JP2019152813A - 表示装置の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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【課題】マザー基板内におけるアニール温度のばらつきによるTFTのスレッショルド電圧Vthのばらつきを対策する。【解決手段】基板に酸化物半導体を形成し、前記酸化物半導体をアニールし、その後酸化物半導体をパターニングする工程を含む、表示装置の製造方法及びその装置であって、前記アニールの昇温時は、第1の間隔を持って配置された複数の第1のピン5201によって前記基板400を支持し、前記アニールの降温時は、第2の間隔を持って配置された複数の第2のピン520によって前記基板400を支持し、平面で視た場合、前記第2にピンは、複数の前記第1のピンの中点から、前記複数の第1のピン間距離の10%以内に位置していることを特徴とする表示装置の製造方法及びその装置。【選択図】図11

Description

本発明は酸化物半導体による薄膜トランジスタを用いた表示装置に関する。
有機EL表示装置は画素毎にスイッチング素子としての第1のTFT(薄膜トランジスタ Thin Film Transistor 以後TFTという)を配置してデータ信号の取り込みを制御し、駆動素子としての第2のTFTによって発光素子への電流の制御をおこなっている。また、駆動回路をTFTによって構成する場合もある。
液晶表示装置では画素毎にスイッチング素子としてTFTを配置し、データ信号の取り込みを制御している。また、駆動回路をTFTによって構成する場合もある。
酸化物半導体は300℃乃至350℃程度の比較的低温プロセスで形成することが出来るので、ポリイミド等の樹脂基板を用いて形成することが出来る。有機EL表示装置や液晶表示装置では、1個ずつ製造したのでは効率が悪いので、大きなマザー基板に多数のセルを配置して形成し、セルが完成した後、マザー基板から分離する。
マザー基板は、ガラス基板で形成され、マザー基板の上に多くの層が形成され、多くのベーキングプロセスを経る。したがって、マザー基板のベーキングプロセスは、表示装置の特性変動の要因になる。特許文献1には、ガラス基板の加熱方法が記載されている。
特開平10−287436号公報
TFTを構成する酸化物半導体は、スパッタリングによって基板上に形成した後、大気中にて、例えば300℃乃至350℃でアニールして、特性を安定化する。アニール条件が異なると、TFTの特性が変化する。例えば、スレッショルド電圧Vthや移動度が影響を受ける。
特に有機EL表示装置では、駆動TFTのスレッショルド電圧は重要であり、スレッショルド電圧がばらつくと、画像の再現性が困難になる。また、酸化物半導体の移動度がばらつくと、TFTの応答スピードがばらつくため、画像の再現性に影響を与える。
本発明の課題は、マザー基板におけるベーキング時の温度分布の影響によるTFT特性のばらつきを軽減して、マザー基板においてTFT特性が均一である表示装置を形成することができる製造方法を実現することである。
TFTの特性は、ベーキング条件のみでなく、エッチング条件に起因するTFTのサイズのばらつき等によっても影響を受ける。このような変動は、プロセスが固定されると、マザー基板上で、一定の場所に生ずる。
本発明の他の課題は、ベーキング以外の要因によるTFT特性の変動を、アニール条件によって補正することが出来る製造方法を実現することである。
本発明は上記課題を克服するものであり、主な具体的な手段は次のとおりである。
(1)基板に酸化物半導体を形成し、前記酸化物半導体をアニールし、
その後酸化物半導体をパターニングする工程を含む、表示装置の製造方法であって、前記アニールの昇温時は、第1の間隔を持って配置された複数の第1のピンによって前記基板を支持し、前記アニールの降温時は、第2の間隔を持って配置された複数の第2のピンによって前記基板を支持し、平面で視た場合、前記第2にピンは、複数の前記第1のピンの中点から、前記複数の第1のピン間距離の10%以内に位置していることを特徴とする表示装置の製造方法。
(2)基板に酸化物半導体を形成し、前記酸化物半導体をアニールし、
その後酸化物半導体をパターニングする工程を含む、表示装置の製造方法であって、前記アニールにおいて、前記基板は、複数のピンによって支持され、前記複数のピンは金属で形成されており、前記複数のピンの各々の径をφとした場合、平面で視た場合の、前記複数のピンのピッチは2φ以下であることを特徴とする表示装置の製造方法。
(3)基板に酸化物半導体を形成し、前記酸化物半導体をアニールし、
その後酸化物半導体をパターニングする工程を含む、表示装置の製造方法であって、前記アニールは、基板内における温度の領域制御が可能であり、前記アニールにおいて、前記基板は、複数のピンによって支持され、
前記複数のピンは金属で形成されており、前記複数のピンの各々の径をφとした場合、平面で視た場合の、前記複数のピンのピッチは2φ以下であることを特徴とする表示装置の製造方法。
有機EL表示装置の平面図である。 有機EL表示装置の表示領域の断面図である。 有機EL表示装置の画素部の等価回路である。 TFTの伝達特性の例である。 マザー基板の例を示す平面図である。 アニールの温度プロファイルの例である。 昇温時におけるアニール炉の例を示す断面図である。 図7の問題点を示す平面図である。 降温時におけるアニール炉の例を示す断面図である。 実施例1の降温時アニール炉を示す断面図である。 実施例1の降温時の基板におけるピンの位置を示す平面図である。 実施例2のアニール炉の断面図である。 実施例2のピンの断面図である。 実施例2の他の形態によるピンの断面図である。 実施例2におけるピンの配置の例を示す平面図である。 実施例2の他の形態によるアニール炉の断面図である。 実施例2のさらに他の形態によるアニール炉の断面図である。 実施例2のさらに他の形態によるアニール炉の断面図である。 実施例3のアニール炉の断面図である。 実施例3におけるノズル配置を示す平面図である。 実施例4を示すアニール炉の断面図である。 実施例5を示すアニール炉の断面図である。 実施例5によるピン配置の例を示す斜視図である。 実施例5によるピン配置の例を示す平面図である。 図24のA−A断面図である。 図24のB−B断面図である。 実施例5によるピン配置の他の例を示す平面図である。 実施例5によるピン配置のさらに他の例を示す平面図である。
本発明を、酸化物半導体を用いたTFTを有する有機EL表示装置の製造方法について説明するが、本発明は液晶表示装置についても適用することが出来る。
図1は本発明が適用される有機EL表示装置の平面図である。図1の有機EL表示装置には、表示領域10と端子領域30が存在している。表示領域10には横方向(x方向)に走査線11が延在し、縦方向(y方向)に配列している。また、映像信号線12が縦方向に延在して横方向に配列している。そして、電源線13が縦方向に延在し、横方向に配列している。走査線11と、映像信号線12または電源線13で囲まれた領域に画素14が形成されている。
図1において、表示領域10以外の部分に端子領域30が形成され、端子領域30にはドライバIC31が搭載されている。映像信号はドライバIC31においてアレンジされ、表示領域10に供給される。また、端子領域30には、有機EL表示装置に電源や信号を供給するためのフレキシブル配線基板32が接続している。
図1において、表示領域10の両側には走査線駆動回路20が形成されている。また、表示領域10の上側(y方向上側)には、電流供給領域21が形成されている。電流は端子領域30に接続しているフレキシブル配線基板31から電流バスラインに供給され、電流バスラインは、表示領域10の上側(y方向の上側)の電流供給領域21に配線される。そして、電流は、電流供給領域21から電源線13によって各画素14に供給される。表示領域10の下側に配線が集中することを回避するためである。
図2は、有機EL表示装置の表示領域の断面図である。図2において、TFT基板100は、ガラスで形成される場合もあるし、ポリイミド等の樹脂で形成される場合もある。樹脂基板とする場合でも、当初は、ガラス基板上に樹脂によるTFT基板を形成し、その上にTFTや有機EL層を形成する。そして、有機EL表示装置が完成した後、ガラス基板がレーザアブレーション等によって、樹脂で形成されたTFT基板から分離される。したがって、製造プロセスにおいては、いずれの場合もガラス基板の上に各要素が形成される。
樹脂基板の場合は、TFT基板100の厚さを10μm乃至20μmとすることが出来るので、フレキシブル表示装置とすることが出来る。また、ガラス基板の場合も、厚さが0.2mm以下とすると、フレキシブルに湾曲させることが出来る。
TFT基板100の上に下地膜101が形成されている。下地膜101は酸化シリコン(以後SiOという)膜と、窒化シリコン(以後SiNという)膜等の積層膜で形成され、TFT基板100からの不純物が半導体層102を汚染することを防止する。なお、水分等に対するバリア特性をより確実にするために、さらにAlOx膜が下地膜として形成される場合もある。
下地膜の最上層は酸化物半導体と接するが、酸化物半導体は、SiN膜と接すると還元され、特性が不安定になるので、最上層はSiO膜で形成される。下地膜101の上に形成される半導体層102は、酸化物半導体で形成される。酸化物半導体102は、ポリイミドの耐熱温度である350℃程度の温度で形成することが可能である。
酸化物半導体のうち光学的に透明でかつ結晶質でないものをTAOS(Transparent Amorphous Oxide Semiconductor)と呼ぶ。TAOSには、IGZO(Indium Gallium Zinc Oxide)、ITZO(Indium Tin Zinc Oxide)、ZnON(Zinc Oxide Nitride)、IGO(Indium Gallium Oxide)等がある。本発明では、酸化物半導体102にIGZOを用いた例で説明する。
酸化物半導体102はスパッタリングによって形成される。酸化物半導体102をパターニングする前に、300℃乃至350℃でアニールして、酸化物半導体102の特性を安定化させる。この時のアニールにおいて、マザー基板内で温度がばらつくと、酸化物半導体102を用いたTFTにおいてスレッショルド電圧Vhがばらつき、また、酸化物半導体の移動度等がばらつく。その結果、有機EL表示装置の表示特性がばらつくことになる。本発明は、この酸化物半導体102のアニールにおける温度分布を制御することによって、マザー基板内において、特性の均一な有機EL表示装置を形成するものである。
酸化物半導体102をアニールした後、パターニングを行う。半導体層102には後で説明するように、イオンドーピング等によって、ドレイン1021、ソース1022が形成されている。半導体層102を覆ってゲート絶縁膜103が形成され、ゲート絶縁膜103の上にゲート電極104が形成される。ゲート電極104は、例えば、MoW等で形成されるが、抵抗を小さくしたい場合は、AlをTi等でサンドイッチした構成が用いられる。その後、ゲート電極104をマスクにして、Ar原子等のイオンインプランテーションを行い、半導体層102に、ドレイン領域1021とソース領域1022を形成する。半導体層102の内、ゲート電極104の直下がチャネルとなる。
ゲート絶縁膜103は酸化物半導体102に酸素を供給する役割を有しており、SiOで形成されている。ゲート電極104を覆って層間絶縁膜105が形成される。層間絶縁膜105の上にドレイン電極121とソース電極122が形成される。層間絶縁膜105およびゲート絶縁膜103にスルーホール121を形成し、ドレイン電極121とドレイン領域1021を接続し、スルーホール122を形成してソース電極122とソース領域1022を接続している。
ドレイン電極121、ソース電極122、層間絶縁膜105を覆って有機パッシベーション膜108が形成される。有機パッシベーション膜108は、アクリル等の透明樹脂で形成される。有機パッシベーション膜108は平坦化膜を兼ねているので、2μm乃至4μmと、厚く形成される。
有機パッシベーション膜108の上に、反射膜109とアノード110が積層して形成される。反射膜109とアノード110の積層体を下部電極と呼ぶ。反射膜109は例えば反射率の高い銀で形成され、アノード110はITO(Indium Tin Oxide)で形成される。なお、有機パッシベーション膜108にスルーホール130を形成して、ソース電極122と反射電極109を接続している。
下部電極を覆って、バンク111が形成される。バンク111は、アクリル等の透明樹脂で形成される。バンク111の役割は、下部電極の上に形成される有機EL層112が下部電極の端部によって段切れを生ずることを防止することと、各画素を区画することである。
バンク111に形成されたホールに有機EL層112を形成する。有機EL層112は、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等の複数の層で形成され、各層は数nm〜100nm程度の非常に薄い膜である。
有機EL層112を覆って上部電極(カソード)113が形成される。カソード113は表示領域全面に共通に形成される。カソード113は、透明導電膜であるIZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)等によって形成されるほか、銀等の金属の薄膜で形成される場合もある。
その後、カソード113側からの水分の侵入を防止するために、カソード113を覆って保護膜114を、CVDを用いてSiNによって形成する。有機EL層112は熱に弱いために保護膜114を形成するためのCVDは100℃程度の低温CVDによって形成される。保護膜114には、この他、機械的な保護のために、アクリル等の透明樹脂膜が積層されることが多い。
トップエミッション型の有機EL表示装置は、反射電極109が存在しているために、画面は、外光を反射する。これを防止するために、表面に偏光板116を配置して、外光による反射を防止している。偏光板116は、一方の面に粘着材115を有しており、保護膜114に圧着することによって、有機EL表示装置に接着させている。粘着材114の厚さは10μm程度であり、偏光板115の厚さは100μm程度である。
このようにしてガラス基板上にフレキシブル表示装置を形成した後、TFT基板100がポリイミド等の樹脂で形成されていた場合、樹脂によるTFT基板100とガラス基板の界面にレーザを照射してTFT基板100からガラス基板を除去する。これによって、樹脂基板を有するフレキシブル表示装置が完成する。
図3は画素の構成を示す等価回路である。図3において、走査線11、映像信号線12、電源線13で囲まれた領域に画素14が形成されている。図3において、カソード線15が横方向に延在しているが、これは等価回路上の表現であって、実際の製品では、カソードは表示領域全面に平面状に存在している。画素内には、有機EL層で形成される有機EL素子ELと、これを駆動する駆動TFT(T2)が直列に接続している。駆動TFT(T2)のゲートとドレインの間には蓄積容量Csが配置している。蓄積容量Csの電位にしたがって、駆動TFT(T2)から有機EL素子(EL)に電流が供給される。
図3において、選択TFT(T1)のゲートに走査線11が接続し、走査線11のON、OFF信号にしたがって、T1が開閉される。T1がONになると、映像信号線12から映像信号が供給され、映像信号によって蓄積容量Csに電荷が蓄積され、蓄積容量Csの電位によって、駆動TFT(T2)が駆動され、有機EL素子(EL)に電流が流れる。
図3において、駆動TFT(T2)のスレッショルド電圧Vthが変化すると、同じ電荷が蓄積容量に蓄積されても、駆動TFT(T2)から有機EL素子ELに流れる電流が変化することになり、画像の再現性が損なわれる。図4は、酸化物半導体を用いたTFTの伝達特性の例である。図4において、横軸はゲート電圧(Vg)、縦軸はドレイン電流Idである。電流及び電圧の定義は、図4のグラフの下の等価回路に示すとおりである。ドレイン電流はドレイン電圧Vdによって変化するが、図4では、ドレイン電圧が0.1Vの場合を例にとって比較している。
スレッショルド電圧Vthはドレイン電圧を固定した場合において、ゲート電圧がどの程度の時にドレイン電流が流れだすかを評価したものである。理想的には、Vgがゼロを超えたときからドレインIdが流れ出すのが良いが、実際にはプロセス条件を考慮して、0V乃至1.0Vの範囲内、より好ましくは、0V乃至0.5Vの範囲内で固定出来ればよい。
しかし、スレッショルド電圧はプロセス条件によってばらつく。さらに、基板内においても、場所によって、プロセス条件が異なるために、基板内においてスレッショルド電圧Vthが変化する。これをΔVthと定義する。図4におけるΔVthはこのスレッショルド電圧のばらつきをいう。
現実のマザー基板では同じ基板内において、スレッショルドは例えば、0.4V乃至1.6Vの範囲でばらつく。すなわち、スレッショルド電圧を1.0Vに設定した場合、ΔVthは±0.6V程度存在しているということである。このばらつきは有機EL素子を流れる電流、すなわち、画像特性に対して大きな影響を与える。
ところで、有機EL表示装置は、大きなマザー基板400に多数の表示装置セル1を形成し、表示装置セル1が完成した後、個々のセル1をマザー基板400から分離する製造方法が採られる。図5は、マザー基板400の例である。図5において、マザー基板400にセル1が240個形成されている例である。マザー基板400の大きさは、横径XXが例えば1500mm、縦径YYが1850mmというように非常に大きい。
マザー基板400内に多数のセル1が形成されるので、セル間において、TFTの特性に差が出やすい。特に、スレッショルド電圧Vthの差は深刻な問題を生ずる。個々のセルは、有機EL表示装置に組み立てられるが、この時に画像の調整が行われる。しかし、有機EL表示装置間において、スレッショルド電圧Vthの差が大きいと、有機EL表示装置の画質調整が不可能になる場合が生ずる。
酸化物半導体102をスパッタリング等によって、マザー基板400に形成された下地膜101の上に形成した後、パターニングする前に、酸化物半導体102の特性を安定化するために、300℃乃至350℃でアニールをおこなう。マザー基板400のサイズは大きいので、このベーキングの際に、マザー基板400の場所によって温度差が生じやすい。
発明者は、このベーキング時の温度差が酸化物半導体102を用いたTFTのスレッショルド電圧Vthに対して大きな影響を与えていることを発見し、これを対策することによって、マザー基板400内のセル間において、スレッショルド電圧Vthのばらつきを抑制できることを見出した。つまり、酸化物半導体102は、アニール時に高温になっている時間が長いほど酸化が進み、スレッショルド電圧Vthが上昇する。そして、マザー基板400の場所によって、酸化物半導体102が高温になっている時間が異なるために、場所によってスレッショルド電圧Vthが異なることになる。
なお、酸化物半導体102を用いた他の重要な特性として、酸化物半導体102中の移動度が挙げられる。酸化物半導体102の移動度も、酸化物半導体102のアニール中に酸化物半導体102が高温になっている時間が長いほど低下する。つまり、マザー基板400の場所によって、セル1毎に移動度が異なることになる。したがって、スレッショルド電圧Vthのばらつきを対策すると同時に移動度のばらつきに対する対策も行うことが出来る。
図6は、酸化物半導体のアニール条件の例である。アニールは酸素雰囲気中、すなわち、大気中で行うことが出来る。アニールは昇温期間tr、保持期間th、降温時間tdの3つの期間に分けられる。図6では、350℃までの昇温時間が30分、350℃に保持する時間が30分、降温時間を30分とした例である。図6は例であって、アニールの条件は、酸化物半導体の特性からの要請によって種々変化させることが出来る。例えば、350℃の保持時間は、必要に応じて30分から180分程度まであり得る。また、昇温時間も降温時間も必要に応じて変化させることが出来る。さらに、アニール温度も300℃から400℃程度までの範囲で変化させることが出来る。なお、TFT基板がガラスの場合であれば、アニール温度を440℃としても問題はない。
このように、アニール条件は、酸化物半導体の必要に応じて変化させることが出来るが、問題は、同一マザー基板400内において、場所によって、アニール時の温度条件が変化することである。酸化物半導体102のアニール条件が異なると、酸化物半導体102の特性が異なる。すなわち、マザー基板400の場所によって、製造される有機EL表示装置のTFTにおけるスレッショルド電圧Vthや移動度が異なってくる。そうすると、有機EL表示装置によっては、同じドライバIC等を用いても、画像調整が出来ないような事態が発生する。したがって、特に酸化物半導体102を成膜した後のアニールは、マザー基板400内において、出来るだけ温度を均一化する必要がある。
図7はアニール炉500においてマザー基板400が加熱されている状態を示す模式断面図である。マザー基板400は、アニール炉500の下側に配置されたピン520によって支持されている。ピン520のピッチは、例えば300mm程度であり、ピンの径は例えば10mmφである。ピン520の先端は、例えば、半径5mmの球形である。そして、ピンには、例えば、セラミックスであるジルコニアが用いられている。
アニール炉500の炉壁内にはヒータ510が埋め込まれており、アニール炉500の内壁を加熱することによって、炉壁からの輻射熱511、及び、炉内の空気によってマザー基板400は加熱される。炉500の側壁には、降温する時に、冷却用空気を送りこむための孔が形成されているが、この孔は加熱時には、シャッター505によって閉じられている。
図7において、マザー基板400を支えるピンはセラミックスであるジルコニアによって形成されている。ジルコニアは熱伝導率が4W/mKであり、非常に小さい。したがって、加熱されたマザー基板400から、ピン520を通して熱が逃げることは抑制することが出来る。一方、ピン520の方が、温度が高くなっている場合は、ピンから熱が移動する。すなわち、ジルコニアは、比熱が0.46(J/gK)、密度が6(g/cm)であるから熱容量は比較的大きい。また、ジルコニアの反射率は表面の粗度にもよるが、表面粗度がJIS規格で、Raが0.8程度の時は、波長が240nm乃至2600nmの範囲で、30%乃至70%である。すなわち炉壁の上壁502からの放射熱511はジルコニアによって反射され、これは、ガラス基板400を加熱する要因になる。
このように、ガラス基板400において、ピン520が存在している部分は、他の部分に比較して温度条件が異なっている。以上で説明した要因を総合すると、図7の炉では、ガラス基板400を加熱している時は、ピン520が接触している部分の近辺410が他の部分よりも、早く温度が上昇する。
図8は、温度上昇時において、ガラス基板400にピン520が接触している部分の近辺の領域410の温度が高くなっていることを示す模式図である。図8において、ピン520の径φは10mm、ピンのピッチpxは300mm、pyは300mmである。つまり、ガラス基板400のピン520の周りの斜線で示す領域410には早く温度が上昇する。
図9は同様な炉においてガラス基板400を降温させる場合の模式断面図である。図9の炉は昇温時の炉である図7と同様な構成であるが、必ずしも昇温時と同一の炉を使うわけではない。炉壁502、503に埋め込まれたヒータ510はマザー基板400の加熱のためではなく、徐冷のためである。あるいは、ヒータ510は使用されない場合もある。したがって、図9において、炉壁からの輻射は無視する。図9において自然冷却をする場合、熱容量の差が問題になる。ガラスの比熱は0.67(J/gK)、密度は2.5(g/cm)であり、ジルコニアの比熱は0.46(J/gK)、密度は6(g/cm)であるから、ジルコニアのほうがガラスよりも熱容量は大きい。すなわち、自然冷却であれば、ピン520付近のガラス基板400のほうが、他の場所よりも温度が降下しにくい。逆に言えば、ピン520付近のガラス基板400のほうが、他の領域のガラスよりも高温に維持されている時間が長い。
さらに、図9に示すように、炉壁503に形成されたホールから冷却風506をおくって、降温スピードを速めるような場合、ピン520付近では、ピン520の影になる部分は、冷却風の影響と受けにくい。したがって、ガラス基板において、図9における斜線の部分の領域410が、他の部分よりも温度が降下しにくい。
つまり、図8に示すような、ピン520付近のガラス基板400は、昇温時も降温時も他の部分よりも、比較的高い温度となっている。つまり、この部分は、他の部分よりも、よりアニール時間が長くなるという効果がある。アニール時間が長くなると、スレッショルドVthが上昇し、移動度が低下する。すなわち、同じマザー基板400内において、ピン520付近に配置されたセル1のTFTの特性とそれ以外の位置に配置されたセル1のTFTの特性とが異なることになる。本発明はこのマザー基板400内におけるばらつきを対策するものである。
本発明の第1の実施例は、ガラス基板400を支持するピン520の位置を昇温時と降温時で異ならせ、かつ、降温時のピン520の位置を昇温時のピンの位置のほぼ中間に配置することである。例えば、マザー基板400を昇温するときのピン520の位置は図8に示すような位置にする。すなわち、昇温時は、図8の斜線に示す部分において、他の部分よりも温度が高い時間が長くなる。
一方、降温時には、昇温時とは、ピン520の位置をずらせる。具体的には、昇温時におけるピン520とピン520の位置の中間に降温時のピン520を配置する。ピン520が接触している付近のマザー基板400の温度は下がりにくい。したがって、昇温時に温度が上がりにくい部分が、降温時には温度が下がりにくくなるので、アニールプロセス全体としては、マザー基板400の全領域において、アニールの温度条件を均一にすることが出来る。
図11は、本実施例における、降温時のガラス基板を支えるピンの位置である。図11において、斜線で示すような、降温時のピン520の位置付近は、温度が下がりにくい部分である。つまり、斜線で示す部分410は、降温時において、他の部分よりも温度が高い時間が長くなる。
図11において、点線で示す円は、昇温時のピン520の位置である。すなわち、降温時のピン520の位置は、昇温時のピン520の位置の中間に位置している。したがって、昇温時と降温時のピン位置が同じである従来例に比して、本実施例によれば、昇温時と降温時において温度が高い領域が異なっているので、昇温時の影響と降温時の影響が別な場所に現れるため、アニール温度のばらつきの影響を半減することが出来る。なお、降温時のピン520の位置は、昇温時のピンの位置の中間に位置しているとは、昇温時のピン間の中点から、昇温時のピン間距離の10%以内の位置に配置していることを言う。
さらに、図11によれば、昇温時にピン520の影響を最も受けにくい部分が、降温時において、ピン520の影響を最も受けやすい部分になるので、全アニール期間を取った場合、マザー基板400に形成された酸化物半導体102が受ける温度の影響はより均一になる。
図11において、降温時におけるピン520とピン520の間隔px、pyは、昇温時におけるピン520とピン520の間隔px、pyと同様300mmである。一般に、本実施例においては、昇温時のピン520とピン520の間隔px、pyはピン径φの10倍以上であり、降温時のピン520とピン520の間隔px、pyはピン径φの10倍以上である。
実施例2の特徴は、マザー基板400を支えるピン520を、マザー基板400を加熱するための手段として積極的に利用することである。図12は本発明の実施例2によるアニール炉500の断面図である。図12が図7と大きく異なる点は、マザー基板400を支えるピン520の数である。図12におけるピン520の数は図7におけるよりもはるかに多い。ピン520は炉壁内にあるヒータ510によって加熱され、この熱がピン520を通してマザー基板400に供給される。
図13は、図12におけるピン520の断面図である。ピン520の径はφである。先端は、大きな曲率半径Rを有している。曲率半径Rは好ましくはφ以上、より好ましくは10φ以上である。ピン520の先端を大きな曲率半径とすることによって、ピン520からマザー基板400に熱が伝わりやすくしている。
図13において、ピン520のピッチptは、ピン520の径φの2倍以下であることが望ましい。これによって、ピン520によるマザー基板400の加熱をより均一に行うことが出来る。本実施例では、ピン520を通して、炉壁501に埋め込まれたヒータ510からの熱をマザー基板400に伝えるので、ピン520の熱伝導度は高いほうが良い。したがって、ピン520は銅等の金属で形成される。
金属が直接ガラスに触れた場合、大きな温度変化の影響による不具合が生ずる場合がある。この場合、ピン520の尖端521のみを、セラミックス、例えば、ジルコニア等で形成し、他の部分は銅等の金属で形成すればよい。この場合の尖端の曲率半径Rも、図13で説明したように、φ以上、より好ましくは10φ以上である。
図12に戻り、炉壁501内において、ピン520とピン520の間にはヒータ510が埋め込まれている。このヒータ510で発生した熱を金属ピン520によってマザー基板400に送り込み、マザー基板400を加熱する。ピン520の数は多い方がマザー基板400を均一に加熱することが出来る。また、ピン520は、平面で視て、均一に配置することによって、マザー基板400の、より均一な加熱が可能になる。
図15はピン520の配置を示す平面図である。図15はピン520を細密充填した配置であり、各ピン520は、正3角形の頂点に配置している。図15のθは60度である。このような配置によって、マザー基板400をより均一に加熱することが出来るとともに、ピン520とピン520の間に配置されるヒータ510のためのスペースも確保しやすくなる。
図15に示すように、ピン配置を平面で視て、細密充填になるように配置しても、マザー基板400内において、温度分布が生ずる場合がある。この場合は、例えば、マザー基板400における温度が高い領域に接触するピン520に対応するヒータ510のパワーを制御することによって、均一な基板温度とすることが出来る。
一方、本実施例である図12の構成においても、炉壁502等からの輻射熱511による加熱も併用している。しかし、図12の構成は、ピン520を通しての加熱の割合が従来に比してはるかに大きい。マザー基板400を加熱する熱量は、ピン520を通しての熱量の方が、炉壁からの輻射熱511よりも大きいほうが、本発明の効果をより発揮することが出来る。
図16は、実施例2における第2の態様を示すアニール炉500の断面図である。図16が図12と異なる点は、ピン520とピン520の間に配置されているヒータ510において、ピン520を導線の一部として使用する例である。ピン520とピン520の間のスペースが小さくなると、ヒータ510を配置するためのスペースの確保が困難になる。本実施例では、ピン520は金属等の導電体で形成されているので、ヒータのための導線として使用することが出来る。本実施態様によって、ピン520の配置密度をより大きくすることが出来る。
図16のような構成において、図15に示すように、ピン配置を平面で視て、細密充填になるように配置しても、マザー基板400内において、温度分布が生ずる場合がある。この場合は、例えば、温度が高い領域に接触するピン520に対応するヒータ510のパワーを制御することによって、均一な基板温度とすることが出来る。
図17は、実施例2の第3の態様を示すアニール炉の断面図である。図17が図12と異なる点は、ピン520のピッチをマザー基板400の中央部と周辺部で変えていることである。すなわち、マザー基板400の中心部におけるピン520のピッチpcをマザー基板400の周辺部分におけるピン520のピッチppよりも大きくしている。
本実施例の第1の形態のように、ピン520によってマザー基板400を加熱する際、ピン520を均一なピッチで高密度に配置すると、マザー基板400の中央部において基板の温度が高くなる。図17では、マザー基板400の中央部におけるピン520のピッチをマザー基板400の周辺におけるよりも大きくすることによって、マザー基板400の加熱をより均一に行うことが出来る。
図18は、実施例2の第4の態様を示すアニール炉の断面図である。図18が図17と異なる点は、マザー基板400の上側に赤外線ヒータ600を配置していることである。図18において、赤外線ヒータ600は3ケ使用している。なお、炉500を平面で視た場合、赤外線ヒータ600の数は、もっと多くなる。
赤外線ヒータ600による加熱は、加熱温度の制御が容易である。また、ヒータ600の平面形状の大きさも必要に応じて対応することが出来る。したがって、赤外線ヒータ600をマザー基板400の加熱の補助として使用することによって、マザー基板400のより均一な加熱が可能になる。図18において、赤外線ヒータ600は、上炉壁502内の吊り下げ部材610によって、上炉壁502とマザー基板400の間に配置されている。この吊り下げ部材610は赤外線ヒータ600をそれぞれマザー基板400に対して水平方向、垂直方向に移動させる機能を有する。上炉壁502内のヒータ510は、必要に応じて使用すればよい。例えば、上炉壁502内のヒータ510は、炉内の空気を加熱するために使用することも出来る。
図19は、実施例3を示すアニール炉500の断面図である。実施例3が実施例1及び2と異なる点は、マザー基板はピンによって支持されているのではなく、アニール炉500の下炉壁510に配置した空気噴射ノズル540から噴射される高温空気541によって支持されていることである。図19において、ノズル540から噴射される空気541は、例えば、炉壁501内に埋め込まれたヒータ510によって加熱する。あるいは、炉壁外から加熱した空気をノズル540に送りこんでも良い。
図19において、炉壁501に埋め込まれたヒータ510からの輻射熱によって、マザー基板400を加熱するが、同時に、ノズル540から噴射される高温空気541によっても加熱される。図19の例では、炉500内における高温空気が撹拌されるために、より、均一にマザー基板400を加熱することが出来る。
図19の構成で、安定してマザー基板400を支持するためには、ノズル540の数は多い方がよい。また、平面的にも均一に配置していたほうが良い。図20は、図19におけるノズル540の配置を示す平面図である。基本的には、実施例2で説明した細密充填配置となっている。
図20において、ノズル540の尖端には噴射孔542が形成されている。ノズル540の径はφ1、噴射孔542の径はφ2である。図20において、噴射孔542は、3角形の頂点に配置している。図20においては、ノズル540のピッチntは2φ1である。しかし、ノズル540は実施例2とは異なり、マザー基板の加熱が第1目的ではないので、ノズル540のピッチは、2φ1よりも大きくてもよい。マザー基板400を安定して保持できるピッチとすればよい。
酸化物半導体におけるスレッショルド電圧Vth、移動度等は、アニール条件のみによって影響を受けるわけではない。例えば、マザー基板400において、TFTを構成するための、酸化物半導体102のパターニング、ゲート電極104のパターニング、ゲート絶縁膜103や下地膜101の成膜条件等の影響も受ける。このように、アニール以外のプロセス条件によるスレッショルド電圧Vthあるいは移動度等のばらつきが生ずる位置が、マザー基板400において固定されていれば、アニール条件を制御することによって、アニール以外のプロセスで発生したスレッショルド電圧Vth、移動度への影響を補償するこが可能である。
図21は、このような効果を得ることを可能にする本発明の実施例4の構成を示す断面図である。図21において、マザー基板400において、領域420は、アニール以外のプロセス条件によって、スレッショルドVthが他の領域よりも高く形成される領域である。図21では、この領域420に対応するピン520をマザー基板400から所定の距離dだけ離し、この部分のピン520からマザー基板400に熱を供給しないようにしている。
これによって、マザー基板400の領域420は、アニールにおいては、他の領域よりも温度が低くなる。アニール温度が低ければ、スレッショルドVthは低くなるので、領域420におけるスレッショルド電圧Vthを他の領域のスレッショルド電圧Vthに近づけることが出来る。
図21における平面的なピン520の配置は、本発明における実施例2の構成と同じである。また、ピン520の断面形状も実施例2で説明したのと同じである。平面で視た場合のピン520のピッチが小さいので、スレッショルド電圧Vthの、マザー基板400の場所による変動に細かく対処することが出来る。本実施例による効果は、輻射熱や雰囲気の対流による加熱では対応することが出来ない。ピン520からの熱伝導によるマザー基板400の加熱を行う、本発明の構成によってはじめて可能になるものである。
マザー基板400において、アニール以外のプロセス条件によって、スレッショルドVthが他の領域よりも高く形成される領域420が生じた場合、これを補償する構成は、例えば、図12及び図16のような構成によっても実現することが出来る。すなわち、図12、図16では、各ピン520に対応してヒータ510が配置している。したがって、アニール時に、アニール温度を変化させたい領域に対応するヒータへの入力パワーを制御することによって、領域毎のアニール条件の制御が可能になる。
図22は本発明の実施例5のアニール炉の断面図である。図22が実施例2の図12等と異なる点は、平面で視てピン520が隙間なく配置し、そのピンの上にマザー基板400が配置している点である。マザー基板400は、ピン520からの熱伝導によって加熱される。ピン520が隙間なく配置しているので、ピン520を加熱するヒータ510は、各ピン520の内部に配置している。各ピン520は、ばね状の部材700で支えられ、容易に上下動できるので、マザー基板400は全てのピンと接触可能である。炉壁内にはヒータ510が配置し、輻射熱による加熱も可能である。
図23は、ピン520の配置を示す斜視図である。図23において、平面で視て、ピン520の断面は正方形であり、ピン520は互いに隙間なく配列することが出来る。マザー基板400と接するピンの尖端525は曲率半径の大きな球面で形成されており、マザー基板400と接触した際、ガラスを傷つけないような構成にしている。
本実施例におけるピン520もヒータ510からの熱をマザー基板400に伝える役割を持っているので、銅等の金属によって形成されている。しかし、金属とガラス基板が直接接触することを防止するために、ピンの尖端525をジルコニア等のセラミックで形成することも可能である。これらの場合のピンの基本的な形状は、実施例2における図13あるいは図14と同じである。
図24は、ピン520の配置を示す平面図である。図24において、断面が正方形のピン520が隙間なく配置している。ピン520の尖端525には曲率半径の大きな球面が形成されている。図25は、図24のA−A断面図である。図25では、ピン先端525の、曲率半径Rの球面部分が連続して形成されている。
図26は、図24のB−B断面図である。断面B−Bの方向は細密充填となっていないので、球面と球面の間に平坦領域dbが存在している。したがって、この方向では、ピンからの熱の伝導は、図24のA−A方向よりも小さい。本実施例の以上の形態では、ピンの平面形状が正方形であるとして説明したが、ピンの形状が長方形等を含む矩形である場合も、基本的には同様である。
図27はピン520の平面形状を正6角形とした場合のピンの配置を示す平面図である。図27においては、断面C−Cの場合も断面D−Dの場合も、図25のような形状になる。つまり、いずれの方向も細密充填になる。したがって、図24の場合の配置よりも、マザー基板400への熱伝導効率を向上させることが出来る。
図28は、ピン520の平面形状が円の場合において細密充填した場合の平面図である。図28において、ピン520とピン520の間には隙間が存在している。しかし、断面E−Eは図28の断面C−Cと同じであり、断面F−Fは図27の断面D−Dと同じである。つまり、ガラス基板への熱伝導は、図27におけるように、ピン520を隙間無く配置する場合と同じである。図28の利点は、ピンの平面が円形なので、ピンの加工がしやすいという点である。
本実施例の場合も、実施例4で説明したような、アニール工程以外で発生した、TFTのスレッショルド電圧Vthのばらつき、あるいは酸化物半導体の移動度のばらつきを、アニール温度条件を場所ごとに変化させることによって対策することが可能である。この場合は、図22あるいは図23におけるばね条部材700を、シリンダ等で置換え、制御をより正確におこなうようにすればよい。
本実施例では、ピン520内にヒータ510を配置する。したがって、個々のピンの温度を制御することが可能である。実施例4で説明したような、アニール工程以外で発生した、TFTのスレッショルド電圧Vthのばらつき、あるいは酸化物半導体の移動度のばらつきを、アニール温度条件を場所ごとに変化させることによって対策する構成は、本実施例によれば、より効率的に行うことが出来る。つまり、ピン520内に存在するヒータ510に入力させるパワーを制御することによって、各ピン520の温度を制御し、その結果ピン520からガラス基板400に伝導する熱量を直接制御することが出来る。
なお、以上で説明した、アニール工程以外で発生した、TFTのスレッショルド電圧Vthのばらつき、あるいは酸化物半導体の移動度のばらつきを、アニール温度条件を場所ごとに変化させる構成は、TFTのスレッショルド電圧Vthを上げるかまたは酸化物半導体の移動度を下げる場合と、TFTのスレッショルド電圧Vthを下げるかまたは酸化物半導体の移動度を上げる場合とがある。
以上の実施例は有機EL表示装置の製造方法について本発明を説明した。本発明は、液晶表示装置にも適用することが出来る。液晶表示装置においても、各画素にスイッチングTFTが存在し、このTFTを酸化物半導体で形成することが可能だからである。また、走査線駆動回路等の周辺回路に、酸化物半導体を用いる場合にも本発明を適用することが出来る。
1…表示パネルセル、 10…表示領域、 11…走査線、 12…映像信号線、 13…電源線、 14…画素、 15…カソード線、 20…走査線駆動回路、 21…電流供給領域、 30…端子領域、 31…ドライバIC、 32…フレキシブル配線基板、 40…シール材、 100…TFT基板、 101…下地膜、 102…半導体層、 103…ゲート絶縁膜、 104…ゲート電極、 105…層間絶縁膜、 106…ドレイン電極、 107…ソース電極、 108…有機パッシベーション膜、 109…反射電極、 110…アノード、 111…バンク、 112…有機EL層、 113…カソード、 114…保護膜、 115…粘着材、 116…円偏光板、 121…スルーホール、 122…スルーホール、 123…スルーホール、 130…スルーホール、 400…マザー基板、 410…高温度領域、 420…Vthが異なる領域、 500…アニール炉、 501…下炉壁、 502…上炉壁、 503…側炉壁、 505…シャッター、 510…ヒータ、 511…輻射熱、 520…ピン、 521…セラミックス、 522…金属、 525…ピン先端、 530…電源、 540…ノズル、 541…高温ガス、 542…噴射孔、 600…赤外線ヒータ、 610…吊り下げ部材、 700…バネ、シリンダ、 T1…スイッチングTFT、 T2…駆動TFT、 Cs…蓄積容量、 EL…有機EL素子

Claims (20)

  1. 基板に酸化物半導体を形成し、
    前記酸化物半導体をアニールし、
    その後酸化物半導体をパターニングする工程を含む、表示装置の製造方法であって、
    前記アニールの昇温時は、第1の方向に第1の間隔を、第2の方向に第2の間隔をそれぞれ持って配置された複数の第1のピンによって前記基板を支持し、
    前記アニールの降温時は、前記第1の方向に第3の間隔を、前記第2の方向に第4の間隔をそれぞれ持って配置された複数の第2のピンによって前記基板を支持し、
    平面で視た場合、前記第2のピンは、前記第1の方向に配列した隣接する複数の前記第1のピンの中点と、前記第2の方向に配列した隣接する複数の前記第1のピンの中点とから規定される座標位置から、隣接する複数の前記座標位置間距離の10%以内に位置していることを特徴とする表示装置の製造方法。
  2. 酸化物半導体を形成した基板に対し、
    前記酸化物半導体をアニールする工程を含む表示装置の製造装置であって、
    前記アニールの昇温時は、第1の方向に第1の間隔を、第2の方向に第2の間隔をそれぞれ持って配置された複数の第1のピンによって前記基板を支持し、
    前記アニールの降温時は、前記第1の方向に第3の間隔を、前記第2の方向に第4の間隔をそれぞれ持って配置された複数の第2のピンによって前記基板を支持し、
    平面で視た場合、前記第2のピンは、前記第1の方向に配列した隣接する複数の前記第1のピンの中点と、前記第2の方向に配列した隣接する複数の前記第1のピンの中点とから規定される座標位置から、隣接する複数の前記座標位置間距離の10%以内に位置していることを特徴とする表示装置の製造装置。
  3. 前記ピンはセラミックスで形成されていることを特徴とする請求項2に記載の表示装置の製造装置。
  4. 酸化物半導体を形成した基板に対し、
    前記酸化物半導体をアニールする工程を含む、表示装置の製造装置であって、
    前記アニールにおいて、前記基板は、複数のピンによって支持され、
    前記複数のピンは金属で形成されており、
    前記複数のピンの各々の径をφとした場合、
    平面で視た場合の、前記複数のピンのピッチは2φ以下であることを特徴とする表示装置の製造装置。
  5. 平面で視て、前記ピンの中心は正3角形の頂点に位置していることを特徴とする請求項4に記載の表示装置の製造装置。
  6. 前記ピンはばね状の構成によって支持され、前記基板の形状に沿って、前記ピンは上下することが可能であることを特徴とする請求項4に記載の表示装置の製造装置。
  7. 前記ピンはシリンダ状の構成によって支持され、前記基板の形状に沿って、前記ピンは上下することが可能であることを特徴とする請求項4に記載の表示装置の製造装置。
  8. 平面で視て、前記ピンは互いに接触しており、前記ピンは平面で視て矩形であることを特徴とする請求項4に記載の表示装置の製造装置。
  9. 平面で視て、前記ピンは互いに接触しており、前記ピンは平面で視て円形であることを特徴とする請求項4に記載の表示装置の製造装置。
  10. 平面で視て、前記ピンは互いに接触しており、前記ピンは平面で視て6角形であることを特徴とする請求項4に記載の表示装置の製造装置。
  11. 前記ピンの前記基板と接する先端は、セラミックスで形成されていることを特徴とする請求項4に記載の表示装置の製造装置。
  12. 前記アニールは、炉壁からの輻射熱を併用して基板を加熱することを特徴とする請求項4に記載の表示装置の製造装置。
  13. 前記アニールは、赤外線による加熱を併用していることを特徴とする請求項4に記載の表示装置の製造装置。
  14. 酸化物半導体を形成した基板に対し、
    前記酸化物半導体をアニールする工程を含む、表示装置の製造装置であって、
    前記アニールは、基板内における温度の領域制御が可能であり、
    前記アニールにおいて、前記基板は、複数のピンによって支持され、
    前記複数のピンは金属で形成されており、
    前記複数のピンの各々の径をφとした場合、
    平面で視た場合の、前記複数のピンのピッチは2φ以下であることを特徴とする表示装置の製造装置。
  15. 前記アニールにおいて、前記複数のピンの内の特定のピンを前記基板から離すことによって、基板温度の領域制御を行うことを特徴とする請求項14に記載の表示装置の製造装置。
  16. 前記複数のピンの各々には、ヒータが対応し、前記複数のピンの各々に対応するヒータのパワーを異ならせることを特徴とする請求項14に記載の表示装置の製造装置。
  17. 平面で視て、前記複数のピンは接触し、前記複数のピンの各々の内部にヒータが存在し、前記複数のヒータの各々に加えられるパワーは各々異なることを特徴とする請求項14に記載の表示装置の製造装置。
  18. 平面で視て、前記複数のピンは接触し、前記複数のピンの1部は前記基板と接触しないようにして、アニールの領域制御を行うことを特徴とする請求項14に記載の表示装置の製造装置。
  19. 前記アニールにおける前記領域制御は、前記表示装置の製造工程において、前記アニール以外の工程で発生した、前記領域における前記酸化物半導体を用いたTFTのスレッショルド電圧を上げるか、または、前記酸化物半導体の移動度を低下させるように温度の領域制御を行うことを特徴とする請求項14に記載の表示装置の製造装置。
  20. 前記アニールにおける前記領域制御は、前記表示装置の製造工程において、前記アニール以外の工程で発生した、前記領域における前記酸化物半導体を用いたTFTのスレッショルド電圧を下げるか、または、前記酸化物半導体の移動度を上昇させるように温度の領域制御を行うことを特徴とする請求項14に記載の表示装置の製造装置。
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