JP2002074636A - 磁気記録媒体及びその製造方法並びに磁気記録装置 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法並びに磁気記録装置

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JP2002074636A
JP2002074636A JP2000265185A JP2000265185A JP2002074636A JP 2002074636 A JP2002074636 A JP 2002074636A JP 2000265185 A JP2000265185 A JP 2000265185A JP 2000265185 A JP2000265185 A JP 2000265185A JP 2002074636 A JP2002074636 A JP 2002074636A
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Fumiyoshi Kirino
文良 桐野
Harumi Sakamoto
晴美 坂本
Akira Yano
亮 矢野
Koichiro Wakabayashi
康一郎 若林
Satoru Matsunuma
悟 松沼
Teruaki Takeuchi
輝明 竹内
Masaki Sekine
正樹 関根
Hiroyuki Awano
博之 粟野
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微小な記録磁区のエッジの揺らぎを低減して
超高密度に情報を記録できる磁気記録媒体及びそれを備
える磁気記録装置を提供する。 【解決手段】 磁気記録媒体10は、磁性膜3中に酸素
または窒素の少なくとも一方を有意の量で含有してい
る。酸素または窒素は、磁性膜3を構成する元素と結合
して磁性膜3中で化合物を形成する。磁性膜3中の化合
物は磁性膜3内で分散し、磁壁の移動を妨げるピンニン
グサイトとして存在する。磁壁移動型の磁性膜に微小磁
区を形成しても、ピンニングサイトによりピン止めされ
るので、磁区のエッジ位置が揺らぐことを低減できる。
かかる磁性膜を備える磁気記録媒体は40Gbit/i
nchを超える記録密度を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度記録可能な
磁気記録媒体及びそれを装着した磁気記録装置に関し、
特に、高密度記録によって形成された微小磁区のエッジ
の揺らぎを防止し、微小磁区の位置を高精度に確定する
ことができる磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記憶装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の高度情報化社会の進展にはめざま
しいものがあり、各種形態の情報を統合したマルチメデ
ィアが急速に普及してきている。マルチメディアの一つ
としてコンピュータ等に装着される磁気ディスク装置が
知られている。現在、磁気ディスク装置は、記録密度を
向上させつつ小型化する方向に開発が進められている。
また、それに並行して装置の低価格化も急速に進められ
ている。
【0003】磁気ディスクの高密度化を実現するために
は、1)ディスクと磁気ヘッドとの距離を狭めること、
2)磁気記録媒体の保磁力を増大させること、3)信号
処理方法を高速化すること、4)磁気記録媒体の熱揺ら
ぎを低減すること、等が要望されている。
【0004】磁気記録媒体において高密度磁気記録を実
現するには、磁性膜の保磁力の増大が必要である。磁気
記録媒体の磁性膜には、Co−Cr−Pt(−Ta)系
の材料が広く用いられていた。この材料は、20nm程
度のCoの結晶粒子が析出した結晶質材料である。かか
る材料を用いた磁気記録媒体において、例えば、40G
bit/inch(約6.20Gbit/cm)を
超える面記録密度を実現するためには、記録時や消去時
に磁化反転が生じる単位(磁気クラスター)を更に小さ
くするとともに、その粒子サイズの分布を小さくして、
磁性膜の構造や組織を精密に制御しなければならない。
このように磁性膜構造や組成を制御することにより、再
生時に媒体から発生するノイズを低減することができ
る。しかし、結晶粒子サイズに分布が存在し、サイズの
小さな粒子が存在していると、熱減磁や熱揺らぎが生じ
て、形成した磁区が安定に存在できない場合があった。
これは、サイズの小さな粒子がトリガーとなり、この粒
子を核として磁化反転が生じるためである。特に、記録
密度の増大に伴って磁区が微細化されると熱減磁や熱揺
らぎの影響は著しい。
【0005】このように、高密度記録のためには、磁性
層の熱的安定性を高めなければならない。磁性層の熱的
安定性については、Ku・V/k・Tで示される値を指
標とすることができる。ここで、Ku:磁気異方性エネ
ルギー、V:活性化体積、k:ボルツマン定数、T:温
度である。この値が大きいほど、磁性層は熱的に安定で
あることを示す。それゆえ、磁性層の熱的安定性を高め
るには、活性化体積V及び磁気異方性エネルギーKuを
大きくする必要がある。
【0006】これまで、活性化体積Vや磁気異方性エネ
ルギーKuを増大するために、磁性膜の組成や構造、さ
らには、磁気記録媒体の構造を工夫することにより検討
されてきた。それを実現する方法として、例えば、米国
特許4652499号には基板と磁性膜との間にシード
膜を設ける方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
シード膜を設ける方法を用いて磁性膜における磁性粒子
径及びその分布を制御することには限界があり、微小な
粒子や粗大化した粒子が混在している場合があった。微
小な粒子や粗大化した粒子は、情報を記録する場合(磁
化を反転させる場合)に、周囲の磁性粒子からの漏洩磁
界の影響を受ける。例えば、大きな粒子は、周囲の粒子
に磁気的な相互作用を与えるために、安定した記録が行
なえないという課題があった。
【0008】また、Co系の結晶質の材料においては、
磁性粒子が微細化すると磁性結晶粒子の有する磁性が、
メゾスコピックな領域に入るために変化すると予想され
る。その結果、磁性膜の耐熱性の確保が更に困難にな
る。かかる磁性膜の耐熱性を確保するために希土類元素
と鉄族元素とからなる非晶質合金(希土類−遷移金属合
金)を磁性膜に用いることが検討されている。しかし、
かかる非晶質合金は熱安定性に優れているが、磁壁が移
動しやすいために、情報記録時に磁区の位置を正確に確
定できるように磁壁位置(情報ビット位置に相当)を高
精度に決定する必要があった。これは、希土類−遷移金
属合金が磁壁移動型の磁性材料であることに起因してい
る。
【0009】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであり、本発明の第1の目的は、情報記録時に非
晶質の磁性膜に形成される磁壁の位置(すなわち磁区の
位置)を高精度に決定できる磁気記録媒体及びそれを備
える磁気記録装置を提供することにある。
【0010】本発明の第2の目的は、磁性膜の活性化体
積が大きく且つ熱的安定性が高く、再生性能に優れた磁
気記録媒体及びそれを備える磁気記録装置を提供するこ
とにある。
【0011】本発明の第3の目的は、磁化遷移領域の磁
区形状を制御することにより再生時のノイズを低減する
ことができる磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記録装
置を提供することにある。
【0012】本発明の第4の目的は、40Gbit/i
nchを越える超高密度記録に好適な磁気記録媒体及
びそれを用いた磁気記録装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様に従
えば、磁気記録媒体において、基板と、情報が記録され
る磁性膜とを備え、該磁性膜が、酸素及び窒素の少なく
とも一方の元素を含有する非晶質膜であることを特徴と
する磁気記録媒体が提供される。
【0014】本発明の磁気記録媒体は、情報記録用の磁
性膜として、非晶質膜のような磁壁移動型の磁性膜の中
に酸素または窒素の少なくとも一方を、不純物レベルで
はなく有意の量で含有している。磁性膜中に含まれる有
意量の酸素または窒素は、磁性膜中で単体としてまたは
磁性膜を構成する材料との化合物(酸化物や窒化物)と
して分散して存在する。磁性膜中の酸素または窒素の化
合物若しくは単体は、その磁気的性質が弱くなっている
か、または消失しているので、磁性膜に形成された磁壁
の移動を有効に防止することができる。
【0015】従来、非晶質膜のような磁壁移動型の磁性
膜に磁区を形成すると、図4(B)に模式的に示すよう
に、隣同士の磁区によって形成される磁壁が面内方向に
容易に移動してしまうために、記録した磁区のエッジ位
置が揺らいでいた。そのため、磁性膜中に形成される磁
区の形状や位置を高精度に決定することが困難であっ
た。本発明では、図4(A)に示すように、酸素または
窒素の化合物若しくは単体が磁性膜中で異物となって分
散し、それぞれの化合物または単体が存在している領域
がピンニングサイトを構成している。かかる磁性膜に磁
区を形成すると磁性膜中のピンニングサイトが磁壁の移
動の妨げとなるので、磁性膜に記録された磁区は揺らぐ
ことなく所望の位置に所望の形状で正確に形成される。
【0016】本発明において、磁性膜中で酸素または窒
素をピンニングサイトとして有効に機能させるために
は、磁性膜中の酸素及び窒素の少なくとも一方の含有量
は、例えば、ESCA(Electron Spectroscopy for Ch
emical Analysis)またはAES(Auger Electron Spec
troscopy)の分析結果からすると、少なくとも1at%
以上であり、好ましくは1at%〜20at%である。
【0017】本発明において、磁性膜は、例えば、酸素
または窒素を有意の量で含む層と、酸素及び窒素を実質
的に含まない層とから構成することができ、それらの層
が周期的に積層した構造にすることができる。酸素また
は窒素を含む層は、当該層を平面から観察したときに酸
素または窒素を含む領域が、面内でアイランド状に分散
して形成されていることが特に好ましいが、面内全体に
わたって形成されていてもよい。また、酸素及び窒素を
実質的に含まない層の膜厚は3nm以上10nm以下で
あることが好ましく、酸素または窒素を含む層の膜厚
は、0.05nm以上0.5nm以下であることが好ま
しい。
【0018】本発明の第1の態様において、非晶質の磁
性膜には、例えば、希土類元素と鉄族元素とから構成さ
れたフェリ磁性材料を用いることができ、希土類元素と
しては、例えばGd、Tb、Dy、Hoのうちより選ば
れる少なくとも1種類の元素が好適であり、鉄族元素と
してはFe、Co、Niのうちより選ばれる少なくとも
1種類の元素が好適である。かかる構成の場合、磁性膜
中に含まれる酸素または窒素は、希土類元素と結合して
いることが好ましい。
【0019】本発明において、非晶質膜には人工格子膜
を含み得る。かかる人工格子膜は、例えば、希土類元素
から構成される層と鉄族元素から構成される層とを交互
に積層してなる人工格子膜(交互積層多層膜)にし得
る。希土類元素としては、例えばGd、Tb、Dy、H
oのうちより選ばれる少なくとも1種類の元素が好適で
あり、鉄族元素としてはFe、Co、Niのうちより選
ばれる少なくとも1種類の元素が好適である。かかる構
成の場合、酸素または窒素は、鉄族元素から構成される
層の中に含有されていることが好ましく、上述の鉄族元
素のうちCo層であることが最も好ましい。これは、C
oが鉄族元素の中で最も磁気的相互作用が強いからであ
り、酸素や窒素をCoに添加することにより非磁性を示
すようにすることができる。その結果、非磁性領域が磁
性膜内において無数に点在するようになり交換結合力を
低下させることができる。これにより磁性膜に極めて微
小な磁区を形成することが可能となるので超高密度記録
を実現することができる。
【0020】また、人工格子膜は、白金属元素から構成
される層と鉄族元素から構成される層とを交互に積層し
てなる人工格子膜(交互積層多層膜)にもし得る。白金
族元素には、Pt、Pd、Rhのうちより選ばれる少な
くとも1種類の元素が好適であり、鉄族元素にはFe、
Co、Niのうちより選ばれる少なくとも1種類の元素
が好適である。この場合も、人工格子膜を構成する層の
中で、鉄族元素から構成される層の中に酸素あるいは窒
素を含有させることが好ましく、特に、Coからなる層
に酸素または窒素を含有させることが最も好ましい。
【0021】本発明の第1の態様において、磁性膜は、
基板表面に対して垂直な方向に磁化容易軸を有する垂直
磁気異方性を有することが好ましい。
【0022】本発明の第2の態様に従えば、本発明の第
1の態様に従う磁気記録媒体と、情報を記録または再生
するための磁気ヘッドと、上記磁気ヘッドを上記磁気記
録媒体に対して駆動するための駆動装置とを有する磁気
記録装置が提供される。
【0023】本発明の磁気記録装置は、本発明の第1の
態様に従う磁気記録媒体を装着しているので、画像や音
声、コードデータなどの情報を超高密度に且つ正確に記
録することができる。それゆえ大記憶容量の磁気記録装
置を提供することができる。
【0024】本発明の磁気記録装置の磁気ヘッドは、磁
気記録媒体に記録された情報を再生するための再生素子
として、MR素子(Magneto Resistive素子;磁気抵抗
効果素子)やGMR素子(Giant Magneto Resistive素
子;巨大磁気抵抗効果素子)、TMR素子(Tunneling
Magneto Resistive素子;磁気トンネル型磁気抵抗効果
素子)を搭載することができる。これらの再生素子を用
いることにより磁気記録媒体に記録された情報を高いS
/Nで再生することができる。
【0025】本発明の第3の態様に従えば、基板上に、
情報が記録される磁性膜を備える磁気記録媒体の製造方
法において、上記磁性膜が、非晶質膜であり、上記磁性
膜を、酸素及び窒素の少なくとも一方を不活性ガス中に
含有した雰囲気でスパッタすることにより成膜すること
を特徴とする製造方法が提供される。
【0026】本発明の第3の態様の製造方法によれば、
磁性膜中に酸素及び窒素の少なくとも一方を有意量で含
ませることができるので、本発明の第1の態様に従う磁
気記録媒体を製造する方法として極めて好適である。
【0027】本発明の第3の態様に従う製造方法におい
て、スパッタを行なう際のスパッタガス雰囲気中に酸素
及び窒素の少なくとも一方を0.1vol%〜20vo
l%の濃度で含ませることが好ましい。
【0028】また、本発明の製造方法においては、スパ
ッタ成膜室の真空度を通常よりも意図的に低下させるこ
とによっても、結果としてスパッタガス雰囲気中に酸素
または窒素を含ませることができる。
【0029】また、本発明の第3の態様の製造方法で
は、スパッタを行なう際に酸素または窒素を含ませてい
るので、ターゲットを構成する材料中にそれらと反応し
やすい材料がある場合、所望の組成の磁性膜を形成する
ことができなくなる恐れがある。それゆえ、酸素または
窒素と反応する材料の組成比を調整してターゲット材料
を構成することが望ましい。
【0030】本発明の第4の態様に従えば、基板上に、
情報が記録される磁性膜を備える磁気記録媒体の製造方
法において、上記磁性膜が非晶質膜であり、上記磁性膜
の成膜に不活性ガス雰囲気でスパッタする方法を用い、
磁性膜の成膜中に、スパッタ操作を一時的に中断する操
作を含むことを特徴とする製造方法が提供される。
【0031】本発明の第4の態様の製造方法では、磁性
膜を成膜する際に、スパッタ操作を一時的に中断するこ
とにより、成膜された磁性膜表面を、不活性ガス雰囲気
中に不純物として含まれる酸素または窒素で自然酸化ま
たは自然窒化させる。また、スパッタする操作と、スパ
ッタを一時的に中断する操作を複数回繰り返して行なう
ことにより、成膜される磁性膜を、酸素または窒素を有
意量で含む層と、酸素及び窒素を実質的に含まない層と
を交互に積層した構造にすることができる。それゆえ本
発明の第1の態様に従う磁気記録媒体を製造する方法と
して極めて好適である。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従う磁気記録媒体
及びその製造方法並びに磁気記録装置について実施例を
用いて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるも
のではない。
【0033】
【実施例1】この実施例では、本発明に従う磁気記録媒
体として、図1の概略断面図に示すような断面構造を有
する磁気記録媒体を作製した。磁気記録媒体10は、基
板1上に下地膜2、磁性膜3及び保護膜4を順次積層し
た構造を有する。以下、磁気記録媒体10の製造方法に
ついて説明する。
【0034】〔基板の準備〕まず、基板1として、直径
2.5インチ(約6.35cm)のガラス基板を用意し
た。ここで用いた基板は一例であり、いずれのサイズの
ディスク基板を用いてもよく、AlやAl合金などの金
属の基板を用いてもよい。用いる基板の材質やサイズに
本発明の効果は左右されない。また、ガラス、AlやA
l合金の基板上にメッキ法やスパッタ法によりNiP層
を形成した基板を用いても良い。
【0035】〔下地膜の成膜〕つぎに、この基板1上
に、下地膜2として窒化シリコン膜をRFマグネトロン
スパッタ法により50nmの膜厚で形成した。下地膜2
は、基板1と磁性膜3との接着性を向上させることがで
きる。ターゲット材料にはシリコンを、放電ガスにはA
r−N混合ガス(Ar/N分圧比:90/10)を
それぞれ使用した。スパッタ時の圧力は3mTorr
(約399mPa)、投入RF電力は1kW/150m
mφである。また、スパッタは室温にて行った。
【0036】下地膜2は、磁性膜3に外部から磁界を印
加して磁区を形成する際のニュークリエイションサイト
(磁区形成時の核となる位置)としての機能や、磁壁移
動の障害としての効果がある。かかる効果は、下地膜2
を構成する材料に依存する以外に、成膜の条件にも依存
している。下地膜2の材料も窒化シリコンに限ることは
なく、Ni−P、Al、Al−Cr合金、Al−Ti合
金、Cr、Cr−Ti合金などの金属膜を用いても良
く、あるいは、AlN、ZrO、BNなどの無機化合
物を用いても良い。
【0037】〔磁性膜の成膜〕つぎに、下地膜2上に磁
性膜3としてのTb−Fe−Co非晶質膜を、下地膜2
の成膜後に真空を破ることなく連続して形成した。磁性
膜3の組成はTb17Fe74Coであり、遷移金属
の副格子磁化が優勢側である。磁性膜3の成膜にはRF
マグネトロンスパッタ法を用いた。スパッタリングで
は、Tb−Fe−Co合金をターゲット材料に、Ar−
混合ガス(分圧比:98/2)を放電ガスにそれぞ
れ使用した。成膜した磁性膜3の厚さは20nmであ
る。スパッタ時の放電ガス圧力は10mTorr(約
1.33Pa)、投入RF電力は1kW/150mmφ
である。
【0038】得られた磁性膜3の保磁力は3.5kOe
(約278.53kA/m)であり、飽和磁化は250
emu/ml、垂直磁気異方性エネルギーは5×10
erg/cmであった。
【0039】〔保護膜の成膜〕最後に、磁性膜3上に保
護膜4としてC(カーボン)膜を5nmの膜厚でECR
スパッタ法により形成した。ターゲット材料にCを、放
電ガスにArをそれぞれ用いた。スパッタ時の圧力は
0.3mTorr、投入マイクロ波電力は0.7kWで
ある。また、マイクロ波により励起されたプラズマを引
き込むために500WのRFバイアス電圧を印加した。
作製した保護膜4の硬度をハイジトロン社製の硬度測定
器により測定したところ21GPaであった。また、ラ
マン分光の結果よりsp3結合が中心となっていること
がわかった。
【0040】保護膜4の成膜では、スパッタガスにAr
を使用したが、窒素を含むガスを用いて成膜してもよ
い。窒素を含むガスを用いると、粒子が微細化するとと
もに、得られるC膜が緻密化し、保護性能をさらに向上
させることができる。このように、保護膜の膜質はスパ
ッタ条件や電極構造に大きく依存しているので、上述の
条件は絶対的なものではなく、使用する装置に応じて適
宜調整することが望ましい。
【0041】また、保護膜4の作製にECRスパッタ法
を用いたのは、膜厚が2〜3nmと極めて薄くても、緻
密で且つピンホールフリーで、しかも、カバレージの良
いC膜が得られるからである。これは、RFスパッタ法
やDCスパッタ法に比べて顕著な違いである。これに加
えて、保護膜を成膜する場合に保護膜の下地になってい
る磁性膜4が受けるダメージを著しく小さくできるとい
う特徴もある。高密度化の進行とともに磁性膜3の薄膜
化が進むので、成膜時に受けるダメージによる磁気特性
の低下は致命的になるが、ECRスパッタ法を用いるこ
とによりこれを防止することができる。
【0042】ECRスパッタ法のほかに、保護膜の成膜
にDCスパッタ法を用いても良い。しかし、この手法で
は形成する保護膜の膜厚が5nm以上の場合には用いる
ことができるが、これより薄い場合は不向きな場合があ
る。これは、1)磁性膜表面のカバレージが悪い、2)
膜の密度や硬度が十分ではない、などの理由による。
【0043】〔磁気特性の測定〕こうして図1に示す積
層構造を有する磁気記録媒体10を作製し、得られた磁
気記録媒体10の磁気特性を測定した。VSM(Vibrat
ion Sample Magnetometer)による測定からM−Hルー
プを得た。その結果から、角型比S及びSは1.0で
あり、良好な角型性が得られたことが分かった。また、
保磁力:Hcは3.5kOe(約278.53kA/
m)、飽和磁化:Msは250emu/cm であっ
た。また、基板表面に対して垂直な方向の垂直磁気異方
性エネルギーが3×10erg/cmであった。ま
た、磁気記録媒体の磁性膜の活性化体積を測定したとこ
ろ、Ku・v/kT=280であった。このことは、磁
気記録媒体の磁性膜が熱的安定性に優れていることを示
している。
【0044】つぎに、磁気記録媒体の磁性膜の断面構造
をオージェ電子分光法により解析した。解析の結果、磁
性膜中に酸素が均一に存在していることがわかった。ま
た、磁性膜中の酸素の含有量をESCAにより求めたと
ころ10at%であった。また、磁性膜の平面構造を透
過型電子顕微鏡(TEM)により観察したところ、3n
m程度のTb酸化物の粒子が100nm四方に1個程度
の割合で存在していた。また、磁性膜の断面構造を観察
したところ、かかる粒子が3次元的にランダムに分散し
て存在していることがわかった。
【0045】〔磁気記録装置〕つぎに、磁気記録媒体の
表面上に潤滑剤を塗布することによって磁気ディスクを
完成させた。そして同様のプロセスにより複数の磁気デ
ィスクを作製し、磁気記録装置に同軸上に組み込んだ。
磁気記録装置の概略構成を図2及び図3に示す。
【0046】図2は磁気記録装置100の上面の図であ
り、図3は、磁気記録装置100の図2における破線A
−A’方向の断面図である。記録用磁気ヘッドとして、
2.1Tの高飽和磁束密度を有する軟磁性膜を用いた薄
膜磁気ヘッドを用いた。また、記録信号は、巨大磁気抵
抗効果を有するデュアルスピンバルブ型GMR磁気ヘッ
ドにより再生した。磁気ヘッドのギャップ長は0.12
μmであった。記録用磁気ヘッド及び再生用磁気ヘッド
は一体化されており、図2及び図3では磁気ヘッド53
として示した。この一体型磁気ヘッドは磁気ヘッド用駆
動系54により制御される。
【0047】複数の磁気ディスク51はスピンドル52
により同軸回転される。ここで、磁気ヘッド面と磁性膜
との距離は12nmに保った。この磁気ディスク51に
40Gbits/inch(約6.20Gbits/
cm)に相当する信号(700kFCI)を記録して
磁気ディスクのS/Nを評価したところ、34dBの再
生出力が得られた。ここで、磁性膜中に酸素を実質的に
含まない磁気記録媒体に同様に信号を記録してS/Nを
評価したところ、ノイズが全周波数領域で約5dB高く
なった。このように、磁性膜中に酸素を含ませることに
よりノイズを低減する効果が得られた。
【0048】次いで、本発明の磁気ディスクに一定のパ
ターンを記録し、タイムインターバルアナライザにより
磁性膜に形成された磁区のエッジの揺らぎを測定した。
測定の結果、磁性膜中に酸素を実質的に含まない従来の
磁気ディスクよりも揺らぎを1/10以下に低減でき
た。また、磁性膜中に含まれる酸素の濃度を種々の値に
変更して作製した磁気ディスクに、同様の方法により磁
区のエッジの揺らぎを測定したところ、エッジの揺らぎ
の低減の効果が現れたのは、酸素濃度が0.1at%の
磁性膜を備える磁気ディスクであった。磁性膜中の酸素
濃度(酸素含有量)が0.1at%〜5at%の磁気デ
ィスクの場合、従来の磁気ディスクよりもエッジの揺ら
ぎが約1/2以下に低減されており、磁性膜中の酸素濃
度が5at%〜10at%の磁気ディスクの場合は1/
3〜1/4に低減されていた。更に、磁性膜中の酸素濃
度が10at%〜20at%の磁気ディスクの場合、1
/10に低減されており極めて良好な特性を示してい
た。磁性膜中の酸素濃度が20at%を越える磁気ディ
スクの場合、磁性膜の垂直磁気異方性エネルギーが急激
に減少し、垂直磁化膜ではなくなってしまった。また、
磁気ディスクの欠陥レートを測定したところ、信号処理
を行なわない場合の値で1×10−5以下であった。こ
こで、磁気力顕微鏡(MFM)により、記録した部分の
磁化状態を観察したところ、磁化遷移領域に特有なジグ
ザグパターンが観測されなかった。そのために、ノイズ
レベルを低減できたと考えられる。
【0049】本実施例では、磁性膜中に酸素を添加して
Tbの酸化物を形成したが、酸素の代わりに窒素を添加
することによってTbの窒化物を形成しても同様の効果
を得ることができる。窒素を添加することにより、磁性
膜の耐食性が大きく向上した。これは窒素の一部がFe
中に固溶したためであると考えられる。
【0050】また、実施例では、磁性膜にTb−Fe−
Co系の非晶質のフェリ磁性膜を用いたが、Tbの代わ
りにDyやHo、Gdなどを用いても同様の効果が得ら
れた。これらの元素の中で、Tbが最も大きな垂直磁気
異方性が得られ、Dy>Ho>Gdの順で垂直磁気異方
性の大きさが変化する。また、希土類元素をTbだけで
構成する代わりに、複数の希土類元素を組み合わせて、
例えば、Tb−Gd、Tb−Dy、Tb−Ho、Gd−
Dy、Gd−Ho、Dy−Hoなどの2元素合金、更に
は3元素以上の合金を用いても良い。これにより、垂直
磁気異方性エネルギーの制御を行なうことができる。こ
こで、希土類元素の組成は、垂直磁化膜となる20at
%以上、30at%以下が好ましい。かかる範囲にする
ことにより、基板面に垂直な方向に磁化容易軸を有する
フェリ磁性体を得ることができるからである。
【0051】また、遷移金属としてFe−Co合金を用
いたが、Fe−Ni、Co−Niなどの合金を用いても
良い。これらの合金は、Fe−Co>Fe−Ni>Co
−Niの順で異方性エネルギーは減少する。
【0052】
【実施例2】この実施例では、Tb/Fe/Co人工格
子膜を用いて磁性膜を構成した以外は、実施例1で作製
した磁気記録媒体(図1参照)と同様の積層構造を有す
る磁気記録媒体を作製した。磁性膜以外の成膜方法は実
施例1と同様であるので説明を省略し、磁性膜(Tb/
Fe/Co人工格子膜)の成膜方法について以下に説明
する。
【0053】〔磁性膜の成膜方法〕磁性膜の成膜では、
Tb、Fe及びCoの3源からなる多源同時スパッタ法
を用いた。各層の膜厚は、Fe(1nm)/Co(0.
1nm)/Tb(0.2nm)である。各層の膜厚は、
基板の公転速度とスパッタ時の投入電力を適当に組み合
わせることにより所望の値に精密に制御できる。ここで
は、投入DC電力をTbが0.3kW、Coが0.15
kW、そして、Feが0.7kWに設定した。基板の回
転数は30rpmである。また、スパッタ時の放電ガス
圧力は3mTorr、放電ガスにはAr−N混合ガス
を用いた。こうしてFe(1nm)/Co(0.1n
m)/Tb(0.2nm)から構成される積層体を周期
的に積層して全体で約40nmになるように人工格子膜
を形成した。
【0054】このような人工格子膜を作製する場合、重
要なことは初期排気時の真空度で、ここでは、4×10
−9Torrまで排気した後に作製した。かかる値は絶
対的なものではなくスパッタの方式などにより変化する
ものである。また、ここではDCマグネトロンスパッタ
法により作製したが、RFマグネトロンスパッタ法やエ
レクトロンサイクロトロンレゾナンスを利用したスパッ
タ法(ECRスパッタ法)を用いて行ってもよい。
【0055】このように、磁性膜に人工格子膜を用いる
と、Tb−Fe−Co系の非晶質合金膜を磁性膜として
用いた場合と比べて、垂直磁気異方性エネルギーを増大
することができるとともに、磁性膜の熱的安定性を向上
させることができる。この磁性膜は、FeやCoなどの
遷移金属とTbなどの希土類元素から構成されるフェリ
磁性体と実質的に同じ磁気特性を示し、かかる磁性膜の
磁性は、遷移金属薄膜層の磁化と希土類元素薄膜層の磁
化の差となって現れる。この実施例で作製した磁性膜
は、遷移金属の磁化が優勢な磁性膜である。また、磁性
膜を成膜する際にAr−N混合ガスを用いたことによ
り、混合ガス中の窒素の一部が、成膜された磁性膜のC
o中に存在していた。
【0056】〔磁気特性の測定〕つぎに、かかる人工格
子膜を磁性膜として備える磁気記録媒体の磁気特性を測
定した。VSM(Vibrating Sample Magnetometer)に
よる測定からM−Hループを得た。その結果から、角型
比S及びSはともに1.0であり、良好な角型性が得
られたことが分かった。また、保磁力Hcは3.5kO
e(約278.53kA/m)であった。また、磁性膜
の磁気異方性エネルギーは、基板表面に対して垂直な方
向の垂直磁気異方性エネルギーが5×10erg/c
であった。更に、磁気記録媒体の活性化体積Vを測
定し、磁性層の熱的安定性の指標となる値Ku・V/k
Tを求めたところ400であった。このことは、この磁
性膜が熱揺らぎや熱減磁が小さく、熱的安定性に優れた
材料であることを示している。
【0057】また、磁性膜を高分解能透過型電子顕微鏡
(TEM)により観察したところ、Fe(1nm)/C
o(0.1nm)/Tb(0.2nm)からなる積層体
が所望の膜厚で周期的に積層された人工格子膜となって
いることがわかった。
【0058】つぎに、磁気記録媒体の表面上に潤滑剤を
塗布することによって磁気ディスクを完成させた。そし
て同様のプロセスにより複数の磁気ディスクを作製し、
実施例1と同様に、図2及び3に示す磁気記録装置に同
軸上に組み込んだ。かかる磁気記録装置を用いて情報の
記録及び再生を行った。記録及び再生時には磁気ヘッド
面と磁性膜との距離を12nmに保った。磁気ディスク
に40Gb/inch に相当する信号(700kFC
I)を記録してディスクのS/Nを評価したところ、3
6dBの再生出力が得られた。また、このディスクの欠
陥レートを測定したところ、信号処理を行なわない場合
の値で、1×10−5以下であった。
【0059】本実施例では、磁性膜としてTb/Fe/
Co系の人工格子膜を用いた場合を示したが、Tb以外
にGd、Dy、Hoのうちの1種類の元素を用いても、
または、Gd−Tb、Gd−Dy、Gd−Ho、Tb−
Dy、Tb−Hoなどの合金を用いても同様の効果が得
られる。また、遷移金属としてFe/Coの2層膜を用
いて人工格子膜を構成したが、Fe−Co、Fe−N
i、Co−Niなどの合金とTbなどの希土類元素との
交互積層多層膜を用いても、同様の特性を有する磁性膜
を得ることができる。
【0060】
【実施例3】この実施例では、磁性膜を、酸素を含む層
と含まない層とを交互に積層して構成した以外は、実施
例1で作製した磁気記録媒体(図1参照)と同様の積層
構造を有する磁気記録媒体を作製した。磁性膜以外の成
膜方法は実施例1と同様であるので説明を省略し、磁性
膜の成膜方法について以下に説明する。
【0061】〔磁性膜の成膜方法〕この実施例で用いた
磁性膜の組成は、Tb15Fe75Co10であり、遷
移金属の副格子磁化が優勢側の組成である。磁性膜の成
膜にはRFマグネトロンスパッタ法を用い、Tb−Fe
−Co合金をターゲットに、純Arを放電ガスにそれぞ
れ使用した。形成した磁性膜の厚さは20nmである。
【0062】磁性膜の成膜においては、膜厚が5nmに
なったところでスパッタを中断し、5分間そのまま放置
した。その後、成膜を再開し、更に膜厚が5nmになっ
た時点で再び成膜を中断し、5分間そのまま放置した。
このような成膜と放置を繰り返し行って、磁性膜の膜厚
が所望の膜厚(約20nm)になるまで成膜した。スパ
ッタ時の圧力は10mTorr、投入RF電力は1kW
/150mmφである。
【0063】得られた磁性膜の保磁力は3.5kOeで
あり、飽和磁化は250emu/ml、垂直磁気異方性
エネルギーは5×10erg/cmであった。
【0064】かかる磁性膜を備える磁気記録媒体の磁気
特性を測定した。VSMによるM−Hループから、角型
比S及びSは1.0であり、良好な角型性が得られ
た。また、保磁力:Hcは3.5kOe、飽和磁化:M
sは250emu/cmであった。また、垂直磁気異
方性エネルギーが5×10erg/cmであった。
磁気記録媒体の活性化体積を測定したところ、Ku・V
/kT=300であった。このことは、磁性膜が熱的安
定性に優れていることを示している。
【0065】つぎに、磁性膜の断面構造をオージェ電子
分光法により解析した。解析結果のグラフの模式図を図
5に示す。図5の解析結果から、磁性膜中に、酸素濃度
の高い領域が存在しており、酸素濃度の高い部分と低い
部分(酸素を実質的に含まない部分)とが層状に交互に
存在していると考えられる。このことから、磁性膜の成
膜において、スパッタを一時的に中断しながら成膜を行
なうことにより、磁性膜中に酸素濃度の高い部分と低い
部分とを形成させることができた。
【0066】〔MFM観察〕つぎに、磁性膜にAC(交
流)消磁を行なった後、磁性膜表面を磁気力顕微鏡(M
FM)を用いて観察した。図6に、MFM観察によって
得られたMFM像を示す。なお、ここで観察した磁性膜
は、磁性膜中に酸素を含む層が2層形成された時点でス
パッタを止めて得られた磁性膜である。また、比較とし
て、図7に、成膜の際にスパッタ操作を中断することな
く成膜した磁性膜表面のMFM像を示した。図6及び図
7のMFM像において、濃淡は磁性膜の磁化の強さを示
している。それぞれの図中、濃い部分(黒い領域)と淡
い部分(白い領域)が磁化の最小反転単位と考えられ
る。図6のMFM像では、濃淡の濃い部分と淡い部分の
大きさが極めて小さく、その寸法は平均で80nm程度
であった。このことから、かかる磁性膜は磁化反転単位
が小さく、微小な磁区を形成することができると考えら
れる。一方、図7のMFM像では、濃い部分と淡い部分
の大きさが大きく、その寸法は平均で200nm以上あ
った。かかる磁性膜には、微小な磁区を形成することが
困難であると考えられる。このように、磁性膜の成膜に
おいて、磁性膜中に酸素濃度の高い領域が層状に断続的
に形成されるように、成膜と放置を繰り返して成膜を行
なうことによって磁性膜の磁化反転単位を小さくするこ
とができる。
【0067】次に、このような磁気特性を有する磁気記
録媒体を用いた磁気ディスクの表面に潤滑剤を塗布して
磁気ディスクを完成させた。そして同様のプロセスによ
り複数の磁気ディスクを作製し、実施例1と同様に、図
2及び3に示す磁気記録装置に同軸上に組み込んだ。か
かる磁気記録装置を用いて情報の記録及び再生を行なっ
て、磁気ディスクの記録再生特性を評価した。記録及び
再生時には磁気ヘッド面と磁性膜との距離を12nmに
保った。この磁気ディスクに40Gbit/inch
に相当する信号(700kFCI)を記録してディスク
のS/Nを評価したところ、34dBの再生出力が得ら
れた。ここで、磁性膜中に酸素濃度の分布を形成させな
いで作製した磁気ディスクでは、ノイズが全周波数領域
で約5dB高くなった。このように、磁性膜中に酸素濃
度の高い領域を形成することにより、ノイズを低減する
効果が得られた。
【0068】次いで、磁気ディスクに一定のパターンを
記録し、タイムインターバルアナライザにより磁性膜に
形成された磁区のエッジの揺らぎを測定した。測定の結
果、磁性膜中に酸素濃度の分布のない磁気ディスクより
も揺らぎを1/10以下に低減できた。また、磁気ディ
スクの欠陥レートを測定したところ、信号処理を行なわ
ない場合の値で1×10−5以下であった。ここで、磁
気力顕微鏡(MFM)により、記録した部分の磁化状態
を観察したところ、磁化遷移領域に特有なジグザグパタ
ーンが観測されなかった。そのために、ノイズレベルを
低減できたと考えられる。
【0069】本実施例では、磁性膜を成膜する際に、成
膜を一時的に中断することによって、途中まで成膜され
た磁性膜の表面を、雰囲気中に含まれる不純物としての
酸素により自然酸化させたが、成膜中断後に酸素雰囲
気、あるいは酸素含有雰囲気中に、途中まで成膜された
磁性膜を放置することによって積極的に表面を酸化させ
ても良い。この場合は、磁性膜の表面の酸化が一層促進
され、酸素濃度を一層高めることができる。これによ
り、磁性膜に形成される磁区のエッジの揺らぎを更に低
減できる。
【0070】
【実施例4】本実施例では、実施例2とは異なる方法
で、磁性膜としてのTb/Fe/Co人工格子膜を成膜
して、図1と同じ積層構造を有する磁気記録媒体を作製
した。以下、磁性膜の成膜方法について説明する。
【0071】〔磁性膜の成膜方法〕磁性膜の作製法とし
て、実施例2と同様に、Tb、Fe、Coの3源からな
る多源同時スパッタ法を用いた。各層の膜厚は、Fe
(1nm)/Co(0.1nm)/Tb(0.2nm)
である。各層の膜厚は、基板の公転速度とスパッタ時の
投入電力の組合せにより所望の値に精密に制御できる。
ここでは、投入DC電力をTb成膜時に0.3kW、C
o成膜時に0.15kW、そして、Fe成膜時に0.7
kWとした。基板の回転数は30rpmである。また、
スパッタ時の放電ガス圧力は3mTorr、放電ガスに
は高純度のArガスを用いた。更に、Tb層を形成した
時点でスパッタ操作を一時中断して、成膜されたTb層
の表面を自然酸化させた。ここでの自然酸化は、放電ガ
スに用いた高純度のArガス中に不純物として含まれる
酸素による酸化である。また、Tb層を酸化させたの
は、Fe、Tb、Coの中でTbが最も酸化されやすい
からである。こうしてFe(1nm)/Co(0.1n
m)/Tb(0.2nm)から構成される積層体を周期
的に積層して全膜厚が約40nmになるように人工格子
膜を形成した。磁性膜をTEMにより観察したところ、
Fe(1nm)/Co(0.1nm)/Tb(0.2n
m)なる所望の膜厚の人工格子膜となっていることがわ
かった。
【0072】つぎに、かかる磁性膜を備える磁気記録媒
体の磁気特性を測定した。VSMにより測定されたM−
Hループから、角型比S及びSはともに1.0であ
り、良好な角型性が得られた。また、保磁力:Hcは
3.9kOe、であった。また、磁性膜の有する基板と
垂直方向の垂直磁気異方性エネルギーが7×10er
g/cmであった。この磁気記録媒体の活性化体積を
測定したところ、Ku・V/kT=400であった。こ
のことは、磁性膜が熱揺らぎや熱減磁が小さく、熱的安
定性に優れた材料であることを示している。
【0073】次に、このような磁気特性を有する磁気記
録媒体を用いた磁気ディスクの表面に潤滑剤を塗布して
磁気ディスクを完成させた。そして同様のプロセスによ
り複数の磁気ディスクを作製し、実施例1と同様に、図
2及び3に示す磁気記録装置に同軸上に組み込んだ。か
かる磁気記録装置を用いて情報の記録及び再生を行なっ
て、磁気ディスクの記録再生特性を評価した。記録及び
再生時には磁気ヘッド面と磁性膜との距離を12nmに
保った。この磁気ディスクに40Gbit/inch
に相当する信号(700kFCI)を記録してディスク
のS/Nを評価したところ、36dBの再生出力が得ら
れた。また、このディスクの欠陥レートを測定したとこ
ろ、信号処理を行なわない場合の値で、1×10−5
下であった。
【0074】本実施例では、高純度Arガス雰囲気中
(残留ガス中)で、スパッタを一時的に中断する操作を
繰り返し行なうことによって、高純度Arガス雰囲気中
に含まれる不純物としての水や酸素により磁性膜中に酸
素の分布を設けたが、磁性膜中に窒素の分布を設けるこ
とも可能である。その場合、残留ガス中の窒素の量は水
や酸素よりも少ないので、窒素含有雰囲気中にてスパッ
タ操作を一時的に中断して成膜途中の磁性膜を自然窒化
させることが最も好ましい。
【0075】以上、本発明に従う磁気記録媒体及びそれ
を備える磁気記録装置について実施例により説明した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の改
良例及び変形例を含み得る。例えば、上記実施例1〜4
においてそれぞれ作製した磁気記録媒体において、S/
Nの向上を図ることを目的として、Pt−Co合金膜を
磁性膜上に形成しても良い。Pt−Co合金膜の成膜に
は、例えば、Pt、Coの2源のターゲットからなる2
源同時スパッタ法を用いることができる。また、2源同
時スパッタ法以外に、RFマグネトロンスパッタ法やD
Cマグネトロンスパッタ法、共鳴吸収法を用いたECR
スパッタ法を用いてもよい。
【0076】また、上記実施例3で作製したような、酸
素を含む層と含まない層を交互に積層してなる磁性膜
は、例えば、基板回転型のスパッタ装置を用いて成膜す
ることもできる。基板回転型のスパッタ装置では、通
常、基板ホルダ及びターゲットが、図8の概略平面図に
示すように配置されいる。なお、図8に示した各ターゲ
ット材料T1〜T3は、基板上に成膜される下地膜、磁
性膜及び保護膜などのターゲット材料である。磁性膜を
成膜する場合には、基板ホルダを高速回転させながら磁
性膜用のターゲットをスパッタすることにより、基板ホ
ルダに装着されている基板上に磁性膜を成膜する。かか
るスパッタ装置を用いて酸素を含む層と含まない層を交
互に積層してなる磁性膜を成膜するには、例えば成膜中
の基板ホルダの回転数を低下させればよい。基板ホルダ
の回転数を低下させると、放電している領域(成膜がな
される領域)を通過した後、再びその領域に進入するま
で時間がかかるので、放電している領域外にある間、磁
性膜は成膜されず、磁性膜表面が自然酸化される。かか
るスパッタ装置では、磁性膜を成膜する際に放電を一時
的に停止する必要はなく、基板ホルダの回転数を制御す
るのみで酸素を含む層と含まない層を交互に積層してな
る磁性膜を成膜することできる。
【0077】
【発明の効果】本発明の第1の態様によれば、非晶質膜
のような磁壁移動型の磁性膜中に酸素または窒素の少な
くとも一方を有意の量で含ませて、磁性膜中にピンニン
グサイトを分散させて形成しているので、磁性膜中の磁
壁の移動が防止され、磁性膜の所望の位置に記録磁区を
高精度に形成することができる。
【0078】また、微小な記録磁区であっても磁区のエ
ッジ形状を所望の形状にできるとともに、エッジ位置を
高精度に画定することができるので、記録磁区の揺らぎ
を低減することができる。それゆえ超高密度に情報を記
録することができるとともに、高密度記録された情報を
確実に再生することができる。
【0079】また、希土類―鉄族元素からなるフェリ磁
性体を用いて磁性膜を構成することにより、熱減磁や熱
揺らぎの小さい熱安定性に優れた磁気記録媒体を提供す
ることができる。
【0080】本発明の磁気記録装置は、本発明の第1の
態様に従う磁気記録媒体を備えるので、磁気記録媒体に
微小磁区を確実に且つ高精度に形成することが可能であ
り、40Gbits/inch(約6.20Gbit
s/cm)を越える超高密度記録を実現することがで
きる。
【0081】また、本発明の第3及び第4の態様の製造
方法によれば、磁性膜中に酸素及び窒素の少なくとも一
方を所望の濃度で含有させることができるので、本発明
の第1の態様に従う磁気記録媒体を製造する方法として
極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う磁気ディスクの断面構造を模式的
に示す図である。
【図2】本発明に従う磁気記録装置の概略構成図であ
る。
【図3】図2の磁気記録装置のA−A’方向における断
面図である。
【図4】磁性膜中の磁壁移動について説明するための図
であり、図4(A)は、磁性膜中に酸化物または窒化物
が含まれている本発明の場合であり、図4(B)は従来
の場合である。
【図5】実施例3で作製した磁気記録媒体の磁性膜の断
面をオージェ解析した結果を模式的に示すグラフであ
る。
【図6】AC消磁後、酸素を含む層と含まない層が交互
に積層された磁性膜の表面をMFM(磁気力顕微鏡)に
より観察して得られたMFM像である。
【図7】AC消磁後、酸素を含まない従来の磁性膜の表
面をMFMにより観察して得られたMFM像である。
【図8】基板回転型のスパッタ装置の基板とターゲット
との位置関係を模式的に示した平面図及びそのスパッタ
装置をXの方向から見た概略断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下地膜 3 磁性膜 4 保護膜 51 磁気ディスク 52 スピンドル 53 磁気ヘッド 54 磁気ヘッド駆動系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 10/13 H01F 10/13 10/14 10/14 10/16 10/16 10/32 10/32 41/18 41/18 (72)発明者 矢野 亮 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 若林 康一郎 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 松沼 悟 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 竹内 輝明 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 関根 正樹 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 粟野 博之 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 4K029 BA24 BA25 BA26 BA31 BB03 BB10 BC06 BD11 CA05 EA01 5D006 BB01 BB06 BB07 BB08 FA09 5D112 AA05 BB01 FA04 FB20 5E049 AA01 AA04 AA07 AA09 AC00 AC01 AC05 BA08 GC04 GC08

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録媒体において、 基板と、情報が記録される磁性膜とを備え、 該磁性膜が、酸素及び窒素の少なくとも一方の元素を含
    有する非晶質膜であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記非晶質膜は人工格子膜を含むことを
    特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記磁性膜中に、酸素及び窒素の少なく
    とも一方を0.1at%〜15at%の範囲で含むこと
    を特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記磁性膜は、酸素及び窒素の少なくと
    も一方を含有する層と、酸素及び窒素を実質的に含有し
    ない層とから構成されていることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記酸素及び窒素の少なくとも一方を含
    有する層と、酸素及び窒素を実質的に含有しない層とが
    周期的に積層していることを特徴とする請求項4に記載
    の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 上記酸素及び窒素の少なくとも一方を含
    有する層は、その平面内において、酸素及び窒素の少な
    くとも一方を含む領域がアイランド状に分散しているこ
    とを特徴とする請求項4または5に記載の磁気記録媒
    体。
  7. 【請求項7】 上記酸素及び窒素を実質的に含有しない
    層の膜厚が3nm以上であることを特徴とする請求項4
    〜6のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 上記磁性膜中に含まれる酸素及び窒素の
    少なくとも一方の元素の一部または全部が、磁性膜を構
    成する磁性元素の一部と化合物を形成していることを特
    徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 上記非晶質膜が、希土類元素と鉄族元素
    とから構成されるフェリ磁性膜であり、且つ、希土類元
    素がGd、Tb、Dy及びHoからなる群から選ばれた
    少なくとも1種類の元素であり、鉄族元素がFe、Co
    及びNiからなる群から選ばれた少なくとも1種類の元
    素であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒
    体。
  10. 【請求項10】 上記希土類元素と、酸素及び窒素の少
    なくとも一方とが化合物を形成していることを特徴とす
    る請求項9に記載の磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】 上記人工格子膜は、Gd、Tb、Dy
    及びHoからなる群から選ばれた少なくとも1種類の希
    土類元素から構成された希土類元素層と、Fe、Co及
    びNiからなる群から選ばれた少なくとも1種類の鉄族
    元素から構成された鉄族元素層とを交互に積層して構成
    された人工格子膜であり、該鉄族元素層中または希土類
    元素層中に酸素及び窒素の少なくとも一方が含まれてい
    ることを特徴とする請求項2に記載の磁気記録媒体。
  12. 【請求項12】 上記鉄族元素層はCoからなるCo層
    を含み、該Co層中に酸素及び窒素の少なくとも一方が
    含まれていることを特徴とする請求項11に記載の磁気
    報記録媒体。
  13. 【請求項13】 上記人工格子膜は、白金属元素から構
    成される層と鉄族元素から構成される層とを交互に積層
    して構成されていることを特徴とする請求項2に記載の
    磁気記録媒体。
  14. 【請求項14】 上記白金族元素がPt、Pd及びRh
    からなる群から選ばれた少なくとも1種類の元素であ
    り、上記鉄族元素がFe、Co及びNiからなる群から
    選ばれた少なくとも1種類の元素であることを特徴とす
    る請求項13に記載の磁気記録媒体。
  15. 【請求項15】 上記人工格子膜の鉄族元素から構成さ
    れる層に酸素及び窒素の少なくとも一方が含まれている
    ことを特徴とする請求項13または14に記載の磁気記
    録媒体。
  16. 【請求項16】 上記鉄族元素から構成される層はCo
    からなる層を含み、該Coからなる層に酸素及び窒素の
    少なくとも一方が含まれていることを特徴とする請求項
    15に記載の磁気記録媒体。
  17. 【請求項17】 上記磁性膜は、基板表面に対して垂直
    な方向に磁化容易軸を有することを特徴とする請求項1
    〜16のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
  18. 【請求項18】 請求項1〜17のいずれか一項に記載
    の磁気記録媒体と、 情報を記録または再生するための磁気ヘッドと、 上記磁気ヘッドを上記磁気記録媒体に対して駆動するた
    めの駆動装置とを有する磁気記録装置。
  19. 【請求項19】 基板上に、情報が記録される磁性膜を
    備える磁気記録媒体の製造方法において、 上記磁性膜が非晶質膜であり、 上記磁性膜を、酸素及び窒素の少なくとも一方を不活性
    ガス中に含有した雰囲気でスパッタすることにより成膜
    することを特徴とする製造方法。
  20. 【請求項20】 上記酸素及び窒素の少なくとも一方を
    雰囲気中に0.1vol%〜20vol%の範囲で含有
    することを特徴とする請求項19に記載の製造方法。
  21. 【請求項21】 基板上に、情報が記録される磁性膜を
    備える磁気記録媒体の製造方法において、 上記磁性膜が非晶質膜であり、 上記磁性膜の成膜に不活性ガス雰囲気でスパッタする方
    法を用い、磁性膜の成膜中に、スパッタ操作を一時的に
    中断する操作を含むことを特徴とする製造方法。
  22. 【請求項22】 上記スパッタ操作を一時的に中断する
    操作により、成膜された磁性膜表面を自然酸化または自
    然窒化させることを特徴とする請求項21に記載の製造
    方法。
  23. 【請求項23】 スパッタする操作と、スパッタを一時
    的に中断する操作を繰り返して磁性膜を成膜することを
    特徴とする請求項22に記載の製造方法。
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