作動を開始させる事前作動制御開始時点は、前記アクチュエータの作動応答遅れに応じて、前記特定された本作動制御手段による本作動制御開始時点を基準に設定されることにもある。ここで、アクチュエータの作動応答遅れとは、アクチュエータの機械的な応答遅れ時間、電気的な応答遅れ時間、システムをセンシングするための無駄時間など応答遅れの総和時間を意味し、予め設定することが可能な所定値である。
また、本発明の他の特徴は、前記事前作動制御手段が前記アクチュエータの作動を開始させる事前作動制御開始時点は、前記現在位置検出手段による自車両の現在位置の検出精度に応じて、前記特定された本作動制御開始時点を基準に設定されることにもある。
これらによれば、道路特性情報を取得した時点で特定される本作動制御開始時点を基準として、極めて良好かつ適切な事前作動制御期間を設定することができる。これにより、アクチュエータの動作状態をスタンバイ状態で必要かつ十分に維持することができ、アクチュエータの無駄な作動を大幅に低減することができる。したがって、アクチュエータを良好な作動状態により、長期間にわたり使用することができる。
さらに、本発明の他の特徴は、前記事前作動制御手段による前記アクチュエータの作動制御量は、前記本作動制御手段による前記アクチュエータの作動制御量より小さく設定されることにもある。これによれば、事前作動制御手段によるアクチュエータの作動に伴う無用な車両の挙動変更が抑えられるとともに、主として本作動制御手段によるアクチュエータの作動により車両の挙動を的確に変更することができる。
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る車両の挙動制御装置の全体を概略的に示している。この挙動制御装置は、ナビゲーション装置10とサスペンション装置20とを備えて構成されている。ナビゲーション装置10とサスペンション装置20とは、車両内に構築されたLAN (Local Area Network) 30を介して、それぞれ、ゲートウェイコンピュータ40に接続されている。ゲートウェイコンピュータ40は、ナビゲーション装置10とサスペンション装置20との間で共有される各種データおよび各装置10,20間の連携を制御する制御信号の流れを統括的に制御するコンピュータである。
ナビゲーション装置10は、ユーザーが設定した目的地までの経路を探索して案内する経路案内機能を備えるとともに、自車両の現在位置を検出する現在位置検出機能と、検出した自車両の現在位置に応じた道路の特性に関する各種イベント情報を出力する道路特性出力機能とを備えている。これらの機能を実現するために、ナビゲーション装置10は、ナビゲーション電子制御ユニット11(以下、単にナビゲーションECU11という)と、このナビゲーションECU11に接続されるGPS(Global Positioning System)受信機12、ジャイロスコープ13、記憶装置14およびLANインターフェース15とで構成されている。
ナビゲーションECU11は、CPU、ROM、RAM、タイマなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品としており、各種プログラムを実行してナビゲーション装置10の作動を統括的に制御する。GPS受信機12は、自車両の現在位置を検出するための電波を衛星から受信し、検出した自車両の現在位置を例えば座標データとして出力する。ジャイロスコープ13は、自車両の進行方向を検出するための車両の旋回速度を検出して出力する。
記憶装置14は、ハードディスク,CD−RW,DVD−RAM,DVD−RWなどの情報の書き換えが可能な記憶媒体や、CD−ROM,DVD−ROMなどの記憶媒体およびこれらの記憶媒体のドライブ装置を含んで構成されている。この記憶装置14は、ナビゲーションECU11によって実行される各種プログラムを記憶するとともに、全国に存在する道路の位置を表す地図データ、高速道路や国道、県道などの道路種別を表す道路種別データ、車線数やカーブ半径、分岐の有無などの道路形状を表す道路形状データおよび路面の凹凸度、段差などの道路特性を表す道路特性データを互いに関連付けて記憶している。
LANインターフェース15は、LAN30と接続されていて、ナビゲーションECU11とゲートウェイコンピュータ40との間の通信を可能とするものである。これにより、ナビゲーションECU11は、LANインターフェース15およびLAN30を介して、ゲートウェイコンピュータ40に対して、検出した車両の現在位置を表す現在位置情報や記憶装置14に記憶した各種データ、各センサによって検出された検出値などを供給することができる。また、ナビゲーションECU11は、LANインターフェース15およびLAN30を介して、ゲートウェイコンピュータ40からサスペンション装置20によって供給された各種情報を取得することができる。
サスペンション装置20は、車体BD(バネ上部材)と各車輪Wとの間にそれぞれ配置されたショックアブソーバ21、コイルスプリング22およびロアアームLA(バネ下部材)を備えている。ショックアブソーバ21は、各車輪Wに連結されたロアアームLAと車体BDとの間にそれぞれ介装されていて、シリンダ21aの下端にてロアアームLAに連結されるとともに、同シリンダ21aに上下動可能に挿入されたピストンロッド21bの上端にて車体BDに固定されている。コイルスプリング22は、ショックアブソーバ21と並列に設けられている。
シリンダ21aは、その内周面上を液密的に摺動するピストン21cにより上下室R1,R2に区画されている。ピストン21cには、可変絞り機構21dが組み付けられている。可変絞り機構21dは、その一部を構成するサスペンションコントロールアクチュエータ21e(以下、単にアクチュエータ21eという)の作動により、絞り量が変更されてシリンダ21aの上下室R1,R2の間を連通させる連通路の開度を複数段階に切り替える。
ここで、本実施形態においては、連通路の開度を、例えば、3段階に切り替えるように実施する。すなわち、連通路の開度の最大位置にてショックアブソーバ21の減衰力が「ソフト」に設定され、連通路の開度の最小位置にてショックアブソーバ21の減衰力が「ハード」に設定され、連通路の開度の中間位置にてショックアブソーバ21の減衰力が「ノーマル」に設定されるように実施する。なお、以下の説明においては、車両が通常走行しているときには、ショックアブソーバ21の減衰力が「ハード」に設定されるものとして説明する。
また、サスペンション装置20は、サスペンション電子制御ユニット23(以下、単にサスペンションECU23という)を備えている。サスペンションECU23は、CPU、EEPROM、RAM、タイマなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品としており、後述する図3〜図6に示す各プログラムを実行し、図示しない駆動回路を介してアクチュエータ21eの作動を統括的に制御する。
また、サスペンションECU23には、車速センサ24、前後加速度センサ25、上下加速度センサ26およびLANインターフェース27が接続されている。車速センサ24は、例えば、車輪速度に基づいて車速Vを検出して出力する。前後加速度センサ25は、車両の前後方向の加速度αを検出して出力する。上下加速度センサ26は、車体の上下方向の加速度βを検出して出力する。
LANインターフェース27は、LAN30と接続されていて、サスペンションECU23とゲートウェイコンピュータ40との間の通信を可能とするものである。これにより、サスペンションECU23は、LANインターフェース27、LAN30およびゲートウェイコンピュータ40を介して、ナビゲーションECU11から供給された車両の現在位置情報や各種データ、各センサによって検出された検出値などを取得することができる。また、サスペンションECU23は、LANインターフェース27、LAN30およびゲートウェイコンピュータ40を介して、ナビゲーションECU11に対して各種情報を供給することができる。
次に、上記のように構成した本実施形態の作動について説明する。本実施形態においては、図2に概略的に示すように、車両の現在位置と、ナビゲーション装置10の記憶装置14に記憶されている車両の進行方向前方の路面上における凹凸部分が存在する地点(以下、この記憶されている地点をナビイベント開始地点という)との間の距離に応じて、サスペンション装置20の作動状態を切り替える。より具体的には、車両の現在位置とナビイベント開始地点とが所定の距離以内となったとき、ショックアブソーバ21の減衰力を通常走行時における「ハード」から「ノーマル」へ切り替えるための事前作動制御(プレ作動制御)を実行する。また、車両の現在位置がナビイベント開始地点の近傍、より詳しくは、車両の現在位置が路面の凹凸部分の存在地点の近傍となったとき、ショックアブソーバ21の減衰力を事前作動制御による「ノーマル」から「ソフト」へ切り替えるための本作動制御を実行する。以下、まず、事前作動制御から詳細に説明する。
この事前作動制御は、サスペンションECU23によって実行される。すなわち、サスペンションECU23は、運転者によってイグニッションスイッチが投入されると、図3に示す事前作動制御開始時点設定プログラム、図4に示す事前作動制御延長プログラムおよび図5に示す事前作動制御終了時点設定プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行するとともに、これら各プログラムの実行と並行して図6に示す減衰力制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行する。以下、これら各プログラムの実行について、事前作動制御開始時点設定プログラムから具体的に説明する。
事前作動制御開始時点設定プログラムは、車両の進行方向前方にナビイベント開始地点が存在する場合に、サスペンション装置20におけるショックアブソーバ21の減衰力を予め「ハード」から「ノーマル」に切り替える作動開始時点を設定するためのプログラムである。このように、ナビイベント開始地点に車両が到達する前に、予めショックアブソーバ21の減衰力を「ハード」から「ノーマル」に切り替えておくことにより、車両が前方路面の凹凸部分に到達したときに「ハード」から「ソフト」に一度に切り替える場合に比して、アクチュエータ21eを確実にかつ適切に作動させることができる。これにより、車両は、路面の凹凸部分を極めて滑らかに通過することができる。
具体的に処理内容を説明すると、サスペンションECU23は、図3に示すように、ステップS10にて事前作動制御開始時点設定プログラムの実行を開始し、ステップS11にて、事前作動制御フラグPCFの設定値が「0」であるか否かを判定する。ここで、事前作動制御フラグPCFは、「0」に設定されることにより、自車両の現在位置から進行方向前方における所定距離L0以内にナビイベント開始地点が存在せず、ショックアブソーバ21の減衰力を事前作動制御する必要がないことを表し、「1」に設定されることにより、所定距離L0以内にナビイベント地点が存在しており、ショックアブソーバ21の減衰力を事前作動制御する必要があることを表す。
そして、サスペンションECU23は、ステップS11にて、事前作動制御フラグPCFの設定値が「0」であれば、「Yes」と判定してステップS12以降の各処理を実行する。一方、サスペンションECU23は、事前作動制御フラグPCFの設定値が「0」でない、すなわち、フラグPCFの設定値が「1」であれば、「No」と判定して後述するステップS16以降の各処理を実行する。
ステップS12においては、サスペンションECU23は、ナビゲーション装置10から自車両の現在位置を表す現在位置情報と、自車両の現在位置に対応して進行方向前方に存在するナビイベント開始地点を表すナビイベント情報とを取得する。具体的に説明すると、ナビゲーション装置10のナビゲーションECU11は、GPS受信機12およびジャイロスコープ13によって検出された各検出値を用いるとともに、ゲートウェイコンピュータ40およびLANインターフェース15を介して取得した車速センサ24によって検出された車速を用いて、自車両の現在位置を検出する。
また、ナビゲーションECU11は、検出した自車両の現在位置と自車両の進行方向に基づき、記憶装置14に記憶されている進行方向前方に存在する路面の凹凸部分すなわちナビイベント開始地点を検索し、同検索した開始地点を表すナビイベント情報を取得する。そして、ナビゲーションECU11は、検出した自車両の現在位置を表す現在位置情報(座標データ)と、検索して取得したナビイベント情報(座標データ)とを、LANインターフェース15を介してゲートウェイコンピュータ40に出力する。
サスペンションECU23においては、LANインターフェース27を介して、ゲートウェイコンピュータ40にアクセスする。そして、サスペンションECU23は、ナビゲーションECU11によって出力されて、ゲートウェイコンピュータ40に一時的に記憶されている現在位置情報およびナビイベント情報を取得する。このように、現在位置情報およびナビイベント情報を取得すると、サスペンションECU23は、ステップS13に進む。
ステップS13においては、サスペンションECU23は、前記ステップS12にて取得した現在位置情報およびナビイベント情報に基づき、自車両の現在位置から進行方向前方の所定距離L0以内に路面に凹凸部分が存在するか否か、言い換えれば、ナビイベント開始地点が存在するか否かを判定する。すなわち、サスペンションECU23は、自車両の現在位置から所定距離L0以内にナビイベント開始地点が存在していなければ、「No」と判定してステップS25に進み、事前作動制御開始時点設定プログラムの実行を一旦終了する。そして、所定の短時間の経過後、サスペンションECU23は、ふたたび、ステップS10にてプログラムの実行を開始する。
一方、サスペンションECU23は、自車両の現在位置から所定距離L0以内にナビイベント開始地点が存在していれば、「Yes」と判定してステップS14に進む。ステップS14においては、サスペンションECU23は、自車両の現在位置から進行方向前方にナビイベント開始地点が存在しており、ショックアブソーバ21の減衰力を予め「ハード」から「ノーマル」に切り替える必要があるため、事前作動制御フラグPCFを「1」に設定し、ステップS15に進む。
ステップS15においては、後述するように、自車両の進行方向前方における所定距離L0以内にナビイベント開始地点が存在することを判定してから、より詳しくは、事前作動制御フラグPCFが「1」に設定されてから自車両の走行距離を計算するために用いるカウンタ値Kの値を「0」に設定する。そして、続く、ステップS16にて、サスペンションECU23は、カウンタ値Kの「1」だけインクリメントし、ステップS17に進む。
ステップS17においては、サスペンションECU23は、走行中の車両がナビイベント開始地点に到達するまでの間に発生する走行距離のばらつき距離L3を計算する。具体的に説明すると、車両が走行しているときには、実際の自車両の現在位置と検出された自車両の現在位置との間の検出精度に起因した距離の誤差や、検出された自車両の現在位置とナビゲーション装置10の記憶装置14に記憶されている地図上における自車両の現在位置との間の一致精度に起因した距離の誤差などが生じ、サスペンションECU23が把握する自車両の走行距離にばらつきが発生する。
ここで、自車両の現在位置の検出誤差は、例えば、GPSによる位置補正などによって、実際の自車両の現在位置と一致するように位置補正されるようになっている。また、地図上における自車両の現在位置と検出した自車両の現在位置との一致誤差は、例えば、交差点での右左折時の屈曲路補正、コーナ走行時でのコーナ補正などによって、実際の自車両の現在位置と一致するように位置補正されるようになっている。
しかしながら、自車両が、例えば、高速道路のように、長い直線路を走行中であるときには、上述した補正が十分に行われず、実際の走行距離に対して生じる誤差は、直線路の走行距離に比例して所定の割合で累積する傾向にある。このため、サスペンションECU23は、実際に自車両が走行した走行距離に対して発生した誤差の総和を推定することによってばらつき距離L3を計算する。
具体的に説明すると、サスペンションECU23は、EEPROM内に予め記憶されたばらつき距離テーブルを参照して、ばらつき距離L3を計算する。ここで、ばらつき距離テーブルは、自車両の現在位置とナビイベント開始地点との間の距離が所定距離L0となった時点からの走行距離L(K・ΔT)に応じたばらつき距離を記憶したものであり、自車両の現在位置とナビイベント開始地点との間の距離が所定距離L0となる以前に車両が走行した既走行距離Lに応じたばらつき距離をも考慮に入れて予め設定されている。なお、時間ΔTは、この事前作動制御開始時点設定プログラムの演算周期を表す。
そして、サスペンションECU23は、図7に示すように、複数の代表的な既走行距離Lごとに車両の走行距離L(K・ΔT)の増加に従って線形増加するばらつき距離L3を記憶したばらつき距離テーブルを用い、これら記憶された既走行距離L間を適切に補完することによって、適切なばらつき距離L3を計算する。ここで、ばらつき距離L3の大きさは、既走行距離Lが長いほど大きくなる特性を有している。このように、サスペンションECU23は、ばらつき距離テーブルを用いてばらつき距離L3を計算すると、ステップS18に進む。
なお、ばらつき距離L3の計算にあたっては、ばらつき距離テーブルを参照することに代えてまたは加えて、既走行距離Lおよび走行距離L(K・ΔT)に応じて変化するばらつき距離L3を関数により予め定義しておき、同関数を用いてばらつき距離L3を計算するようにしてもよい。また、ばらつき距離L3としては、ナビゲーション装置10のナビゲーションECU11が、実際に車両が走行した際の走行距離に対する誤差を計算し、時刻(K・ΔT)における誤差量をサスペンションECU23に供給するようにしてもよい。
ステップS18においては、サスペンションECU23は、アクチュエータ21eの作動応答遅れ時間T0および車両の前後方向の加速度αを用いた下記式1に従って、作動応答遅れ時間T0内に車両が走行する距離としての応答距離L4を計算する。
L4=V(K・ΔT)・T0+(α・T02)/2 …式1
ただし、前記式1中における作動応答遅れ時間T0は、アクチュエータ21eの機械的な応答遅れ時間および電気的な応答遅れ時間の総和を表し、予め設定された所定値である。なお、この作動応答遅れ時間T0には、アクチュエータの種類に応じて、例えば、システムをセンシングするための時間の含み得るものである。
また、前記式1中におけるV(K・ΔT)は、カウンタ値Kのインクリメントごとすなわち時刻(K・ΔT)ごとに車速センサ24によって検出される車速を表す。また、加速度αは、車両が走行を開始してから検出された加速度のうち加速側の最大値を表す。なお、加速度αとしては、例えば、車両において予め設定された最大加速度の値を用いてもよい。
このように、アクチュエータ21eの作動応答遅れを考慮した応答距離L4を計算することにより、車両がナビイベント開始地点を通過するときに適切にアクチュエータ21eを作動させることができる。すなわち、車両は、アクチュエータ21eの作動応答遅れ時間T0の経過中も走行している。したがって、車両が応答距離L4を走行している間も、アクチュエータ21eを事前作動制御しておくことにより、本作動制御に移行するときのアクチュエータ21eの作動応答遅れに起因した本作動の遅れの発生を効果的に低減することができる。そして、サスペンションECU23は、応答距離L4を計算すると、ステップS19に進む。
ステップS19においては、カウント値Kのインクリメントごとの今回走行距離L1newを下記式2に従って計算する。
L1new=V(K・ΔT)・ΔT …式2
そして、サスペンションECU23は、続くステップS20にて、前回までの累積走行距離L1oldに対して、前記ステップS19にて計算した今回走行距離L1newを加算し、この加算値をカウント値Kのインクリメントを開始してからの走行距離L1として設定する。なお、累積走行距離L1oldは、初期設定として「0」に設定されるものである。このように、ステップS20にて走行距離L1を計算すると、サスペンションECU23は、続くステップS21にて、次回の走行距離L1の計算のために、計算した今回までの走行距離L1を累積走行距離L1oldに更新し、ステップS22に進む。
ステップS22においては、サスペンションECU23は、ナビイベント開始地点までの所定距離L0、事前作動制御距離L2および今回走行距離L1newを用いて、下記式3に従ってカウント値Kのインクリメントが開始されてから事前作動制御が開始されるまでの残存距離L1*を計算する。
L1*=L0−(L2+L1new)=L0−(L3+L4+L1new) …式3
ステップS23においては、サスペンションECU23は、車両の走行距離L1が残存距離L1*よりも大きいか否かを判定する。すなわち、サスペンションECU23は、車両の走行距離L1が残存距離L1*よりも大きくなっていなければ、「No」と判定してステップS25に進み、本プログラムの実行を一旦終了する。そして、所定の短時間の経過後、サスペンションECU23は、ふたたび、ステップS10にて事前作動制御開始時点設定プログラムの実行を開始する。一方、サスペンションECU23は、車両の走行距離L1が残存距離L1*よりも大きくなっていれば、「Yes」と判定してステップS24に進む。
ステップS24においては、アクチュエータ21eの制御情報であるサスペンションコントロールフラグSCFの設定値を「1」に設定する。ここで、サスペンションコントロールフラグSCFは、後述する減衰力制御プログラムに実行に際して、「0」に設定されることにより、通常作動制御すなわちショックアブソーバ21の減衰力が「ハード」となるようにアクチュエータ21eを作動制御することを表し、「1」に設定されることにより、アクチュエータ21eを事前作動制御することを表し、さらに、「2」に設定されることにより、後述するようにアクチュエータ21eを本作動制御することを表す。
そして、サスペンションECU23は、サスペンションコントロールフラグSCFの設定値を「1」に設定すると、ステップS25に進み、本プログラムの実行を一旦終了する。そして、所定の短時間の経過後、サスペンションECU23は、ふたたび、ステップS10にて事前作動制御開始時点設定プログラムの実行を開始する。
ここで、前記ステップS23において、事前作動制御が開始されるまでの残存距離L1*を(L0−(L3+L4))とせず、前記ステップS24において、車両の走行距離L1と(L0−(L3+L4))とを比較しないのは、以下の理由による。
すなわち、例えば、図2に示すように、自車両の現在位置のばらつき距離L3および応答距離L4の加算値を事前作動制御距離L2に設定した場合において、図8に示すように、L1>L0−(L3+L4)を満たす最小のカウント値Kの値がnとすると、カウント値Kが(n−1)の時点でアクチュエータ21eの事前作動制御を開始させることで、事前作動制御距離L2の開始地点に対する制御遅れが生じなくなる。ここで、カウント値Kのインクリメントが開始されてから事前作動制御が開始されるまでの経過時間T1は下記式4によって表すことができる。
(n−1)・ΔT≦T1<n・ΔT …式4
ところが、カウント値Kが(n−1)の時点はカウント値Kがnとならないと特定できない時点であるため、結局のところカウント値Kがnとなってからアクチュエータ21eの事前作動制御を開始することになる。この場合、実際には、カウント値Kが(n−1)の時点でL1>L0−(L3+L4)となる関係が成立しているため、事前作動制御の開始が1演算周期であるΔTだけ遅れる。この制御遅れを解消するために、前記式3で示したように、時間ΔTにおける今回走行距離L1newを考慮に入れる。これにより、L1>L0−(L3+L4+L1new)を満たした時点で、アクチュエータ21eの事前作動制御を開始させることができ、事前作動距離L2の開始地点に対する制御遅れを生じないようにすることができる。
次に、図4に示す事前作動制御延長プログラムについて説明する。この事前作動制御延長プログラムは、事前作動制御を車両が実際に路面凹凸部分の存在する地点に到達するまで延長して維持するためプログラムであり、事前作動制御を延長するための延長距離L5を計算するプログラムである。以下、この事前作動制御延長プログラムを詳細に説明する。
上述したように、自車両の現在位置を検出するときには検出精度に起因した検出誤差が生じ、検出した自車両の現在位置と地図上の自車両の現在位置との間には一致精度に起因した一致誤差が生じる。このように、必然的に発生する誤差は、ナビゲーションECU11から供給されてサスペンションECU23が取得したナビイベント開始地点に対しても影響する。すなわち、検出した自車両の現在位置と地図上の自車両の現在位置との間の一致精度(以下、この一致精度をマップマッチング精度という)が悪化した場合には、サスペンションECU23が、未だ車両がナビイベント開始地点に到達していないにもかかわらずアクチュエータ21eを事前作動制御状態から本作動制御状態に切り替えたり、実際に車両が路面の凹凸部分に到達しているにもかかわらずアクチュエータ21eを事前作動制御状態で維持したりする場合がある。
このため、マップマッチング精度を考慮して、より具体的には、ナビゲーションECU11から取得したナビイベント開始地点の確からしさを考慮して、アクチュエータ21eを事前作動制御状態から本作動制御状態に切り替える必要がある。したがって、サスペンションECU23は、図2に示すように、事前作動制御を適切に延長するための延長距離L5を設定する事前作動制御延長プログラムを実行する。以下、具体的に説明する。
事前作動制御延長プログラムは、図4に示すように、ステップS50にて、その実行が開始され、ステップS51にて、サスペンションECU23は、ナビゲーション装置10から自車両の現在位置を表す現在位置情報、自車両が存在する道路に関する道路種別データ、自車両が存在する道路に関する道路形状データおよびナビイベント情報を取得する。具体的に説明すると、ナビゲーション装置10のナビゲーションECU11は、GPS受信機12、ジャイロスコープ13および車速センサ24によって検出された車速を用いて、自車両の現在位置を検出する。
また、ナビゲーションECU11は、検出した自車両の現在位置に基づき、記憶装置14に記憶されている道路種別データおよび道路形状データを検索する。さらに、ナビゲーションECU11は、検出した自車両の現在位置と自車両の進行方向に基づき、記憶装置14に記憶されている進行方向前方に存在するナビイベント開始地点を検索してナビイベント情報を取得する。そして、ナビゲーションECU11は、検出した自車両の現在位置を表す現在位置情報(座標データ)と、道路種別データおよび道路形状データと、ナビイベント情報(座標データ)とを、LANインターフェース15を介してゲートウェイコンピュータ40に出力する。
サスペンションECU23においては、LANインターフェース27を介して、ゲートウェイコンピュータ40にアクセスする。そして、サスペンションECU23は、ナビゲーションECU11によって出力されて、ゲートウェイコンピュータ40に一時的に記憶されている現在位置情報(座標データ)と、道路種別データおよび道路形状データと、ナビイベント情報(座標データ)とを取得する。このように、各情報を取得すると、サスペンションECU23は、ステップS52に進む。
ステップS52においては、サスペンションECU23は、マップマッチング精度の信頼度Sを計算する。すなわち、サスペンションECU23は、ナビゲーションECU11から取得した自車両の前後方向における現在位置の検出精度を表す検出信頼度S1、自車両の存在する道路の正確さを表す道路一致信頼度S2およびその他の想定される誤差発生要因により生じる誤差の影響の大きさを表すその他信頼度S3を演算して、トータルの信頼度Sを計算する。
具体的に説明すると、検出信頼度S1は、例えば、実際の自車両の現在位置に対して検出された自車両の現在位置を一致させるための補正量に応じてX段階(複数段階)に区分されており、補正量が小さいほど検出精度すなわち検出信頼度S1が高いとして大きな値に設定され、補正量が大きいほど小さな値に設定されるものである。道路一致信頼度S2は、ナビゲーションECU11から自車両の現在位置とともに供給される道路種別データや道路形状データなどに応じてY段階(複数段階)に区分されており、例えば、高速道路のように一本道でわき道がない道路を走行中であれば道路一致信頼度S2が高いとして大きな値に設定され、道路の分岐地点を走行中であれば小さい値に設定されるものである。その他信頼度S3は、例えば、自車両の検出精度を悪化させる要因(衛星からの電波受信状況など)に応じてZ段階(複数段階)に区分されており、検出精度への影響が小さい要因ほどその他信頼度S3は大きな値に設定され、検出精度への影響が大きい要因ほど小さな値に設定されるものである。
そして、サスペンションECU23は、検出信頼度S1、道路一致信頼度S2およびその他信頼度S3の各段階を設定した後、これら設定した各信頼度S1,S2,S3を、例えば、加算または乗算して、トータルの信頼度Sを計算する。なお、この信頼度Sの計算においては、各信頼度S1,S2,S3に所定の係数を乗算してから和や積を取るようにしてもよい。そして、サスペンションECU23は、信頼度Sを計算すると、ステップS53に進む。
ステップS53においては、サスペンションECU23は、後述する信頼度Sと延長距離L5との相関を表す回帰直線Mの算出(学習)が完了したか否かを表す学習完了フラグLFの設定値が「0」であるか否かを判定する。ここで、学習完了フラグLFは、「0」に設定されることにより、信頼度Sと延長距離L5との相関を表す回帰直線Mの算出が完了していない、言い換えれば、信頼度Sと延長距離L5との相関を表す回帰直線Mが未だ学習できていないことを表す。また、学習完了フラグLFは、「1」に設定されることにより、信頼度Sと延長距離L5との相関を表す回帰直線Mの算出が完了、言い換えれば、信頼度Sと延長距離L5との相関が学習できたことを表す。
そして、サスペンションECU23は、学習完了フラグLFの設定値が「0」であれば、「Yes」と判定してステップS54に進む。一方、学習完了フラグLFの設定値が「1」であれば、「No」と判定してステップS59に進む。
ステップS54においては、サスペンションECU23は、予め固定値として設定された延長距離L5'を設定する。この延長距離L5'は、例えば、上述した検出信頼度S1、道路一致信頼度S2およびその他信頼度S3がそれぞれ最小値に設定された場合を想定して大きな値、すなわち、事前作動制御がより長くなるように設定されるものである。そして、サスペンションECU23は、延長距離L5'を設定すると、ステップS55に進む。
ステップS55においては、サスペンションECU23は、信頼度Sと上述した応答距離L4を走行した車両が実際に路面の凹凸部分が存在する存在地点に到達するまでの距離Lsとの間の相関係数Rを計算する。すなわち、サスペンションECU23は、同一のナビイベント開始地点近傍を車両が複数回(少なくとも、3回以上)通過するときの信頼度Sと距離Lsとの相関係数Rを計算する。
具体的に説明すると、サスペンションECU23は、後述する事前作動制御終了時点設定プログラムの実行と並行して、前記ステップS54にて設定した延長距離L5'を車両が通過しているときに、上下加速度センサ26によって検出された上下方向の加速度βを入力する。そして、車両が路面の凹凸部分を通過したときに検出された加速度βが、車体に発生する上下方向の設定加速度βs以上となる(すなわち図2における実本作動制御開始時点T3に相当)までの距離Lsを下記式5に従って計算する。
Figure 2008049862
ただし、前記式5中のV(K・ΔT)は、時刻(K・ΔT)のときに車速センサ24によって検出された車速である。なお、Kは事前作動制御プログラムと同期的に実行される上記事前作動制御開始時点設定プログラムにおけるカウント値であって応答距離L4を通過した後も引き続きインクリメントされるカウント値を表す。また、ΔTは事前作動制御プログラムの実行周期であって上記事前作動制御開始時点設定プログラムおよび後述する事前作動制御終了時点設定プログラムと同一の実行周期を表す。また、前記式5中のmL4は、応答距離L4を通過した時点におけるカウント値Kの値を表す。
そして、サスペンションECU23は、前記ステップS52にて計算した信頼度Sと前記計算した距離Lsとの相関係数Rを図9にて黒丸示すように計算する。そして、サスペンションECU23は、計算した相関係数Rとナビイベント開始地点(座標データ)とを互いに関連付けて、EEPROM内の所定記憶位置に記憶する。なお、互いに関連付けた相関係数Rとナビイベント開始地点(座標データ)とを、例えば、ゲートウェイコンピュータ40を介して、ナビゲーション装置10の記憶装置14の所定記憶位置に記憶するようにしてもよい。この場合において、次回、同一のナビイベント開始地点を通過する際には、ナビゲーションECU11は、ナビイベント開始地点(座標データ)とともに対応する相関係数Rを、ゲートウェイコンピュータ40を介して、サスペンションECU23に供給するようにするとよい。
このように、相関係数Rを計算すると、サスペンションECU23は、ステップS56にて、計算した相関係数Rが予め設定された信頼度Sと距離Lsとの相関性を表す所定値R0以上であるか否かを判定する。すなわち、サスペンションECU23は、同一のナビイベント開始地点近傍にて複数回にわたり計算された相関係数Rが所定値R0以上であれば、信頼度Sと距離Lsとの間に明確な相関性が認められるため、「Yes」と判定してステップS57に進む。
一方、計算した相関係数Rが所定値R0未満であれば、信頼度Sと距離Lsとの間に明確な相関性が認められないため、「No」と判定してステップS60に進み、本プログラムの実行を終了する。そして、ふたたび、同一のナビイベント開始地点近傍を車両が走行するときに、事前作動制御延長プログラムのステップS51からステップS55の各処理を実行し、計算した相関係数Rが所定値R0以上となるまで、すなわち、相関係数Rと距離Lsとの間に明確な相関性が認められるまで、繰り返し相関係数Rを計算(学習)する。
ステップS57においては、サスペンションECU23は、相関係数Rが所定値R0となったときの信頼度Sと距離Lsとの間の回帰直線Mを計算する。なお、この回帰直線Mの計算にあたっては、周知の計算方法を採用することができ、例えば、最小二乗法によって計算できる。そして、サスペンションECU23は、回帰直線Mを計算すると、例えば、計算した回帰直線MをEEPROM内の所定記憶位置にナビイベント開始地点(座標データ)と関連付けて記憶する。
なお、この場合においても、互いに関連付けられた回帰直線Mとナビイベント開始地点(座標データ)とを、ゲートウェイコンピュータ40を介して、ナビゲーション装置10の記憶装置14の所定記憶位置に記憶するようにしてもよい。この場合、ナビゲーションECU11は、ナビイベント開始地点(座標データ)とともに対応する回帰直線Mを、ゲートウェイコンピュータ40を介して、サスペンションECU23に供給するようにするとよい。ステップS57にて、学習完了フラグLFの設定値を、学習の完了を表す「1」に設定し、ステップS60にて、事前作動制御延長プログラムの実行を終了する。
一方、前記ステップS53にて、学習完了フラグLFが「1」であれば、信頼度Sと距離Ls(すなわち、延長距離L5)との相関に関する学習が完了しているため、サスペンションECU23は「No」と判定してステップS59に進む。ステップS59においては、サスペンションECU23は、上述したように計算した回帰直線Mを用いて、前記ステップS52にて計算した信頼度Sに対応する適切な延長距離L5を計算する。具体的に説明すると、サスペンションECU23は、車両の進行方向前方におけるナビイベント開始地点に対応してEEPROM内に記憶した回帰直線Mを読み出す。これにより、サスペンションECU23は、回帰直線Mを用いて、計算した信頼度Sに対応する延長距離L5を計算して決定する。そして、サスペンションECU23は、延長距離L5を決定すると、ステップS60にて、事前作動制御延長プログラムの実行を終了する。
次に、図5に示す事前作動制御終了時点設定プログラムについて説明する。この事前作動制御終了時点設定プログラムは、アクチュエータ21eの事前作動制御終了時点を設定するとともに、アクチュエータ21eの本作動制御開始時点を設定するものである。具体的に説明すると、サスペンションECU23は、ステップS70にて、本プログラムの実行を開始し、ステップS71にて事前作動制御フラグPCFの設定値が「1」であるか否かを判定する。
すなわち、サスペンションECU23は、事前作動制御フラグPCFの設定値が「1」であれば、「Yes」と判定してステップS72に進む。一方、事前作動制御フラグPCFの設定値が「0」であれば、サスペンションECU23は「No」と判定してステップS78に進み、事前作動制御終了時点設定プログラムの実行を一旦終了する。そして、事前作動制御開始時点設定プログラムの実行によって、自車両の現在位置とナビイベント開始地点との間の距離が所定距離L0以下となり前記ステップS14にて事前作動制御フラグPCFの設定値が「1」に設定されるまで、サスペンションECU23はステップS71にて「No」と判定し続ける。
ステップS72においては、サスペンションECU23は、上述した事前作動制御延長プログラムの実行により、学習完了フラグLFの設定値を「1」に設定しているか否かを判定する。そして、サスペンションECU23は、学習完了フラグLFの設定値を「1」に設定していれば、「Yes」と判定してステップS73に進む。
ステップS73においては、サスペンションECU23は、上述した事前作動制御開始時点設定プログラムのステップS21にて計算した走行距離L1が、所定距離L0に対して上述した事前作動制御延長プログラムのステップS59にて計算した延長距離L5を加算した距離以上となったか否かを判定する。この場合においては、学習完了フラグLFの設定値が「1」となっているため、上述したように、延長距離L5は回帰直線Mを用いて計算される。すなわち、ナビイベント開始地点の確からしさを十分に考慮した延長距離L5が計算される。したがって、走行距離L1と距離(L0+L5)とを比較することによって、事前作動制御の終了時点を極めて正確に設定することができ、その結果、本作動制御を精度よく開始することができる。
すなわち、サスペンションECU23は、走行距離L1が未だ距離(L0+L5)未満であるときには、事前作動制御を継続する必要があるために「No」と判定し、ステップS78にて本プログラムの実行を一旦終了する。そして、所定の短時間の経過後、ふたたび、ステップS70にて、事前作動制御終了時点設定プログラムの実行を開始する。一方、走行距離L1が距離(L0+L5)以上であれば、サスペンションECU23は「Yes」と判定してステップS76に進む。
一方、前記ステップS72にて、学習完了フラグLFの設定値を「0」に設定していれば、サスペンションECU23は「No」と判定してステップS74に進む。ステップS74においては、サスペンションECU23は、上述した事前作動制御開始時点設定プログラムのステップS21にて計算した走行距離L1が、所定距離L0に対して上述した事前作動制御延長プログラムのステップS55にて設定した固定値としての延長距離L5'を加算した距離以上となったか否かを判定する。
この場合においては、学習完了フラグLFの設定値が「0」となっているため、上述したように、予め設定された固定値としての延長距離L5'が設定される。すなわち、ナビイベント開始地点の確からしさが未だ不明確であるため、より長い延長距離L5'が設定される。このように、延長距離L5'を設定することにより、車両が実際に路面の凹凸部分を通過する可能性が高くなり、サスペンションECU23は、ナビイベント開始地点と実際の路面凹凸部分の存在地点との一致精度すなわちマップマッチング精度の信頼度Sと延長距離L5との相関を早期に学習することができる。これにより、サスペンションECU23は、ナビイベント開始地点の確からしさを十分に考慮した延長距離L5を計算できるようになり、その結果、本作動制御を精度よく開始することができる。
そして、サスペンションECU23は、走行距離L1が未だ距離(L0+L5')未満であるときには、事前作動制御を継続するために「No」と判定し、ステップS75に進む。一方、サスペンションECU23は、走行距離L1が距離(L0+L5')以上であれば、「Yes」と判定してステップS76に進む。
ステップS75においては、サスペンションECU23は、上下加速度センサ26によって検出された上下方向の加速度βを入力する。そして、検出された加速度βが、車両が路面の凹凸部分を通過したときに車体に発生する上下方向の設定加速度βs以上となったか否かを判定する。すなわち、サスペンションECU23は、延長距離L5'を走行中に、車両が路面凹凸部分の存在位置に到達して設定加速度βs以上の上下方向の加速度βが入力していれば、本作動制御に切り替えるために「Yes」と判定してステップS76に進む。一方、検出された加速度βが設定加速度βs未満であれば、事前作動制御を継続するために「No」と判定してステップS78に進み、本プログラムの実行を一旦終了する。そして、所定の短時間の経過後、ふたたび、ステップS70にて、事前作動制御終了時点設定プログラムの実行を開始する。
ステップS76においては、サスペンションECU23は、事前作動制御を終了するために、事前作動制御フラグPCFを「0」に設定する。そして、サスペンションECU23は、続くステップS77にて、サスペンションコントロールフラグSCFを、アクチュエータ21eを本作動制御することを表す「2」に設定し、ステップS78にて、事前作動制御終了時点設定プログラムの実行を終了する。
次に、図6に示す減衰力制御プログラムについて説明する。この減衰力制御プログラムは、サスペンションコントロールフラグSCFの設定値に応じて、ショックアブソーバ21により発生される減衰力を「ハード」、「ノーマル」および「ソフト」のうちのいずれか一つのモードに設定するものである。具体的に説明すると、サスペンションECU23は、ステップS100にて減衰力制御プログラムの実行を開始し、ステップS101にてサスペンションコントロールフラグSCFの設定値が「1」であるか否かを判定する。
すなわち、サスペンションECU23は、サスペンションコントロールフラグSCFの設定値が「1」であるときには、アクチュエータ21eを事前作動制御する必要があるため、「Yes」と判定してステップS102に進む。ステップS102においては、サスペンションECU23は、アクチュエータ21eを事前作動制御、すなわち、ショックアブソーバ21の減衰力を「ハード」から「ノーマル」に切り替える。そして、サスペンションECU23は、ステップS105に進み、本プログラムの実行を一旦終了し、所定の短時間の経過後、ふたたび、ステップS100にて、減衰力制御プログラムの実行を開始する。
一方、前記ステップS101にて、サスペンションコントロールフラグSCFの設定値が「1」でなければ、サスペンションECU23は「No」と判定してステップS103に進む。ステップS103においては、サスペンションECU23は、サスペンションコントロールフラグSCFの設定値が「2」であるか否かを判定する。すなわち、サスペンションECU23は、サスペンションコントロールフラグSCFの設定値が「2」であるときには、アクチュエータ21eを本作動制御する必要があるため、「Yes」と判定してステップS104に進む。ステップS104においては、サスペンションECU23は、アクチュエータ21eを本作動制御、すなわち、事前作動制御によって「ノーマル」に設定されているショックアブソーバ21の減衰力を「ソフト」に切り替える。そして、サスペンションECU23は、ステップS105に進み、本プログラムの実行を一旦終了し、所定の短時間の経過後、ふたたび、ステップS100にて、減衰力制御プログラムの実行を開始する。
一方、前記ステップS103にて、サスペンションコントロールフラグSCFの設定値が「2」ではない、すなわち、フラグSCFの設定値が「0」であるときには、事前作動制御および本作動制御する必要がないため、サスペンションECU23は「No」と判定して、ステップS105にて本プログラムの実行を一旦終了する。この場合においては、サスペンションECU23は、ショックアブソーバ21の減衰力を「ハード」に設定して維持する。
ここで、サスペンションECU23は、本作動制御する際に、図示しないプログラムの実行によって、検出された自車両の現在位置(座標データ)とナビイベント情報によって表されるナビイベント開始地点(座標データ)とを比較するようになっている。そして、サスペンションECU23は、自車両の現在位置がナビイベント開始地点を所定距離だけ越えた時点で、ショックアブソーバ21の減衰力を「ソフト」から「ハード」に切り替えるとともに、サスペンションコントロールフラグSCFの設定値を「0」に再設定するようになっている。
なお、この場合、自車両の現在位置とナビイベント開始地点とを比較することに代えてまたは加えて、例えば、上下加速度センサ26によって検出される車体上下方向の加速度βと平坦路を走行するときに発生する所定の設定加速度βtとを比較するように実施することも可能である。この場合においては、サスペンションECU23は、検出加速度βが所定の設定加速度βtよりも小さくなった時点で、ショックアブソーバ21の減衰力を「ソフト」から「ハード」に切り替えるとともに、サスペンションコントロールフラグSCFを「0」に再設定するようにするとよい。
以上の説明からも理解できるように、本実施形態によれば、サスペンションECU23がナビゲーションECU11からナビイベント開始地点を表すナビイベント情報を取得した時点から本作動制御開始時点T2までの間に事前作動制御開始時点T1を設定することができる。そして、事前作動制御開始時点T1以降においては、事前作動制御により、アクチュエータ21eの動作状態を、車両の挙動を的確に変更し得る動作状態、すなわち、ショックアブソーバ21の減衰力が「ノーマル」となるように保持する動作状態で維持することができる。
また、本作動制御開始時点T2の精度(すなわち、確からしさ)に応じて、事前作動制御開始時点T1と本作動制御開始時点T2とによって決定される事前作動制御期間を、事前作動制御開始時点T1と実本作動制御開始時点T3とによって決定される事前作動制御期間に変更することができる。したがって、アクチュエータ21eの動作状態を、実本作動制御開始時点T3となるまで、ショックアブソーバ21の減衰力が「ノーマル」となるように保持する動作状態で維持ことができる。その結果、実本作動制御開始時点T3以降において、アクチュエータ21eを本作動制御するときの実効を確実に得ることができ、車両に生じた上下振動を的確に減衰させて車両の乗り心地を向上させることができる。
また、検出された自車両の現在位置と地図上の車両の現在位置との一致精度を表す信頼度Sを、自車両の現在位置の検出信頼度S1、自車両が存在する実際の道路と前記地図情報によって表される地図上の道路との道路一致信頼度S2およびその他信頼度S3とに基づいて計算することができる。そして、計算された信頼度Sと、応答距離L4を走行した後の本作動制御開始時点T2と実本作動制御開始時点T3との時間差、言い換えれば、応答距離L4を走行した後上下方向の加速度βが所定加速度βs以上となるまでの距離Lsとを用いて、これら信頼度Sと距離Ls(時間差)との間の相関係数Rを計算することができる。また、この相関係数Rに基づいて計算される回帰直線Mを用いて、事前作動制御開始時点T1と本作動制御開始時点T2とによって決定される事前作動制御期間を変更するための延長距離L5を計算することができる。
これにより、本作動制御開始時点T2の確からしさを良好に反映して、事前作動制御開始時点T1と本作動制御開始時点T2とによって決定される事前作動制御期間を、延長距離L5を計算することにより、延長して変更することができる。したがって、アクチュエータ21eの動作状態を、実本作動制御開始時点T3となるまで、ショックアブソーバ21の減衰力が「ノーマル」となるように保持する動作状態で最適に維持することができる。その結果、実本作動制御開始時点T3以降において、アクチュエータ21eを本作動制御するときの実効をより確実に得ることができ、車両に生じた上下振動を的確に減衰させて車両の乗り心地を向上させることができる。
また、ナビイベント情報を取得した時点で特定される本作動制御開始時点T2を基準として、ばらつき距離L3および応答距離L4を決定し、事前作動制御開始時点T1を決定することができる。このため、極めて良好かつ適切に、事前作動制御開始時点T1と本作動制御開始時点T2とによって決定される事前作動制御期間を設定することができる。これにより、アクチュエータ21eを必要かつ十分に事前作動制御ことができ、アクチュエータ21eの無駄な作動を大幅に低減することができる。したがって、アクチュエータ21eを良好な作動状態により、長期間にわたり使用することができる。
また、アクチュエータ21eの事前作動制御時の作動制御量は、減衰力を「ハード」から「ノーマル」へ切り換えるのに必要な制御量であり、この制御量は、減衰力を一段階で「ハード」から「ソフト」へ切り換えるのに必要なアクチュエータ21eの本作動制御時の作動制御量より小さく設定されている。これにより、アクチュエータ21eの事前作動制御に伴う無用な減衰特性の変更を良好に抑制することができる。
ここで、上記実施形態においては、ナビゲーション装置10のナビゲーションECU11からサスペンションECU23に供給されるナビイベント開始地点(座標データ)を更新することなく実施するようにした。しかしながら、事前作動制御延長プログラムの実行によってマップマッチング精度の信頼度Sと距離Lsとの相関が学習された後において、例えば、同一のナビイベント開始地点に対する延長距離L5がほぼ一定となる場合には、ナビゲーション装置10の記憶装置14に記憶されている道路特性データ(座標データ)を更新して記憶するようにしてもよい。
この場合、上下加速度センサ26によって上下方向の加速度βが設定加速度βs以上となる地点すなわち実本作動制御開始時点T3に相当する地点の座標データを用いて、道路特性データ(座標データ)が更新されるとよい。これにより、ナビゲーションECU11から供給されるナビイベント開始地点の地図精度を向上させることができ、例えば、更新されたナビイベント開始地点においては、事前作動制御延長プログラムを実行する頻度を低下させることができる。したがって、サスペンションECU23の計算負担を軽減することができる。
本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、減衰力を3段階に切り替え可能なショックアブソーバ21を採用して実施した。しかし、減衰力を3段階以上の複数段階に切り替え可能なショックアブソーバを採用して実施可能であることはいうまでもない。
また、上記実施形態では、ナビイベント開始地点として、路面の凹凸部分が始まる地点である場合について実施したが、これに加えてまたは代えて、ナビイベント開始地点が、例えば、路面上に段差が存在する位置、コーナが始まる位置などである場合についても、上記実施形態と同様にして、ショックアブソーバの減衰力を変更することが可能である。
また、上記実施形態では、ナビイベント開始地点に応じてショックアブソーバの減衰力を予め変更するように実施したが、これに加えてまたは代えて、例えば、捩れ角がアクチュエータにより変更され得るスタビライザバーを用いて、車両が路面の凹凸部分や段差、コーナに差し掛かる前に、スタビライザバーの捩り剛性を予め高く変更するように実施することも可能である。
また、上記実施形態では、挙動制御装置が減衰力を変更可能なショックアブソーバを有するサスペンション装置を備える構成として実施した。しかし、挙動制御装置としてはこれに限定されるものではなく、例えば、ブレーキ装置、パワーステアリング装置などを備えて車両の挙動を変更し得る種々の挙動制御装置に本発明を適用することが可能である。
この場合、挙動制御装置が、例えば、ブレーキ装置である場合には、ブレーキ装置が下り坂に差し掛かるときに車速を減速するように作動制御されるとよい。この場合には、例えば、ブレーキ油圧増圧アクチュエータとしての蓄圧式アキュムレータ内の油圧が、下り坂に差し掛かる前に予め所定の大きさまで増圧するように作動制御されるとよい。また、挙動制御装置が、例えば、パワーステアリング装置を備えている場合には、パワーステアリング装置が、例えば高速道路進入時やコーナ手前にてハンドル操舵力を所定の大きさだけ重くするために作動するように作動制御されるとよい。この場合には、操舵力アシストアクチュエータとしての電動モータの駆動トルクが、車速の増加に従って減少するように作動制御されるとよい。
さらに、上記実施形態においては、挙動制御装置が、ナビゲーション装置10を備える構成として実施した。しかしながら、自車両の現在位置を検出する現在位置検出機能と、検出した自車両の現在位置に応じた道路の特性に関する各種イベント情報を出力する道路特性出力機能とを備える他の装置を採用して挙動制御装置を構成し、本発明を適用可能であることはいうまでもない。
本発明の一実施形態に係る車両の挙動変更制御装置の全体を概略的に示したブロック図である。 図1のサスペンションECUによって実行されるアクチュエータの事前作動制御開始時点、事前作動制御終了時点などを示すタイムチャートである。 図1のサスペンションECUによって実行される事前作動制御開始時点設定プログラムを示すフローチャートである。 図1のサスペンションECUによって実行される事前作動制御延長プログラムを示すフローチャートである。 図1のサスペンションECUによって実行される事前作動制御終了時点設定プログラムを示すフローチャートである。 図1のサスペンションECUによって実行される減衰力制御プログラムを示すフローチャートである。 図1のサスペンションECU内に設けられたばらつき距離テーブルに記憶されている走行距離に対するばらつき距離の変化特性を示すグラフである。 図3の事前作動制御開始時点設定プログラムの実行により、アクチュエータの事前作動制御が開始される制御タイミングを示す説明図である。 図4の事前作動制御延長プログラムの実行により、マップマッチング精度の信頼度と延長距離との間の相関関係を示す説明図である。
符号の説明
10…ナビゲーション装置、11…ナビゲーションECU、12…GPS受信機、14…記憶装置、20…サスペンション装置、21…ショックアブソーバ、21d…可変絞り機構、21e…サスコントロールアクチュエータ、23…サスペンションECU、24…車速センサ、25…前後加速度センサ、26…上下加速度センサ

Claims (6)

  1. 自車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、地図情報と関連付けて道路の特性情報を記憶する記憶手段と、前記現在位置検出手段により検出された自車両の現在位置に基づいて車両の進行方向前方にて所定距離内の道路特性情報を前記記憶手段から取得する道路特性情報取得手段と、同道路特性情報取得手段が前記道路特性情報を取得した時点で車両の挙動を変更可能なアクチュエータの本作動制御開始時点を特定して同アクチュエータの作動を制御する本作動制御手段とを備えた車両の挙動制御装置において、
    前記道路特性情報取得手段が前記道路特性情報を取得した時点から前記本作動制御手段が前記アクチュエータの作動を開始させる前記特定された本作動制御開始時点までの間にて、前記アクチュエータの作動を開始させる事前作動制御手段と、
    前記特定された前記本作動制御開始時点の精度に応じて、前記事前作動制御手段による前記アクチュエータの事前作動制御期間を変更する事前作動制御期間変更手段を設けたことを特徴とする車両の挙動制御装置。
  2. 請求項1に記載した車両の挙動制御装置において、
    前記事前作動制御期間変更手段を、
    前記現在位置検出手段によって検出された自車両の現在位置と前記記憶手段に記憶された地図情報によって表される地図上の自車両の現在位置との一致精度を表す信頼度を計算する信頼度計算手段と、
    前記特定された本作動制御手段による本作動制御開始時点と前記本作動制御手段が車両の走行に伴って実際に道路特性に応じて前記アクチュエータの作動を開始する実本作動制御開始時点との時間差と、前記信頼度計算手段によって計算された信頼度との間の相関を計算する相関計算手段と、
    前記相関計算手段によって計算された相関に基づいて、前記事前作動制御手段による前記アクチュエータの事前作動制御期間を変更する変更手段とで構成したことを特徴とする車両の挙動制御装置。
  3. 請求項2に記載した車両の挙動制御装置において、
    前記信頼度計算手段は、
    前記現在位置検出手段による自車両の現在位置の検出精度と、自車両が存在する実際の道路と前記地図情報によって表される地図上の道路との一致精度とに少なくとも基づいて、前記信頼度を計算することを特徴とする車両の挙動制御装置。
  4. 請求項1に記載した車両の挙動制御装置において、
    前記事前作動制御手段が前記アクチュエータの作動を開始させる事前作動制御開始時点は、前記アクチュエータの作動応答遅れに応じて、前記特定された本作動制御手段による本作動制御開始時点を基準に設定されることを特徴とする車両の挙動制御装置。
  5. 請求項1に記載した車両の挙動制御装置において、
    前記事前作動制御手段が前記アクチュエータの作動を開始させる事前作動制御開始時点は、前記現在位置検出手段による自車両の現在位置の検出精度に応じて、前記特定された本作動制御開始時点を基準に設定されることを特徴とする車両の挙動制御装置。
  6. 請求項1に記載した車両の挙動制御装置において、
    前記事前作動制御手段による前記アクチュエータの作動制御量は、前記本作動制御手段による前記アクチュエータの作動制御量より小さく設定されることを特徴とする車両の挙動制御装置。
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