JP4488618B2 - シートベルト装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や航空機等のシートベルト装置に関し、特にリトラクターから送出されたウェビングに摺接して該ウェビングを所定の方向へ案内するウェビングガイドを備えたシートベルト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、乗員等をシートに拘束するためのシートベルト装置として、連続ウェビングを用いた3点式シートベルト装置がある。
図7に、従来自動車に搭載されている3点式シートベルト装置110を示す。シートベルト装置110において、ウェビングWは、その一端を車体のセンターピラー113に取り付けられたリトラクター112に引出し可能に捲回され、他端をセンターピラー113の下部に固定されたアンカープレート114に係止される。
【0003】
通常、非使用状態のシートベルト装置110において、ウェビングWはリトラクタ112からセンターピラー113に沿って、センターピラー113の上方に位置し、ウェビングガイドとなるスルーアンカー115まで略垂直に導かれ、スルーアンカー115の長孔状のベルトスロットに挿通され、折り返された状態となる。このときアンカープレート114およびスルーアンカー115間に配設されたスルータング116は概ねスルーアンカ115と隣接して位置する。
【0004】
また、シートベルト装置110を使用状態にするには、シート117に着席した乗員119が、スルータング116をウェビングWとともに引き出し、シート117付近に立設されたバックル118と嵌合する。このとき、乗員119は、ウェビングWおよびスルータング116を任意の方向に引っ張るため、ウェビングWがスルーアンカ115との摺接面(以下ウェビング摺接面)上を任意の方向に摺動できるように、ウェビング摺接面は平坦面となっている。
最後に、図示するようにウェビングWが乗員119の車外側肩部から車内側腰部にかけて胴体の前方を斜め下方に横切るとともに、スルータング116によって折り返され、乗員119の腰部に沿って略水平に横切った状態となり、乗員119をシート117に拘束する。
【0005】
スルーアンカー115においては、ウェビングWの良好な巻取り性、およびウェビングWの引出し時の良好な操作感を確保するために、ウェビング摺接面におけるウェビングWとの摩擦抵抗を可能な限り低く抑える必要がある。そこで、ウェビング摺接面には、被覆樹脂を形成し、その表面形状を滑らかにしたり、摩擦抵抗の低いフッ素系の塗料を塗布する等の表面処理が施されている。スルーアンカー115のようなウェビングガイドは、リトラクター112の出口付近にも配置されている。
【0006】
上述したようなスルーアンカー115においては、ウェビング摺接面が平坦で、かつ摩擦抵抗が低い。そのため、緊急時、ウェビングWに高い張力が作用するとウェビング摺接面上でウェビングWが片寄せされてしまい(所謂ジャミング現象)、ウェビングWがよじれ、乗員を適切な力でシート117に拘束できない場合がある。
【0007】
特開昭62−238146号公報にこのような問題を解決するためのスルーアンカーが提案されている。このスルーアンカーは、ベルトスロットが形成された金属製のインサート金具に被覆樹脂がモールド成形される。その際に、ベルトスロットの下側縁部を構成する被覆樹脂から間隔を隔てて配置され、ベルトスロット内にウェビングの幅方向に架け渡され、ウェビング摺接面となる樹脂製のブリッジが成形される。前記ブリッジのウェビング摺接面は、通常は平坦面を形成し、ウェビングに張力が作用した際に前記ブリッジが弾性的に撓んで、ベルトスロットの下側縁部に形成されている下に凸形状の湾曲面に沿って変形する。こうすることで、ウェビング摺接面が下に凸形状となり、ウェビングがウェビング摺接面上をベルトスロットの端に寄ろうとする傾向に対して、幅方向の中央部分に寄せる作用を持たせている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した特開昭62−238146号公報に記載のスルーアンカーにおいては、ウェビング摺接面を構成しているブリッジが樹脂材料で成形されているため、通常の使用状態において、ウェビング摺接面がウェビングの巻取り作業中に劣化し易いという問題があった。劣化してしまったウェビング摺接面においては、ウェビングの良好な巻取り性、およびウェビングの引出し時の良好な操作感を確保することが難しくなる。
【0009】
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ウェビング摺接面の摩擦抵抗が低く、かつ巻取り耐久性に優れ、緊急時ウェビングがベルトスロット内で片寄せしないウェビングガイドを有したシートベルト装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の前記目的は、乗員の身体をシートに拘束するウェビングと、前記乗員の身体を前記シートに拘束する際に、前記ウェビングと摺接し、該ウェビングを所定の方向へ導出するウェビングガイドとを備えてなるシートベルト装置において、前記ウェビングガイドが、インサート金具と、該インサート金具にモールド成形された被覆樹脂と、該被覆樹脂に装着され、前記ウェビングとの摺接面を提供する金属部材とを有し、該金属部材の前記摺接面の裏側の所定領域が、対向する被覆樹脂と離間して配置されているシートベルト装置によって達成することができる。
【0011】
ここで、金属部材のウェビング摺接面の裏側と離間して配置されている被覆樹脂の表面が、ウェビングの幅方向の中央部分が下に凸形状の湾曲面を形成していることが好ましい。さらに、前記湾曲面のウェビング幅方向寸法は、ウェビングの幅よりも小さいことが好ましい。
【0012】
以上のような構成のシートベルト装置によれば、ウェビング摺接面が金属部材で構成されているので、通常の使用においても、樹脂製のウェビング摺接面に比べ劣化しずらく、ウェビングをリトラクターから引出す際の操作性やウェビングの巻取り性を良好に保つことができる。
また、金属部材のウェビング摺接面の裏側の所定領域が、対向する被覆樹脂と離間して配置されているので、緊急時、ウェビングに張力が作用した際に、前記金属部材が前記被覆樹脂との間隔を縮めるように塑性変形し、前記被覆樹脂と当接する。こうすることで、ウェビング摺接面上に前記被覆樹脂の形状が転写される。すなわち、前記被覆樹脂が下に凸形状の湾曲面を形成する場合には、前記ウェビング摺接面の形状も下に凸形状の湾曲面となり、ウェビング摺接面上を摺動しているウェビングは、位置エネルギーの低く安定した、湾曲面の中央に寄せられる。こうすることで、ウェビングがベルトスロット内で片寄せされにくくなり、ウェビングがよじれることがない。さらに、金属部材が塑性変形することで、緊急時の衝撃エネルギーを吸収することができる。
【0013】
ここで、金属部材の摺接面の裏側の「所定領域」とは、緊急時にウェビングがウェビング摺接面上で片寄せしないために、金属部材が変形する領域であればよい。とくに、ウェビング摺接面のウェビング幅方向の中央部分が好ましい。
「金属部材」は、金属板から形成されてもよい。金属板が鋼板の場合、その厚さは、0.2mm以上0.6mm以下がよい。金属板の厚さが0.2mmより小さいとウェビングガイドに金属部材を取り付けた際に所定の強度を確保できない。また、金属板の厚みが0.6mmよりも大きいと、緊急時に金属部材が変形できない。
【0014】
金属部材と被覆樹脂とは、「所定間隔」離間していることが好ましい。「所定間隔」とは、金属部材が変形し、被覆樹脂と当接した際に、ウェビング摺接面上にウェビングの厚さ以上の深さを有する凹部を形成する間隔であることがよい。とくに「所定間隔」は、0.8mm以上1.2mm以下がよい。
「所定間隔」が、0.8mmより小さいと、緊急時にウェビングをウェビング摺接面上の所定の位置に寄せることができない、また1.2mmより大きいと金属部材の変形に時間がかかり、緊急時にウェビングをウェビング摺接面上の所定の位置に寄せることができない。
【0015】
また、金属部材の表面に溝が設けられていることが好ましい。
金属部材の表面に設けられた溝は、金属部材の平面上に段差を設けるように構成されていればよい。例えば、金属板のプレス加工等により成形される、緩やかな湾曲面から形成された凹部や、折曲面から形成された凹部でもよい。これらの溝は、金属部材の表面に複数設けられてもよく、ウェビングの幅方向でその数が増加・減少したり、溝の幅や深さが増加・減少したりする構成でもよい。
こうして、金属部材表面にウェビングの摺動方向に沿って溝が設けられているので、ウェビングにその摺動方向に張力が生じている場合には、ウェビングの一部が溝に収納される。このとき、ウェビングの幅方向に力が加わっても、溝に収納されているウェビングの一部が溝を乗り越えようとする力に対する溝の抗力によって、ウェビングの幅方向に加わる力が打ち消される。こうして、ウェビングがベルトスロット内で片寄せされることがなく、ウェビングの引出し・巻取り操作中にウェビングがよじれることがない。
【0016】
上述した溝が、金属部材のウェビング摺接面の裏側の所定領域と対向する被覆樹脂の表面に設けられてもよい。こうすることで、金属部材が変形した後に、前記被覆樹脂の表面に形成された溝が、ウェビング摺接面上に転写され、この溝によって、さらにウェビングのベルトスロット内での片寄せを防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態において、すでに説明した部材等と同様の構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号又は相当符号を付すことにより説明を簡略化あるいは省略する。
【0018】
図1に、本発明の第1実施形態であるシートベルト装置のウェビングガイドである、スルーアンカー10を示す。
スルーアンカー10は、1枚の板状の金属を所要の形状に加工してなるインサート金具11に、被覆樹脂12をモールド成形により一体化して成形し、被覆樹脂12の一部に金属部材13を巻き付けて構成される。
インサート金具11は、例えば鋼板等の金属板の打ち抜き加工により所要形状に形成されており、インサート金具11の上部(図中上部)には、スルーアンカー10を車体のセンターピラーに回動自在に支持させるためのボルト等を嵌挿するボルト嵌挿孔14が穿設され、下部(図中下部)には、ウェビングWを挿通するためのベルトスロット15が設けられている。スルーアンカー10の耐荷重性能を確保するために、インサート金具11の材質としては、例えば所定の板厚を有する炭素鋼鋼材(JIS SC材)が挙げられる。また、このインサート金具11に熱処理を施して所定の荷重に耐えられるようにしてもよい。
【0019】
被覆樹脂12は、ベルトスロット15付近のインサート金具11に、所要形状となるようにモールド成形され、スルーアンカー10の下部を構成している。被覆樹脂12のベルトスロット15付近には、ベルトスロット15の内周側に凸となる湾曲面12aが形成されている。被覆樹脂13の平坦面と湾曲面12aとの境界部分を図中二点鎖線で示す。また、被覆樹脂12の下部には、図示しないが後述する金属部材13を係止するための溝が設けられている。
被覆樹脂12は、機械的強度の高い樹脂からなる。被覆樹脂12の具体例としては、ポリアミド6等のポリアミド系樹脂、ポリアセタールおよびポリプロピレンに強化剤を入れた樹脂、又はポリカーボネート等が挙げられる。
【0020】
金属部材13は、ベルトスロット15の下縁部を構成する被覆樹脂12の外面に巻き付けられ、ウェビングWとの摺接面であるウェビング摺接面となる。ウェビングWが、ウェビング摺接面と摺接する様子を図中二点鎖線で示す。図中、金属部材13のウェビング摺接面上には、溝を形成する複数の溝13aが設けられている。溝13aは金属部材13のウェビングWの幅方向(図中左右方向)に整列されている。また、金属部材13のウェビング幅方向端部13bは、ウェビング摺接面よりも反ウェビング方向へと後退している。
金属部材13は、例えば所定の荷重に耐え得るステンレス、鉄系材アルミ合金、チタン合金等からなる薄板の金属板で構成されている。
【0021】
図2に、スルーアンカー10に装着される前の金属部材13を示す。図2(A)には、金属部材13の平面図を示し、図2(B)には、金属部材13の側面図を示している。
金属部材13は、ダル仕上げにより表面が梨地状に加工された厚さ0.3mmの金属板が、図2(B)に示すように、断面視逆U形状となるように湾曲加工され、その表面にクロームメッキが施される。このとき、図2(A)に示すように、前述した金属部材13の頂上部付近(図中上方)の4つの溝13aは、金属部材13のウェビング幅方向(図中左右方向)に整列されるとともに、金属部材13のウェビングの摺動方向(図中上下方向)に延びて配置されている。溝13aの深さは、金属部材13の頂上部から金属部材13のウェビング摺動方向に向かうにつれて、浅くなっている。また、ウェビング摺動方向の下部13cには、端部13dが形成されている。
【0022】
図3に図1におけるIII−III断面図を示す。
図3には、ベルトスロット15の下縁部の被覆樹脂12に金属部材13が巻き付けられ、ウェビング摺接面を構成している様子を示している。
金属部材13は、ベルトスロット15の下縁部を構成する被覆樹脂12の湾曲面12aに取り付けられる。金属部材13の頂上部近傍は、ウェビング摺接面の裏側と対向する被覆樹脂12の外面に対して、離間して配置されている。このとき、金属部材13と被覆樹脂12とが離れている間隔は、最大で金属部材13の頂上部と被覆樹脂12の湾曲面12aの頂上部との所定間隔H1となる。
金属部材13のウェビング摺動方向の下部13cは、インサート金具11を挟んで対称に、被覆樹脂12の下部に設けられている溝16内に収納される。このとき、下部13cが溝16内で折り返された状態で、さらに金属部材13のウェビング摺動方向端部を構成する端部13dが折り返されて下部13cと圧着することで金属部材13が溝16内に固定される。こうして、金属部材13が、被覆樹脂12の外面に固定される。
【0023】
図4に、図3におけるIV−IV断面図を示す。図4(A)に、通常の使用において、金属部材13が変形していない状態を示し、図4(B)に、金属部材13がウェビングの張力により変形した後の状態を示す。
図4(A)に示すように、被覆樹脂12は、その外面の中央部分にウェビングの幅方向に幅L、深さが所定間隔H1よりも大きい深さを有する凹部12bを形成している。本実施形態において、所定間隔H1は1mm、幅Lは35mmとしている。
図4(B)に示すように、変形後の金属部材13は、その溝13aの裏側面と被覆樹脂12の外面とが当接し、ウェビング摺接面上に凹形状13cを形成している。金属部材13がウェビング摺接面上に凹形状13cを形成するように変形する際には、ウェビングWに作用した張力によって金属部材13が被覆樹脂12の方向へ押圧される。このとき、被覆樹脂12と離間して配置されている金属部材13の一部が、被覆樹脂12との間隔を縮めるように塑性変形し、被覆樹脂12の外面上の凹部12bを、ウェビング摺接面上に転写し、凹形状13cを形成する。このとき、凹部12bの幅Lは、ウェビングWの幅よりも小さく構成されている。
【0024】
以上のような構成のシートベルト装置のウェビングガイドであるスルーアンカー10によれば、金属部材13のウェビング摺接面の裏側が、対向する被覆樹脂12と所定間隔H1離間して配置されているので、緊急時、ウェビングWに所定の張力が作用した際に、金属部材13が被覆樹脂12との間隔を縮めるように塑性変形し、被覆樹脂12と当接する。こうすることで、図4(B)中に二点鎖線で示すように、ウェビング摺接面上を摺動しているウェビングWは、ウェビング摺接面上に転写された凹形状13c内へと寄せられる。さらに、凹形状13c内に形成されている溝13aによって、ウェビングWの一部が溝13aに収納され、ウェビングの幅方向に対する移動の抵抗となっているため、よりいっそう、ウェビングWがベルトスロット内で片寄せされることを防止している。さらに、金属部材13が塑性変形することで、緊急時の衝撃エネルギーを吸収することができる。
【0025】
図5に本発明の第2実施形態であるシートベルト装置のスルーアンカー20の図4に示した断面図と同じ位置のウェビング摺接面付近の要部断面図を示す。図5(A)は、通常の使用状態でのウェビング摺接面付近の要部断面図を示し、図5(B)は、緊急時ウェビングに張力が生じた際に、変形した金属部材のウェビング摺接面付近の要部断面図を示す。
図5(A)に示すウェビング摺接面付近において、金属部材23の裏側と対向する被覆樹脂22の外面(図中上面)には、下に凸形状となる湾曲面を形成する凹部22bが形成されている。金属部材23のウェビング摺接面は平坦面で形成されている。金属部材23と被覆樹脂22との離間している最大間隔H2は、1mmとなっている。
図5(B)に示すウェビング摺接面において、緊急時ウェビングに張力が生じた際に、ウェビング摺接面が図示しないウェビングによって被覆樹脂22の外面に押圧される。こうすることで、ウェビング摺接面に被覆樹脂22の凹部22bの形状が転写され、ウェビング摺接面が下に凸の凹形状23cとなる。
【0026】
本実施形態のこのような構成によれば、ウェビング摺接面を構成する金属部材23に溝を設けることなく、緊急時のみに被覆樹脂22に形成された凹部22bをウェビング摺接面上に転写して凹形状23cを形成することで、ウェビングWを凹形状23cにウェビング幅方向中央部に寄せ、ウェビングの片寄せを防止している。したがって、ウェビング摺接面を平坦面にしつつ、緊急時にウェビングがベルトスロット内で片寄せすることを阻止できる。その他の構成・作用については、上述した第1実施形態と同様である。
【0027】
図6に本発明のシートベルト装置の第3実施形態のスルーアンカー30のウェビング摺接面付近の要部断面図を示す。図6(A)は、通常の使用状態でのウェビング摺接面付近の要部断面図を示し、図6(B)は、緊急時ウェビングによる張力によって変形したウェビング摺接面付近の要部断面図を示す。
図6(A)に示すウェビング摺接面付近において、金属部材33の裏側と対向する被覆樹脂32側の外面(図中上面)は、下に凸となる湾曲面を形成する凹部32bが形成されると共に、凹部32b内に溝32aが整列されている。溝32aは、ウェビングの摺動方向(図中紙面に対して垂直方向)に延びるように、ウェビングの幅方向に対して整列されている。また、金属部材23のウェビング摺接面は平坦面で形成されている。
図6(B)に示すウェビング摺接面においては、緊急時ウェビングに張力が発生することで、金属部材33が被覆樹脂32の外面方向(図中下方向)へ押圧される。ウェビング摺接面上には、下に凸の凹部32bを転写するとともに、被覆樹脂32の外面に形成された溝32aを転写する。
【0028】
本実施形態のこのような構成によれば、ウェビング摺接面を構成する金属部材33に溝を設けることなく、緊急時のみに被覆樹脂32に形成された凹部32b及び複数設けられた溝32aを転写して、ウェビング摺接面上に凹形状を形成する。したがって、溝を形成することのない製造コストの安価な金属部材を用いて、緊急時にウェビングがベルトスロット内で片寄せすることを阻止できる。その他の構成・作用については、上述した第1実施形態及び第2実施形態と同様である。
【0029】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
本発明において、被覆樹脂に形成される凹部は、ウェビング摺動方向に設けられていたが、ウェビングWが金属部材のウェビング幅方向と所定の角度を形成するように摺動する際には、前記凹部も金属部材のウェビング幅方向と所定の角度を形成するように配置されてもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のシートベルト装置によれば、ウェビングとウェビングガイドとの摩擦抵抗を低くすることができるとともに、ウェビングガイドのウェビング摺接面の形状が変化することで、ウェビングがウェビング摺接面上で片寄せされない。さらに、ウェビング摺接面の形状の変化が緊急時に、ウェビングの張力によって作用するので、安価で、重量の増大もないウェビングガイドを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すシートベルト装置のスルーアンカー10を示す平面図である。
【図2】スルーアンカー10に取り付けられる前の金属部材13を示す平面図および側面図である。
【図3】図1におけるIII−III断面図である。
【図4】図3におけるIV−IV断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態であるスルーアンカー20の要部断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態であるスルーアンカー30の要部断面図である。
【図7】3点式シートベルト装置の車輌搭載時の乗員119の拘束状態を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
10,20,30 スルーアンカー(ウェビングガイド)
11 インサート金具
12,22,32 被覆樹脂
12a 湾曲面
12b,22b,32b 凹部
13,23,33 金属部材
13a,32a 溝
13c 下部
13d 端部
14 ボルト嵌挿孔
15 ベルトスロット
W ウェビング

Claims (1)

  1. 乗員の身体をシートに拘束するウェビングと、前記乗員の身体を前記シートに拘束する際に、前記ウェビングと摺接し、該ウェビングを所定の方向へ導出するウェビングガイドとを備えてなるシートベルト装置において、
    前記ウェビングガイドが、インサート金具と、該インサート金具にモールド成形された被覆樹脂と、該被覆樹脂に装着され、前記ウェビングとの摺接面を提供する金属部材とを有し、該金属部材の前記摺接面の裏側の所定領域が、対向する被覆樹脂と離間して配置されていることを特徴とするシートベルト装置。
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