JP4146707B2 - ウェハ加熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にウェハを加熱するのに用いるウェハ加熱装置に関するものであり、例えば、半導体ウェハや液晶装置あるいは回路基盤等のウェハ上に薄膜を形成したり、前記ウェハ上に塗布されたレジスト液を乾燥焼き付けしてレジスト膜を形成したりするのに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体製造装置の製造工程における、半導体薄膜の成膜装置、エッチング処理、レジスト膜の焼き付け処理等においては、半導体ウェハ(以下、ウェハと略す)を加熱するためにウェハ加熱装置が用いられている。
【0003】
従来の半導体製造装置は、まとめて複数のウェハを成膜処理するバッチ式のものが使用されていたが、ウェハの大きさが200mmから300mmと大型化するにつれ、処理精度を高めるために、1枚ずつ処理する枚葉式と呼ばれる手法が近年実施されている。しかしながら、枚葉式にすると1回あたりの処理数が減少するため、ウェハの処理時間の短縮が必要とされている。このため、ウェハの加熱時間の短縮や温度精度の向上が要求されていた。
【0004】
特許文献1には、図5に示すような、炭化珪素、窒化アルミニウムやアルミナ等の板状セラミックス体200の一方の主面を、ウェハWを載せる載置面とし、他方の主面には絶縁層34を介して抵抗発熱体35が設置された均熱板32と、板状構造部43を備えた支持体41とからなるウェハ加熱装置31が開示されている。そして、前記抵抗発熱体35に導通端子37が弾性体38により固定され、導通端子37は板状構造部43に絶縁材39を介して固定されていた。そして、前記均熱板32は、支持体41にボルト47で固定され、さらに均熱板32の内部には熱電対40が挿入されていた。そして均熱板32を所定の温度に保つように、導通端子37から抵抗発熱体35に供給される電力を調整するシステムとなっていた。
【0005】
そして、ウェハ加熱装置31の載置面33に、レジスト液が塗布されたウェハWを載せたあと、抵抗発熱体35を発熱させることにより、均熱板32を介して載置面33上のウェハWを加熱し、レジスト液を乾燥焼き付けしてウェハW上にレジスト膜を形成するようになっていた。
【0006】
また、ウェハ加熱装置31において、ウェハWの表面全体に均質な膜を形成し、レジスト膜の加熱反応状態を均質にするためには、ウェハWの温度分布を均一にすることが重要である。
【0007】
また、半導体の設計ルールでは、形成される配線パターンの線幅が現在の0.18μmから数年後には0.10μm以下になると言われており、それを達成するには、時間が経過してもウェハ面内の温度が一定となる定常時の温度分布を均一にするだけでは不十分であり、過渡時の温度分布も均一にする必要がある。過渡時の温度分布とは、所定の温度に加熱されたウェハ加熱装置31の載置面33に、室温に冷えたウェハWを載置した際のウェハWが所定の温度に到達する迄の間のウェハWの面内温度差の最大値のことである。
【0008】
従来のウェハ加熱装置31の定常時の温度分布は均一とすることが出来るが、過渡時の温度分布は、図5に示すようにウェハWの中心部と比較し、外周部の昇温が遅れ、過渡時のウェハWの面内温度差が大きかった。
【0009】
そこで、特許文献2には、板状セラミックス体200の外周部の放熱量に相当する量の熱容量を中央部より小さくして、放熱量の低下とともに発熱体からの加熱エネルギーを迅速に伝達させ、測温素子と発熱体とによる温度制御特性を上げることで、均熱板32の全加熱面を均一の温度としたウェハ加熱装置31が開示されている。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−244059号
【特許文献2】
特開2002−198302号
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載の板状セラミックス体200の外周部の熱容量を小さくしたウェハ加熱装置31は、ウェハWを加熱した載置面3に載せた瞬間、均熱板2の外周部の熱容量が小さいことから、ウェハWの外周部が載置面33の外周部より受け取れる熱量が小さくなり、ウェハWの外周部の温度が中心部と比べ小さくなる。その結果、ウェハWの外周部の温度は中心部より低い状態から昇温が開始され、過渡時のウェハWの面内温度差は大きくなった。このようなウェハ加熱装置31で、レジスト膜の加熱処理を行うと、レジスト膜の反応状態は不均一になり、ウェハW上に形成されたレジスト膜の配線パターンの線幅のバラツキが非常に大きくなり、0.1μm以下の微細な配線パターンを安定して形成することが出来ないとの問題があった。
【0012】
半導体の配線パターンの微細化とともに、ウェハWを加熱する際の過渡時のウェハW面内の温度差が小さく、しかも温度分布の均一な優れたウェハ加熱装置が求められている。
【0013】
本発明は、板状セラミックス体の一方の主面をウェハの載置面とし、他方の主面または内部に複数の抵抗発熱体を有し、該抵抗発熱体と電気的に接続された給電部を備えるとともに、前記板状セラミックス体の外周部の厚みを中心部の厚みの1.2倍以下で、かつ1.001倍以上、前記板状セラミックス体の載置面を凸形状とし、さらに前記載置面に該載置面からの突出高さが50〜300μmの複数の支持ピンを備え、該支持ピンの突出高さのバラツキは15μm以下であり、前記複数の抵抗発熱体の中の最外周に配設された抵抗発熱体の内接円の直径は前記板状セラミックス体の直径の60〜90%であり、かつ最外周に配設された抵抗発熱体の数は、それ以外に配設された抵抗発熱体の数より多くしたことを特徴とする。
【0014】
また、前記板状セラミックス体が炭化珪素または窒化アルミニウムからなることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0020】
図1は本発明に係わるウェハ加熱装置1の1例を示す断面図であり、炭化珪素、炭化硼素、窒化硼素、窒化珪素、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックからなる板状セラミックス体20の一方の主面を、ウェハWを載せる載置面3とすると共に、他方の主面に抵抗発熱体5を形成し給電部6を備えた均熱板2と、円筒状の側壁と板状構造部3からなる支持体11を主な構成要素として備えている。
【0021】
抵抗発熱体5には、金や銀、パラジウム、白金等の材質からなる給電部6が形成され、該給電部6に導通端子7を押圧して接触させることにより、導通が確保されている。
【0022】
さらに、均熱板2と支持体11との間に断熱材16を設置し、外周にボルトを貫通させ、均熱板2側より弾性体8、座金18を介在させてナット19を螺着することにより均熱板2と支持体11を弾性的に固定している。これにより、均熱板2の温度を変更したり、載置面3にウェハを載せ均熱板2の温度が変動したりする場合に支持体11に変形が発生しても、上記弾性体8によってこれを吸収し、これにより均熱板2の反りを防止し、ウェハ加熱におけるウェハW表面に温度差が発生することを防止できる。
【0023】
図2の(a)から(d)は板状セラミックス体20の断面を示す模式図であり、本発明のウェハ加熱装置1は、板状セラミックス体20の外周部の厚みT1が中心部の厚みT2より大きいことを特徴とする。
【0024】
尚、外周部の厚みT1とは、板状セラミックス体20の周辺端から約10mmの位置の厚みを4箇所測定し、その厚みの平均値で代表させることができる。
【0025】
外周部の厚みT1が、中心部の厚みT2と同等以下になると、外周部の熱容量が小さくなる為、冷えたウェハWを載置面3に載置した直後にウェハWの外周部へ伝達される熱量が中心部と比較して小さくなり中心部の温度より外周部の温度が低くなる。その結果、ウェハWの中心部より外周部の昇温が遅れることになり、過渡時のウェハW面内の温度差が大きくなるからである。
【0026】
外周部の厚みT1が、中心部の厚みT2の1.2倍を越えると、外周部の熱容量が大きくなり過ぎる為、逆にウェハW外周部の昇温が中心部より高くなり、過渡時の温度バラツキが大きくなる。これに対し、外周部の厚みT1を中心部の厚みT2の1.2倍以下とすると、ウェハW中心部と外周部の温度差が小さくなり、過渡時の温度バラツキを小さくすることが出来る。
【0027】
また、外周部の厚みT1は中心部の厚みT2の1.001倍以上とすることが好ましく、更に好ましくは、1.005〜1.1倍である。
【0028】
また、板状セラミックス体2の断面の形状は、図2(a)の様に載置面3が平面で他方の主面が凹形状であっても、図2(b)に示すように載置面3と他方の主面が凹状でも、図2(c)に示すように載置面3が凸形状で他方の主面が凹形状でも構わないが、載置面3を凸形状にする方が過渡時のウェハW面内の温度差が小さくより好ましい。また、凸形状の載置面3にウェハWを載置する際、安定して載置されやすい為である。更に、図2(d)に示すような段付き形状としても構わない。
【0029】
このような板状セラミックス体2の形状は、凹凸形状を備えた形状ダイヤを用いて研削加工を行ったり、板状セラミックス体2と異なる熱膨張の材料を片面に加熱して貼り付けた後、板状セラミックス体2を反らた状態で反対面を研削加工することにより得ることが出来る。また、板状セラミックス体2をラップ研磨する際に、ラップ研磨の加重を中心部と外周部で変えることによっても得ることが出来る。
【0030】
また、本発明のウェハ加熱装置は、載置面3には複数の凹部15が形成されており、該凹部15の中にウェハWを支えるための支持ピン14を配置している。そして、載置面3からの突出高さhが50〜300μmの複数の支持ピン14を備え、該支持ピン14の突出高さのバラツキは15μm以下であり前記複数の抵抗発熱体5の中の最外周に配設された抵抗発熱体5の内接円の直径Aは前記板状セラミックス体の直径Bの60〜90%であり、かつ最外周に配設された抵抗発熱体5aの数は、それ以外に配設された抵抗発熱体5bの数より多くしたことを特徴とする。尚、この突出高さhは、図1に示すように支持ピン14の先端が載置面3から突き出ている高さを意味している。
【0031】
前記突出高さが50μm未満となると、均熱板2の温度に影響されやすくなり昇温過渡時のウェハW面内の温度差が大きくなり好ましくない。また、前記突出高さhが300μmを越えると、ウェハWの温度分布は小さくなるが、ウェハ交換後のウェハW温度の昇温応答性が悪くなり、ウェハWの温度が均一に安定するまでの時間が長くなり好ましくない。これに対し、前記突出高さを50〜300μmとすると、昇温過渡時のウェハW面内の温度差を小さくすることができ、かつウェハWの温度を速やかに安定させることができ好ましい。更に好ましくは50〜200μmの範囲が良い。
【0032】
また、前記略同心円上の支持ピン14の突出高さhのバラツキが15μmを越えると、ウェハWを載せ替えた際の昇温過渡時に、ウェハWと載置面3との間隔が小さい部分は均熱板2の昇温の影響を大きく受けて温度は速やかに上昇し、逆に前記間隔が大きい部分はウェハWの温度が遅れながら上昇するので、両者の間で温度差が過大となって好ましくない。ゆえに、略同心円上の支持ピン14の突出高さのばらつきは、15μm以下としなければならない。
【0033】
また、抵抗発熱体5は、例えば図3に示すような複数の複数の抵抗発熱体5a、5bを備えている。そして複数の抵抗発熱体5の中の、最外周に配設された複数の抵抗発熱体5aに内接する円の内径Aは、板状セラミックス体20の直径Bの60〜90%の範囲である事が好ましい。また、最外周に配設された抵抗発熱体5aの数は、それ以外に配設された抵抗発熱体5bの数より多くすると良い。
【0034】
最外周に配設された抵抗発熱体5aの内接円の直径Aを板状セラミックス体20の直径Bの60%未満とすると、最外周に配設された抵抗発熱体5aの径方向の長さが長くなり過ぎ、過渡時にウェハWの昇温の遅い外周部と昇温の速い中心側を同じ抵抗発熱体で加熱しながら、昇温させることになる。その為、抵抗発熱体5aの内側と外側で大きな温度差が発生し、過渡時のウェハW面内の温度差が大きくなる。
【0035】
また、最外周に配設される抵抗発熱体5aの内接円の直径Aが板状セラミックス体20の直径Bの90%を越えると、抵抗発熱体5aの径方向の長さが小さくなり過ぎて、板状セラミックス体20の周辺部の大きな放熱量を補うために発熱密度を大きくする必要がある。これは、定常時、支持体11への熱引きに相当する発熱量を抵抗発熱体5aから供給する必要がある為である。そこで直径Aが直径Bの90%を越えると、過渡時の抵抗発熱体5a部の昇温が非常に速くなり、過渡時の温度バラツキが大きくなってしまい、好ましくない。
【0036】
また、最外周に構成される抵抗発熱体5aの数が、それ以外を構成する抵抗発熱体5bの数より少なくなると過渡時の温度安定時間が大きくなり好ましくない。その理由は、各抵抗発熱体を制御する測温素子の温度検知バラツキに起因する。ウェハWを載置面3に載置した際のウェハWの昇温挙動は、ウェハWを載せた瞬間に温度低下の大きな均熱板2の中央部の抵抗発熱体5b部が先に昇温し、均熱板2の外周部である抵抗発熱体5aが遅れて昇温する。その為、先に昇温する抵抗発熱体5bを制御する測温素子の温度検知の反応速度は速い必要がある。しかし、実際の測温素子は、測温素子毎に温度検知の反応速度はバラツキがあり、反応速度の速い測温素子が制御する抵抗発熱体5は昇温が速く、逆に反応速度の遅い測温素子が制御する抵抗発熱体5は昇温が遅くなり、過渡時のウェハW面内の温度差が発生する。抵抗発熱体の数が増えるほど、この傾向は助長され、過渡時のウェハW面内の温度差が大きくなる虞がある。
【0037】
逆に、前記の昇温の遅い抵抗発熱体5aは、測温素子の温度検知の反応速度のバラツキの影響を受けにくく、比較的小さな温度バラツキで昇温する。その為、抵抗発熱体5bで温度バラツキが発生しても、温度バラツキの小さい抵抗発熱体5aからの伝熱で、短時間にバラツキを小さくすることが出来る。抵抗発熱体5aの分割数が多い程、この働きは顕著である。また、この傾向は、均熱板の大きさに関わらず同様である。
【0038】
次にその他の構成について説明する。
【0039】
上記の支持ピン14は載置面3の中心部に少なくとも1点、中間部に少なくとも3点、最外周部に4点以上配置され、上記の中間部や最外周部に略同心円上に配設されている。
【0040】
なお、支持ピン14は凹部15に接合せずに単に載置しておくだけでよい。その場合、脱落を防止するために、不図示の固定治具を凹部15の上部に設置する。この固定治具は、支持ピン14とは接触しても接触しなくても特に支障はなく、固定治具は市販のスナップリングを用いても何ら問題ない。ただし、固定治具の材質としては、錆等のパーティクルを発生させない為、Ni、SUS316、SUS631、42アロイ、インコネル、インコロイ等、耐熱金属のものを使用することが好ましい。
【0041】
また、絶縁層4上に被着する抵抗発熱体5としては、金(Au) 、銀(Ag)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)等の金属単体を、蒸着法やメッキ法にて直接被着するか、あるいは前記金属単体や酸化レニウム(Re2O3)、ランタンマンガネート(LaMnO3)等の酸化物を導電材として含む樹脂ペーストやガラスペーストを用意し、所定のパターン形状にスクリーン印刷法等にて印刷したあと焼き付けて前記導電材を樹脂やガラスから成るマトリックスで結合すれば良い。マトリックスとしてガラスを用いる場合、結晶化ガラス、非晶質ガラスのいずれでも良いが、熱サイクルによる抵抗値の変化を抑えるために結晶化ガラスを用いることが好ましい。
【0042】
ただし、抵抗発熱体5に銀又は銅を用いる場合、マイグレーションが発生する恐れがあることから、マイグレーションを防止するには、抵抗発熱体5を覆うように絶縁層4と同一の材質から成る保護膜を30μm程度の厚みで被覆しておけば良い。
【0043】
また、断熱材16は、100〜300℃の熱膨張係数が3×10-5/℃以下、縦弾性係数が50〜250MPa、且つ熱伝導率が30W/m・K以下とし、平坦度を800μm以下としている。100〜300℃の熱膨張係数が3×10-5/℃を越えると熱膨張差により、昇温冷却の繰り返しにより均熱板2との接触状態が変わり、その結果、温度分布の再現性が悪くなってしまう。また、縦弾性係数が50MPa未満になると温度サイクルにより断熱材16は変形してしまう。また、250MPaを越えると弾性的に保持することが出来なくなり、支持体11変形の際の緩和効果が薄れてしまう。また、熱伝導率が40W/(m・K)を越えると均熱板2との接触部の熱引きが大きくなりすぎ温度分布が不均一になってしまう。また、平坦度が800μmを越えると均熱板2に反りを発生させ、その結果、温度分布が不均一になってしまう。
【0044】
また、金属製の支持体11は、側壁と板状構造体13とを有し、該板状構造体13には、2枚とも、その面積の5〜50%にあたる開口部が形成されている。
【0045】
そして、該板状構造体13には抵抗発熱体5に電力を供給するための導通端子7が絶縁材9を介して設置されている。そして、前記導通端子7は、給電部6に弾性体8により押圧される構造となっている。
【0046】
さらに、均熱板2には、温度制御用のセンサである熱電対10を設置しており、該熱電対10が検知した温度に適した電力量を、抵抗発熱体5に供給することにより均熱板2の温度を制御する構成となっている。
【0047】
また、不図示のリフトピンは支持体11内に昇降自在に設置され、ウェハWを載置面3上に載せたり、載置面3より持ち上げたりするために使用される。そして、このウェハ加熱装置1によりウェハWを加熱するには、載置面3を所定の温度に加熱しておく。次に不図示の搬送アームにて載置面3の上方まで運ばれたウェハWをリフトピンにより支持したあと、リフトピンを降下させてウェハWを載置面3上に載せる。次に、ウェハWの熱引きによる載置面の温度降下を熱電対10により検出し、その結果を元に最適な電力を給電部6に通電して抵抗発熱体5を発熱させ、絶縁層4及び均熱板2を介して載置面3上のウェハWを加熱する。
【0048】
ところで、このような特性を満足するには、均熱板2の板厚を1.5mm〜9mmとすると良い。これは、板厚が1.5mm未満であると、板厚が薄すぎるために、ジュール熱を素早く伝達し温度バラツキを平準化するという均熱板2としての効果が小さく、抵抗発熱体5におけるジュール熱のバラツキがそのまま載置面3の温度バラツキとして表れるため、載置面3の均熱化が難しいからであり、逆に板厚が9mmを越えると、均熱板2の熱容量が大きくなり過ぎ、所定の処理温度に加熱するまでの昇温時間や温度変更時の冷却時間が長くなり、生産性を向上させることができないからである。
【0049】
また載置面3の大きさは、ウェハWの大きさの107.5〜130%とすることが好ましい。これは107.5%未満になると、定常時の温度バラツキが10℃を超えてしまう。逆に130%を超えると消費電力が300Wを超えてしまう。これに対し107.5%〜130%とすると定常時の温度バラツキ、過渡時の温度バラツキを小さく、省電力化することができる。
【0050】
また、均熱板2を形成するセラミックスとしては、炭化珪素、炭化硼素、窒化硼素、窒化珪素、窒化アルミニウムのようないずれか1種以上を主成分とするものを使用することができる。
【0051】
本発明によれば、板状セラミックス体20を炭化珪素質焼結体、炭化硼素質焼結体、窒化硼素質焼結体、窒化珪素質焼結体、もしくは窒化アルミニウム質焼結体により形成してあることから、熱を加えても変形が小さく、板厚を薄くできるため、所定の処理温度に加熱するまでの昇温時間及び所定の処理温度から室温付近に冷却するまでの冷却時間を短くすることができ、生産性を高めることができるとともに、60W/(m・K)以上の熱伝導率を有することから、薄い板厚でも抵抗発熱体5のジュール熱を素早く伝達し、載置面3の温度バラツキを極めて小さくすることができる。
【0052】
特に、炭化珪素質焼結体からなる板状セラミックス体20は大気中の水分等と反応してガスを発生させることもないため、半導体ウェハW上へのレジスト膜の貼付に用いたとしても、レジスト膜の組織に悪影響を与えることがなく、微細な配線を高密度に形成することが可能である。
【0053】
炭化珪素質焼結体としては、主成分の炭化珪素に対し、焼結助剤として硼素(B)と炭素(C)を含有した焼結体や、主成分の炭化珪素に対し、焼結助剤としてアルミナ(Al2O3)とイットリア(Y2O3)を含有し1900〜2200℃で焼成した焼結体を用いることができ、また、炭化珪素はα型を主体とするもの、あるいはβ型を主体とするもののいずれであっても構わない。
【0054】
また、炭化硼素質焼結体としては、主成分の炭化硼素に対し、焼結助剤として炭素を3〜10重量%混合し、2000〜2200℃でホットプレス焼成することにより焼結体を得ることができる。
【0055】
そして、窒化硼素質焼結体としては、主成分の窒化硼素に対し、焼結助剤として30〜45重量%の窒化アルミニウムと5〜10重量%の希土類元素酸化物を混合し、1900〜2100℃でホットプレス焼成することにより焼結体を得ることができる。窒化硼素の焼結体を得る方法としては、他に硼珪酸ガラスを混合して焼結させる方法があるが、この場合熱伝導率が著しく低下するので好ましくない。
【0056】
また、窒化珪素質焼結体としては、主成分の窒化珪素に対し、焼結助剤として3〜12重量%の希土類元素酸化物と0.5〜3重量%のAl2O3、さらに焼結体に含まれるSiO2量として1.5〜5重量%となるようにSiO2を混合し、1650〜1750℃でホットプレス焼成することにより焼結体を得ることができる。ここで示すSiO2量とは、窒化珪素原料中に含まれる不純物酸素から生成するSiO2と、他の添加物に含まれる不純物としてのSiO2と、意図的に添加したSiO2の総和である。
【0057】
また、窒化アルミニウム質焼結体としては、主成分の窒化アルミニウムに対し、焼結助剤としてY2O3やYb2O3等の希土類元素酸化物と必要に応じてCaO等のアルカリ土類金属酸化物を添加して十分混合し、平板状に成形した後、窒素ガス中1900〜2100℃で焼成することにより得られる。
【0058】
これらの焼結体は、その用途により材質を選択して使用する。例えば、レジスト膜の乾燥に使用する場合は、窒化物は水分と反応してアンモニアガスを発生し、これがレジスト膜の酸を中和させ、レジスト膜の酸化反応を鈍らせるので使用できない。また、800℃程度の高温で使用する可能性のあるCVD用のウエハ加熱装置の場合は、ガラスを多く含む窒化硼素系の材料は、均熱板2が使用中に変形してしまい均熱性が損なわれてしまう可能性がある。
【0059】
さらに、均熱板2の載置面3とは反対側の主面は、ガラスや樹脂からなる絶縁層4との密着性を高める観点から、平面度20μm以下、面粗さを中心線平均粗さ(Ra)で0.1μm〜0.5μmに研磨しておくことが好ましい。
【0060】
一方、炭化珪素質焼結体を均熱板2として使用する場合、多少導電性を有する均熱板2と抵抗発熱体5との間の絶縁を保つ絶縁層4としては、ガラス又は樹脂を用いることが可能であり、ガラスを用いる場合、その厚みが100μm未満では耐電圧が1.5kVを下回り絶縁性が保てず、逆に厚みが350μmを越えると、均熱板2を形成する炭化珪素質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体との熱膨張差が大きくなり過ぎるために、クラックが発生して絶縁層4として機能しなくなる。その為、絶縁層4としてガラスを用いる場合、絶縁層4の厚みは100μ〜600μmの範囲で形成することが好ましく、望ましくは200μm〜350μmの範囲で形成することが良い。
【0061】
また、均熱板2を、窒化アルミニウムを主成分とするセラミック焼結体で形成する場合は、均熱板2に対する抵抗発熱体5の密着性を向上させるために、ガラスからなる絶縁層4を形成する。ただし、抵抗発熱体5の中に十分なガラスを添加し、これにより十分な密着強度が得られる場合は、省略することが可能である。
【0062】
次に、絶縁層4に樹脂を用いる場合、その厚みが30μm未満では、耐電圧が1.5kVを下回り、絶縁性が保てなくなるとともに、抵抗発熱体5にレーザ加工等によってトリミングを施した際に絶縁層4を傷付け、絶縁層4として機能しなくなり、逆に厚みが150μmを越えると、樹脂の焼付け時に発生する溶剤や水分の蒸発量が多くなり、均熱板2との間にフクレと呼ばれる泡状の剥離部ができ、この剥離部の存在により熱伝達が悪くなるため、載置面3の均熱化が阻害される。その為、絶縁層4として樹脂を用いる場合、絶縁層4の厚みは30μm〜150μmの範囲で形成することが好ましく、望ましくは60μm〜150μmの範囲で形成することが良い。
【0063】
また、絶縁層4を形成する樹脂としては、200℃以上の耐熱性と、抵抗発熱体5との密着性を考慮すると、ポリイミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、ポリアミド樹脂等が好ましい。
【0064】
なお、ガラスや樹脂から成る絶縁層4を均熱板2上に被着する手段としては、前記ガラスペースト又は樹脂ペーストを均熱板2の中心部に適量落とし、スピンコーティング法にて伸ばして均一に塗布するか、あるいはスクリーン印刷法、ディッピング法、スプレーコーティング法等にて均一に塗布したあと、ガラスペーストにあっては、600℃の温度で、樹脂ペーストにあっては、300℃以上の温度で焼き付ければ良い。また、絶縁層4としてガラスを用いる場合、予め炭化珪素質焼結体又は炭化硼素質焼結体から成る均熱板2を1200℃程度の温度に加熱し、絶縁層4を被着する表面を酸化処理し酸化膜23を形成することで、ガラスから成る絶縁層4との密着性を高めることができる。
【0065】
また、図示しないが、抵抗発熱体5を内蔵するタイプの均熱板2に関しては、熱伝導率が高く電気絶縁性が高い窒化アルミニウム質焼結体を用いることが好ましい。この場合、窒化アルミニウムを主成分とし焼結助剤を適宜含有する原料を十分混合したのち円盤状に成形し、その表面にWもしくはWCからなるペーストを抵抗発熱体5のパターン形状にプリントし、その上に別の窒化アルミニウム成形体を重ねて密着した後、窒素ガス中1900〜2100℃の温度で焼成することにより抵抗発熱体を内蔵した均熱板2を得ることが出来る。また、抵抗発熱体5からの導通は、窒化アルミニウム質基材にスルーホールを形成し、タングステン(W)もしくはタングステンカーバイド(WC)からなるペーストを埋め込んだ後焼成するようにして表面に電極を引き出すようにすれば良い。また、給電部6は、ウエハWの加熱温度が350℃より高い場合、Au、Ag等の貴金属を主成分とするペーストを前記スルーホールの上に塗布し900〜1000℃で焼き付けることにより、内部の抵抗発熱体5の酸化を防止することができる。
【0066】
上記絶縁層4を形成するガラスの特性としては、結晶質又は非晶質のいずれでも良く、例えばレジスト乾燥用に使用する場合、耐熱温度が200℃以上でかつ0℃〜200℃の温度域における熱膨張係数が均熱板2を構成するセラミックスの熱膨張係数に対し−5〜+5×10-7/℃の範囲にあるものを適宜選択して用いることが好ましい。即ち、熱膨張係数が前記範囲を外れたガラスを用いると、均熱板2を形成するセラミックスとの熱膨張差が大きくなりすぎるため、ガラスの焼付け後の冷却時において、均熱板2に反りが発生したり、クラックや剥離等の欠陥が生じたりし易いからである。
【0067】
【実施例】
実施例 1
炭化珪素原料に3重量%のB4Cと2重量%の炭素を適量のバインダーおよび溶剤を用いて混合し、造粒した後成形圧100MPaで成形し、1900〜2100℃で焼成して、熱伝導率が80W/(m・K)以上であり外径が330mmの円板状の炭化珪素質焼結体を得た。
【0068】
この焼結体の両主面及び外周部に研削加工を施し、板厚4mm、外径320mmの円盤状とした後、ラップ研磨を施し、中心部の厚みT2に対し、外周部の厚みT1が、0.99倍、1.00倍、1.001倍、1.005倍、1.02倍、1.05倍、1.10倍、1.20倍、1.25倍となる均熱板2を9種類準備した。外周部の厚みT1とは、板状セラミックス体20の周辺から約10mmの位置での厚みを中心角90°の等間隔で4点測定した値の平均値である。また中心部の厚みT2とは、均熱板の中心より半径10mmの位置の厚みを中心角90°の等間隔で4点測定した値の平均値である。さらに大気中で1200℃×1時間の熱処理を施し前記焼結体の表面に酸化膜を形成した。その後、ガラス粉末に対してバインダーとしてのエチルセルロースと有機溶剤としてのテルピネオールを混練して作製したガラスペーストをスクリーン印刷法にて敷設し、80℃に加熱して有機溶剤を乾燥させたあと、450℃で30分間脱脂処理を施し、さらに700〜900℃の温度で焼き付けを行うことにより、ガラスからなる厚み400μmの絶縁層を形成した。次いで絶縁層上に抵抗発熱体を被着するため、導電材としてAu粉末とPt粉末を混合したガラスペーストを、スクリーン印刷法にて所定のパターン形状に印刷したあと、80℃に加熱して有機溶剤を乾燥させ、さらに450℃で30分間脱脂処理を施したあと、700〜900℃の温度で焼き付けを行うことにより、厚みが30μmの抵抗発熱体を形成した。また、支持体は、主面の40%に開口部を形成した厚み2.5mmのSUS304からなる2枚の板状構造体を準備し、この内の1枚に、熱電対を形成し、導通端子を所定の位置に形成し、同じくSUS304からなる側壁部とネジ締めにて固定して支持体を準備した。
【0069】
さらに、転写法により金ペーストからなる給電部を形成し、700〜900℃で焼き付け処理した。その後、バネを有する導通端子を装着した支持体に断熱材、均熱板の順に設置し、その外周部を弾性体を介してネジ締めすることにより図1または図5に示すウェハ加熱装置を作製した。
【0070】
尚、均熱板の載置面の平坦度は30μmとした。そして、支持ピンを、中心部に1点、φ150に3点、φ290に4点配置した。
【0071】
また、支持ピンの突出高さを0.1mmとした。なお支持ピン14の載値面3からの突出高さhは、1μm精度のデプスゲージを用いて測定した。
【0072】
そして、このようにして得られたウェハ加熱装置の導電端子に通電して200℃で保持し、載置面の上に載せたウェハ表面の温度分布を、均熱板の同心円で半径40mm、80mm、120mm、145mmの円周上の3等分点12点の合計12点の定常時のウェハ面内の温度差を測定し、ウェハWの面内温度差が0.7℃以下であった物のみ、評価した。評価は、ウェハ加熱装置を150℃に30分保持し、その後、室温に冷えたウェハWを載せてウェハWが150℃に保持されるまでのウェハ面内の過渡時の最大温度差と温度差が0.7℃以下となるまでの温度安定時間を評価した。評価の判定基準としては、ウェハWの昇温過渡時のウェハW面内の最大の温度差が5℃以下で、温度安定時間が50秒以下のものは0.1μm以下の微細な配線パターンを安定して形成することが可能であった。
【0073】
結果を表1に示した。
【0074】
【表1】
【0075】
表1から判るように、 外周部の厚みT1/中心部の厚みT2の比が1.001未満の試料No.1、2は、過渡時の温度差が5℃を越え、温度安定時間も50秒を越え大きく好ましくなかった。
【0076】
また、外周部の厚みT1/中心部の厚みT2の比が1.20を越える試料No.9は、過渡時の温度差が5℃を越え好ましくなかった。
【0077】
しかし、外周部の厚みT1/中心部の厚みT2の比が1.001〜1.20とした試料No.3〜8は、過渡時のウェハW面内の温度差が5℃以下で、温度安定時間も50秒以下と優れた特性を示した。
【0078】
更に、試料No.4〜7はウェハWの面内の温度差が4.4℃以下と小さく、温度安定時間も43秒以下と小さく、さらに好ましいことが分った。
【0079】
図6は従来のウェハ加熱装置でウェハWを加熱した時のウェハW面内の温度差を示すグラフでウェハWの中心部と外周部の温度差が大きいことが分る。これに対し、本発明のウェハ加熱装置はウェハW面内の温度差が小さくウェハWを均一に加熱処理できることが分った。
(実施例 2)
均熱板2の載置面3の形状を図7に示す中心部と外周部の高さとの差Hが−25μm、−10μm、0μm、+5μm、+10μm、+25μm、+50μmの7種類準備した。また、中心部の厚みT2に対する、外周部の厚みT1は、1.05倍とし、実施例1と同様にサンプルを作製した。高さの差Hがマイナスは凹形状、プラスは凸形状を示す。外周部とは、板状セラミックス体20の周辺から約10mmの位置とした。
【0080】
評価は、実施例1と同様に過渡時のウェハW面内の温度差を5回測定した。そして、測定値の最大値と最小値との差(ΔT)を算出し、ΔTの小さなものは再現性が優れていることを示す。
【0081】
評価の判定基準としては、上記ΔTが0.9〜1℃のものは再現性が良好として○で示し、また、ΔTが0.8℃以下を◎で示した。そして、それΔTが1℃を越える物は×で示した。
【0082】
結果を表2に示した。
【0083】
【表2】
【0084】
表2から判るように、中心部と外周部の高さ差Hがプラスである試料No.4〜7は、ΔTを1℃以下となり更に好ましかった。中心部と外周部との高さの差Hが0及びマイナスである試料No.1〜3は、過渡時の最大の温度バラツキの最大値と最小値の差が1℃を越えやや大きかった。
(実施例 3)
抵抗発熱体5の分割を図2に一例を示すように、最外周に構成される抵抗発熱体5aの数を4、6、8個の3種類とし、さらに内径Aが均熱板2の直径Bの58、60、67、80、90、92%である均熱板を夫々6種類準備した。また、最外周以外の構成される抵抗発熱体5bの数を、中心1個とその周囲に1〜7個の計2〜8個の7種類を準備した。また、各抵抗発熱体5a、5bの分割は周方向、径方向で等配とした。
【0085】
均熱板2の厚みは中心部の厚みT2に対し外周部の厚みT1を1.10倍で固定とし、実施例1と同様にして試料を作製し、同様に評価した。
【0086】
結果を表3に示した。
【0087】
【表3】
【0088】
表3から判るように、支持ピンの突出高さが50〜300μmかつ同心円上の支持ピン突出高バラツキ15μm以下かつ最外周抵抗発熱体ブロック内周A/均熱板外径の比が60〜90(%)かつ、最外周に構成される抵抗発熱体ブロックの数が、それ以外を構成する抵抗発熱体ブロックの数より多くなっている試験番号33、34、37、38、40、41、43、44、46、47、49、50、52、53、55、56、58、59、61、62、64、65、67、68、70、71、75〜78、82、83は、過渡時の温度バラツキが4.2℃以下、温度安定時間も40秒以下となり更に好ましい事がわかった。
【0089】
また、支持ピン突出高さが同じ、試料No.75、76、81〜84を比較すると、突出高さバラツキが15μmを越える試料No.83、84が過渡時の温度バラツキが5℃、4.8℃とやや大きく、温度安定時間も43、44秒とやや大きかった。
【0090】
また、支持ピン突出高さが50μm未満である試料No.31、32の過渡時のウェハW面内の温度差が4.7℃、5℃とやや大きく、温度安定時間も45秒、47秒とやや大きかった。逆に支持ピン突出高さが300μmを越える試料No.79、80は、温度安定時間が46、49秒とやや大きかった。
【0091】
また、最外周ブロック内径A/均熱板外径Bの比が60%未満である試料No.35、36は、過渡時の温度差が5℃、4.7℃とやや大きく、温度安定時間も48秒とやや大きかった。逆に90%を越える試料No.73、74も過渡時の温度差が5℃、4.8℃とやや大きく、温度安定時間も49秒、50秒とやや大きかった。
【0092】
また、試料No.39、42、45、48、51、54、57、60、63、66、69、72のように、最外周に構成される抵抗発熱体ブロック5aの数が、それ以外を構成する抵抗発熱体ブロック5bの数より少なくなると、温度安定時間が41秒を越えやや大きかった。
【0093】
なお、本実験は、φ300mm径のウェハWを用いて行ったが、φ200mm径のウェハWであっても同様の結果であった。
【0094】
また、本実験は、炭化珪素質セラミックを用いて行ったが、窒化アルミニウム質セラミックであっても同様の結果であった。
【0095】
また、図1の形状で行ったが、筐体形状に関わらず同様の結果であった。
【0096】
【発明の効果】
板状セラミックス体の一方の主面をウェハの載置面とし、他方の主面または内部に複数の抵抗発熱体を有し、該抵抗発熱体と電気的に接続された給電部を備えるとともに、前記板状セラミックス体の外周部の厚みが中心部より大きくすることにより、ウェハWの昇温過渡時の温度バラツキが5℃以下、温度安定時間が50秒以下の優れたウェハ加熱装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のウェハ加熱装置を示す断面図である。
【図2】 (a)〜(d)は本発明のウェハ加熱装置の均熱板のさまざまな実施形態を示す断面図である。
【図3】 本発明のウェハ加熱装置の抵抗発熱体の配置を示す図である。
【図4】 本発明のウェハ加熱装置の過渡時のウェハW温度を示す図である。
【図5】 従来のウェハ加熱装置を示す断面図である。
【図6】 従来のウェハ加熱装置の過渡時のウェハW温度を示す図である。
【符号の説明】
1、31:ウェハ加熱装置
2、32:均熱板
3、33:載置面
4、34:絶縁層
5、35:抵抗発熱体
5a:最外周に構成される抵抗発熱体
5b:最外周以外に構成される抵抗発熱体
6:給電部
7、37:導通端子
8、38:弾性体
9、39:絶縁材
10、40:熱電対
11、41:支持体
13、43:板状構造部
14:支持ピン
15:凹部
16:断熱材
47:ボルト
W:ウェハ
A:最外周に構成される抵抗発熱体5aの内径
B:均熱板の外径
T1:均熱板の外周部の厚み
T2:均熱板の中心部の厚み
H:均熱板の中心部と外周部との高さ差
h:支持ピン高さ
Claims (2)
- 板状セラミックス体の一方の主面をウェハの載置面とし、他方の主面または内部に複数の抵抗発熱体を有し、該抵抗発熱体と電気的に接続された給電部を備えるとともに、前記板状セラミックス体の外周部の厚みを中心部の厚みの1.2倍以下で、かつ1.001倍以上、前記板状セラミックス体の載置面を凸形状とし、さらに前記載置面に該載置面からの突出高さが50〜300μmの複数の支持ピンを備え、該支持ピンの突出高さのバラツキは15μm以下であり、前記複数の抵抗発熱体の中の最外周に配設された抵抗発熱体の内接円の直径は前記板状セラミックス体の直径の60〜90%であり、かつ最外周に配設された抵抗発熱体の数は、それ以外に配設された抵抗発熱体の数より多くしたことを特徴とするウェハ加熱装置。
- 前記板状セラミックス体が炭化珪素または窒化アルミニウムからなることを特徴とする請求項1に記載のウェハ加熱装置。
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