JP2004253795A - 加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 輻射熱を付加することで被加熱基板を加熱するホットプレートと、ホットプレートに備えられ、被加熱基板が加熱されている間に、被加熱基板をホットプレートから間隔を有するように保持する基板支持ピンとを有する加熱装置において、基板支持ピンで保持された被加熱基板を均一に加熱することができる加熱装置を提供する。
【解決手段】 被加熱基板(10)を輻射加熱するホットプレート(2)と、ホットプレートに形成された貫通孔(6)に昇降可能に配置され被加熱基板を昇降させるリフトピン(5)と、ホットプレートに固定され被加熱基板が加熱される間に被加熱基板をホットプレートから間隔を有するように保持するプロキシミティピン(11)とを有する加熱装置(101)において、ホットプレートにおけるプロキシミティピンの周囲、又は貫通孔の周囲に輻射熱を低減させる減熱部(13、7)を備えさせる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プロキシミティピンまたはリフトピンに代表される基板支持ピンで保持された被加熱基板を加熱する加熱装置に関するものであり、特に、液晶配向膜用ポリイミド印刷装置と併用する場合など、上記被加熱基板上に塗布または印刷にて供給された膜原料溶液を乾燥させて薄膜を形成する薄膜形成用の加熱装置に関する。
従来、この種の加熱装置としては様々な構造のものがあり、たとえば、図27に示すような構造を有する加熱装置501がある。図27に示すように、加熱装置501は、被加熱基板510を加熱するホットプレート502と、ホットプレート502に形成された夫々の貫通孔506に上下動可能に配置され、被加熱基板510を支持しながら昇降させる夫々のリフトピン505と、ホットプレート502の表面に固定されて、被加熱基板510が加熱される間に被加熱基板510をホットプレート502から所定の間隔を有するように保持する夫々のプロキシミティピン511とを備えている。
このような構成の加熱装置501においては、前工程によって処理された被加熱基板510が図示しない搬送装置によって加熱装置501に搬入されると、上昇状態にある夫々のリフトピン505(図27において点線で示す状態)によって被加熱基板510が保持され、当該保持状態にて夫々のリフトピン505を下降させて被加熱基板510を夫々のプロキシミティピン511により保持させるように、被加熱基板510の受渡しを行ない、それとともに、ホットプレート502により被加熱基板510の加熱処理を行なう(図27において実線で示す状態)。所定時間の加熱処理が完了すると、夫々のリフトピン505を夫々の貫通孔506に沿って上昇させることで、夫々のプロキシミティピン511から夫々のリフトピン505へ被加熱基板510の受渡しを行なって、被加熱基板505を上記搬送装置によって加熱装置501から搬出するように動作させる(たとえば、特開2001−44117号公報参照)。
このような構成の加熱装置501を用い、被加熱基板510上に塗布された膜原料溶液、たとえば、配向膜インキやレジスト膜インキなどを乾燥させる場合、夫々のリフトピン505や夫々のプロキシミティピン511等の基板支持ピンが被加熱基板510に接触する箇所においてリング状の乾燥むらが発生することがある。
具体的には、ホットプレート502から輻射熱が付与されることで加熱された状態にある被加熱基板510において、夫々のリフトピン505やプロキシミティピン511との接触による熱伝導に伴い、局部的な高温化が生じ、被加熱基板510の表面に略円形の高温部分が発生し、被加熱基板510上に温度むらが生じることとなる。
また、夫々のリフトピン505を上下に動かせるように設けた夫々の貫通孔506を通過する高温の上昇気流による局部的な高温化によっても、被加熱基板510の表面に略円形の高温部分が発生する。すなわち、ホットプレート502の表面と被加熱基板510の図示下面とは、通常、0.1〜5mm程度の間隔が保持された状態にて加熱が行なわれるが、夫々のリフトピン505を上下させるための貫通孔506が存在することにより、夫々の貫通孔506の至近距離に被加熱基板510が配置されることとなり、筒状に上昇してきた気流がそのままの形で被加熱基板510の図示下面に当たり、被加熱基板510上に強い温度むらを生じさせることになる。
このような被加熱基板510上に供給されたインキなど液体を乾燥させる場合において、被加熱基板510の表面の温度が被加熱基板510上の各点で均一とならないような場合にあっては、上記供給された液体は均一に乾燥せず、乾燥の早い部分と遅い部分が発生する。結果として、乾燥の早い部分と遅い部分では、乾燥後形成される固形物による膜に膜厚差が生じる。被加熱基板510上の液体は先に乾燥し始めた方から乾燥の遅い方へ移動または逆方向へ移動することに起因すると推測される。
したがって、乾燥むらを防止するためには、乾燥途中の被加熱基板510の表面の温度を一定に保つ必要がある。被加熱基板510の表面温度を一定に保つには、夫々のリフトピン505やプロキシミティピン511の頂部に熱伝導率の小さなプラスチック材料からなる先尖物を取付け、リフトピン505やプロキシミティピン511と被加熱基板510との接触伝熱による熱が被加熱基板に伝わりにくいようにする方法がある(たとえば特許文献1参照)。
実開平6−2677号公報
近年、このような液晶配向膜用ポリイミド印刷装置でポリイミド(上記膜原料溶液の一例である)を印刷し、上記基板支持ピンを使用した加熱装置で乾燥させた被加熱基板を用いて製造した液晶表示装置(いわゆる液晶パネル)は益々大型化の傾向にある。この液晶パネルの大型化に伴い、大型化された上記被加熱基板に対して加熱乾燥処理を行なう場合の温度分布の均一性を実現することが困難となってきている。実際に、このような加熱装置を用いて乾燥させた被加熱基板を用いて製造した液晶パネルでも、実際に点灯してみるとかすかながら乾燥むらが現認できる。
また、上記液晶パネルの大型化だけでなく、高性能化も併せて求められるようになってきており、従来問題とされなかったようなかすかな乾燥むらまでもが問題とされるようになっている。
確かに、リフトピン505やプロキシミティピン511の先端に熱伝導率の小さなプラスチック材料を配置した効果は相当程度ではあるが、上記かすかな乾燥むらが現認できる、その対策としては完全であるとは言えない。
さらに、このような加熱装置の構成を用いるような場合であっても、ホットプレートの貫通孔から上昇する高温の上昇気流に対しては無力であり、乾燥むらの発生要因となる。
したがって、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、輻射熱を付加することで被加熱基板を加熱するホットプレートと、上記ホットプレートに備えられ、上記被加熱基板が加熱されている間に、上記被加熱基板を上記ホットプレートから間隔を有するように保持する基板支持ピンとを有する加熱装置において、上記基板支持ピンで保持された上記被加熱基板を均一に加熱することができる加熱装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、以下のように構成している。
本発明の第1態様によれば、輻射熱を付加することで被加熱基板を加熱するホットプレートと、上記ホットプレートに備えられ、上記被加熱基板が加熱されている間に、上記被加熱基板を上記ホットプレートから間隔を有するように保持する基板支持ピンとを有する加熱装置において、上記ホットプレートにおける上記基板支持ピンの周囲に、当該周囲より上記被加熱基板に輻射される熱量を低減させる減熱部を備え、上記基板支持ピンを通した接触伝熱による上記ホットプレートから上記被加熱基板への熱量付加に伴う当該被加熱基板の温度上昇を抑制するように、上記周囲から上記被加熱基板(すなわち、上記被加熱基板において、上記周囲に相対する部分)に付加される輻射熱量を、上記減熱部により低減させる加熱装置を提供する。
また、上記ホットプレートは輻射と併せて対流によっても熱を上記被加熱基板に付加するような場合、すなわち、輻射熱等(輻射熱と対流熱)を付加するような場合であってもよい。このような場合にあっては、上記接触伝熱による上記ホットプレートから上記被加熱基板への熱量付加に伴う当該被加熱基板の温度上昇を抑制するように、上記周囲から上記被加熱基板に付加される輻射熱量および対流熱量を、上記減熱部により低減させることができる。
本発明の第2態様によれば、上記基板支持ピンは、上記ホットプレートに固定され、上記被加熱基板が加熱されている間に、当該被加熱基板を上記ホットプレートから間隔を有するように保持するプロキシミティピンである第1態様に記載の加熱装置を提供する。
本発明の第3態様によれば、上記基板支持ピンは、上記ホットプレートに形成された貫通孔に沿って上下動可能に配置され、上記被加熱基板が加熱されている間に、当該被加熱基板を上記ホットプレートから間隔を有するように突き上げて保持するリフトピンである第1態様に記載の加熱装置を提供する。
本発明の第4態様によれば、上記減熱部は、上記ホットプレートとは別部材として形成された減熱部材であり、少なくとも上記ホットプレートと上記減熱部材との接触面における接触抵抗を用いて、上記輻射熱量を低減させる第1態様から第3態様のいずれか1つに記載の加熱装置を提供する。
本発明の第5態様によれば、上記減熱部は、上記基板支持ピンの周囲に配置された複数の上記減熱部材にてなる第4態様に記載の加熱装置を提供する。
本発明の第6態様によれば、上記減熱部材は、複数の部材による積層構造を有し、夫々の層間の接触面における接触抵抗を用いて、上記輻射熱量を低減させる第4態様に記載の加熱装置を提供する。
本発明の第7態様によれば、上記被加熱基板と上記減熱部材との間の間隔寸法が、上記被加熱基板と上記ホットプレートとの間の上記間隔寸法よりも大きくなるように、当該減熱部材が上記ホットプレートに配置されている第4態様に記載の加熱装置を提供する。
本発明の第8態様によれば、上記減熱部は、上記基板支持ピンの周囲に形成された凹部であり、上記被加熱基板と上記凹部の内底表面との間の間隔寸法が、上記被加熱基板と上記ホットプレートとの間の上記間隔寸法よりも大きくなるように、上記凹部が形成されることで、上記輻射熱量の低減を行なう第1態様から第3態様のいずれか1つに記載の加熱装置を提供する。
本発明の第9態様によれば、上記凹部は、上記内底表面に上記基板支持ピンの中心に向けた深さ勾配を有する第8態様に記載の加熱装置を提供する。
本発明の第10態様によれば、上記減熱部は、上記ホットプレートの表面沿いにおいて、上記基板支持ピンの中心と略合致するようにその中心が配置された略円形または略多角形状の外周端部を有する第1態様に記載の加熱装置を提供する。
本発明の第11態様によれば、上記貫通孔は、その孔径が上記ホットプレートの内部よりも上面近傍において拡大されるように形成されている第3態様に記載の加熱装置を提供する。
本発明の第12態様によれば、上記リフトピンの周囲に、上記貫通孔より上記被加熱基板に向けて生じる上昇気流を遮るように配置された遮蔽板を備える第3態様に記載の加熱装置を提供する。
本発明の第13態様によれば、上記加熱装置は、上記被加熱基板の表面に供給された膜原料溶液を、当該被加熱基板を加熱することで乾燥させて、上記表面に薄膜を形成する薄膜形成用加熱装置である第1態様から第3態様のいずれか1つに記載の加熱装置を提供する。
本発明の上記第1態様によれば、ホットプレートよりの輻射熱の付加により被加熱基板(以降単に基板という)の加熱を行なう際に、上記基板を上記ホットプレートから所定の間隔を有するように保持(支持)する基板支持ピンが用いられることに伴って、上記基板と上記基板支持ピンとの接触伝熱により、上記接触部分において、他の部分よりも余分に熱量が付加されることとなり、上記基板の均一な加熱が阻害されることが考えられるが、上記ホットプレートにおける上記基板支持ピンの周囲に減熱部が備えられ、当該減熱部が備えられている部分よりの輻射熱量が、上記接触伝熱に伴う余分な熱量による上記基板の温度上昇を抑制するように、低減されていることにより、上記均一な加熱の阻害を未然に防止することができる。したがって、上記基板を均一に加熱することができ、均一な加熱が行なわれないことにより生じる問題を未然に防止することができる。たとえば、加熱による乾燥処理により上記基板上に均一な膜厚の薄膜を形成するような場合における上記薄膜の膜厚の均一化を高精度に達成することができる。
本発明の上記第2態様によれば、上記基板支持ピンが、特に大型の液晶パネル用の基板であるような場合にあっては、当該基板における薄膜形成領域において、上記基板の支持をプロキシミティピンにより行なう必要があり、当該プロキシミティピンによる支持部分における基板への影響の発生を確実に防止することができる。また、このような上記プロキシミティピンは、上記加熱処理の際においても、上記基板を支持している時間が比較的長く、上記基板への接触により伝熱させる熱量も大きいことから、本態様による効果をより効果的に得ることができる。
本発明の上記第3態様によれば、このような上記基板の自動化処理のためには、上記基板を昇降させて搬送可能な状態とさせるためのリフトピンが必要となるが、上記基板支持ピンが上記リフトピンであるような場合であっても、上記第1態様による効果を確実に得ることができる。
本発明の上記第4態様によれば、上記減熱部が上記ホットプレートとは別部材、すなわち、独立した減熱部材として形成されることにより、上記ホットプレートと上記減熱部材との接触面における接触抵抗を用いることで、上記ホットプレートから上記減熱部材に伝熱される熱量を低減させることができ、その結果として、当該減熱部材から上記基板に対して輻射される熱量を低減させることができる。さらに、上記減熱部材を上記ホットプレートよりも熱伝導率の小さな材料で形成すれば、さらに上記輻射熱量を低減させることが可能となる。
本発明の上記第5態様によれば、上記減熱部が、上記基板支持ピンの周囲に配置された複数の上記減熱部材からなることにより、上記夫々の態様による効果を得ることができるとともに、その配置位置や個々の部材の大きさ、形状、さらに配置密度や複数の種類の部材の混合配置等の手法を用いることで、上記輻射熱量の調整を多様性をもって容易に行なうことが可能となる。
本発明の上記第6態様によれば、上記減熱部材を多層構造とすることによっても、上記接触抵抗の積極的な活用による減熱効果や、複数の種類の部材の積層等による当該減熱量の調整の容易性を得ることができる。
本発明の上記第7態様によれば、上記基板と上記減熱部材との間隔寸法を調整することで、両者間の距離に比例した減熱効果を得ることができ、減熱量の調整を容易なものとすることができる。
本発明の上記第8態様によれば、上記減熱部は、部材として構成される場合に限らず、上記基板支持ピンの周囲に形成された凹部とするような場合であっても、上記基板と上記凹部の内底表面との距離による輻射熱の減少効果を利用することで、上記輻射熱の低減による上記基板の温度分布の均一化を図ることができる。
本発明の上記第9態様によれば、上記凹部の内底表面に上記基板支持ピンの中心に向けた深さ勾配を設けることで、当該凹部の内底表面より対向する上記基板に向けて輻射される熱量も、上記基板支持ピンの近傍で小さく、離れるにしたがって緩やかに大きくなるというように、上記基板支持ピンの接触伝熱による熱量の付加量に応じた輻射熱量の微妙な調整を行なうことができる。
本発明の上記第10態様によれば、上記減熱部が、上記基板支持ピンの中心をその中心とした略円形または略多角形状の外周端部を有することにより、上記基板支持ピンを中心とした上記伝熱による付加熱量の広がりに応じて、上記減熱部による減熱領域を形成することができる。
本発明の上記第11態様によれば、上記リフトピンが昇降される上記貫通孔内部より上記基板に向けて吹出すような高温の上昇気流が発生し、上記上昇気流が上記基板に接触することにより、上記基板の温度分布に局部的な乱れを生じさせることとなるが、上記貫通孔が上記ホットプレートの上面近傍にて拡大されていることで、上記上昇気流を拡散させた状態で吹出させることができる。したがって、当該上昇気流による上記基板の温度分布への影響を低減させることができ、より均一な温度分布を形成することができる。
本発明の上記第12態様によれば、上記貫通孔内に遮蔽板が設けられていることによっても、上記上昇気流の拡散、あるいは遮蔽を行なうことができ、上記基板の温度分布の均一化に寄与することができる。
本発明の上記第13態様によれば、上記加熱装置が、上記基板の表面に供給された膜原料溶液を、当該基板を加熱することで乾燥させて、上記表面に薄膜を形成する薄膜形成用加熱装置であることにより、当該加熱処理の際における温度分布の均一化を実現し、その結果として、均一化された膜厚分布を有する上記薄膜の形成を実現することができる。さらに、従来あまり問題とされなかったような乾燥むら(サーマルイメージ:Thermal Image)の発生を防止することができ、高精度な薄膜形成を行なうことができる。
本発明の記述を続ける前に、添付図面において同じ部品については同じ参照符号を付している。
まず、本発明にて用いられている用語の定義について述べる。
用語「プロキシミティピン(proximity−pin)」とは、被加熱基板の加熱処理において、ホットプレートに上記被加熱基板を吸着させずに、当該被加熱基板と上記ホットプレートとの間に、所定の間隔を有するように当該被加熱基板を保持するための間隔保持ピンのことである。また、このように上記プロキシミティピンにて上記所定の間隔が保持された状態で、上記ホットプレートからの輻射熱により行なわれる上記被加熱基板の加熱処理のことをプロキシミティベーク(proximity bake)という。
用語「サーマルイメージ(Thermal Image)」とは、塗布若しくは印刷後の仮乾燥段階で、被加熱基板の温度むらにより発生する膜厚むらのことである。このような温度むらはリフトピン、プロキシミティピン、あるいはロボットハンド等、上記被加熱基板と接触されるものとの熱伝導や貫通孔において生じる上昇気流により生じる。
以下、図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する。
本発明の一の実施形態にかかる加熱装置の一例である薄膜形成用の加熱装置101の主な構成を示す模式図を図1に示す。
図1に示すように、加熱装置101は、その上方に配置された被加熱基板の一例である基板10に対して、その図示上面側を加熱表面として輻射熱を付加して加熱するホットプレート2と、このホットプレート2の上面に備えられ、基板10に対する上記加熱の際に、基板10をホットプレート2から所定の間隔を有するように保持する複数の基板支持ピン5、11とを備えている。
このような加熱装置101においては、その上面に膜原料溶液が供給された状態の基板10を、ホットプレート2の上記加熱表面から所定の間隔を有するように夫々の基板支持ピン5、11で支持した状態にて、ホットプレート2の上記加熱表面から基板10に対して輻射加熱を行なうことで、基板10全体が略均一に加熱されながら、上記膜原料溶液を乾燥させることで、基板10上に薄膜を形成する膜形成処理が行なわれる。
また、加熱装置101が備える夫々の基板支持ピン5、11は、その使用目的および機能により2種類に分けることができる。1つの種類としては、ホットプレート2の上方の所定の高さ位置に基板10が位置されるように、加熱処理の際に基板10の支持を行なうためのプロキシミティピン(proximity−pin)11であり、もう1つの種類としては、プロキシミティピン11に基板10を支持可能にするため、その上方に配置された基板10を支持しながら下降させるとともに、プロキシミティピン11に支持された基板10をその下方より突き上げるように上昇させて排出させるためのリフトピン(lift−pin)5である。以下、この加熱装置101の構成、特に、夫々のリフトピン5およびプロキシミティピン11に関係する構成を中心について詳細に説明する。
ここで、加熱装置101において、ホットプレート2の上方において、膜原料溶液8がその上面に塗布された基板10が、プロキシミティピン11により支持された状態を示す模式断面図を図2に示す。図2に示すように、ホットプレート2は、基板10を加熱するものであり、たとえば、電力などによって熱を発生する発熱部4と、この発熱部4から付加される熱を基板10に対して輻射放熱するトッププレート部3とを組み合わせてなるものなどを用いることができる。なお、ホットプレート2はこのように組み合わせて構成されるもののみに限られることなく、たとえば、上記発熱部単体にて構成されるような場合であってもよい。また、このような発熱部4としては、シーズヒータ等を用いることができ、トッププレート部3は、伝熱性が良好な金属材料として、たとえばアルミニウムで形成することができる。また、基板10としては、配向膜インキやレジスト膜インキなどの膜原料溶液8が塗布されたガラス板など、平板状のものを用いることができる。
また、図2に示すように、ホットプレート2の上面、すなわち、トッププレート部3の上面には、基板10が加熱される間に基板10をホットプレート2から一定の間隔を有して保持するように、プロキシミティピン11が配置して固定される。
プロキシミティピン11はその上方側先端部で基板10を支持することが可能となっており、さらに、上記先端部が尖端部として形成されていることで、小さな支持面積で基板10の支持を行ない、当該支持による基板10へ影響低減が図られている。また、プロキシミティピン11としては、熱伝導率の小さなポリエーテルイミド樹脂、パーフルオロアルコキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂などのプラスチック材料からなるものを用いるとよい。また、このように、プラスチック材料にて全体が形成されるような場合に代えて、プロキシミティピン11の本体部が剛性の高い金属材料(たとえば、ステンレス材料)で形成し、その先端部のみをプラスチック材料で形成するような場合であってもよい。また、プロキシミティピン11は、たとえば、その直径が0.1mm〜5mm程度の範囲にて形成されている。なお、プロキシミティピン11は、単線材として形成される場合、あるいは複数の細い線材の集合体として形成される場合のいずれの場合であってもよい。
また、図2に示すように、ホットプレート2の図示上面におけるプロキシミティピン11の周囲には、ホットプレート2とは別部材からなる(すなわち、独立した部材からなる)減熱部および減熱部材の一例である温度調節部材13が配置されている。この温度調節部材13は、後述するように、トッププレート部3から基板10に向けて付加される輻射熱量を、温度調節部材13が設けられた部分において低減させるという機能を有している。また、温度調節部材13を配置する箇所は、ホットプレート2の上面付近、すなわち、トッププレート部3の上面付近でもトッププレート部3の中程付近でもよい。ただし、温度調節部材13と発熱部4とが直接的に接触しないように配置させることが好ましい。
このような温度調節部材13としては、図6の温度調節部材13の模式平面図に示すように、たとえば、その外周端部が略円形状を有し、その直径が0.1〜20mm程度、厚さ0.001mm以上のリング形状のものを用いることができる。この場合、上記リング形状の内径は、プロキシミティピン11の周面と接するように、プロキシミティピン11の直径と略同じ寸法として形成することができ、あるいは、プロキシミティピン11の周面と接しないように間隙をもって形成することで、上記間隙を、温度調節部材13よりプロキシミティピン11への伝熱量を低減させる減熱帯として用いることもできる。また、温度調節部材13の材料としては、アルミニウムなどの金属材料からなるホットプレート2の表面素材より熱伝導率の低い材料が用いられることが好ましく、たとえば、ポリイミド系樹脂、パーフルオロアルコキシ系樹脂などの合成樹脂、セラミック材料などの熱伝導率の低い材料を用いることができる。なお、ホットプレート2の表面素材と同一の材料、あるいは、当該表面素材と熱伝導率の近い材料を用いることもできる。その他、合金材料等を含めた金属材料、自然石材等も用いることができる。ただし、ホットプレート2による加熱温度に対する耐熱性を有していることが必要であり、たとえば、200℃程度以上の耐熱温度を有していることが好ましい。
また、図2に示すように、温度調節部材13は、ホットプレート2におけるトッププレート部3の上面において、プロキシミティピン11の周囲に当該温度調節部材13の形状に合致するように形成された穴部に嵌め込むことで配置させることができる。また、このような配置は、耐熱性接着材料による接着固定手段やネジ止めによる固定手段を用いることで保持させることができる。なお、図示しないが、トッププレート部3の上面に温度調節部材13を耐熱性接着剤を用いて直接接着して固定するような場合であってもよい。
このように、温度調節部材13をホットプレート2のプロキシミティピン11の周囲に配置することにより、プロキシミティピン11で保持された基板10に対して輻射される熱量を調節することができる。具体的には、温度調節部材13の材料としてホットプレート2の表面素材より熱伝導率が低いものを選択することにより、温度調節部材13の周囲におけるホットプレート2の表面から直接的に基板10に輻射される熱量よりも、ホットプレート2から温度調節部材13を介して基板10に輻射される熱量を大きく減少させることができる。また、温度調節部材13として、ホットプレート2の表面素材と熱伝導率が近いものを選択することにより、基板10に対して輻射される熱量をわずかに減少させることができる。なお、ホットプレート2の表面素材と同一の材料を用いた場合であっても、温度調節部材13とホットプレート2との接触面における接触抵抗によって、ホットプレート2から温度調節部材13への伝熱量を微小に低減させることができるため、これに伴って上記輻射熱量を微小に低減させることができ、基板10の微妙な温度調節を行うことが可能となる。たとえば、ホットプレート2の表面温度が150℃程度であるような場合にあっては、このような接触抵抗により2〜3℃程度温度を低下させることができる。
また、温度調節部材13をホットプレート2の上面付近に配置する場合において、図3の模式説明図に示すように、温度調節部材13の上面が、ホットプレート2の上面より高い位置にあるように配置、すなわち、基板10とホットプレート2との間の間隔寸法よりも、基板10と温度調節部材13との間の間隔寸法が小さくなるように配置してもよい。このようにすることにより、たとえば、温度調節部材13から基板10への輻射熱量の減熱量が大きくなりすぎたような場合であっても、この温度調節部材13と基板10との間の間隔寸法を小さくするような調整を行なうことで、上記減熱量を適切な量に調整することが可能となる。また、逆に、図4の模式断面図に示すように、温度調節部材13の上面が、ホットプレート2の上面より低い位置にあるように配置、すなわち、基板10とホットプレート2との間の間隔寸法よりも、基板10と温度調節部材13との間の間隔寸法が大きくなるように配置してもよい。このようにすることにより、温度調節部材13から基板10に輻射される熱量を、その周囲におけるホットプレート2から直接的に基板10に輻射される熱量よりもさらに小さくすることができ、その結果として、温度調節部材13が相対する部分における基板10の温度をその周囲よりも低くするような温度調節を行なうことができる。なお、ホットプレート2の上面の高さ位置に対する温度調節部材13の上面の高さ位置の差は、たとえば、−(トッププレート部3の厚さ寸法)〜+5mm程度の範囲で調整することが好ましい。ただし、プロキシミティピン11との接触位置を中心として、直径15mm程度の範囲が伝熱による温度変化の影響を受ける領域であることを考慮すれば、−20mmを超える差が付けられるような場合には、それ以上の効果を期待することができないものと考えられる。
また、温度調節部材13の形状は、その周囲の形状が略円形のリング形状とされる場合のみに限られるものではない。たとえば、このような場合に代えて、温度調節部材13の外周端部の形状が、多角形であるような場合であってもよい。具体的には、図7に示すように、周囲の形状がのこぎり歯のような形状の多角形であるように構成された温度調節部材13Aや、図8に示すように、正八角形に構成された温度調節部材13Bを用いることができる。温度調節部材13Bのように周囲の形状を正多角形とすることで、略円形の形状と近似することができ、また、温度調節部材13Aのように、周囲の形状をのこぎり歯形状とすることで、ホットプレート2と温度調節部材13との境界線があいまいとなり、相対する基板10の温度調節をよりなだらかなものとすることができる。
さらに、図9や図10に示すように、プロキシミティピン11の周囲に、複数の部材が配置されることにより、温度調節部材13C、13Dが構成されるような場合であってもよい。たとえば、図9の温度調節部材13Cは、4つの部分円環部材14Cがプロキシミティピン11の中心位置をその中心として環状に配置されることにより、略環状形状にて構成されている。また、図10の温度調節部材13Dは、8つの円形部材14Dが、プロキシミティピン11の周囲に略均等に配置されることにより構成されている。このように、複数の部材を用いて温度調節部材13C、13Dが構成されるような場合であっても、夫々の部材の形状や間隔を調整することで、温度調節部材としての機能を備えさせることができる。なお、このような部材は、上述のように部分円環部材14Cや円形部材14Dであるような場合の他に、三角形部材や方形部材等、様々な形状の部材を用いることができる。もちろん、複数種類の形状の部材が混合して配置されるような場合であってもよい。
また、図11に示すように、プロキシミティピン11の周囲に、多数の微細な粒子部材14Eを配置させることにより、温度調節部材13Eを構成することもできる。さらに、図12に示すように、多数の線状部材14Fを互いに略平行に配置することで、温度調節部材13Fを構成することもできる。もちろん、このような線状部材14Fの配列は様々なパターンを取ることができ、たとえば、格子状に配列することや不規則な配列等とすることもできる。このような温度調節部材13E、13Fによれば、粒子部材14Eや線状部材14Fの配置密度や材質を調整することで、温度調節部材13E、13Fの減熱能力を微小に調整することができるという利点がある。
また、図13に示すように、複数の線状部材14Gを、プロキシミティピン11の周囲に略放射状に配置させることで、温度調節部材13Gを構成することもできる。さらに、図14に示すように、複数の任意形状の部材14Hを配置させることで、温度調節部材13Hを構成することもできる。
なお、温度調節部材13の形状を多角形等、複雑な形状にするような場合にあっては、ホットプレート2および温度調節部材13の加工が複雑となるため、温度調節部材13の形状を多角形等にするかどうかは、要求される膜厚平滑性と、加熱装置101の許される製造原価により選択するとよい。
また、上述の温度調節部材13の様々な形状や配置を採用するような場合の他に、ホットプレート2におけるプロキシミティピン11の周囲に冷却手段を設けるような場合であってもよい。冷却手段を設けることにより、上記周囲における温度を部分的に低減することができ、それに伴って輻射される熱量をも低減することができるからである。なお、このような冷却手段としては、たとえば、空気冷却管や水冷管等の流体冷却手段、あるいは空冷フィン等を用いることができる。また、上記流体冷却手段を用いるような場合にあっては、たとえば、空気なら60cc/min〜600cc/minの流量範囲、水なら6cc/min〜60cc/minの流量範囲とすることが好ましい。さらに、空冷フィンを用いる場合にあっては、たとえば、空冷フィンの設置領域の面積に対して、フィン表面積(伝熱面積)を1.1〜10倍程度の間で採用することができる。
さらに、温度調節部材13を別部材とするような場合に代えて、ホットプレート2の表面におけるプロキシミティピン11の周囲に、プロキシミティピン11の中心をその中心とした略同心円状あるいは同心多角形の切れ目を設けるような場合であってもよい。このような切れ目を形成することで、当該切れ目部分において、接触抵抗により伝熱量が減少され、その結果として、当該部分の温度を他の部分よりも低下させることができ、輻射熱量の低減を図ることができるからである。なお、このような切れ目は、たとえば、1箇所〜20箇所程度の範囲で形成することが好ましい。
このように、ホットプレート2におけるプロキシミティピン11の周囲に、温度調節部材13を配置させることで、ホットプレート2より直接的に基板10に輻射される熱量よりも、温度調節部材13を介して輻射させる熱量を減少させることができる。これにより、プロキシミティピン11と基板10との接触により伝熱される熱量を、上記輻射熱量を減少させることで相殺する、言い換えれば、上記伝熱熱量分だけ、上記輻射熱量を減少させることで、擬似的に上記伝熱が生じなかったようにすることができる。したがって、プロキシミティピン11と基板10との接触による伝熱に伴って、基板10においてプロキシミティピン11が位置する箇所を中心とする円形の高温部分が発生することを防止することができ、基板10の温度分布の均一化を図ることができる。なお、乾燥させる基板10の厚さ、塗布する材料の揮発温度、塗布量などを考慮して、温度調節部材13の配置、形状、形成材料を選択することで、上記輻射熱量の減少量を調節することができる。
また、ホットプレート2よりも熱伝導率の低い材料を温度調節部材13に使用した場合には、プロキシミティピン11自体の温度を下げることができ、より一層の効果がある。
また、基板10に対する輻射熱を調節するための減熱部は、上述した温度調節部材13のように、部材として構成されるような場合に限られるものではない。たとえば、このような場合に代えて、図5に示すように、プロキシミティピン11の周囲におけるホットプレート2上面に凹部23を形成することで、この凹部23を上記減熱部として機能させるように構成してもよい。図5に示すように、凹部23は、ホットプレート2のプロキシミティピン11の周囲にてリング形状に形成されており、その内底表面の高さ位置が、ホットプレート2の上面よりも低くなるように形成されている。この凹部23の外周の直径は、0.1〜20mm程度、深さは0.01mm以上で調節するとよい。
また、凹部23の形状は、リング形状だけでなく、上述した温度調節部材13と同様に多角形形状等、様々な形状を取り得る。特に、凹部23の内底表面において、プロキシミティピン11の中心に向けて、たとえば深くなるような深さ勾配を設けることも輻射熱量の調整を行なう上では有効な手段である。凹部23から基板10への輻射熱量は、凹部23の内底表面と基板10との距離に反比例するからである。なお、このような傾斜を設ける場合には、たとえば、その傾斜角度を10〜90度の範囲で選択し得る。
次に、リフトピン5の構造について説明する。まず、加熱装置101のホットプレート2の上方において、膜原料溶液8がその上面に塗布された基板10が、リフトピン5により支持された状態を示す模式断面図を図15に示す。
図15に示すように、トッププレート部3と発熱部4とが組み合わされて構成されるホットプレート2には、複数の貫通孔6(なお、図15においてはその内の1つの貫通孔6を示す)が形成され、貫通孔6には、この貫通孔6に沿って昇降可能であって、基板10が加熱される間に基板10をホットプレート2から任意の間隔を有するように突き上げて保持するリフトピン5が配置される。
リフトピン5としては、ステンレス、メッキされた鋼、アルミニウム、銅およびその合金などの金属製の棒材の先端に、熱伝導率の小さなポリエーテルイミド樹脂、パーフルオロアルコキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂などのプラスチック材料を配置したものを用いるとよい。なお、このように、リフトピン5が金属材料とプラスチック材料とにより形成される場合に代えて、その全体を上記プラスチック材料にて形成するような場合であってもよい。その剛性を保つことができるならば、リフトピン5全体としての熱伝導率を小さくすることができるからである。また、リフトピン5は、たとえば、その直径が0.5mm〜5mm程度の範囲にて形成されており、このリフトピン5が配置される貫通孔6の孔径は、リフトピン5の直径よりも0.001mm〜2mm程度の範囲で大きくなるように形成される。なお、リフトピン5の貫通孔6に沿っての上記昇降の駆動は、エアシリンダ、サーボモータ、パルスモータなどの手段が用いられる。
また、図15に示すように、ホットプレート2の図示上面における貫通孔6の周囲には、ホットプレート2とは別部材からなる(すなわち、独立した部材からなる)減熱部および減熱部材の一例である温度調節部材7が配置されている。この温度調節部材7は、上述したプロキシミティピン11の周囲に配置される温度調節部材13と同様に、トッププレート部3から基板10に向けて付加される輻射熱量を、温度調節部材7が設けられた部分において低減させるという機能を有している。また、温度調節部材7を配置する箇所は、ホットプレート2の上面付近、すなわち、トッププレート部3の上面付近でも、トッププレート部3の中程付近でもよい。ただし、温度調節部材7と発熱部4とが直接的に接触しないように配置させることが好ましい。
このような温度調節部材7としては、図21の温度調節部材7の模式平面図に示すように、たとえば、その外周端部が略円形状を有し、その外周直径が0.1〜20mm程度、厚さ0.001mm以上のリング形状のものを用いることができる。また、上記リング形状の内径は、貫通孔6の孔径と略同じ寸法とされる。また、温度調節部材7の材料としては、アルミニウムなどの金属材料からなるホットプレート2の表面素材より熱伝導率の低い材料が用いられることが好ましく、たとえば、ポリイミド系樹脂、パーフルオロアルコキシ系樹脂などの合成樹脂、セラミック材料などの熱伝導率の低い材料を用いることができる。ただし、ホットプレート2の表面素材と同一の材料、あるいは、当該表面素材と熱伝導率の近い材料を用いることもできる。
また、図15に示すように、温度調節部材7は、ホットプレート2におけるトッププレート部3の上面において、リフトピン5の周囲、すなわち、貫通孔6の周囲に当該温度調節部材7の形状に合致するように形成された穴部に嵌め込むことで配置させることができる。また、このような配置は、耐熱性接着剤による接着固定手段やネジ止めや圧入による固定手段を用いることで保持させることができる。
このように、温度調節部材7をホットプレート2の貫通孔6周囲に配置することにより、リフトピン5で保持された基板10に対して輻射される熱量を調節することができる。具体的には、温度調節部材7の材料としてホットプレート2の表面素材より熱伝導率が低いものを選択することにより、温度調節部材7の周囲におけるホットプレート2の表面から直接的に基板10に輻射される熱量よりも、ホットプレート2から温度調節部材7を介して基板10に輻射される熱量を大きく減少させることができる。また、上述したプロキシミティピン11の周囲に配置される温度調節部材13と同様に、ホットプレート2の表面素材と熱伝導率が近いものを選択することや、当該表面素材と同一の材料を用いて、上記輻射熱量の調整を微小に行ない、基板10の微妙な温度調節を行なうような場合であってもよい。
また、温度調節部材7をホットプレート2の上面付近に配置する場合において、図16の模式断面図に示すように、温度調節部材7の上面が、ホットプレート2の上面より高い位置にあるように配置してもよく、あるいは、図17の模式断面図に示すように、温度調節部材7の上面が、ホットプレート2の上面より低い位置にあるように配置してもよい。このようにすることにより、上述したプロキシミティピン11用の温度調節部材13と同様に、温度調節部材7より基板10に輻射される熱量の調節を行ない、温度調節部材7が相当する部分における基板10の温度調節を行なうことができる。
また、温度調節部材7の形状は、その周囲の形状が略円形のリング形状とされる場合にのみ限られるものではない。たとえば、このような場合に代えて、上述したプロキシミティピン11用の温度調節部材13と同様に、図7から図14に示すように、正多角形やのこぎり歯形状、あるいは、複数の部材により構成される形状等、様々な形状とすることができる。
なお、温度調節部材7の形状は、貫通孔6や温度調節部材7の加工における複雑さを考慮しながら、要求される膜厚平滑性と、加熱装置101の許される製造原価により選択するとよい。
このように、ホットプレート2における貫通孔6の周囲、すなわち、リフトピン5の周囲に、温度調節部材7を配置させることで、ホットプレート2より直接的に基板10に輻射される熱量よりも、温度調節部材7を介して輻射させる熱量を減少させることができる。これにより、リフトピン5と基板10との接触により伝熱される熱量を、上記輻射熱量を減少させることで相殺することができる。したがって、リフトピン5と基板10との接触による伝熱に伴って、基板10においてリフトピン5が位置する箇所を中心とする円形の高温部分が発生することを防止することができ、基板10の温度分布の均一化を図ることができる。なお、乾燥させる基板10の厚さ、塗布する材料の揮発温度、塗布量などを考慮して、温度調節部材7の配置、形状、形成材料を選択することで、上記輻射熱量の減少量を調節することができる。
また、基板10に対する輻射熱を調節するための減熱部は、部材として構成されるような場合に限られるものではない。このような場合に代えて、図18に示すように、貫通孔6の周囲におけるホットプレート2の上面に凹部27を形成することで、この凹部27を上記減熱部として機能させるように構成してもよい。図18に示すように、凹部27は、ホットプレート2の貫通孔6の周囲にてリング形状に形成されており、その内底表面の高さ位置が、ホットプレート2の上面よりも低くなるように形成されている。なお、この凹部27の外周の直径は、0.1〜20mm程度、深さは0.01mm以上で調節するとよい。また、凹部27形状は、リング形状だけでなく、上述した温度調節部材と同様に多角形形状等、様々な形状を取り得る。
また、図19の模式断面図に示すように、夫々のリフトピン5にて支持された状態の基板10に対する上昇気流を調節するために、ホットプレート2の貫通孔6の孔径が、ホットプレート2の上面付近で拡大されるように構成してもよい。たとえば、図19に示すように、ホットプレート2の上面における貫通孔6の開口部に、略リング状の段部6aを形成することで、上記上面付近での孔径の拡大を行なうことができる。なお、ホットプレート2の上面における貫通孔6の上記開口部の口径としては、直径が5〜20mm程度、その深さは1mm以上とするとよい。
このように、ホットプレート2の貫通孔6の孔径がホットプレート2の上面付近で拡大されていることにより、貫通孔6を伝って真っ直ぐに上昇してきた上昇気流を、基板10に当たる前に拡散させる、すなわち、ホットプレート2の表面における貫通孔6の開口部出口付近において拡散させることができる。したがって、このような貫通孔6内の上昇気流に起因する基板10の温度むらを拡散させることができる。
また、上記拡大する貫通孔6の開口部の形状は、略円形(筒状)とされるような場合に限られるものではなく、正六角形、正八角形などの多角形や、のこぎり歯のような形状の多角形等、様々な形状を取り得る。たとえば、上記開口部の形状を多角形とするような場合にあっては、貫通孔6に沿って発生する上昇気流を上記開口部付近にて、より拡散させることができ、基板10の温度の急激な変化が押さえられ、より精密な温度調節が可能となる。
また、ホットプレート2の貫通孔6の孔径をホットプレート2の上面付近で拡大させるとともに、併せて、温度調節部材7を用いるように構成してもよい。このように構成することにより、基板10の温度調節をより緻密に行うことができる。なお、図19に示す貫通孔6の開口部が拡大された形態は、併せて、貫通孔6の周囲に凹部27が形成された形態であるということもでき、凹部27が設けられることによる輻射熱量の減少効果をも得ることが可能となる。
また、図20に示すように、基板10に対する上昇気流を調節するために、リフトピン5の周囲に貫通孔6下部からの上昇気流を遮る遮蔽板9を備えるように構成してもよい。遮蔽板9により、筒状に上昇してきた気流をさらに積極的に拡散させることができる。遮蔽板9は、リフトピン5の頂部から0.1〜10mm程度の下部位置にリフトピン5の直径より1〜15mm程度大きな直径のリング状のものを設置するとよい。遮蔽板9の取付け位置およびその直径によっては、貫通孔6を完全に塞ぎ、上昇気流を完全に閉じることもできる。
なお、遮蔽板9の形状は、リング形状(円形)だけでなく、正六角形、正八角形などの多角形やのこぎり歯のような形状の多角形であるように構成してもよい。このように遮蔽板9が多角形であると、上昇気流をより拡散させることができ、基板10における温度の急激な変化が押さえられ、より精密な温度調節が可能となる。
また、遮蔽板9を用いるとともに、併せて温度調節部材7を用いるように構成してもよい。また、遮蔽板9を用いるとともに、併せてホットプレート2の貫通孔6の孔径をホットプレート2の上面付近で拡大させるように構成してもよい。このように構成することにより、基板10の温度調節をより緻密に行うことができる。なお、リフトピン5の周囲に配置される温度調節部材7の構造いついては、上述したプロキシミティピン11の周囲に配置される温度調節部材13の構造例を参照しながら、様々な形態を選択し得る。
次に、図1に戻って、このようなプロキシミティピン11およびリフトピン5、さらに、夫々の温度調節部材13、7が備えられている加熱装置101の全体構成について、さらに詳細に説明する。
図1に示すように、加熱装置101のホットプレート2の上面の略中央付近に、プロキシミティピン11が配置されており、さらに、ホットプレート2の上面の4つの隅部近傍の夫々には、貫通孔6に沿って昇降可能にリフトピン5が配置されている。また、プロキシミティピン11の周囲には、温度調節部材13が備えられており、さらに、夫々のリフトピン5の周囲、すなわち、夫々の貫通孔6の周囲には、温度調節部材7が備えられている。
また、基板10の表面には、その周部を除いて膜原料溶液が印刷供給されることにより印刷パターン10aが形成されている。加熱装置101には、この基板10における印刷パターン10aが形成されていない端部を保持するように、複数のリフト爪16が備えられている。夫々のリフト爪16は、ホットプレート2の外側において昇降可能に備えられた略棒状の爪支持部材15に固定されており、夫々のリフト爪16を一体的に昇降させることが可能となっている。
また、ホットプレート2の下方には、夫々のリフトピン5と夫々のリフト爪16とを一体的に昇降させる昇降駆動装置9が備えられている。さらに、加熱装置101には、基板10の下面を支持しながら、基板10の供給および排出を行なうロボットハンド17が備えられている。
さらに、加熱装置101には、ロボットハンド17による基板10の供給および排出動作、ホットプレート2による基板10の加熱動作、昇降駆動装置9による夫々のリフトピン5およびリフト爪16の昇降動作の夫々の動作制御を、互いに関連付けながら統括的に行なう制御装置(図示しない)が備えられている。このような制御装置により加熱装置101における夫々の構成部の動作制御が互いに関連付けられながら統括的に行なわれることにより、基板10に対する薄膜形成のための加熱処理が行なわれることとなる。
次に、このような構成を有する加熱装置101において、供給された基板10に対する加熱処理が行なわれる手順について、以下に説明する。なお、以下に示す夫々の動作は、上記制御装置により互いに関連付けられながら統括的に行なわれる。
まず、図1に示す加熱装置101において、昇降駆動装置9により夫々のリフトピン5および夫々のリフト爪16が、プロキシミティピン11の先端よりも上方の位置である上昇位置に位置された状態とされる。この上昇位置においては、夫々のリフトピン5の先端位置、および夫々のリフト爪16の支持端位置が、略同じ高さ位置とされる。その後、その下面がロボットハンド17により支持された状態の基板10が、ロボットハンド17の移動により、ホットプレート2の上方に供給され、上記上昇位置に位置された状態の夫々のリフトピン5および夫々のリフト爪16にその下面が支持されるように、基板10の受渡しが行なわれる。なお、ロボットハンド17から夫々のリフトピン5への基板10の受渡しの際における高さ位置精度を保つため、上記上昇位置において、夫々のリフトピン5の先端が、ロボットハンド17の近傍に位置されるように、夫々のリフトピン5の配置およびロボットハンド17の形状等が決定されている。この基板10の受渡しが行なわれた後、ロボットハンド17は、ホットプレート2の上方から退避移動される。
次に、基板10を支持している状態にある夫々のリフトピン5と夫々のリフト爪16とが、昇降駆動装置9により、夫々の高さ位置関係を保ちながら、一体的に下降させて、基板10をホットプレート2の上面に近接させる。基板10の下面がホットプレート2の略中央付近に設けられているプロキシミティピン11の先端に当接すると、基板10の下降動作が停止され、プロキシミティピン11によっても基板10が支持された状態とされる。
夫々のリフト爪16は、基板10において印刷パターン10aが形成されていない位置において、基板10の支持を行なっているため、上記下降動作の後、加熱処理の際においても、プロキシミティピン11とともに基板10の支持を行なう。一方、夫々のリフトピン5は、印刷パターン10a内にて基板10の支持を行なっているため、夫々のリフトピン5と基板10との接触時間を短くして、基板10への熱的影響の低減化を図るべく、夫々のリフト爪16とは別個に、さらに下降される。具体的には、昇降駆動装置9において、駆動モータとタンデムに接続されたエアシリンダ(図示しない)により、夫々のリフト爪16を下降させることなく、夫々のリフトピン5のみがさらに下降される。これにより、基板10は、ホットプレート2の上面から所定の間隔が保たれた状態で、プロキシミティピン11および夫々のリフト爪16に支持された状態とされる。
その後、この支持状態が保たれた状態にて、ホットプレート2の表面からの輻射による基板10の加熱が開始され、基板10における印刷パターン10aの乾燥処理が行なわれる。ここで、基板10において、夫々のリフトピン5と接触していた部分およびその周囲近傍は、リフトピン5との接触による伝熱と、貫通孔6よりの上昇気流との接触により、他の部分よりも余分に熱量付加が行なわれ、そのままでは局部的な温度上昇が発生することとなるが、夫々の貫通孔6の周囲に設けられた温度調節部材7により、輻射により付加される熱量が低減されることで、上記局部的な温度上昇の発生が防止されている。
また、当該加熱処理の間に基板10と接触しながらその支持を行なうプロキシミティピン11は、その接触による伝熱により、余分に基板10に対して熱量を付加し続けることとなるが、プロキシミティピン11の周囲に温度調節部材13が備えられていることにより、輻射により付加される熱量が低減されることで、上記接触の部分における局部的な温度上昇の発生が防止されている。したがって、当該加熱処理において、基板10の温度分布を略均一な状態とすることができ、僅かな温度変化が生じる箇所においても、その温度変化の勾配をなだらかな状態とすることができる。なお、夫々のリフト爪16は、基板10において印刷パターン10aが形成されていない部分にてその支持を行なっているため、上記加熱処理の際において、接触による伝熱により基板10に余分な熱量を付加したとしても、印刷パターン10aの品質には影響を与えることがない。
このように上記加熱処理の際に、基板10の温度分布が略均一な状態であって、温度変化の勾配が生じたとしても当該勾配がなだらかなものとされていることにより、当該加熱処理により局所的な温度上昇部分を発生させることがない。よって、印刷パターン10aの膜厚を略均一なものとし、上記局所的な温度上昇に伴って生じるサーマルイメージも発生させることがない。
基板10に対して所定時間だけ加熱処理が施された後、ホットプレート2による輻射が停止されるとともに、昇降駆動装置9により夫々のリフトピン5が上昇されて基板10の下面に当接され、さらに、夫々のリフトピン5とともに夫々のリフト爪16が一体的に上昇されることで、基板10がホットプレート2の表面から離間するように上昇され、プロキシミティピン11による基板10の支持が解除される。その後、基板10が上記上昇位置まで上昇されると、昇降駆動装置9による夫々のリフトピン5およびリフト爪16の上昇が停止される。この状態において、ロボットハンド17が駆動されて、基板10が支持され、加熱装置101から排出される。これにより、基板10に印刷された印刷パターン10aの乾燥のための加熱処理が完了する。
なお、上記加熱処理が施される基板10が小型の基板であるような場合にあっては、印刷パターン10aが存在しない基板10の周辺を支える夫々のリフト爪16だけで、基板10の支持を行なうことができるため、夫々のリフトピン5やプロキシミティピン11が必要なく、上記接触による伝熱に伴う局部的な温度上昇が生じるという問題事態が発生することがない。しかしながら、通常、液晶パネルとして用いられる基板10(たとえば、厚さ0.7mmの基板)の場合、基板10の長辺が600mm以下の場合は、上述の小型の基板と同様に、夫々のリフト爪16だけで対処することができるものの、それ以上の長さを有するような場合にあっては、基板10を略水平な状態を保ちながら確実に支持を行なうため、加熱装置101のように、夫々のリフトピン5およびプロキシミティピン11が必要となる。なお、このような基板10の確実な支持のためには、300mm程度の間隔ピッチにて基板支持ピン等の支持部材を配置することが好ましい。
また、夫々のリフトピン5と基板10との接触時間は、たとえば、10秒程度と短く、さらに、基板10に印刷された膜原料溶液8の乾燥直前の微妙な時(すなわち、温度分布のバラツキがより膜厚変化に影響を与えやすい時)には基板10に接触しないため、その減熱程度は、プロキシミティピン11に比して小さくてもよい。これとは逆に、プロキシミティピン11は、約60秒間も基板10と接触し、上記微妙な時まで接触し続けるので、その減熱程度は、リフトピン5に比して大きいということができる。
上記実施形態によれば、以下のような種々の効果を得ることができる。
まず、膜原料溶液8が印刷あるいは塗布供給された基板10に対して、膜原料溶液8の乾燥のための加熱処理により、薄膜形成を行なう際に、プロキシミティピン11による基板10の接触支持、あるいはリフトピン5による基板10の接触支持を実施するにも拘らず、局部的な温度変化部が生じることもなく、基板10の温度分布を均一な状態とすることができる。その結果として、基板10上に供給された膜原料溶液8を、部分的な乾燥速度の異なりを生じさせることなく、略均一な状態で乾燥させることができ、当該乾燥により形成された薄膜の膜厚を均一な状態とすることができる。
具体的には、従来の加熱方法において、プロキシミティピン511やリフトピン505と、基板510との接触による伝熱により、ホットプレート502から輻射される熱量に加えて余分に当該伝熱による熱量が付加され、それに伴い、基板における上記ピンの周囲に温度上昇が発生していたのを、本発明の上記実施形態においては、夫々のピン11、5周りに、温度調節部材13、7を設置することで、その部分からの輻射熱量を、端部分よりも減少させることで、上記温度上昇の発生を防止することができる。
また、このような温度調節部材13、7の材質、形状、配置等を選択することで、上記輻射熱量の微妙な調整を行なうことができ、最適な条件を見出すことができる。
また、このような独立した部材としての温度調節部材を用いないような場合であっても、夫々のピン11、5の周囲におけるホットプレート2の表面と基板10との間の距離を、他の部分よりも大きくすることで、輻射熱量の距離に伴う減衰効果を得ることができ、夫々のピン11、5との接触部分における基板10の局部的な温度上昇の発生を防止することができる。
さらに、リフトピン5が昇降可能に配置される貫通孔6にて発生する上昇気流に対しては、ホットプレート2の表面における貫通孔6の開口部を拡大することで、当該開口部付近で上昇気流の拡散を行なうことができ、上昇気流との接触による基板10の温度分布への影響を低減することができる。
また、貫通孔6内において、リフトピン5の周囲に、上昇気流を拡散させるような遮蔽板9を備えさせることも効果的である。
また、このような加熱装置101にて取り扱われる基板10に求められる温度分布の均一性(あるいは温度バラツキ)は、一般には±3℃以内であるが、このような条件は緩やかな温度勾配(1℃/10cm程度以下の温度勾配)に適用されるものであり、上記条件範囲内であっても部分的な急峻部分が生じる場合には問題とされる。たとえば、従来の加熱処理においては、リフトピンとの接触部分において、1℃/0.4cmという部分的に急峻な温度勾配が生じ、また、プロキシミティピンとの接触部分においては、この2〜5倍程度の部分的に急峻な温度勾配が生じていたと推測される。しかしながら、上記実施形態の加熱処理によれば、温度調節部材等を用いることで、たとえば、1℃/3cm程度まで部分的な温度勾配をなだらかなものとすることができる。
また、一般に、液晶用配向膜を用途とする基板の場合、形成されるポリイミド膜の膜厚が500〜1200Åに設定されることが多い。このような場合にあっては、要求される膜厚範囲が通常は±5〜7%程度の範囲とされるが、これと併せて、形成されたポリイミド膜に目視でむらが視認されてはならないという条件も付加される。ここで「目視」というのは、ポリイミド膜本来の色ではなく、干渉色による色の差が微小な膜厚差によって発生し、これが視覚によって捕らえられることである。このような干渉色による目視は、特に加熱処理における乾燥の途中にて確認される場合がある。一般にこの「目視」という条件が厳しく、基板全体の大きなうねりのようなむらは、膜厚範囲が±5%以内であればほとんど気にならないが、ピンとの接触部分において局部的に発生するサーマルイメージのようなむらは目立ってしまう。たとえば、基板上に形成された薄膜の膜厚を測定する膜厚測定機が、膜厚のばらつきを充分に測定できないことから推測すれば、1℃/3cmの温度勾配に対して、10Å/cm程度の膜厚勾配が生じていると考えられ、この程度までの勾配に抑えることを実現可能ということができる。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は容易である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
次に、上記実施形態の加熱装置101において用いられるプロキシミティピン11および温度調節部材13の実施例について、実施例1として以下に説明する。
本実施例1においては、上記実施形態の説明で用いた図3の模式断面図に示す形態の加熱装置101の構成を採用した。具体的には、図3に示すように、ホットプレート2として、厚さ10mmのアルミニウムからなるトッププレート部3と発熱部4とからなるものを用いた。また、プロキシミティピン11として、ウルテム(登録商標:ULTEM:ポリエーテルイミド)からなる直径3mmの先尖物を用いた。また、温度調節部材13としては、ウルテム(登録商標)からなり外径10mm、厚さ10mmのリング状のものを用い、温度調節部材13の上面がホットプレート2の上面から1mm下方に位置するようにした。
また、基板10として、厚さ0.7mmのソーダガラスを用いた。また、膜原料溶液8、すなわち、塗布材料として、ポリアミック酸を6%含み、NMPを主溶剤とする液晶配向膜用インキ(日産化学工業株式会社製サンエバーSE−7492、062M)を用い、基板10上に約5ml/m塗布した。
次いで、基板10をホットプレート2の上方2.5mmの高さ位置にプロキシミティピン11によって保持し、145℃に加熱されたホットプレート2の輻射熱により加熱して液晶配向膜用インキを乾燥させた。この加熱処理の際、温度調節部材13の表面温度は110℃であった。
このようにして得た液晶配向膜は、乾燥むらがほとんど観察されないものであった。ここで、上記加熱処理の際における基板10の表面温度の測定結果として、プロキシミティピン11の中心から距離と、基板10の表面温度との関係を図23Bに示す。図23Bにおいては、横軸にプロキシミティピン11の中心からの距離(mm)を示し、縦軸に基板10の表面温度(℃)を示している。さらに、この表面温度と距離の関係を基板10の表面沿いの方向に2次元的に示す等温線分布図を図23Aに示す。なお、図23Aの等温線分布図においては、図23Bのグラフに示すプロキシミティピン11の中心からのマイナス方向の温度分布を全体の温度分布と擬制して、1℃単位の等温線の分布として示したものである。
図23Aおよび図23Bに示すように、基板10において、プロキシミティピン11が接触する箇所(すなわち、図示距離0mmの位置)とその他の箇所との温度差はほとんどないものであった。
(比較例1)次に、この実施例1に対する比較例1として、プロキシミティピンを直接ホットプレートに埋め込んだこと以外は上記実施例1と同様にしたところ、得られた液晶配向膜は、はっきりと乾燥むらが観察されたものであった。また、その加熱処理の際における基板の表面温度測定結果として、上記実施例1の場合と同様に、プロキシミティピンの中心からの距離と基板の表面温度の関係を示すグラフを図24Bに示し、図24Bにおける温度測定結果を平面的に示す等温線分布図を図24Aに示す。図24Aおよび図24Bに示すように、本比較例1においては、基板におけるプロキシミティピンが接触する箇所の温度は、その他の箇所よりも約8℃高いものであり、局部的な温度上昇部分を明確に確認することができた。
次に、上記実施形態の加熱装置101において用いられるリフトピン5および温度調節部材7の実施例について、実施例2として以下に説明する。
本実施例2においては、上記実施形態の説明で用いた様々な手段を組み合わせて、図22の模式断面図に示すように構成された温度調節部材7を用いた。具体的には、図22に示すように、ホットプレート2として、厚さ10mmのアルミニウムからなるトッププレート部3と発熱部4とからなるものを用いた。また、リフトピン5として、主材をステンレス、先端部の材料をウルテム(登録商標)とする先尖物を用いた。ホットプレート2のトッププレート部3に直径15mmの貫通孔6を形成し、温度調節部材7をはめ込んだ。温度調節部材7は、アルミニウムからなる外径15mm、内径5mm、厚さ5mmのリング状のものを下部に下部温度調節部材7aとして、ウルテム(登録商標)からなる外径15mm、内径7mm、厚さ4.5mmのリング状のものを上部に上部温度調節部材7bとして、積層構造にて配置し、上部温度調節部材7bの上面が、ホットプレート2の上面より0.5mm下方に位置するようにした。
また、基板10として、厚さ0.7mmのソーダガラスを用いた。また、膜原料溶液8、すなわち、塗布材料として、ポリアミック酸を6%含み、NMPを主溶剤とする液晶配向膜用インキ(日産化学工業株式会社製サンエバーSE−7492、062M)を用い、基板10上に約1.2ml/m塗布した。
次いで、ホットプレート2の上方50mmの高さ位置で基板10の裏面に10秒間、リフトピン5を接触させ、リフトピン5を下降させた後、基板10をホットプレート2の上方2.5mmの高さ位置に保持し、145℃に加熱されたホットプレート2の輻射熱により加熱して、液晶配向膜用インキを乾燥させた。この加熱処理の際、温度調節部材7の表面温度は110℃であった。
このようにして得た液晶配向膜は、乾燥むらがほとんど観察されないものであった。ここで、上記加熱処理の際における基板10の表面温度の測定結果として、リフトピン5の中心から距離と、基板10の表面温度との関係を図25Bに示す。図25Bにおいては、横軸にリフトピン5の中心からの距離(mm)を示し、縦軸に基板10の表面温度(℃)を示している。さらに、この表面温度と距離の関係を基板10の表面沿いの方向に2次元的に示す等温線分布図を図25Aに示す。
図25Aおよび図25Bに示すように、基板10において、リフトピンが接触する箇所(すなわち、図示距離0mmの位置)とその他の箇所との温度差はほとんどないものであった。
(比較例2)次に、この実施例2に対する比較例2として、直径5mmの貫通孔を有するホットプレートを用いたこと以外は上記実施例2と同様にしたところ、得られた液晶配向膜ははっきりと乾燥むらが観察されたものであった。また、その加熱処理の際における基板の表面温度測定結果として、上記実施例2の場合と同様に、リフトピンの中心からの距離と基板の表面温度の関係を示すグラフを図26Bに示し、図26Bにおける温度測定結果を平面的に示す等温線分布図を図26Aに示す。図26Aおよび図26Bに示すように、本比較例2においては、基板におけるリフトピンが接触する箇所の温度は、その他の箇所よりも約4℃高いものであり、局部的な温度上昇部分を明確に確認することができた。
本発明は、液晶配向膜用ポリイミド印刷装置と併用する場合など、上記被加熱基板上に塗布または印刷にて供給された膜原料溶液を乾燥させて薄膜を形成する薄膜形成用の加熱装置として好適に用いることができ、産業上有用なものである。
本発明における一実施形態に係る加熱装置の構成を示す模式斜視図である。 上記加熱装置の部分的な模式断面図であって、プロキシミティピンの周囲に、その上面がホットプレートの上面と略同じ高さ位置とされた温度調節部材が配置されている状態を示す断面図である。 上記加熱装置の部分的な模式断面図であって、プロキシミティピンの周囲に、その上面がホットプレートの上面よりも上方の高さ位置に位置された温度調節部材が配置されている状態を示す断面図である。 上記加熱装置の部分的な模式断面図であって、プロキシミティピンの周囲に、その上面がホットプレートの上面よりも下方の高さ位置に位置された温度調節部材が配置されている状態を示す断面図である。 上記加熱装置の部分的な模式断面図であって、プロキシミティピンの周囲に凹部が配置されている状態を示す断面図である。 図2の温度調節部材の模式平面図である。 図6の温度調節部材の形状の変形例であって、のこぎり歯のような多角形形状を有するものを示す平面図である。 図6の温度調節部材の形状の変形例であって、正八角形形状を有するものを示す平面図である。 図6の温度調節部材の形状の変形例であって、複数の部分円環部材により構成されるものを示す平面図である。 図6の温度調節部材の形状の変形例であって、複数の円形部材により構成されるものを示す平面図である。 図6の温度調節部材の形状の変形例であって、多数の微細な粒子部材により構成されるものを示す平面図である。 図6の温度調節部材の形状の変形例であって、多数の線状部材により構成されるものを示す平面図である。 図6の温度調節部材の形状の変形例であって、複数の線状部材が放射状に配置されることで構成されるものを示す平面図である。 図6の温度調節部材の形状の変形例であって、複数の任意形状の部材により構成されるものを示す平面図である。 上記加熱装置の部分的な模式断面図であって、リフトピンの貫通孔の周囲に、その上面がホットプレートの上面と略同じ高さ位置とされた温度調節部材が配置されている状態を示す断面図である。 上記加熱装置の部分的な模式断面図であって、リフトピンの貫通孔の周囲に、その上面がホットプレートの上面よりも上方の高さ位置に位置された温度調節部材が配置されている状態を示す断面図である。 上記加熱装置の部分的な模式断面図であって、リフトピンの貫通孔の周囲に、その上面がホットプレートの上面よりも下方の高さ位置に位置された温度調節部材が配置されている状態を示す断面図である。 上記加熱装置の部分的な模式断面図であって、リフトピンの貫通孔の周囲に、凹部が形成されている状態を示す断面図である。 上記加熱装置の部分的な模式断面図であって、リフトピンの貫通孔の開口部が拡大されている状態を示す断面図である。 上記加熱装置の部分的な模式断面図であって、リフトピンの周囲に遮蔽板が設けられている状態を示す断面図である。 図15の温度調節部材の模式平面図である。 本発明の実施例2の加熱装置におけるリフトピン周りの構成を示す模式断面図である。 実施例1のプロキシミティピンを用いた場合の基板の温度分布を示す図であり、図23Bは、プロキシミティピンの中心からの距離と基板の表面温度との関係を示すグラフであり、図23Aは、図23Bのグラフに基づく、基板表面における2次元的な温度変化を示す等温線分布図である。 比較例1のプロキシミティピンを用いた場合の基板の温度分布を示す図であり、図24Bは、プロキシミティピンの中心からの距離と基板の表面温度との関係を示すグラフであり、図24Aは、図24Bのグラフに基づく、基板表面における2次元的な温度変化を示す等温線分布図である。 実施例2のリフトピンを用いた場合の基板の温度分布を示す図であり、図25Bは、リフトピンの中心からの距離と基板の表面温度との関係を示すグラフであり、図25Aは、図25Bのグラフに基づく、基板表面における2次元的な温度変化を示す等温線分布図である。 比較例2のリフトピンを用いた場合の基板の温度分布を示す図であり、図26Bは、リフトピンの中心からの距離と基板の表面温度との関係を示すグラフであり、図26Aは、図26Bのグラフに基づく、基板表面における2次元的な温度変化を示す等温線分布図である。 従来の加熱装置の構成を示す模式断面図である。
符号の説明
2 ホットプレート
3 トッププレート部
4 発熱部
5 リフトピン
5 基板支持ピン
6 貫通孔
7 温度調節部材
8 膜原料溶液
9 昇降駆動装置
10 被加熱基板
10a 印刷パターン
11 プロキシミティピン
13 温度調節部材
15 爪支持部材
16 リフト爪
17 ロボットハンド
23 凹部
27 凹部
101 加熱装置

Claims (13)

  1. 輻射熱を付加することで被加熱基板(10)を加熱するホットプレート(2)と、上記ホットプレートに備えられ、上記被加熱基板が加熱されている間に、上記被加熱基板を上記ホットプレートから間隔を有するように保持する基板支持ピン(5、11)とを有する加熱装置(101)において、
    上記ホットプレートにおける上記基板支持ピンの周囲に、当該周囲より上記被加熱基板に輻射される熱量を低減させる減熱部(7、13、23、27)を備え、
    上記基板支持ピンを通した接触伝熱による上記ホットプレートから上記被加熱基板への熱量付加に伴う当該被加熱基板の温度上昇を抑制するように、上記周囲から上記被加熱基板に付加される輻射熱量を、上記減熱部により低減させることを特徴とする加熱装置。
  2. 上記基板支持ピンは、上記ホットプレートに固定され、上記被加熱基板が加熱されている間に、当該被加熱基板を上記ホットプレートから間隔を有するように保持するプロキシミティピン(11)である請求項1に記載の加熱装置。
  3. 上記基板支持ピンは、上記ホットプレートに形成された貫通孔に沿って上下動可能に配置され、上記被加熱基板が加熱されている間に、当該被加熱基板を上記ホットプレートから間隔を有するように突き上げて保持するリフトピン(5)である請求項1に記載の加熱装置。
  4. 上記減熱部は、上記ホットプレートとは別部材として形成された減熱部材(7、13)であり、少なくとも上記ホットプレートと上記減熱部材との接触面における接触抵抗を用いて、上記輻射熱量を低減させる請求項1から3のいずれか1つに記載の加熱装置。
  5. 上記減熱部(13C、13D、13E、13F、13G、13H)は、上記基板支持ピンの周囲に配置された複数の上記減熱部材(14C、14D、14E、14F、14G、14H)にてなる請求項4に記載の加熱装置。
  6. 上記減熱部材は、複数の部材(7a、7b)による積層構造を有し、夫々の層間の接触面における接触抵抗を用いて、上記輻射熱量を低減させる請求項4に記載の加熱装置。
  7. 上記被加熱基板と上記減熱部材との間の間隔寸法が、上記被加熱基板と上記ホットプレートとの間の上記間隔寸法よりも大きくなるように、当該減熱部材が上記ホットプレートに配置されている請求項4に記載の加熱装置。
  8. 上記減熱部は、上記基板支持ピンの周囲に形成された凹部(23、27)であり、
    上記被加熱基板と上記凹部の内底表面との間の間隔寸法が、上記被加熱基板と上記ホットプレートとの間の上記間隔寸法よりも大きくなるように、上記凹部が形成されることで、上記輻射熱量の低減を行なう請求項1から3のいずれか1つに記載の加熱装置。
  9. 上記凹部は、上記内底表面に上記基板支持ピンの中心に向けた深さ勾配を有する請求項8に記載の加熱装置。
  10. 上記減熱部は、上記ホットプレートの表面沿いにおいて、上記基板支持ピンの中心と略合致するようにその中心が配置された略円形または略多角形状の外周端部を有する請求項1に記載の加熱装置。
  11. 上記貫通孔は、その孔径が上記ホットプレートの内部よりも上面近傍において拡大されるように形成されている請求項3に記載の加熱装置。
  12. 上記リフトピンの周囲に、上記貫通孔より上記被加熱基板に向けて生じる上昇気流を遮るように配置された遮蔽板(9)を備える請求項3に記載の加熱装置。
  13. 上記加熱装置は、上記被加熱基板の表面に供給された膜原料溶液(8)を、当該被加熱基板を加熱することで乾燥させて、上記表面に薄膜を形成する薄膜形成用加熱装置である請求項1から3のいずれか1つに記載の加熱装置。
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