JP2002133635A - 情報記録媒体及び情報記録装置 - Google Patents

情報記録媒体及び情報記録装置

Info

Publication number
JP2002133635A
JP2002133635A JP2000325388A JP2000325388A JP2002133635A JP 2002133635 A JP2002133635 A JP 2002133635A JP 2000325388 A JP2000325388 A JP 2000325388A JP 2000325388 A JP2000325388 A JP 2000325388A JP 2002133635 A JP2002133635 A JP 2002133635A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
film
information recording
recording medium
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000325388A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumiyoshi Kirino
文良 桐野
Shioji Fujita
塩地 藤田
Akira Yano
亮 矢野
Koichiro Wakabayashi
康一郎 若林
Satoru Matsunuma
悟 松沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Maxell Ltd filed Critical Hitachi Maxell Ltd
Priority to JP2000325388A priority Critical patent/JP2002133635A/ja
Publication of JP2002133635A publication Critical patent/JP2002133635A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高保磁力の情報記録膜に微小な磁区を確実に
形成できる情報記録媒体及び情報記録装置を提供する。 【解決手段】 磁気記録媒体10は、基板1上に補助磁
性層2、非磁性膜3、硬質磁性膜4を備える。補助磁性
層2を、2層以上の軟磁性膜と当該軟磁性膜に挟まれる
ように形成される非磁性の中間膜とから構成する。かか
る構造を有する補助磁性層2は、軟磁性膜単層で補助磁
性層を構成した場合よりも大きな飽和磁束密度が得られ
るとともに、高周波帯域においても高い透磁率を有す
る。それゆえ、記録用磁気ヘッドからの磁束を硬質磁性
膜の微小領域に集中して印加でき、高保磁力の硬質磁性
膜であっても超高密度に情報を記録できる。本発明の情
報記録装置は50Gbits/inchを越える超高
密度記録を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度記録可能な
情報記録媒体及び情報記録装置に関し、特に、高い保磁
力を有する情報記録膜に磁気ヘッドの磁界を効率良く印
加して微小な記録磁区を確実に形成することができる情
報記録媒体及び情報記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の高度情報化社会の進展にはめざま
しいものがあり、各種形態の情報を統合したマルチメデ
ィアが急速に普及してきている。マルチメディアの一つ
としてコンピュータ等に装着される磁気ディスク装置が
知られている。現在、磁気ディスク装置は、記録密度を
向上させつつ小型化する方向に開発が進められている。
また、それに並行して装置の低価格化も急速に進められ
ている。
【0003】磁気ディスクの高密度化を実現するために
は、1)ディスクと磁気ヘッドとの距離を狭めること、
2)磁気記録媒体の保磁力を増大させること、3)信号
処理方法を高速化すること、4)磁気記録媒体の熱揺ら
ぎを低減すること、等が要望されている。
【0004】高密度磁気記録を実現するための磁気記録
媒体として、基板面に垂直な方向に磁化容易軸を有する
垂直磁化膜を情報記録膜に用いた垂直磁気記録媒体が知
られている。かかる垂直磁気記録媒体の情報記録膜とし
ては、例えば、Co−Cr−Pt(−Ta)系の磁性材
料が用いられている(InterMag2000 AD06)。この材料
は、20nm程度のCoの結晶粒子が析出した結晶質材
料である。かかるCo系の結晶質材料を用いた磁気記録
媒体においては、軟磁性膜(補助磁性層)と結晶質の情
報記録膜とを組み合わせて2層の磁性膜を備えた構成に
することが提案されている。このような軟磁性膜を形成
することにより、情報記録時には記録用磁気ヘッドと軟
磁性膜との間で閉磁界ループが形成され、情報記録膜に
対して垂直な方向に確実に磁界が印加されるので、情報
記録膜に安定して情報を記録することができるからであ
る。例えば、特開平3−183011には、垂直磁気記
録媒体に好適な2層構造の磁気記録媒体と、用いる軟磁
性膜の透磁率について検討した結果が開示されている。
また、熱安定性に優れ、高密度記録に好適な垂直磁気記
録用の磁性材料として、非晶質材料の希土類−鉄族合金
が有望であることが第23回日本応用磁気学会学術講演
会(8aB-11 1999)において報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の軟磁
性膜と情報記録用の磁性膜とを組み合わせた磁気記録媒
体においては、軟磁性膜と情報記録用の磁性膜との間で
働く磁気的相互作用が強いために、情報記録時に軟磁性
膜が情報記録用の磁性膜の磁壁の移動を妨げてしまい、
情報記録用の磁性膜に形成される磁壁が所望の位置に位
置付けられない場合や、微小磁区を形成することができ
ない場合があった。
【0006】また、更なる高密度記録化を実現するため
に情報記録膜の保磁力を更に高めたとき、記録用磁気ヘ
ッドからの磁束を情報記録膜に効率良く印加させない
と、情報記録膜を確実に磁化させることは困難である。
すなわち、高密度記録のためには、記録用磁気ヘッドか
らの磁束が情報記録膜に効率良く印加されるように、磁
気記録媒体を構成する磁性材料の磁気特性や媒体構成を
選択する必要がある。
【0007】また、一般に、軟磁性膜は高い周波数域に
おいて透磁率が急激に低下するために、データ転送速度
の増大により記録周波数が高くなると記録が困難となる
という問題もあった。
【0008】また、記録用の磁気ヘッドに用いられてい
る磁性材料の飽和磁束密度は、高密度化の進展とともに
増大しており、これに応じて、磁気記録媒体の軟磁性膜
の飽和磁束密度を増大させることが要望されている。
【0009】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであり、本発明の第1の目的は、飽和磁束密度の
大きな軟磁性膜を備える情報記録媒体を提供することに
ある。
【0010】本発明の第2の目的は、情報記録用の磁性
膜に形成される記録磁区を高精度に位置付けることがで
きるとともに、その位置を安定して維持することができ
る情報記録媒体を提供することにある。
【0011】本発明の第3の目的は、磁化遷移領域の磁
区形状を制御することにより再生時のノイズを低減する
ことができる情報記録媒体及び情報記録装置を提供する
ことにある。
【0012】本発明の第4の目的は、記録用磁気ヘッド
からの磁界を高保磁力の情報記録膜に効率よく印加する
ことができ、情報記録膜の微小領域を確実に磁化させる
ことできる情報記録媒体及び情報記録装置を提供するこ
とにある。
【0013】本発明の第5の目的は、記録用磁気ヘッド
からの磁束を情報記録膜に収束させて印加でき、情報記
録膜に微小な記録磁区を形成することができる情報記録
媒体及び情報記録装置を提供することにある。
【0014】本発明の第6の目的は、50Gbit/i
nchを越える超高密度記録に好適な情報記録媒体及
び情報記録装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様に従
えば、情報記録媒体において、基板上に、補助磁性層
と、基板面に垂直な方向に磁化容易軸を有する硬質磁性
膜と、該補助磁性層及び硬質磁性膜の間に位置する非磁
性膜とを備え、上記補助磁性層が、複数の軟磁性膜と当
該複数の軟磁性膜の間に形成された非磁性の中間膜とか
ら構成されていることを特徴とする情報記録媒体が提供
される。
【0016】本発明の情報記録媒体は、基板上に、補助
磁性層と、硬質磁性膜と、それらの間に存在する非磁性
膜とを備えた構造を有し、基板面に垂直な方向に磁化容
易軸を有する硬質磁性膜に情報を記録し得る。非磁性膜
は、硬質磁性膜と補助磁性層とを静磁的に結合させて、
硬質磁性膜と補助磁性層との間で働く磁気的相互作用
を、交換結合させた場合よりも弱くすることができる。
補助磁性層は、少なくとも2層の軟磁性膜と、一組の軟
磁性膜によって挟まれるように形成された非磁性の中間
膜とから構成される。例えば補助磁性層が2層の軟磁性
膜を有する場合は、図2(A)に示すように、第1軟磁
性膜と第2軟磁性膜との間に非磁性の中間膜が形成され
て構成される。また、軟磁性膜が3層以上の多層から構
成されている場合は、補助磁性層は、図2(B)に示す
ように、第1、第2、第3、・・・第n軟磁性膜のそれ
ぞれの間に非磁性の中間膜(第1、第2、・・・第n−
1中間膜)が形成されて構成される(ここでnは3以上
の整数とする)。
【0017】かかる構成の補助磁性層は、1.9T〜
2.0Tの大きな飽和磁束密度を有しており、軟磁性膜
単層のみで補助磁性層を構成した場合よりも1.7倍〜
1.8倍程度に飽和磁束密度を大きくすることができ
る。これにより、磁気ヘッドで発生した磁界を、補助磁
性層において、より一層良好に吸収することができるの
で、情報記録時に磁気ヘッドから発生する磁界を、磁気
ヘッドと補助磁性層との間に位置する硬質磁性膜に効率
良く印加させることができる。それゆえ、硬質磁性膜に
微小な磁区を容易に且つ確実に形成することができる。
【0018】また、複数の軟磁性膜と非磁性の中間膜と
からなる補助磁性層は、軟磁性膜単層で構成された場合
よりも膜厚方向の磁気的相互作用が低減されているの
で、補助磁性層に形成される磁壁は、情報記録時に硬質
磁性膜に磁区を形成する際に生じる磁壁の移動にスムー
ズに追従する。その結果、情報記録時に、補助磁性層
が、硬質磁性膜に形成される磁壁の移動の妨げとはなら
ず、硬質磁性層に形成される磁壁を所望の位置に確実に
位置付けることが可能となる。
【0019】また、かかる構造を有する補助磁性層は、
高周波帯域でも高い透磁率を安定して維持することがで
きる。すなわち、補助磁性層は、1MHz〜200MH
zの高周波帯域においても1000程度の高い透磁率を
有している。これにより、かかる高周波帯域の交流磁界
を用いても、安定に且つ確実に情報を記録することがで
きる。それゆえ超高密度記録に極めて好適である。
【0020】本発明において、補助磁性層を構成する複
数の軟磁性膜及びそれぞれの軟磁性膜間に形成される中
間膜は、非晶質膜や人工格子膜(交互積層多層膜)とし
て構成し得る。また、補助磁性層を構成する複数の軟磁
性膜は、互いに同一の磁気特性を有していても異なる磁
気特性を有していてもよい。すなわち、それぞれの軟磁
性膜を、同一の軟磁性材料を用いて構成しても異なる軟
磁性材料を用いて構成してもよい。
【0021】本発明において、補助磁性層の膜厚は、1
00nm〜500nmが好ましい。また、補助磁性層を
構成する複数の軟磁性膜の一層の膜厚は8nm〜100
nmが好ましく、50nm程度がより一層好ましい。ま
た軟磁性膜の間に形成される非磁性の中間膜の膜厚は
0.2nm〜5nmが好ましい。
【0022】本発明においては、高密度記録の観点か
ら、補助磁性層の飽和磁束密度は1.5T以上であるこ
とが最も好ましい。これにより、情報を記録する際に用
いられる記録用磁気ヘッドの磁極から発生する磁束を、
より一層効率的に硬質磁性膜に収束させて印加させるこ
とができる。また、補助磁性層の飽和磁束密度の値が
1.5T以上であると、記録用磁気ヘッドと補助磁性層
との間に高密度記録に好適な閉磁界ループを形成するこ
とができる。従来技術の欄に記載した特開平3−183
011号では、軟磁性膜の透磁率についてのみ検討され
ており、記録用磁気ヘッドと軟磁性膜の飽和磁束密度の
関係については記載も示唆もされていない。
【0023】本発明の情報記録媒体において、補助磁性
層と硬質磁性薄膜は、上述したように、それらの間に介
在する非磁性膜により互いに静磁気的に結合している。
かかる非磁性膜の膜厚は0.2nm以上、6nm以下が
好適である。非磁性膜の膜厚が0.2nm未満の場合は
非磁性膜の成膜の制御が困難であるため好ましくなく、
膜厚が6nmを越えると補助磁性層と硬質磁性膜との間
で静磁気的な相互作用が生じなくなるので好ましくな
い。
【0024】本発明において、補助磁性層と硬質磁性膜
とによって挟まれた非磁性膜は、非磁性を示す材料であ
れば任意の材料を用いて構成することができ、例えば、
Si、Cr、Nb、Mo、W、Ta、Ti、Zr、V、
Re、Rh、Pt、Pd、Ir、Ru及びCuの中から
選ばれる少なくとも1種類の元素、あるいは、Ta、C
r、Al、Si、Mg及びTiの中から選ばれる少なく
とも1種類の元素の酸化物あるいは窒化物を用いること
が最も好ましい。これらの材料は、硬質磁性膜や補助磁
性層などの磁性膜中に不純物として含まれる水や酸素が
磁性膜間で拡散するのを抑制できるので、これら磁性膜
の耐食性を向上させることができるとともに、磁性膜の
信頼性を向上させることができる。
【0025】本発明において、補助磁性層の保磁力は、
硬質磁性膜の保磁力の20%以下であることが最も好ま
しい。補助磁性層の保磁力を硬質磁性膜の保磁力の20
%程度にすることより、硬質磁性膜に形成される磁区の
エッジ位置の制御性が向上することがわかった。この効
果は、硬質磁性膜が、希土類元素と鉄族元素との非晶質
合金を用いて構成されている場合に有効である。ここ
で、一般には、保磁力が0.1Oe(約7.958A/
m)以下の磁性材料が軟磁性材料と呼ばれているが、本
発明の情報記録媒体の補助磁性層を構成する複数の軟磁
性膜には、硬質磁性膜の保磁力の20%以下の保磁力を
有する磁性材料も含むものとする。
【0026】本発明において、硬質磁性膜はフェリ磁性
体の薄膜であることが好ましい。フェリ磁性体は、例え
ば希土類元素と鉄族元素とから構成される非晶質合金に
することができ、希土類元素は、Gd、Tb、Dy及び
Hoの中から選ばれる少なくとも1種類の元素が好適で
あり、鉄族元素は、Fe、Co及びNiの中から選ばれ
る少なくとも1種類の元素が好適である。また、硬質磁
性膜は、鉄族元素と希土類元素とを交互に積層した交互
積層多層膜(人工格子膜)を用いて構成してもよい。本
発明において硬質磁性膜はX線回折を行なったときに結
晶構造に基づく回折ピークが観測されないような構造を
有することが好ましい。
【0027】また、硬質磁性膜は、白金属元素と鉄族元
素とから構成される人工格子膜(交互積層多層膜)にも
し得る。かかる人工格子膜において、白金族元素は、P
t、Pd及びRhの中から選ばれる少なくとも1種類の
元素が好適であり、鉄族元素がFe、Co及びNiの中
から選ばれる少なくとも1種類の元素が好適である。ま
た、硬質磁性膜は、Co−Crを主体とする磁性合金か
ら構成することもできる。この場合は、Co−Cr合金
に、Nb、Ta、Pt及びBの中から選ばれる少なくと
も1種類の元素を含ませた結晶質の合金として構成して
も良い。
【0028】本発明において、補助磁性層を構成する軟
磁性膜の磁性材料は、Co−Zrを主体とする合金が好
ましく、特に、これにTa、Nb及びTiの中から選ば
れる少なくとも1種類の元素を含んだ非晶質合金が好適
である。また、軟磁性膜は、鉄族元素と希土類元素から
構成されるフェリ磁性体から構成することもできる。か
かるフェリ磁性体としては、例えば、鉄族元素がFe及
びCoの少なくとも一方の元素であり、希土類元素が、
Gd、Er、Tm、Nd、Pr、Sm、Ce、La及び
Yの中から選ばれる少なくとも1種類の元素である非晶
質合金であることが最も好ましい。また、軟磁性膜は、
図3に示すような、Feからなる結晶粒子同士の粒界部
に、Ta、Nb及びZrの中から選ばれる少なくとも1
種類の元素の窒化物または炭化物を均一に分散させて析
出させたナノクリスタル構造を有する磁性膜であっても
よい。図3において、Fe結晶粒子の粒子径は8〜20
nmであり、窒化物または炭化物の粒子径は3〜7nm
程度である。
【0029】また、補助磁性層を構成する複数軟磁性膜
のそれぞれの間に形成される中間膜には、つぎの(1)
〜(3)のいずれか一つの材料を用いて構成することが
好ましい。 (1)Si、Cr、Nb、Mo、W、Ta、Ti、Z
r、V、Re、Rh、Pt、Pd、Ir、Ru、Cuの
少なくとも一種類の元素。 (2)Ta、Cr、Al、Si、Mg、Tiの少なくと
も一種の元素の酸化物または窒化物。 (3)酸化コバルト及び酸化マグネシウムの少なくとも
一方と酸化シリコン、酸化チタン、酸化タンタル、酸化
アルミニウム及び酸化ジルコニウムの少なくとも一種と
の化合物から構成される複酸化物。
【0030】これらの材料のいずれか一つを中間膜に用
いて補助磁性層を構成することにより、補助磁性層から
は高周波帯域においても十分大きな透磁率及び飽和磁束
密度が得られるので、高密度化に伴って記録周波数を高
めても確実に情報の記録を行なうことができる。
【0031】本発明において、硬質磁性膜を、結晶質材
料を用いて構成した場合には、補助磁性層も結晶質材料
を用いて構成することが好ましく、硬質磁性膜を、非晶
質材料を用いて構成した場合には、軟磁性膜も非晶質材
料を用いて構成することが好ましい。
【0032】本発明の第2の態様に従えば、情報記録装
置において、基板上に、補助磁性層と、硬質磁性膜と、
該補助磁性層及び硬質磁性膜の間に位置する非磁性膜と
を備える情報記録媒体と、情報を記録または再生するた
めの磁気ヘッドと、上記磁気ヘッドを上記情報記録媒体
に対して駆動するための駆動装置とを備え、上記補助磁
性層が、複数の軟磁性膜と当該複数の軟磁性膜の間に形
成された非磁性の中間膜とから構成されていることを特
徴とする情報記録装置が提供される。
【0033】本発明の情報記録装置は、搭載されている
情報記録媒体の補助磁性層を、非磁性の中間膜で互いに
隔離されて構成された複数の軟磁性膜を用いて形成して
いる。かかる補助磁性層は大きな飽和磁束密度を有する
とともに、高周波帯域においても高い透磁率を有してい
るので、記録用磁気ヘッドから発生する磁束を、情報を
記録するための硬質磁性膜の狭い領域に集中して印加す
ることができる。したがって、情報記録媒体の硬質磁性
膜に微小な記録磁区を確実に形成することが可能とな
り、高速且つ超高密度に情報を記録することができる。
【0034】本発明において、情報記録媒体の補助磁性
層の飽和磁束密度は、情報を記録する際に用いられる磁
気ヘッドの磁界発生部分(磁極)を構成する磁性材料の
飽和磁束密度以上であることが好ましい。すなわち、補
助磁性層及び記録用磁気ヘッドの磁極を構成する磁性材
料の飽和磁束密度をそれぞれBs(M)及びBs(H)
としたときに、Bs(H)≦Bs(M)の関係を満足す
るように、補助磁性層の磁性材料または記録用磁気ヘッ
ドの磁極材料を選択することが好ましい。これにより、
記録用磁気ヘッドからの磁界を、情報が記録される硬質
磁性膜に効率よく印加することが可能となり、硬質磁性
膜に微小な記録磁区を確実に形成することが可能とな
る。以下、その理由について説明する。
【0035】情報記録時に、かかる情報記録媒体に、記
録用磁気ヘッドを用いて磁界を印加すると、記録用磁気
ヘッドと補助磁性層との間で図4に示したような閉磁界
ループが形成される。すなわち、記録用磁気ヘッドの主
磁極から発生した磁束は、硬質磁性膜4を通過した後、
補助磁性層2に達し、この補助磁性層2内を通過して再
び硬質磁性膜4を通過した後、記録用磁気ヘッドの副磁
極に戻る。補助磁性層2の飽和磁束密度を、記録用磁気
ヘッドの磁極を構成する材料の飽和磁束密度と同じかそ
れより大きくすることにより、記録用磁気ヘッドの主磁
極から発生した磁束は、補助磁性層2に良好に且つ効率
良く吸収される。その結果、硬質磁性膜の狭い範囲に磁
束が集中して印加され、高保磁力の硬質磁性膜であって
も、磁束が印加された微小領域は確実に磁化される。し
たがって、硬質磁性膜に微小な記録磁区を高密度に形成
することが可能となる。
【0036】本発明の情報記録装置の磁気ヘッドは、例
えば、記録用磁気ヘッドと再生用磁気ヘッドとを一体に
して構成した磁気ヘッドにし得る。記録用磁気ヘッドに
は、例えば軟磁性膜を用いた薄膜磁気ヘッドや単磁極ヘ
ッドを用いることができる。再生用磁気ヘッドには、M
R素子(Magneto Resistive素子;磁気抵抗効果素子)
やGMR素子(Giant Magneto Resistive素子;巨大磁
気抵抗効果素子)、TMR素子(Tunneling Magneto Re
sistive素子;磁気トンネル型磁気抵抗効果素子)を用
いることができる。これらの再生素子を用いることによ
り情報記録媒体に記録された情報を高いS/Nで再生す
ることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従う情報記録媒体
及び情報記録装置について実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0038】〔ECRスパッタ装置の説明〕最初に、後
述する実施例の磁気記録媒体の保護膜の成膜に用いるE
CR(Electron Cyclotron Resonance)スパッタ装置に
ついて説明する。図5は、ECRスパッタ装置80を概
念的に示す。ECRスパッタ装置80は、プラズマが発
生する第1チャンバ81と、第1チャンバ81の上方に
連結された環状のターゲット70と、ターゲット70の
上方に連結された第2チャンバ83とを主に有する。第
1チャンバ81は、石英製の円筒管であり、軸方向の上
方及び下方に一対のコイル64、66がそれぞれ周回し
て設けられている。第1チャンバ81には、マイクロ波
発生器74が導入管を介して連結されており、導入管は
第1チャンバ81のコイル64と66との間に連結され
ている。第2チャンバ83は金属製の真空チャンバであ
り、その頂部には、ターゲット70から叩き出された粒
子を堆積させる基板68が設置されている。更に、第2
チャンバ83の上方には、印加されたバイアスにより引
き出されたプラズマを収束させる(発散を抑制させる)
ためのコイル62が設けられている。ターゲット70と
第2チャンバ83内に設置された基板68は、バイアス
電圧が印加できるように、電源90に接続されている。
【0039】第1チャンバ81内部、ターゲット70の
内側及び第2チャンバ内部は連通され、外部から閉塞さ
れている。装置動作時に不図示の真空ポンプにより、第
1チャンバ81内部、ターゲット70内側及び第2チャ
ンバ83内部の共有する空間を減圧するとともに、第1
チャンバ81内に不図示のガス供給口を介して気体(例
えばAr)を導入する。次いで、装置内部にコイル64
及び66を用いて一定の磁界を印加する。この磁界によ
って、装置内部に存在する自由電子は、磁界軸を右回り
にサイクロトロン運動する。この電子サイクロトロン運
動の角振動数は、例えば、電子密度が1010cm−3
程度である場合には、約10Hz程度であり、マイク
ロ波領域の角振動数となる。この磁場内にマイクロ波発
生器74から、発生したマイクロ波を導入すると、マイ
クロ波は電子のサイクロトロン運動と共鳴し、そのマイ
クロ波のエネルギーが電子に吸収される共鳴吸収が起こ
る。この共鳴吸収によって電子は高エネルギーを得て加
速され、気体に衝突してその気体の電離を引き起こし、
高エネルギーを有するECRプラズマ76を第1チャン
バ81内に発生させる。ここで、電子には共鳴吸収によ
り一定レベルのエネルギーが与えられるので、電子のエ
ネルギー状態もまた一定の高エネルギーレベルにある。
このような電子を気体に衝突させてプラズマを発生させ
るため、このプラズマを構成する粒子は高エネルギーで
あるとともに、放電などにより発生する通常のプラズマ
に比べて各粒子のエネルギーが揃い、エネルギー分布の
狭いプラズマが得られる。
【0040】プラズマの発生位置の上方にある環状のタ
ーゲット70と基板68の間には、バイアス電圧が印加
されているため、発生したプラズマはターゲット70に
向かって引き出され、ターゲット70に衝突してターゲ
ット粒子を叩き出す。この際に、バイアス電圧を変化さ
せることによって、ターゲット70に衝突するプラズマ
の運動エネルギー、ひいてはプラズマによって叩き出さ
れたターゲット粒子の運動エネルギーを精密に制御する
ことが可能となる。このようにしてエネルギーが制御さ
れたターゲット粒子は、図示したようにターゲット粒子
の流れ72として基板68に向かい、基板68上に均質
に且つ等しい膜厚で堆積される。
【0041】
【実施例1】この実施例では、本発明に従う情報記録媒
体として、図1の概略断面図に示すような断面構造を有
する磁気記録媒体を作製した。磁気記録媒体10は、基
板1上に補助磁性層2、非磁性膜3、硬質磁性膜4及び
保護膜5を順次積層した構造を有する。かかる構造の磁
気記録媒体において硬質磁性膜4には非晶質のTb−F
e−Co膜を用いた。また、補助磁性層2としてCo
80NbZr12膜とTi膜とを交互に積層した非晶
質の交互積層膜を用いた。ここでは、硬質磁性膜4と補
助磁性層2を非晶質材料を用いて構成したが、硬質磁性
膜4と補助磁性層2のいずれか一方が結晶質であっても
よい。
【0042】〔基板の準備〕まず、基板1として、直径
2.5インチ(約6.35cm)のガラス基板を用意し
た。ここで用いた基板は一例であり、いずれのサイズの
ディスク基板を用いてもよく、AlやAl合金などの金
属の基板を用いてもよい。用いる基板の材質やサイズに
本発明の効果は左右されない。また、ガラス、AlやA
l合金の基板上にメッキ法やスパッタ法によりNiP層
を形成した基板を用いても良い。
【0043】〔補助磁性層の成膜〕次いで、かかる基板
1上に、補助磁性層2として、Ti膜とCo−Nb−Z
r膜とを交互に積層した交互積層膜を形成した。かかる
交互積層膜は交互スパッタにより形成した。Co−Nb
−Zr膜の膜厚を15nm、Ti膜の膜厚を1nmと
し、補助磁性層2の全膜厚が220nmになるように成
膜した。ここで、補助磁性層2の膜厚は、磁気ヘッドの
形状や印加磁界の強度によって適宜選択される。交互ス
パッタのスパッタ法にはDCマグネトロンスパッタ法を
用いた。DCマグネトロンスパッタ法はプラズマの広が
りが小さく、相互の拡散を抑えることができるので、多
層膜を成膜する方法として好適である。スパッタの条件
は、投入RFパワーが1kW/5インチ、放電ガス圧力
が10mTorr(約1.33Pa)である。スパッタ
リングの際の基板の温度は室温とした。
【0044】こうして形成された補助磁性層2の結晶構
造をX線回折法により調べたところ、明確なピークは得
られず、非晶質であることがわかった。また、補助磁性
層2の磁気特性を調べたところ、保磁力が0.6Oe
(約47.748A/m)、飽和磁束密度が2.0T、
比透磁率が1000であった。補助磁性層を軟磁性膜単
層で構成した場合は飽和磁束密度が1.1Tであるが、
得られた飽和磁束密度が1.1Tよりも大きくなってい
るのは、補助磁性層2を多層化して構成しためである。
このように、非磁性の中間膜を介して軟磁性膜を多層に
して補助磁性層を構成することにより、軟磁性膜を単層
して構成した場合よりも飽和磁束密度を増大することが
できる。また、補助磁性層の基板面に平行な方向の交換
結合力を低減することができるので、情報記録膜に磁区
を形成する際の磁壁移動に影響を及ぼすことが低減され
る。
【0045】ここでは、交互スパッタにDCマグネトロ
ンスパッタ法を用いたが、電子サイクロトロン共鳴(E
CR)吸収を用いたスパッタ法(ECRスパッタ法)を
用いてもよい。多層膜の成膜で重要なのは、層の間で発
生する相互拡散を抑制することである。かかる点を考慮
するとECRスパッタ法は層間拡散を抑制する効果が大
きいので多層膜の成膜に有効な方法である。
【0046】〔非磁性膜の成膜〕つぎに、非磁性膜3と
して窒化シリコン膜をRFマグネトロンスパッタ法によ
り膜厚3nmで形成した。スパッタターゲットにはシリ
コンを、放電ガスにはAr−N混合ガス(Ar/N
分圧比:90/10)をそれぞれ使用した。スパッタ時
の放電ガス圧は10mTorr(約1.33Pa)、投
入RFパワーは1kW/5インチである。また、スパッ
タの際には、基板の加熱や冷却は行なわず、室温にてス
パッタした。
【0047】かかる非磁性膜3は、硬質磁性膜4に形成
される磁壁の移動を防止するピン止めの効果を有すると
ともに、硬質磁性膜4と補助磁性層2とを互いに静磁結
合させる効果を有する。かかる効果は、非磁性膜3を構
成する材料に依存するとともに、成膜条件にも大きく依
存する。この点を考慮すると、非磁性膜を構成する材料
は、窒化シリコンに限定されるものではなく、Ni−P
やAl、Al−Cr合金、Cr、Cr−Ti合金などの
金属を用いてもよく、AlNやZrO、BNなどの無
機化合物を用いてもよい。また、非磁性膜3の膜厚は、
磁気ヘッド、特に記録ヘッドの形状や性能に応じて調整
されることが望ましい。
【0048】また、ここでは、非磁性膜3に窒化シリコ
ンを用いたが、これに限定されるものではなく、例え
ば、Si、Cr、Nb、Mo、W、Ta、Ti、Zr、
V、Re、Rh、Pt、Pd、Ir、Ru及びCuの中
の少なくとも一種の元素や、Ta、Cr、Al、Si、
Mg及びTiの中の少なくとも一種の元素の酸化物また
は窒化物を用いても同様の効果を得ることができる。
【0049】〔硬質磁性膜の成膜〕つぎに、硬質磁性膜
4として、Tb−Fe−Co非晶質膜を、RFマグネト
ロンスパッタ法を用いて膜厚20nmで形成した。硬質
磁性膜4の組成は、Tb Fe75Co10で、遷移
金属の副格子磁化が優勢側である。スパッタリングで
は、Tb−Fe−Co合金をターゲットに、純Arを放
電ガスにそれぞれ使用した。
【0050】ここで硬質磁性膜4の磁気特性を調べたと
ころ、保磁力は3.5kOe(約278.53kA/
m)、飽和磁化は250emu/ml、垂直磁気異方性
エネルギーは6×10erg/cmであった。これ
らの値は、ガラス基板上に直接形成したTb−Fe−C
o膜から得られる磁気特性である。
【0051】〔保護膜の成膜〕最後に、保護膜5として
C膜を5nmの膜厚で上述のECRスパッタ法により形
成した。ターゲットにC(カーボン)を、放電ガスにA
rをそれぞれ用いた。スパッタ時の圧力は0.3mTo
rr(約39.9mPa)、投入マイクロ波電力は0.
7kWである。また、マイクロ波により励起されたプラ
ズマを引き込むために500WのRFバイアス電圧を印
加した。作製した保護膜5の硬度をハイジトロン社製の
硬度測定器により測定したところ21GPaであった。
また、ラマン分光の結果よりsp3結合が中心となって
いることがわかった。
【0052】保護膜5の成膜では、スパッタガスにAr
を使用したが、窒素を含むガスを用いて成膜してもよ
い。窒素を含むガスを用いると、粒子が微細化するとと
もに、得られるC膜が緻密化し、保護性能を更に向上さ
せることができる。このように、保護膜の膜質はスパッ
タ条件や電極構造に大きく依存しているので、上述の条
件は絶対的なものではなく、使用する装置に応じて適宜
調整することが望ましい。
【0053】また、保護膜5の作製にECRスパッタ法
を用いたのは、膜厚が2〜3nmと極めて薄くても、緻
密で且つピンホールフリーで、しかも、カバレージの良
いC膜が得られるからである。これは、RFスパッタ法
やDCスパッタ法に比べて顕著な違いである。これに加
えて、保護膜を成膜する場合に保護膜の下地になってい
る硬質磁性膜4が受けるダメージを著しく小さくできる
という特徴もある。高密度化の進行とともに硬質記録膜
4の薄膜化が進むので、成膜時に受けるダメージによる
磁気特性の低下は致命的になるが、ECRスパッタ法を
用いることによりこれを防止することができる。
【0054】ECRスパッタ法のほかに、保護膜の成膜
にDCスパッタ法を用いても良い。しかし、この手法で
は形成する保護膜の膜厚が5nm以上の場合には用いる
ことができるが、これより薄い場合は不向きな場合があ
る。これは、1)磁性膜表面のカバレージが悪い、2)
膜の密度や硬度が十分ではない、などの理由による。
【0055】〔磁気特性の測定〕こうして得られた磁気
記録媒体10について磁気特性を測定した。VSM(Vi
bration Sample Magnetometer)による測定からM−H
ループを得た。その結果から、角型比S及びSは1.
0であり、良好な角型性が得られた。また、保磁力:H
cは3.9kOe(約310.362kA/m)、飽和
磁化:Msは250emu/cmであった。また、垂
直磁気異方性エネルギーが6×10erg/cm
あった。このように、図1に示す構成で磁気記録媒体を
作製すると、磁気記録媒体から得られる保磁力が増大し
た。これは、硬質磁性膜を形成する表面の形状や軟磁性
膜との磁気的相互作用を反映した結果であると考えられ
る。この磁気記録媒体の硬質磁性膜4の活性化体積を測
定し、磁性膜の熱的安定性の指標であるKuV/kTの
値を求めたところ350であった。ここで、Ku:磁気
異方性エネルギー、V:活性化体積、k:ボルツマン定
数、T:温度である。この値が大きいほど磁性膜は熱的
に安定である。従来のCo系材料の場合は、60〜70
程度であることから、硬質磁性膜4は熱的安定性に優れ
ていることがわかる。
【0056】〔磁気記録装置〕つぎに、磁気記録媒体の
表面上に潤滑剤を塗布することによって磁気ディスクを
完成させた。そして同様のプロセスにより複数の磁気デ
ィスクを作製し、磁気記録装置に同軸上に組み込んだ。
磁気記録装置の概略構成を図6及び図7に示す。
【0057】図6は磁気記録装置100の上面の図であ
り、図7は、磁気記録装置100の図6における破線A
−A’方向の断面図である。記録用磁気ヘッドとして、
1.5Tの飽和磁束密度を有するFe75Ni25合金
の軟磁性膜を用いた単磁極ヘッドを用いた。また、記録
信号は、巨大磁気抵抗効果を有するデュアルスピンバル
ブ型GMR磁気ヘッドにより再生した。磁気ヘッドのギ
ャップ長は0.12μmであった。記録用磁気ヘッド及
び再生用磁気ヘッドは一体化されており、図6及び図7
では磁気ヘッド53として示した。この一体型磁気ヘッ
ドは磁気ヘッド用駆動系54により制御される。
【0058】複数の磁気ディスク51はスピンドル52
により同軸回転される。ここで、磁気ヘッド面と磁性膜
との距離は12nmに保った。ここで、記録用磁気ヘッ
ドの磁性材料の飽和磁束密度は1.5Tであり、磁気記
録媒体の補助磁性層の飽和磁束密度が2.0Tであるの
で、補助磁性層は記録用磁気ヘッドから発生した磁界を
十分に引き込んで硬質磁性層の所望領域を確実に磁化さ
せることができる。
【0059】この磁気ディスク51に50Gbits/
inch(約7.75Gbits/cm)に相当す
る信号(800kFCI)を記録して磁気ディスクのS
/Nを評価したところ、34dBの再生出力が得られ
た。補助磁性層を設けない磁気ディスクよりも2dB以
上ノイズを低減する効果が得られた。
【0060】次いで、磁気ディスクに一定のパターンを
記録し、タイムインターバルアナライザにより硬質磁性
膜に形成された磁区のエッジの揺らぎを測定した。測定
の結果、補助磁性層を備えない磁気ディスクよりもエッ
ジの揺らぎを1/10以下に低減できた。また、磁気デ
ィスクの欠陥レートを測定したところ、信号処理を行な
わない場合の値で1×10−5以下であった。ここで、
磁気力顕微鏡(MFM)により、記録した部分の磁化状
態を観察したところ、磁化遷移領域に特有なジグザグパ
ターンが観測されなかった。そのために、ノイズレベル
を低減できたと考えられる。更に、サブミクロン以下の
微小磁区の形成も容易に行なうことができた。
【0061】本実施例では基板上に直接補助磁性層を形
成したが、基板と補助磁性層との間に、補助磁性層の保
護や基板と補助磁性層との接着性の向上を目的として、
例えば、窒化シリコンまたは酸化シリコンなどの無機化
合物薄膜や、CrまたはTiなどの非磁性の金属薄膜を
10nm程度の膜厚で形成してもよい。
【0062】また、本実施例では、補助磁性層として軟
磁性膜と中間膜とからなる交互積層多層膜を用い、中間
膜としてTi膜を用いたが、Ti膜のような非磁性金属
膜の代わりに、例えばSiのような無機化合物薄
膜や、Ni−Feのような柱状結晶で軟磁性膜と異なる
組織を有し且つ結晶磁気異方性を設けることが可能な材
料からなる薄膜を用いてもよい。このような中間膜を用
いて補助磁性層を構成しても、補助磁性層の飽和磁束密
度を向上させることができる。更に、軟磁性膜中にSi
のような無機化合物を分散させると、補助磁性層
を軟磁性膜と中間膜と多層膜で構成することによって得
られる効果に加えて、補助磁性層を構成する複数の軟磁
性膜同士の交換結合力を低減することができるので、高
密度記録により好適である。
【0063】また、本実施例では、補助磁性層を構成す
る軟磁性膜として、Co−Ta−Zr系非晶質合金を用
いたが、TaをNbやTiに変更しても同様の特性が得
られた。また、Co−Zr系の非晶質合金以外に、非晶
質の鉄族元素と希土類元素とのフェリ磁性体を用いても
同様の効果が得られた。この場合は、鉄族元素としてF
e及びCoの少なくとも一方の元素を用いることがで
き、希土類元素としてGd、Er、Tm、Nd、Pr、
Sm、Ce、La及びYの中から選ばれる少なくとも1
種類の元素を用いることができる。かかる材料を軟磁性
膜として用いた場合、飽和磁束密度が大きくなるような
組成を選択することができるので有効である。
【0064】また、軟磁性膜として、6nm〜20nm
程度のFe結晶粒子の周囲(結晶粒界)に、TaC、T
aN、Hf−Nなどの2nm〜5nm程度の微粒子を分
散させたナノクリスタル構造の軟磁性膜、例えば、Fe
−Ta−C系、Fe−Hf−N系、Fe−Ta−N系な
どの軟磁性膜を用いてもよい。これらの中で特にC(カ
ーボン)系の軟磁性材料を用いて軟磁性膜を構成し、か
かる軟磁性膜と中間膜とを用いて補助磁性膜を構成する
場合、中間膜を構成する材料には、Cとの反応性の低い
材料を用いることが望ましい。
【0065】また、本実施例では、硬質磁性膜にTb−
Fe−Co非晶質合金を用いたが、Tb以外にDy、H
o、Gdのいずれの元素を用いても良く、この場合、垂
直磁気異方性は、Tb>Dy>Ho>Gdの順で小さく
なった。また、硬質磁性膜を構成する希土類金属とし
て、例えば、Tb−Dy、Tb−Ho、Tb−Gd、D
y−Ho、Dy−Gd、Tb−Dy−Ho、Tb−Dy
−Gd、Dy−Gd−Hoなどの複数の希土類元素を含
む合金系を用いても良い。
【0066】また、遷移金属としてFe−Co合金を用
いたが、Fe−Ni、Co−Niなどの合金を用いても
良い。これらの合金は、Fe−Co>Fe−Ni>Co
−Niの順で異方性エネルギーは減少する。
【0067】また、硬質磁性膜を構成する希土類−遷移
金属材料中の希土類元素の濃度は、20at%以上30
at%以下であることが好ましい。希土類元素をかかる
濃度範囲にすることにより、希土類−遷移金属材料は、
基板面に垂直な方向に磁気異方性を有する垂直磁化膜に
することができる。
【0068】
【実施例2】この実施例では、硬質磁性膜として、Tb
−Fe−Co系の非晶質合金膜の代わりにTb/Fe/
Co人工格子膜を用いた以外は、実施例1で作製した磁
気記録媒体(図1参照)と同様の積層構造を有する磁気
記録媒体を作製した。情報記録膜以外の成膜方法は実施
例1と同様であるので説明を省略し、硬質磁性膜(Tb
/Fe/Co人工格子膜)の成膜方法について以下に説
明する。
【0069】〔硬質磁性膜の成膜方法〕硬質磁性膜であ
るTb/Fe/Co人工格子膜の成膜では、Tb、Fe
及びCoの3源からなる多源同時スパッタ法を用いた。
各層の膜厚は、Fe(1nm)/Co(0.1nm)/
Tb(0.2nm)である。各層の膜厚は、基板の公転
速度とスパッタ時の投入電力を適当に組み合わせること
により所望の値に精密に制御できる。ここでは、投入D
C電力をTbが0.3kW、Coが0.15kW、そし
て、Feが0.7kWに設定した。基板の回転数は30
rpmである。また、スパッタ時の放電ガス圧力は3m
Torr、放電ガスには高純度のArガスを用いた。こ
うしてFe(1nm)/Co(0.1nm)/Tb
(0.2nm)から構成される積層体を周期的に積層し
て全体で約20nmになるように人工格子膜を形成し
た。
【0070】上記Tb/Fe/Co人工格子膜を作製す
る場合に重要なことは初期排気時の真空度で、ここで
は、4×10−9Torrまで排気した後に作製した。
かかる値は絶対的なものではなくスパッタの方式などに
より変化するものである。また、ここではDCマグネト
ロンスパッタ法により作製したが、RFマグネトロンス
パッタ法やエレクトロンサイクロトロンレゾナンスを利
用したスパッタ法(ECRスパッタ法)を用いて行って
もよい。
【0071】このような人工格子膜を用いると、Tb−
Fe−Co系の非晶質合金膜を用いた場合と比べて、垂
直磁気異方性エネルギーを増大することができるととも
に、熱的安定性を向上させることができる。この人工格
子膜は、FeやCoなどの遷移金属とTbなどの希土類
元素とから構成されるフェリ磁性体と実質的に同じ磁気
特性を示し、かかる人工格子膜の磁性は、遷移金属薄膜
層の磁化と希土類元素薄膜層の磁化の差となって現れ
る。本実施例で作製した人工格子膜は、遷移金属の磁化
が優勢な人工格子膜である。
【0072】また、この実施例では、Tb/Fe/Co
人工格子膜を4nmの膜厚で形成した後、Nbからなる
膜を0.3nmの膜厚で形成した。そして、Tb/Fe
/Co人工格子膜とNb膜を繰り返し成膜して、Tb/
Fe/Co人工格子膜の膜厚が約20nmになるまで成
膜した。Nb膜はTb/Fe/Co人工格子膜の表面全
体を覆っている必要はなくアイランド状に形成されてい
てもよい。
【0073】つぎに、かかる人工格子膜を硬質磁性膜と
して備える磁気記録媒体の磁気特性を測定した。VSM
(Vibrating Sample Magnetometer)による測定からM
−Hループを得た。その結果から、角型比S及びS
ともに1.0であり、良好な角型性が得られたことがわ
かった。また、保磁力Hcは3.9kOe(約310.
362kA/m)であった。また、人工格子膜の磁気異
方性エネルギーは、基板面に垂直な方向の垂直磁気異方
性エネルギーが1×10erg/cmであった。更
に、磁気記録媒体の活性化体積Vを測定し、人工格子膜
の熱的安定性の指標となる値KuV/kTを求めたとこ
ろ400であった。このことは、この人工格子膜が、熱
揺らぎや熱減磁が小さく、熱的安定性に優れた材料であ
ることを示している。
【0074】また、情報記録膜の断面構造を高分解能透
過型電子顕微鏡(高分解能TEM)により観察したとこ
ろ、Fe(1nm)/Co(0.1nm)/Tb(0.
2nm)からなるからなる積層体が所望の膜厚で周期的
に積層された人工格子膜となっていることがわかった。
【0075】つぎに、磁気記録媒体の表面上に潤滑剤を
塗布することによって磁気ディスクを完成させた。そし
て同様のプロセスにより複数の磁気ディスクを作製し、
それら磁気ディスクを、実施例1と同様に、図6及び7
に示す磁気記録装置に同軸上に組み込んだ。かかる磁気
記録装置を用いて情報の記録及び再生を行った。記録及
び再生時には磁気ヘッド面と磁性膜との距離を12nm
に保った。磁気ディスクに40Gbits/inch
に相当する信号(700kFCI)を記録してディスク
のS/Nを評価したところ、36dBの再生出力が得ら
れた。また、このディスクの欠陥レートを測定したとこ
ろ、信号処理を行なわない場合の値で、1×10−5
下であった。
【0076】本実施例では、硬質磁性膜としてTb/F
e/Co系の人工格子膜を用いた場合を示したが、Tb
以外にGd、Dy及びHoのいずれか1種類の元素を用
いても、または、Gd−Tb、Gd−Dy、Gd−H
o、Tb−Dy及びTb−Hoなどの合金を用いても同
様の効果が得られる。また、遷移金属としてFe/Co
の2層膜を用いて人工格子膜を構成したが、Fe−C
o、Fe−Ni、Co−Niなどの合金とTbなどの希
土類元素との交互積層多層膜を用いても、同様の特性を
有する磁性膜を得ることができる。
【0077】更に、このフェリ磁性体の薄膜が、白金属
元素と鉄族元素とから構成される人工格子膜(交互積層
多層膜)であってもよい。具体的には、白金族元素がP
t、Pd、Rhのうちより選ばれる少なくとも1種類の
元素であり、鉄族元素がFe、Co、Niのうちより選
ばれる少なくとも1種類の元素を用いても良い。
【0078】
【実施例3】本実施例では、図8に示すように、基板1
上に下地膜6、補助磁性層2、非磁性膜3、硬質磁性膜
4及び保護膜5を積層した構造を有する磁気記録媒体2
0を作製した。硬質磁性膜4としてCo−Cr系結晶質
磁性膜を、補助磁性層2としてFe系ナノクリスタル膜
とSiOを交互に積層した多層膜を用いた。この実施
例では、補助磁性層を構成する複数の軟磁性膜として結
晶質のFe系軟磁性膜を用いたので、硬質磁性膜も結晶
質の磁性材料を用いて構成した。これは、補助磁性層を
構成している軟磁性膜の結晶粒子が硬質磁性膜を形成す
る際の核として作用するので、補助磁性層と硬質磁性膜
をともに結晶質の材料を用いて構成することが有効だか
らである。
【0079】また、かかる補助磁性層上に結晶質材料の
硬質磁性膜ではなく、非晶質材料の硬質磁性膜を形成す
ることも可能である。この場合は、結晶質のFe系軟磁
性膜を有する補助磁性層上に、Tb−Fe−Co系の硬
質磁性膜を形成したときに、Tb−Fe−Co中のFe
がFe系軟磁性膜の結晶粒子を核として成長し、これが
磁気的な揺らぎとなって磁壁移動の際のピンニングサイ
トとして機能する。
【0080】以下、磁気記録媒体の製造方法について図
8を参照しながら説明する。
【0081】〔下地膜の成膜〕直径2.5インチ(約
6.35cm)のガラス基板1上に下地膜6としてNi
8020をRFマグネトロンスパッタ法により10n
mの膜厚で形成した。ターゲット材料にはNi−Pを用
い、放電ガスにはArを用いた。スパッタの条件は、投
入RFパワーが1kW/5インチ、放電ガス圧力が5m
Torr(約665Pa)である。スパッタリングは室
温で行った。
【0082】かかる下地膜6は、下地膜6上に形成され
る膜(補助磁性膜)と基板との接着力を向上させる働き
を有するとともに、成膜時に基板を加熱したときに基板
内に含まれるアルカリ成分やアルカリ土類の成分が拡散
して媒体を構成している各膜、特に磁性膜をアタックす
ることを抑制することができるので、信頼性を高めるこ
とができるという効果を有している。
【0083】〔補助磁性層の成膜〕つぎに、補助磁性層
2としてFe−Ta−C膜(軟磁性膜)とTa膜(非磁
性膜)とからなる交互積層膜をRFスパッタ法により作
製した。Fe−Ta−C膜の成膜ではターゲット材料に
Fe79Ta12合金を、Ta膜の成膜ではターゲ
ット材料にTaをそれぞれ用い、放電ガスにはArガス
を用いた。スパッタの際の投入RFパワーは、Fe−T
a−C膜の場合が1kW/5インチ、Ta膜の場合が
0.2kW/5インチであり、放電ガス圧力が5mTo
rrである。スパッタリングは室温で行った。各膜の膜
厚は、Fe−Ta−C膜が10nm、Ta膜が1nmで
ある。かかる膜厚のFe−Ta−C膜とTa膜を交互に
成膜することによって、交互積層膜(補助磁性層)の全
膜厚が約250nmになるまで成膜した。Fe−Ta−
C膜とTa膜の膜厚比及び補助磁性層の膜厚は、情報記
録時の記録周波数や記録用磁気ヘッドの形状、記録用磁
気ヘッドに用いられている磁性材料の飽和磁束密度に依
存するので、それらに応じて調整することが好ましい。
【0084】Fe−Ta−C膜は、成膜直後は非晶質
で、且つ、非磁性に近い薄膜である。このFe−Ta−
C膜を300〜500度の温度で熱処理することによ
り、10〜20nmの粒子径サイズのFe結晶相と、3
〜5nmサイズのTaC相に相分離し、それらが結晶成
長して磁性が発現する。得られたFe−Ta−C膜は、
図3に示すように、Fe粒子の粒界に炭化物としてのT
aCが存在しているナノクリスタル構造の磁性膜であ
る。
【0085】ここで、得られた補助磁性層2を310℃
で熱処理した後、磁気特性を測定した。その結果、保磁
力が0.6Oe(約47.748A/m)、飽和磁束密
度が1.9T、比透磁率が100MHzでの値で100
0であった。比透磁率は1MHz〜200MHzまでほ
ぼ一定の値であった。ここに、磁気記録媒体の磁性膜を
成膜する際に310℃の温度下で行なうことから、磁性
膜成膜時の加熱を、上述のナノクリスタル構造のFe−
Ta−C膜を得るために行なう熱処理と兼ねてもよい。
【0086】〔非磁性膜の成膜〕つぎに、非磁性膜3と
して、SiTi膜を3nm膜厚でRFマグネトロ
ンスパッタ法により形成した。スパッタリングでは、タ
ーゲット材料にSiを、放電ガスにAr−N混合ガス
(Ar/N分圧比:90/10)を用いた。スパッタ
の条件は、投入RFパワーが1kW/150mmφ、放
電ガス圧力が10mTorr(約1.33Pa)であ
る。また、スパッタの際には、基板の加熱や冷却は行な
わず、室温にてスパッタした。
【0087】ここでは、非磁性膜であるSi膜の
成膜に反応性スパッタ法を用いたが、成膜方法に応じて
得られる効果が変化するものではなく、通常の窒化シリ
コンをスパッタターゲットに用いてスパッタを行なって
も同様のSi膜が得られる。
【0088】〔硬質磁性膜の成膜〕次いで、非磁性膜3
上にCo−Cr−Pt−Ta系の硬質磁性膜4を成膜し
た。成膜の際には基板温度を400℃に上げて、Co−
Cr−Pt−Ta系硬質磁性膜をDCスパッタ法により
15nm膜厚で形成した。ターゲット材料には、Co
58Cr23Pt16Taを用い、放電ガスには純A
rをそれぞれ使用した。スパッタ時の放電ガス圧は3m
Torr(約399mPa)であり、投入DC電力は1
kW/150mmφである。
【0089】かかる硬質磁性膜の成膜にはECRスパッ
タ法を用いても良い。ECRスパッタ法を用いることに
より、硬質磁性膜の結晶粒子サイズ及びその分布を高精
度に制御することが可能となる。
【0090】最後に、保護膜5として、C(カーボン)
膜をECRスパッタ法により3nmの膜厚に形成した。
スパッタターゲットには、リング状のカーボンターゲッ
トを用いた。また、放電ガスにはArを用い、スパッタ
時の圧力は3mTorr(約399mPa)、投入マイ
クロ波電力は1kW(周波数は2.93GHz)、基板
温度は室温である。マイクロ波により励起されたプラズ
マを引き込むために、500WのRFバイアスをターゲ
ットに印加した。ここで、カーボンは導電体であるの
で、RFバイアスの代わりにDC電圧を印加して引き込
んでも同様の効果が得られる。
【0091】つぎに、上述のようにして作製された磁気
記録媒体の磁気特性を測定した。VSM測定からM−H
ループを求めたところ、角型比S及びSは1.0であ
り、良好な角型性が得られた。また、保磁力:Hcは
3.5kOe(約278.53kA/m)、飽和磁化:
Msは300emu/cmであった。また、垂直磁気
異方性エネルギーが6×10erg/cmであっ
た。この磁気記録媒体の活性化体積を測定したところ、
Ku・v/kT=150であった。
【0092】つぎに、このような磁気特性を有する磁気
記録媒体の表面に潤滑剤を塗布して磁気ディスクを完成
させた。そして同様のプロセスにより複数の磁気ディス
クを作製し、実施例1と同様に、図6及び7に示す磁気
記録装置に同軸上に組み込んだ。かかる磁気記録装置を
用いて情報の記録及び再生を行なって、磁気ディスクの
記録再生特性を評価した。記録及び再生時には磁気ヘッ
ド面と硬質磁性膜との距離を12nmに保った。ここで
は、記録用磁気ヘッドの飽和磁束密度Bs(H)が1.
5T、磁気記録媒体の軟磁性膜の飽和磁束密度Bs
(M)が1.9Tであり、Bs(H)<Bs(M)の関
係を満足しているために、磁気ヘッドからの磁束は軟磁
性膜に十分に引き込まれ、硬質磁性膜の微小領域を確実
に磁化することができる。
【0093】この磁気ディスクに50Gbits/in
ch(約7.75Gbits/cm)に相当する信
号を記録して磁気ディスクのS/Nを評価したところ、
33dBの再生出力が得られた。このように、上述した
ような補助磁性層を備える本発明の媒体は、補助磁性層
を設けない従来の媒体よりも2dB以上ノイズを低減す
る効果が得られた。
【0094】次いで、磁気ディスクに一定のパターンの
記録マークを記録し、タイムインターバルアナライザに
より磁区のエッジの揺らぎを測定した。その結果、軟磁
性膜を設けない磁気ディスクの場合よりも、エッジの揺
らぎを1/10以下に低減できた。また、この磁気ディ
スクの欠陥レートを測定したところ、信号処理を行なわ
ない場合の値で、1×10−5以下であった。
【0095】以上、本発明の情報記録媒体及び情報記録
装置について具体的に説明したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、種々の変形例及び改良例も含み得
る。
【0096】例えば、上記実施例1〜3でそれぞれ作製
した磁気記録媒体において、S/Nの向上を図ることを
目的として、Pt−Co合金膜を硬質磁性膜上に形成し
ても良い。Pt−Co合金膜の成膜には、例えば、P
t、Coの2源のターゲットからなる2源同時スパッタ
法を用いることができる。また、2源同時スパッタ法以
外に、RFマグネトロンスパッタ法やDCマグネトロン
スパッタ法、共鳴吸収法を用いたECRスパッタ法を用
いてもよく、成膜方法に特性が依存するものではない。
【0097】また、上記実施例1では、補助磁性層を構
成する軟磁性膜を、Co−Nb−Zr系の合金からなる
非晶質膜として構成したが、Co層とNb層とZr層と
からなる人工格子膜(Co/Nb/Zr)として構成す
ることも可能である。
【0098】また、上記実施例3では、補助磁性膜と硬
質磁性膜との間に形成される非磁性膜としてSi
膜を用いたが、MgO膜を用いてもよい。MgO膜は、
その上に形成される硬質磁性膜の結晶配向性を制御する
ことができる。かかるMgO膜は、電子サイクロトロン
共鳴(ECRスパッタ法)を用いて成膜することが特に
好ましい。これは、結集粒子サイズ、配向性及び化学量
論性等の制御に最も優れているためである。ECRスパ
ッタ法を用いてMgO膜を成膜する場合の成膜条件を一
例として示すと、スパッタ時の圧力が0.6mTorr
(約79.8mPa)、投入マイクロ波電力が0.7k
wである。また、マイクロ波により励起されたプラズマ
を引き込むために500WのRFバイアスを印加するこ
とができる。
【0099】
【発明の効果】本発明の情報記録媒体は、情報が記録さ
れる硬質磁性膜と補助磁性層の2層の磁性層を非磁性膜
を介して備えており、補助磁性層が、例えば、軟磁性膜
と非磁性の中間膜とを交互に積層した交互積層多層膜を
用いて構成されているので、軟磁性膜の膜厚方向の磁気
的結合力が低減されている。これにより、補助磁性膜
は、硬質磁性膜に形成される磁壁の移動に高速且つスム
ーズに追従するので、情報記録時に硬質磁性膜に形成さ
れる磁区を硬質磁性膜内で高精度に位置付けることがで
きる。すなわち、本発明の情報記録媒体には、高速且つ
高密度に情報を記録することができる。
【0100】また、かかる補助磁性層は、軟磁性膜単層
で構成した場合よりも高い飽和磁束密度が得られるの
で、記録用の磁気ヘッドから発生する磁界が硬質磁性膜
に効率よく印加され、硬質磁性膜に微小記録磁区を高精
度に且つ確実に形成することができる。
【0101】特に、補助磁性層の飽和磁束密度を、情報
記録時に用いられる磁気ヘッドの磁極を構成する磁性材
料の飽和磁束密度以上にすることにより、記録用磁気ヘ
ッドの磁極から発生する磁束を硬質磁性膜により一層有
効に印加することができる。それゆえ、硬質磁性膜を高
保磁力の磁性材料を用いて構成しても、硬質磁性膜に微
小な記録磁区を確実に形成することができる。また、記
録磁区は高精度に位置決めされているとともにエッジの
揺らぎが低減されているので、微小磁区であっても確実
に再生することができる。
【0102】本発明の情報記録装置は、情報記録媒体の
硬質磁性膜に微小磁区を確実に且つ高精度に形成するこ
とが可能であり、50Gbits/inch(約7.
75Gbits/cm)を越える超高密度記録を実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う情報記録媒体の断面構造を模式的
に示す図である。
【図2】補助磁性膜の断面構造を模式的に示す図であ
り、(A)は軟磁性膜が2層の場合であり、(B)は軟
磁性膜が多層の場合である。
【図3】ナノクリスタル構造を有する磁性膜を模式的に
示した図であり、Feの結晶粒子の粒界部に炭化物(例
えばTaC)または窒化物が分散して析出している様子
を示している。
【図4】記録用磁気ヘッド(単磁極ヘッド)と硬質磁性
膜と補助磁性膜との間に形成される閉磁界ループの様子
を模式的に示す図である。
【図5】実施例において保護膜の成膜に用いたECRス
パッタ装置の構造を概念的に説明する図である。
【図6】本発明に従う磁気記録装置の概略構成図であ
る。
【図7】図6の磁気記録装置のA−A’方向における断
面図である。
【図8】実施例3で作製した磁気記録媒体の概略断面図
である。
【符号の説明】
1 基板 2 補助磁性層 3 非磁性膜 4 硬質磁性膜 5 保護膜 6 下地膜 10、20 磁気記録媒体 51 磁気ディスク 52 スピンドル 53 磁気ヘッド 54 磁気ヘッドの駆動系 100 磁気記録装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若林 康一郎 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 松沼 悟 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 5D006 BB01 BB07 BB08 CA01 CA03 CA05 CA06 FA09

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報記録媒体において、 基板上に、 補助磁性層と、 基板面に垂直な方向に磁化容易軸を有する硬質磁性膜
    と、 該補助磁性層及び硬質磁性膜の間に位置する非磁性膜と
    を備え、 上記補助磁性層が、複数の軟磁性膜と当該複数の軟磁性
    膜の間に形成された非磁性の中間膜とから構成されてい
    ることを特徴とする情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記軟磁性膜は、Co−Zrを主体とす
    る合金、または当該合金にTa、Nb及びTiからなる
    群から選ばれた少なくとも1種類の元素が含まれた合金
    から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記軟磁性膜が、鉄族元素と希土類元素
    とから構成される非晶質のフェリ磁性体であることを特
    徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記鉄族元素が、Fe及びCoの少なく
    とも一方の元素であり、上記希土類元素が、Gd、E
    r、Tm、Nd、Pr、Sm、Ce、La及びYからな
    る群から選ばれた少なくとも1種類の元素であることを
    特徴とする請求項3に記載の情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記軟磁性膜は、Ta、Nb及びZrか
    らなる群から選ばれた少なくとも1種類の元素の窒化物
    または炭化物がFe結晶粒子の粒界に分散されたナノク
    リスタル構造を有することを特徴とする請求項1に記載
    の情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 上記中間膜は、Si、Cr、Nb、M
    o、W、Ta、Ti、Zr、V、Re、Rh、Pt、P
    d、Ir、Ru及びCuからなる群から選ばれた少なく
    とも一種の元素を用いて構成されることを特徴とする請
    求項1〜5のいずれか一項に記載の情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 上記中間膜は、Ta、Cr、Al、S
    i、Mg及びTiからなる群から選ばれた少なくとも一
    種類の元素の酸化物または窒化物を用いて構成されるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の情
    報記録媒体。
  8. 【請求項8】 上記中間膜は、酸化コバルト及び酸化マ
    グネシウムの少なくとも一方と、酸化シリコン、酸化チ
    タン、酸化タンタル、酸化アルミニウム及び酸化ジルコ
    ニウムからなる群から選ばれた少なくとも一種との化合
    物から形成されることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れか一項に記載の情報記録媒体。
  9. 【請求項9】 上記補助磁性層の飽和磁束密度が1.5
    T以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか
    一項に記載の情報記録媒体。
  10. 【請求項10】 上記補助磁性層の保磁力が硬質磁性膜
    の保磁力の20%以下であることを特徴とする請求項1
    〜9のいずれか一項に記載の情報記録媒体。
  11. 【請求項11】 上記硬質磁性膜は、希土類元素と鉄族
    元素とを用いて構成されたフェリ磁性体であり、該希土
    類元素は、Gd、Tb、Dy及びHoからなる群から選
    ばれた少なくとも1種類の元素であり、該鉄族元素は、
    Fe、Co及びNiからなる群から選ばれた少なくとも
    1種類の元素であることを特徴とする請求項1〜10の
    いずれか一項に記載の情報記録媒体。
  12. 【請求項12】 上記硬質磁性膜が、白金属元素からな
    る層と鉄族元素からなる層とを交互に積層して構成され
    る人工格子膜であり、該白金族元素は、Pt、Pd及び
    Rhからなる群から選ばれた少なくとも1種類の元素で
    あり、該鉄族元素は、Fe、Co及びNiからなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種類の元素であることを特徴と
    する請求項1〜10のいずれか一項に記載の情報記録媒
    体。
  13. 【請求項13】 上記硬質磁性膜がCo−Crを主体と
    する磁性合金、または、当該磁性合金にNb、Ta、P
    t及びBからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元
    素を含んだ合金から構成されていることを特徴とする請
    求項1〜10のいずれか一項に記載の情報記録媒体。
  14. 【請求項14】 上記非磁性膜の膜厚が0.2nm以
    上、6nm以下であることを特徴とする請求項1〜13
    のいずれか一項に記載の情報記録媒体。
  15. 【請求項15】 上記非磁性膜は、Si、Cr、Nb、
    Mo、W、Ta、Ti、Zr、V、Re、Rh、Pt、
    Pd、Ir、Ru及びCuからなる群から選ばれた少な
    くとも1種類の元素、若しくは、Ta、Cr、Al、S
    i、Mg及びTiからなる群から選ばれた少なくとも1
    種類の元素の酸化物または窒化物を用いて構成されてい
    ることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記
    載の情報記録媒体。
  16. 【請求項16】 上記軟磁性膜及び硬質磁性膜が、とも
    に結晶質構造を有することを特徴とする請求項1に記載
    の情報記録媒体。
  17. 【請求項17】 上記軟磁性膜及び硬質磁性膜が、とも
    に非晶質構造を有することを特徴とする請求項1に記載
    の情報記録媒体。
  18. 【請求項18】 情報記録装置において、 基板上に、補助磁性層と、硬質磁性膜と、該補助磁性層
    及び硬質磁性膜の間に位置する非磁性膜とを備える情報
    記録媒体と、 情報を記録または再生するための磁気ヘッドと、 上記磁気ヘッドを上記情報記録媒体に対して駆動するた
    めの駆動装置とを備え、 上記補助磁性層が、複数の軟磁性膜と当該複数の軟磁性
    膜の間に形成された非磁性の中間膜とから構成されてい
    ることを特徴とする情報記録装置。
  19. 【請求項19】 上記硬質磁性膜は、基板面に垂直な方
    向に磁化容易軸を有することを特徴とする請求項18に
    記載の情報記録装置。
  20. 【請求項20】 上記補助磁性層は、上記磁気ヘッドの
    磁界発生部分を構成する磁性材料の飽和磁束密度以上の
    飽和磁束密度を有することを特徴とする請求項18また
    は19に記載の情報記録装置。
  21. 【請求項21】 上記軟磁性膜は、Co−Zrを主体と
    する合金、または当該合金にTa、Nb及びTiからな
    る群から選ばれた少なくとも1種類の元素が含まれた合
    金から構成されていることを特徴とする請求項18〜2
    0のいずれか一項に記載の情報記録装置。
  22. 【請求項22】 上記軟磁性膜は、鉄族元素と希土類元
    素とから構成される非晶質のフェリ磁性体であることを
    特徴とする請求項18〜20のいずれか一項に記載の情
    報記録装置。
  23. 【請求項23】 上記鉄族元素が、Fe及びCoの少な
    くとも一方の元素であり、上記希土類元素が、Gd、E
    r、Tm、Nd、Pr、Sm、Ce、La及びYからな
    る群から選ばれた少なくとも1種類の元素であることを
    特徴とする請求項22に記載の情報記録装置。
  24. 【請求項24】 上記軟磁性膜は、Ta、Nb及びZr
    からなる群から選ばれた少なくとも1種類の元素の窒化
    物または炭化物がFe結晶粒子の粒界に分散されたナノ
    クリスタル構造を有することを特徴とする請求項18〜
    20のいずれか一項に記載の情報記録装置。
  25. 【請求項25】 上記中間膜は、Si、Cr、Nb、M
    o、W、Ta、Ti、Zr、V、Re、Rh、Pt、P
    d、Ir、Ru及びCuからなる群から選ばれた少なく
    とも一種の元素を用いて構成されることを特徴とする請
    求項18〜24のいずれか一項に記載の情報記録装置。
  26. 【請求項26】 上記中間膜は、Ta、Cr、Al、S
    i、Mg及びTiからなる群から選ばれた少なくとも一
    種類の元素の酸化物または窒化物を用いて構成されるこ
    とを特徴とする請求項18〜24のいずれか一項に記載
    の情報記録装置。
  27. 【請求項27】 上記中間膜は、酸化コバルト及び酸化
    マグネシウムの少なくとも一方と、酸化シリコン、酸化
    チタン、酸化タンタル、酸化アルミニウム及び酸化ジル
    コニウムからなる群から選ばれた少なくとも一種との化
    合物から形成されることを特徴とする請求項18〜24
    のいずれか一項に記載の情報記録装置。
  28. 【請求項28】 上記補助磁性層の飽和磁束密度が1.
    5T以上であることを特徴とする請求項18〜27のい
    ずれか一項に記載の情報記録装置。
  29. 【請求項29】 上記補助磁性層の保磁力が硬質磁性膜
    の保磁力の20%以下であることを特徴とする請求項1
    8〜28のいずれか一項に記載の情報記録装置。
  30. 【請求項30】 上記硬質磁性膜は、希土類元素と鉄族
    元素とを用いて構成されたフェリ磁性体であり、該希土
    類元素は、Gd、Tb、Dy及びHoからなる群から選
    ばれた少なくとも1種類の元素であり、該鉄族元素は、
    Fe、Co及びNiからなる群から選ばれた少なくとも
    1種類の元素であることを特徴とする請求項18〜29
    のいずれか一項に記載の情報記録装置。
  31. 【請求項31】 上記硬質磁性膜が、白金属元素からな
    る層と鉄族元素からなる層とを交互に積層して構成され
    る人工格子膜であり、該白金族元素は、Pt、Pd及び
    Rhからなる群から選ばれた少なくとも1種類の元素で
    あり、該鉄族元素は、Fe、Co及びNiからなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種類の元素であることを特徴と
    する請求項18〜29のいずれか一項に記載の情報記録
    装置。
  32. 【請求項32】 上記硬質磁性膜がCo−Crを主体と
    する磁性合金、または、当該磁性合金にNb、Ta、P
    t及びBからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元
    素を含んだ合金から構成されていることを特徴とする請
    求項18〜29のいずれか一項に記載の情報記録装置。
  33. 【請求項33】 上記非磁性膜の膜厚が0.2nm以
    上、6nm以下であることを特徴とする請求項18〜3
    2のいずれか一項に記載の情報記録装置。
  34. 【請求項34】 上記非磁性膜は、Si、Cr、Nb、
    Mo、W、Ta、Ti、Zr、V、Re、Rh、Pt、
    Pd、Ir、Ru及びCuからなる群から選ばれた少な
    くとも1種類の元素、若しくは、Ta、Cr、Al、S
    i、Mg及びTiからなる群から選ばれた少なくとも1
    種類の元素の酸化物または窒化物を用いて構成されてい
    ることを特徴とする請求項18〜33のいずれか一項に
    記載の情報記録装置。
JP2000325388A 2000-10-25 2000-10-25 情報記録媒体及び情報記録装置 Withdrawn JP2002133635A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000325388A JP2002133635A (ja) 2000-10-25 2000-10-25 情報記録媒体及び情報記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000325388A JP2002133635A (ja) 2000-10-25 2000-10-25 情報記録媒体及び情報記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002133635A true JP2002133635A (ja) 2002-05-10

Family

ID=18802762

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000325388A Withdrawn JP2002133635A (ja) 2000-10-25 2000-10-25 情報記録媒体及び情報記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002133635A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002358618A (ja) * 2000-12-28 2002-12-13 Showa Denko Kk 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置
EP1378893A1 (en) * 2002-07-05 2004-01-07 Hitachi, Ltd. Perpendicular magnetic recording media
US7166375B2 (en) 2000-12-28 2007-01-23 Showa Denko K.K. Magnetic recording medium utilizing a multi-layered soft magnetic underlayer, method of producing the same and magnetic recording and reproducing device
WO2009031630A1 (ja) * 2007-09-06 2009-03-12 Showa Denko K.K. 垂直磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JP2013045480A (ja) * 2011-08-24 2013-03-04 Fuji Electric Co Ltd 磁気記録媒体
WO2013047321A1 (ja) * 2011-09-26 2013-04-04 山陽特殊製鋼株式会社 垂直磁気記録媒体における軟磁性薄膜層に用いる合金およびスパッタリングターゲット材並びに軟磁性薄膜層を有する垂直磁気記録媒体

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002358618A (ja) * 2000-12-28 2002-12-13 Showa Denko Kk 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置
US7166375B2 (en) 2000-12-28 2007-01-23 Showa Denko K.K. Magnetic recording medium utilizing a multi-layered soft magnetic underlayer, method of producing the same and magnetic recording and reproducing device
EP1378893A1 (en) * 2002-07-05 2004-01-07 Hitachi, Ltd. Perpendicular magnetic recording media
US7041393B2 (en) 2002-07-05 2006-05-09 Hitachi Global Storage Technologies Japan, Ltd. Perpendicular magnetic recording media, manufacturing process of the same, and magnetic storage apparatus using the same
CN100342429C (zh) * 2002-07-05 2007-10-10 日立环球储存科技日本有限公司 垂直磁记录介质及其制造方法和磁存储装置
JP2009064520A (ja) * 2007-09-06 2009-03-26 Showa Denko Kk 磁気記録媒体および磁気記録再生装置
WO2009031630A1 (ja) * 2007-09-06 2009-03-12 Showa Denko K.K. 垂直磁気記録媒体および磁気記録再生装置
CN101796580A (zh) * 2007-09-06 2010-08-04 昭和电工株式会社 垂直磁记录介质以及磁记录和再现装置
CN101796580B (zh) * 2007-09-06 2012-11-21 昭和电工株式会社 垂直磁记录介质以及磁记录和再现装置
JP2013045480A (ja) * 2011-08-24 2013-03-04 Fuji Electric Co Ltd 磁気記録媒体
WO2013047321A1 (ja) * 2011-09-26 2013-04-04 山陽特殊製鋼株式会社 垂直磁気記録媒体における軟磁性薄膜層に用いる合金およびスパッタリングターゲット材並びに軟磁性薄膜層を有する垂直磁気記録媒体
JP2013073635A (ja) * 2011-09-26 2013-04-22 Sanyo Special Steel Co Ltd 垂直磁気記録媒体における軟磁性薄膜層に用いる合金およびスパッタリングターゲット材並びに軟磁性薄膜層を有する垂直磁気記録媒体。
CN103875035A (zh) * 2011-09-26 2014-06-18 山阳特殊制钢株式会社 在垂直磁记录介质上的软磁性薄膜层中使用的合金,溅射靶材,以及具有软磁性薄膜层的垂直磁记录介质

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7807278B2 (en) Perpendicular magnetic recording medium and magnetic storage apparatus
JP3641611B2 (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法並びに磁気記録装置
US8034470B2 (en) Perpendicular magnetic recording medium and method of manufacturing the medium
US20040053078A1 (en) Magnetic recording medium and magnetic recording/reproducing apparatus
US6686071B2 (en) Magnetic recording medium and magnetic recording apparatus using the same
US20090246362A1 (en) Heat assisted magnetic recording medium and method for fabricating the same
JP4102221B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2007164941A (ja) 垂直磁気記録媒体
JP2002133635A (ja) 情報記録媒体及び情報記録装置
JP2002163819A (ja) 情報記録媒体及びそれを用いた情報記録装置
JP4453479B2 (ja) 交換結合型軟磁性材料
JP2001256640A (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録装置
JP2002083417A (ja) 磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記録装置
JP3308239B2 (ja) 垂直磁気記録媒体及び磁気記録再生装置
US20050016836A1 (en) Single layer CoTbAg thin films for heat assisted magnetic recording
JP2002109714A (ja) 情報記録媒体及び情報記録装置
JP2000150233A (ja) 磁性膜とその製造方法
JP2001148109A (ja) 磁気ディスク、磁気ディスク装置
JP2002197634A (ja) 情報記録媒体及びそれを用いた情報記録装置
JP2002092845A (ja) 情報記録媒体及びそれを用いた情報記録装置
JP2002063712A (ja) 磁気記録媒体及びこれを用いた磁気記録装置
JP2002074636A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法並びに磁気記録装置
JP2002074635A (ja) 情報記録媒体及びそれを用いた情報記録装置
JP2001134928A (ja) 下地層付き基板、磁気記録媒体及び磁気記録装置
JP2002092844A (ja) 磁気記録媒体及び該媒体を用いた情報記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080108