JP2002141288A - ウエハ加熱装置 - Google Patents
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Abstract
エハを載せ替えた際の昇温過渡時に、前記間隔が小さい
部分は均熱板の昇温の影響を大きく受けて速やかに温度
が高めになり、逆に前記部分が大きい部分はウエハWの
温度が遅れ気味に上昇するので、両者の間で温度差が大
きくなるという問題があった。そして、この温度差は、
成膜バラツキや、レジスト膜の反応状態を不均一にして
しまうという問題を引き起こしていた。 【解決手段】載置面に該載置面からの突出高さが0.0
5〜0.5mmとなる複数の支持ピンを備え、該支持ピ
ンは載置面の中心部1点と、ウエハ径×0.6以上の略
同心円上に少なくとも3点配列され、略同心円上の支持
ピンの突出高さのバラツキは15μm以下であり、かつ
前記中心部の支持ピンの突出高さは略同心円上の支持ピ
ンの突出高さより低くしたウエハ加熱装置とする。
Description
するのに用いるウエハ加熱装置に関するものであり、例
えば、半導体ウエハや液晶装置あるいは回路基盤等のウ
エハ上に薄膜を形成したり、前記ウエ上に塗布されたレ
ジスト液を乾燥焼き付けしてレジスト膜を形成するのに
好適なものである。
ける、半導体薄膜の成膜装置、エッチング処理、レジス
ト膜の焼き付け処理等においては、半導体ウエハ(以
下、ウエハと略す)を加熱するためにウエハ加熱装置が
用いられている。
ウエハを成膜処理するバッチ式のものが使用されていた
が、ウエハの大きさが200mmから300mmと大型化す
るにつれ、処理精度を高めるために、1枚づつ処理する
枚葉式と呼ばれる手法が近年実施されている。しかしな
がら、枚葉式にすると1回あたりの処理数が減少するた
め、ウエハの処理時間の短縮が必要とされている。この
ため、ウエハ支持部材に対して、ウエハの加熱時間の短
縮や温度精度の向上が要求されていた。
形成にあたっては、図4に示すような、炭化珪素、窒化
アルミニウムやアルミナ等のセラミックスからなる均熱
板32の一方の主面を、ウエハWを載せる載置面とし、
他方の主面には酸化膜53、絶縁層34を介して発熱抵
抗体35が設置され、さらに前記発熱抵抗体35に導通
端子37が弾性体38により固定された構造のウエハ加
熱装置31が用いられていた。そして、前記均熱板32
は、支持体41にボルト47で固定され、さらに均熱板
32の内部には熱電対40が挿入され、これにより均熱
板32の温度を所定に保つように、導入端子37から発
熱抵抗体35に供給される電力を調整するシステムとな
っていた。また、導入端子37は、板状構造部43に絶
縁層39を介して固定されていた。
に、レジスト液が塗布されたウエハWを載せたあと、発
熱抵抗体35を発熱させることにより、均熱板32を介
して載置面33上のウエハWを加熱し、レジスト液を乾
燥焼き付けしてウエハW上にレジスト膜を形成するよう
になっていた。
ウエハWの表面全体に均質な膜を形成したり、レジスト
膜の加熱反応状態を均質にするためには、ウエハWの温
度分布を均一にすることが重要である。ウエハWの温度
分布を小さくするため、加熱用のヒータを内蔵したウエ
ハ加熱装置において、発熱抵抗体35の抵抗分布を調整
したり、発熱抵抗体35の温度を分割制御したり、熱引
きを発生したりするような構造部を接続する場合、その
接続部の発熱量を増大させる等の提案がされていた。
が必要になるという課題があり、簡単な構造で温度分布
を均一に加熱できるようなウエハ加熱装置が求められて
いる。
23642号公報には図6に示すように、均熱板52の
載置面53からウエハを浮かせて支持するために3個の
支持ピン51を設置し、この位置を調整することによ
り、ウエハWの反りを発生させることにより載置面53
との間隔を調整し、ウエハWの温度を均一にすることが
示されている。
示すウエハ加熱装置は、ウエハを均一に加熱するために
均熱板52の温度分布を、ウエハWの反りを利用して調
整するようにしているが、均熱板52に温度分布がある
ことを前提にすると、その温度分布は面内全体に一様で
なく、ウエハWの反りで吸収できるものは極一部に過ぎ
ない。このような温度調整をすると、例えば、ウエハ付
け替え後の昇温過渡時の温度バラツキが大きくなり、そ
の結果、昇温時の温度分布が大きくなってしまうという
課題があった。
の間の間隔が一定でないと、ウエハWを載せ替えた際の
昇温過渡時に、前記間隔が小さい部分は均熱板32の昇
温の影響を大きく受けて速やかに温度が高めになり、逆
に前記部分が大きい部分はウエハWの温度が遅れ気味に
上昇するので、両者の間で温度差が大きくなるという問
題があった。そして、この温度差は、成膜バラツキや、
レジスト膜の反応状態を不均一にしてしまうという問題
を引き起こした。
エハWの温度分布をうまく調整できないという課題があ
った。
るために、ウエハ加熱装置の載置面に該載置面からの突
出高さが0.05〜0.5mmとなるような複数の支持
ピンを備え、そのバラツキを15μm以内とすることを
既に考案している。
スループットを高めるため搬送速度が向上しており、こ
のような急速搬送を行ったウエハは加速度によってウエ
ハ加熱装置に載置された瞬間にたわんでしまい、ウエハ
加熱装置表面の均熱板に接触する場合が生じてきてい
る。また、使用されるウエハは必ずしも平坦なものでな
く、反ったものも存在する。そして、数μm以上の反り
を持つウエハに対しては、上記方法だけでは解決不十分
であることが判った。すなわち、平坦なウエハを、静か
に載置する場合の温度分布を小さくするには、支持ピン
の突出高さのバラツキを小さくすれば良いのであるが、
急速搬送によってたわんだり、反りを有するウエハを、
ウエハ載置直後の温度分布をも小さく抑えなければなら
ないという課題があった。
セラミックスからなる均熱板の一方の主面をウエハの載
置面とし、他方の主面もしくは内部に発熱抵抗体を有す
るとともに、該発熱抵抗体と電気的に接続される給電部
を前記他方の主面に具備してなるウエハ加熱装置におい
て、前記載置面に該載置面からの突出高さが0.05〜
0.5mmとなる複数の支持ピンを備え、該支持ピンは
積載面の中心部1点と、ウエハ径×0.6以上の同心円
上に少なくとも3点配列され、同心円上の支持ピンの突
出高さのバラツキは15μm以下であり、かつ前記中心
部の支持ピンの突出高さを同心円上の支持ピンの突出高
さより低くすることにより、上記課題を解決した。
すとともに、その表面粗さRaは0.8μm以下とする
ことが好ましいことを見出した。
説明する。
例を示す断面図であり、炭化珪素、炭化硼素、窒化硼
素、窒化珪素、窒化アルミニウムを主成分とするセラミ
ックスからなる均熱板2の一方の主面を、ウエハWを載
せる載置面3とすると共に、内部に発熱抵抗体5を形成
したものである。
の帯状電極部と直線上の帯状電極部とならなる略同心円
状をしたものや渦巻き状をしたものなど、載置面3を均
一に加熱できるパターン形状であれば良い。均熱性を改
善するため、発熱抵抗体5を複数のパターンに分割する
ことも可能である。発熱抵抗体5は、金や銀、パラジウ
ム、白金族の金属や、タングステン、チタン、窒化チタ
ン、ニッケル等の高融点金属を使用することができる。
ウム、白金等の材質からなる給電部6が形成され、該給
電部6に導通端子7を押圧して接触させることにより、
導通が確保されている。
ルトを貫通させ、均熱板2側より弾性体8、座金18を
介在させてナットを螺着することにより弾性的に固定し
ている。これにより、均熱板2の温度を変更したり載置
面3にウエハを載せ均熱板2の温度が変動した場合に支
持体11変形が発生しても、上記弾性体8によってこれ
を吸収し、これにより均熱板2の反りを防止し、ウエハ
W加熱におけるウエハW表面に温度分布が発生すること
を防止できる。
部とからなり、該板状構造体13には発熱抵抗体5に電
力を供給するための導通端子7が絶縁材9を介して設置
され、不図示の空気噴射口や熱電対固定部が形成されて
いる。そして、前記導通端子7は、給電部6に弾性体8
により押圧される構造となっている。また、前記板状構
造体13は、複数の層から構成されている。
数の凹部21が形成されており、該凹部21の中にウエ
ハWを支えるための支持ピン20を配置している。そし
て、前記支持ピン20の載置面3からの突出高さhは、
0.05〜0.5mmであり、該支持ピン20は載置面
の中心部1点に備えた支持ピン20bと、ウエハ径×
0.6以上の略同心円上に少なくとも3点配列された支
持ピン20cとからなり、略同心円上の支持ピン20c
の突出高さhのバラツキは15μm以下であり、かつ前
記中心部の支持ピン20bの突出高さhは略同心円上の
支持ピン20cの突出高さhより低くなるように調整さ
れている。この突出高さhは、図3に示すように支持ピ
ン20の先端20aが載置面3から突き出ている高さを
意味している。
と、均熱板2の温度に影響されやすくなり昇温過渡時の
温度バラツキが大きくなりすぎるので好ましくない。ま
た、前記突出高さhが0.5mmを越えるとウエハW交
換後のウエハW温度の昇温応答性が悪くなり、ウエハW
の温度が安定するまでの時間が長くなるので好ましくな
い。これに対し、前記突出高さhを0.05〜0.5m
mとすると、昇温過渡時の温度バラツキを小さくするこ
とができ、かつウエハWの温度を速やかに安定させるこ
とができる。より好ましくは0.05〜0.3mmの範
囲がよい。
に支持ピン20cを少なくとも3点配列したのは、ウエ
ハ径×0.6より小さく配列されていると、ウエハWの
載置状態が不安定となり、かつ略同心円状でなければ、
前記支持ピン20cによる作用点とウエハ重心が一致し
ないため、安定したウエハ載置は望めないためである。
には、該支持ピン20cは少なくとも3点のウエハ径×
0.6以上の略同心円外周上に配列されなければならな
い。
20cの外側に、径の大きな略同心円上の支持ピン20
d、20eを備えており、1つのウエハ加熱装置1にお
いて、異なる2種類以上のウエハ径に対応することがで
きる。例えば、外径200mmのウエハ加熱装置1でφ1
50mmとφ200mmのウエハに対応する場合、ウエハ加
熱装置1の前記支持ピン20c、20dは、φ90mm上
とφ120mm上に配列してあれば良く、前記支持ピン2
0c、20dは1配列上に少なくとも3点配置してあれ
ば良い。
20bを設置したのは、ウエハWは0.7mm程の厚みし
かなく、非常にたわみやすいため、ウエハWを載置した
瞬間等に均熱板2表面にウエハ裏面が触れる恐れがあ
り、この時点でウエハWの温度分布が著しく悪化してし
まったりまた、ウエハW自身の反りが大きく、均熱板2
に触れてしまうことを防止するためである。もちろん、
ウエハ中央部に設置された前記支持ピン20bも、載置
面3からの突出高さhは0.05〜0.5mmでなけれ
ばならない。
さhを略同心円上の支持ピン20cの突出高さhより低
くなるようにしたのは、中央部の支持ピン20bの突出
高さhが、略同心円上の支持ピン20cの高さより高く
なった場合、ウエハWは中心部の支持ピン20bによっ
て突き上げられ、安定した載置が望めないばかりか、極
端な場合はウエハWが均熱板2から滑り落ちてしまうこ
とになるためである。
cの突出高さhのバラツキが15μmを越えると、ウエ
ハWを載せ替えた際の昇温過渡時に、載置面3とのギャ
ップが小さい部分は均熱板2の昇温の影響を大きく受け
て温度は速やかに上昇し、逆に前記ギャップが大きい部
分はウエハWの温度が遅れながら上昇するので、両者の
間で温度差が過大となってしまうので好ましくない。ゆ
えに、略同心円上の支持ピン20cの突出高さhのバラ
ツキは、15μm以下としなければならない。
0の先端20aは曲面形状をなすとともに、該曲面部分
の表面粗さ(Ra)は0.8μm以下とすることが好ま
しい。なぜならば、ウエハWに対するパーティクル付着
を低減させるためには、ウエハWを支持する部材はウエ
ハWを傷つけるものであってはならないことはもちろん
のこと、ウエハWに接触する面積は少ない方が良いため
である。ウエハWに接触する面積を極小とするには、前
記支持ピン20の先端20aは鋭利形状とすべきである
が、逆にウエハWを削り取りパーティクルを発生させる
恐れがある。よって、前記支持ピン20の先端20aは
曲面形状とするとともに、該曲面部分の表面粗さ(R
a)は0.8μm以下として、ウエハWと摺動してもウ
エハWや前記支持ピン20自身を傷つけないような滑ら
かな仕上げとしなければならない。
に単に載置しておくだけでよい。その場合、脱落を防止
するために、図3に示すように固定治具24を凹部21
の上部に設置する。この固定治具24は、支持ピン20
とは接触しても接触しなくても特に支障はなく、固定治
具24は市販のスナップリングを用いても何ら問題な
い。ただし、固定治具24の材質としては、Ni、SU
S316、SUS631、42アロイ、インコネル、イ
ンコロイ等、耐熱金属のものを使用する。
0μm以下好ましくは50μm以下とすることが好まし
い。また、均熱板2を弾性的に支持体11に保持するこ
とにより、支持体11内の温度分布によって発生する反
りを、この弾性的構造で緩和することができるので、均
熱板2の平坦度を維持することが可能となる。
と板状構造体13を有し、該板状構造体13には、その
面積の5〜50%にあたる開口部が形成されている。ま
た、該板状構造体13には、必要に応じて他に、均熱板
2の発熱抵抗体5に給電するための給電部6と導通する
ための導通端子7、均熱板2を冷却するためのガス噴出
口、均熱板2の温度を測定するための熱電対10を設置
する。
に昇降自在に設置され、ウエハWを載置面3上に載せた
り、載置面3より持ち上げるために使用される。そし
て、このウエハ加熱装置1によりウエハWを加熱するに
は、不図示の搬送アームにて載置面3の上方まで運ばれ
たウエハWをリフトピンにより支持したあと、リフトピ
ンを降下させてウエハWを載置面3上に載せる。次に、
給電部6に通電して発熱抵抗体5を発熱させ、絶縁層4
及び均熱板2を介して載置面3上のウエハWを加熱す
る。
化珪素質焼結体、炭化硼素質焼結体、窒化硼素質焼結
体、窒化珪素質焼結体、もしくは窒化アルミニウム質焼
結体により形成してあることから、熱を加えても変形が
小さく、板厚を薄くできるため、所定の処理温度に加熱
するまでの昇温時間及び所定の処理温度から室温付近に
冷却するまでの冷却時間を短くすることができ、生産性
を高めることができるとともに、60W/m・K以上の
熱伝導率を有することから、薄い板厚でも発熱抵抗体5
のジュール熱を素早く伝達し、載置面3の温度バラツキ
を極めて小さくすることができる。しかも、大気中の水
分等と反応してガスを発生させることもないため、半導
体ウエハW上へのレジスト膜の貼付に用いたとしても、
レジスト膜の組織に悪影響を与えることがなく、微細な
配線を高密度に形成することが可能である。
は、均熱板2の板厚を1mm〜7mmとすることが良
い。これは、板厚が1mm未満であると、板厚が薄すぎ
るために温度バラツキを平準化するという均熱板2とし
ての効果が小さく、発熱抵抗体5におけるジュール熱の
バラツキがそのまま載置面3の温度バラツキとして表れ
るため、載置面3の均熱化が難しいからであり、逆に板
厚が7mmを越えると、均熱板2の熱容量が大きくなり
過ぎ、所定の処理温度に加熱するまでの昇温時間や温度
変更時の冷却時間が長くなり、生産性を向上させること
ができないからである。
しては、炭化珪素、炭化硼素、窒化硼素、窒化珪素、窒
化アルミニウムのようないずれか1種以上を主成分とす
るものを使用することができる。
珪素に対し、焼結助剤として硼素(B)と炭素(C)を
含有した焼結体や、主成分の炭化珪素に対し、焼結助剤
としてアルミナ(Al2O3)とイットリア(Y2O3)を
含有し1900〜2200℃で焼成した焼結体を用いる
ことができ、また、炭化珪素はα型を主体とするもの、
あるいはβ型を主体とするもののいずれであっても構わ
ない。
の炭化硼素に対し、焼結助剤として炭素を3〜10重量
%混合し、2000〜2200℃でホットプレス焼成す
ることにより焼結体を得ることができる。
分の窒化硼素に対し、焼結助剤として30〜45重量%
の窒化アルミニウムと5〜10重量%の希土類元素酸化
物を混合し、1900〜2100℃でホットプレス焼成
することにより焼結体を得ることができる。窒化硼素の
焼結体を得る方法としては、他に硼珪酸ガラスを混合し
て焼結させる方法があるが、この場合熱伝導率が著しく
低下するので好ましくない。
の窒化珪素に対し、焼結助剤として3〜12重量%の希
土類元素酸化物と0.5〜3重量%のAl2O3、さらに
焼結体に含まれるSiO2量として1.5〜5重量%と
なるようにSiO2を混合し、1650〜1750℃で
ホットプレス焼成することにより焼結体を得ることがで
きる。ここで示すSiO2量とは、窒化珪素原料中に含
まれる不純物酸素から生成するSiO2と、他の添加物
に含まれる不純物としてのSiO2と、意図的に添加し
たSiO2の総和である。
は、主成分の窒化アルミニウムに対し、焼結助剤として
Y2O3やYb2O3等の希土類元素酸化物と必要に応じて
CaO等のアルカリ土類金属酸化物を添加して十分混合
し、平板状に加工した後、窒素ガス中1900〜210
0℃で焼成することにより得られる。
選択して使用する。例えば、レジスト膜の乾燥に使用す
る場合は、窒化物は水分と反応してアンモニアガスを発
生し、これがレジスト膜に悪影響を及ぼすので使用でき
ない。また、800℃程度の高温で使用する可能性のあ
るCVD用のウエハ加熱装置の場合は、ガラスを多く含
む窒化硼素系の材料は、均熱板2が使用中に変形してし
まい均熱性が損なわれてしまう可能性がある。
面は、ガラスや樹脂からなる絶縁層4との密着性を高め
る観点から、平面度20μm以下、面粗さを算術平均粗
さ(Ra)で0.1μm〜0.5μmに研磨しておくこ
とが好ましい。
使用する場合、多少導電性を有する均熱板2と発熱抵抗
体5との間の絶縁を保つ絶縁層4としては、ガラス又は
樹脂を用いることが可能であり、ガラスを用いる場合、
その厚みが100μm未満では耐電圧が1.5kVを下
回り絶縁性が保てず、逆に厚みが350μmを越える
と、均熱板2を形成する炭化珪素質焼結体や窒化アルミ
ニウム質焼結体との熱膨張差が大きくなり過ぎるため
に、クラックが発生して絶縁層4として機能しなくな
る。その為、絶縁層4としてガラスを用いる場合、絶縁
層4の厚みは100μm〜350μmの範囲で形成する
ことが好ましく、望ましくは200μm〜350μmの
範囲で形成することが良い。
成分とするセラミック焼結体で形成する場合は、均熱板
2に対する発熱抵抗体5の密着性を向上させるために、
ガラスからなる絶縁層4を形成する。ただし、発熱抵抗
体5の中に十分なガラスを添加し、これにより十分な密
着強度が得られる場合は、省略することが可能である。
厚みが30μm未満では、耐電圧が1.5kVを下回
り、絶縁性が保てなくなるとともに、発熱抵抗体5にレ
ーザ加工等によってトリミングを施した際に絶縁層4を
傷付け、絶縁層4として機能しなくなり、逆に厚みが1
50μmを越えると、樹脂の焼き付け時に発生する溶剤
や水分の蒸発量が多くなり、均熱板2との間にフクレと
呼ばれる泡状の剥離部ができ、この剥離部の存在により
熱伝達が悪くなるため、載置面3の均熱化が阻害され
る。その為、絶縁層4として樹脂を用いる場合、絶縁層
4の厚みは30μm〜150μmの範囲で形成すること
が好ましく、望ましくは60μm〜150μmの範囲で
形成することが良い。
200℃以上の耐熱性と、発熱抵抗体5との密着性を考
慮すると、ポリイミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、ポ
リアミド樹脂等が好ましい。
熱板2上に被着する手段としては、前記ガラスペースト
又は樹脂ペーストを均熱板2の中心部に適量落とし、ス
ピンコーティング法にて伸ばして均一に塗布するか、あ
るいはスクリーン印刷法、ディッピング法、スプレーコ
ーティング法等にて均一に塗布したあと、ガラスペース
トにあっては、600℃の温度で、樹脂ペーストにあっ
ては、300℃以上の温度で焼き付ければ良い。また、
絶縁層4としてガラスを用いる場合、予め炭化珪素質焼
結体又は炭化硼素質焼結体から成る均熱板2を1200
℃程度の温度に加熱し、絶縁層4を被着する表面を酸化
処理し酸化膜23を形成することで、ガラスから成る絶
縁層4との密着性を高めることができる。
5としては、金(Au) 、銀(Ag)、銅(Cu)、
パラジウム(Pd)等の金属単体を、蒸着法やメッキ法
にて直接被着するか、あるいは前記金属単体や酸化レニ
ウム(Re2O3)、ランタンマンガネート(LaMnO
3)等の酸化物を導電材として含む樹脂ペーストやガラ
スペーストを用意し、所定のパターン形状にスクリーン
印刷法等にて印刷したあと焼き付けて前記導電材を樹脂
やガラスから成るマトリックスで結合すれば良い。マト
リックスとしてガラスを用いる場合、結晶化ガラス、非
晶質ガラスのいずれでも良いが、熱サイクルによる抵抗
値の変化を抑えるために結晶化ガラスを用いることが好
ましい。
場合、マイグレーションが発生する恐れがあるため、こ
のような場合には、発熱抵抗体5を覆うように絶縁層4
と同一の材質から成る保護膜を30μm程度の厚みで被
覆しておけば良い。
するタイプの均熱板2に関しては、熱伝導率が高く電気
絶縁性が高い窒化アルミニウム質焼結体を用いることが
好ましい。この場合、窒化アルミニウムを主成分とし焼
結助剤を適宜含有する原料を十分混合したのち円盤状に
成形し、その表面にWもしくはWCからなるペーストを
発熱抵抗体5のパターン形状にプリントし、その上に別
の窒化アルミニウム成形体を重ねて密着した後、窒素ガ
ス中1900〜2100℃の温度で焼成することにより
発熱抵抗体を内蔵した均熱板2得ることが出来る。ま
た、発熱抵抗体5からの導通は、窒化アルミニウム質基
材にスルーホール19を形成し、WもしくはWCからな
るペーストを埋め込んだ後焼成するようにして表面に電
極を引き出すようにすれば良い。また、給電部6は、ウ
エハWの加熱温度が高い場合、Au、Ag等の貴金属を
主成分とするペーストを前記スルーホール19の上に塗
布し900〜1000℃で焼き付けることにより、内部
の発熱抵抗体5の酸化を防止することができる。
ては、結晶質又は非晶質のいずれでも良く、例えばレジ
スト乾燥用に使用する場合、耐熱温度が200℃以上で
かつ0℃〜200℃の温度域における熱膨張係数が均熱
板2を構成するセラミックスの熱膨張係数に対し−5〜
+5×10-7/℃の範囲にあるものを適宜選択して用い
ることが好ましい。即ち、熱膨張係数が前記範囲を外れ
たガラスを用いると、均熱板2を形成するセラミックス
との熱膨張差が大きくなりすぎるため、ガラスの焼き付
け後の冷却時において、均熱板2に反りが発生したり、
クラックや剥離等の欠陥が生じ易いからである。
量のバインダおよび溶剤を用いて混合し、造粒した後成
形圧100MPaで成形し、1900〜2100℃で焼
成して、熱伝導率が80W以上であり外径が200mm
の円盤状の炭化珪素焼結体を得た。
厚4mm、外径200mmの円盤状をした均熱板2と
し、さらに大気中で1200℃×1時間の熱処理を施し
前記焼結体の表面に酸化膜24を形成した。その後、ガ
ラス粉末に対してバインダーとしてのエチルセルロース
と有機溶剤としてのテルピネオールを混練して作製した
ガラスペーストをスクリーン印刷法にて敷設し、80℃
に加熱して有機溶剤を乾燥させたあと、450℃で30
分間脱脂処理を施し、さらに700〜900℃の温度で
焼き付けを行うことにより、ガラスからなる厚み400
μmの絶縁層4を形成した。次いで絶縁層4上に発熱抵
抗体5を被着するため、導電材としてAu粉末とPt粉
末を混合したガラスペーストを、スクリーン印刷法にて
所定のパターン形状に印刷したあと、80℃に加熱して
有機溶剤を乾燥させ、さらに450℃で30分間脱脂処
理を施したあと、700〜900℃の温度で焼き付けを
行うことにより、厚みが30μmの発熱抵抗体5を形成
した。
4分割し、中央部を加えた5パターン構成とした。しか
るのち発熱抵抗体5に給電部6を導電性接着剤にて固着
させることにより、均熱板2を製作した。
μmとし、均熱板2の載置面3に、同心円上にφ80m
m、φ100mm、φ120mm、φ140mm、φ160
mmの2〜5等配の位置および中央部に凹部21を形成
し、同心円上の支持ピン20は載置面3からの突出高さ
hを30μm、50μm、100μm、200μm、3
00μm、400μm、500μmとなるように設置
し、かつ前記均熱板2の中心部の支持ピン20は同心円
上の支持ピン20の載置面3からの突出高さhに対し、
相対的に5μmづつ変動させたサンプルを準備した。
部を形成した厚み2.5mmのSUS304からなる2
枚の板状構造体13を準備し、この内の1枚に、熱電対
10、10本の導通端子7を所定の位置に形成し、同じ
くSUS304からなる側壁部とネジ締めにて固定して
支持体11を準備した。
を重ね、その外周部を弾性体8を介してネジ締めするこ
とにより図1に示した本発明のウエハ加熱装置1とし
た。
給電部6を形成し、900℃で焼き付け処理した。その
後、バネを有する導通端子7を装着した支持体11にそ
の外周部を弾性体8を介してネジ締めすることにより図
1に示した本発明のウエハ加熱装置1とした。
高さhは、1μm精度のデプスゲージを用いて測定し
た。測定方法は、凹部21から半径10mmの円周上の
4等分点の高さを基準に支持ピン20の頭の高さを測定
した。
熱装置1の導電端子7に通電して200℃で保持し、載
置面3の上に載せたウエハ表面の温度分布を、均熱板2
の同心円上の各点の温度バラツキが1℃以内となること
を確認した後、150℃に30分保持したのち、ウエハ
Wを載せてウエハWが150℃に保持されるまでのウエ
ハ面内の温度バラツキの過渡特性を評価した。評価基準
としては、昇温過渡時の温度バラツキが10℃以下のも
の、ウエハ面の温度上昇時における温度のオーバーシュ
ートが2.0℃以内であるものをOKとし、それ以上と
なるものはNGとした。なお、ここでいうオーバーシュ
ートとは、均熱板2の温度を制御してウェハWの温度を
所定の温度に制御する際に、勢い余ってその設定温度よ
り高めになってしまった温度差のことである。
1.0℃に安定するまでの時間を同時に測定した。これ
については、50秒以内に安定したものを良好とし、こ
れ以上の時間を要するものは、不良として判定した。
る。
mに対し、中心部と直径130mmの同心円上の3等配
の位置に設置し、突出高さh 表1から判るように、支持ピン20の載置面3からの突
出高さhが30μmと低いNo.1およびNo.12
は、均熱板2からの熱をウエハWが直接受けるため、温
度のオーバーシュートが2.3℃以上と大きくなった。
また、前記突出高さhを600μmとしたNo.8およ
びNo.19は、オーバーシュート量は1.0℃と小さ
くなったが、温度が±1℃の範囲に安定するまでの時間
が55秒と遅くなってしまった。これに対し、前記突出
高さhが50〜500μm(0.05〜0.5mm)で
あるNo.2〜7およびNo.13〜18は、温度のオ
ーバーシュート量を2.0℃以下とし、温度が±1.0
℃に安定するまでの時間を50秒以下とすることができ
た。しかし、搬送速度を従来比1.5倍の40mm/秒と
したとき、前記突出高さhを50〜500μmとしたも
のの中で、均熱板2の中央に支持ピン20を設置しなか
ったものについては、ウエハ載置直後にウエハWがたわ
んでしまい、温度バラツキを10℃以下とすることはで
きなかった。
と、中心部の支持ピン20bの突出高さhを変化させた
ものである。なお、同心円上の支持ピン20cの突出高
さhは100μmで一定とし、その突出高さhのバラツ
キは、5μmとした。
支持ピン20bの突出高さhが、同心円上の支持ピン2
0cの突出高さhより高かったNo.8、9は、ウエハ
Wが中心部の支持ピン20bによって突き上げられ、ウ
エハWの載置状態が不安定となり、温度バラツキを10
℃以下とすることはできなかった。また、支持ピン20
cが2等配の場合、ウエハWの支持が不安定になるの
で、昇温過渡時の温度バラツキが大きくなってしまっ
た。これに対し、中心部の支持ピン20bの突出高さh
が同心円上の支持ピン20cの突出高さhと同等もしく
は若干低くなるNo.2〜7は、昇温過渡時の温度バラ
ツキが10℃以下と小さくなり、オーバーシュート量は
2.0℃以下、温度安定時間は50秒以下と良好な性能
が得られることが判った。
を変化させたものである。なお、同心円上の支持ピン2
0cの突出高さhは100μmで一定とし、その突出高
さhのバラツキは、5μmとした。
がウエハ径×0.6より小さい同心円上に配列されてい
るNo.1、2、支持ピン20cの配列が半円状、扇形
となるNo.6、7は、ウエハWの載置状態が不安定と
なり、ウエハW載置後の昇温過渡時の温度バラツキを1
0℃以下とすることはできなかった。これに対し、支持
ピン20cがウエハ径×0.6以上の直径を有するよう
に配列されているNo.3〜5は、なお、本実験は、φ
200mm径のウエハWを用いて行ったが、φ300m
m径のウエハWであっても同様の結果であった。
いて行ったが、反りを有するウエハWを用いた場合も同
様の結果となった。特に、同心円上の支持ピン20cに
加えてウエハWの中心に支持ピン20bを備えた場合、
ウエハWが均熱板2に触れるのを防止でき、好適な結果
となった。
面粗さについて評価した。支持ピン20の材質は純度9
6%以上の高純度アルミナセラミックスとし、先端20
aの形状を平滑形状、先端角90度以下の鋭利形状、曲
面形状とし、該先端形状の表面粗さRaは、0.4μ
m、0.8μm、1.2μmと変更し、後は、実施例1
と同様にしてサンプルを作製した。
20aの形状がフラットであったNo.1は、前記突出
高さhのバラツキが17μmと非常に大きくなった。ま
た、支持ピン20の先端20aの形状が鋭利であったN
o.2、3は、ウエハWを載置したときにウエハWの裏
面を削り取ることによるパーティクルの発生がみられ
た。
形状が曲面形状であったNo.4は、前記突出高さhの
バラツキが小さく、しかもウエハWの裏面を削ることも
なく、安定したウエハ載置が得られた。
20aの表面粗さRaが1.2μm以上であったNo.
1、2は、ウエハWが載置されるときにウエハWの裏面
を削り取ることによるパーティクルの発生がみられた。
表面粗さRaが0.8μm以下であったNo.3、4
は、ウエハWの裏面を削ることによるパーティクルの発
生もなく、安定したウエハ載置が得られた。
ックスからなる均熱板の一方の主面をウエハの載置面と
し、他方の主面もしくは内部に発熱抵抗体を有するとと
もに、該発熱抵抗体と電気的に接続される給電部を前記
他方の主面に具備してなるウエハ加熱装置において、前
記載置面に該載置面からの突出高さが0.05〜0.5
mmとなるようなウエハを支える複数の支持ピンを備
え、該支持ピンはウエハ中心部1点と、さらに少なくと
も3点のウエハ径×0.6以上の略同心円上に配列さ
れ、略同心円上の支持ピンの突出高さのバラツキは15
μm以下であり、かつ該中央部の支持ピン高さは外周上
の支持ピン高さより低くし、前記支持ピンの先端は曲面
形状をなすとともに、該円弧部分の表面粗さはRa≦
0.8μmとすることにより、ウエハを交換した際のウ
エハ温度の昇温過渡時のオーバーシュートを10℃以下
に小さくし、オーバーシュート量を小さくするととも
に、所定温度±1℃にウエハ温度が安定するまでの時間
を短縮することが可能となる。
平面図であり、(b)はそのX−X断面図である。
面図である。
ある。
4:絶縁層 5:発熱抵抗体 6:給電部 7:導通端子
8:弾性体 10:熱電対 11:支持体20:支持ピン 2
1:凹部 24:固定治具 h:突出高さ W:ウエハ
Claims (2)
- 【請求項1】セラミックスからなる均熱板の一方の主面
をウエハの載置面とし、他方の主面もしくは内部に発熱
抵抗体を有するとともに、該発熱抵抗体と電気的に接続
される給電部を前記他方の主面に具備してなるウエハ加
熱装置において、前記載置面に該載置面からの突出高さ
が0.05〜0.5mmとなる複数の支持ピンを備え、
該支持ピンは載置面の中心部1点と、ウエハ径×0.6
以上の直径を持つ略同心円上に少なくとも3点配列さ
れ、略同心円上の支持ピンの突出高さのバラツキは15
μm以下であり、かつ前記中心部の支持ピンの突出高さ
は略同心円上の支持ピンの突出高さより低いことを特徴
とするウエハ加熱装置。 - 【請求項2】前記支持ピンの先端が曲面形状をなすとと
もに、その表面粗さ(Ra)が0.8μm以下であるこ
とを特徴とする請求項1記載のウエハ加熱装置。
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