JP2001134928A - 下地層付き基板、磁気記録媒体及び磁気記録装置 - Google Patents

下地層付き基板、磁気記録媒体及び磁気記録装置

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JP2001134928A
JP2001134928A JP31317299A JP31317299A JP2001134928A JP 2001134928 A JP2001134928 A JP 2001134928A JP 31317299 A JP31317299 A JP 31317299A JP 31317299 A JP31317299 A JP 31317299A JP 2001134928 A JP2001134928 A JP 2001134928A
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Teruaki Takeuchi
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Tomoko Sotani
朋子 曽谷
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Tetsuo Mizumura
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Harumi Sakamoto
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Takeshi Konuma
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノイズが小さく高密度記録に適した磁気記録
媒体、及びその媒体を備える磁気記録装置を提供する。 【解決手段】 本発明の磁気記録媒体は、基板上に、下
地層、磁性層、保護層をこの順に備える。下地層はECR
スパッタ法により形成したMgO-SiO2膜で、MgOである正
六角形の結晶粒子12が、均等な幅の結晶粒界部14で隔て
られたハニカム構造を有する。磁性層は、磁性粒子を結
晶粒子12上から、同時に非磁性の境界部を粒界部14から
エピタキシャル成長させ、形成する。これにより、下地
層のハニカム構造を反映させた磁性層の形成ができるた
め、磁性粒子径及びその分布を制御し、磁性粒子間の磁
気的相互作用を減らすことができる。これらの層を持つ
磁気記録媒体は、ノイズや熱揺らぎが少なく、40Gbits/
inch2を超える超高密度記録が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度記録に適し
た磁気記録媒体及び磁気記録装置に関し、特に、磁性層
の極めて微小な領域にビット情報を記録することができ
る磁気記録媒体、その製造に用いられる磁気記録媒体用
基板、その磁気記録媒体及びその磁気記録媒体を装着し
た磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の高度情報化社会の進展にはめざま
しいものがあり、各種形態の情報を取り扱うマルチメデ
ィアが急速に普及してきている。マルチメディアの一つ
としてコンピュータ等に装着する磁気記録装置がある。
現在、磁気記録装置は、記録密度を向上させつつ小型化
する方向に開発が進められている。
【0003】磁気記録装置の高記録密度化を実現するた
めに、(1)磁気記録媒体と磁気ヘッドとの間隔を狭め
ること、(2)磁気記録媒体の保磁力を増大させるこ
と、(3)信号処理を高速化すること、(4)熱揺らぎ
の小さい磁気記録媒体を開発することなどが要望されて
いる。
【0004】ところで、磁気記録媒体は、基板上に強磁
性の磁性粒子が集合してなる磁性膜を有しており、磁気
ヘッドによりいくつかの磁性粒子がまとまって同方向に
磁化されることによって情報が記録される。それゆえ、
保磁力の増大に加え、この磁性膜中で一度に同方向に磁
化され得る最小面積、即ち磁化反転単位が生じ得る単位
面積を小さくする必要がある。磁化反転単位面積を小さ
くするには、個々の磁性粒子を微細化するか、あるいは
磁化反転単位を構成する磁性粒子数を減らすことが必要
である。例えば、40Gbits/inch(6.2
0Gbits/cm)を超える記録密度を実現するた
めには、磁性粒子径を10nm以下に制御することが必
要とされている。また、磁性粒子を微細化する際に、粒
子径のばらつきを低減するとともに、熱揺らぎを小さく
する対策も必要となってきている。
【0005】磁化反転単位を構成する磁性粒子数を減ら
すためには、個々の磁性粒子間の磁気的相互作用を減ら
す必要がある。このために、従来は結晶粒子間を非磁性
物質で磁気的に遮断することが行われてきた。これらを
実現する試みとして、例えば、米国特許第4,652,
499号に開示されているように、磁性層の下にシード
膜を設けることが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術では、シード膜上に形成した磁性層の結晶粒子
径およびその分布は小さくなるものの、40Gbits
/inchを超える高密度記録を達成するには限界が
あった。シード膜の材料、成膜条件、構造などを調整し
ても、高密度記録に用いるには、磁性層の磁性粒子径分
布がなおブロードであり、微小な粒子や粗大化した粒子
などがかなり混在していた。これらの粒子は、情報を記
録する場合(磁化を反転させる場合)に、周囲の磁性粒
子からの漏洩磁界の影響である磁気的相互作用を受ける
ため、磁化反転単位が磁性粒子5から10個と大きかっ
た。また、様々な大きさの磁性粒子が混在する結果、熱
揺らぎなどが生じて高密度記録は安定して行えなかっ
た。加えて、磁化反転の起きた領域と起きていない領域
の境界線は全体としてジグザグのパターンを呈し、この
こともノイズ増大の一因であった。
【0007】そこで、本発明の第1の目的は、微小化さ
れた磁性粒子から構成された磁性層を有する磁気記録媒
体、その磁気記録媒体を製造するための基板及びその磁
気記録媒体を装着した磁気記録装置を提供することにあ
る。
【0008】本発明の第2の目的は、磁性粒子径のばら
つきが抑制された磁気記録媒体、その磁気記録媒体を製
造するための基板及びその磁気記録媒体を装着した磁気
記録装置を提供することにある。
【0009】本発明の第3の目的は、磁性粒子が所望の
結晶配向性を有するように制御された磁気記録媒体、そ
の磁気記録媒体を製造するための基板及びその磁気記録
媒体を装着した磁気記録装置を提供することにある。
【0010】本発明の第4の目的は、磁化反転単位の小
さい磁気記録媒体、その磁気記録媒体を製造するための
基板及びその磁気記録媒体を装着した磁気記録装置を提
供することにある。
【0011】本発明の第5の目的は、低ノイズ、低熱揺
らぎ及び低熱減磁であり、かつ高密度記録に適した磁気
記録媒体、その磁気記録媒体を製造するための基板及び
その磁気記録媒体を装着した磁気記録装置を提供するこ
とにある。
【0012】本発明の第6の目的は、40Gbits/
inchを超える面記録密度を有する超高密度磁気記
録媒体、その磁気記録媒体を製造するための基板及びそ
の磁気記録媒体を装着した磁気記録装置を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様に従
えば、下地層付き基板であって、剛性を有する基板と;
上記基板上に形成された下地層と;を備え、上記下地層
が、酸化マグネシウムから形成された六角形状の結晶粒
子と、該結晶粒子を取り囲む酸化ケイ素、酸化アルミニ
ウム、酸化チタン、酸化タンタル及び酸化亜鉛からなる
群から選ばれた少なくとも1種類の酸化物を含む結晶粒
界部とから構成され、該結晶粒子が基板面に平行な面内
においてハニカム状に配列した構造を有することを特徴
とする下地層付き基板が提供される。
【0014】本発明者らは、非磁性層基板と、該基板上
に形成され、酸化コバルト、酸化クロム、酸化鉄あるい
は酸化ニッケルの内より選ばれた少なくとも1種類から
なる結晶質の第1酸化物と、酸化ケイ素、酸化アルミニ
ウム、酸化チタン、酸化タンタルあるいは酸化亜鉛の内
より選ばれた少なくとも1種類からなる第2酸化物とを
有し、第1酸化物の結晶粒子の粒界に第2酸化物が存在
する無機化合物膜と、該無機化合物膜上に形成された磁
性膜とを有することを特徴とする磁気記録媒体を特願平
11−1667号において開示した。この磁気記録媒体
では、無機化合物膜を構成する第1酸化物の結晶粒子が
ハニカム構造を有している。そして、無機化合物膜上に
形成される磁性層の磁性粒子は第1酸化物の結晶粒子か
らエピタキシャル成長するために、磁性層の磁性粒子も
またハニカム構造を有している。このため、磁性膜の結
晶粒子を微細化するとともに粒子径を揃えることが可能
となり、それにより低ノイズで、熱揺らぎが低減された
磁気記録媒体が実現されている。
【0015】しかしながら、本発明者の実験によると、
上記磁気記録媒体において、基板上に無機化合物膜を形
成するときに基板上に最初に発生する初期成長層は規則
的な構造を持たない微結晶の集まりであり、規則的なハ
ニカム構造が無機化合物膜に現れるまで無機化合物膜を
ある程度の膜厚、例えば、30nm以上の膜厚に成長さ
せる必要があることがわかった。本発明では、無機化合
物膜に相当する下地層の材料、特に結晶粒子を構成する
材料として酸化マグネシウムを用いることにより、この
初期成長層部分の発生を抑制でき、成膜初期から良好な
ハニカム構造を形成できることがわかった。これによ
り、下地層の厚さ、さらには磁気記録媒体の厚さを薄く
でき、成膜工程を短縮し、製造コストを下げることがで
きる。
【0016】さらに、特願平11−1667号において
開示された第1酸化物を下地層の結晶粒子として用いた
場合には、結晶粒子径分布の標準偏差σが平均粒子径の
10%以下であるのに対して、本発明において酸化マグ
ネシウムを下地層の結晶粒子として用いた場合では下地
層の結晶粒子径分布の標準偏差σを平均粒子径の8%以
下にすることができた。また、下地層の一つの結晶粒子
を取り囲んでいる粒子の数(以下、配位粒子数と呼ぶ)
は、6.0に近いほどハニカム構造の規則性が高いとい
えるが、結晶質材料として酸化マグネシウムを用いるこ
とにより、6.0に一層近い配位粒子数を得ることがで
きた。すなわち、結晶質材料として酸化マグネシウムを
用いることにより下地層の粒子径のばらつきをより少な
くし、ハニカム構造の規則性を向上させることができ、
さらには、下地層上に形成される磁性層の磁性粒子もま
た一層均一な粒子径及び構造で形成することができるこ
とを見出した。それゆえ、本発明の下地層付基板を用い
れば、低ノイズ、低熱揺らぎ、低熱減磁であり、しかも
高密度記録に適した磁気記録媒体を製造することができ
る。
【0017】本発明の下地層付き基板において、下地層
中に、酸化マグネシウムから形成さの結晶粒子が含まれ
る。そして、結晶粒子の周囲を取囲む結晶粒界部は、酸
化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタ
ル及び酸化亜鉛からなる群から選ばれれた少なくとも1
種類の酸化物を含む。
【0018】本明細書で用いた用語の「酸化マグネシウ
ムから形成された六角形状の結晶粒子」において、「酸
化マグネシウムから形成された」とは、六角形状の結晶
粒子が酸化マグネシウムのみならず、不純物として、例
えば、結晶粒界部に含まれる酸化物又はそれを構成する
元素を数%程度、概ね5%以下、含んでもよいことを意
味する。
【0019】下地層は、基板面に平行な面内では、図2
に示すように、1つの結晶粒子の形状が正六角形であ
り、基板面に垂直な断面ではその結晶粒子が上方に柱状
に成長している構造を有する。特に、下地層の成長とと
もに結晶粒子の柱状の断面は扇状に広がることなく、結
晶粒界部の幅が均等な構造を有している。したがって、
一つが正六角柱をなす結晶粒子の集合体は、正六角柱が
規則的に配列したハニカム構造を形成している。数学的
には、近似的ではあるがフラクタル性を有し、群論を用
いても表現することができる。下地層において、一つの
正六角形の結晶粒子の周囲を平均5.9〜6.1個の粒
子が取り囲み得る。
【0020】実施例に示したように、下地層中に析出し
ている粒子及びその粒界部は、X線回折法による格子像
観察により、それぞれ、結晶質及び非晶質であることが
わかった。その結晶粒子径分布の標準偏差σは平均粒子
径の8%以下であり、しかも、粒子径分布が正規分布で
あるなどその構造の規則性は非常に高い。また、下地層
中の結晶粒子は、強い結晶配向を持っている。それゆ
え、このような構造の下地層上に磁性層を形成させるこ
とにより、後述するように、ハニカム構造の結晶粒子部
分から、例えば、強磁性で且つ結晶配向した磁性粒子を
成長させることが可能となり、一方、ハニカム構造の結
晶粒界部からは非磁性の境界部分を成長させることが可
能となる。
【0021】下地層の膜厚は3nm〜50nmが好まし
い。下地層の膜厚が3nm未満であると、成膜装置の都
合上安定した成膜が困難であり、50nmを超えると下
地層全体の厚さが増し成膜に時間がかかる。また、結晶
粒子の間隔(結晶粒界部の幅)は、ハニカム構造が安定
して得られ、かつ磁性粒子間の磁気的相互作用を十分に
抑制できるという理由から0.5nm〜2nmが望まし
い。この結晶粒子間の距離は結晶粒界に存在させる無機
化合物の濃度(酸化マグネシウムとの組成比)の制御に
より任意に選択できる。
【0022】下地層は、マイクロ波による共鳴放電を利
用するECR(Electron Cyclotron Resonance)スパ
ッタ法により行うことが好ましい。このスパッタ法は、
バイアス電圧のかけ方により、ターゲット粒子の運動エ
ネルギーを揃えることができ、かつそのエネルギーをよ
り精密に制御できる。特に、ECRスパッタ法を用いて
下地層を形成をすることにより、複雑なスパッタ条件を
必要とせずに、所望の結晶配向及び良好なハニカム構造
の膜が得られる。
【0023】本発明の第2の態様に従えば、磁気記録媒
体であって、剛性を有する基板と;上記基板上に形成さ
れた下地層と;下地層上に形成され、情報が記録される
磁性層と;を備え、上記下地層は、酸化マグネシウムか
ら形成された六角形状の結晶粒子と、該結晶粒子を取り
囲む酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化
タンタル及び酸化亜鉛からなる群から選ばれる少なくと
も1種類の酸化物を含む結晶粒界部とから構成され、該
結晶粒子が基板面に平行な面内においてハニカム状に配
列した構造を有することを特徴とする磁気記録媒体が提
供される。
【0024】上述のように、下地層の基板面に平行な面
内では、1つの結晶粒子の形状が正六角形であり、下地
層の基板面に垂直な面ではその結晶粒子が上方に柱状に
成長しているハニカム構造を有する。この下地層の上に
形成した磁性層は、この下地層の構造を反映して同様の
ハニカム構造を有している。さらに、下地層中の結晶粒
子上から、磁性層中の磁性粒子が連続してエピタキシャ
ル成長している。従って、下地層のハニカム構造を適宜
調整することにより、その上に所望の粒子径及び結晶配
向性の磁性粒子を成長させることが可能となる。すなわ
ち、下地層は、磁性層の粒子径、粒子径分布及び結晶配
向性を制御する働きをする。この下地層の構造、配向
性、結晶粒子径などを制御するには、結晶粒子を形成す
る酸化マグネシウム及び結晶粒界物質の濃度(組成)の
選択、結晶粒界部の材料選択、成膜条件の選択などによ
り行うことができる。
【0025】磁性層において、磁性層の磁性粒子は、下
地層のハニカム構造の結晶粒子から成長させることがで
き、一方、下地層のハニカム構造の粒界部からは非磁性
の境界部を成長させることができるため、磁性粒子が互
いに磁気的に分離された構造をもたらすことができる。
これにより、記録及び再生の際の磁化反転単位を、例え
ば、磁性粒子2〜3個に低減することができ、超高密度
記録が可能となる。また、磁性膜における隣接する記録
磁区の境界部がジグザグパターンになることを防止し
て、ノイズを低減することができる。
【0026】下地層及び磁性層において、結晶構造が一
致しているかあるいは類似していることが好ましい。具
体的には、ECRスパッタ法により形成した下地層中で
析出している結晶粒子及び磁性層中の磁性粒子の個々の
粒子形状、粒子径、ハニカム構造などが等しく、且つ、
下地層の結晶粒子の格子定数に対する下地層の結晶粒子
と磁性層の磁性粒子の格子定数の差の割合が±10%以
内であることが望ましい。これにより、下地層の結晶粒
子から磁性層の磁性粒子をエピタキシャル成長させる場
合に、下地層及び磁性層の接面の正六角形の結晶格子の
整合性を確保することができる。この接面における格子
定数の差が±10%を超える場合、下地層と磁性層の間
に、格子面のずれを調整するための層を一層あるいは複
数層設けてもよい。加えて、下地層の結晶粒子上から
の、磁性粒子のエピタキシャル成長を促進するために
も、このような下地層と磁性層との間に格子定数を制御
するための制御層を設けてもよい。
【0027】従来、磁性粒子間の磁気的な相互作用を低
減するには、非磁性元素を結晶粒子中の結晶粒界近傍に
偏析させていた。しかしながら、本発明では、下地層の
正六角形の結晶粒子を取り囲む結晶粒界部に対応させて
磁性層中に非磁性の部分を成長させることができる。こ
の場合、下地層の結晶粒子間の距離が0.5nm〜2n
mになるように制御し、この構造を反映させて磁性層を
エピタキシャル成長させることにより、そのような間隔
の非磁性の部分を磁性層にもたらすことができる。エピ
タキシャル成長した磁性粒子部分は強磁性であり、高密
度記録に適した結晶配向を有する。一方で、その磁性粒
子を取り囲む粒界部は、非晶質又は結晶質であってもラ
ンダム配向となるため、非磁性又は磁性粒子部分と異な
る磁性を示し、磁性粒子同士を磁気的に独立させること
ができる。これにより、磁気記録媒体の磁区のサイズを
磁性粒子サイズにまで微細化することが可能となる。
【0028】磁性層は、コバルトを主体とし、これにク
ロム、白金、タンタル、ニオブ、チタン、ケイ素からな
る群より選ばれる少なくとも2種類の元素を含む合金が
望ましい。磁性層中の磁性粒子はコバルト合金であり、
結晶質から構成され得る。磁性粒子の境界部は、クロ
ム、タンタル、ニオブ、チタン、ケイ素からなる群より
選ばれる少なくとも1種類の元素を含み且つ多結晶質か
ら構成され得る。
【0029】磁性層として、結晶質相と非晶質相の二相
から構成されるグラニュラ構造の磁性膜を用いてもよ
い。この場合、結晶相がコバルトを主体とし、これにネ
オジウム、プラセオジウム、イットリウム、ランタン、
サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウ
ム、ホロミウム、白金、パラジウムからなる群より選ば
れる少なくとも1種類の元素を含んでおり、非晶質相と
して酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化アルミ
ニウムの内より選ばれる少なくとも1種類の化合物相が
結晶粒子を取囲むように存在し得る。この磁性層を成膜
する際には、ECR法により形成した下地層の結晶粒子
上にコバルト粒子を、結晶粒界部に対応して酸化物を成
長させればよい。
【0030】前述の下地層と磁性層の間の格子定数を制
御するための制御層は、磁性層の結晶構造に類似してお
り、エピタキシャル成長が促進されるという観点から、
結晶構造がbcc構造であることが好ましい。また、材
料は、クロムあるいはクロム合金、さらには、クロム合
金にルテニウム、モリブデン、バナジウム、ニッケル、
ニオブ、アルミニウム、チタン、タンタル、ジルコニウ
ムからなる群より選ばれる少なくとも1種類の元素を含
んだ合金を用い得る。この添加元素の濃度は、この制御
層上に形成する磁性層の磁性粒子の格子定数にほぼ等し
くなる濃度であることが好ましい。この制御層を間に挿
入することにより、下地層と磁性層との間の結晶格子の
ミスマッチが少なくなり、磁性粒子のエピタキシャル成
長が促進される。
【0031】本発明の第3の態様に従えば、本発明の第
2の態様に従う少なくとも一つの磁気記録媒体と;上記
磁気記録媒体に情報を記録または再生するための磁気ヘ
ッドと;上記磁気記録媒体を上記磁気ヘッドに対し駆動
するための駆動装置と;を含む磁気記録装置が提供され
る。
【0032】本発明の磁気記録装置は、本発明の磁気記
録媒体を装着しているので、画像や音声、コードデータ
などの情報を、低ノイズで高密度記録することができ
る。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体、磁気記録
媒体用基板、及び磁気記録装置の実施の形態を、実施例
を用いて具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。
【0034】
【実施例1】本実施例では、図1に示すように、基板1
上に、下地層2、磁性層3、及び保護層4をこの順に積
層した磁気ディスクの製造方法、並びに得られた各層及
び磁気ディスクの測定結果について説明する。ここで
は、MgO−SiO膜を下地層に、Co系合金を磁性
層にそれぞれ用いた。
【0035】(1)下地層の形成 直径2.5inch(6.35cm)のガラス基板1上
に、下地層2としてMgO−SiO膜をECR(Elec
tron Cyclotron Resonance)スパッタ法により形成し
た。ターゲットにはMgOとSiOを3:1に混合し
て焼結したものを、スパッタガスにはArをそれぞれ使
用した。スパッタ時のガス圧は3mTorr(約399
Pa)、投入マイクロ波電力は1kWであった。また、
マイクロ波により励起されたプラズマをターゲット方向
に引き込むために、500WのRFバイアス電圧をター
ゲットに印加した。このECRスパッタにより、MgO
−SiO膜を膜厚20nmに形成した。
【0036】(2)下地層のTEMによる観察、X線回
折法による解析及び組成測定 上記のように下地層としてMgO−SiO膜2を形成
した後、この膜の表面を高分解能透過型電子顕微鏡(T
EM)により観察した。観察像の概略を図2に示す。図
に示すように、このMgO−SiO薄膜2は、対辺の
距離が10nmの正六角形の結晶粒子12の集合体であ
り、結晶粒子12は互いに結晶粒界部14を介して二次
元に規則的に配列していた。次いで、この薄膜の断面を
観察したところ、基板に対して垂直方向に柱状の構造が
成長していた。即ち、MgO−SiO膜全体がハニカ
ム構造を有していることが分かった。また、この柱状構
造は、その成長方向において均一な粒子径でエピタキシ
ャル成長していることが分かった。結晶粒子間の距離
(結晶粒界部14の幅)は、0.8nmであった。この
間隔は、ターゲットの組成(MgOとSiOの比な
ど)を変化させることにより所望の値を選択することが
できる。
【0037】極微小領域のオージェ電子分光分析(μ−
AES分析)による組成測定の結果から、結晶粒子はマ
グネシウムの酸化物であり、結晶粒界部は酸化ケイ素を
主に含むことが分かった。
【0038】また、後述するMgO−SiO膜2の格
子像観察から、このマグネシウムの酸化物は結晶質であ
り、結晶粒界部は非晶質であることがわかった。結晶粒
子の格子定数を求めたところ、後述する磁性粒子を構成
するCoの値にほぼ等しかった。
【0039】次に、MgO−SiO膜2表面のTEM
観察結果を用いて、結晶粒子径(正六角形の対辺の間
隔)、結晶粒子径分布、及び1つの結晶粒子の周囲を取
り囲んで位置している粒子数(以下、配位粒子数と呼
ぶ)を解析した。解析用のサンプルとして500個の結
晶粒子を抽出した。まず、結晶粒子径を求めたところ、
平均10nmであった。粒子径分布は、正規分布をして
おり、標準偏差(σ)を求めると0.5nmであった。
配位粒子数は、平均6.02個であった。このことは、
結晶粒子径にばらつきが少なく、基板面に平行な面内で
正六角柱の結晶粒子がハニカム状に極めて規則的に配列
していることを示している。
【0040】このMgO−SiO膜2の結晶構造を、
X線回折により解析した。得られた回折プロファイルを
図3に示す。これによると、2θ=62.5°付近にM
gOの回折ピークが観測され、この他のピークは観測さ
れなかった。このことは、MgOが薄膜中で一方向にの
み結晶配向していることを示している。また、ここで形
成したMgO−SiO薄膜2は、ECRスパッタ法を
用いたことにより、化学量論組成からのずれが見られな
かった。したがって、MgO−SiO膜中に遊離の酸
素が存在しないので、その上に形成する磁性層などの金
属膜の酸化が起こらないことを示している。よってこの
膜を磁気記録媒体に用いれば、長期間に渡って高い信頼
性を有する媒体を製造することができる。
【0041】(3)磁性層の形成 上記のように形成した下地層であるMgO−SiO
2上に、磁性層3として、DCスパッタ法により、Co
68Cr17Pt12Ta膜を形成した。ターゲット
には、目的の膜組成と同じ組成のCo−Cr−Pt−T
a合金を、スパッタガスにはArをそれぞれ使用した。
スパッタ時のガス圧は、3mTorrであった。投入D
C電力は1kW/150mmφであった。Co68Cr
17Pt 12Ta膜3の形成中は、基板を300℃に
加熱した。このような条件でDCスパッタ法により、C
68Cr17Pt12Ta膜3を膜厚10nmに形
成した。
【0042】(4)磁性層のTEMによる観察、X線回
折法による解析、及び組成測定 上述のように形成したCo68Cr17Pt12Ta
膜3の表面を、TEMにより観察した。それによると、
下地層であるMgO−SiO膜2のハニカム構造を反
映して、Co68Cr17Pt12Ta膜3もハニカ
ム構造を有していた。表面の観察から求めた平均の粒子
径は10nmであり、粒子径分布におけるσは0.6n
m以下であった。このように、磁性層3の粒子は微細化
し、かつ、粒子径分布が小さく、下地層2と同一の形態
の膜が得られたことが分かった。次に、1つの結晶粒子
に配位する配位粒子数を求めた。500個の結晶粒子に
ついて調べたところ、平均6.01個で、先の下地層の
MgO−SiO膜2における結晶粒子の配位粒子数と
一致していた。このことは、磁性粒子が、下地層から上
方に正六角柱状に連続して成長し、基板面と平行な面内
において、図2に示したように正六角形が規則的に配列
した構造(ハニカム構造)を有していることを示してい
る。
【0043】また、格子像観察及び後述するX線回折の
結果により、Co68Cr17Pt 12Ta膜3中の
磁性粒子は結晶質であり、一方、磁性粒子(結晶粒子)
どうしの境界部は多結晶体であることが分かった。この
Co68Cr17Pt12Ta膜3の断面をTEMに
より観察したところ、結晶質の磁性粒子は、下地層であ
るMgO−SiO膜2の正六角形の結晶粒子上から成
長しており、多結晶体の境界部は、MgO−SiO
2の結晶粒界部に対応していることがわかった。即ち、
下地層のMgO−SiO膜2と磁性層のCo68Cr
17Pt12Ta膜3との間には、結晶格子のつなが
りが見られ、Co68Cr17Pt12Ta膜3中の
磁性粒子はMgO−SiO膜2中の結晶粒子からエピ
タキシャル成長していることが分かった。
【0044】このようなCo68Cr17Pt12Ta
膜3中の境界部(多結晶体)は、磁性粒子部分と異な
り、非磁性体としての挙動を示すことが知られている。
この境界部は、磁性粒子間に、0.5〜1.0nmの幅
で存在しているため、隣り合う磁性粒子間の磁気的相互
作用は弱められる。したがって、個々の磁性粒子(結晶
粒子)が記録・消去時の磁化反転に際し独立して挙動し
やすくなり、磁化反転単位を構成する磁性粒子数即ち磁
性層面積を小さくすることが可能となった。
【0045】次に、下地層2上に磁性層であるCo68
Cr17Pt12Ta膜3を形成した後、この積層構
造をX線回折法により解析した。その結果を図4に示
す。下地層2中のMgOを示す2θ=62.5°付近の
ピークに加えて、磁性層3中のCoを示す2θ=72.
5°付近の弱いピークが観測された。下地層であるMg
O−SiO膜2の、先の構造解析及びTEM観察結果
と合わせて考えると、この2θ=72.5°付近のピー
クはCoの(11.0)が強く配向していることを示し
ている。よく知られているように、Co(11.0)
は、高密度記録のために要求されている結晶配向であ
る。即ち、Co68Cr17Pt12Ta膜3中の磁
性粒子においては、Coがこの方向に強く配向してお
り、所望の結晶配向が磁性層3において実現できたこと
が分かる。
【0046】このCo68Cr17Pt12Ta膜3
の磁気特性を測定した。得られた磁気特性は、保磁力が
3.5kOe、Isvが2.5×10−16emu、M
−Hループにおけるヒステリシスの角型性の指標である
Sが0.83、Sが0.89であり、良好な磁気特性
を有していた。このように、角型性を示す指標が大きい
(角型に近い)のは、磁性層が、下地層であるMgO−
SiO膜2の結晶粒子及び結晶粒界部をそれぞれ反映
した構造に成長し、磁性粒子間の磁気的相互作用が低減
された構造が得られたためである。
【0047】(5)保護層の形成 最後に、保護膜4として、ECRスパッタ法により、カ
ーボン膜を形成した。ターゲットには、リング状のカー
ボンターゲットを用い、スパッタガスにはArを用い
た。スパッタ時のガス圧は3mTorr、投入マイクロ
波電力は1kW(周波数は2.93GHz)であった。
成膜中の基板温度は室温とした。マイクロ波により励起
されたプラズマをターゲット方向に引き込むために、5
00WのRFバイアス電圧ををターゲットに印加した。
このようなECRスパッタ法により、カーボン膜4を3
nmの膜厚に形成した。こうして、図1に示した構造の
磁気ディスク10を得た。
【0048】(6)磁気ディスクの評価 さらに、上述のように形成したカーボン膜4の上に潤滑
剤を塗布して、磁気ディスク10を完成させた。同様の
プロセスにより複数枚の磁気ディスクを作製し、それら
を磁気記録装置に組み込んだ。この磁気記録装置の概略
構成を図5及び図6に示す。図5は、磁気記録装置60
を上方から見た概念図であり、図6は、図5の破線A−
A’における磁気記録装置60の断面図である。記録に
は、2.1Tの狭トラックの高飽和磁束密度を有する軟
磁性層を用いた薄膜磁気ヘッドを用いた。磁気ギャップ
は0.12μmであった。また、デュアルスピンバルブ
型の巨大磁気抵抗効果を有するヘッドにより再生した。
記録用磁気ヘッド及び再生用磁気ヘッドは一体化されて
おり、図5及び図6では磁気ヘッド53として示した。
この一体型磁気ヘッド53は磁気ヘッド用駆動系54に
より制御を行った。磁気ディスク10は回転駆動系51
のスピンドル52により回転される。ヘッド面と磁気デ
ィスクとの距離は11nmに保った。この磁気ディスク
に40Gbits/inchに相当する信号を記録し
てディスクのS/Nを評価したところ、32dBの再生
出力が得られた。
【0049】ここで、磁気力顕微鏡(MFM)により情
報記録時の磁化反転単位を測定した。すると、1ビット
のデータを記録する記録磁界に対し粒子2から3個が一
度に磁化反転した。これは従来の磁化反転単位5から1
0個に比べて十分に小さい。これに伴い、隣接する磁化
反転単位の境界に相当する部分(ジグザグパターン)も
従来の磁気ディスクより著しく小さかった。これは、磁
性粒子が微細化し、磁化反転単位も小さくなったため、
磁化反転領域の境界線が滑らかになったことを示してい
る。また、熱揺らぎや熱による減磁も発生しなかった。
これは、Co Cr17Pt12Ta膜3の磁性粒
子径の分布が小さくなったことによる効果である。ま
た、このディスクの欠陥レートを測定したところ、信号
処理を行わない場合の値で、1×10−5以下であっ
た。
【0050】本実施例で用いた基板は1例であり、いず
れのサイズのガラス円板を用いても、また、プラスチッ
クやAlあるいはAl合金基板等を用いてもよい。
【0051】本実施例では、下地層であるMgO−Si
膜の結晶粒界部に存在する酸化物としてSiO
用いたが、これ以外に、酸化アルミニウム、酸化チタ
ン、酸化タンタルあるいは酸化亜鉛を用いてもよい。こ
の場合も、SiOと同様に、結晶粒子を均等な幅で取
り囲む結晶粒界部を形成できる。
【0052】ここでは、磁性層としてCo68Cr17
Pt12Ta膜を用いたが、これ以外に、Co−Cr
−PtやCo−Cr−Taなどの3元系、Co−Cr−
Pt−Ta−Siなどの5元系を用いてもよい。さら
に、磁性層が結晶質相と非晶質相の二相から構成され、
結晶質相がコバルトを主体とし、これにネオジウム、プ
ラセオジウム、イットリウム、ランタン、サマリウム、
ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホロミウ
ム、白金、パラジウムの内より選ばれる少なくとも1種
類の元素を含んた合金であり、非晶質相として、酸化ケ
イ素、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化アルミニウムの内
より選ばれる少なくとも1種類の酸化物が結晶粒子を取
囲むように存在している、グラニュラ構造の磁性膜を用
いることもできる。
【0053】また、磁性層の形成にはDCスパッタ法を
用いたが、ECRスパッタ法を用いてもよい。ECRス
パッタ法を用いると、低い基板温度又は室温で磁性層を
形成できる。しかも、各スパッタ粒子の有するエネルギ
ーが等しいため、磁性層の磁性粒子径および粒子径分布
の高精度な制御が可能になるので、より好ましい。
【0054】ここでは、保護層であるカーボン膜の形成
に際しRF電圧を印加したが、カーボンは導電体である
ので、DC電圧を印加してもRF電圧の場合と同様に形
成できる。また、スパッタガスにArを使用したが、窒
素を含むガス、あるいは窒素と水素を含むガスを用いて
もよい。窒素、あるいは窒素及び水素を含むガスを用い
ると、粒子が微細化するために、得られる膜が緻密化
し、保護性能を向上させることができる。
【0055】
【実施例2】本実施例では、図7に示すように、基板2
1上に、下地層22、下地層22及び磁性層24の結晶
格子面のずれを調整するための制御層23、磁性層2
4、並びに保護層25をこの順に積層した磁気ディスク
30を形成した。以下で、この磁気ディスクを製造する
方法、並びに、得られた各層及び磁気ディスクの測定結
果について説明する。下地層2と磁性層3の間には、制
御層23としてCr90Ru10合金膜を設けた。その
他は、実施例1と同様の材料を用いた。
【0056】(1)磁気ディスクの形成 直径2.5inchのガラス基板21上に、下地層22
としてMgO−SiO膜を、実施例1と同様のECR
スパッタ法及び条件で形成した。そのMgO−SiO
膜22上に、ECRスパッタ法により、制御層23とし
てCr90Ru 膜を形成した。ターゲットにはCr
Ru合金を、スパッタガスにはArをそれぞれ用いた。
スパッタ時のガス圧は3mTorr、投入マイクロ波電
力は1kWであった。また、マイクロ波(2.93GH
z)により励起されたプラズマをターゲット方向に引き
込むために、500VのDCバイアス電圧をターゲット
に印加した。このECRスパッタ法により、Cr90
10膜23を5nmの膜厚に形成した。このCr90
Ru10膜23上に、磁性層24としてCo68Cr
17Pt12Ta膜を、保護膜25としてカーボン膜
を、実施例1と同様の方法及び条件で順次積層した。制
御層であるCr90Ru10膜23から、保護層である
カーボン膜25までの成膜中は、基板を300℃に加熱
した。このようにして図7に示す構造の磁気ディスク3
0を得た。
【0057】(2)磁性層のX線回折法による解析、磁
気特性の測定、 上述のように、制御層であるCr90Ru10膜23上
に磁性層Co68Cr 17Pt12Ta膜24を形成
したところで、この結晶構造をX線回折法により解析し
た。得られたX線回折プロファイルを図8に示す。図に
示したように、下地層であるMgO−SiO膜中のM
gOを示す2θ=62.5°付近のピークに加えて、磁
性層中のCoを示すピークが2θ=72.5°付近に観
測された。下地層の構造解析ならびにTEM観察結果と
合わせて考えると、この2θ=72.5°付近のピーク
は、磁性層であるCo68Cr17Pt12Ta膜2
4中のCoの(11.0)であり、Coがこの方向に強
く配向していることを示している。即ち、高密度記録に
適した所望の結晶配向が、磁性層中で強く得られたこと
が分かった。また、図8を、先の実施例1でのX線回折
プロファイル図3と比較すると、本実施例においてCo
のピークの強度は増大し、半値幅は狭くなり、ピーク形
状はよりシャープになった。これは、下地層上に、制御
層であるCr 90Ru10膜23を設けたことにより、
下地層と磁性層の間の結晶格子のずれを調整でき、磁性
層中で所望のCoの結晶配向がより強く得られたことを
示している。
【0058】次に、この磁性層の磁気特性を測定した。
得られた磁気特性は、保磁力が4.0kOe、Isvが
2.5×10−16emu、M−Hループにおけるヒス
テリシスの角型性の指標であるSが0.89、S
0.95であり、良好な磁気特性を有していた。このよ
うに、保磁力が増加し、角型性を示す指標が大きい(角
型に近い)のは、ハニカム構造の下地層を設けたこと、
及び制御層Cr90Ru 10膜23を設けたことによ
り、磁性層がハニカム構造を反映して成長し、磁性粒子
間の磁気的相互作用が低減されたためである。
【0059】(3)磁気ディスクの評価 さらに、上述のように形成した保護層であるカーボン膜
25の上に潤滑剤を塗布して磁気ディスク30を完成さ
せた。同様のプロセスにより複数枚の磁気ディスクを作
製し、それらを磁気記録装置のスピンドルに同軸上に取
り付けた。磁気記録装置の構成は実施例1と同様で、図
5及び図6に示す構造とした。磁気ヘッド面と磁気ディ
スクとの距離は11nmに保った。このディスクに40
Gb/inchに相当する信号を記録してディスクの
S/Nを評価したところ、36dBの再生出力が得られ
た。
【0060】ここで、磁気力顕微鏡(MFM)により情
報記録時の磁化反転単位を測定した。1ビットのデータ
を記録する際に印加した記録磁界に対して、磁性粒子2
から3個が一度に磁化反転した。これは従来の磁化反転
単位5から10個に比べて、十分に小さいことがわかっ
た。これに伴い、隣接する磁化反転単位の境界に相当す
る部分(ジグザグパターン)も従来の媒体より著しく小
さかった。これは、磁性粒子が微細化し、磁化反転単位
も小さくなったため、磁化反転領域の境界線が滑らかに
なったことを示している。また、熱揺らぎや熱による減
磁も発生しなかった。これは、磁性層であるCo68
17Pt12Ta膜24の磁性粒子径の分布が小さ
いことによる効果である。また、このディスクの欠陥レ
ートを測定したところ、信号処理を行わない場合の値
で、1×10−5以下であった。
【0061】本実施例では、制御層にはCr−Ru合金
を用いたが、これ以外にこの上に形成する磁性層の格子
定数に合わせて、モリブデン、バナジウム、ニッケル、
ニオブ、アルミニウム、チタン、タンタル、ジルコニウ
ムの内より選ばれる少なくとも1種類の元素を添加して
もよい。これら元素を加えることで、制御層の格子定数
を変化させることができる。
【0062】
【実施例3】本実施例では、基板上に、補助層(以下、
第1下地層と呼ぶ)を設け、その上に下地層(第1下地
層との区別のため、本実施例においては第2下地層と呼
ぶ)、制御層、磁性層、及び保護層を以下に記載した手
法で積層して磁気ディスクを得た。第1下地層として
は、MgO膜を用いた。その他の材料については、実施
例2と同様であった。
【0063】(1)磁気ディスクの形成 直径2.5inchのガラス基板上に、第1下地層とし
てMgO膜をECRスパッタ法により形成した。ターゲ
ットにはMgOの焼結体を、スパッタガスにはArをそ
れぞれ用いた。スパッタ時のガス圧は3mTorr、投
入マイクロ波電力は1.0kWであった。また、マイク
ロ波(2.93GHz)により励起されたプラズマをタ
ーゲット方向に引き込むために、500WのRFバイア
ス電圧をターゲットに印加した。このECRスパッタ法
により、MgO膜を5nmの膜厚に形成した。この第1
下地層であるMgO膜の上に、実施例2と同様のECR
スパッタ法及び条件で、第2下地層であるMgO−Si
膜、制御層であるCr 90Ru10膜、磁性層であ
るCo68Cr17Pt12Ta膜、及び保護層であ
るカーボン膜を、順次積層した。制御層であるCr90
Ru10膜から、保護層であるカーボン膜までの成膜中
は、基板を300℃に加熱した。このようにして前記積
層構造の磁気ディスクを得た。
【0064】(2)磁性層のX線回折方による解析、及
び磁気特性測定 上述のように、制御層であるCr90Ru10膜上に磁
性層Co68Cr17Pt12Ta膜を形成したとこ
ろで、この結晶構造をX線回折法により解析した。実施
例2の結果と同様に、MgOを示す2θ=62.5°付
近のピークに加えて、磁性層中のCoを示すピークが2
θ=72.5°付近に観測された。第2下地層の構造解
析ならびにTEM観察結果と合わせて考えると、この2
θ=72.5°付近のピークは、磁性層であるCo68
Cr17Pt12Ta膜中のCoの(11.0)であ
り、Coがこの方向に強く配向していることを示してい
る。即ち、高密度記録に適した所望の結晶配向が、磁性
層中で強く得られたことが分かった。
【0065】次に、この磁性層であるCo68Cr17
Pt12Ta膜の磁気特性を測定した。得られた磁気
特性は、保磁力が3.5kOe、Isvが4×10
―16emu、M−Hループにおけるヒステリシスの角
型性の指標であるSが0.88、Sが0.89であ
り、良好な磁気特性を有していた。このように、保磁力
が増加し、角型性を示す指標が大きい(角型に近い)の
は、第1下地層及び第2下地層を設けたこと、並びに制
御層Cr90Ru10膜を設けたことにより、磁性層が
第2下地層のハニカム構造を反映して成長し、磁性粒子
間の磁気的相互作用が低減されたためである。
【0066】(3)磁気ディスクの評価 さらに、上述のように形成した保護層であるカーボン膜
の上に潤滑剤を塗布して、磁気ディスクを完成させた。
同様のプロセスにより複数枚の磁気ディスクを作製し、
それらを磁気記録装置のスピンドルに同軸上に取り付け
た。磁気記録装置の構成は実施例1と同様で、図5及び
図6に示す構造とした。磁気ヘッド面と磁気ディスクと
の距離は12nmに保った。このディスクに40Gbi
ts/inchの記録密度でテスト信号(700kF
CI)を記録してディスクのS/Nを評価したところ、
34dBの再生出力が得られた。
【0067】ここで、磁気力顕微鏡(MFM)により情
報記録時の磁化反転単位を測定した。1ビットのデータ
を記録する際に印加した記録磁界に対して、磁性粒子2
〜3個が一度に磁化反転した。これは従来の磁化反転単
位5から10個に比べて、十分に小さいことがわかっ
た。これに伴い、隣接する磁化反転単位の境界に相当す
る部分(ジグザグパターン)も従来の媒体より著しく小
さかった。これは、磁性粒子が微細化し、磁化反転単位
も小さくなったため、磁化反転領域の境界線が滑らかに
なったことを示している。また、熱揺らぎや熱による減
磁も発生しなかった。これは、磁性層であるCo68
17Pt12Ta膜の磁性粒子径の分布が小さいこ
とよる効果である。また、このディスクの欠陥レートを
測定したところ、信号処理を行わない場合の値で、1×
10―5以下であった。
【0068】本実施例において、第1下地層(MgO)
を設けることにより第2下地層を成膜初期から確実にハ
ニカム状に成長させることができるため、下地層全体の
膜厚を減らすことができる。また、基板と磁性層の接着
力を向上させることができる。加えて、膜材料を適宜選
択すれば、第2下地層の結晶粒子径及び粒子径分布を制
御することも可能である。
【0069】
【発明の効果】本発明に従う磁気記録媒体、下地層付き
基板、及び磁気記録装置によれば、基板と磁性層の間に
ハニカム構造を持つ下地層を設けることにより、下地層
の上に形成する磁性層の構造の制御性を大きく向上でき
る。特に、磁性層の磁性粒子径の制御が容易で、しか
も、粒子径分布を著しく小さくできる。
【0070】下地層は、正六角形の結晶粒子が均一な幅
の結晶粒界部を介して極めて規則的に配列した、ハニカ
ム構造を有している。そこで、下地層上に形成した磁性
層中では、下地層の結晶粒子上から磁性粒子がエピタキ
シャル成長し、下地層の結晶粒界部上からは磁性層の非
磁性の境界部分が成長する。このため、下地層のハニカ
ム構造を反映させることで、磁性粒子の粒子径、粒子間
の距離、粒子径分布、及び配向性を制御できる。下地層
の結晶構造は、材料としてMgOを用いること、ECR
スパッタ法を用いること、及び成膜条件の選択により、
制御が可能である。個々の磁性粒子は非磁性の境界部で
均一に隔てられているため、磁気的に独立となり、磁化
反転単位を従来の磁性粒子数5〜10個に比べ、本発明
の磁気記録媒体では1〜2個と小さくすることができ
る。個々の磁性粒子径を微細化すること、及び磁化反転
単位を小さくすることによって磁気記録媒体のノイズを
減少させることができる。また、磁性粒子の粒子径のば
らつきを小さくすることによっても、磁気記録媒体のノ
イズを減少させることができ、加えて熱揺らぎや熱によ
る減磁を防ぐことができる。また、磁性粒子は下地層の
結晶粒子の結晶配向を反映して成長するため、磁性粒子
が高密度記録に適した強い配向を持つ磁性層を形成で
き、高密度記録に適した磁気記録媒体、その磁気記録媒
体を製造するための下地層付き基板、及びその磁気記録
媒体を用いた磁気記録装置を提供できる。
【0071】本発明の磁気記録媒体及び磁気記録装置を
用いれば、磁気記録媒体のノイズの減少、熱揺らぎの低
減、40Gbits/inchを超える記録密度が可
能となるため、本発明の磁気記録媒体及び磁気記録装置
は超高密度記録に極めて有望である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の磁気ディスクの断面構造を
示す模式図である。
【図2】本発明に係る下地層の表面モフォロジーを示す
模式図である。
【図3】本発明の実施例1に係る下地層のX線回折プロ
ファイルである。
【図4】本発明の実施例1に係る下地層及び磁性層のX
線回折プロファイルである。
【図5】本発明に従う磁気記録装置の概略構成図であ
る。
【図6】図5に示す磁気記録装置のA−A’方向の断面
図である。
【図7】本発明の実施例2の磁気ディスクの断面構造を
示す模式図である。
【図8】本発明の実施例2に係る下地層及び磁性層のX
線回折プロファイルである。
【符号の説明】
1 基板 2 下地層 3 磁性層 4 保護層 10 磁気ディスク 12 結晶粒子 14 結晶粒子径 21 基板 22 下地層 23 制御層 24 磁性層 25 保護層 30 磁気ディスク 51 回転駆動系 52 スピンドル 53 磁気ヘッド 54 磁気ヘッド用駆動系 60 磁気記録装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 輝明 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 曽谷 朋子 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 若林 康一郎 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 水村 哲夫 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 坂本 晴美 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 小沼 剛 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 5D006 BB01 BB07 CA01 CA05 CA06 EA03

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地層付き基板であって、 剛性を有する基板と;上記基板上に形成された下地層
    と;を備え、 上記下地層が、酸化マグネシウムから形成された六角形
    状の結晶粒子と、該結晶粒子を取り囲む酸化ケイ素、酸
    化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル及び酸化亜
    鉛からなる群から選ばれた少なくとも1種類の酸化物を
    含む結晶粒界部とから構成され、該結晶粒子が基板面に
    平行な面内においてハニカム状に配列した構造を有する
    ことを特徴とする下地層付き基板。
  2. 【請求項2】 上記結晶粒界部が、マグネシウムを、結
    晶粒子内のマグネシウム濃度の10分の1以下で含むこ
    とを特徴とする請求項1に記載の下地層付き基板。
  3. 【請求項3】 上記結晶粒子の粒子径分布の標準偏差
    (σ)が、平均粒子径の8%以下であることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の下地層付き基板。
  4. 【請求項4】 上記結晶粒子が、ハニカム状に配列した
    構造を保持したまま基板上から柱状に成長していること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の下
    地層付き基板。
  5. 【請求項5】 上記下地層中の結晶粒子が結晶配向して
    いることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に
    記載の下地層付き基板。
  6. 【請求項6】 上記下地層の膜厚が、3nm〜50nm
    であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項
    に記載の下地層付き基板。
  7. 【請求項7】 上記結晶粒子間の間隔が、0.5nm〜
    2nmであることを特徴とする請求項1から6のいずれ
    か一項に記載の下地層付き基板。
  8. 【請求項8】 上記下地層が、ECRスパッタ法を用い
    て形成されていることを特徴とする請求項1から7のい
    ずれか一項に記載の下地層付き基板。
  9. 【請求項9】 上記下地層の結晶粒界部が非晶質である
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載
    の下地層付き基板。
  10. 【請求項10】 磁気記録媒体であって、 剛性を有する基板と;上記基板上に形成された下地層
    と;下地層上に形成され、情報が記録される磁性層と;
    を備え、 上記下地層は、酸化マグネシウムから形成された六角形
    状の結晶粒子と、該結晶粒子を取り囲む酸化ケイ素、酸
    化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル及び酸化亜
    鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種類の酸化物を
    含む結晶粒界部とから構成され、該結晶粒子が基板面に
    平行な面内においてハニカム状に配列した構造を有する
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】 上記下地層中の結晶粒界部が非晶質で
    あることを特徴とする請求項10に記載の磁気記録媒
    体。
  12. 【請求項12】 上記下地層中の結晶粒子が一定の方向
    に結晶配向していることを特徴とする請求項10又は1
    1に記載の磁気記録媒体。
  13. 【請求項13】 上記結晶粒子が、ハニカム状に配列し
    た構造を保持したまま基板上から柱状に成長しているこ
    とを特徴とする請求項10から12のいずれか一項に記
    載の磁気記録媒体。
  14. 【請求項14】 上記下地層がECRスパッタ法により
    形成されることを特徴とする請求項10から13のいず
    れか一項に記載の磁気記録媒体。
  15. 【請求項15】 上記下地層中の1つの結晶粒子の周囲
    に析出している結晶粒子数の平均が5.9〜6.1であ
    ることを特徴とする請求項10から14のいずれか一項
    に記載の磁気記録媒体。
  16. 【請求項16】 上記磁性層が上記下地層上にエピタキ
    シャル成長していることを特徴とする請求項10から1
    5のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
  17. 【請求項17】 上記下地層及び磁性層の結晶構造が一
    致または類似しており、下地層及び磁性層の界面におけ
    るその2層の結晶格子面が一致または類似していること
    を特徴とする請求項10から16のいずれか一項に記載
    の磁気記録媒体。
  18. 【請求項18】 上記磁性層が、下地層のそれぞれの結
    晶粒子に対応して成長した磁性粒子から構成され、隣り
    合う磁性粒子間に磁気的相互作用を実質的に遮断する境
    界部を有することを特徴とする請求項10から17のい
    ずれか一項に記載の磁気記録媒体。
  19. 【請求項19】 上記下地層における結晶粒子の粒子径
    と磁性層の磁性粒子の粒子径とが実質的に等しいことを
    特徴とする請求項18に記載の磁気記録媒体。
  20. 【請求項20】 上記磁性層中の磁性粒子が結晶質であ
    ることを特徴とする請求項18または19に記載の磁気
    記録媒体。
  21. 【請求項21】 上記下地層の結晶粒子の結晶配向を反
    映し磁性層の磁性粒子が一定の方向に結晶配向している
    ことを特徴とする請求項20に記載の磁気記録媒体。
  22. 【請求項22】 上記境界部が、クロム、タンタル、ニ
    オブ、チタン、ケイ素からなる群より選ばれる少なくと
    も1種類の元素を含むことを特徴とする請求項18から
    21のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
  23. 【請求項23】 上記下地層のECRスパッタ条件、結
    晶粒子径及び粒子径分布、結晶粒子の形状、結晶構造、
    結晶配向性からなる群から選ばれる少なくとも1つのパ
    ラメータを制御することで磁性層のエピタキシャル成長
    を促進させることを特徴とする請求項14に記載の磁気
    記録媒体。
  24. 【請求項24】 上記下地層の結晶粒子の格子定数と磁
    性層の磁性粒子の格子定数の差が±10%以内であるこ
    とを特徴とする請求項18から23のいずれか一項に記
    載の磁気記録媒体。
  25. 【請求項25】 上記磁性層がコバルトを主体とし、こ
    れにクロム、白金、タンタル、ニオブ、チタン、ケイ素
    からなる群から選ばれる少なくとも2種類の元素を含ん
    でいる合金膜であることを特徴とする請求項10から2
    4のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
  26. 【請求項26】 上記磁性粒子がコバルト合金であり、
    下地層の結晶粒子上からエピタキシャル成長しているこ
    とを特徴とする請求項25記載の磁気記録媒体。
  27. 【請求項27】 上記磁性粒子がコバルトを主体とし、
    ネオジウム、プラセオジウム、イットリウム、ランタ
    ン、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロ
    シウム、ホロミウム、白金、パラジウムからなる群から
    選ばれる少なくとも1種類の元素を添加した合金である
    請求項18から22のいずれか一項に記載の磁気記録媒
    体。
  28. 【請求項28】 上記下地層及び磁性層の間に、bcc
    構造を有する薄膜を備えることを特徴とする請求項10
    から27のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
  29. 【請求項29】 上記bcc構造を有する薄膜は、クロ
    ムまたはクロム合金であることを特徴とする請求項28
    に記載の磁気記録媒体。
  30. 【請求項30】 クロム合金は、クロムに、ルテニウ
    ム、モリブデン、バナジウム、ニッケル、ニオブ、アル
    ミニウム、チタン、タンタル、ジルコニウムからなる群
    より選ばれる少なくとも1種類の元素を含む合金である
    ことを特徴とする請求項29に記載の磁気記録媒体。
  31. 【請求項31】 少なくとも一つの、請求項10に記載
    の磁気記録媒体と;上記磁気記録媒体に情報を記録又は
    再生するための磁気ヘッドと;上記磁気記録媒体を上記
    磁気ヘッドに対し駆動するための駆動装置と;を含む磁
    気記録装置。
  32. 【請求項32】 上記少なくとも一つの磁気記録媒体が
    複数の磁気ディスクであり、上記駆動装置が上記複数の
    磁気ディスクを同軸上に支持して回転するための回転軸
    を備えることを特徴とする請求項30に記載の磁気記録
    装置。
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