JP2002127869A - シートベルト装置 - Google Patents

シートベルト装置

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JP2002127869A
JP2002127869A JP2000322727A JP2000322727A JP2002127869A JP 2002127869 A JP2002127869 A JP 2002127869A JP 2000322727 A JP2000322727 A JP 2000322727A JP 2000322727 A JP2000322727 A JP 2000322727A JP 2002127869 A JP2002127869 A JP 2002127869A
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webbing
anchor
sliding contact
insertion hole
seat belt
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JP2000322727A
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Kazuo Yamamoto
和夫 山本
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウェビングガイドにおけるウェビングの良好
な摺動性を確保しつつジャミング現象を防止できるシー
トベルト装置を提供する。 【解決手段】 シートベルト装置は、ウェビングと、該
ウェビングを挿通されてその内面の一部がウェビングと
摺接する長孔状のウェビング挿通孔16を有するウェビ
ングガイド10とを備えている。ウェビングガイド10
のウェビング挿通孔16の一方の長辺を提供する面が金
属面からなるウェビング摺接面15とされ、ウェビング
摺接面15に凹凸14aが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等のシート
に着座した乗員の身体を拘束するシートベルト装置に関
し、詳しくは、ウェビングガイドのウェビング挿通孔内
においてウェビングが横滑りして片寄る所謂ジャミング
現象を防止するための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シートベルト装置として、連続ウ
ェビングを用いた三点式シートベルト装置がある。図1
8に示すように、三点式シートベルト装置100におい
て、ウェビング101は、一端をリトラクタ102に引
出し可能に巻回されている。ウェビング101の他端
は、乗員109の肩近傍に位置するようにセンターピラ
ー103に支持されたスルーアンカ105に挿通され、
スルータング106に挿通され、センターピラー103
の下部に固定されたアンカープレート104に係止され
ている。スルータング106をシート107近傍に配設
されたバックル108に係合することで、ウェビング1
01により乗員109をシート107に拘束できる。こ
のときウェビング101は、シート107の一方側(図
では奥側)でリトラクタ102からセンターピラー10
3に沿って上方に案内され、スルーアンカ105で折り
返され、真直ぐ下方には案内されずに車両前方側(図で
は左側)かつシート107の他方側(図では手前側)へ
と案内された状態になる。
【0003】シートベルト装置100には、ウェビング
101を案内するためのウェビングガイドとして、上記
スルーアンカ105及びスルータング106の他にも、
種々のものが設けられている。これらウェビングガイド
にはそれぞれ、長孔状のウェビング挿通孔が設けられて
いる。ウェビング101は、ウェビング挿通孔に挿通さ
れて摺接案内される。
【0004】ウェビングガイドには、所定形状の金属板
にウェビング挿通孔やボルト取付け孔をプレス加工によ
り形成してなるものがある。このタイプのウェビングガ
イドでは、ウェビング摺接面が金属面となるため、ウェ
ビングに対する摩擦抵抗が低くなり、ウェビング挿通孔
内においてウェビングが横滑りして片寄る所謂ジャミン
グ現象が発生する場合がある。
【0005】ジャミング現象を抑制するために、金属板
(インサート金具)のウェビング挿通孔まわりにモール
ド成形により被覆樹脂を設けてウェビング摺接面を樹脂
面としたウェビングガイドや、更にその樹脂面に凹凸を
設けたウェビングガイドが提案されている。これらのタ
イプのウェビングガイドでは、衝突等の車両緊急時にウ
ェビングと樹脂面との間の摩擦熱でそれらウェビングや
樹脂面が溶けるなどの理由により、ジャミング現象が抑
制される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、ウェビ
ングガイドのウェビング摺接面を樹脂面とすればジャミ
ング現象を抑制できるが、ウェビングの良好な巻取り性
やウェビング引出し時の良好な操作感を確保するには、
ウェビングガイドのウェビング摺接面を金属面とするこ
とがやはり望ましい。本発明は、上記事情に鑑みてなさ
れたものであって、その目的は、ウェビングガイドにお
けるウェビングの良好な摺動性を確保しつつジャミング
現象を防止できるシートベルト装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、乗
員の身体をシートに拘束するウェビングと、該ウェビン
グを挿通されてその内面の一部がウェビングと摺接する
長孔状のウェビング挿通孔を有するウェビングガイドと
を備えたシートベルト装置において、前記ウェビングガ
イドの前記ウェビング挿通孔の一方の長辺を提供する面
が金属面からなるウェビング摺接面とされ、該ウェビン
グ摺接面に凹凸が形成されていることを特徴とするシー
トベルト装置によって達成することができる。
【0008】以上のようなシートベルト装置によれば、
ウェビング摺接面が金属面からなるため、ウェビングの
良好な巻取り性やウェビング引出し時の良好な操作感を
得ることができる。そして、ウェビングガイドのウェビ
ング摺接面に設けられた凹凸によりウェビングの横滑り
が抑制される。したがって、ウェビングガイドにおける
ウェビングの良好な摺動性を確保しつつジャミング現象
を確実に防止できる。さらに、ウェビング摺接面が金属
面からなるため機械的強度が高く、衝突等の車両緊急時
にウェビングガイドに作用する高荷重に十分に耐えるこ
とができる。
【0009】好ましくは、ウェビング摺接面のうちウェ
ビング折返し位置に対する一方側に凹凸を設けた構成と
することができる。例えばウェビング摺接面が湾曲面で
あって縦断面視において略円弧状である場合、その円弧
の頂部をウェビング折返し位置とみなし、頂部に対する
他方側よりウェビング摺接面積が大きい頂部に対する一
方側に凹凸領域を設けることができる。
【0010】また好ましくは、ウェビング摺接面のうち
ウェビング折返し位置に対する一方側かつ折返し位置か
ら離れた箇所に凹凸を設けた構成とすることができる。
例えばウェビング摺接面が湾曲面であって縦断面視にお
いて略円弧状である場合、その円弧の頂部には凹凸を設
けずに、頂部に対する他方側よりウェビング摺接面積が
大きい頂部に対する一方側かつ頂部から離れた箇所に凹
凸領域を設けることができる。
【0011】また好ましくは、ウェビング摺接面のうち
ウェビング折返し位置付近に、ウェビングガイド厚み方
向に対して異なる方向に傾斜するとともに互いに交差す
る複数の溝を設けることで凹凸を形成した構成とするこ
とができる。
【0012】また好ましくは、ウェビング摺接面のうち
ウェビング折返し位置付近に、ウェビングガイド厚み方
向に対して同一方向に傾斜する複数の溝を設けることで
凹凸を形成した構成とすることができる。
【0013】また好ましくは、ウェビング摺接面のうち
ウェビング折返し位置に対する一方側にウェビング摺動
方向と同一方向に延びる複数の第1溝を設け、ウェビン
グ折返し位置に対する他方側に第1溝の延びる方向とは
異なる方向に延びる複数の第2溝を設けた構成とするこ
とができる。
【0014】また好ましくは、ウェビング摺接面のうち
ウェビング折返し位置付近に第1凹凸領域を設け、ウェ
ビング折返し位置に対する一方側及び/又は他方側に第
1凹凸領域とは別の凹凸領域を設けた構成とすることが
できる。
【0015】また好ましくは、ウェビングガイドのウェ
ビング摺接面両側に位置する側部の厚みが、ウェビング
ガイドのウェビング摺接面を有する第1中央部の表面
と、ウェビングガイドのウェビング挿通孔の他方の長辺
を提供する面を有する第2中央部の表面とを平面状に結
んでなる仮想形状の厚み以上とされた構成とすることが
できる。かかる構成により、厚肉に形成されたウェビン
グガイドの側部がウェビングの幅方向端部を広い範囲に
わたって当接支持することによりウェビングの横滑りが
更に抑制される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を説明する。図1は本発明の第1実施形態である
シートベルト装置に用いられるスルーアンカを示す平面
図であり、図2は図1におけるA矢視図、図3は図1に
おけるB−B断面図である。
【0017】図1に示すように、スルーアンカ10は、
1枚の金属板を所定形状に加工してなるインサート金具
11の所定箇所に、被覆樹脂13をモールド成形により
一体化して構成されている。なお、図1で示されるスル
ーアンカ10の面は、スルーアンカ10が自動車に取り
付けられた際にセンターピラー等の車体(取付け板)に
相対する。インサート金具11は、ここでは平面視三角
形状に形成されており、一つの角部近傍(図では上側)
には、嵌挿孔12が設けられている。この嵌挿孔12に
ボルト等を嵌挿することで、スルーアンカ10をセンタ
ーピラー等に回動自在に取り付けることができる。イン
サート金具11の、嵌挿孔12が設けられた角部とは反
対側(図では下側)の辺近傍に、その辺に沿って延びる
長孔が形成されており、その長孔の周縁部に被覆樹脂1
3が一体成形されている。被覆樹脂13によって長孔状
のウェビング挿通孔16が区画されている。ウェビング
挿通孔16の両端には、ウェビング挿通孔16に連通す
るとともに嵌挿孔12側(図では上側)に向かって延び
た孔16aが形成されている。
【0018】インサート金具11の材質としては、例え
ば炭素鋼鋼材(JIS SC材)が挙げられる。被覆樹
脂13としては、機械的強度の高い、ポリアミド6等の
ポリアミド系樹脂、ポリアセタール及びポリプロピレン
に強化剤を入れた樹脂、ポリカーボネート等が挙げられ
る。
【0019】ウェビング挿通孔16を区画する被覆樹脂
13の面のうち、ウェビングが摺接する面(図ではウェ
ビング挿通孔16の下面。嵌挿孔12側とは反対側の
面。)には金属板14が固着されている。金属板14
は、所定の荷重に耐え得るステンレス、鉄系材、アルミ
合金、又はチタン合金等からなる。金属板14は、ウェ
ビング挿通孔16側に凸となるように略円筒状に湾曲さ
れている。金属板14の湾曲表面は凹凸領域14aを含
んでいる。この凹凸領域14aを含む金属板14の湾曲
表面がウェビング摺接面15となる。すなわち、スルー
アンカ10のウェビング挿通孔16の一方の長辺を提供
する面が金属面からなるウェビング摺接面15とされ、
ウェビング摺接面15には凹凸領域14aが形成されて
いる。スルーアンカ10の被覆樹脂13が設けられた部
分のうち、金属板14が固着された部分(ウェビング挿
通孔16の下部)を第1中央部17と呼ぶことにする。
また、スルーアンカ10の被覆樹脂13が設けられた部
分のうち、第1中央部17に相対する部分(ウェビング
挿通孔16の他方の長辺を提供する面を有する部分。ウ
ェビング挿通孔16の上部。)を第2中央部19と呼ぶ
ことにする。
【0020】ウェビング挿通孔16の両端の孔16aを
区画する面のうち、ウェビング摺接面15に隣接する面
は、ウェビング摺接面15と鈍角を形成するように、か
つ、ウェビング摺接面15との接続点でエッジを形成し
ないように、ウェビング摺接面15に滑らかに連続して
いる。いわばこれらの面は、ウェビング摺接面の側縁部
となっている。このウェビング摺接面の側縁部を提供す
るスルーアンカ10の部分を側部18と呼ぶことにす
る。側部18は、第1中央部17と第2中央部19とを
連結している。後述するが、側部18の厚みは、従来品
のものより厚肉にされている。
【0021】図2に示すように、金属板14の湾曲表面
に設けられた凹凸領域14aは、湾曲表面の頂部に対す
る一方側(車体側)のみにあり、頂部に対する他方側に
はない。凹凸領域14aは、頂部からその頂部に対する
一方側に、かつ、ウェビング挿通孔16の長手方向(図
では左右方向)に沿った所定範囲にわたって、形成され
ている。すなわち、ウェビング摺接面15のうちウェビ
ング折返し位置(頂部)に対する一方側に凹凸領域14
aが設けられている。
【0022】図3に示すように、インサート金具11
は、ウェビング挿通孔16より嵌挿孔12側(図では上
側)に屈曲点11aを有している。ここでは、屈曲点1
1a付近における第2中央部19の表面と、第1中央部
17の表面とを結ぶ線と、側部18の輪郭とがほぼ一致
している。すなわち、側部18の厚みが、第1中央部1
7の表面と第2中央部19の表面とを平面状に結んでな
る仮想形状の厚みと同等になっている。側部18の厚み
は、第1中央部17側に近づくほど厚くなる。なお、ウ
ェビング101は、ウェビング摺接面15のうち、頂部
に対する乗員側の箇所より、頂部に対する車体側の箇所
(凹凸領域14aが設けられた箇所)に多く摺接する。
【0023】以上のようなスルーアンカ10によれば、
ウェビング摺接面15が金属面からなるため、ウェビン
グ101の良好な巻取り性やウェビング引出し時の良好
な操作感を得ることができる。そして、スルーアンカ1
0のウェビング摺接面15に設けられた凹凸領域14a
によりウェビング101の横滑りが抑制され、厚肉に形
成されたスルーアンカ10の側部18がウェビング10
1の幅方向端部を広い範囲にわたって当接支持すること
によりウェビング101の横滑りが更に抑制される。し
たがって、スルーアンカ10におけるウェビング101
の良好な摺動性を確保しつつジャミング現象を確実に防
止できる。また、ウェビング摺接面15の機械的強度が
高いため、車両緊急時にウェビング摺接面15ないしス
ルーアンカ10が損傷する心配もない。
【0024】図4に、本発明の第2実施形態であるシー
トベルト装置に用いられるスルーアンカを示す。なお、
以下に説明する実施形態において、既に第1実施形態で
説明した部材等と同様な構成・作用を有する部材等につ
いては、図中に同一符号又は相当符号を付すことにより
説明を簡略化或いは省略する。図4で示されるスルーア
ンカ20の面は、スルーアンカ20が自動車に取り付け
られた際にセンターピラー等の車体に相対する。
【0025】ウェビング挿通孔16を区画する被覆樹脂
13の面のうち、ウェビングが摺接する面には金属板2
4が固着されている。金属板24は、ウェビング挿通孔
16側に凸となるように略円筒状に湾曲されている。金
属板24の湾曲表面は凹凸領域24aを含んでいる。こ
の凹凸領域24aを含む金属板24の湾曲表面がウェビ
ング摺接面25となる。金属板24が固着された第1中
央部17と、第1中央部17に相対する第2中央部19
とを連結する側部18の厚みは、第1中央部17の表面
と第2中央部19の表面とを平面状に結んでなる仮想形
状の厚みと同等になっている。
【0026】図4におけるA矢視図である図5に示すよ
うに、金属板24の湾曲表面に設けられた凹凸領域24
aは、湾曲表面の頂部に対する一方側(車体側)のみに
あり、頂部に対する他方側にはない。凹凸領域24a
は、頂部に対する一方側の頂部から離れた箇所に、か
つ、ウェビング挿通孔16の長手方向(図では左右方
向)に沿った所定範囲にわたって、形成されている。す
なわち、ウェビング摺接面15のうちウェビング折返し
位置(頂部)に対する一方側かつ折返し位置から離れた
箇所に凹凸領域24aが設けられている。
【0027】以上のようなスルーアンカ20によれば、
ウェビング折返し位置に凹凸がないので、ウェビングに
作用する張力が低い通常使用時におけるウェビングの巻
取り性等が良好である。そして、ウェビングに高い張力
が作用する車両緊急時には、凹凸領域24aによりウェ
ビングの横滑りが抑制され、厚肉に形成されたスルーア
ンカ20の側部18がウェビングの幅方向端部を広い範
囲にわたって当接支持することによりウェビングの横滑
りが更に抑制される。
【0028】図6に、本発明の第3実施形態であるシー
トベルト装置に用いられるスルーアンカを示す。図6で
示されるスルーアンカ30の面は、スルーアンカ30が
自動車に取り付けられた際にセンターピラー等の車体に
相対する。被覆樹脂13の面のうち、ウェビングが摺接
する面には、ウェビング挿通孔16側に凸となるように
略円筒状に湾曲されてその湾曲表面に凹凸領域34aが
形成された金属板34が固着されている。本実施形態で
も側部18の厚みは、第1中央部17の表面と第2中央
部19の表面とを平面状に結んでなる仮想形状の厚みと
同等になっている。
【0029】図6におけるA矢視図である図7に示すよ
うに、金属板34の湾曲表面に設けられた凹凸領域34
aは、湾曲表面の頂部付近のみにある。凹凸領域34a
は、スルーアンカ30厚み方向(図では上下方向)に対
して異なる方向に傾斜するとともに頂部付近で互いに交
差する複数の溝を、湾曲表面の頂部(ウェビング折返し
位置)付近に設けることで形成されている。
【0030】以上のようなスルーアンカ30によれば、
ウェビング折返し位置付近に設けられた凹凸領域34a
の形状・広さが、図6に示す正面視においても、これを
鏡に写した鏡面視においても同等となる。したがって、
スルーアンカ30を右席用、左席用のシートベルト装置
に共通に使用することが可能となる。また、ウェビング
折返し位置付近に設ける複数の溝の傾斜の向きを、乗員
拘束時にウェビングが乗員の肩から腰へと案内される方
向と同方向としておけば、ウェビングの横滑りを効果的
に抑制できる。
【0031】図8に、本発明の第4実施形態であるシー
トベルト装置に用いられるスルーアンカを示す。図8で
示されるスルーアンカ40の面は、スルーアンカ40が
自動車に取り付けられた際にセンターピラー等の車体に
相対する。被覆樹脂13の面のうち、ウェビングが摺接
する面には、ウェビング挿通孔16側に凸となるように
略円筒状に湾曲されてその湾曲表面に凹凸領域44aが
形成された金属板44が固着されている。本実施形態で
も側部18の厚みは、第1中央部17の表面と第2中央
部19の表面とを平面状に結んでなる仮想形状の厚みと
同等になっている。
【0032】図8におけるA矢視図である図9に示すよ
うに、金属板44の湾曲表面に設けられた凹凸領域44
aは、湾曲表面の頂部付近のみにある。凹凸領域44a
は、スルーアンカ30厚み方向(図では上下方向)に対
して同一方向に傾斜する複数の溝を、湾曲表面の頂部
(ウェビング折返し位置)付近に設けることで形成され
ている。
【0033】以上のようなスルーアンカ40によれば、
ウェビング折返し位置付近に同一方向に延びる複数の溝
を設けることで凹凸領域44aを形成できるので、金属
板44の製造が容易で、ひいてはスルーアンカ40のコ
ストダウンを図ることができる。そして、ウェビング折
返し位置付近に設ける複数の溝の傾斜の向きを、乗員拘
束時にウェビングが乗員の肩から腰へと案内される方向
と同方向としておけば、ウェビングの横滑りを効果的に
抑制できる。
【0034】図10に、本発明の第5実施形態であるシ
ートベルト装置に用いられるスルーアンカを示す。図1
0で示されるスルーアンカ50の面は、スルーアンカ5
0が自動車に取り付けられた際にセンターピラー等の車
体に相対する。被覆樹脂13の面のうち、ウェビングが
摺接する面には、ウェビング挿通孔16側に凸となるよ
うに略円筒状に湾曲されてその湾曲表面に凹凸領域54
aが形成された金属板54が固着されている。本実施形
態でも側部18の厚みは、第1中央部17の表面と第2
中央部19の表面とを平面状に結んでなる仮想形状の厚
みと同等になっている。
【0035】図10におけるA矢視図である図11に示
すように、金属板54の湾曲表面に設けられた凹凸領域
54aは、湾曲表面の頂部付近のみにある。凹凸領域5
4aは、頂部に対する一方側(車体側)でスルーアンカ
50厚み方向(図では上下方向)に延びる複数の第1溝
を設け、頂部に対する他方側(乗員側)でスルーアンカ
50厚み方向に対して傾斜した方向に延びる複数の第2
溝を設けることで形成されている。図10に示したスル
ーアンカ50の背面図を図12に示す。図12で示され
るスルーアンカ50の面は、スルーアンカ50が自動車
に取り付けられた際に乗員側を向く面である。図12に
示すように、凹凸領域54aを形成する複数の溝は、乗
員側で傾斜している。
【0036】以上のようなスルーアンカ50によれば、
そこで折り返されるウェビングの一方側と他方側とを異
なる方向に向かわせるときに、ウェビング折返し位置に
対する一方側と他方側とでそれぞれウェビングの案内方
向と同一方向に延びる複数の溝を設けてあるので、ウェ
ビングの横滑りを効果的に抑制できる。
【0037】図13は、本発明の第6実施形態における
スルーアンカに用いられる金属板の上面図である。この
金属板64も、スルーアンカの第1中央部に固着され
る。金属板64は、ウェビング挿通孔側(図では手前
側)に凸となるように略円筒状に湾曲されている。金属
板64の湾曲表面は凹凸領域64aを含んでいる。この
凹凸領域64aを含む金属板64の湾曲表面がウェビン
グ摺接面65となる。凹凸領域64aは、湾曲表面の頂
部付近のみにある。凹凸領域64aは、頂部に対する一
方側及び他方側にまたがってスルーアンカ厚み方向(図
では上下方向)に延びる複数の溝を設けることで形成さ
れている。
【0038】以上のような金属板64を用いたスルーア
ンカは、右席用、左席用のシートベルト装置に共通に使
用することが可能となる。また、金属板64の製造が容
易であるため、スルーアンカのコストダウンを図ること
ができる。
【0039】図14に、本発明の第7実施形態であるシ
ートベルト装置に用いられるスルーアンカを示す。図1
4で示されるスルーアンカ70の面は、スルーアンカ7
0が自動車に取り付けられた際にセンターピラー等の車
体に相対する。ウェビング挿通孔76を区画する被覆樹
脂73の面のうち、ウェビングが摺接する面には金属板
74が固着されている。金属板74は、ウェビング挿通
孔76側に凸となるように略円筒状に湾曲されている。
金属板74の湾曲表面は凹凸領域74a,74bを含ん
でいる。すなわち、湾曲表面の頂部付近に第1凹凸領域
74aが設けられ、頂部に対する一方側かつ頂部から離
れた箇所に第2凹凸領域74bが設けられている。これ
ら凹凸領域74a,74bを含む金属板74の湾曲表面
がウェビング摺接面75となる。
【0040】図14におけるB−B断面図である図15
に示すように、本実施形態においても、金属板74が固
着された第1中央部77と、第1中央部77に相対する
第2中央部79とを連結する側部78の厚みは、第1中
央部77の表面と第2中央部79の表面とを平面状に結
んでなる仮想形状の厚みと同等になっている。そして、
湾曲したウェビング摺接面15の頂部付近に、スルーア
ンカ70厚み方向(図では左右方向)に延びる複数の溝
を設けることで第1凹凸領域74aが形成されている。
湾曲表面の頂部の頂点Pとその頂部に対する一方側(車
体側)でウェビングがウェビング摺接面15から離れる
点Qとの間の範囲θ内に、第2凹凸領域74bが設けら
れている。θの中心は、点Pからウェビング摺接面75
の下方側にあるインサート金具71の延びた方向へ引い
た線と、点Qの法線との交点である。範囲θは例えば9
0°とすることができる。
【0041】以上のようなスルーアンカ70によれば、
ウェビング摺接面75の、ウェビング摺動方向に沿って
間隔を隔てた複数箇所(ここでは2箇所)に凹凸領域7
4a,74bが設けられている。したがって、このスル
ーアンカ70を取り付ける種々の車種によって、ウェビ
ングとウェビング摺接面75との接触状態が変わって
も、複数のうちの少なくともいずれかの凹凸領域によっ
てウェビングの横滑りを抑制できる。
【0042】図16に、本発明の第7実施形態であるシ
ートベルト装置に用いられるスルーアンカを示す。図1
6で示されるスルーアンカ80の面は、スルーアンカ8
0が自動車に取り付けられた際にセンターピラー等の車
体に相対する。本実施形態では、ウェビングが摺接する
面が、インサート金具81の一部によって提供されてい
る。インサート金具81は、その一部がプレス加工によ
って適宜折り曲げられて略円筒状の湾曲部84とされて
いる。その湾曲部84の表面がウェビング摺接面85と
なる。ウェビング摺接面85の頂部付近には、スルーア
ンカ80厚み方向に沿って延びる複数の溝により凹凸領
域84aが形成されている。インサート金具81に設け
られた長孔の周縁部には被覆樹脂83がモールド成形さ
れているものの、ウェビング摺接面85上には被覆樹脂
83が被さっていない。すなわち、インサート金具81
のウェビング摺接面85は、被覆樹脂83から露呈して
いる。
【0043】図16におけるB−B断面図である図17
に示すように、本実施形態では、湾曲部84を有する第
1中央部87と、第1中央部87に相対する第2中央部
89とを連結する側部88の厚みは、第1中央部87の
表面と第2中央部99の表面とを図中1点鎖線で示すよ
うに平面状に結んでなる仮想形状の厚みより大きくなっ
ている。
【0044】以上のようなスルーアンカ80によれば、
ウェビング摺接面を提供するための別体の金属板が不要
であるため、スルーアンカ80の製造が容易である。そ
して、ウェビング摺接面85に設けられた凹凸領域84
aによりウェビング101の横滑りが抑制され、厚肉に
形成されたスルーアンカ80の側部88がウェビングの
幅方向端部を広い範囲にわたって当接支持することによ
りウェビングの横滑りが更に抑制される。
【0045】なお、本発明は前述した実施形態及び実施
例に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可
能である。例えば、前述した実施形態の構成を適宜組み
合わせてもよいし、又は、スルーアンカ側部を厚肉にす
る構成は必要に応じて用いればよく必須のものではな
い。また、スルーアンカに限らず、スルータング、リト
ラクタ出口のウェビングガイド、その他の所定部位にも
本発明を適用できる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ウェビングガイドにおけるウェビングの良好な摺動性を
確保しつつジャミング現象を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるシートベルト装置
のスルーアンカを示す正面図である。
【図2】図1におけるA矢視図である。
【図3】図1におけるB−B断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態であるシートベルト装置
のスルーアンカを示す正面図である。
【図5】図4におけるA矢視図である。
【図6】本発明の第3実施形態であるシートベルト装置
のスルーアンカを示す正面図である。
【図7】図6におけるA矢視図である。
【図8】本発明の第4実施形態であるシートベルト装置
のスルーアンカを示す正面図である。
【図9】図8におけるA矢視図である。
【図10】本発明の第5実施形態であるシートベルト装
置のスルーアンカを示す正面図である。
【図11】図10におけるA矢視図である。
【図12】第5実施形態であるシートベルト装置のスル
ーアンカを示す背面図である。
【図13】本発明の第6実施形態であるシートベルト装
置のスルーアンカにおけるウェビング摺接面の上面図で
ある。
【図14】本発明の第7実施形態であるシートベルト装
置のスルーアンカを示す正面図である。
【図15】図14におけるB−B断面図である。
【図16】本発明の第8実施形態であるシートベルト装
置のスルーアンカを示す正面図である。
【図17】図16におけるB−B断面図である。
【図18】シートベルト装置の全体図である。
【符号の説明】
10,20,30,40,50,70,80スルーアン
カ(ウェビングガイド) 11,71,81 インサート金具 13,73,83 被覆樹脂 14a,24a,34a,44a,54a,64a,7
4a,84a凹凸領域(凹凸) 15,25,35,45,55,65,75,85ウェ
ビング摺接面 16,76,86 ウェビング挿通孔 17,77,87 第1中央部 18,78,88 側部 19,79,89 第2中央部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗員の身体をシートに拘束するウェビン
    グと、該ウェビングを挿通されてその内面の一部がウェ
    ビングと摺接する長孔状のウェビング挿通孔を有するウ
    ェビングガイドとを備えたシートベルト装置において、 前記ウェビングガイドの前記ウェビング挿通孔の一方の
    長辺を提供する面が金属面からなるウェビング摺接面と
    され、該ウェビング摺接面に凹凸が形成されていること
    を特徴とするシートベルト装置。
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