JP2002138995A - 軸流流体機械用の長斜方形羽根を製造するための方法及び素材 - Google Patents

軸流流体機械用の長斜方形羽根を製造するための方法及び素材

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ハンス−エゴン・ブロツク
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 僅かな費用で軸流流体機械の長斜方形羽根を
製造することを可能にする方法及び素材を提供する。 【構成】 長斜方形断面の羽根基部２と羽根板１から成
る軸流醜態機械用の長斜方形羽根が、塊状の素材３から
切削加工により作り出される。素材３は熱間圧延される
か又は鍛造される棒状出発材料から棒として切取られ、
この出発材料の断面が、長斜方形羽根基部２の断面の形
状に合わされかつ羽根の最大断面より最小仕上げ代５だ
け大きい長斜方形の形状を持っている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、請求項１及び５の
上位概念に記載の特徴を持つ、軸流流体機械用の長斜方
羽根を製造するための方法及び素材に関する。ここで長
斜方形とは、隣り合う辺が等しくない平行四辺形をい
う。
【０００２】
【従来の技術】長斜方形羽根は、軸流タービン及び軸流
圧縮機のような軸流流体機械における回転羽根及び案内
羽根として使用される。これらの長斜方形羽根は、羽根
基部の断面が同じまたは対毎に異なる長さの辺を持つ長
斜方形又は平行四辺形の形状を持っていることを特徴と
している。この断面形状の利点は、長方形羽根基部を持
つ羽根に比較して、軸流流体機械の回転子又は固定子の
周囲に一層多くの羽根を収容できるということである。
【０００３】ずっと以前から、羽根の製造の際、機械製
造者は熱間圧延される長方形の平鋼又は広幅平鋼から出
発し、これらの平鋼から切削加工により塊から羽根を作
り出していた。長方形の平鋼又は広幅平鋼は、圧延技術
的に簡単に従って安価に製造可能である。特定の最小量
の除去の際、製造者は顧客の希望に応じた寸法を供給す
る準備ができている。製造上の理由から、すべての棒に
おいて羽根長さは常に圧延方向に配置されねばならな
い。通常の場合、仕上げ代を加えた羽根の最大寸法に従
って、長方形の平鋼が決定される。その際棒にただ１つ
の羽根が設けられている。長方形の平鋼はそれから周囲
を所望の長斜方形の羽根断面形状に加工される。長斜方
形の角の大きさに応じて、所望の羽根素材が得られるま
でに、非常に多くの屑を出しながら切削せねばならな
い。
【０００４】小形の羽根は、若干の機械製造者におい
て、広幅平鋼から製造される。この場合複数の羽根が横
に並んで棒に配置されている。斜めの鋸引き切断によ
り、広幅平鋼が羽根の数に従って複数の長斜方形部分に
鋸引きされ、これらの部分が続いて所望の羽根素材の寸
法にフライス削りされる。広幅平鋼の利点は、複数の羽
根形式への融通のきく適用、それに伴う保管費用の節約
である。広幅平鋼を長斜方形棒に鋸引きできることによ
り、普通の平鋼からの製造に比較して、材料費及び加工
費が節約される。鋸引き及び棒のフライス削りのため、
全体としてまだ大きすぎる加工時間を費やすことが欠点
である。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明の基礎になって
いる課題は、僅かな費用で軸流流体機械の長斜方形羽根
を製造することを可能にする方法及び素材を提供するこ
とである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】最初にあげた種類の方法
において、本発明によれば、この課題は請求項１の特徴
によって解決される。素材は請求項５の対象である。発
明の有利な構成は従属請求項に示されている。
【０００７】本発明では、熱間圧延、型鍛造、精密鍛造
又は熱間加圧成形のような熱変形により製造される長斜
方形断面の棒状出発材料から出発する。このような出発
材料は、長方形断面の圧延物品より製造に費用がかか
る。軸流流体機械の回転羽根及び案内羽根としての羽根
の製造に特別に応用してはじめて、この出発材料が費用
の決定的な優位をもたらす。なぜならば、出発材料は長
斜方形に合わされているからである。それにより、塊か
らのフライス削りにより羽根を所望の最終寸法にするた
めに、製造費用が減少される。
【０００８】本発明の実施例が図面に示されており、以
下に説明される。
【０００９】
【実施例】図１の（ａ），（ｂ）及び（ｃ）において、
軸流タービン又は軸流圧縮機の回転羽根は、流線形に形
成される羽根板１及び羽根基部２から成っている。
【００１０】羽根基部２の断面は長斜方形又は平行四辺
形の形状を持っている。羽根基部２は、長斜方形の代わ
りに、菱形の形状を持つこともできる。軸流流体機械の
すべての回転羽根及び案内羽根において、最大羽根断面
は、一般に羽根の平面図から生じる。その際羽根基部
２、羽根板１及び場合によっては羽根頭部にある翼弦端
部に存在するフライス削り囲い板の最大寸法から形成さ
れる。図示した羽根では、断面は（ｃ）からわかる。
【００１１】軸流流体機械の案内羽根は図示されていな
い。案内羽根も同様に流線形に形成される羽根板及び円
錐状の羽根基部を持っている。
【００１２】塊からの切削加工（フライス削り）によっ
て素材３から図１の羽根形状を作り出すことによって、
羽根が製造される。素材３は図２の（ａ），（ｂ）及び
（ｃ）に示されており、製造すべき羽根の羽根板及び羽
根基部の輪郭は線１′及び２′によって示されている。
素材３は、熱変形により製造される棒状出発材料から、
棒として切取られる。素材３の長さは羽根の長さに一致
するか、又は締付け端部４だけ羽根の長さより大きい。
【００１３】棒状出発材料の断面形状は、羽根基部の断
面に合わされ、同様に羽根基部２と同じ辺角を持つ長斜
方形から成っている。棒状出発材料の断面は、歯根の最
大断面より例えば２ｍｍの最小仕上げ代だけ大きい。
【００１４】現在技術的に最も要求の多い製造状態で
は、素材３が５つのＮＣ軸で制御されるフライス盤へ締
付けられる。この機械において、羽根すなわち羽根板１
及び羽根基部２を１つの工作物締付けで、両方の締付け
端部４を除いて、完全に仕上げフライス加工することが
できる。長斜方形素材３の前述した形状により、フライ
ス盤上での加工時間が短縮される。なぜならば、長方形
平鋼を使用する場合必要な長斜方形にするまでに今まで
必要だった加工段階をなくすことができるからである。
【００１５】素材を製造するための棒状出発材料は、素
材の断面形状に応じて溝付けされているロールを持つ圧
延ライン上で熱間圧延により製造される。
【００１６】熱間圧延される出発材料を製造するため
に、経済的及び方法技術的な理由から、機械製造者によ
り最小除去量が必要とされる。更に若干の羽根形状のた
めに、熱間圧延による適当な棒状出発材料を準備しなく
てもよい。従って前記の両方の場合素材は、出発材料か
ら出発して、型鍛造又は熱間加圧成形又は精密鍛造によ
る最後の変形の際製造される。型鍛造又は熱間加圧成形
の際、長斜方形の棒は、数部分から成る中空型内で圧力
の作用により製造される。棒の長さは羽根の長さと仕上
げ代との和に合わされている。精密鍛造の際、２つの部
分から成りかつ両側で開いた母型が使用され、この母型
は素材の断面形状を持っている。縦軸線に対して対角な
圧縮成形軌道による据え込み圧縮の並列により工作物を
伸ばすことによって、成形が行われる。両側で開いた母
型に、素材となるように加工された工作物が均一に通さ
れる。両方法はハンマ又はプレスによって行われる。
【図面の簡単な説明】
【図１】（ａ）は回転羽根の正面図を示し、（ｂ）は回
転羽根の側面図を示し、（ｃ）は回転羽根の平面図を示
す。
【図２】（ａ）は図１による回転羽根を製造するための
素材の正面図を示し、（ｂ）は素材の側面図を示し、
（ｃ）は素材の平面図を示す。
【符号の説明】
１ 羽根板 ２ 羽根基部 ３ 素材 ４ 締付け端部 ５ 最小仕上げ代

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 長斜方形断面の羽根基部（２）と羽根板
    （１）から成る長斜方形羽根が、塊状の素材（３）から
    切削加工により作り出される製造方法において、熱変形
    により製造される棒状出発材料から出発し、この出発材
    料の断面が、長斜方形羽根基部（２）の断面の形状に合
    わされかつ羽根の最大断面より最小仕上げ代（５）だけ
    大きい長斜方形の形状を持ち、この出発材料から、羽根
    の長さに等しいか又は加工に必要な締付け端部（４）だ
    け延長された長さを持つ素材（３）が切取られることを
    特徴とする、軸流流体機械用の長斜方形羽根を製造する
    ための方法。
  2. 【請求項２】 棒状出発材料が、熱間圧延により製造さ
    れることを特徴とする、請求項１に記載の方法。
  3. 【請求項３】 棒状出発材料が、型鍛造又は熱間加圧成
    形により製造されることを特徴とする、請求項１に記載
    の方法。
  4. 【請求項４】 棒状出発材料、精密鍛造により製造され
    ることを特徴とする、請求項１に記載の方法。
  5. 【請求項５】 長斜方形断面の羽根基部（２）と羽根板
    （１）から成る長斜方形羽根の素材が、切削加工により
    羽根の仕上げ寸法にされるものにおいて、素材（３）
    が、熱変形により製造される棒状出発材料から切取られ
    かつ長斜方形羽根基部（２）の断面に合わされかつ羽根
    の最大断面より最小仕上げ代（５）だけ大きい断面を持
    つ棒であることを特徴とする、軸流流体機械用の長斜方
    形羽根を製造するための素材。
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