JP5169565B2 - 降坂路走行速度制御装置および降坂路走行速度制御方法 - Google Patents
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Description
本発明は、降坂路走行中の車両を目標車速に基づいて自動制動する降坂路走行速度制御装置および降坂路走行速度制御方法の技術分野に属する。
特許文献1には、降坂路走行中の車両を目標車速に基づいて自動制動する、いわゆるHDC(ヒルディセントコントロール)の作動中に運転者がアクセル操作を行った場合、HDCを解除することなく、車速を目標車速よりも高い車速まで加速させる技術が開示されている。
特表平10−507145号公報
降坂路では、運転者が一旦アクセルを踏み込むと、その後アクセルを踏み戻したとしても、路面勾配によって車速が上昇するが、上記従来技術では、この点に関して何ら考慮していない。したがって、上記従来技術にあっては、運転者がアクセルの踏み込みを停止したときの車速、すなわち、運転者の望む車速よりも実際の車速が高くなり、運転者の所望する車速と実際の車速とが乖離するという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、運転者の所望する車速と実際の車速との乖離を抑制できる降坂路走行速度制御装置および降坂路走行速度制御方法を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明の降坂路走行速度制御装置では、路面勾配が大きいほど、自動制動中のアクセル操作に対する駆動トルクの増加割合をより小さくすると共に、運転者がアクセルを踏み戻している間、踏み戻し直前の車速を維持する。
本発明では、運転者がアクセルを踏み戻している間は、踏み戻し直前の車速を維持するため、運転者の所望する車速と実際の車速との乖離を抑制できる。また、路面勾配が大きいほど、自動制動中のアクセル操作に対する駆動トルクの増加割合をより小さくするため、運転者の加速要求に応えつつ、過度な車速の上昇を抑制できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明する。
図1は、実施例1の降坂路走行速度制御装置を示す制御ブロック図である。なお、以下の説明において、FLは左前輪、FRは右前輪、RLは左後輪、RRは右後輪を表す。
実施例1の降坂路走行速度制御装置Aは、急勾配(例えば、10%以上)の降坂路(下り坂)において、ブレーキやアクセル操作なしに車両を目標車速にキープするヒルディセントコントロール(以下、HDC)を行うものである。
実施例1の降坂路走行速度制御装置Aは、急勾配(例えば、10%以上)の降坂路(下り坂)において、ブレーキやアクセル操作なしに車両を目標車速にキープするヒルディセントコントロール(以下、HDC)を行うものである。
降坂路走行速度制御装置Aは、HDCコントローラ(降坂路速度制御手段)1と、ブレーキコントローラ2と、エンジンコントローラ3と、液圧コントロールユニット(以下、HU)4と、ホイルシリンダ5FL,5FR,5RL,5RRと、エンジン6と、加速度センサ(以下、Gセンサ)7と、車輪速センサ8と、アクセル開度センサ9と、ブレーキペダルストロークセンサ10と、ヒルホールドコントロールスイッチ(以下、HDCSW)11とを備える。
まず、HDCコントローラ1に情報を送る各センサについて説明する。
Gセンサ7は、車両の前後方向加速度Gxを検出する。
車輪速センサ8は、図外の各車輪にそれぞれ設けられ、車輪の回転速度である車輪速VFL,VFR,VRL,VRRを検出する。
アクセル開度センサ9は、図外のアクセルペダルの開度を、例えば9段階(0/8〜8/8)で検出する。
ブレーキペダルストロークセンサ10は、図外のブレーキペダルのストローク量を検出する。
HDCSW11は、運転者がHDC機能を任意に作動(ON)/非作動(OFF)にすることができるスイッチであり、ONのときHDC要求信号RQ_HDC=1を出力し、OFFのときHDC要求信号RQ_HDC=0を出力する。
Gセンサ7は、車両の前後方向加速度Gxを検出する。
車輪速センサ8は、図外の各車輪にそれぞれ設けられ、車輪の回転速度である車輪速VFL,VFR,VRL,VRRを検出する。
アクセル開度センサ9は、図外のアクセルペダルの開度を、例えば9段階(0/8〜8/8)で検出する。
ブレーキペダルストロークセンサ10は、図外のブレーキペダルのストローク量を検出する。
HDCSW11は、運転者がHDC機能を任意に作動(ON)/非作動(OFF)にすることができるスイッチであり、ONのときHDC要求信号RQ_HDC=1を出力し、OFFのときHDC要求信号RQ_HDC=0を出力する。
次に、HDCコントローラ1について説明する。
HDCコントローラ1は、マイクロコンピュータ等であって、入力処理部21と、車両状態検出部22と、目標車速演算部(目標車速変更手段)23と、介入判断部24と、制御量演算部25とを機能(プログラム)として備える。
HDCコントローラ1は、マイクロコンピュータ等であって、入力処理部21と、車両状態検出部22と、目標車速演算部(目標車速変更手段)23と、介入判断部24と、制御量演算部25とを機能(プログラム)として備える。
入力処理部(路面勾配検出手段)21は、Gセンサ7により検出された前後方向加速度Gxから斜度(路面勾配)θを算出する。また、車輪速センサ8からの車輪速VFL,VFR,VRL,VRRから、車速(車体速)Vと、車速Vの単位時間当たりの変化量(速度変化量)ΔVを算出する。実施例1では、各車輪速VFL,VFR,VRL,VRRのセレクトハイにより車速Vを決定している。
ここで、単位時間は、入力処理部21がプログラムにて処理可能な最小時間とする。
ここで、単位時間は、入力処理部21がプログラムにて処理可能な最小時間とする。
車両状態検出部22は、斜度θ、車速V、速度変化量ΔVを入力して降坂路走行判定を行い、判定結果に応じた降坂判定フラグSlopeを出力する。車両状態検出部22は、斜度θの絶対値が固定パラメータ(降坂路判定角度しきい値)θ1以上である場合、車両が降坂路走行中であると判定し、降坂判定フラグSlope=1を出力する。ここで、固定パラメータθ1は、エンジンブレーキのみでは車両が加速するような斜度であって、例えば、10%とする。斜度θが固定パラメータθ1以上である状態が所定時間継続した場合、車両が降坂路走行中であると判定してもよい。
車両状態検出部22は、車両が降坂路走行中ではないと判定した場合、降坂判定フラグSlope=0を出力する。
車両状態検出部22は、車両が降坂路走行中ではないと判定した場合、降坂判定フラグSlope=0を出力する。
目標車速演算部23は、アクセル開度センサ9により検出されたアクセル開度APOと、ブレーキペダルストロークセンサ10により検出されたブレーキペダルストローク量BLSと、車速Vとに基づき、HDC制御の目標車速V*を演算する。ここで、目標車速V*は、一定値(例えば、前進7km/h、後進4km/h)で与えるが、運転者のブレーキ操作およびアクセル操作に応じて可変とする。
例えば、HDC制御中に運転者がブレーキ操作を行った場合には、ブレーキ操作量(ブレーキペダルストローク量)に応じて車両が減速し、運転者がブレーキ操作を解除(ブレーキペダルストローク量=0)したとき、1制御周期前の車速を目標車速V*に設定する。
また、HDC制御中に運転者がアクセル操作を行った場合には、アクセル操作量(アクセル開度)に応じて車両が加速し、運転者がアクセル操作を解除(アクセル開度=0)したとき、1制御周期前の車速を目標車速V*に設定する。
また、HDC制御中に運転者がアクセル操作を行った場合には、アクセル操作量(アクセル開度)に応じて車両が加速し、運転者がアクセル操作を解除(アクセル開度=0)したとき、1制御周期前の車速を目標車速V*に設定する。
介入判断部24は、車速Vと、降坂判定フラグSlopeと、HDC要求信号RQ_HDCとに基づき、HDC制御の介入可否を判断し、判断結果に応じたHDC介入フラグHDC_ACTを出力する。
HDC要求信号RQ_HDC=0である場合には、車速Vおよび降坂判定フラグSlopeにかかわらず、介入なしを示すHDC介入フラグHDC_ACT=0を出力する。また、HDC要求信号RQ_HDC=1であって、車速Vが所定車速V1(例えば、10km/h)以上の場合にも、HDC_ACT=0を出力する。
HDC要求信号RQ_HDC=0である場合には、車速Vおよび降坂判定フラグSlopeにかかわらず、介入なしを示すHDC介入フラグHDC_ACT=0を出力する。また、HDC要求信号RQ_HDC=1であって、車速Vが所定車速V1(例えば、10km/h)以上の場合にも、HDC_ACT=0を出力する。
HDC要求信号RQ_HDC=1であって、車速Vが所定車速V1よりも小さい場合、降坂判定フラグSlope=1であるときには、エンジン6のトルクダウン制御と各車輪による制動とを共に許可するHDC介入フラグHDC_ACT=1を出力する。
制御量演算部25は、HDC介入フラグHDC_ACT=1の場合、目標車速演算部23により設定された目標車速V*と車速Vとの偏差をなくすようなエンジン6のトルクダウン量および各ホイルシリンダ5FL,5FR,5RL,5RRの増圧量を演算し、HU4に対し制動要求を出力すると共に、エンジンコントローラ3に対しトルクダウン要求を出力する。
また、制御量演算部25は、斜度θ、車速Vに応じてアクセル開度APOに対するエンジン6のスロットルゲインを変更するスロットルゲイン変更要求を出力する。図2は、斜度θおよび車速Vに対するスロットルゲインの設定マップである。図2に示すように、スロットルゲインは、斜度θが大きいほど小さくなるように設定している。また、スロットルゲインは、車速Vが高いほどより小さくなるように設定している。
さらに、制御量演算部25は、アクセル開度APOの変化量が正から負に変化した場合、アクセル開度APOが負に変化する直前の車速が維持されるよう、エンジンコントローラ3に対し、駆動力要求を出力する。
さらに、制御量演算部25は、アクセル開度APOの変化量が正から負に変化した場合、アクセル開度APOが負に変化する直前の車速が維持されるよう、エンジンコントローラ3に対し、駆動力要求を出力する。
ブレーキコントローラ2は、制動要求に応じた制動指令をHU4へ出力して各ホイルシリンダ5FL,5FR,5RL,5RRの液圧を上昇させ、各車輪に制動力を付与する。
エンジンコントローラ3は、トルクダウン要求に応じたトルクダウン指令をエンジン6へ出力し、エンジン6をトルクダウンさせる。また、スロットルゲイン変更要求に応じたスロットルゲイン変更指令をエンジン6へ出力し、アクセル開度APOに対するエンジントルクの増加割合を変更する。さらに、駆動力要求に応じてエンジントルクを制御する。
エンジンコントローラ3は、トルクダウン要求に応じたトルクダウン指令をエンジン6へ出力し、エンジン6をトルクダウンさせる。また、スロットルゲイン変更要求に応じたスロットルゲイン変更指令をエンジン6へ出力し、アクセル開度APOに対するエンジントルクの増加割合を変更する。さらに、駆動力要求に応じてエンジントルクを制御する。
[目標車速演算制御処理]
図3は、実施例1の目標車速演算部23で実行される目標車速演算制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この制御処理は、所定周期で繰り返し実行される。なお、ブレーキフラグBFは、運転者のブレーキ操作を示すフラグであり、HDCの作動開始時にリセット(=0)される。また、アクセルフラグAFは、運転者のアクセル操作を示すフラグであり、ブレーキフラグBF同様、HDCの作動開始時にリセット(=0)される。
図3は、実施例1の目標車速演算部23で実行される目標車速演算制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この制御処理は、所定周期で繰り返し実行される。なお、ブレーキフラグBFは、運転者のブレーキ操作を示すフラグであり、HDCの作動開始時にリセット(=0)される。また、アクセルフラグAFは、運転者のアクセル操作を示すフラグであり、ブレーキフラグBF同様、HDCの作動開始時にリセット(=0)される。
ステップS1では、車速V、アクセル開度APO、ブレーキペダルストローク量BLSを入力し、ステップS2へ移行する。
ステップS2では、ブレーキフラグBL=1であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS3へ移行し、NOの場合にはステップS6へ移行する。
ステップS3では、ブレーキペダルストローク量BLS=0であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS4へ移行し、NOの場合にはステップS6へ移行する。
ステップS4では、1制御周期前の車速Vを目標車速V*とし、ステップS5へ移行する。
ステップS5では、ブレーキフラグBL=0とし、リターンへ移行する。
ステップS6では、ブレーキペダルストローク量BLS>0であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS7へ移行し、NOの場合にはステップS8へ移行する。
ステップS7では、ブレーキフラグBL=1とし、リターンへ移行する。
ステップS8では、アクセルフラグAF=1であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS9へ移行し、NOの場合にはステップS10へ移行する。
ステップS9では、アクセル開度APO=0であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS13へ移行し、NOの場合にはステップS10へ移行する。
ステップS10では、アクセル開度APO>0であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS11へ移行し、NOの場合にはステップS12へ移行する。
ステップS11では、アクセルフラグAF=1とし、リターンへ移行する。
ステップS12では、初期値(例えば、7km/h)を目標車速V*とし、リターンへ移行する。
ステップS13では、1制御周期前の車速Vを目標車速V*とし、リターンへ移行する。
ステップS14では、アクセルフラグAF=0とし、リターンへ移行する。
すなわち、目標車速演算制御処理では、アクセル操作またはブレーキ操作がなされた後、アクセル操作またはブレーキ操作が解除(APO=0,BLS=0)されたとき、前回の制御周期で読み込んだ車速を目標車速V*とする。
[スロットルゲイン変更制御処理]
図4は、実施例1の制御演算部25で実行されるスロットルゲイン変更制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この制御処理は、HDCの作動時、所定周期で繰り返し実行される。
図4は、実施例1の制御演算部25で実行されるスロットルゲイン変更制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この制御処理は、HDCの作動時、所定周期で繰り返し実行される。
ステップS21では、斜度θ、車速V、アクセル開度APOを入力し、ステップS22へ移行する。
ステップS22では、アクセル開度APO>0であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS23へ移行し、NOの場合にはリターンへ移行する。
ステップS23では、斜度θ、車速Vから、図3に示したマップを参照してスロットルゲインを設定し、ステップS24へ移行する。
ステップS24では、設定したスロットルゲインを得るためのスロットルゲイン変更要求をエンジンコントローラ3へ出力し、リターンへ移行する。
次に、作用を説明する。
[目標車速変更作用]
図5は、HDC作動時に運転者がブレーキ操作とアクセル操作を順に行ったときの車速を示すタイムチャートである。なお、説明の簡単のため、運転者がブレーキ操作およびアクセル操作を行っていない場合、車速Vは目標車速V*に一致しているものとする。
[目標車速変更作用]
図5は、HDC作動時に運転者がブレーキ操作とアクセル操作を順に行ったときの車速を示すタイムチャートである。なお、説明の簡単のため、運転者がブレーキ操作およびアクセル操作を行っていない場合、車速Vは目標車速V*に一致しているものとする。
時点t1までの区間では、運転者がブレーキ操作およびアクセル操作を行っていないため、図3のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS6→ステップS8→ステップS10→ステップS12へと進む流れが繰り返され、目標車速V*は、初期値V1を維持する。
時点t1では、運転者がブレーキペダルの踏み込みを開始し、時点t1から時点t2までの区間では、車速Vが目標車速V1から徐々に低下していく。このとき、図3のフローチャートでは、ステップS1→ステップS2→ステップS6→ステップS7へと進んでブレーキフラグBFをセット(=1)し、その後、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS6→ステップS7へと進む流れを繰り返す。
時点t2では、運転者がブレーキペダルの踏み込みを解除したため、図3のフローチャートでは、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5へと進み、1制御周期前の車速V2を目標車速V2とし、ブレーキフラグBFをリセット(=0)する。つまり、運転者が現在の目標車速V*よりも低速で走行したいと望む場合、ブレーキ操作を行うことで、目標車速V*を任意の速度まで低くすることができる。
時点t3では、運転者がアクセルペダルの踏み込みを開始し、時点t3から時点t4までの区間では、車速Vが目標車速V2から徐々に上昇していく。このとき、図3のフローチャートでは、ステップS1→ステップS2→ステップS6→ステップS8→ステップS10→ステップS11へと進み、アクセルフラグAFをセット(=1)し、その後、ステップS1→ステップS2→ステップS6→ステップS8→ステップS9→ステップS10→ステップS11へと進む流れを繰り返す。
このとき、実施例1では、斜度θが大きいほど、または車速Vが高いほど、スロットルゲインをより小さくしているため、運転者の加速要求に答えつつ、過度な車速Vの上昇を抑制できる。
時点t4では、運転者がアクセルペダルの踏み込みを停止し、時点t4から時点t5までの区間では、アクセルペダルを踏み戻す。このとき、図4のフローチャートでは、ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24へと進む流れとなり、時点t4直前の車速V3を維持する。
降坂路では、運転者が一旦アクセルを踏み込むと、その後アクセルを踏み戻したとしても、路面勾配によって車速が上昇するため、運転者がアクセルの踏み込みを停止したときの車速、すなわち、運転者の望む車速よりも、実際の車速が高くなってしまう。これに対し、実施例1では、運転者がアクセルを踏み戻している間、踏み戻し直前の車速を維持することで、運転者の所望する車速と実際の車速との乖離を抑制できる。
時点t5では、運転者がアクセルペダルの踏み込みを解除したため、図3のフローチャートでは、ステップS1→ステップS2→ステップS6→ステップS8→ステップS9→ステップS13→ステップS14へと進み、1制御周期前の車速V3を目標車速V3とし、アクセルフラグAFをリセット(=0)する。つまり、運転者が現在の目標車速V*よりも高速で走行したいと望む場合、アクセル操作を行うことで、目標車速V*を任意の速度(HDCの許可車速V1により上限はあるが)まで高めることができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の降坂路走行速度制御装置Aにあっては、以下に列挙する効果が得られる。
実施例1の降坂路走行速度制御装置Aにあっては、以下に列挙する効果が得られる。
(1) 降坂路走行中の車両を目標車速V*に基づいて自動制動しつつ、アクセル操作に応じて車速Vを上昇させるHDCコントローラ(降坂路速度制御手段)1と、アクセル操作に応じて目標車速V*を変更する目標車速演算部(目標車速変更手段)23と、を有する降坂路走行速度制御装置において、HDCコントローラ1は、運転者がアクセルを踏み戻している間、踏み戻し直前の車速Vを維持する。これにより、運転者の所望する車速と実際の車速との乖離を抑制できる。
(2) 目標車速演算部23は、運転者がアクセル操作を解除したときの車速を新たな目標車速V*とするため、目標車速V*を運転者のスキルや好みに応じた速度まで高めることができる。
(3) 降坂路の路面勾配である斜度θを検出する入力処理部(路面勾配検出手段)21を備え、HDCコントローラ1は、斜度θが大きいほど、スロットルゲインをより小さくするため、運転者の加速要求に応えつつ、過度な車速の上昇を抑制できる。
(4) HDCコントローラ1は、車速Vが高いほどスロットルゲインをより小さくするため、運転者の加速要求に応えつつ、過度な車速の上昇を抑制できる。
(5) 降坂路走行中の車両を目標車速V*に基づいて自動制動しつつ、アクセル操作に応じて車速Vを上昇させ、アクセル操作に応じて目標車速V*を変更する降坂路走行速度制御方法において、運転者がアクセルを踏み戻している間、踏み戻し直前の車速Vを維持する。これにより、運転者の所望する車速と実際の車速との乖離を抑制できる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づく実施例1により説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1に示したものに限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない程度の設計変更等があっても本発明に含まれる。
以上、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づく実施例1により説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1に示したものに限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない程度の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、自動制動を行う方法としては、エンジントルクダウン+油圧ブレーキに限らず、油圧ブレーキ、回生ブレーキ(駆動系に電動モータを用いている場合)、駆動系のギア比変更等のいずれか、または複数を組み合わせてもよい。
A 降坂路走行速度制御装置
1 HDCコントローラ(降坂路速度制御手段)
2 ブレーキコントローラ
3 エンジンコントローラ
4 液圧コントロールユニット
5 ホイルシリンダ
6 エンジン
7 加速度センサ
8 車輪速センサ
9 アクセル開度センサ
10 ブレーキペダルストロークセンサ
21 入力処理部(路面勾配検出手段)
22 車両状態検出部
23 目標車速演算部(目標車速変更手段)
24 介入判断部
25 制御量演算部
1 HDCコントローラ(降坂路速度制御手段)
2 ブレーキコントローラ
3 エンジンコントローラ
4 液圧コントロールユニット
5 ホイルシリンダ
6 エンジン
7 加速度センサ
8 車輪速センサ
9 アクセル開度センサ
10 ブレーキペダルストロークセンサ
21 入力処理部(路面勾配検出手段)
22 車両状態検出部
23 目標車速演算部(目標車速変更手段)
24 介入判断部
25 制御量演算部
Claims (4)
- 降坂路走行中の車両を目標車速に基づいて自動制動しつつ、アクセル操作に応じて車速を上昇させる降坂路速度制御手段と、
アクセル操作に応じて前記目標車速を変更する目標車速変更手段と、
を有する降坂路走行速度制御装置において、
降坂路の路面勾配を検出する路面勾配検出手段を備え、
前記降坂路速度制御手段は、前記路面勾配検出手段により検出された路面勾配が大きいほど、自動制動中のアクセル操作に対する駆動トルクの増加割合をより小さくすると共に、運転者がアクセルを踏み戻している間、踏み戻し直前の車速を維持することを特徴とする降坂路走行速度制御装置。 - 請求項1に記載の降坂路走行速度制御装置において、
前記目標車速変更手段は、運転者がアクセル操作を解除したときの車速を新たな目標車速とすることを特徴とする降坂路走行速度制御装置。 - 請求項1または2に記載の降坂路走行速度制御装置において、
前記降坂路速度制御手段は、車速が高いほど前記駆動トルクの増加割合をより小さくすることを特徴とする降坂路走行速度制御装置。 - 降坂路走行中の車両を目標車速に基づいて自動制動しつつ、アクセル操作に応じて車速を上昇させ、アクセル操作に応じて前記目標車速を変更する降坂路走行速度制御方法において、
運転者がアクセルを踏み戻している間、踏み戻し直前の車速を維持することを特徴とする降坂路走行速度制御方法。
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