JP2002109714A - 情報記録媒体及び情報記録装置 - Google Patents

情報記録媒体及び情報記録装置

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JP2002109714A
JP2002109714A JP2000301572A JP2000301572A JP2002109714A JP 2002109714 A JP2002109714 A JP 2002109714A JP 2000301572 A JP2000301572 A JP 2000301572A JP 2000301572 A JP2000301572 A JP 2000301572A JP 2002109714 A JP2002109714 A JP 2002109714A
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magnetic film
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JP2000301572A
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English (en)
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Fumiyoshi Kirino
文良 桐野
Nobuyuki Inaba
信幸 稲葉
Teruaki Takeuchi
輝明 竹内
Satoru Matsunuma
悟 松沼
Koichiro Wakabayashi
康一郎 若林
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Maxell Holdings Ltd
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高保磁力の情報記録膜に微小な磁区を確実に
形成できる情報記録媒体及び情報記録装置を提供する。 【解決手段】 磁気記録媒体は、基板上に軟磁性膜、非
磁性膜、硬質磁性膜を備える。軟磁性膜を構成する軟磁
性材料の飽和磁束密度が、記録用の磁気ヘッドの磁極を
構成する磁性材料の飽和磁束密度よりも大きくなるよう
にする。これにより、記録用磁気ヘッドと軟磁性膜との
間に閉磁界ループが形成され、記録用磁気ヘッドの磁極
から発生する磁束が、硬質磁性膜の微小領域に集中して
効果的に印加される。それゆえ高保磁力の硬質磁性膜に
確実に微小磁区を形成できる。本発明の情報記録装置は
50Gbits/inchを越える超高密度記録を実
現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度記録可能な
情報記録媒体及び情報記録装置に関し、特に、高い保磁
力を有する情報記録膜に磁気ヘッドの磁界を効率良く印
加して微小な記録磁区を確実に形成することができる情
報記録媒体及び情報記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の高度情報化社会の進展にはめざま
しいものがあり、各種形態の情報を統合したマルチメデ
ィアが急速に普及してきている。マルチメディアの一つ
としてコンピュータ等に装着される磁気ディスク装置が
知られている。現在、磁気ディスク装置は、記録密度を
向上させつつ小型化する方向に開発が進められている。
また、それに並行して装置の低価格化も急速に進められ
ている。
【0003】磁気ディスクの高密度化を実現するために
は、1)ディスクと磁気ヘッドとの距離を狭めること、
2)磁気記録媒体の保磁力を増大させること、3)信号
処理方法を高速化すること、4)磁気記録媒体の熱揺ら
ぎを低減すること、等が要望されている。
【0004】高密度磁気記録を実現するための磁気記録
媒体として、基板面に垂直な方向に磁化容易軸を有する
垂直磁化膜を情報記録膜に用いた垂直磁気記録媒体が知
られている。かかる垂直磁気記録媒体の情報記録膜とし
ては、例えば、Co−Cr−Pt(−Ta)系の磁性材
料が用いられている(InterMag2000 AD06)。この材料
は、20nm程度のCoの結晶粒子が析出した結晶質材
料である。かかるCo系の結晶質材料を用いた磁気記録
媒体においては、結晶質の情報記録膜と軟磁性膜を組み
合わせて2層の磁性膜を備えた構成にすることが提案さ
れている。このような軟磁性膜を形成することにより安
定して情報を記録することができるからである。例え
ば、特開平3−183011には、垂直磁気記録媒体に
好適な2層構造の磁気記録媒体の構造と、用いる軟磁性
膜の透磁率について検討した結果が開示されている。ま
た、熱安定性に優れ、高密度記録に好適な垂直磁気記録
用の磁性材料として、非晶質材料の希土類−鉄族合金が
有望であることが第23回日本応用磁気学会学術講演会
(8aB-11 1999)において報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、更なる高密
度記録化を実現するために情報記録膜の保磁力を更に高
めたとき、記録用磁気ヘッドからの磁束を情報記録膜に
効率良く印加させないと、情報記録膜を確実に磁化させ
ることは困難であると考えられる。すなわち、高密度記
録のためには、記録用磁気ヘッドからの磁束が情報記録
膜に効率良く印加されるように、磁気記録媒体を構成す
る磁性材料の磁気特性や媒体構成を選択する必要がある
と考えられる。
【0006】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであり、本発明の第1の目的は、記録用磁気ヘッ
ドからの磁界を高保磁力の情報記録膜に効率よく印加す
ることができ、情報記録膜の微小領域を確実に磁化させ
ることできる情報記録媒体及び情報記録装置を提供する
ことにある。
【0007】本発明の第2の目的は、磁化遷移領域の磁
区形状を制御することにより再生時のノイズを低減する
ことができる情報記録媒体及び情報記録装置を提供する
ことにある。
【0008】本発明の第3の目的は、記録用磁気ヘッド
からの磁束を情報記録膜に収束させて印加でき、情報記
録膜に微小な記録磁区を形成することができる情報記録
媒体及び情報記録装置を提供することにある。
【0009】本発明の第4の目的は、50Gbit/i
nchを越える超高密度記録に好適な情報記録媒体及
び情報記録装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様に従
えば、磁気ヘッドからの磁界により情報が記録される情
報記録媒体において、基板上に、軟磁性膜、非磁性膜及
び硬質磁性膜を備え、上記軟磁性膜は、上記磁気ヘッド
の磁界発生部分を構成する磁性材料の飽和磁束密度以上
の飽和磁束密度を有することを特徴とする情報記録媒体
が提供される。
【0011】本発明の情報記録媒体は、基板上に軟磁性
膜、非磁性膜及び硬質磁性膜を備えた構造を有し、硬質
磁性膜に情報を記録し得る。硬質磁性膜は、磁化容易軸
の方向が基板面に垂直な方向である垂直磁気異方性を有
する磁性膜にし得る。非磁性膜は、硬質磁性膜と軟磁性
膜とを静磁的に結合させることができる。軟磁性膜は、
その飽和磁束密度が、磁気ヘッドの磁界発生部分(磁
極)を構成する磁性材料の飽和磁束密度以上であるよう
な軟磁性材料から構成されている。すなわち、軟磁性膜
及び記録用磁気ヘッドの磁極を構成する磁性材料の飽和
磁束密度をそれぞれBs(M)及びBs(H)としたと
きに、Bs(H)≦Bs(M)の関係を満足するよう
に、軟磁性膜の磁性材料または記録用磁気ヘッドの磁極
材料が選択されている。このような構成にすることによ
り、記録用磁気ヘッドからの磁界を、情報が記録される
硬質磁性膜に効率よく印加することが可能となり、硬質
磁性膜に微小な記録磁区を確実に形成することが可能と
なる。以下、その理由について説明する。
【0012】情報記録時に、かかる情報記録媒体に、記
録用磁気ヘッドを用いて磁界を印加すると、記録用磁気
ヘッドと軟磁性膜との間で図2に示したような閉磁界ル
ープが形成される。すなわち、記録用磁気ヘッドの主磁
極から発生した磁束は、硬質磁性膜5を通過した後、軟
磁性膜3に達し、軟磁性膜3内を通過して再び硬質磁性
膜5を通過した後、記録用磁気ヘッドの副磁極に戻る。
本発明では、軟磁性膜3の飽和磁束密度を、記録用磁気
ヘッドの磁極を構成する材料の飽和磁束密度と同じかそ
れより大きくしているので、記録用磁気ヘッドの主磁極
から発生した磁束は、軟磁性膜3に良好に且つ効率良く
吸収される。その結果、硬質磁性膜の狭い範囲に磁束が
集中して印加され、高保磁力の硬質磁性膜であっても、
磁束が印加された微小領域は確実に磁化される。したが
って、硬質磁性膜に微小な記録磁区を高密度に形成する
ことが可能となる。
【0013】本発明においては、高密度記録の観点か
ら、軟磁性膜の飽和磁束密度は1.5T以上であること
が最も好ましい。これにより記録用磁気ヘッドの磁極か
ら発生する磁束を、より一層効率的に硬質磁性膜に収束
させて印加させることができる。また、情報記録媒体の
軟磁性膜の飽和磁束密度Bs(M)の値が1.5T以上
と大きい場合には、記録用磁気ヘッドと軟磁性膜との間
に高密度記録に好適な閉磁界ループを形成することがで
きる。従来技術の欄に記載した特開平3−183011
号では、軟磁性膜の透磁率についてのみ検討されてお
り、記録用磁気ヘッドと軟磁性膜の飽和磁束密度の関係
については記載も示唆もされていない。
【0014】本発明の情報記録媒体において、軟磁性膜
と硬質磁性薄膜は、上述したように、それらの間に介在
する非磁性膜により互いに静磁気的に結合している。か
かる非磁性膜の膜厚は0.2nm以上、6nm以下が好
適である。非磁性膜の膜厚が0.2nm未満の場合は非
磁性膜の成膜の制御が困難であるため好ましくなく、膜
厚が6nmを越えると軟磁性膜と硬質磁性膜との間で静
磁気的な相互作用が生じなくなるので好ましくない。
【0015】本発明において、非磁性膜は、非磁性を示
す材料であれば任意の材料を用いて構成することがで
き、例えば、Si、Cr、Nb、Mo、W、Ta、T
i、Zr、V、Re、Rh、Pt、Pd、Ir、Ru及
びCuの中から選ばれる少なくとも1種類の元素、ある
いは、Ta、Cr、Al、Si、Mg及びTiの中から
選ばれる少なくとも1種類の元素の酸化物あるいは窒化
物を用いることが最も好ましい。これらの材料は、硬質
磁性膜や軟磁性膜などの磁性膜中に不純物として含まれ
る水や酸素が磁性膜間で拡散するのを抑制できるので、
これら磁性膜の耐食性を向上させることができるととも
に、磁性膜の信頼性を向上させることができる。
【0016】本発明において、軟磁性膜の保磁力は、硬
質磁性膜の保磁力の20%以下であることが最も好まし
い。軟磁性膜の保磁力を硬質磁性膜の保磁力の20%程
度にすることより、硬質磁性膜に形成される磁区のエッ
ジ位置の制御性が向上することがわかった。この効果
は、硬質磁性膜が、希土類元素と鉄族元素との非晶質合
金を用いて構成されている場合に有効である。ここで、
一般には、保磁力が0.1Oe(約7.958A/m)
以下の磁性材料が軟磁性材料と呼ばれているが、本発明
の情報記録媒体の軟磁性膜には、硬質磁性膜の保磁力の
20%以下の保磁力を有する磁性膜も含むものとする。
【0017】本発明において、硬質磁性膜はフェリ磁性
体の薄膜であることが好ましい。フェリ磁性体は、例え
ば希土類元素と鉄族元素とから構成される非晶質合金に
することができ、希土類元素は、Gd、Tb、Dy及び
Hoの中から選ばれる少なくとも1種類の元素が好適で
あり、鉄族元素は、Fe、Co及びNiの中から選ばれ
る少なくとも1種類の元素が好適である。また、硬質磁
性膜は、鉄族元素と希土類元素とを交互に積層した交互
積層多層膜(人工格子膜)を用いて構成してもよい。本
発明において硬質磁性膜はX線回折を行なったときに結
晶構造に基づく回折ピークが観測されないような構造を
有することが好ましい。更に、上記非晶質合金中には、
SiO、Si、ZrO、AlN、Al
またはTiO等に代表される無機化合物や、Cr、N
b、TiまたはTa等に代表される非磁性の金属元素が
含まれていてもよい。かかる非晶質合金に磁区を形成す
ると、非晶質合金中の非磁性金属元素が磁壁移動の障害
となるので、微小な磁区を確実に形成することが可能と
なる。
【0018】また、硬質磁性膜は、白金属元素と鉄族元
素とから構成される人工格子膜(交互積層多層膜)にも
し得る。かかる人工格子膜において、白金族元素は、P
t、Pd及びRhの中から選ばれる少なくとも1種類の
元素が好適であり、鉄族元素がFe、Co及びNiの中
から選ばれる少なくとも1種類の元素が好適である。ま
た、硬質磁性膜は、Co−Crを主体とする磁性合金か
ら構成することもできる。この場合は、Co−Cr合金
に、Nb、Ta、Pt及びBの中から選ばれる少なくと
も1種類の元素を含ませた結晶質の合金として構成して
も良い。
【0019】本発明において、軟磁性膜を構成する磁性
材料は、Co−Zrを主体とする合金が好ましく、特
に、これにTa、Nb及びTiの中から選ばれる少なく
とも1種類の元素を含んだ非晶質合金が好適である。ま
た、軟磁性膜は、鉄族元素と希土類元素から構成される
フェリ磁性体から構成することもできる。かかるフェリ
磁性体としては、例えば、鉄族元素がFe及びCoの少
なくとも一方の元素であり、希土類元素が、Gd、E
r、Tm、Nd、Pr、Sm、Ce、La及びYの中か
ら選ばれる少なくとも1種類の元素である非晶質合金で
あることが最も好ましい。また、軟磁性膜は、図5に示
すような、Feからなる結晶粒子同士の粒界部に、T
a、Nb及びZrの中から選ばれる少なくとも1種類の
元素の窒化物または炭化物を均一に分散させて析出させ
たナノクリスタル構造を有する磁性膜であってもよい。
図5において、Fe結晶粒子の粒子径は8〜20nmで
あり、窒化物または炭化物の粒子径は3〜7nm程度で
ある。また、これらのほかに、Ni−Fe合金を主体と
する軟磁性薄膜(例えばFeの多い組成のパーマロイ)
や、希土類元素層と鉄族元素層とを交互に積層して構成
された人工格子膜(交互積層多層膜)を軟磁性膜として
用いてもよい。
【0020】本発明において、硬質磁性膜を、結晶質材
料を用いて構成した場合には、軟磁性膜も結晶質材料を
用いて構成することが好ましく、硬質磁性膜を、非晶質
材料を用いて構成した場合には、軟磁性膜も非晶質材料
を用いて構成することが好ましい。
【0021】本発明の情報記録媒体は、更に、記録用磁
気ヘッドで発生可能な最大磁界強度よりも大きな保磁
力、例えば、5kOe〜20kOe(約397.9kA
/m〜約1591.6kA/m)の保磁力を有する補助
磁性膜を備え得る。かかる補助磁性膜を備える情報記録
媒体は、後述する実施例に示すように、熱的安定性をよ
り一層高めることができる。補助磁性膜は、例えば、鉄
族元素と希土類元素とから構成される非晶質のフェリ磁
性材料から構成することができ、鉄族元素としては、例
えば、Fe及びCoの少なくとも一方が好適であり、希
土類元素としては、Tb、Ho、Dy、Gd、Er及び
Tmの中から選ばれる少なくとも一種類の元素が好適で
ある。補助磁性膜は、基板と軟磁性膜との間に形成され
ることが好ましい。
【0022】本発明の第2の態様に従えば、情報記録装
置において、基板上に、軟磁性膜、非磁性膜及び硬質磁
性膜を備える情報記録媒体と、情報を記録または再生す
るための磁気ヘッドと、上記磁気ヘッドを上記情報記録
媒体に対して駆動するための駆動装置とを備え、上記軟
磁性膜は、上記磁気ヘッドの磁界発生部分を構成する磁
性材料の飽和磁束密度以上の飽和磁束密度を有すること
を特徴とする情報記録装置が提供される。
【0023】本発明の情報記録装置は、情報を記録する
ための記録用磁気ヘッドを構成する磁性材料の飽和磁束
密度Bs(H)と、情報記録媒体の軟磁性膜の飽和磁束
密度Bs(M)とが、Bs(H)≦Bs(M)の関係を
満足しているので、記録用磁気ヘッドから発生する磁束
を、情報を記録するための硬質磁性膜の狭い領域に集中
して印加することができる。したがって、硬質磁性膜に
微小な記録磁区を形成することが可能となり、超高密度
に情報を記録することができる。
【0024】本発明の情報記録装置の磁気ヘッドは、例
えば、記録用磁気ヘッドと再生用磁気ヘッドとを一体に
して構成した磁気ヘッドにし得る。記録用磁気ヘッドに
は、例えば軟磁性膜を用いた薄膜磁気ヘッドや単磁極ヘ
ッドを用いることができる。再生用磁気ヘッドには、M
R素子(Magneto Resistive素子;磁気抵抗効果素子)
やGMR素子(Giant Magneto Resistive素子;巨大磁
気抵抗効果素子)、TMR素子(Tunneling Magneto Re
sistive素子;磁気トンネル型磁気抵抗効果素子)を用
いることができる。これらの再生素子を用いることによ
り情報記録媒体に記録された情報を高いS/Nで再生す
ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従う情報記録媒体
及び情報記録装置について実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0026】
【実施例1】この実施例では、本発明に従う磁気記録媒
体として、図1の概略断面図に示すような断面構造を有
する磁気記録媒体を作製した。磁気記録媒体10は、基
板1上に下地膜2、軟磁性膜3、非磁性膜4、硬質磁性
膜5及び保護膜6を順次積層した構造を有する。情報記
録媒体に用いる硬質磁性膜としてTb−Fe−Co、軟
質磁性膜としてCo80NbZr12の2層の磁性膜
から構成される非晶質合金膜を用いた場合である。
【0027】〔基板の準備〕まず、基板1として、直径
2.5インチ(約6.35cm)のガラス基板を用意し
た。ここで用いた基板は一例であり、いずれのサイズの
ディスク基板を用いてもよく、AlやAl合金などの金
属の基板を用いてもよい。用いる基板の材質やサイズに
本発明の効果は左右されない。また、ガラス、AlやA
l合金の基板上にメッキ法やスパッタ法によりNiP層
を形成した基板を用いても良い。
【0028】〔下地膜の成膜〕つぎに、基板1上に、下
地膜2として窒化シリコン膜をRFマグネトロンスパッ
タ法により50nmの膜厚で形成した。ターゲットには
シリコンを、放電ガスにはAr−N混合ガス(Ar/
分圧比:90/10)をそれぞれ使用した。スパッ
タ時の圧力は3mTorr(約399mPa)、投入R
F電力は1kW/150mmφである。また、スパッタ
時は、基板を冷却することなく室温とした。
【0029】基板1と情報記録膜3との接着性を向上さ
せることができるとともに、情報記録膜3に外部から磁
界を印加して磁区を形成する際のニュークリエイション
サイトとしての機能や、磁壁移動の障害としての効果が
ある。かかる効果は、下地膜2を構成する材料に依存す
る以外に、成膜の条件にも依存している。下地膜2の材
料も窒化シリコンに限ることはなく、Ni−P、Al、
Al−Cr合金、Cr、Cr−Ti合金などの金属膜を
用いても良く、あるいは、AlN、ZrO、BNなど
の無機化合物を用いても良い。
【0030】〔軟磁性膜の成膜〕つぎに、下地膜2上
に、軟磁性膜3として、途中で真空を破ることなく連続
してCo−Ta−Zr膜を200nm膜厚にRFスパッ
タ法により形成した。軟磁性膜3の膜厚は、磁気ヘッド
の形状や印加磁界の強度によって適宜選択される。ター
ゲットにCo80NbZr12を、放電ガスにArを
それぞれ使用した。スパッタの条件は、投入RFパワー
が1kW/5インチ、放電ガス圧力が10mTorrで
ある。スパッタは室温で行った。
【0031】こうして形成された軟磁性膜3の磁気特性
を調べたところ、保磁力が3.6Oe(約286.48
8kA/m)、飽和磁束密度が1.7T、比透磁率が1
000であった。また、結晶構造をX線回折法により調
べたところ、明確なピークは得られず、非晶質であるこ
とがわかった。
【0032】〔非磁性膜の成膜〕つぎに、非磁性膜4と
してSiを0.2nm膜厚にて反応性のRFマグ
ネトロンスパッタ法により形成した。ターゲットにSi
を、放電ガスにArをそれぞれ使用した。スパッ
タの条件は、投入RFパワーが1kW/5インチ、放電
ガス圧力が10mTorr(約1.33Pa)である。
非磁性膜4の膜厚は、磁気ヘッド、特に、記録ヘッドの
形状や性能に応じて調整し得る。また、非磁性膜は、そ
の表面が凹凸を有するように形成したり、アイランド状
になるように形成することが好ましい。
【0033】〔硬質磁性膜の成膜〕つぎに、硬質磁性膜
5として、Tb−Fe−Co非晶質膜を形成した。硬質
磁性膜5の組成は、Tb15Fe75Co10で、遷移
金属の副格子磁化が優勢側である。成膜にはRFマグネ
トロンスパッタ法を用いた。スパッタリングでは、Tb
−Fe−Co合金をターゲットに、純Arを放電ガスに
それぞれ使用した。形成した硬質磁性膜5の厚さは20
nmである。
【0034】ここで硬質磁性膜5の磁気特性を調べたと
ころ、保磁力は3.5kOe(約278.53kA/
m)、飽和磁化は250emu/ml、垂直磁気異方性
エネルギーは8×10erg/cmであった。この
値は、ガラス基板上に直接形成したTb−Fe−Co膜
の磁気特性である。ここで、Siなどの無機化合
物をTb−Fe−Co非晶質合金中に分散させて含ませ
てもよい。これにより、保磁力は0.5kOe(約3
9.79kA/m)大きくなり、垂直磁気異方性エネル
ギーが5×10erg/cmに減少した。このよう
に磁気特性が変化した磁性膜は、磁区サイズの小さな微
小磁区を形成することが必要な高密度記録用に特に好適
である。
【0035】〔保護膜の成膜〕最後に、保護膜6として
C膜を5nmの膜厚にECRスパッタ法により形成し
た。ターゲットにC(カーボン)を、放電ガスにArを
それぞれ用いた。スパッタ時の圧力は0.3mTorr
(約39.9mPa)、投入マイクロ波電力は0.7k
Wである。また、マイクロ波により励起されたプラズマ
を引き込むために500WのRFバイアス電圧を印加し
た。作製した保護膜6の硬度をハイジトロン社製の硬度
測定器により測定したところ21GPaであった。ま
た、ラマン分光の結果よりsp3結合が中心となってい
ることがわかった。
【0036】保護膜6の成膜では、スパッタガスにAr
を使用したが、窒素を含むガスを用いて成膜してもよ
い。窒素を含むガスを用いると、粒子が微細化するとと
もに、得られるC膜が緻密化し、保護性能を更に向上さ
せることができる。このように、保護膜の膜質はスパッ
タ条件や電極構造に大きく依存しているので、上述の条
件は絶対的なものではなく、使用する装置に応じて適宜
調整することが望ましい。
【0037】また、保護膜6の作製にECRスパッタ法
を用いたのは、膜厚が2〜3nmと極めて薄くても、緻
密で且つピンホールフリーで、しかも、カバレージの良
いC膜が得られるからである。これは、RFスパッタ法
やDCスパッタ法に比べて顕著な違いである。これに加
えて、保護膜を成膜する場合に保護膜の下地になってい
る硬質磁性膜5が受けるダメージを著しく小さくできる
という特徴もある。高密度化の進行とともに硬質記録膜
5の薄膜化が進むので、成膜時に受けるダメージによる
磁気特性の低下は致命的になるが、ECRスパッタ法を
用いることによりこれを防止することができる。
【0038】ECRスパッタ法のほかに、保護膜の成膜
にDCスパッタ法を用いても良い。しかし、この手法で
は形成する保護膜の膜厚が5nm以上の場合には用いる
ことができるが、これより薄い場合は不向きな場合があ
る。これは、1)磁性膜表面のカバレージが悪い、2)
膜の密度や硬度が十分ではない、などの理由による。
【0039】〔磁気特性の測定〕こうして図1に示す積
層構造を有する磁気記録媒体10を作製し、得られた磁
気記録媒体10の磁気特性を測定した。VSM(Vibrat
ion Sample Magnetometer)による測定からM−Hルー
プを得た。その結果から、角型比S及びSは1.0で
あり、良好な角型性が得られた。また、保磁力:Hcは
3.9kOe(約310.362kA/m)、飽和磁
化:Msは250emu/cmであった。また、垂直
磁気異方性エネルギーが8×10erg/cmであ
った。このように、図1に示す構成で磁気記録媒体を作
製すると、磁気記録媒体から得られる保磁力が増大し
た。これは、硬質磁性膜を形成する表面の形状や軟磁性
膜との磁気的相互作用を反映した結果であると考えられ
る。この磁気記録媒体の硬質磁性膜5の活性化体積を測
定してKu・v/kTの値を求めたところ350であっ
た。このことは、硬質磁性膜5が熱的安定性に優れてい
ることを示している。
【0040】〔磁気記録装置〕つぎに、磁気記録媒体の
表面上に潤滑剤を塗布することによって磁気ディスクを
完成させた。そして同様のプロセスにより複数の磁気デ
ィスクを作製し、磁気記録装置に同軸上に組み込んだ。
磁気記録装置の概略構成を図3及び図4に示す。
【0041】図3は磁気記録装置100の上面の図であ
り、図4は、磁気記録装置100の図3における破線A
−A’方向の断面図である。記録用磁気ヘッドとして、
1.5Tの飽和磁束密度を有するFe75Ni25合金
の軟磁性膜を用いた薄膜磁気ヘッドを用いた。また、記
録信号は、巨大磁気抵抗効果を有するデュアルスピンバ
ルブ型GMR磁気ヘッドにより再生した。磁気ヘッドの
ギャップ長は0.12μmであった。記録用磁気ヘッド
及び再生用磁気ヘッドは一体化されており、図3及び図
4では磁気ヘッド53として示した。この一体型磁気ヘ
ッドは磁気ヘッド用駆動系54により制御される。
【0042】複数の磁気ディスク51はスピンドル52
により同軸回転される。ここで、磁気ヘッド面と磁性膜
との距離は12nmに保った。この磁気ディスク51に
40Gbits/inch(約6.20Gbits/
cm)に相当する信号(700kFCI)を記録して
磁気ディスクのS/Nを評価したところ、34dBの再
生出力が得られた。軟磁性膜を設けない磁気ディスクよ
りも2dB以上ノイズを低減する効果が得られた。
【0043】次いで、磁気ディスクに一定のパターンを
記録し、タイムインターバルアナライザにより硬質磁性
膜に形成された磁区のエッジの揺らぎを測定した。測定
の結果、軟磁性膜を備えない磁気ディスクよりもエッジ
の揺らぎを1/10以下に低減できた。また、磁気ディ
スクの欠陥レートを測定したところ、信号処理を行なわ
ない場合の値で1×10−5以下であった。ここで、磁
気力顕微鏡(MFM)により、記録した部分の磁化状態
を観察したところ、磁化遷移領域に特有なジグザグパタ
ーンが観測されなかった。そのために、ノイズレベルを
低減できたと考えられる。更に、サブミクロン以下の微
小磁区の形成も容易に行なうことができた。
【0044】ここで、比較のために、軟磁性膜に飽和磁
束密度Bs(M)が0.9Tのパーマロイ系の軟磁性材
料を用いた以外は上記と同様に磁気ディスクを作製し、
かかる磁気ディスクに、飽和磁束密度Bs(H)が1.
7Tの軟磁性薄膜を用いた薄膜型磁気ヘッドにより、5
0Gb/inchに相当する信号を記録して磁気ディ
スクのS/Nを評価したところ、再生信号出力は31d
Bであった。このように、磁気記録媒体の軟磁性膜の飽
和磁束密度Bs(M)と記録用磁気ヘッドの飽和磁束密
度Bs(H)の関係がBs(M)<Bs(H)の場合
は、50Gb/inchを越える記録密度で情報を記
録することは困難であった。一方、磁気記録媒体の軟磁
性膜の飽和磁束密度Bs(M)と記録用磁気ヘッドの飽
和磁束密度Bs(H)が、Bs(H)<Bs(M)の関
係を満足する本発明の場合は、浮上量を16nmまで高
くしても情報を記録することができた。このことは、従
来の磁気記録装置の場合と同じ浮上量で磁気ヘッドを浮
上させて記録を行なうのであれば、磁気ディスクの硬質
磁性膜の保磁力を、例えば4kOe(約318.32k
A/m)程度に高めても情報を記録できることを意味
し、その結果磁気ディスクの熱安定性をより一層向上さ
せることができる。
【0045】本実施例では、軟磁性膜として、Co−T
a−Zr系非晶質合金を用いたが、TaをNbやTiに
変更しても同様の特性が得られた。また、Co−Zr系
以外に、非晶質の鉄族元素と希土類元素とのフェリ磁性
体を用いても同様の効果が得られた。
【0046】また、軟磁性膜を、鉄族元素と希土類元素
からなる非晶質のフェリ磁性体として構成することもで
き、この場合は、鉄族元素としてFe及びCoの少なく
とも一方の元素を用いることができ、希土類元素として
Gd、Er、Tm、Nd、Pr、Sm、Ce、La及び
Yの中から選ばれる少なくとも1種類の元素を用いるこ
とができる。かかる材料を軟磁性膜として用いた場合、
飽和磁束密度が大きくなるような組成を選択することが
できるので有効である。特に、Er(またはTm)とF
e、Co系の磁性材料を用いると、基板面に平行な方向
の異方性が大きく、飽和磁束密度増大の効果は大きい。
【0047】また、本実施例では、硬質磁性膜にTb−
Fe−Co非晶質合金を用いたが、Tb以外にDy、H
o、Gdのいずれの元素を用いても良く、この場合、垂
直磁気異方性は、Tb>Dy>Ho>Gdの順で小さく
なった。また、硬質磁性膜を構成する希土類金属とし
て、例えば、Tb−Dy、Tb−Ho、Tb−Gd、D
y−Ho、Dy−Gd、Tb−Dy−Ho、Tb−Dy
−Gd、Dy−Gd−Hoなどの複数の希土類元素を含
む合金系を用いても良い。
【0048】また、遷移金属としてFe−Co合金を用
いたが、Fe−Ni、Co−Niなどの合金を用いても
良い。これらの合金は、Fe−Co>Fe−Ni>Co
−Niの順で異方性エネルギーは減少する。
【0049】また、硬質磁性膜を構成する希土類−遷移
金属材料中の希土類元素の濃度は、20at%以上30
at%以下であることが好ましい。希土類元素をかかる
濃度範囲にすることにより、希土類−遷移金属材料は、
基板面に垂直な方向に磁気異方性を有する垂直磁化膜に
することができる。
【0050】また、非磁性膜に窒化シリコンを用いた場
合を示したが、この材料に限定されるものではなく、例
えば、Si、Cr、Nb、Mo、W、Ta、Ti、Z
r、V、Re、Rh、Pt、Pd、Ir、Ru及びCu
の中から選ばれる少なくとも1種類の元素、あるいは、
Ta、Cr、Al、Si、Mg及びTiの中から選ばれ
る少なくとも1種類の元素の酸化物または窒化物を用い
ても同様の効果が得られた。
【0051】
【実施例2】この実施例では、硬質磁性膜として、Tb
−Fe−Co系の非晶質合金膜の代わりにTb/Fe/
Co人工格子膜を用いた以外は、実施例1で作製した磁
気記録媒体(図1参照)と同様の積層構造を有する磁気
記録媒体を作製した。情報記録膜以外の成膜方法は実施
例1と同様であるので説明を省略し、硬質磁性膜(Tb
/Fe/Co人工格子膜)の成膜方法について以下に説
明する。
【0052】〔硬質磁性膜の成膜方法〕硬質磁性膜であ
るTb/Fe/Co人工格子膜の成膜では、Tb、Fe
及びCoの3源からなる多源同時スパッタ法を用いた。
各層の膜厚は、Fe(1nm)/Co(0.1nm)/
Tb(0.2nm)である。各層の膜厚は、基板の公転
速度とスパッタ時の投入電力を適当に組み合わせること
により所望の値に精密に制御できる。ここでは、投入D
C電力をTbが0.3kW、Coが0.15kW、そし
て、Feが0.7kWに設定した。基板の回転数は30
rpmである。また、スパッタ時の放電ガス圧力は3m
Torr、放電ガスには高純度のArガスを用いた。こ
うしてFe(1nm)/Co(0.1nm)/Tb
(0.2nm)から構成される積層体を周期的に積層し
て全体で約20nmになるように人工格子膜を形成し
た。
【0053】上記Tb/Fe/Co人工格子膜を作製す
る場合に重要なことは初期排気時の真空度で、ここで
は、4×10−9Torrまで排気した後に作製した。
かかる値は絶対的なものではなくスパッタの方式などに
より変化するものである。また、ここではDCマグネト
ロンスパッタ法により作製したが、RFマグネトロンス
パッタ法やエレクトロンサイクロトロンレゾナンスを利
用したスパッタ法(ECRスパッタ法)を用いて行って
もよい。
【0054】このような人工格子膜を用いると、Tb−
Fe−Co系の非晶質合金膜を用いた場合と比べて、垂
直磁気異方性エネルギーを増大することができるととも
に、熱的安定性を向上させることができる。この人工格
子膜は、FeやCoなどの遷移金属とTbなどの希土類
元素とから構成されるフェリ磁性体と実質的に同じ磁気
特性を示し、かかる人工格子膜の磁性は、遷移金属薄膜
層の磁化と希土類元素薄膜層の磁化の差となって現れ
る。この実施例で作製した人工格子膜は、遷移金属の磁
化が優勢な人工格子膜である。
【0055】つぎに、かかる人工格子膜を硬質磁性膜と
して備える磁気記録媒体の磁気特性を測定した。VSM
(Vibrating Sample Magnetometer)による測定からM
−Hループを得た。その結果から、角型比S及びS
ともに1.0であり、良好な角型性が得られたことがわ
かった。また、保磁力Hcは3.9kOe(約310.
362kA/m)であった。また、人工格子膜の磁気異
方性エネルギーは、基板面に垂直な方向の垂直磁気異方
性エネルギーが5×10erg/cmであった。更
に、磁気記録媒体の活性化体積Vを測定し、人工格子膜
の熱的安定性の指標となる値Ku・V/kTを求めたと
ころ400であった。このことは、この人工格子膜が熱
揺らぎや熱減磁が小さく、熱的安定性に優れた材料であ
ることを示している。
【0056】また、情報記録膜の断面構造を高分解能透
過型電子顕微鏡(TEM)により観察したところ、Fe
(1nm)/Co(0.1nm)/Tb(0.2nm)
からなるからなる積層体が所望の膜厚で周期的に積層さ
れた人工格子膜となっていることがわかった。
【0057】つぎに、磁気記録媒体の表面上に潤滑剤を
塗布することによって磁気ディスクを完成させた。そし
て同様のプロセスにより複数の磁気ディスクを作製し、
実施例1と同様に、図3及び4に示す磁気記録装置に同
軸上に組み込んだ。かかる磁気記録装置を用いて情報の
記録及び再生を行った。記録及び再生時には磁気ヘッド
面と磁性膜との距離を12nmに保った。磁気ディスク
に40Gb/inch に相当する信号(700kFC
I)を記録してディスクのS/Nを評価したところ、3
6dBの再生出力が得られた。また、このディスクの欠
陥レートを測定したところ、信号処理を行なわない場合
の値で、1×10−5以下であった。
【0058】本実施例では、硬質磁性膜としてTb/F
e/Co系の人工格子膜を用いた場合を示したが、Tb
以外にGd、Dy及びHoのいずれか1種類の元素を用
いても、または、Gd−Tb、Gd−Dy、Gd−H
o、Tb−Dy及びTb−Hoなどの合金を用いても同
様の効果が得られる。また、遷移金属としてFe/Co
の2層膜を用いて人工格子膜を構成したが、Fe−C
o、Fe−Ni、Co−Niなどの合金とTbなどの希
土類元素との交互積層多層膜を用いても、同様の特性を
有する磁性膜を得ることができる。
【0059】更に、このフェリ磁性体の薄膜が、白金属
元素と鉄族元素とから構成される人工格子膜(交互積層
多層膜)であってもよい。具体的には、白金族元素がP
t、Pd、Rhのうちより選ばれる少なくとも1種類の
元素であり、鉄族元素がFe、Co、Niのうちより選
ばれる少なくとも1種類の元素を用いても良いことは言
うまでもない。
【0060】
【実施例3】本実施例では、硬質磁性膜としてCo−C
r系結晶質磁性膜を、軟磁性膜としてFe系ナノクリス
タル膜を用いた以外は、実施例1で作製した磁気記録媒
体(図1参照)と同様の積層構造を有する磁気記録媒体
を作製した。以下、かかる磁気記録媒体の製造方法につ
いて図1を参照しながら説明する。
【0061】直径2.5インチ(約6.35cm)のガ
ラス基板1上に下地膜2として金属CrをRFマグネト
ロンスパッタ法により20nmの膜厚で形成した。ター
ゲット材料にはCrを用い、放電ガスにはArを用い
た。スパッタの条件は、投入RFパワーが1kW/5イ
ンチ、放電ガス圧力が5mTorrである。スパッタリ
ングは室温で行った。
【0062】つぎに、軟磁性膜3としてFe−Ta−C
膜をRFスパッタ法により作製した。ターゲット材料に
はFe79Ta12合金を用い、放電ガスにはAr
ガスを用いた。スパッタの条件は、投入RFパワーが1
kW/5インチ、放電ガス圧力が5mTorrである。
スパッタリングは室温で行った。
【0063】ここで、得られた軟磁性膜3を400℃で
熱処理した後、磁気特性を測定した。その結果、保磁力
が0.6Oe(約47.748A/m)、飽和磁束密度
が1.7T、比透磁率が1000であった。軟磁性膜で
あるFe−Ta−C膜は、成膜直後は非晶質で、且つ、
非磁性に近い薄膜である。このFe−Ta−C膜を40
0〜500度の温度で30分間熱処理することにより、
10〜20nmの粒子径サイズのFe結晶相と、3〜5
nmサイズのTaC相に相分離し、それらが結晶成長し
て磁性が発現する。得られたFe−Ta−C膜は、図5
に示すように、Fe粒子の粒界にTaCが存在している
ナノクリスタル構造の磁性膜である。ここで、熱処理時
間等は、成膜方法等に起因して変化することから、絶対
的なものではなく、適宜調整することが望ましい。
【0064】つぎに、非磁性膜4として、Ti膜を0.
5nm膜厚でRFマグネトロンスパッタ法により形成し
た。スパッタリングでは、Tiをターゲットに、Arを
放電ガスに用いた。スパッタの条件は、投入RFパワー
が1kW/5インチ、放電ガス圧力が5mTorrであ
る。スパッタリングは室温で行った。ここで、非磁性膜
4の膜厚や膜形状を精密に制御するには、ECRスパッ
タ法を用いることが特に好ましい。
【0065】次いで、Co−Cr−Pt−Ta系の硬質
磁性膜を作製した。この硬質磁性膜に垂直磁気異方性を
発現させるためには、CoのC軸を基板面に垂直に配向
させる必要がある。本実施例では、Co−Cr−Pt−
Ta系硬質磁性膜を成膜する前に、下地としてMgO膜
を5nmの膜厚で電子サイクロトロン共鳴(ECR)ス
パッタ法により形成した。スパッタ時の圧力は0.6m
Torr(約79.8mPa)、投入マイクロ波電力は
0.7kWである。また、マイクロ波により励起された
プラズマを引き込むために500WのRFバイアスを印
加した。MgO膜の成膜後に基板温度を400℃に上げ
て、Co−Cr−Pt−Ta系硬質磁性膜をDCスパッ
タ法により15nm膜厚で形成した。ターゲットには、
得たい膜組成と同じ組成のCo−Cr−Pt−Ta合金
を、放電ガスには純Arをそれぞれ使用した。スパッタ
時の圧力は、3mTorr(約399mPa)である。
投入DC電力は1kW/150mmφである。
【0066】かかる硬質磁性膜の成膜にはECRスパッ
タ法を用いても良い。ECRスパッタ法を用いることに
より、硬質磁性膜の結晶粒子サイズ及びその分布を高精
度に制御することが可能となる。
【0067】最後に、保護膜として、C(カーボン)膜
をECRスパッタ法により3nmの膜厚に形成した。タ
ーゲットには、リング状のカーボンターゲットを用い
た。また、放電ガスにはArを用い、スパッタ時の圧力
は3mTorr(約399mPa)、投入マイクロ波電
力は1kW(周波数は2.93GHz)、基板温度は室
温である。マイクロ波により励起されたプラズマを引き
込むために、500WのRFバイアスをターゲットに印
加した。ここで、カーボンは導電体であるので、RFバ
イアスの代わりにDC電圧を印加して引き込んでも同様
の効果が得られる。
【0068】つぎに、上述のようにして作製された磁気
記録媒体の磁気特性を測定した。VSM測定からM−H
ループを求めたところ、角型比S及びSは1.0であ
り、良好な角型性が得られた。また、保磁力:Hcは
3.5kOe(約278.53kA/m)、飽和磁化:
Msは300emu/cmであった。また、垂直磁気
異方性エネルギーが6×10erg/cmであっ
た。この磁気記録媒体の活性化体積を測定したところ、
Ku・v/kT=150であった。
【0069】つぎに、このような磁気特性を有する磁気
記録媒体の表面に潤滑剤を塗布して磁気ディスクを完成
させた。そして同様のプロセスにより複数の磁気ディス
クを作製し、実施例1と同様に、図2及び3に示す磁気
記録装置に同軸上に組み込んだ。かかる磁気記録装置を
用いて情報の記録及び再生を行なって、磁気ディスクの
記録再生特性を評価した。記録及び再生時には磁気ヘッ
ド面と硬質磁性膜との距離を12nmに保った。ここで
は、記録用磁気ヘッドの飽和磁束密度Bs(H)が1.
5Tであり、磁気記録媒体の軟磁性膜の飽和磁束密度B
s(M)が1.7Tであり、Bs(H)<Bs(M)の
関係を満足しているために、磁気ヘッドからの磁束は軟
磁性膜に十分に引き込まれ、硬質磁性膜の微小領域を確
実に磁化することができる。この磁気ディスクに50G
bits/inch(約7.75Gbits/c
)に相当する信号を記録してディスクのS/Nを評
価したところ、33dBの再生出力が得られた。また、
磁気ディスクに一定のパターンの記録マークを記録し、
タイムインターバルアナライザにより磁区のエッジの揺
らぎを測定した。その結果、軟磁性膜を設けない磁気デ
ィスクの場合よりも、エッジの揺らぎを1/10以下に
低減できた。また、この磁気ディスクの欠陥レートを測
定したところ、信号処理を行なわない場合の値で、1×
10−5以下であった。
【0070】
【実施例4】この実施例では、図6に示すように下地膜
2と軟磁性膜3との間に補助磁性膜7を形成した以外
は、実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。補
助磁性膜7は、記録用磁気ヘッドで発生可能な最大磁界
強度よりも大きな保磁力を有するフェリ磁性材料のGd
25Co75から構成される。補助磁性膜7の成膜に
は、RFマグネトロンスパッタ法を用いた。ターゲット
材料にGd−Co合金を用い、放電ガスに純Arを用い
た。補助磁性膜7の膜厚は50nmとした。補助磁性膜
7の磁気特性を評価したところ補償組成であった。また
保磁力は20kOe(約1591.6kA/m)以上の
大きさであった。
【0071】かかる補助磁性膜を備える磁気記録媒体の
熱安定性を調べるために、本実施例で作製した磁気記録
媒体を実施例1と同様に磁気記録装置に組み込んで、次
のような環境試験を行なった。まず、磁気記録媒体に5
0Gbits/inch(約7.75Gbits/c
)に相当する信号を記録して磁気記録媒体のS/N
を測定した。次いで、信号が記録された磁気記録媒体を
60℃〜80℃の環境下に1000時間〜3000時間
放置した。その後、再び磁気記録媒体のS/Nを測定し
た。かかる環境試験の結果、環境試験後に測定したS/
Nは、環境試験前のS/Nに比べて2%〜3%以下と信
号強度が低下していた。同様の環境試験を実施例1で作
製した磁気記録媒体について行なったところ、環境試験
後のS/Nの低下は5%〜6%であった。このように、
下地膜と軟磁性膜との間に補助磁性膜を形成することに
より熱的安定性を高めることができた。また、軟磁性膜
を備えない従来の磁気記録媒体についても同様に環境試
験を行なったところ、環境試験後のS/Nの低下は15
%〜20%であり、再生信号強度が著しく低下してい
た。
【0072】以上、本発明の情報記録媒体及び情報記録
装置について具体的に説明したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、種々の変形例及び改良例も含み得
る。
【0073】例えば、上記実施例1〜4でそれぞれ作製
した磁気記録媒体において、S/Nの向上を図ることを
目的として、Pt−Co合金膜を磁性膜上に形成しても
良い。Pt−Co合金膜の成膜には、例えば、Pt、C
oの2源のターゲットからなる2源同時スパッタ法を用
いることができる。また、2源同時スパッタ法以外に、
RFマグネトロンスパッタ法やDCマグネトロンスパッ
タ法、共鳴吸収法を用いたECRスパッタ法を用いても
よく、成膜方法に特性が依存するものではない。
【0074】
【発明の効果】本発明の情報記録媒体は、記録用磁気ヘ
ッドと軟磁性膜との間に情報記録用の硬質磁性膜が介在
するように構成されるとともに、軟磁性膜を、記録用磁
気ヘッドの磁極を構成する磁性材料の飽和磁束密度以上
の飽和磁束密度を有する軟磁性材料を用いて構成してい
るので、記録用磁気ヘッドの磁極から発生する磁束を硬
質磁性膜に極めて有効に印加することができる。それゆ
え、高保磁力の磁性材料を用いて硬質磁性膜を構成して
も、硬質磁性膜に微小な記録磁区を確実に形成すること
が可能である。また、記録磁区は高精度に位置決めされ
ているとともにエッジの揺らぎが低減されているので、
微小磁区であっても確実に再生することができる。ま
た、軟磁性膜と基板との間にフェリ磁性の補助磁性膜を
形成することにより磁気記録媒体の熱安定性をより一層
高めることができる。
【0075】本発明の情報記録装置は、本発明の第1の
態様に従う情報記録媒体を備えるので、情報記録媒体に
微小磁区を確実に且つ高精度に形成することが可能であ
り、50Gbits/inch(約7.75Gbit
s/cm)を越える超高密度記録を実現することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う磁気記録媒体の断面構造を模式的
に示す図である。
【図2】記録用磁気ヘッド(単磁極ヘッド)と硬質磁性
膜と軟磁性膜との間に形成される閉磁界ループの様子を
模式的に示す図である。
【図3】本発明に従う磁気記録装置の概略構成図であ
る。
【図4】図3の磁気記録装置のA−A’方向における断
面図である。
【図5】ナノクリスタル構造を有する磁性膜を模式的に
示した図であり、Feの結晶粒子の粒界部にTaCが分
散して析出している様子を示している。
【図6】実施例4で作製した、補助磁性膜を備える磁気
記録媒体の概略断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下地膜 3 軟磁性膜 4 非磁性膜 5 硬質磁性膜 6 保護膜 7 補助磁性膜 10 磁気記録媒体 51 磁気ディスク 52 スピンドル 53 磁気ヘッド 54 磁気ヘッドの駆動系 100 磁気記録装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 10/30 H01F 10/30 (72)発明者 竹内 輝明 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 松沼 悟 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 若林 康一郎 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 5D006 BB01 BB02 BB07 BB08 CA03 CA05 CA06 FA09 5E049 AA01 AA04 AA07 AA09 AC05 BA06 BA08 CB02 DB14

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ヘッドからの磁界により情報が記録
    される情報記録媒体において、 基板上に、軟磁性膜、非磁性膜及び硬質磁性膜を備え、 上記軟磁性膜は、上記磁気ヘッドの磁界発生部分を構成
    する磁性材料の飽和磁束密度以上の飽和磁束密度を有す
    ることを特徴とする情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記硬質磁性膜は、基板面に垂直な方向
    に磁化容易軸を有することを特徴とする請求項1に記載
    の情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記軟磁性膜が、Co−Zrを主体とす
    る合金、または当該合金にTa、Nb及びTiからなる
    群から選ばれた少なくとも1種類の元素が含まれた合金
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の情報
    記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記軟磁性膜が、鉄族元素と希土類元素
    とから構成される非晶質のフェリ磁性体であることを特
    徴とする請求項1または2に記載の情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記軟磁性膜が、鉄族元素からなる膜と
    希土類元素からなる膜とを交互に積層した人工格子膜で
    あることを特徴とする請求項1または2に記載の情報記
    録媒体。
  6. 【請求項6】 上記鉄族元素が、Fe及びCoの少なく
    とも一方の元素であり、上記希土類元素が、Gd、E
    r、Tm、Nd、Pr、Sm、Ce、La及びYからな
    る群から選ばれた少なくとも1種類の元素であることを
    特徴とする請求項4に記載の情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 上記軟磁性膜が、Ni−Feを主体とす
    る合金から構成されていることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の情報記録媒体。
  8. 【請求項8】 上記軟磁性膜は、Ta、Nb及びZrか
    らなる群から選ばれた少なくとも1種類の元素の窒化物
    または炭化物がFe結晶粒子の粒界に分散されたナノク
    リスタル構造を有することを特徴とする請求項1または
    2に記載の情報記録媒体。
  9. 【請求項9】 上記軟磁性膜の飽和磁束密度が1.5T
    以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一
    項に記載の情報記録媒体。
  10. 【請求項10】 上記軟磁性膜の保磁力が硬質磁性膜の
    保磁力の20%以下であることを特徴とする請求項1〜
    9のいずれか一項に記載の情報記録媒体。
  11. 【請求項11】 上記硬質磁性膜は、フェリ磁性材料を
    用いて形成されていることを特徴とする請求項1〜10
    のいずれか一項に記載の情報記録媒体。
  12. 【請求項12】 上記硬質磁性膜は、希土類元素と鉄族
    元素とを用いて構成されていることを特徴とする請求項
    11に記載の情報記録媒体。
  13. 【請求項13】 上記希土類元素は、Gd、Tb、Dy
    及びHoからなる群から選ばれた少なくとも1種類の元
    素であり、上記鉄族元素は、Fe、Co及びNiからな
    る群から選ばれた少なくとも1種類の元素であることを
    特徴とする請求項12に記載の情報記録媒体。
  14. 【請求項14】 上記硬質磁性膜が、白金属元素からな
    る層と鉄族元素からなる層とを交互に積層して構成され
    る人工格子膜であることを特徴とする請求項1〜10の
    いずれか一項に記載の情報記録媒体。
  15. 【請求項15】 上記白金族元素は、Pt、Pd及びR
    hからなる群から選ばれた少なくとも1種類の元素であ
    り、上記鉄族元素は、Fe、Co及びNiからなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種類の元素であることを特徴と
    する請求項14に記載の情報記録媒体。
  16. 【請求項16】 上記硬質磁性膜がCo−Crを主体と
    する磁性合金、または、当該磁性合金にNb、Ta、P
    t及びBからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元
    素を含んだ合金から構成されていることを特徴とする請
    求項1〜10のいずれか一項に記載の情報記録媒体。
  17. 【請求項17】 上記非磁性膜の膜厚が0.2nm以
    上、6nm以下であることを特徴とする請求項1〜16
    のいずれか一項に記載の情報記録媒体。
  18. 【請求項18】 上記非磁性膜は、Si、Cr、Nb、
    Mo、W、Ta、Ti、Zr、V、Re、Rh、Pt、
    Pd、Ir、Ru及びCuからなる群から選ばれた少な
    くとも1種類の元素、若しくは、Ta、Cr、Al、S
    i、Mg及びTiからなる群から選ばれた少なくとも1
    種類の元素の酸化物または窒化物を用いて構成されてい
    ることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記
    載の情報記録媒体。
  19. 【請求項19】 上記軟磁性膜及び硬質磁性膜が、とも
    に結晶質構造を有することを特徴とする請求項1または
    2に記載の情報記録媒体。
  20. 【請求項20】 上記軟磁性膜及び硬質磁性膜が、とも
    に非晶質構造を有することを特徴とする請求項1または
    2に記載の情報記録媒体。
  21. 【請求項21】 更に、上記磁気ヘッドから発生する磁
    界強度よりも高い保磁力を有するフェリ磁性材料から構
    成される補助磁性膜を備えることを特徴とする請求項1
    〜20のいずれか一項に記載の情報記録媒体。
  22. 【請求項22】 上記補助磁性膜は、上記基板と軟磁性
    膜との間に形成されていることを特徴とする請求項21
    に記載の情報記録媒体。
  23. 【請求項23】 情報記録装置において、 基板上に、軟磁性膜、非磁性膜及び硬質磁性膜を備える
    情報記録媒体と、 情報を記録または再生するための磁気ヘッドと、 上記磁気ヘッドを上記情報記録媒体に対して駆動するた
    めの駆動装置とを備え、 上記軟磁性膜は、上記磁気ヘッドの磁界発生部分を構成
    する磁性材料の飽和磁束密度以上の飽和磁束密度を有す
    ることを特徴とする情報記録装置。
  24. 【請求項24】 上記硬質磁性膜は、基板面に垂直な方
    向に磁化容易軸を有することを特徴とする請求項23に
    記載の情報記録装置。
  25. 【請求項25】 上記軟磁性膜が、Co−Zrを主体と
    する合金、または当該合金にTa、Nb及びTiからな
    る群から選ばれた少なくとも1種類の元素が含まれた合
    金であることを特徴とする請求項23または24に記載
    の情報記録装置。
  26. 【請求項26】 上記軟磁性膜が、鉄族元素と希土類元
    素とから構成される非晶質のフェリ磁性体であり、上記
    鉄族元素が、Fe及びCoの少なくとも一方の元素であ
    り、上記希土類元素が、Gd、Er、Tm、Nd、P
    r、Sm、Ce、La及びYからなる群から選ばれた少
    なくとも1種類の元素であることを特徴とする請求項2
    3または24に記載の情報記録装置。
  27. 【請求項27】 上記軟磁性膜が、鉄族元素からなる膜
    と希土類元素からなる膜とを交互に積層した人工格子膜
    であることを特徴とする請求項23または24に記載の
    情報記録装置。
  28. 【請求項28】 上記軟磁性膜は、Ta、Nb及びZr
    からなる群から選ばれた少なくとも1種類の元素の窒化
    物または炭化物がFe結晶粒子の粒界に分散されたナノ
    クリスタル構造を有することを特徴とする請求項23ま
    たは24に記載の情報記録装置。
  29. 【請求項29】 上記軟磁性膜が、Ni−Feを主体と
    する合金から構成されていることを特徴とする請求項2
    3または24に記載の情報記録装置。
  30. 【請求項30】 上記軟磁性膜の飽和磁束密度が1.5
    T以上であることを特徴とする請求項23〜29のいず
    れか一項に記載の情報記録装置。
  31. 【請求項31】 上記硬質磁性膜は、希土類元素と鉄族
    元素とからなるフェリ磁性材料を用いて構成され、上記
    希土類元素は、Gd、Tb、Dy及びHoからなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種類の元素であり、上記鉄族元
    素は、Fe、Co及びNiからなる群から選ばれた少な
    くとも1種類の元素であることを特徴とする請求項23
    〜30のいずれか一項に記載の情報記録装置。
  32. 【請求項32】 上記硬質磁性膜が、白金属元素からな
    る層と鉄族元素からなる層とを交互に積層して構成され
    る人工格子膜であり、上記白金族元素は、Pt、Pd及
    びRhからなる群から選ばれた少なくとも1種類の元素
    であり、上記鉄族元素は、Fe、Co及びNiからなる
    群から選ばれた少なくとも1種類の元素であることを特
    徴とする請求項23〜30のいずれか一項に記載の情報
    記録装置。
  33. 【請求項33】 上記硬質磁性膜が、Co−Crを主体
    とする磁性合金、または、当該磁性合金にNb、Ta、
    Pt及びBからなる群から選ばれる少なくとも1種類の
    元素を含んだ合金から構成されていることを特徴とする
    請求項23〜30のいずれか一項に記載の情報記録装
    置。
  34. 【請求項34】 上記非磁性膜の膜厚が0.2nm以
    上、6nm以下であることを特徴とする請求項23〜3
    3のいずれか一項に記載の情報記録装置。
  35. 【請求項35】 上記非磁性膜は、Si、Cr、Nb、
    Mo、W、Ta、Ti、Zr、V、Re、Rh、Pt、
    Pd、Ir、Ru及びCuからなる群から選ばれた少な
    くとも1種類の元素、若しくは、Ta、Cr、Al、S
    i、Mg及びTiからなる群から選ばれた少なくとも1
    種類の元素の酸化物または窒化物を用いて構成されてい
    ることを特徴とする請求項23〜34のいずれか一項に
    記載の情報記録装置。
  36. 【請求項36】 更に、上記磁気ヘッドから発生する磁
    界強度よりも高い保磁力を有するフェリ磁性材料から構
    成される補助磁性膜を備え、該補助磁性膜は、上記基板
    と軟磁性膜との間に形成されていることを特徴とする請
    求項23〜35のいずれか一項に記載の情報記録装置。
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