JP2002138244A - 包装材料用塗料およびこれからなる塗膜を有する包装材料 - Google Patents

包装材料用塗料およびこれからなる塗膜を有する包装材料

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JP2002138244A
JP2002138244A JP2000333801A JP2000333801A JP2002138244A JP 2002138244 A JP2002138244 A JP 2002138244A JP 2000333801 A JP2000333801 A JP 2000333801A JP 2000333801 A JP2000333801 A JP 2000333801A JP 2002138244 A JP2002138244 A JP 2002138244A
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coating
inorganic porous
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Shunji Sugano
俊司 菅野
Shinya Kita
伸也 北
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Negami Chemical Industrial Co Ltd
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Negami Chemical Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内面で発生する結露を抑制することができ、
しかも包装された食品の鮮度劣化を抑えることができる
包装材料、および包装材料内面で発生する結露を抑制
し、この包装材料で包装された食品の鮮度劣化を抑える
ための包装材料用塗料を提供する。 【解決手段】 無機系多孔質物質、吸水性高分子物質、
バインダー樹脂および溶媒の4成分、あるいは無機系多
孔質物質、水溶性樹脂および溶媒の3成分を必須成分と
する包装材料用塗料;および、非透湿性かつ非吸湿性の
材料に、前記包装材料用塗料からなる塗膜が形成されて
いる包装材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水分を含有してい
る食品全般、特にブナシメジ等の生鮮キノコ類を包装す
るための包装材料に関し、詳しくは、包装材料内面で発
生する結露を抑制し、この包装材料で包装された食品の
鮮度劣化を抑えることができる包装材料用塗料およびこ
れからなる塗膜を有する包装材料に関する。
【0002】
【従来の技術】野菜、果物等の生鮮食品類の中でも、ブ
ナシメジ等の生鮮キノコ類は流通過程において鮮度や風
味の劣化が速いことが知られている。鮮度や風味の劣化
を防ぐ目的で、非吸湿性かつ非透湿性の合成高分子フィ
ルムで包装して、風味成分の揮散と水分の乾燥を防ぐと
ともに、塵芥や細菌等の侵入を防ぐことはよく行われて
いる。
【0003】しかしながら、ブナシメジ等の生鮮キノコ
類は包装材料の中でも呼吸をして酸素を消費しながら二
酸化炭素や水分を放出し、さらに酸素がなくなると嫌気
呼吸(発酵)を行って生命活動を維持することが知られ
ている。そのため、包装材料内面で結露した水分や嫌気
呼吸で発生したアルコール分によって、急速な鮮度劣化
を招くと言われている。
【0004】包装材料内面での結露の発生を抑えるもの
としては、これまで、熱シール可能な不織布や穴明きフ
ィルム等の透水性膜で吸水性高分子物質を包んだ構成の
吸水シートや脱水シートが、例えば、特開昭55−21
203号公報、特開昭57−122914号公報、特開
昭57−167734号公報等に提案されている。しか
しながら、これらはいずれも一旦シート化したものを食
品と共に間違いなく包装材料内に詰めるという煩雑な作
業を必要とするものであり、特に限られた時間内に鮮度
が要求される食品の包装を大量に行わなければならない
作業場においては、実用的ではなかった。また、これら
水分吸収剤は、結露を防止する効果はあるものの、生鮮
食品の鮮度劣化自体を抑える効果はなかった。
【0005】また、野菜、果物等の生鮮食品の鮮度保持
を目的とし、上記水分の吸収以外にも酸素濃度、二酸化
炭素濃度、アルコール濃度の調整を行う方法が提案され
いる。例えば、脱酸素剤をシート化したものを用いる方
法が、特開平5−338675号公報、特開平6−32
7400号公報に提案されている。また、包装材料にパ
ルス発振型レーザ等を用いて微細孔を設ける方法が、特
開平10−35742号公報、特開2000−2289
46公報等に提案されている。
【0006】しかしながら、脱酸素剤をシート化したも
のを用いる場合、やはり脱酸素剤をシート化したものを
包装材料に詰める煩雑な作業を必要とし、特に限られた
時間内に鮮度が要求される食品の包装を大量に行わなけ
ればならない作業場においては、実用的ではなかった。
一方、包装材料にパルス発振型レーザ等を用いて微細孔
を設ける方法では、特殊な装置を必要とする上、微細孔
からは塵芥や細菌等の侵入の可能性もあり、効果が不十
分であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明の目的
は、水分吸収剤、脱酸素剤等をシート化したものを別途
用意しなくとも、内面で発生する結露を抑制することが
でき、しかも包装された食品の鮮度劣化を抑えることが
できる包装材料、および包装材料内面で発生する結露を
抑制し、この包装材料で包装された食品の鮮度劣化を抑
えるための包装材料用塗料を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意研究した結果、非吸湿性かつ非透湿性
の材料で生鮮食品を密閉包装する場合において、無機系
多孔質物質、吸水性高分子物質、バインダー樹脂、溶媒
の4成分、あるいは無機系多孔質物質、水溶性樹脂、溶
媒の3成分を必須成分とする包装材料用塗料を塗布した
包装材料を用いることによって、かかる課題を解決する
ことができることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】すなわち、本発明の包装材料用塗料は、無
機系多孔質物質、吸水性高分子物質、バインダー樹脂お
よび溶媒を必須成分とすることを特徴とする。この包装
材料用塗料は、バインダー樹脂100重量部に対して、
無機系多孔質物質を10〜1000重量部、吸水性高分
子物質を10〜1000重量部含有することが望まし
い。また、前記吸水性高分子物質は、(メタ)アクリル
酸塩系樹脂、デンプン・アクリル酸塩グラフト重合体系
樹脂およびセルロース・アクリル酸塩グラフト重合体系
樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であること
が望ましい。
【0010】また、本発明の包装材料用塗料は、無機系
多孔質物質、水溶性樹脂および溶媒を必須成分とするこ
とを特徴とする。この包装材料用塗料は、水溶性樹脂1
00重量部に対して、無機系多孔質物質を10〜100
0重量部含有することが望ましい。また、前記水溶性樹
脂は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、
ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸およびその
塩、ポリメタクリル酸およびその塩、ポリアクリルアミ
ド、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
デンプンおよびゼラチンからなる群から選ばれる少なく
とも1種であることが望ましい。
【0011】また、前記無機系多孔質物質は、ゼオライ
ト、セピオライト、白土、カオリン、タルク、ベントナ
イト、珪藻土、活性炭、シリカ、アルミナおよびマグネ
シアからなる群から選ばれる少なくとも1種であること
が望ましい。また、本発明の包装材料は、非透湿性かつ
非吸湿性の材料に、本発明の包装材料用塗料からなる塗
膜が形成されていることを特徴とする。また、塗膜の厚
みは、5μm以上であることが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明の包装材料用塗料は、無機系多孔質物質、
吸水性高分子物質、バインダー樹脂および溶媒の4成
分、あるいは無機系多孔質物質、水溶性樹脂および溶媒
の3成分を必須成分とするものである。
【0013】本発明における無機系多孔質物質は、水分
およびアルコール分を吸着保持する能力を有するもので
あれば、特に限定はされない。このような無機系多孔質
物質の中でも、水分およびアルコール分を吸着保持する
能力に特に優れていることから、ゼオライト、セピオラ
イト、白土、カオリン、タルク、ベントナイト、珪藻
土、活性炭、シリカ、アルミナおよびマグネシアが好適
に用いられる。これらは、1種類で使用してもよいし、
2種類以上を組み合わせて使用してもよい。これらの無
機系多孔質物質は、表面積が大きく、しかもその表面は
水やアルコールと水素結合を形成しやすいため、水分お
よびアルコール分を吸着保持する能力に優れており、包
装容器内での結露およびアルコール分の高濃度化を抑制
する。
【0014】本発明における吸水性高分子物質は、吸水
性を有する高分子物質であれば特に限定はされない。こ
のような吸水性高分子物質の中でも、水分を保持する能
力に優れ、かつ水分に溶解、溶出することがないことか
ら、(メタ)アクリル酸塩系樹脂、デンプン・アクリル
酸塩グラフト重合体系樹脂およびセルロース・アクリル
酸塩グラフト重合体系樹脂が好適に用いられる。これら
は、1種類で使用してもよいし、2種類以上を組み合わ
せて使用してもよい。これらは、分子中に親水性基を有
していて、しかも架橋構造をしているため、水分に溶
解、溶出することなく、水分を保持する能力に優れてお
り、包装容器内での結露を抑制する。
【0015】本発明におけるバインダー樹脂は、後述の
溶媒に溶解し、かつこれを乾燥することによって皮膜を
形成できる製膜性を有するものであればよく、特に限定
はされない。このようなバインダー樹脂としては、例え
ば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹
脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂などが
挙げられる。
【0016】本発明における水溶性樹脂は、水分の吸収
能力があり、皮膜を形成できる製膜性を有するものであ
ればよく、特に限定はされない。このような水溶性樹脂
の中でも、水分の吸収能力に優れることから、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオ
キサイド、ポリアクリル酸およびその塩、ポリメタクリ
ル酸およびその塩、ポリアクリルアミド、メチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプンおよびゼ
ラチンが好適に用いられる。これらは、1種類で使用し
てもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよ
い。これら水溶性樹脂は、分子中に親水性基を有してい
て、乾燥状態においては水分の吸着能力があり、包装容
器内での結露を抑制する。水溶性樹脂を用いた場合に
は、それ自身が吸水性高分子物質の性質とバインダー樹
脂の性質を併せ持つので、水溶性樹脂、無機系多孔質物
質および溶媒の3成分での構成が可能となる。
【0017】本発明における溶媒は、バインダー樹脂を
溶解させ、かつ前記吸水性高分子物質を溶解または分散
させるものであれば特に限定はされない。このような溶
媒としては、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素
類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエー
テル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
などのケトン類;n−ヘプタン、n−ヘキサンなどの脂
肪族炭化水素類;メタノール、イソプロパノールなどの
アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル
類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなど
の有機溶剤、および水が挙げられる。
【0018】本発明の包装材料用塗料には、上述の無機
系多孔質物質、吸水性高分子物質、バインダー樹脂およ
び溶媒の4成分、あるいは無機系多孔質物質、水溶性樹
脂および溶媒の3成分以外に、架橋剤、界面活性剤、抗
菌剤、防腐剤等の各種添加剤を添加しても構わない。
【0019】本発明の塗料は、無機系多孔質物質、吸水
性高分子物質、バインダー樹脂および溶媒の4成分を必
須成分とする場合、バインダー樹脂100重量部に対し
て無機系多孔質物質を10〜1000重量部、吸水性高
分子物質を10〜1000重量部含有することが好まし
い。バインダー樹脂100重量部に対する無機系多孔質
物質の含有量が10重量部未満の場合には、水分、アル
コール分の保持性能が不足して、包装材料内での結露抑
制効果並びにアルコール分抑制効果が得られず、100
0重量部を超える場合には、塗料を乾燥したときに得ら
れる塗膜が容易にひび割れたり脱落したりするものとな
り、塗膜で食品を汚染する懸念が発生する。バインダー
樹脂100重量部に対する吸水性高分子物質の含有量が
10重量部未満であった場合には、水分の保持性能が不
足して、包装材料内での結露抑制効果が得られず、10
00重量部を超える場合には、バインダー樹脂が不足し
ていて塗膜が吸水したときに塗膜が流れ出してしまい、
食品を汚染する懸念が発生する。
【0020】一方、無機系多孔質物質、水溶性樹脂およ
び溶媒の3成分を必須成分とする場合、本発明の塗料
は、水溶性樹脂100重量部に対して無機系多孔質物質
を10〜1000重量部含有することが好ましい。水溶
性樹脂100重量部に対する無機系多孔質物質の含有量
が10重量部未満の場合には、水分、アルコール分の保
持性能が不足して、包装材料内での結露抑制効果並びに
アルコール分抑制効果が得られず、1000重量部を超
える場合には、塗料を乾燥したときに得られる塗膜が容
易にひび割れたり脱落したりするものとなり、塗膜で食
品を汚染する懸念が発生する。
【0021】このような包装材料用塗料にあっては、無
機系多孔質物質、および吸水性高分子物質あるいは水溶
性樹脂を含有しているので、これからなる塗膜が形成さ
れた包装材料の内面に結露を発生させることがなく、し
かも、塗膜にアルコール分が吸着され、この包装材料で
包装された生鮮食品の鮮度劣化を抑えることができる。
【0022】次に、本発明の包装材料について説明す
る。本発明の包装材料は、非透湿性かつ非吸湿性の材料
に、上述の包装材料用塗料からなる塗膜が形成されてい
るものである。非透湿性かつ非吸湿性の材料の素材とし
ては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリカーボネート等のプラスチック;金属;防水処
理を施した木、紙、布;などが挙げられる。
【0023】非透湿性かつ非吸湿性の材料の形状として
は、例えば、フィルム状、容器状などが挙げられ、特に
限定はされない。フィルム状の材料としては、前記プラ
スチックからなるフィルム、これらの積層フィルムなど
のプラスチックフィルム;防水処理を施した紙;金属箔
などが挙げられる。これらの中でも、扱いやすさ、コス
トの面からプラスチックフィルムが好ましい。また、容
器状の材料としては、前記プラスチックからなる容器;
発泡ポリスチレンの容器;金属からなる容器;防水処理
を施した木、紙、布等からなる容器などが挙げられる。
これらの中でも、扱いやすさ、コストの面からプラスチ
ックまたは発泡ポリスチレンの容器が好ましい。
【0024】包装材料用塗料からなる塗膜は、非透湿性
かつ非吸湿性の材料の食品に面する表面、すなわち食品
を包装した際に内側となる表面に形成されることが好ま
しく、包装材料用塗料からなる塗膜は、前記表面の全体
に形成されていてもよく、前記表面の一部に形成されて
いてもよい。ここで、塗膜の厚みは、5μm以上でなけ
ればならない。塗膜の厚みが5μm未満であった場合に
は、水分並びにアルコール分の保持性能が不足して、包
装材料内での十分な結露抑制効果並びにアルコール分抑
制効果が得られない。
【0025】包装材料用塗料を非透湿性かつ非吸湿性の
材料に塗布する方式としては、スプレー方式、グラビア
方式、スクリーン方式、オフセット方式、パッディング
方式等を任意に選ぶことができ、特に限定されるもので
はない。
【0026】このような包装材料にあっては、上述の包
装材料用塗料からなる塗膜が形成されているので、その
表面に結露が発生することがなく、しかも、塗膜にアル
コール分が吸着され、この包装材料で包装された生鮮食
品の鮮度劣化を抑えることができる。また、別途、吸水
シートなどの吸水材、脱酸素剤等を用意する必要がな
く、食品の包装作業の負担を大幅に減らすことができ
る。
【0027】次に、本発明の包装材料を用いた包装形態
について説明する。包装形態としては、食品を外装フィ
ルムのみで包装する形態;食品を内装容器に収納した
後、食品を収納した内装容器ごと外装フィルムで包装す
る形態などが挙げられる。そして、これら外装フィルム
および内装容器のいずれか一方、もしくは両方として、
本発明の包装材料を用いる。
【0028】また、塗膜が食品に直接触れることは好ま
しくないので、本発明の包装材料用塗料からなる塗膜
が、外装フィルムの内面で、内装容器と接触し、かつ食
品とは直接接触しない部分に形成された包装材料;およ
び/または本発明の包装材料用塗料からなる塗膜が、内
装容器の底面および外側面の全面または一部に形成され
た包装材料を用いることが好ましい。
【0029】また、食品を外装フィルムで密閉する方法
としては、いかなる方法を用いることができ、例えば、
ピロー包装、三方シール包装、四方シール包装、スタン
ディングパウチ等の方法が挙げられる。
【0030】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を詳しく説明す
る。ただし、本発明の範囲は、これらの実施例に何等制
限を受けるものではない。尚、実施例中の部は重量部を
表すものとする。
【0031】(実施例1)トルエン56部、アクリル樹
脂溶液40部(根上工業(株)製パラクロンKF−20
0、固形分濃度:20重量%)、合成ゼオライト(シナ
ネン製ゼオミックAW10D)2部、デンプン系吸水性
高分子物質(三洋化成工業(株)製サンフレッシュST
−100MPS)2部を混合して、塗料1を得た。(固
形分濃度:12.0重量%、粘度:550mPa・s)
この塗料1をグラビア印刷機にてポリエステルフィルム
(厚み200μm)に、塗膜部分が容器の底面部分にな
るように間隔を開けて、5cm×6cmの大きさで、乾
燥後の塗膜の厚みが10μmとなるように塗布し、熱風
乾燥機で乾燥した。これを真空成形して上面開口部が8
cm×12cm、底面が7cm×11cm、高さが6c
mで、底面に5cm×6cmの吸湿性コーティングを施
したポリエステル製内装容器を得た。
【0032】この内装容器に収穫直後のブナシメジ10
0gを入れ、ポリプロピレンフィルムを外装フィルムと
して用い、内装容器を外装フィルムでピロー包装して包
装体1を得た。この包装体1を温度25℃、湿度65%
RHの環境下に10日間放置し、結露量の測定と鮮度保
持状態の目視による観察を行った。結果を表1に示す。
ここで、結露量の測定は、内装容器、外装フィルムに付
着した結露水を脱脂綿10gで吸い取り、その重量変化
を測定することにより行った。
【0033】(実施例2)固形分濃度6.9重量%に調
整したポリビニルアルコール(クラレ(株)製PVA−
117)の水溶液93.3部に、合成シリカ(富士シリ
シア化学製サイリシア470)6.7部を混合して、塗
料2を得た。(固形分濃度:13.1%、粘度:400
mPa・s)この塗料2を実施例1と同様に処理して包
装体2を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に
示す。
【0034】(比較例1)内装容器に何も加工せず、す
なわち吸湿性コーティングを施さずに実施例1と同様に
処理して包装体3を得た。実施例1と同様に評価した結
果を表1に示す。
【0035】(比較例2)トルエン56部、アクリル樹
脂溶液40部(根上工業(株)製パラクロンKF−20
0、固形分濃度:20重量%)、デンプン系吸水性高分
子物質(三洋化成工業(株)製サンフレッシュST−1
00MPS)4部を混合して、塗料3を得た。(固形分
濃度:12.0重量%、粘度:500mPa・s)この
塗料3を実施例1と同様に処理して包装体4を得た。実
施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の包装材料
用塗料は、無機系多孔質物質、吸水性高分子物質、バイ
ンダー樹脂および溶媒を必須成分とするものであるの
で、内面で発生する結露を抑制することができ、しか
も、塗膜にアルコール分を吸着できる包装材料を提供す
ることが可能となる。また、この包装材料用塗料が、バ
インダー樹脂100重量部に対して、無機系多孔質物質
を10〜1000重量部、吸水性高分子物質を10〜1
000重量部含有していれば、結露抑制効果並びにアル
コール分抑制効果に優れ、塗膜で食品を汚染する懸念が
ない包装材料を提供することが可能となる。
【0038】また、前記吸水性高分子物質が、(メタ)
アクリル酸塩系樹脂、デンプン・アクリル酸塩グラフト
重合体系樹脂およびセルロース・アクリル酸塩グラフト
重合体系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種で
あれば、包装材料に形成された塗膜が、水分に溶解、溶
出することなく、塗膜の水分を保持する能力がさらに向
上する。
【0039】また、本発明の包装材料用塗料は、無機系
多孔質物質、水溶性樹脂および溶媒を必須成分とするも
のであるので、内面で発生する結露を抑制することがで
き、しかも、塗膜にアルコール分を吸着できる包装材料
を提供することが可能となる。また、この包装材料用塗
料が、水溶性樹脂100重量部に対して、無機系多孔質
物質を10〜1000重量部含有していれば、結露抑制
効果並びにアルコール分抑制効果に優れ、塗膜で食品を
汚染する懸念がない包装材料を提供することが可能とな
る。
【0040】また、前記水溶性樹脂が、ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリアクリル酸およびその塩、ポリメタクリル酸お
よびその塩、ポリアクリルアミド、メチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、デンプンおよびゼラチン
からなる群から選ばれる少なくとも1種であれば、塗膜
の水分を保持する能力がさらに向上する。また、前記無
機系多孔質物質が、ゼオライト、セピオライト、白土、
カオリン、タルク、ベントナイト、珪藻土、活性炭、シ
リカ、アルミナおよびマグネシアからなる群から選ばれ
る少なくとも1種であれば、包装容器内での結露および
アルコール分の高濃度化をさらに抑制できる。
【0041】また、本発明の包装材料は、非透湿性かつ
非吸湿性の材料に、本発明の包装材料用塗料からなる塗
膜が形成されているものであるので、その表面に結露が
発生することがなく、しかも、塗膜にアルコール分が吸
着され、この包装材料で包装された生鮮食品の鮮度劣化
を抑えることができる。また、別途、吸水シートなどの
吸水材、脱酸素剤等を用意する必要がなく、食品の包装
作業の負担を大幅に減らすことができる。また、既存の
包装用の材料の表面に本発明の包装材料用塗料を塗布す
るだけで容易に得ることができる。また、塗膜の厚み
が、5μm以上であれば、水分並びにアルコール分の保
持性能が十分に発揮され、包装材料内での結露抑制効果
ならびにアルコール分抑制効果が十分に得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/00 C09D 201/00 // B65D 65/42 B65D 65/42 C Fターム(参考) 3E086 BA24 BA35 BB45 BB72 CA01 4F100 AA00A AA18A AA19A AA20A AA37A AC03A AC04A AJ04A AJ04J AJ06A AJ07A AJ07J AJ08A AK01A AK02A AK21A AK25A AK25J AK26A AK41B AK54A AL04A AR00B BA02 CC00A DJ00A EH46 GB15 GB16 JD04B JD15A JD15B JL07 4J038 BA021 BA022 BA091 BA092 BA121 BA122 BA191 BA192 CB001 CB002 CE021 CE022 CG031 CG032 CG141 CG142 CK031 CK032 CP011 CP012 DD001 DD002 DF021 DF022 DG001 DG002 DH001 DH002 DL031 DL032 EA011 EA012 HA026 HA196 HA216 HA446 HA466 HA526 HA536 HA556 KA06 KA22 NA06 NA07 PB04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機系多孔質物質、吸水性高分子物質、
    バインダー樹脂および溶媒を必須成分とすることを特徴
    とする包装材料用塗料。
  2. 【請求項2】 無機系多孔質物質、水溶性樹脂および溶
    媒を必須成分とすることを特徴とする包装材料用塗料。
  3. 【請求項3】 バインダー樹脂100重量部に対して、
    無機系多孔質物質を10〜1000重量部、吸水性高分
    子物質を10〜1000重量部含有することを特徴とす
    る請求項1記載の包装材料用塗料。
  4. 【請求項4】 水溶性樹脂100重量部に対して、無機
    系多孔質物質を10〜1000重量部含有することを特
    徴とする請求項2記載の包装材料用塗料。
  5. 【請求項5】 前記吸水性高分子物質が、(メタ)アク
    リル酸塩系樹脂、デンプン・アクリル酸塩グラフト重合
    体系樹脂およびセルロース・アクリル酸塩グラフト重合
    体系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である
    ことを特徴とする請求項1または請求項3記載の包装材
    料用塗料。
  6. 【請求項6】 前記水溶性樹脂が、ポリビニルアルコー
    ル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、
    ポリアクリル酸およびその塩、ポリメタクリル酸および
    その塩、ポリアクリルアミド、メチルセルロース、ヒド
    ロキシエチルセルロース、デンプンおよびゼラチンから
    なる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴と
    する請求項2または請求項4記載の包装材料用塗料。
  7. 【請求項7】 前記無機系多孔質物質が、ゼオライト、
    セピオライト、白土、カオリン、タルク、ベントナイ
    ト、珪藻土、活性炭、シリカ、アルミナおよびマグネシ
    アからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを
    特徴とする請求項1ないし6いずれか一項に記載の包装
    材料用塗料。
  8. 【請求項8】 非透湿性かつ非吸湿性の材料に、請求項
    1ないし7いずれか一項に記載の包装材料用塗料からな
    る塗膜が形成されていることを特徴とする包装材料。
  9. 【請求項9】 塗膜の厚みが、5μm以上であることを
    特徴とする請求項8記載の包装材料。
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