JP2002139156A - 回転体オイルシール - Google Patents

回転体オイルシール

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JP2002139156A
JP2002139156A JP2000336018A JP2000336018A JP2002139156A JP 2002139156 A JP2002139156 A JP 2002139156A JP 2000336018 A JP2000336018 A JP 2000336018A JP 2000336018 A JP2000336018 A JP 2000336018A JP 2002139156 A JP2002139156 A JP 2002139156A
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lip
oil seal
rotary body
body oil
seal
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JP2000336018A
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Takeo Otani
剛生 大谷
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Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異音の発生を抑制させた高品質な回転体オイ
ルシールを提供する。 【解決手段】 複数段のリップのうち密封側Mから2段
目以降のリップであるリップ7dの先端の摺動面に、リ
ップ7dの潤滑材を保持する粗し加工を施した粗し加工
部9を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種装置の軸封部
に用いられる回転体オイルシールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の回転体オイルシール
は、例えば、図3の断面構成説明図に示すように、ハウ
ジング101の軸孔101a内周面と該軸孔101aに
挿通される軸102(揺動回転軸)の外周面102aと
の間の環状隙間からの密封流体の漏れを防止するための
オイルシール100として備えられている。
【0003】オイルシール100は、環状形状を呈して
おり、外周側の軸方向部105aと軸方向部105aの
一端(反密封側である大気側O)より内側に折れ曲がっ
た径方向部105bを有する断面略L字状の補強環10
5と、補強環105の周囲を覆うように一体的に形成さ
れたゴム状弾性体からなる嵌め合い部106及びシール
部107を備えている。
【0004】シール部107は、径方向部105bから
密封側Mに延出するメインシール部107aと、大気側
Oに延出するダストシール107bとから構成されてい
る。
【0005】108は、メインシール部107aに緊迫
力を与えるスプリングである。
【0006】このようなオイルシール100を、例えば
パワーステアリング装置に適用する場合、パワーステア
リング装置を構成しているポンプの作動時には、0.2
MPa程度の一定圧が加わり、更に軸102の回転方向
が変わる際には2MPa程度の比較的高いパルス圧が負
荷される。このため、メインシール部107aは、耐圧
性を確保させるために、軸方向に2段のリップ107
c,107dを備えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のオイルシール100では、長時間にわたり
圧力が負荷された場合には、密封流体である作動油は1
段目のリップ107cでシールされ、かつ、揺動回転軸
に用いられ往復動軸のような油膜の移動がない為に、大
気側Oに位置する2段目のリップ107dは、1段目の
リップ107cよりも潤滑状態が厳しい傾向にある。ま
た、前記ポンプ作動時はオイルシール100に圧力が常
時加わっているため、時間の経過とともにリップ107
dの潤滑状態は、更に厳しくなると判断される。
【0008】そこで、2段目のリップ107dの潤滑状
態を良好にする為に、リップ107dの摺動面に摺動材
としてグリースの塗布等を行っているが、長時間にわた
って圧力が負荷されると摺動面に介在しているグリース
も排出されてしまい、潤滑状態が低下してしまう。
【0009】このように潤滑状態が低下すると、使用条
件によっては、この箇所より異音が発生する可能性が考
えられる。
【0010】本発明は上記従来技術の問題を解決するた
めになされたもので、その目的とするところは、異音の
発生を抑制させた高品質な回転体オイルシールを提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明にあっては、互いに略同心的に相対回転する2
部材間の環状隙間を封止して密封側と反密封側とを遮断
する回転体オイルシールであって、前記2部材のうちの
いずれか一方の面に固定される嵌め合い部と、他方の面
に対してリップ先端を密接させるリップを軸方向に複数
段有するシール部と、を備えた回転体オイルシールにお
いて、前記複数段のリップのうち密封側から2段目以降
のリップの先端の摺動面に、該リップの潤滑油を保持す
る粗し加工を施した粗し加工部を備えることを特徴とす
る。
【0012】このように構成することにより、2段目以
降のリップの潤滑状態を良好に保持することができるの
で、異音の発生を抑制することができる。
【0013】さらに、2段目以降のリップの潤滑状態が
良好となるので、摺動トルクを低減させることが可能と
なる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される
装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきもので
あり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣
旨のものではない。
【0015】図1は本実施の形態に係る回転体オイルシ
ール1の構成を説明する断面構成説明図である。
【0016】回転体オイルシール1は、2部材としての
ハウジング2の軸孔2aと軸(揺動回転軸)3の外周面
3aの間の環状隙間をシールするものである。
【0017】回転体オイルシール1は、環状形状を呈し
ており、外周側の軸方向部5aと軸方向部5aの一端
(反密封側である大気側O)より内側に折れ曲がる径方
向部5bを有する断面略L字状の補強環5と、補強環5
の周囲を覆うように一体的に形成されたゴム状弾性体か
らなる嵌め合い部6及びシール部7を備えている。
【0018】シール部7は、径方向部5bから密封側M
に延出するメインシール部7aと大気側Oに延出するダ
ストシール7bとから構成されている。
【0019】メインシール部7aは、軸方向に2段のリ
ップ7c,7dを備えている。
【0020】そして、本発明の特徴的な構成として、リ
ップ7dにおいて、リップ先端の摺動面に粗し加工を施
した粗し加工部9を備えている。
【0021】本実施の形態においては、2段リップとし
ているが、これに限らず、回転体シールは複数のリップ
を備えても良く、この場合には、密封側Mから2段目以
降のリップに粗し加工部を備える。
【0022】なお、粗し程度については、5〜50μm
が好適である。
【0023】また、8はメインシール部7aに緊迫力を
与えるスプリングである。
【0024】このように構成される回転体オイルシール
1は、揺動回転軸用のオイルシールとして各種装置に適
用されるものである。
【0025】回転体オイルシール1は、メインシール部
7aに複数のリップを備えるので、揺動する軸に対して
も好適であり、高圧がかかる場合でも、メインシール部
7aの挙動を安定させるとともに、耐圧性を確保するこ
とができる。
【0026】さらに、長時間にわたり圧力が負荷された
場合であって、1段目のリップ7cで密封流体である作
動油はシールされ、かつ、揺動回転軸に用いられ往復動
軸のように油膜の移動が無い為に、大気側Oに位置する
2段目のリップ7dは、1段目のリップ7cよりも潤滑
状態が厳しいものとなってしまう場合であっても、本実
施の形態では、2段目のリップ7dに粗し加工部9が設
けられていることにより、粗し加工部9で潤滑材を保持
させることができるため、長時間の圧力負荷によっても
潤滑状態が維持、確保されるようになり、異音の発生を
抑制することができる。
【0027】本発明者は、2段目のリップ7dに粗し加
工部9を備えた回転体オイルシール1は、粗し加工を施
していない従来品に対して異音を抑制する効果を有する
ことを実験により確認している。
【0028】さらに、回転体オイルシール1は、2段目
のリップ7dの潤滑状態が良好となるので、従来品に対
して、摺動トルクが低減することも確認している。
【0029】上述したように、本実施の形態によれば、
2段目のリップ7dのリップ先端の摺動面に粗し加工を
施した粗し加工部9を備えることにより、潤滑状態を良
好に保持することができるので、異音の発生を抑制する
ことが可能となる。
【0030】さらに、リップ7dの潤滑状態が良好とな
るので、摺動トルクを低減させることが可能となる。
【0031】なお、本実施の形態においては、2段リッ
プとしているが、複数のリップとし、密封側Mから2段
目以降のリップに粗し加工部を設けることにより、さら
に、耐圧性を向上させることができる。
【0032】次に、本発明の本実施の形態に係る回転体
オイルシールの好適な適用例として、本実施の形態に係
る回転体オイルシールをパワーステアリング装置のパワ
ーステアリングギア部に適用した例を示す。
【0033】図2は本実施の形態に係る回転体オイルシ
ールが適用されるパワーステアリングギア部10の概略
断面図である。
【0034】パワーステアリングギア部10には、ハウ
ジング11,17内に入力側のスタブシャフト13と、
トーションバー14を介してスタブシャフト13に連結
される出力側のピニオンシャフト12が設けられてい
る。
【0035】そして、運転者が操舵することにより作動
するスタブシャフト13の回転が、ピニオンシャフト1
2に伝達され、ピニオンシャフト12に形成されたピニ
オン15が操舵車輪に接続されるラック軸16に係合す
るものである。
【0036】ここで、スタブシャフト13の周囲に設け
られたバルブ部20は、スタブシャフト13の一部によ
り構成されるスプール18と、スプール18に相対回転
自在に設けられたスリーブ19と、を備え、ポートを通
じてパワーステアリング装置を構成しているポンプに連
通している。操舵入力によってスプール18がスリーブ
19に対して相対回転して、パワーステアリング装置を
構成しているパワーシリンダを動作させる。
【0037】このような場合において、上述した本発明
の本実施の形態に係る回転体オイルシールを、ハウジン
グ17とスタブシャフト13との環状隙間をシールする
インプットシール1a,及び、ハウジング11とピニオ
ンシャフト12との環状隙間をシールするピニオンシー
ル1bとして、好適に用いることができる。
【0038】すなわち、パワーステアリング装置におい
ては、本発明の本実施の形態に係る回転体オイルシール
を用いることにより、異音の発生を抑制することが可能
であり、さらに、摺動トルクの低減によって、ハンドル
の操舵フィーリングの向上を実現させることが可能とな
る。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、複数段
のリップのうち密封側から2段目以降のリップの先端の
摺動面に、該リップの潤滑材を保持する粗し加工を施し
た粗し加工部を備えることにより、2段目以降のリップ
の潤滑状態を良好に保持することができるので、異音の
発生を抑制させた高品質な回転体オイルシールを提供す
ることが可能となる。
【0040】さらに、2段目以降のリップの潤滑状態が
良好となるので、摺動トルクを低減させることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る回転体オイルシールの断面
構成説明図である。
【図2】パワーステアリング装置のパワーステアリング
ギア部の概略断面図である。
【図3】従来の回転体オイルシールの断面構成説明図で
ある。
【符号の説明】
1 回転体オイルシール 2 ハウジング 2a 軸孔 3 軸 3a 外周面 5 補強環 5a 軸方向部 5b 径方向部 6 嵌め合い部 7 シール部 7a メインシール部 7b ダストシール 7c,7d リップ 8 スプリング 9 粗し加工部 M 密封側 O 大気側

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに略同心的に相対回転する2部材間の
    環状隙間を封止して密封側と反密封側とを遮断する回転
    体オイルシールであって、 前記2部材のうちのいずれか一方の面に固定される嵌め
    合い部と、 他方の面に対してリップ先端を密接させるリップを軸方
    向に複数段有するシール部と、 を備えた回転体オイルシールにおいて、 前記複数段のリップのうち密封側から2段目以降のリッ
    プの先端の摺動面に、該リップの潤滑材を保持する粗し
    加工を施した粗し加工部を備えることを特徴とする回転
    体オイルシール。
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